JP2009251024A - 表示装置 - Google Patents

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雅人 石井
Shigehiko Kasai
成彦 笠井
Toru Kono
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Abstract

【課題】検出回路の規模を増大させず、外部要因のノイズの影響がなく、画素の状態を信頼性よく検出することができる表示装置の提供。
【解決手段】外部からの表示データは、ドライバ1の表示制御部3に入力し、表示制御部3は、表示データのタイミング制御や信号制御を行う。ドライバ1内での信号の流れは、表示データが、表示制御部3、検出スイッチ4を介して表示部2に入り、表画素制御部9を介して表示用電源7で表示素子8を駆動する表示経路、表示素子8からスイッチ10、検出スイッチ4を介し検出部5に行く検出経路、検出部5から表示制御部3に行き表示データを補正する補正経路がある。検出スイッチ4は、表示時と検出時でのデータ方向を切り替える。画素制御部9は、表示時に表示データによって表示用電源7の制御を行い、検出時に検出用電源6を用いて表示素子8の状態データを検出部5へ伝達する。
【選択図】図1

Description

様々な情報処理装置の普及により、役割に応じた表示装置が種々存在する。その中で、表示素子が自発光素子で構成されたいわゆる自発光型と称される表示装置が注目されてきている。このような表示装置において、その表示素子は、たとえば、有機EL(Electro Luminescence)素子、あるいは有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode)等が用いられたものが知られている。このような表示装置は、バックライトが不要で低消費電力に向いており、また、従来の液晶ディスプレイに比べて画素の視認性が高く、応答速度が速い等の利点を有する。さらに、このような発光素子はダイオードに似た特性を持っており、素子に流す電流量によって輝度を制御することができる。
しかし、このように構成された表示装置において、その発光素子の特性として、使用期間や周囲環境により素子の内部抵抗値が変化することを免れない。特に使用期間が増大すると経時的に内部抵抗が高くなり、素子に流れる電流が減少する性質がある。そのため、例えばメニュー表示などを行う場合において、画面内の同一箇所の画素を点灯続けていると、その部分について焼付きの現象が生じる。
この状態を補正するためには画素の状態を検出する必要があり、たとえば、下記特許文献1に開示された技術が知られている。すなわち、発光素子に電流を供給している配線上に接続された検出回路(電流計)によって、該発光素子に流れる電流値を測定するようになっている。そして、画素毎の測定値から補間関数を求め、それを記憶媒体に記憶するようになっている。画像の表示の際には、前記記憶媒体に記憶された補間関数から各画素の駆動用トランジスタの特性に応じた信号を演算して求め、該信号を当該画素に供給するようになっている。
特開2003−195813号公報
しかし、特許文献1に示した技術は、画素ごとの発光素子に流れる電流は微少(数μA程度)であるため、検出器によって検出される電流は微少となることを免れない。この場合、たとえば温度等の外部要因であるノイズの影響がある場合、前記電流は精度よい値として検出することができなくなる。たとえば焼き付きが生じた画素における検出電流は数十mVの変動であるのに対し、温度特性などの外部要因の電圧は数百mVの変動が生じるからである。このため、画素の状態の信頼性ある検出を行うためには、回路規模の増大を回避できないことになる。
本発明の目的は、検出回路の規模を増大させず、外部要因のノイズの影響がなく、画素の状態を信頼性よく検出することができる表示装置を提供することにある。
本発明は、従来の上述した画素の状態の検出は絶対値で行っており、検出器は、その測定範囲を、外因による電圧変動分をも含めなくてはならないという観点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、検出回路による各画素の状態の順次検出は、隣接画素の相対値を用いて検出することで、該検出回路の規模の縮小、および検出精度の信頼性を向上させたものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
(1)本発明による表示装置は、たとえば、電流量に応じて発光量が変化する複数の画素により構成された表示部と、前記画素に表示信号を供給する信号線を有する表示装置であって、
前記画素への検出用電源の供給によって得られる前記画素の画素状態信号を前記信号線の切り替えによって取り出すスイッチ回路と、
