JP2009251119A - 転写部材 - Google Patents

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Shigeo Shimizu
茂夫 清水
Kazumi Takano
和美 高野
Koichi Takeuchi
光一 竹内
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Abstract

【課題】繰り返し操作をすることなく、簡単な工程で、断線している配線の欠陥部に対して、均一な膜厚の修正層を形成し、修正部の電気抵抗をより低くすることが可能な転写部材を提供する。
【解決手段】基材の一方の主表面上に低融点金属からなる金属膜を形成させた転写部材を用いて、その転写部材の金属膜を、押圧部材を用いてパターンの欠陥部に密着させた状態で、レーザ光を照射して、転写部材の金属膜と、パターンを形成する金属膜との密着境界面でそれらの合金層を形成して固着させる。また、配線を構成する金属膜が欠落した欠陥部においては、その表面に露出したガラスあるいはシリコンオキサイドとの間で界面反応を起こして強固に固着させて、欠陥部を修復する。
【選択図】図10

Description

本発明は、パターン部品(基板)に発生するパターン(配線)の欠陥部を修正することが可能な転写部材に関するものであり、より特定的には、フラットパネルディスプレイやプリント基板、露光用マスクの製造工程において発生するパターン(配線)の欠陥部を修正するために用いる転写部材に関するものである。
近年、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイの大型化、高精細化に伴い、ガラス基板の表面上に形成されたパターン、たとえば配線に、欠損などの欠陥部が形成される確率が高くなっている。そこで、歩留まりの向上を図るため欠陥部を修正する方法が提案されている。
たとえば、液晶ディスプレイのガラス基板の表面上には微細なパターン、たとえば配線が形成されている。この配線の一部が欠損により断線している場合、以下のような方法で修正が行なわれている。たとえば、導電性の修正ペースト(修正液)を欠損により断線している欠陥部に塗布してから焼成する方法がある。また、レーザCVD装置を用いてレーザ光を照射された位置に、材料ガス中に含まれる金属を析出させることにより欠陥部を修正する方法がある。あるいは、レーザ光を透過可能な透明基材の一方の主表面上に金属膜を形成した転写部材を欠陥部に対向させた状態で、レーザ光を照射することにより、金属膜の一部を昇華させて欠陥部にスパッタ転写して修正する方法がある。
上述した、導電性の修正ペースト(修正液)を欠損により断線している欠陥部に塗布してから焼成する方法では、たとえば、特開平8−203898号公報(特許文献1)に開示されているように、有機金属溶液をディスペンサで配線の欠陥部に滴下した後で、レーザ光を照射させることにより焼成する。このことにより、有機金属化合物を分解し、配線の欠陥部に金属膜を析出させて、欠陥部を修正させる。
また、レーザCVD装置(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)による欠陥部の修正方法では、たとえば、特開2002−131888号公報(特許文献2)に開示されているように、金属原料ガスにレーザ光を照射することにより金属原料ガスを分解して、生成した金属(タングステン)を、配線の欠陥部に被着させる。
転写による修正では、たとえば、特開2000−31013号公報(特許文献3)に開示されているように、導電性の金属膜を一方の主表面上に形成させた転写板を欠陥部と対峙するように重ね合わせ、転写板の背後からレーザ光を照射して導電性の金属膜を欠陥部にスパッタ転写することにより、欠陥部を修正させる。
あるいは、特開2007−19105号公報(特許文献4)に示すように、基材と熱溶融層と微粒金属層(たとえば金、銀、アルミ、パラジウムなどのナノサイズ微粒子を含むペーストを塗布して、溶媒成分を揮発させた金属層)からなる積層材にレーザ光を照射して、熱溶融層および微粒金属層を断線している欠陥部に転写する。その後、熱溶融層に再度レーザ光を照射して熱分解除去し、さらに微粒金属層にレーザ光を照射して溶融焼成することで、欠陥部の導通を確保する。
特開平8−203898号公報 特開2002−131888号公報 特開2000−31013号公報 特開2007−19105号公報
特許文献1に開示されている、有機金属溶液をディスペンサで配線の欠陥部に滴下した後で、レーザ光を照射させることにより焼成する修正方法では、配線が微細になると、先端が数μmの内径とされたディスペンサを用いる必要がある。この場合、ディスペンサの先端が詰まりやすく、微細な配線を描画するための制御が難しくなる。また、有機金属溶液を塗布した後で焼成すると、修正部の膜厚は1/10程度まで収縮して非常に薄くなるため、欠陥部の段差部でクラックを生じやすく、低抵抗を得るのが難しい。
特許文献2に開示されている、レーザCVD装置を用いた修正方法では、複数の原料ガスを配線の欠陥部が含まれる局所空間に供給し、また、排出を行なう手段が必要となり、装置構成が複雑で装置価格が高価となっている。また、修正材料として使用されるタングステンは、融点が3422℃と高いため、配線材料と合金を作り難く、配線材料との接触抵抗が大きくなって修正した部分の電気抵抗が高くなる傾向がある。このため、電気抵抗を低くするためには、使用ガスの濃度を濃くしたり、レーザ走査の速度を遅くしたり、あるいは、複数回積層させて膜厚を厚くする必要がある。
特許文献3に開示されている、転写部材の金属膜にレーザ光を照射して、金属膜を溶融飛散(レーザスパッタリング)させて断線している欠陥部に転写させる修正方法では、1回の修正で得られる膜厚は非常に薄いため、修正抵抗を低くするためには、転写部材の位置を変えながら同一の欠陥部に対して複数回繰り返し転写を行なって金属膜を積層して膜厚を増やす必要がある。
また、特許文献4に開示されている、基材と熱溶融層と微粒金属層からなる積層材にレーザ光を照射して、熱溶融層および微粒金属層を断線している欠陥部に転写後、熱溶融層にレーザ光を照射して熱分解除去し、さらに微粒金属層にレーザ光を照射して溶融焼成する修正方法では、以下の問題がある。すなわち、欠陥部に転写する工程だけでなく、欠陥部に一緒に転写された熱溶融層を除去する工程と、微粒金属層を溶融焼成する工程とが必要なため、修正工程が煩雑で修正時間が長くなることが想定される。
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものである。その目的は、繰り返し操作を必要とせず、簡単な工程にて断線しているパターン(配線)の欠陥部に対して、均一な膜厚の金属薄膜の修正層を形成することで電気抵抗の低いパターンとなるよう修正することが可能な転写部材を提供することである。
本発明に係る転写部材は、基板の表面上に形成されたパターンの欠陥部を修正する転写部材である。この転写部材は、レーザ光を透過可能な基材と、基材の一方の主表面上に形成され、前記パターンを形成する第1の金属膜との密着境界面で溶融して合金層を形成することにより固着させることが可能な第2の金属膜とを備える、転写部材である。
