JP2009250286A - 中継具 - Google Patents

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Abstract

【課題】解体や再利用を可能にするだけでなく、外観に優れ、管体同士を長期にわたって強固に接続することができる中継具を提供すること。
【解決手段】テーパーが前記側壁部に設けられた一対の接続部3と、前記接続部3が挿入されるにしたがって拡径する一対の拡径部5とを備え、前記一対の接続部3の間に、それぞれの前記接続部3が挿入されるように前記一対の拡径部5が配された状態で、一方の接続部3から他方の接続部3にわたってボルト10が挿通し、他方の接続部3から突出した前記ボルト10にナット12が螺合されるように構成され、前記一方の接続部3と前記ボルト10とがともに回転するように、前記一方の接続部3と前記ボルト10とを固定する第1の固定部が設けられ、前記他方の接続部3と前記ナット12とがともに回転するように、前記他方の接続部3と前記ナット12とを固定する第2の固定部が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、管体同士を軸線方向に接続する中継具に関する。
従来、例えば金属製の丸パイプなどの管体を軸線方向に接続するための種々の中継具が利用されている(例えば、特許文献1参照。)。
図19は、従来の中継具の例を示すものである。
図19を参照して、従来の接続構造について説明する。
(1)図19(a)に示すように、管体P同士の先端を付き合わせた状態で溶接することによって管体P同士が接続される。すなわち、管体P同士が溶接部201によって軸線方向に接続される。
(2)図19(b)に示すように、径寸法の異なる管体Pにねじ切りをして、小径の管体Pを大径の管体Pに締め付ける。すなわち、小径の管体Pの先端にねじ部202を形成して、このねじ部202を大径の管体Pに締め付けることによって、管体P同士が接続される。
(3)図19(c)に示すように、小径の管体Pを大径の管体Pに嵌合し、この状態で固定ねじ203を締め付けることにより、管体P同士が接続される。
(4)図19(d)に示すように、管体Pの先端にフランジ204を設け、これらフランジ204を付け合せた状態で、ボルト205及びナット206によって、管体P同士が接続される。
特開平11−2217号公報
しかしながら、上記(1)の溶接の場合、溶接部201によって固定するため、取り付け後の解体や再利用が困難になるという問題がある。
また、上記(2)のねじ切りや(3)のねじ止めの場合、径の異なる管体を管の端部に形成する必要がある。
また、上記(3)のねじ止めの場合、固定ねじ203が外れ易く、わずかな緩みで管体P同士が外れてしまう欠点があり、また(4)のフランジ止めの場合、継ぎ手部分の美観、収まり具合の問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、解体や再利用を可能にするだけでなく、外観と収まりに優れ、管体同士を長期にわたって強固に接続することができる中継具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、管体同士を軸線方向に接続する中継具であって、
前記管体の内部に配され、外径が漸次小さくなるテーパーが側壁部に設けられた一対の接続部と、前記管体の内部に配され、前記接続部の小径側の端部が挿入されるにしたがって前記テーパーにより拡径する一対の拡径部とを備え、前記接続部及び前記拡径部に前記軸線方向に貫通する貫通孔が形成され、前記小径側の端部が対向するように前記一対の接続部が配され、かつ前記一対の接続部の間に、それぞれの前記接続部の小径側の端部が挿入されるように前記一対の拡径部が配された状態で、一方の接続部から他方の接続部にわたって前記接続部の貫通孔と前記拡径部の貫通孔とをボルトが挿通し、他方の接続部の貫通孔から突出した前記ボルトにナットが螺合されるように構成され、前記一方の接続部と前記ボルトとが前記ボルトの軸を中心としてともに回転するように、前記一方の接続部と前記ボルトとを固定する第1の固定部が設けられ、前記他方の接続部と前記ナットとが前記ナットの軸を中心としてともに回転するように、前記他方の接続部と前記ナットとを固定する第2の固定部が設けられていることを特徴とする。