前記画素の画素状態信号を前記表示部の隣接する画素に沿って検出するA/D変換器と、
このA/D変換器からの検出値に基づいて当該画素への前記表示信号を補正する補正回路を備え、
前記A/D変換器は、同一の画素に対して画素状態信号を検出する第1のA/D回路と第2のA/D回路を備え、第2のA/D回路は、第1のA/D回路よりも検出電圧のしきい値の半分だけレベルシフトされて、該第1のA/D回路と2段構成され、
前記補正回路は、前記第1のA/D回路からの各画素からの検出値から隣接する画素同士の差分値を求めるとともに、前記第2のA/D回路からの対応する各画素からの検出値から隣接する画素同士の差分値を求める第1の回路と、 前記第1のA/D回路から順次得られる差分値と前記第2のA/D回路から順次得られる差分値から対応する各差分値の一方を選択する第2の回路と、第2の回路から得られる各差分値を順次累積させて前記画素ごとの累積値を求める第3の回路とから構成され、前記画素ごとの累積値によって前記表示信号を補正することを特徴とする。
(2)本発明による表示装置は、たとえば、(1)の構成を前提とし、前記第2の回路は、対応する各差分値の絶対値が、同じ値、あるいは一つずれた値の場合に、小さい値を有する差分値を選択することを特徴とする。
(3)本発明による表示装置は、たとえば、(2)の構成を前提とし、前記第2の回路は、対応する各差分値が、いずれも負の値の場合、選択された差分値を負とすることを特徴とする。
(4)本発明による表示装置は、たとえば、(1)の構成を前提とし、前記第3の回路によって得られる画素ごとの累積値に負の値のものがある場合、全体の画素の累積値をシフトさせることによって全体の累積値を正の値にすることを特徴とする。
(5)本発明による表示装置は、たとえば、(1)の構成を前提とし、前記スイッチ回路によって画素の画素状態信号を取り出しは帰線期間になされることを特徴とする。
(6)本発明による表示装置は、たとえば、(1)の構成を前提とし、前記A/D変換器は、リファレンス電圧生成回路、加算回路、および減算回路を備え、リファレンス電圧を中心に、加算回路と減算回路からそれぞれ基準電圧を生成し、これら基準電圧を前記第1のA/D回路および第2のA/D回路に供給することを特徴とする。
(7)本発明による表示装置は、たとえば、(1)の構成を前提とし、画素の発光は前記検出用電源と別個の表示用電源の供給によってなされることを特徴とする。
(8)本発明による表示装置は、たとえば、(1)の構成を前提とし、前記画素は有機EL素子を備えることを特徴とする。
(9)本発明による表示装置は、たとえば、(1)の構成を前提とし、前記画素は有機発光ダイオードを備えることを特徴とする。
なお、本発明は以上の構成に限定されず、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した構成以外の本発明の構成の例は、本願明細書全体の記載または図面から明らかにされる。
このような表示装置によれば、検出回路の規模を増大させず、外部要因のノイズの影響がなく、画素の状態を信頼性よく検出することができる。
本発明のその他の効果については、明細書全体の記載から明らかにされる。
本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。なお、各図および各実施例において、同一または類似の構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。
図1は、本発明による表示装置における概略を示す構成図である。表示装置はドライバ1と表示部2で構成される。ドライバ1には、表示制御部3、検出スイッチ4、検出部5、検出用電源6を備える。表示部2には、表示用電源7、たとえば有機EL素子あるいは有機発光ダイオードからなる表示素子8、画素制御部9、スイッチ10を備える。外部からの表示データは、ドライバ1の表示制御部3に入力する。表示制御部3は、前記表示データのタイミング制御や信号制御を行う。ドライバ1内での信号の流れは大きく3種類あり、表示経路、検出経路、補正経路として把握できる。前記表示経路は、前記表示データが、表示制御部3、検出スイッチ4を介して表示部2に入り、表画素制御部9を介して表示用電源7で表示素子8を駆動する流れとなっている。前記検出経路は、表示素子8からスイッチ10、検出スイッチ4を介し検出部5に行く流れとなっている。補正経路は、検出部5から表示制御部3に行き前記表示データを補正する流れとなっている。前記検出スイッチ4は、表示時と検出時でのデータ方向を切り替えるようになっている。表示時には表示用電源7を利用し表示部2の電源にし、検出時には検出用電源6を利用し表示部2の電源にする。本実施例では、電源の個数は2個として示したが、構成によっては増減し、電源の種類も電流源や電圧源によって構成される場合がある。画素制御部9は、表示時に前記表示データによって表示用電源7の制御を行い、検出時に検出用電源6を用いて表示素子8の状態データ(この明細書において、画素状態信号と称する場合がある)を検出部5へ伝達するようになっている。