上述した転写部材を用いてパターン修正を行なう際には、転写部材を形成する基材の一方の主表面上に形成された第2の金属膜(金属薄膜)を、パターンの欠陥部に密着させた状態で、基材の上方から正常なパターンにも重なる範囲を設けてレーザ光の照射を行なった後、転写部材を基板から除去する。このようにすれば欠陥部の修正が完了する。この一連の工程を1回行なうだけで、基板のパターンを形成する第1の金属膜の一部が断線している欠陥部に対して、転写部材に形成された第2の金属膜とほぼ同じ厚みの修正層を得ることができる。また、基板の正常なパターンが存在する第1の金属膜と第2の金属膜との密着境界面では、第1の金属膜と第2の金属膜との金属材料が溶融して合金層を形成するため、それらは強固に結合する。また、基板の欠陥部における段差部(正常なパターンと欠陥部との境界部分)にも均一に修正層が転写形成されるため、電気抵抗を低くさせることが可能となる。
また、本発明に係る転写部材の第2の金属膜は、パターンの欠陥部の下部に位置する層である、ガラスまたはシリコンオキサイドとの密着境界面で界面反応を起こすことにより固着する。たとえば、ガラスまたはシリコンオキサイドに含まれるSi−OHとシラノール結合を起こすことにより強固に固着する。そのため、たとえパターン部品のパターンを構成する材料が金属ではなくても、パターンの欠陥部の表面、つまりパターンの下部に位置する層(基板)の材質がガラスまたはシリコンオキサイドであれば、第2の金属膜との密着境界面で、Si−OHとシラノール結合を起こすことにより強固に固着させることが可能となる。なお、転写部材を構成する第2の金属膜は、その融点が基材の耐熱温度以下となるように材質を選定する。なお、シラノール結合の他、界面反応には、たとえば密着境界面の凹凸部にそれぞれの材料が入り込んで固着するアンカー効果も含まれる。
本発明に係る転写部材は、基材がポリイミド、フッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂からなるフィルムである。これらの基材は、レーザ光を透過可能であり、かつ、本転写部材の仕様においては、耐熱温度が第2の金属膜の融点よりも高い温度下においても耐熱性を有する。なお、転写部材を形成する基材のレーザ光による透過率を確保するため、基材の厚みは25μm以下であることが好ましい。
本発明に係る転写部材は、第2の金属膜が、異なる金属材料からなる金属層が互いに接するように蒸着などによって複数の層に形成される。そして、第2の金属膜の最表面の金属層は、その下部に位置する他の金属層が酸化されることを防止する酸化防止用金属膜である。したがって、その下部に位置する他の金属層の酸化を防止することが可能な材質を選択する。具体的には、酸化防止用金属膜としては、金、白金、イリジウム、金合金、白金合金、イリジウム合金からなる群から選択されるいずれか1つを含むことが好ましい。なお、この酸化防止用金属膜は、酸化を抑制させることを主目的にしているため、その厚みは第2の金属膜の酸化を抑制させることができる十分な厚みがあればよい。具体的には、酸化防止用金属膜の厚みは、その下に形成される金属層の厚みよりも薄いことが好ましい。
また、本発明に係る転写部材は、第2の金属膜が、たとえば基材の一方の主表面上から、亜鉛アルミ合金の層(薄膜)と金錫合金の層との各薄膜を蒸着等によって積層形成した2層構造である。そしてその最表面の金錫合金の層が、その下部に位置する亜鉛アルミ合金の層が酸化することを防止する。特に、亜鉛アルミ合金は酸化しやすい金属であり、酸化するとシラノール結合が難しくなって、転写性が低下する。このため、酸化防止用金属膜が必要となる。また、亜鉛アルミ合金よりも光吸収特性のよい金属層を、基材の一方の主表面上にさらに備えた3層構造としてもよい。金錫合金は、亜鉛アルミ合金よりも波長532nmの光吸収特性がよい。したがって、加熱源としてこの波長のレーザ光を用いる場合には、第2の金属膜が、金錫合金の層と亜鉛アルミ合金の層と、金錫合金の層との3層構造であってもよい。加熱源としてこの波長のレーザ光を用いる場合には、レーザパワーを低くすることが可能となり、基材の損傷を低減する。
また、本発明に係る転写部材は、基材の一方の主表面上に形成された第2の金属膜を部分的に除去することにより、周囲の領域とは空隙を介して独立した金属膜領域が形成されていてもよい。あるいは、第2の金属膜を部分的に未形成にしてもよい。たとえば、欠陥を修正するのに必要な幅の、第2の金属膜を残して、第2の金属膜をあらかじめパターン形成する。パターン長は、欠陥修正が必要な長さに形成してもよいし、連続パターンとしてあってもよい。修正する際には、修正用転写領域(第2の金属膜のパターン)を欠陥部の上方と対峙するように重ね合わせた状態で押圧密着させ、転写する範囲にレーザ光を照射して加熱する。この場合、第2の金属膜からなる薄膜は周囲の領域とは絶縁された状態にあるため、加熱時には、周囲の領域への放熱を抑制する。結果としてレーザ光を照射する強度を低く設定することが可能となり、基材の損傷を防止することができる。
本発明に係る転写部材をパターン(配線)の欠陥部を修正する用途として使用すれば、1回の修正でも、均一な膜厚の金属薄膜の修正層を欠陥部に転写することができる。また、基板の表面上の第1の金属膜からなるパタ−ンおよびその下部に位置する部材と、転写部材の第2の金属膜とは強固に固着するため、欠陥部の修正後の電気抵抗を低くすることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態が説明される。なお、各実施の形態において、同一の機能を果たす部位には同一の参照符号が付されており、その説明は、特に必要がなければ、繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、パターン、たとえば配線の欠陥部を修正する転写部材の構造を示す概略図である。図1に示すように、転写部材15は、基材26と、その一方の主表面上に、金属薄膜を蒸着等により形成した第2の金属膜27とから構成される。なお、主表面とは、面積が広い側の面を指し、ここでは、第2の金属膜27を形成する面と第2の金属膜27を形成する面と対向する面が主表面となる。基材26は450℃程度の耐熱性があって、レーザ光を透過可能な材料からなる。基材26の一方の主表面上には、図1において図示しない修正が必要な基板のパターンを形成する第1の金属膜(たとえばアルミ合金)と、加熱により容易に溶融して合金層を形成することが可能な低融点金属からなる第2の金属膜27を真空蒸着法やスパッタリング法などにより形成する。
次に、上述した転写部材15を用いた、パターンの修正方法について説明する。図2は、パターン修正方法の各工程の手順を示すフローチャートである。これは、基板の表面上に形成された、たとえば配線などのパターンの欠陥部を修正する修正方法である。図2に示すようにまず、修正が必要な基板の、欠陥部を観察する工程(S10)で、修正範囲(転写範囲)を決定する。その後、欠陥部上に転写部材を配置する工程(S20)、欠陥部に密着させる工程(S30)、レーザ光を照射させる工程(S40)を経て最後に、転写部材を除去する工程(S50)を行なえば、欠陥部の修正が完了する。以下、上述した各工程について、より詳細に説明する。
まず、欠陥部を観察する工程(S10)を実施する。具体的には、パターンの欠陥部の位置情報を元に、欠陥部の位置に移動させた観察光学系を用いて欠陥を観察、確認する工程である。この工程で、修正に必要な転写範囲を決定する。また、必要があれば、修正が容易になるように、加工用のレーザ光源等を用いて、レーザアブレーションあるいはカットすることにより、欠陥部の整形を行なってもよい。
