JP2009250569A - 熱交換器及びこれを用いた給湯装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内管を流通する第1の熱媒体と内管と外管との間を流通する第2の熱媒体とを効率良く熱交換することのできる熱交換器及びこれを用いた給湯装置を提供する。
【解決手段】各内管51を覆う被覆管53を各内管51の間に位置する部分が径方向内側に向かって括れるように形成したので、各内管51が外管52の径方向に偏在する部分においても、外管52の内周面と被覆管53との間に給湯用水を流通可能な隙間Sを形成することができ、被覆管53を介しての各内管51と給湯用水との接触面積を低減させることがない。この場合、各内管51を被覆管53によって互いに径方向に所定間隔Lをおいて保持するようにしたので、各内管51同士の距離を十分に確保することができ、その分だけ外管52の内周面との間の隙間Sが広くなり、各内管51と給湯用水との接触面積をより大きくすることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えばヒートポンプ式給湯装置の水熱交換器として用いられる熱交換器及びこれを用いた給湯装置に関するものである。
従来、この種のヒートポンプ式給湯装置としては、ヒートポンプ回路によって給湯用水を加熱する加熱ユニットと、加熱ユニットで生成された温水を貯溜するタンクユニットとを備え、タンクユニットの温水を浴槽や台所に供給するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この給湯装置の加熱ユニットは、圧縮機、蒸発器、水熱交換器(ガスクーラ)等からなる冷媒回路を備え、給湯用水を水熱交換器で加熱し、温水配管を介してタンクユニットに供給するようにしている。また、前記給湯装置の水熱交換器は、ヒートポンプ回路の高温冷媒を流通する複数本の内管と、各内管が内部に配置された外管とからなり、各内管と外管との間に給湯用水を流通することにより、内管を介して冷媒と給湯用水とを熱交換するように構成されている。
特開2006−46877号公報
ところで、前記水熱交換器では、熱交換器全体の小型化のため、各内管及び外管を環状に巻回するように形成しているが、その曲がり部分では各内管が互いに接触しながら外管の径方向に偏在するため、外管の内周面と各内管との接触部で囲まれた部分には給湯用水が十分に流通しなくなる。このため、各内管と給湯用水との接触面積が低減し、冷媒と給湯用水とを効率よく熱交換させることができないという問題点があった。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内管を流通する第1の熱媒体と内管と外管との間を流通する第2の熱媒体とを効率良く熱交換することのできる熱交換器及びこれを用いた給湯装置を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、第1の熱媒体を流通する複数の伝熱性の内管と、各内管が内部に配置された外管とを備え、各内管と外管との間に第2の熱媒体を流通することにより、各内管を介して第1の熱媒体と第2の熱媒体とを熱交換するようにした熱交換器において、前記各内管の外周面を覆うように設けられ、各内管を互いに径方向に隣接するように保持する伝熱性の被覆管を備え、被覆管を各内管の間に位置する部分が径方向内側に向かって括れるように形成している。
これにより、各内管が外管の径方向に偏在する場合でも、各内管を覆う被覆管は各内管の間に位置する部分が径方向内側に向かって括れるように形成されていることから、この括れ部分と外管の内周面との間に第2の熱媒体を流通可能な隙間が形成される。この場合、各内管は被覆管によって互いに所定間隔をおいて保持されていることから、各内管同士の距離が十分に確保され、その分だけ外管の内周面との間の隙間が広くなる。
本発明によれば、各内管が外管の径方向に偏在する部分においても、外管の内周面と被覆管との間に給湯用水を流通可能な隙間を形成することができるので、被覆管を介しての各内管と第2の熱媒体との接触面積を低減させることがなく、第1の熱媒体と第2の熱媒体とを効率良く熱交換することができる。この場合、各内管同士の距離を十分に確保することができるので、その分だけ外管の内周面との間の隙間が広くなり、各内管と給湯用水との接触面積をより大きくすることができる。
図1乃至図5は本発明の第1の実施形態を示すもので、図1はヒートポンプ式給湯装置の概略構成図、図2は第1の水熱交換器の概略構成図、図3はその要部破断斜視図、図4及び図5はその要部正面断面図である。
同図に示すヒートポンプ式給湯装置は、冷媒を流通する冷媒回路10と、給湯用水を流通する第1の給湯回路20と、給湯用水を流通する第2の給湯回路30と、浴槽用水を流通する浴槽用回路40と、冷媒回路10の冷媒と第1の給湯回路20の給湯用水とを熱交換する第1の水熱交換器50と、第2の給湯回路30の給湯用水と浴槽用回路40の浴槽用水とを熱交換する第2の水熱交換器60とを備え、第1の水熱交換器50は本発明の熱交換器を構成している。