図2は、図1に示した構成図をさらに詳細に説明する図である。そして、表示装置としてたとえば有機EL素子を表示素子(図中符号8で示す)とした表示装置を示している。表示素子8の駆動電源は、出時と表示時とで独立した形態をもつ。すなわち、検出時には、検出用電源6として検出用電流源11を用い、表示時には、表示用電源7として表示用電圧源12を用いる。表示用電圧源12は、表示に寄与する表示素子に共通であるのが好ましい。スイッチ14は信号線18で表示演算部16に接続し、表示時にオンになる。検出用電流源11は、検出線13でスイッチ15と接続される。ここで、スイッチ14とスイッチ15は同時にオンになることはない。表示演算部16は、各スイッチや電源の制御及び検出と補正を行う。シフトレジスタ17は、表示演算部16の中に組み込まれても、独立した制御部として配置されてもよく、制御は表示演算部16が行う。信号線21は、表示時と検出時の両方で用いる共用線である。信号線21に接続されているスイッチ14は、表示演算部16が制御する制御信号20で制御され、スイッチ15は、シフトレジスタ17が制御する制御信号19で制御される。表示用電圧源12と表示素子8とは画素制御部9で接続されている。また、検出用電流源11と表示用電圧源12は別個の電源となっているが、検出構成によっては、電流源又は電圧源のどちらかの電源にまとめて構成してもよい。信号線21と表示素子8とは、スイッチ10で接続される。スイッチ10は、表示演算部16が制御するモード選択信号22で制御する。画素状態信号の検出結果は、検出線13を介して検出部5で得るようになっている。検出部5は、バッファ24、A/D変換部25、検出演算部26によって構成されている。バッファ24は、検出線13の値を増幅して信号27に出力する。A/D変換部25は、信号27のアナログ値を信号28のデジタル値に変換する。検出演算部26は、信号28のデジタル値から、補正量を算出し、信号23によって前記表示演算部16に出力する。また、検出演算部26からの制御信号29によってA/D変換部25を制御するようになっている。検出演算部26には、設定レジスタや設定メモリを含んでよく、この設定値によって検出方法や各種設定を変更することが可能である。
図3は、前記A/D変換部25の一実施例を示す内部構成図である。図3に示すように、A/D変換部25は、検出結果を示す信号27を入力し、A/D回路30によってA/D変換された信号28を出力として取り出すようになっている。また、A/D変換部25に、リファレンス電圧生成回路31と、加算回路32、減算回路35を備える。A/D変換部25には前記検出演算部26(図2参照)から制御信号29が取り入れられ、該制御信号29は前記リファレンス電圧生成回路31に入力され、該リファレンス電圧生成回路31からは信号33および信号36を出力させるようになっている。信号33の値と信号36の値は同じでも異なってもよい。信号33は加算回路32に入力され、該加算回路32は基準電圧Aが出力されて前記A/D回路30に供給されるようになっている。信号36は減算回路35に入力され、該減算回路35は基準電圧Bが出力されて前記A/D回路30に供給されるようになっている。基準電圧A34と基準電圧B37は前記A/D回路30の基準電圧として用いられるようになっている。
図4は、A/D回路の一般的な構成を示した図である(前記A/D回路30の構成の詳細は図5に示す)。図4において、前記A/D回路30は基準電圧A34及び基準電圧B37によって生成された基準値41と、入力される信号27の検出結果を複数の比較器42によって比較するようになっている。基準電圧A34と基準電圧B37は一方を基準線の値とし、リファレンス電圧値にオフセット値を加算または減算して求めた値とする。比較に用いる基準値41は基準電圧A34と基準電圧B37の間を抵抗ラダー40で分割した値となっている。これにより、各比較器42は検出結果27と基準値41を比較する。図4に示す比較器42はたとえば7個から構成されている。しかし、この比較器42の個数、及び、抵抗ラダー40の個数は要望される比較精度に応じて増減され得る。