図3は、パターンの一部が欠損により断線している欠陥部を有するパターン部品を示す概略図である。パターン部品2は、基板23とその表面上に形成されたパターンである、配線24から構成される。図3に示すように、配線24には、その一部が欠損により断線して途切れている領域である欠陥部24aが存在する。パターン部品2は、たとえば液晶パネルのTFT基板である。この場合、基板23はガラス、配線24は、第1の金属膜、たとえばAl−NdやAl−Cuなどのアルミ合金からなる金属薄膜を微細線状に形成させたものとなる。パターン部品2がTFT基板の場合、配線24の上部に絶縁膜が形成されるため、絶縁膜を付ける前の状態で欠陥部24aの修正を行なう。なお、配線24を形成後、時間と共に配線24の表面が酸化する場合も想定されるが、その場合には、欠陥部24aを含む配線24の表面をレーザアブレーションすることにより、酸化された層を除去してもよい。
欠陥部24aの導通を確保するためには、欠陥部24aを含み、その両端の正常な配線24にも重なるように導電性を有する修正部材を固着させる修正が必要となる。そこで以下に、基材26の一方の主表面上に第2の金属膜27を蒸着等により形成した転写部材15を用いた、転写修正方法について述べる。
次に、転写部材を配置する工程(S20)を実施する。具体的には、転写部材15を欠陥部24a上に対峙するように重ね合わせる工程である。転写部材15は、上述したとおり、基材26と、その一方の主表面上に形成された第2の金属膜27とから構成される。基材26は450℃程度の耐熱性があって、加熱用のレーザ光を透過可能な材料からなり、たとえばポリイミド、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂であるシリコーンシートからなるフィルムや、もしくはガラス板などが使用される。加熱用のレーザ光としては、たとえばYAG第2高調波連続発振のレーザ光(波長532nm)を用いる。基材26として有色のポリイミドフィルムを用いる場合、基材26の厚みが厚くなるに従って、波長532nmの光透過性が悪くなるので、必要に応じてその膜厚は適時選択されるが、より薄いものを用いる方が好ましい。たとえば、厚みが12.5μmの有色ポリイミドフィルムであれば、YAG第2高調波レーザ(波長532nm)の透過率は約65%であるが、厚みが25μmであれば透過率は約40%、厚みが50μmであれば透過率は約20%と低下する。したがって、ポリイミドフィルムを基材26として使用する場合には、厚みが25μm以下のものを使用することが好ましい。なかでも、厚みが12.5μm前後(7μm以上15μm以下)がさらに好ましい。なお、最近では透明なポリイミドフィルムも入手可能であり、耐熱性を十分満足すれば、基材26として使用してもよい。
基材26の一方の主表面上には、パターン部品2(基板23)の配線24を形成する第1の金属膜(たとえばアルミ合金)と、加熱により容易に溶融して合金を形成することが可能な第2の金属膜27が形成されているが、第2の金属膜27の融点は、基材26の耐熱温度以下であることが好ましい。たとえば、第2の金属膜27の材料としては比較的融点の低い、亜鉛(融点420℃)、亜鉛合金(例:亜鉛アルミ合金、融点350℃〜400℃)、金合金(例:金錫合金、融点280℃前後)、錫(融点450℃)などの金属材料を用いる。なお、第2の金属膜27は金属薄膜が1層のみの単層であってもよいし、あるいは異なる金属材料からなる金属層が互いに接するように複数の層に形成されていてもよい。
亜鉛合金の一つである亜鉛アルミ合金を第2の金属膜27とした場合、アルミの含有率などによって溶融温度は異なるが、350℃〜400℃程度のものを使用する。特に、転写部材15を用いて配線24の欠陥部24aを修正した後、後工程にて基板23の温度を上げる場合には、後工程により修正部分が溶融しない程度の融点を持つ金属材料からなる薄膜を1層以上持った第2の金属膜27を形成することが好ましい。なお、欠陥部24aを修正後の後工程で、基板23に対して加温する温度やパターン部品2を使用する環境温度が十分低い場合には、第2の金属膜27として、金錫合金のように約280℃の融点を持つ低融点金属を1層のみ形成した転写部材15を使用してもよい。
第2の金属膜27は、一般的に広く使用されている真空蒸着法やスパッタリング法を用いて基材26の一方の主表面上に薄膜形成されるため、薄膜の状態で導電性を有し、低い電気抵抗を示す。第2の金属膜27は、配線24の欠陥部24aを均一な膜厚の修正層となるように修正することが可能である。修正層の電気抵抗をより小さくするためには、第2の金属膜27の厚みをより厚くすることが好ましい。たとえば、欠陥部24aの修正を行なう対象であるパターン部品2が液晶パネルに使用されるTFT基板の場合には、配線24の厚みはたとえば0.4μmである。この場合、第2の金属膜27の厚みは0.1μm以上0.5μm以下に設定することが好ましい。なお、欠陥部24aが凹凸面を含む場合には、凹凸面の形状に従って隙間なく第2の金属膜27を転写するために、第2の金属膜27の厚みはより薄く、0.1μm以上0.3μm以下に設定することが好ましい。また、第2の金属膜27の厚みが厚くなるほど、加熱時のレーザ光の照射によるレーザパワーをより多く必要とする。このため、使用環境に合わせて第2の金属膜27の厚みを設定すればよい。
図4は、第2の金属膜の最表面の金属層として、酸化防止用金属膜を形成させた転写部材の構造を示す概略図である。先の図1における転写部材15は、基材26に第2の金属膜27が1層存在する構造となっている。しかし、図4に示す転写部材15aのように、第2の金属膜27を2層構造としてもよい。第2の金属膜27は、たとえば、基材26の一方の主表面上から、転写させる金属材料の母材膜27aとなる亜鉛アルミ合金の層(薄膜)と、その酸化防止用金属膜27bとなる金錫合金の層(薄膜)とを、それぞれ真空蒸着法やスパッタリング法などにより積層形成する。
図4における第2の金属膜27の2層構造の最表面にある酸化防止用金属膜27bとしての金錫合金の層は、その下部に位置する層である亜鉛アルミ合金の層が酸化することを防止する機能を有する。特に、亜鉛アルミ合金は酸化しやすい金属であり、酸化するとシラノール結合が難しくなって、転写性が低下する。このため、酸化防止用金属膜27bが必要となる。酸化防止用金属膜27bとして、たとえば、金、白金、イリジウム、金合金、白金合金、イリジウム合金などが使用できる。したがって、たとえば、先述した金錫合金を酸化防止用金属膜27bとして用いる。
ここでは酸化防止用金属膜27bは、母材膜27aの酸化を抑制させることを主目的にしている。このため、その厚みは母材膜27a(亜鉛アルミ合金)の酸化を抑制させることができる厚みがあればよく、母材膜27aの厚みよりも薄いことが好ましい。具体的にはたとえば0.01μm以上0.03μm以下の膜厚に設定される。
酸化防止用金属膜27bとした最表面の薄膜である金錫合金の融点は、母材膜27aとした亜鉛アルミ合金の融点よりも低い。このため、転写時には始めに金錫合金が溶融して、配線24の欠陥部24aとの密着境界面で溶融固着し易くなるので、転写性が良くなって好都合である。