冷媒回路10は、圧縮機11、膨張弁12、空気熱交換器13及び第1の水熱交換器50を接続してなり、圧縮機11→第1の水熱交換器50→膨張弁12→空気熱交換器13→圧縮機11の順に冷媒を流通させるようになっている。尚、この冷媒回路10で使用される冷媒は、例えば二酸化炭素等の自然系冷媒である。
第1の給湯回路20は、貯湯タンク21、第1のポンプ22及び第1の水熱交換器50を接続してなり、貯湯タンク21→第1のポンプ22→第1の水熱交換器50→貯湯タンク21の順に給湯用水を流通させるようになっている。貯湯タンク21には、給水管23及び第2の給湯回路30が接続され、給水管23から供給された給湯用水は貯湯タンク21を介して第1の給湯回路20を流通するようになっている。貯湯タンク21と浴槽41とは、第2のポンプ24が設けられた流路25を介して接続され、第2のポンプ24によって貯湯タンク21内の給湯用水が浴槽41に供給されるようになっている。
第2の給湯回路30は、貯湯タンク21、第3のポンプ31及び第2の水熱交換器60を接続してなり、貯湯タンク21→第2の水熱交換器60→第3のポンプ31→貯湯タンク21の順に給湯用水を流通させるようになっている。
浴槽用回路40は、浴槽41、第4のポンプ42及び第2の水熱交換器60を接続してなり、浴槽41→第4のポンプ42→第2の水熱交換器60→浴槽41の順に浴槽用水を流通させるようになっている。
第1の水熱交換器50は、冷媒回路10及び第1の給湯回路20に接続され、冷媒回路10を流通する第1の熱媒体としての冷媒と第1の給湯回路20を流通する第2の熱媒体としての給湯用水とを熱交換させるようになっている。第1の水熱交換器50は、冷媒を流通する二本の伝熱性の内管51と、各内管51が内部に配置される外管52と、各内管51の外周面を覆う伝熱性の被覆管53と、各内管51及び被覆管53の両端にそれぞれ接続された一対の第1のヘッダー54と、外管52の両端にそれぞれ接続された一対の第2のヘッダー55とからなり、図示していないが、各内管51、外管52及び被覆管53は環状に巻回されている。各内管51は被覆管53によって互いに径方向に所定間隔Lをおいて保持され、被覆管53は各内管51の間に位置する部分の間隔が各内管51の外径寸法よりも小さくなるように形成されている。即ち、被覆管53は、内周面が各内管51の周方向一部を除く外周面に面接触するとともに、各内管51の間に位置する部分が径方向内側に向かって括れるように湾曲している。また、被覆管53の内周面には軸方向に延びる多数の溝53aが互いに周方向に間隔をおいて設けられており、各溝53aは被覆管53の一端から他端に亘って連続して形成されている。尚、被覆管53の各溝53aは、内管51から冷媒が漏洩した場合に、冷媒を被覆管53の端部まで案内するためのものである。外管52は被覆管53の外径よりも内径の大きい管によって形成され、その内周面には多数の突部52aが外管52の周方向及び長手方向にそれぞれ間隔をおいて設けられている。この場合、各突部52aは、例えばポンチ等の工具を外管52の外面側に打ち付けることによって形成される。各第1のヘッダー54は冷媒回路10に接続され、それぞれ冷媒の流入管54a及び流出管54bが接続されている。この場合、各第1のヘッダー54には各内管51が互いに並列に接続されている。各第2のヘッダー55は第1の給湯回路20に接続され、それぞれ給湯用水の流入管55a及び流出管55bが接続されている。また、各第2のヘッダー55内には各内管51及び被覆管53の両端側がそれぞれ貫通している。
第2の水熱交換器60は、第2の給湯回路30及び浴槽用回路40に接続され、第2の給湯回路30の給湯用水と浴槽用回路40の浴槽用水とを熱交換させるようになっている。
また、前記給湯装置は、冷媒回路10及び第1の水熱交換器50が配置された加熱ユニット70と、貯湯タンク21、第1のポンプ22、第2のポンプ24、第2の給湯回路30、第4のポンプ42及び第2の水熱交換器60が配置されたタンクユニット80とを備え、加熱ユニット70とタンクユニット80とは第1の給湯回路20を介して接続されている。
以上のように構成された給湯装置においては、冷媒回路10の高温冷媒と第1の給湯回路20の給湯用水とが第1の水熱交換器50によって熱交換され、給湯用水が加熱される。第1の水熱交換器50では、冷媒回路10の冷媒が各内管51内を流通するとともに、第1の給湯回路20の給湯用水が冷媒とは逆方向に外管52内を流通し、冷媒と給湯用水とが各内管51及び被覆管53を介して熱交換される。その際、外管52内では被覆管53の外周面側の加熱温度が高く、外管52の内周面側の加熱温度が低くなるが、外管52と内管51との間を流通する給湯用水は、外管52の各突部52aによって乱流を生ずることから、各内管51側に満遍なく行き渡る。
また、前記第1の水熱交換器50では、各内管51、外管52及び被覆管53は環状に巻回されているため、図5に示すように各内管51が外管52の径方向に偏在する部分が生ずるが、各内管51を覆う被覆管53は各内管51の間に位置する部分が径方向内側に向かって括れるように湾曲していることから、この括れ部分と外管52の内周面との間に給湯用水を流通可能な隙間Sが形成される。この場合、各内管51は被覆管53によって互いに所定間隔Lをおいて保持されていることから、各内管51同士の距離が十分に確保され、その分だけ外管52の内周面との間の隙間Sが広くなる。