図5は前記A/D回路30の内部構成の実施例を示す図である。図4では抵抗ラダーを1系統としているものであるが、図5では、A/Dの1レンジを広めに取った2系統のA/D変換部を用いた構成とし、ラダーの精度を緩和したものとなっている。ラダーの精度を向上するためには回路規模が大きくなってしまうことから、ラダーを2系統として回路規模の縮小を図っている。また、この実施例では各系統のA/D回路は基準を中心にたとえば±3段階のレンジを持つ構成となっている。図5に示すように、リファレンス電圧から生成した基準電圧A34及び基準電圧B37によって範囲を決定した2系統の抵抗ラダー50及び抵抗ラダー51を具備する。そして、抵抗ラダー50によって生成される各基準値53、抵抗ラダー51によって生成される各基準値53はレンジの半分のずれを有するように設定されている。前記各基準値52はそれぞれ対応する比較器54に入力され、各比較器54において、該比較器54に入力される検出結果と基準値52が比較されるようになっている。前記各比較器54からの比較結果は変換回路A57に入力され、該変換回路A57における演算によって、その結果、すなわち、画素の焼きつき具合を示す値(電圧値)をA/D値28として出力するようになっている。同様に、前記各基準値53はそれぞれ対応する比較器55に入力され、各比較器55において、該比較器55に入力される前記検出結果57と基準値53が比較されるようになっている。前記各比較器53からの比較結果は変換回路B58に入力され、該変換回路B58の演算によって、その結果、すなわち、画素の焼きつき具合を示す値(電圧値)をA/D値28として出力するようになっている。なお、図5において、符号59は、変換回路A57(変換回路B58も同様)の1レンジ幅を示している。また、前記変換回路A57および変換回路B58は図5において纏めて変換回路56として示している。
図6は前記変換回路56からの出力であるA/D値28の処理方法を示す説明図である。なお、図6では、その右側において、図5の場合と同様に、変換回路A57、変換回路B58を示しているが、図中左側において、前記変換回路A57からの出力であるA/D値28の処理方法のみを示している。前記変換回路B57の処理方法も前記変換回路A57の場合と同様だからである。図6において、変換回路A57からのA/D値28は、基準を中心に±3段階の7レンジを有する結果60として構成している。しかし、実際には、前記A/D値28は、前記7レンジの中からたとえば4レンジを選択するようになっている。すなわち、基準電圧を定めた素子の劣化の程度によって適用電圧がシフトすることで選択するようになっている。たとえば、図6に示すように、初めの画素の検出結果が"0"であれば、使用する範囲は図中61に示す範囲となり、この範囲の選択は基準画素が正常時の場合となる。また、初めの画素の検出結果が"−1"であれば、使用する範囲は図中62に示す範囲となり、この範囲の選択は基準画素が第一段階劣化した場合となる。また、初めの画素の検出結果が"−2"であれば、使用する範囲は図中63に示す範囲となり、この範囲の選択は基準画素が第二段階劣化した場合となる。さらに、初めの画素の検出結果が"−3"であれば、使用する範囲は図中64に示す範囲となり、この範囲の選択は基準画素が第三段階劣化した場合となる。また、図示していないが、前記変換回路B58からの出力であるA/D値28の処理も上述したと同様となっている。このように、前記7レンジの中からたとえば4レンジを選択するようにして、A/D値28を得る手法は、画素の劣化において面内ばらつきがあり、表示部の水平ラインに沿って画素の検出を行う際に、複数のブロックに分け、該ブロックを移動させながら検出する場合において有効となる。
図7は、表示部のたとえば1水平ラインに沿って配列されている複数(図ではたとえば9個示している)の画素に対し前記変換回路A57に基づく検出結果と前記変換回路B58に基づく検出結果を示している。なお、各画素の検出にあっては、前記図6において説明したように、変換回路A57および変換回路B58において、たとえば、図中左側から1番目の画素〜4番目の画素、4番目の画素〜8番目の画素、8番目の画素〜11番目の画素、……というようにブロック毎に検出するようになっている。ブロックの最後の画素の値と次のブロックの最初の画素を共通としているのはブロックの移動に連続性をもたせるためである。図7において、9個の画素列71において焼き付きが生じている画素はたとえば図中左側から4〜7番目の画素としている。焼き付けが生じる画素は、その画素より得られる検出電圧が仮に"2"以上とした場合、図中左側から4〜7番目の画素がそれに該当している。この図中左側から4〜7番目の画素のうち7番目の画素は検出電圧が"3"以上となっている。これにより、検出電圧が"2"以下の場合に焼き付けが生じていないと判断されるが、1番目の画素と9番目の画素においては"1"より若干大きくなっており、それ以外の画素は"0(基準電圧)"となっている。この場合、前記変換回路A57に基づく検出結果は図中符号72に示しており、1〜9番目の各画素に対して、順次"1"、"0"、"0"、"2"、"2"、"3"、"0"、"0"、"1"の検出値が得られている。また、前記変換回路B57に基づく検出結果は図中符号73に示しており、1〜9番目の各画素に対して、順次"0"、"0"、"0"、"2"、"2"、"2"、"0"、"0"、"0"の検出値が得られている。ここで、前記変換回路A57に基づく検出結果72と前記変換回路B57に基づく検出結果73を、対応する画素ごとに比較して判るように、ある画素において検出値に相異を有する。上述したように、前記変換回路A57および前記変換回路B58はレンジの半分のずれを有して検出がなされるようになっており、前記変換回路A57の検出値は前記変換回路B58の検出値以上を出力することから、結果72は結果73よりも同等か大きい値となる。