図5は、図4に示した2層構造に、基材と母材膜との間に光吸収特性のよい金属の層からなる光吸収層を追加した3層構造を有する転写部材の構造を示す概略図である。上述した図4に示す転写部材15aのように、第2の金属膜27は、異なる金属材料からなる金属層が互いに接するように複数の層に形成されていてもよい。したがって、図5のように3層構造であってもよい。図5に示す、3層構造の第2の金属膜27を有する転写部材15bにおいて、光吸収層27cとしては、低融点金属であって、かつ、第2の金属膜27の母材膜27a(亜鉛アルミ合金)よりも光吸収特性のよい金属材料を用いることが好ましい。たとえば、酸化防止用金属膜27bが金錫合金の層である場合、同じ金錫合金を光吸収層27cの金属材料とすれば、使用する金属の種類を低減できて好都合である。したがって転写部材15bにおける第2の金属膜27は、金錫合金で構成させた光吸収層27cを、基材26の一方の主表面上にさらに備えた、すなわち金錫合金の層と亜鉛アルミ合金の層と、金錫合金の層との3層構造とする。なお、第2の金属膜27が複数の層により形成されている場合は、その最表面の層と第1の金属膜とが密着した状態にあるため、溶融時には、これらの合金層を形成する。なお、複数の層とした第2の金層膜27の各層は非常に薄いため、第1の金属膜と接していない層であっても、拡散等により合金層内に溶融する。
金属薄膜の材質が亜鉛アルミ合金の場合、加熱源としての波長532nmのレーザ光の反射率がアルミ(92%)とほぼ同じ、また、金錫合金の波長532nmに対するレーザ光の反射率が金(80%)とほぼ同じであって、残りがすべて吸収されると仮定すると、金錫合金の方が照射したレーザ光を高い割合で吸収させることができる。光吸収層27cは、照射したレーザ光を効率よく吸収できればよく、あまり厚くする必要はない。たとえば、光吸収層27cの厚みは0.1μm以下であることが好ましく、0.01μm以上0.03μm以下であることがさらに好ましい。光吸収層27cを形成すれば、より少ないレーザパワーで光吸収層27c、母材膜27a、酸化防止用金属膜27bからなる3層構造を有する第2の金属膜27を転写可能な温度まで加熱することができる。したがって、特に転写部材15bの基材26がポリイミドフィルムの場合には、基材26が高温になって炭化するなどの、損傷の可能性を低減できる。
また、基材26と接する光吸収層27cの材料として、母材膜27aよりも低い融点特性を示す金属を選択すれば、転写時に基材26と光吸収層27cとの剥離性がよくなり、好都合である。
図1に示した転写部材15の構造は、基材26の一方の主表面上に形成される第2の金属膜27は1層(たとえば亜鉛アルミ合金)であり、この場合、1層の薄膜が欠陥部24aに転写される。また、図4や図5に示した転写部材15aや転写部材15bのように、第2の金属膜27が複数の層になっている場合には、これら複数の層になった第2の金属膜27全体が欠陥部24aに転写され、導通を確保する。なお、第2の金属膜27は、4層以上であってもよい。
欠陥部24aは、欠陥部24a上に転写部材15を対峙するように重ね合わせる、先述した工程(S20)を経て修正が行なわれるが、ここで、転写部材15を用いた欠陥修正が可能なパターン修正装置1について説明する。
図6は、本発明の修正部材を用いて欠陥部の修正を行なうパターン修正装置の概略図である。図6に示すパターン修正装置1は、欠陥部24a(図3参照)の修正が必要なパターン部品2を搭載するXYステージ3と、Zステージ4と、パターン部品2の表面を観察する観察光学系5と、観察された画像を映し出すモニタ6とを備える。また、レーザ光源としては、観察光学系5を介してレーザ光を照射し不要部をカット、あるいはレーザアブレーションする第1のレーザ光源7と、加熱用の第2のレーザ光源8とを備える。さらに、パターン部品2の欠陥部24aの修正に使用する転写部材15をパターン部品2上でXY方向に相対移動あるいは、Z軸方向に移動可能な転写部材供給手段9、転写部材15をパターン部品2の欠陥部24aに押圧する押圧手段10とを備える。また、欠陥部24aを認識する画像処理部11と、装置全体を制御するホストコンピュータ12と、装置機構部の動作を制御する制御用コンピュータ13とを備える。
図7は、図6に示すパターン修正装置の主要部分の内部構成を示す概略図である。パターン、たとえば配線24の一部に欠損により断線している欠陥部24aが存在するパターン部品2は、チャック14に固定され、そのチャック14はXYステージ3によりXY方向に沿った方向に移動可能とされる。なお、パターン部品2が大型になる場合には、X軸とY軸とを重ねたXYステージ3の構成に代えて、X軸とY軸がそれぞれ独立駆動可能なガントリタイプのステージを採用して小スペース化が図られる。なお、ここでX軸の方向とは、図6に示すパターン修正装置1の左右に延びる方向を指し、Y軸の方向とは、図6に示すパターン修正装置1の手前から奥に延びる奥行き方向を指す。したがって、XY方向とは、図6に示すパターン修正装置1の水平面の方向に沿った方向を指す。
第1のレーザ光源7としては、YAGパルス発振レーザ、たとえば第1、第2、第3高調波の切り替えが可能なレーザ光を照射可能な光源が、図7に示すように、観察光学系5の上部に搭載される。また、転写部材供給手段9により位置合わせされた転写部材15を加熱する第2のレーザ光を照射可能な第2のレーザ光源8、たとえばYAG第2連続発振レーザが観察光学系5に固定される。第1のレーザ光源7と第2のレーザ光源8との切り替えは、ミラー5aの移動により行われる。なお、ミラー5aをビームスプリッタに置き換えてもよい。
第1のレーザ光源7、または第2のレーザ光源8から発射されたレーザ光は、図7に示すビームスプリッタ5b、スリット機構5c、ビームスプリッタ5d、結像レンズ5e、ビームスプリッタ5f、対物レンズ5gを通過し、パターン部品2または転写部材15上に照射される。ビームスプリッタ5dに関連してCCDカメラ5hが設けられ、パターン部品2などからの反射光が撮像される。その他、観察光学系5には、スリット光照明5iや落射照明5jが取り付けられる。
転写部材15の第2の金属膜27をパターン部品2の欠陥部24aに密着させる工程として、転写部材15の、第2の金属膜27を形成させた一方の主表面に対向する他方の主表面方向、すなわち転写部材15の上側から、転写部材15をパターン部品2に向けて押圧部材16を介して押圧する。図7では略図として示している押圧手段10の先端部すなわち押圧手段10の下端部には、レーザ光を透過可能な押圧部材16を含む。押圧部材16は、レーザ光を透過可能な材質、たとえばガラスからなり、平面ガラス板、あるいは、転写部材15を確実に押圧させるために転写部材15と接する側の面が球面形状である平凸レンズなどが固定される。押圧部材16を形成する球面形状の凸面16aが、転写部材15と接する面となるように配置することにより、転写部材15に形成させた第2の金属膜27を欠陥部24aに対してより強く密着させることができる。
第2のレーザ光源8のレーザ光は、その光路途中に設けられ、予め転写範囲の形状に合わせて調整されたスリット機構5cを通過した後、押圧部材16で転写部材15を押圧した状態にある、第2の金属膜27を欠陥部24aに対して密着させた領域を一括加熱する。なお、一括加熱に代えて、レーザ光を直径10μm前後のスポット状に集光させてから(絞ってから)転写部材15上の、欠陥部24aの修正範囲(必要な長さ)分だけ走査しながらレーザ光を照射加熱することもある。このようにして、必要な長さの修正層を得ることもできる。この場合、スリット機構5cは使わないので全開としておけばよい。