このように、本実施形態によれば、各内管51を覆う被覆管53を各内管51の間に位置する部分が径方向内側に向かって括れるように形成したので、各内管51が外管52の径方向に偏在する部分においても、外管52の内周面と被覆管53との間に給湯用水を流通可能な隙間Sを形成することができる。これにより、被覆管53を介しての各内管51と給湯用水との接触面積を低減させることがないので、冷媒と給湯用水とを効率良く熱交換させることができる。この場合、各内管51を被覆管53によって互いに径方向に所定間隔Lをおいて保持するようにしたので、各内管51同士の距離を十分に確保することができ、その分だけ外管52の内周面との間の隙間Sが広くなり、各内管51と給湯用水との接触面積をより大きくすることができる。
また、外管52の内周面に多数の突部52aを外管52の周方向及び長手方向にそれぞれ間隔をおいて設けることにより、各内管51と外管52との間を流通する給湯用水に各突部52aによって乱流を生じさせるようにしたので、給湯用水を各内管51側に満遍なく行き渡らせることができ、冷媒と給湯用水とを効率良く熱交換することができる。これにより、各内管51及び外管52を長くせずとも冷媒と給湯用水とを十分に熱交換することができ、第1の水熱交換器50の小型化及び材料コストの低減を図ることができる。
更に、被覆管53の内周面に軸方向に延びる多数の溝53aを互いに周方向に間隔をおいて設けたので、内管51から冷媒が漏洩した場合に、冷媒を溝53aによって被覆管53の端部まで案内することができ、センサ等によって冷媒の漏洩を検知することができる。
また、図6の第2の実施形態に示すように各内管51の間に形成される被覆管53の内部空間にシリコン等の伝熱材56を充填することにより、各内管51と被覆管53との熱伝導性を高めることができ、冷媒と給湯用水との熱交換効率をより向上させることができる。
更に、図8の第3の実施形態に示すように被覆管53を螺旋状に捩るように形成したり、或いは図8の第4の実施形態に示すように被覆管53を蛇行状に形成することにより、外管52内を流通する給湯用水の流れに変化を与えて攪拌することができ、給湯用水をより満遍なく各内管51側に行き渡らせることができる。
尚、前記実施形態では、本発明の熱交換器をヒートポンプ式給湯装置の第1の水熱交換器50として用いたものを示したが、本発明は第1の熱媒体と第2の熱媒体とを熱交換するものであれば、他の用途の熱交換器にも適用することができる。
本発明の第1の実施形態を示すヒートポンプ式給湯装置の概略構成図 第1の水熱交換器の概略構成図 第1の水熱交換器の要部破断斜視図 第1の水熱交換器の要部正面断面図 第1の水熱交換器の要部正面断面図 本発明の第2の実施形態を示す第1の水熱交換器の要部正面断面図 本発明の第3の実施形態を示す第1の水熱交換器の要部側面断面図 本発明の第4の実施形態を示す第1の水熱交換器の要部側面断面図
符号の説明
50…第1の水熱交換器、51…内管、52…外管、52a…突部、53…被覆管、53a…溝、56…伝熱材。

Claims (7)

  1. 第1の熱媒体を流通する複数の伝熱性の内管と、各内管が内部に配置された外管とを備え、各内管と外管との間に第2の熱媒体を流通することにより、各内管を介して第1の熱媒体と第2の熱媒体とを熱交換するようにした熱交換器において、
    前記各内管の外周面を覆うように設けられ、各内管を互いに径方向に所定間隔をおいて保持する伝熱性の被覆管を備え、
    被覆管を各内管の間に位置する部分が径方向内側に向かって括れるように形成した
    ことを特徴とする熱交換器。
  2. 前記外管の内周面に多数の突部を外管の周方向及び長手方向にそれぞれ間隔をおいて設けた
    ことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
  3. 前記被覆管の内周面に軸方向に延びる複数の溝を互いに周方向に間隔をおいて設けた
    ことを特徴とする請求項1または2記載の熱交換器。
  4. 前記各内管の間に形成される被覆管の内部空間に伝熱材を充填した
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の熱交換器。
  5. 前記被覆管を螺旋状に捩るように形成した
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の熱交換器。
  6. 前記被覆管を蛇行状に形成した
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の熱交換器。
  7. 請求項1、2、3、4、5または6記載の熱交換器を備え、
    外管内に第2の熱媒体としての給湯用水を流通し、各内管に給湯用水を加熱する第1の熱媒体を流通する
    ことを特徴とする給湯装置。
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