図8は、図7によって検出された前記変換回路A57に基づく検出結果72の処理方法、および前記変換回路B58に基づく検出結果73の処理方法を示した図である。図8は、図7に対応した図で、図7において、新たに、前記検出結果72に対する処理結果80、および前記検出結果73に対する処理結果81を付加した図となっている。すなわち、前記変換回路A57に基づく検出結果72に対しては、図中左側から2番目の画素の検出値"0"から1番目の画素の検出値"1"の差分、3番目の画素の検出値"0"から2番目の画素の検出値"0"の差分、4番目の画素の検出値"2"から3番目の画素の検出値"0"の差分、……、9番目の画素の検出値"1"から8番目の画素の検出値"0"の差分と言うように順次算出し、その算出値を順次図中左側から配列させることにより、図8に示すように、"−1"、"0"、"2"、"0"、"1"、"−3"、"0"、"1"の処理結果80を得ることになる。同様に、前記変換回路B58に基づく検出結果73に対しても、図中左側から2番目の画素の検出値"0"から1番目の画素の検出値"0"の差分、3番目の画素の検出値"0"から2番目の画素の検出値"0"の差分、4番目の画素の検出値"2"から3番目の画素の検出値"0"の差分、……、9番目の画素の検出値"0"から8番目の画素の検出値"0"の差分と言うように順次算出し、その算出値を順次図中左側から配列させることにより、図8に示すように、"0"、"0"、"2"、"0"、"0"、"−2"、"0"、"0"の処理結果80を得ることになる。
図9は、図8によって算出された前記変換回路A57に基づく処理結果80の処理方法、および前記変換回路B58に基づく処理結果81の処理方法を示した図である。図9は、図8に対応した図で、図8において、新たに、前記処理結果80と処理結果81の対応する処理値を判定するための判定表91、この判定表91に基づいて差分値を得る差分処理結果92、この差分処理結果92から累積値を算出した累積処理結果93を付加した図となっている。図9において、まず、前記処理結果80の図中左側から1番目の処理結果"−1"と前記処理結果81の図中左側から1番目の処理結果"0"を比較する。この場合、判定表91において"それ以外"に該当することから差分処理結果92においてその図中左側から1番目に差分値"0"を格納する。次に、前記処理結果80の2番目の処理結果"0"と前記処理結果81の2番目の処理結果"0"を比較する。この場合、判定表91において"それ以外"に該当することから差分処理結果92において2番目に差分値"0"を格納する。次に、前記処理結果80の3番目の処理結果"2"と前記処理結果81の3番目の処理結果"2"を比較する。この場合、判定表91において"22"に該当することから差分処理結果92において3番目に差分値"2"を格納する。次に、前記処理結果80の4番目の処理結果"0"と前記処理結果81の4番目の処理結果"0"を比較する。この場合、判定表91において"それ以外"に該当することから差分処理結果92において4番目に差分値"0"を格納する。次に、前記処理結果80の5番目の処理結果"1"と前記処理結果81の5番目の処理結果"0"を比較する。この場合、判定表91において"それ以外"に該当することから差分処理結果92において5番目に差分値"0"を格納する。そして、前記処理結果80の6番目の処理結果"−3"と前記処理結果81の6番目の処理結果"−2"を比較する。この場合、判定表91において"23"に該当し差分処理結果92において5番目に差分値"−2"を格納する。以下、この操作を繰り返し、差分処理結果92において、その1番目から、順次、"0"、"0"、"2"、"0"、"0"、"−2"、"0"、"0"の値を得る。ここで、判定表91においては絶対値のみを示しており、比較する対象がいずれも負である場合、差分処理結果92には−を付して格納するようにしている。そして、判定表91に示すルールは、「比較する2つの値が、同じ値あるいは一つずれた値の場合に、小さい値を採用する。」ことに基づいている。以下、この操作を繰り返し、差分処理結果92において、その1番目から、順次、"0"、"0"、"2"、"0"、"0"、"−2"、"0"、"0"の値を得る。次に、この差分処理結果92から累積値を算出する。ここで、該累積値を求めるのに、最初の値を0とし、この0に前記差分処理結果92の図中左側から1番目の差分値"0"を加算する。