図8は、図7に示すパターン修正装置の主要部分の構成の変形例を示す概略図である。図8では、加熱用の第2のレーザ光源8のみが観察光学系5に搭載される。この場合、パターン部品2の表面上に形成された配線24の不要部をカット、あるいはレーザアブレーションする第1のレーザ光源7は、図示しない別の観察光学系5に搭載して、それぞれの観察光学系5をZステージ4上に固定して使用してもよい。なお、ここでZ軸の方向とは、図6に示すパターン修正装置1の上下に延びる方向を指す。したがって、Zステージ4とは、パターン修正装置1の上下方向(鉛直方向)に沿った方向へ移動させることができるステージである。第2のレーザ光源8のレーザ光をスポット状に絞って、第2の金属膜27上を走査して使用する場合には、レーザ光の照射範囲をスリット機構5cで調整する必要がないので、ビームスプリッタ5b、スリット機構5cおよびスリット光照明5iは不要であり、これらは観察光学系5から除去してあってもよい。
図9は、押圧手段の構成を示す概略図である。押圧手段10はベース板17を介して観察光学系5に固定される。なお、ベース板17を直接、Zステージ4に固定してもよい。ベース板17と移動板18とは、直動スライド19を介して固定されるため、移動板18は先述したY軸に沿った方向(図9では紙面に交差する方向)に移動させることが可能となる。また、押圧部材16をその下方に固着する押圧板20は、先述したZ軸に沿った方向(図9では紙面の上下方向)に移動させることが可能なように直動スライド21を介して移動板18に固定される。移動板18に固定される駆動手段22(たとえばエアシリンダ)の出力軸22aの下側の先端は、押圧板20に固定され、押圧板20をZ軸に沿った方向に移動させることを可能とする。押圧板20には、その下方に存在する、たとえば欠陥部24aの状態を観察したり、レーザ光を照射可能な貫通孔20aが形成され、その開口部の下端には、たとえばガラスからなる押圧部材16が固定される。
図示しないY軸に沿った方向に移動可能な駆動手段により直動スライド19上で移動板18をY軸に沿った方向に移動(紙面に交差する方向)すれば、押圧部材16を含む押圧板20を対物レンズ5g下方から遠ざけて、対物レンズ5gで直接基板23を観察、あるいはレーザ加工することが可能となる。なお、押圧部材16越しに対物レンズ5gで観察、あるいはレーザ加工することも可能であり、この場合にはY軸に沿った方向に移動可能な駆動手段を不要とすることも可能である。
ここで、修正工程に戻って説明を続ける。転写部材を配置する工程(S20)を経て、欠陥部に密着させる工程(S30)を実施する。具体的には、先のパターン修正装置1に備えられ、押圧手段10に固定された押圧部材16を用いて、たとえば転写部材15(図1参照)の基材26の一方の主表面上に形成させた第2の金属膜27に対向する他方の主表面の方向から、パターン部品2側に押圧して、第2の金属膜27を配線24の欠陥部24aに密着させる工程である。
図10の(A)から(D)は、工程(S20)およびそれに続く工程(S30)、(S40)、(S50)に含まれる各段階における状態を図示したものである。図10(A)は、押圧部材および転写部材を、パターン部品の欠陥部を含む範囲に対峙させた状態を示す概略図である。図10(B)は、押圧部材を下降させて転写部材をその下方に押圧して、転写部材をパターン部品の欠陥部を含む範囲に密着させた状態を示す概略図である。これらの図10(A)および図10(B)が、それぞれ工程(S20)、(S30)に係る各段階である。
図10(A)に示すように、転写部材15の基材26の一方の主表面上に形成させた第2の金属膜27を、パターン部品2の基板23の表面上に形成された配線24上に発生した、欠陥部24aを含む範囲に対峙させる。なお、転写部材15の基材26の一方の主表面上に形成された第2の金属膜27は、1層の金属膜(図1の転写部材15参照)、または異なる金属材料からなる金属層が互いに接するように形成された複数の層(図4の転写部材15a参照)となる。しかし、図10においては図面を分かり易くするため、第2の金属膜27は1層の金属膜として説明を行なう。
この状態で、図10(B)に示すように、レーザ光を良好に透過可能な、たとえば透明のガラスで形成された押圧部材16を、転写部材15の第2の金属膜27を形成させた主表面に対向する主表面方向から、すなわち転写部材15の基材26の上方から下降させる。すると、押圧部材16を介して転写部材15をパターン部品2側に押圧し、第2の金属膜27と欠陥部24aを含む配線24とを密着させることができる。このとき、修正部に気泡が入らないように完全に密着させる方が好ましい。そのためには、押圧部材16の面圧を最適に調整する。通常、欠陥部24aの長さは数十μmと微小であるため、押圧する範囲は必要最低限の範囲にするのがよく、実際に第2の金属膜27が欠陥部24aを含む配線24に密着する領域は直径50μm以上200μm以下、あるいは50μm角以上200μm角以下であることが好ましい。押圧部材16を形成する球面形状の凸面16aが、転写部材15と接する面となるように配置することにより、押圧させる範囲を必要最低限に限定させることができる。また、転写部材15に形成された第2の金属膜27を欠陥部24aに対してより強く密着させることができる。このため後述する工程(S40)では、元々の配線24を形成する第1の金属膜と第2の金属膜27との密着境界面に合金層を、容易に形成して固着させることができる。この場合、凸面16aを持つ押圧部材16として、たとえば平凸レンズを用いてもよいし、凸面16aを持たない、平面板状の押圧部材16を用いてもよい。なお、押圧は、先の図9に示した押圧手段10を用いて行なう。
そして、レーザ光を照射させる工程(S40)を実施する。具体的には、押圧部材16で第2の金属膜27を欠陥部24aを含む配線24上に押圧して、第2の金属膜27と欠陥部24aを含む配線24とを密着させた状態(図10(B)の状態)のまま、押圧部材16の上方からレーザ光を、転写範囲である、欠陥部24aと接する第2の金属膜27に照射する。そして、レーザ光により欠陥部24aと接する第2の金属膜27の密着境界面を溶融させて、第2の金属膜27と、配線24を構成する第1の金属膜との合金層を形成させることにより、欠陥部24aに第2の金属膜27を強固に固着させる。次に、工程(S40)を詳細に説明する。
図10(C)は、配線の欠陥部に転写部材を密着させた状態で、レーザ光を照射した状態を示す概略図である。工程(S40)に係る図10(C)に示すように、転写部材15の基材26を介して、押圧部材16で第2の金属膜27を押圧密着させた状態で、転写部材15の、第2の金属膜27に対向する方向、すなわち押圧部材16の上方からレーザ光29(たとえばYAG第2高調波CWレーザ)を照射する。レーザ光29の照射範囲は、たとえば図示しない、先述したスリット機構5cを通過することで設定される。基材26を透過したレーザ光29によって、修正領域の第2の金属膜27が加熱され、配線24を形成する第1の金属膜と、第2の金属膜27との密着境界面でこれらの金属が溶融して合金層を形成して固着する。
なお、断線している欠陥部24aは、配線24を形成する第1の金属膜が欠落していて、その下部に位置する領域、たとえば基板23を構成するガラスやシリコンオキサイドが露出した状態にある場合もある。この場合、ガラスまたはシリコンオキサイドと転写部材15との密着境界面で、その密着境界面(配線24の下部に位置するガラスやシリコンオキサイドの表面)に含まれるSi−OHと、転写部材15に形成されている押圧密着させた第2の金属膜27との間で界面反応、たとえばシラノール結合が起こって化学的に強固に固着する。この場合、転写部材15のベースとなる基材26の一方の主表面上に形成される第2の金属膜27の材料として、たとえば亜鉛、亜鉛合金(たとえば亜鉛アルミ合金)、錫、錫合金(たとえば金錫合金)などの低融点金属を用いることが好ましい。なお、シラノール結合の他、界面反応には、たとえば密着境界面の凹凸部にそれぞれの材料が入り込んで固着するアンカー効果も含まれる。