この発明においては、一方の接続部から他方の接続部にわたって接続部の貫通孔と拡径部の貫通孔とをボルトが挿通し、他方の接続部の貫通孔から突出したボルトにナットが螺合される。それから、一方側の接続部及び拡径部が一方の管体に入れられ、他方側の接続部及び拡径部が他方の管体に入れられる。この状態で、接続部及び拡径部とともに管体同士を離隔させると、ボルト及びナットは固定されていることから、ボルト及びナットを介して接続部に互いに接近する方向に力が働く。そのため、接続部が拡径部に深く挿入され、テーパーによって拡径部が押され拡径する。そして、接続部の側壁部が拡径部に当接し密着するとともに、拡径部が管体の内周面に当接し密着する。これにより、接続部と拡径部との間、並びに、拡径部と管体との間の摩擦が増大し、接続部と拡径部、並びに、拡径部と管体とがそれぞれ固定される。
この状態で、管体同士を互いに逆方向に回転させると、摩擦力により拡径部が回転し、これにより接続部も回転する。そして、接続部が回転すると、第1及び第2の固定部を介して、ボルト及びナットが互いに回転し締め付けられていく。そして、管体同士の先端が当接したときに管体の回転を止める。このとき、接続部及び拡径部は管体内に配され、外観に現れることはない。
なお、接続後においても、管体同士を上記とは逆方向に回転させることにより、ボルト及びナットが緩められる。
これにより、管体同士を容易かつ強固に接続することができる。また、接続後においても、管体同士を回転させるだけで、容易に接続を解除することができる。さらに、管体同士を接続すると、中継具が管体の中に配されることにより、管体同士の継ぎ目を目立たなくすることができ、接続によるデザイン性の低減を防止することができる。
また、本発明は、前記軸線方向に貫通する貫通孔が形成された一対の軸合わせ部を備え、前記一対の軸合わせ部は、前記一対の拡径部の間に配されて、前記軸合わせ部の貫通孔に前記ボルトが挿通するように構成され、前記軸合わせ部の外径が、前記管体の内径と略同等であり、前記軸合わせ部の貫通孔の径が、前記ボルトの外径と略同等であることを特徴とする。
この発明においては、軸合わせ部が管体内に配されて、接続部及び拡径部とともにボルト及びナットで連結される。軸合わせ部の外径は、管体の内径と略同等であり、軸合わせ部の貫通孔の径が、ボルトの外径と略同等であることから、管体同士が同軸上に配される。
これにより、管体同士を同軸上に容易に接続することができる。
また、本発明は、前記軸線方向に交差する方向に延在する底部を有し、前記管体よりも大径に形成された一対の大径部を備え、前記大径部の底部に、前記軸線方向に貫通する貫通孔が形成され、前記一対の大径部は、前記一対の拡径部の間に配されて、前記大径部の貫通孔に前記ボルトが挿通するように構成され、前記大径部の底部には、前記大径部の貫通孔から当該底部の外縁に至るまでの径方向全長にわたって延ばされて、当該底部の周方向の一部を切断する切欠部が形成されていることを特徴とする。
この発明においては、管体の接続時に、管体同士の間に大径部が配される。そして、大径部を利用して管体同士を離隔させる。
これにより、管体同士を容易に離隔させることができる。
また、本発明は、前記拡径部が筒状に形成されており、前記拡径部の側壁部の外面側に、周方向に延びる長溝が形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、拡径部と管体との間の軸線方向の摩擦を増大させることができ、管体同士を強固に接続することができる。
また、本発明は、前記拡径部が筒状に形成されており、前記拡径部の側壁部の内面又は前記接続部の側壁部の外面のいずれか一方に、前記拡径部及び前記接続部の径方向に没する被係合部が形成され、前記拡径部の側壁部の内面又は前記接続部の側壁部の外面の他方に、前記拡径部及び前記接続部の径方向に突出し、前記被係合部に嵌合する係合部が形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、接続部と拡径部との間の周方向の摩擦を増大させることができ、管体同士を強固に接続することができる。