この加算結果である"0"の値を累積処理結果93の図中左側から1番目に格納する。次に、加算結果である前記"0"に前記差分処理結果92の2番目の差分値"0"を加算する。この加算結果である"0"の値を累積処理結果93の2番目に格納する。次に、加算結果である前記"0"に前記差分処理結果92の3番目の差分値"2"を加算する。この加算結果である"2"の値を累積処理結果93の3番目に格納する。さらに、加算結果である前記"2"に前記差分処理結果92の4番目の差分値"0"を加算する。この加算結果である"2"の値を累積処理結果93の4番目に格納する。以下、これを繰り返すことにより、前記累積処理結果93は、図中左側から、"0"、"0"、"2"、"2"、"2"、"0"、"0"、"0"となる。この累積処理結果93の各累積値は、図9の画素列71において、図中左側から1番目の画素を除いた2番目以降の各画素に対する補正データとなる。なお、1番目の画素を除いているのは、該画素が基準としているからである。このように補正データとなる前記累積処理結果93の値は、前記画素列71の図中左側から2番目の画素に、"0"の電流を、3番目の画素に"0"の電流を、4番目の画素に"2"の電流を、5番目の画素に"2"の電流を、6番目の画素に"2"、……電流を流すようにして使用される。すなわち、焼き付けが生じた画素は抵抗が大きくなってしまうことから、それに応じて電流を多く流すようにするようにしている。
なお、図9に示す実施例において、前記変換回路A57に基づく処理結果(差分値)80、および前記変換回路B58に基づく処理結果(差分値)81から、前記判定表91に基づいて、すなわち、対応する2つの値を比較し、それらが同じ値あるいは一つずれた値の場合に小さい値を採用することによって前記差分処理結果92を算出している。これにより、前記変換回路A57および前記変換回路B58の各レンジの境界の値におけるゆらぎをなくし、信頼性ある補正データを得ることができる効果を図っている。
図9に示した累積処理結果93は、その累積値から明らかとなるよう全て正の値となっており、負を含まない値となっている。しかし、演算上において負の値を含む場合もある。補正データとしての前記累積値は全て正となっていることが補正処理において好ましい。図10は、回路規模の増大をともなうことのない2ビット処理で補正データを全て正にするための処理を示したものである。図10において、符号100は画素の検出アドレスを示し、図中たとえば16個の隣接する画素を対象としている。また、符号101は補正メモリアドレスを示し、前記画素の検出アドレスに対応して16個のアドレスを示している。図16個の画素の検出において、上述したように、前記変換回路A57および前記変換回路B58を必要とすることは上述した通りであるが、図10においては、説明の便宜上、前記変換回路A57によって得られる検出結果102を示している。この検出結果102は、たとえば、5画素をブロック毎に順次検出し、その連続性を保つために、ブロックの最後の画素と次のブロックの最初の画素を共通にして、検出した結果を示している。なお、この検出結果102は、図7に示した検出結果72と対応するものである。また、符号104は差分処理結果を示し、図9に示した差分処理結果92に対応するものとなっている。そして、符号105は累積処理結果を示し、図9に示した累積処理結果93に対応するものである。ここで、前記累積処理結果105は、補正データとして使用することができるが、その累積値の中には負の値が含まれていることが明らかとなる。このため、前記累積処理結果105から算出される最小値結果106からの最小値を算出する。この最小値は−1であるから、前記累積処理結果105の図中左側からの"0"、"1"、"0"、"−1"、"0"、"0"、……、"1"、"2"、"1"の各累積値を1だけシフトさせるようにする。これにより、前記補正メモリアドレス101に、図中左側から、"1"、"2"、"1"、"0"、"1"、"1"、……、"2"、"3"、"2"からなる補正値107が格納される。上述したように、このようすることにより、2ビット処理で、補正データを全て正の値にすることができるようになる。
図11は、本発明の適用にあって、表示装置における各画素の表示期間と検出期間のタイミングを示す図である。この図では、便宜上画素数やブロック数を記載しているが、これらは一例である。図11において、表示1フレーム110の期間において、表示期間111と検出期間112を有する。通常の表示装置では、表示期間と帰線期間からなるが、帰線期間に検出期間を割り当てている。表示期間は映像を表示する期間であり、検出期間は画素情報を読み出す期間である。別の方法として、表示を行わず、全て検出に用いることも可能である。表示期間111では、補正表示113を行う。これは検出結果から得られた補正データ(図9の累積処理結果93、あるいは図10の補正値107に相当する)を用い、表示データを補正して表示する。検出期間112では、リファレンス電圧を検出するための温度特性検出114、A/D変換器(ADC)のリファレンス電圧範囲を設定するADC電圧範囲設定115、ブロック検出116を行う。1色の1検出ラインを終了するには、1表示フレームがブロック分割数分だけ必要である。この例では、1ラインを10ブロックに分割しているため、1色検出ライン117の期間は、10表示フレームになる。また、この例では、総ライン数を480ラインとしているため、1検出フレーム118の期間は、10×3×480表示フレームになる。