したがって、たとえ断線している欠陥部24aが、配線24を形成する第1の金属膜を含まず、基板23が露出した状態であったとしても、基板23を形成する材料と、転写部材15の第2の金属膜27との間でシラノール結合で固着させることにより欠陥部24a内にも第2の金属膜27を転写固着することができる。上述したとおり、基板23の表面層と転写部材15の第2の金属膜27との間での固着の効果は、基板23の表面層がガラスやシリコンオキサイドで形成されている場合に、特に顕著になる。
また、レーザ光29の照射において、基板23および基材26の耐熱温度以下の加熱状態でも、第2の金属膜27を欠陥部24aに転写できるような金属材料を第2の金属膜27として選定することが好ましい。すなわち、第2の金属膜27は、その融点が基板23および基材26の耐熱温度以下であることが好ましい。
最後に、転写部材を除去する工程(S50)により、パターン部品2に密着した状態の転写部材15を除去する工程を実施する。図10(D)は、欠陥部の修正を終えた後のパターンの状態を示す概略図である。工程(S50)に係る概略図が図10(D)である。レーザ光29を照射後、押圧部材16による押圧を解除してから、転写部材15をパターン部品2から上方に剥離退避する。すると図10(D)に示すように、レーザ光29が照射された領域に限定して転写部材15の第2の金属膜27が欠陥部24aに転写され、修正層27dが残る。修正層27dは、第2の金属膜27とほぼ同じ膜厚で転写されるので、図10(D)に示すようにたとえ欠陥部24aに段差部が存在しても、修正層27dの膜厚は均一であり、転写と同時に低い電気抵抗で導通が確保される。以上のように、本発明の実施の形態1におけるパターン修正装置1を用いれば、転写部材15の基材26の一方の主表面に形成された第2の金属膜27は、欠陥部24aを含む配線24と密着した状態でレーザ加熱され、欠陥部24aと第2の金属膜27との密着境界面で溶融固着させるか、あるいはシラノール結合により強固に固着させて欠陥修正を行なうことができる。したがって、1回の転写工程でも均一な膜厚の修正層27dを形成して、電気的抵抗をより低くすることが可能である。
図11は、パターンの欠陥部に、転写部材の表面に形成された第2の金属膜からなる修正層が転写された状態のパターン部品を示す概略図である。一般的には、図11におけるパターン部品2が示すように、修正層27d(クロスハッチング層)の幅は配線24の幅とほぼ同じ幅となるよう、修正層27dを形成させる。なお、配線24の幅からのはみ出しが許容される場合には、配線24の幅より太くなってもよい。また、配線24の幅より細くなってもよいが、この場合は、修正後の配線24の電気抵抗が設計値以下となるように設定することが好ましい。なお、修正層27dの形状は、転写後、先述した第1のレーザ光源7を用いて整形してもよい。
欠陥部24aに転写された修正層27dの周囲にバリ等が発生する場合があるが、その場合には、図11に示す状態のパターン部品2に対して再度、修正層27d全体にレーザ光29を照射して、修正層27d全体を加熱してバリを溶かして除去してもよい。また、再度加熱することにより、修正層27dと、基板23との密着をより強固にすることができる。ここで、再度加熱する際には、たとえば修正層27dに窒素ガスなどを吹き付けて、修正層27dの酸化を防止することがより好ましい。
図12は、配線の欠陥部に転写部材を密着させた状態で、スポット状に絞ったレーザ光を走査しながら照射した状態を示す概略図である。図10(C)では、スリット機構5cを用いてレーザ光29の照射範囲を決定して一括照射する。これに対して、図12に示すように、レーザ光29aを、たとえば径が5μmから30μm程度のスポット状に集光した(絞った)状態で、第2の金属膜27上を走査しながら加熱してもよい。この方法を用いて、必要な長さ分だけ、レーザ光29aを走査させることにより、必要な長さの修正層27dを得ることができる。なお、この場合、修正層27dの幅は、レーザ光29aの径(照射させる領域)により決定される。
以上の説明は、たとえば図1に示す転写部材15のように、第2の金属膜27が1層(単層)の転写部材を用いて行なった。しかし、たとえば図4、図5に示した転写部材15a、転写部材15bのように、第2の金属膜27が複数の層から形成される転写部材を用いて修正を行なった場合においても、図10と同様に修正が行なわれる。ここで、第2の金属膜27が2層構造である転写部材15a(図4参照)を用いた転写形態について概略を説明する。
転写部材15aの、基材26の一方の主表面上には、図4に示すように、その内側から母材膜27aと、酸化防止用金属膜27bとからなる2層構造の第2の金属膜27が形成される。たとえば、母材膜27aの材質としては亜鉛アルミ合金で形成され、酸化防止用金属膜27bは金錫合金で形成される。酸化防止用金属膜27bとして用いる金錫合金は、母材膜27aとして用いる亜鉛アルミ合金よりも融点が低い。このため、レーザ光29またはレーザ光29aによる加熱時には、金錫合金と配線24を形成する第1の金属膜との密着境界面で、先に金錫合金が溶融して、それらの合金層を形成して固着する。特に金は拡散し易い材料であるため、金錫合金と接する第1の金属膜、あるいは亜鉛アルミ合金内にも金が拡散するので、これらの膜は強固に固着する。
質量%比がAu:Sn=80:20である金錫合金の融点は約280℃と低いため、欠陥部24aを修正した後の後工程でパターン部品2全体を300℃から350℃程度の温度で処理する場合には、金錫合金の再溶融が懸念される。しかし、上述のように、酸化防止用として形成される金錫合金は厚みが非常に薄い。また、配線24を形成する第1の金属膜や、転写部材15aの母材膜27aと溶融して合金化すると、その合金層の融点は単体の融点よりも上昇する。したがって、再度加熱することによる溶融が起きにくくなる。さらに、金錫合金より融点が高い、亜鉛アルミ合金(融点は350℃〜400℃近辺)がほぼそのままの膜厚で残るので、これを再度加熱させることによる、再溶融などの影響はない。また、金錫合金は非酸化性で、金属材料との接合材としてよく利用されるものである。したがって、配線24の欠陥部24aに対する密着状態を良好に保つことができる。以上により、転写される金属材料が2層構造をなす転写部材15aを用いた場合についても、欠陥部24aを良好に転写修正することができる。
(実施の形態2)
図13は、第2の金属膜の溶融を必要としない領域への放熱を抑制するための転写部材を示しており、基材に対して第2の金属膜が形成されていない主表面側から見た状態を示す概略図である。なお、図13以降においては、第2の金属膜27として、2層構造を例としたが、先述した1層であっても、また3層構造であっても同様である。また、図14は、図13の線分XIV−XIVにおける断面模式図である。たとえば先述した本発明の実施の形態1における転写部材15(図1参照)、15a(図4参照)、15b(図5参照)を用いたパターン修正方法は、基材26の一方の主表面上の全面に第2の金属膜27が形成された状態で、欠陥部24a(図3参照)など必要な領域にのみ、レーザ光29(図10(C)参照)またはレーザ光29a(図12参照)を照射することにより加熱して配線24(図3参照)の欠陥部24aに転写する方法である。これに対して、転写部材15cは、図14に示すように、基材26の一方の主表面上に形成された第2の金属膜27は、修正に必要な大きさの第2の金属膜27Pを残すように、その周囲の第2の金属膜27を除去して空隙35を形成する。このように第2の金属膜27を部分的に除去することにより、周囲の領域とは空隙35を介して独立した金属膜領域が形成されている。