図12は図11に示した処理をフローチャートで示した図である。本システムが起動すると処理120において表示制御部が制御を開始する。処理121において、各インターフェース等の初期化を行う。処理122において表示処理を開始し、処理123において表示処理を終了する。処理122から処理123までが表示期間である。処理124において検出処理を開始し、処理125において温度特性検出を行う。処理126においてADC電圧範囲を設定し、処理127においてブロック検出を行う。処理128において補正値を算出し、処理129において検出処理を終了する。処理124から処理129までが検出期間である。システムは、表示期間と検出期間で処理を繰り返す。
図13は図12に示した処理125の内部処理をフローチャートで示した図である。処理130において温度特性検出制御を開始すると、処理131においてメモリや各種スイッチの初期化処理を行う。その後、処理132において電流源の設定を行い、処理133においてシフトレジスタの設定を行う。処理134において画素カウンタの設定を行い、処理135において温度特性を検出する画素を選択する。処理136においてADCの電圧範囲を設定し、処理137において温度特性を検出し、処理138において温度特性検出制御を終了する。
図14は図12に示す処理126の内部処理をフローチャートで示した図である。処理140においてADC電圧範囲設定制御を開始すると、処理141においてメモリや各種スイッチの初期化処理を行う。その後、処理142においてADC基準電圧を設定し、処理143においてADCの電圧範囲を設定する。処理144においてプリチャージの出力を設定し、処理145においてADC電圧範囲設定制御を終了する。
図15は図12に示す処理127の内部処理のフローチャートを示す図である。処理150においてブロック検出制御を開始すると、処理151においてシフトレジスタを設定する。処理152においてリファレンスを設定し、処理153において画素の状態を検出する。処理154において1ブロック内の設定個数か否か判定し、設定個数に達していない場合、処理155でシフトレジスタをシフトし、処理153から繰り返す。処理154において設定個数になった場合、処理156においてブロック分割数か判定し、ブロック分割数に達していない場合は処理152から繰り返す。処理156においてブロック分割数になった場合、処理157においてブロック検出制御を終了する。本実施例では、1ラインのブロック分割検出動作を1検出期間に行うものとしたが、複数の検出期間に分割してもよい。
図16は図12に示す処理128の内部処理のフローチャートを示す図である。処理160において補正値算出制御を開始すると、処理161において1色分のライン検出が終了したか判定する。処理161において1色分のライン検出が終了した場合、処理162において補正値を算出し、処理163において補正メモリへ結果を格納する。処理161において1色分のライン検出が終了していない場合、もしくは、処理163の処理が終了すると、処理164において補正値算出制御を終了する。
以上、本発明を実施例を用いて説明してきたが、これまでの各実施例で説明した構成はあくまで一例であり、本発明は、技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更可能である。また、それぞれの実施例で説明した構成は、互いに矛盾しない限り、組み合わせて用いてもよい。
本発明による表示装置における概略を示す構成図である。 図1に示した構成図をさらに詳細に説明する図である。 図3は、図2に示したA/D変換部の一実施例を示す内部構成図である。 A/D回路の一般的な構成を示した図である。 図3に示したA/D回路の内部構成の実施例を示す図である。 図4に示した変換回路からの出力であるA/D値の処理方法を示す説明図である。 表示部の1水平ラインに沿って配列されている複数の画素に対し変換回路A57に基づく検出結果と変換回路B58に基づく検出結果を示した図である。 変換回路A57に基づく検出結果の処理方法、および変換回路B58に基づく検出結果の処理方法を示した図である。 変換回路A57に基づく処理結果の処理方法、および前記変換回路B58に基づく処理結果の処理方法を示した図である。 回路規模の増大をともなうことのない2ビット処理で補正データを全て正にするための処理を示した図である。 本発明の適用にあって、表示装置における各画素の表示期間と検出期間のタイミングを示す図である。 図11に示した処理をフローチャートで示した図である。 図12に示した処理125の内部処理をフローチャートで示した図である。 図12に示す処理126の内部処理をフローチャートで示した図である。 図12に示す処理127の内部処理のフローチャートを示す図である。 図12に示す処理128の内部処理のフローチャートを示す図である。
符号の説明
1……ドライバ、2……表示部、3……表示制御部、4……検出スイッチ、5……検出部、6、7……電源、8……表示素子、9……画素制御部、10……スイッチ、11……検出用電流源、12……表示用電圧源、24……バッファ、25……A/D変換部、26……検出演算部、30……A/D回路、31……リファレンス電圧生成部、32……加算回路、35……減算回路、40、50、51……抵抗ラダー、42、54、55、……比較器、43……変換回路、57……変換回路A、58……変換回路B、71……画素列、72、73……検出結果、80、81……処理結果、92、104……差分処理結果、93、105……累積演算結果、107……補正データ。

Claims (9)

  1. 電流量に応じて発光量が変化する複数の画素により構成された表示部と、前記画素に表示信号を供給する信号線を有する表示装置であって、
    前記画素への検出用電源の供給によって得られる前記画素の画素状態信号を前記信号線の切り替えによって取り出すスイッチ回路と、
    前記画素の画素状態信号を前記表示部の隣接する画素に沿って検出するA/D変換器と、
    このA/D変換器からの検出値に基づいて当該画素への前記表示信号を補正する補正回路を備え、
    前記A/D変換器は、同一の画素に対して画素状態信号を検出する第1のA/D回路と第2のA/D回路を備え、第2のA/D回路は、第1のA/D回路よりも検出電圧のしきい値の半分だけレベルシフトされて、該第1のA/D回路と2段構成され、
    前記補正回路は、前記第1のA/D回路からの各画素からの検出値から隣接する画素同士の差分値を求めるとともに、前記第2のA/D回路からの対応する各画素からの検出値から隣接する画素同士の差分値を求める第1の回路と、 前記第1のA/D回路から順次得られる差分値と前記第2のA/D回路から順次得られる差分値から対応する各差分値の一方を選択する第2の回路と、第2の回路から得られる各差分値を順次累積させて前記画素ごとの累積値を求める第3の回路とから構成され、前記画素ごとの累積値によって前記表示信号を補正することを特徴とする表示装置。
  2. 前記第2の回路は、対応する各差分値の絶対値が、同じ値、あるいは一つずれた値の場合に、小さい値を有する差分値を選択することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記第2の回路は、対応する各差分値が、いずれも負の値の場合、選択された差分値を負とすることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
  4. 前記第3の回路によって得られる画素ごとの累積値に負の値のものがある場合、全体の画素の累積値をシフトさせることによって全体の累積値を正の値にすることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  5. 前記スイッチ回路によって画素の画素状態信号を取り出しは帰線期間になされることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  6. 前記A/D変換器は、リファレンス電圧生成回路、加算回路、および減算回路を備え、リファレンス電圧を中心に、加算回路と減算回路からそれぞれ基準電圧を生成し、これら基準電圧を前記第1のA/D回路および第2のA/D回路に供給することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  7. 画素の発光は前記検出用電源と別個の表示用電源の供給によってなされることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  8. 前記画素は有機EL素子を備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  9. 前記画素は有機発光ダイオードを備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
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