このような構造の転写部材15cを用いることにより、たとえば欠陥部24aに密着させた第2の金属膜27Pにレーザ光29またはレーザ光29aを照射させて加熱させても、第2の金属膜27Pの周囲には第2の金属膜27がなく、空隙35により絶縁された状態にあるので、周囲の領域への放熱を防止できる。そのため、レーザ光29またはレーザ光29aのパワーを低く抑えることが可能となる。また、レーザパワーを低減できるので、転写部材15の一方の主表面上に形成させた基材26がたとえばポリイミドフィルムの場合には、たとえば基材26が焦げて炭化することなどの損傷を防止することができる。以上により、修正が必要な長さ、すなわち転写範囲の第2の金属膜27Pを欠陥部24aに転写させることができる。
また、第2の金属膜27Pは、欠陥部24aを修正する形状に合わせて既に形成されているため、基材26からの剥離性も良好である。さらに第2の金属膜27Pと同じ形状で欠陥部24aに転写されるので、修正層27d(図11参照)の幅は均一となる。このため、修正したパターン部品2(図11参照)の品質および信頼性を向上させることができる。ここで空隙35は、たとえば、YAG第2高調波パルスレーザで第2の金属膜27をレーザアブレーションして除去すれば形成可能である。なお、空隙35の幅は、第2の金属膜27Pを加熱する際に、空隙35の外周にある第2の金属膜27に熱が伝達しない程度に設定されればよい。
図15は、欠陥部を修正する形状に合わせて、あらかじめ第2の金属膜をパターン状に形成した転写部材を示しており、基材に対して第2の金属膜が形成されていない主表面側から見た状態を示す概略図である。図16は、図15の線分XVI−XVIにおける断面模式図である。また、図17は、欠陥部を修正するのに必要な幅、たとえば配線とほぼ同じ幅で第2の金属膜を連続的に形成した転写部材を示しており、図15と同じ方向から見た状態を示す概略図である。図18は、図17の線分XVIII−XVIIIにおける断面模式図である。
先の図13、図14に示す転写部材15cは、先に基材26の一方の主表面上の全面に第2の金属膜27を形成した後、レーザアブレーションにより空隙35を形成して、空隙35の内側(基材26の中央部分)に第2の金属膜27をパターン化させた第2の金属膜27Pを形成していた。これに対して、図15から図18に示す転写部材15d、15eにおける、パターン化した第2の金属膜27は、たとえば、マスクを介して真空蒸着またはスパッタリング処理を行う方法、あるいは、第2の金属膜27を基材26の一方の主表面上の全面に形成した後で露光、現像処理することで形成できる。図17、図18に示した転写部材15eを用いて欠陥部24aを修正する場合、パターン化された修正用転写領域としての第2の金属膜27のパターンを欠陥部24aの上方に重なるように位置合わせする。そして、転写部材15eの基材26を介して、押圧部材16で第2の金属膜27を押圧密着させた状態で、転写部材15eの、第2の金属膜27に対向する方向、すなわち押圧部材16の上方からレーザ光29またはレーザ光29aを照射して加熱する。以上により、修正が必要な長さ、すなわち転写範囲の第2の金属膜27を欠陥部24aに転写させることができる。
この場合も、第2の金属膜27からなる薄膜はパターン化され、独立した金属膜領域として絶縁された状態にある。このため、加熱時には、周囲の領域への放熱を抑制する。結果としてレーザ光29を照射する強度を低く設定することが可能となり、たとえば基材26が焦げて炭化することなどの損傷を防止することができる。
なお、この場合、第2の金属膜27は延在方向に長く形成されているため、1回の転写修正で使用する長さは、第2の金属膜27のうち一部分となる。そのため、転写部材15eの場所を移動して、第2の金属膜27の位置を変えて転写修正を行うことができるので、1つのパターン化された第2の金属膜27を用いて複数の欠陥部24aを修正することが可能となる。
図19は、パターン化された第2の金属膜を複数個有する転写部材を示しており、基材に対して第2の金属膜が形成されていない主表面側から見た状態を示す概略図である。図20は、図19の線分XX−XXにおける断面模式図である。また、図21は、図17の転写部材で説明したパターン化した第2の金属膜を複数個有する転写部材を示しており、図17と同じ方向から見た状態を示す概略図である。図22は、図21の線分XXII−XXIIにおける断面模式図である。
先の図15〜図18に示した転写部材15d、15eは、パターン化した第2の金属膜27は1個であるが、図19〜図22に示す転写部材15f、15gは、基材26の一方の主表面上に、複数個のパターン化した第2の金属膜27を形成させている。したがって、それぞれの第2の金属膜27を選択しながら複数個の欠陥部24aを修正することができる。
以上のように、欠陥部24aを修正するのに必要な幅の、第2の金属膜27を残して、第2の金属膜27をあらかじめパターン形成した転写部材(15c〜15g)を用いてもよい。パターン長は、たとえば図15、16に示した転写部材15dのように欠陥修正が必要な長さ、すなわち転写範囲に等しい長さに形成してもよいし、たとえば図17、18に示した転写部材15eのように連続パターンとしてあってもよい。また、サイズを変えた複数のパターン形成した第2の金属膜27を配置してもよい。
以上に述べた、各転写部材(15および15a〜15g)は、基材26がポリイミドのような樹脂フィルムであれば、ロール状としてロールに巻取りながら使用してもよい。また、基材26が小片の場合には、配線24の欠陥部24aの上方で欠陥部24aに対して相対移動が可能となるように基材26を支持して使用してもよい。
本発明の実施の形態2は、先述した各点で、本発明の実施の形態1と異なる。すなわち、本発明の実施の形態2の説明において、上述しなかった構成や条件、工程などは、全て本発明の実施の形態1に順ずる。
以上に述べた転写部材(15および15a〜15g)を用いたパターン修正方法では、元々の配線24を形成する第1の金属膜の欠損により断線している欠陥部24aに対して、第2の金属膜27を密着した状態で、レーザ光29またはレーザ光29aの照射により加熱する。そして、第1の金属膜と、転写部材15の第2の金属膜27との密着境界面で溶融して合金層を形成することにより固着させる。したがって、上述した各工程(S10)から工程(S50)を1回行なうだけで、容易に、かつ、修正層27dの膜厚が均一になるように欠陥部24aを修正することができる。また、配線24の第1の金属膜と、転写部材15の第2の金属膜27との密着境界面で溶融して合金層を形成するので、固着性も良好であり、また欠陥部24aの電気抵抗を低くすることができる。そのため、配線24などのパターンの欠陥部24aを修正したパターン部品2、たとえばTFT基板やプリント基板は、元々欠陥部24aが存在しないパターン部品2と同等の機能を有し、通常の信頼性の高い良品部品として使用することができる。
また、修正を行なった修正層27dは、欠陥部24aに対する固着性が良好のため、露光用マスクの欠陥修正にも、以上に述べたパターン修正方法を用いることができる。この場合、欠陥部24aよりも広い領域に転写部材(15および15a〜15g)の第2の金属膜27を転写し、その後で転写された第2の金属膜27の端部をカット用の第1のレーザ光源7(図7参照)を用いてカットすることにより、所望の領域にのみ第2の金属膜27が存在するよう整形する工程を行なうことが好ましい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、TFT基板に形成された配線などのパターンの欠陥部を、繰り返し操作を必要とせず、簡単な工程にて十分な膜厚の金属膜を熱転写することにより電気抵抗の低い、均一な膜厚のパターンとなるよう修正することが可能な転写部材を提供する技術として、特に優れている。
パターン、たとえば配線の欠陥部を修正する転写部材の構造を示す概略図である。 パターン修正方法の各工程の手順を示すフローチャートである。 パターンの一部が欠損により断線している欠陥部を有するパターン部品を示す概略図である。 第2の金属膜の最表面の金属層として、酸化防止用金属膜を形成させた転写部材の構造を示す概略図である。 図4に示した2層構造に、基材と母材膜との間に光吸収特性のよい金属の層からなる光吸収層を追加した3層構造を有する転写部材の構造を示す概略図である。 本発明の修正部材を用いて欠陥部の修正を行なうパターン修正装置の概略図である。 図6に示すパターン修正装置の主要部分の内部構成を示す概略図である。 図7に示すパターン修正装置の主要部分の構成の変形例を示す概略図である。 押圧手段の構成を示す概略図である。 (A)押圧部材および転写部材を、パターン部品の欠陥部を含む範囲に対峙させた状態を示す概略図である。(B)押圧部材を下降させて転写部材をその下方に押圧して、転写部材をパターン部品の欠陥部を含む範囲に密着させた状態を示す概略図である。(C)配線の欠陥部に転写部材を密着させた状態で、レーザ光を照射した状態を示す概略図である。(D)欠陥部の修正を終えた後のパターンの状態を示す概略図である。 パターンの欠陥部に、転写部材の表面に形成された第2の金属膜からなる修正層が転写された状態のパターン部品を示す概略図である。 配線の欠陥部に転写部材を密着させた状態で、スポット状に絞ったレーザ光を走査しながら照射した状態を示す概略図である。 第2の金属膜の溶融を必要としない領域への放熱を抑制するための転写部材を示しており、基材に対して第2の金属膜が形成されていない主表面側から見た状態を示す概略図である。 図13の線分XIV−XIVにおける断面模式図である。 欠陥部を修正する形状に合わせて、あらかじめ第2の金属膜をパターン状に形成した転写部材を示しており、基材に対して第2の金属膜が形成されていない主表面側から見た状態を示す概略図である。 図15の線分XVI−XVIにおける断面模式図である。 欠陥部を修正するのに必要な幅、たとえば配線とほぼ同じ幅で第2の金属膜を連続的に形成した転写部材を示しており、図15と同じ方向から見た状態を示す概略図である。 図17の線分XVIII−XVIIIにおける断面模式図である。 パターン化された第2の金属膜を複数個有する転写部材を示しており、基材に対して第2の金属膜が形成されていない主表面側から見た状態を示す概略図である。 図19の線分XX−XXにおける断面模式図である。 図17の転写部材で説明したパターン化した第2の金属膜を複数個有する転写部材を示しており、図17と同じ方向から見た状態を示す概略図である。 図21の線分XXII−XXIIにおける断面模式図である。
符号の説明
1 パターン修正装置、2 パターン部品、3 XYステージ、4 Zステージ、5 観察光学系、5a ミラー、5b ビームスプリッタ、5c スリット機構、5d ビームスプリッタ、5e 結像レンズ、5f ビームスプリッタ、5g 対物レンズ、5h CCDカメラ、5i スリット光照明、5j 落射照明、6 モニタ、7 第1のレーザ光源、8 第2のレーザ光源、9 転写部材供給手段、10 押圧手段、11 画像処理部、12 ホストコンピュータ、13 制御用コンピュータ、14 チャック、15 転写部材、15a 転写部材、15b 転写部材、15c 転写部材、15d 転写部材、15e 転写部材、15f 転写部材、15g 転写部材、16 押圧部材、16a 凸面、17 ベース板、18 移動板、19 直動スライド、20 押圧板、20a 貫通孔、21 直動スライド、22 駆動手段、22a 出力軸、23 基板、24 配線、24a 欠陥部、26 基材、27 第2の金属膜、27a 母材膜、27b 酸化防止用金属膜、27c 光吸収層、27d 修正層、27P 第2の金属膜、29 レーザ光、29a レーザ光、35 空隙。

Claims (11)

  1. 基板の表面上に形成されたパターンの欠陥部を修正する転写部材であって、
    レーザ光を透過可能な基材と、
    前記基材の一方の主表面上に形成され、前記パターンを形成する第1の金属膜と溶融して合金層を形成可能な第2の金属膜とを備える、転写部材。
  2. 前記第2の金属膜は、前記パターンの下部に位置する、ガラスまたはシリコンオキサイドとの密着境界面で、界面反応を起こすことにより固着する、請求項1に記載の転写部材。
  3. 前記第2の金属膜の融点は前記基材の耐熱温度以下である、請求項1または2に記載の転写部材。
  4. 前記基材はポリイミド、フッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂からなるフィルムである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の転写部材。
  5. 前記基材の厚みは25μm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の転写部材。
  6. 前記第2の金属膜は、異なる金属材料からなる金属層が互いに接するように複数の層に形成され、前記第2の金属膜の最表面の金属層は、前記最表面の金属層の下部に位置する層である他の金属層が酸化されることを防止する酸化防止用金属膜である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の転写部材。
  7. 前記酸化防止用金属膜の厚みは、前記酸化防止用金属膜の下部に位置する層である前記他の金属層の厚みよりも薄い、請求項6に記載の転写部材。
  8. 前記酸化防止用金属膜を構成する材料は、金、白金、イリジウム、金合金、白金合金、イリジウム合金からなる群から選択されるいずれか1つを含む、請求項6または7に記載の転写部材。
  9. 前記第2の金属膜は、亜鉛アルミ合金の層と金錫合金の層との2層構造であり、最表面の前記金錫合金の層が前記亜鉛アルミ合金の層の酸化を防止する、請求項6〜8のいずれか1項に記載の転写部材。
  10. 前記第2の金属膜は、金錫合金の層と亜鉛アルミ合金の層と、金錫合金の層との3層構造である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の転写部材。
  11. 前記基材の一方の主表面上に形成された前記第2の金属膜を部分的に除去、あるいは前記第2の金属膜を部分的に未形成にすることにより、周囲の領域とは空隙を介して独立した金属膜領域が形成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の転写部材。
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