なお、被係合部としては、軸線方向に延びる切欠や長溝、凹部なども含まれる。
また、本発明は、前記接続部が、前記軸線方向に交差する方向に延在する底部と前記底部から立ち上げられた前記側壁部とを備え、前記第1の固定部は、前記一方の接続部の底部に設けられ、かつ前記ボルトの頭部を収容固定するボルト収容凹部であり、前記第2の固定部は、前記他方の接続部の底部に設けられ、かつ前記ナットを収容固定するナット収容凹部であることを特徴とする。
この発明によれば、接続部とボルト、及び、接続部とナットとをそれぞれ強固に固定することができる。
また、本発明は、前記拡径部が、筒状に形成されており、前記拡径部の側壁部には、前記軸線方向の両端部の全長にわたって延ばされ、当該側壁部の周方向の一部を切断する切欠部が形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、拡径部を容易に弾性変形させることができる。
本発明によれば、解体や再利用を可能にするだけでなく、外観に優れ、管体同士を長期にわたって強固に接続することができる。
(実施形態)
以下、本発明の実施形態における中継具について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態としての中継具を示したものである。
中継具1は、有底円筒状の接続部3と、円筒状の円筒部(拡径部)5と、有底円筒状の軸合わせ円筒部(軸合わせ部)と、有底円筒状の大径部7とを備えている。これら接続部3、円筒部5、軸合わせ円筒部6及び大径部7は、それぞれ一対ずつ設けられている。
また、中継具1は、ボルト10とナット12とを備えている。
接続部3は、図2に示すように、円板状の底部3aと、この底部3aの外縁部の全長から立ち上げられた側壁部3bとを備えている。側壁部3bの外周側には、開口端から底部3aの長手方向にしたがって外径が漸次小さくなるテーパー3cが形成されている。すなわち、接続部3の底部3a側が小径側となり、開口端側が大径側となる。また、底部3aの中央には、その厚さ方向に貫通する貫通孔3dが形成されている。貫通孔3dには、ボルト10が挿通するようになっている。
さらに、底部3aの内面側であって、貫通孔3dの縁部の周りには、ボルト10の六角形状の頭部10a(図1に示す)又は、六角形状のナット12を収容固定する収容凹部(ボルト収容凹部、ナット収容凹部、第1の固定部、第2の固定部)3eが形成されている。収容凹部3eは、六角形状に形成されており、ボルト10の頭部10a又はナット12が嵌合されるようになっている。そして、収容凹部3eに頭部10a又はナット12が収容固定されることにより、接続部3とボルト10、並びに、接続部3とナット12とがそれぞれ、ボルト10及びナット12の軸線を回転中心としてともに回転するようになっている。
また、図3に示すように、円筒部5の側壁部5bには、先端から後端の長手方向の全長にわたって延ばされた切欠部5aが形成されている。切欠部5aによって、側壁部5bの周方向の一部が切断されている。さらに、側壁部5bの内周面には、径方向外方に没する複数の長溝5cが形成されている。これら切欠部5a及び長溝5cにより、円筒部5の剛性が低減されており、そのため、円筒部5は径寸法が大きくなるように弾性変形して拡径するようになっている。
また、側壁部5bの内周面には、先端から後端の長手方向に内径が漸次小さくなるようにテーパー5dが形成されている。
なお、円筒部5の筒孔5gには、ボルト10が挿通するようになっている。すなわち、筒孔5gが貫通孔として機能する。
また、図4に示すように、軸合わせ円筒部6の底面の中央には、その長手方向に貫通する貫通孔6aが形成されている。貫通孔6aには、ボルト10が挿通するようになっている。
そして、図9に示すように、軸合わせ円筒部6の外径r1は、管体Pの内径r3よりやや小さく(略同等)なっており、貫通孔6aの直径r2は、ボルト10の外径r4よりやや大きく(略同等)なっている。
また、図5に示すように、大径部7は、円板状の底部7aと、この底部7aの外縁部の全長から立ち上げられた側壁部7bとを備えている。底部7aの直径は、管体Pの外径よりも大きくなっており、側壁部7bの内径も管体Pの外径よりも大きくなっている。底部7aの中央には、その厚さ方向に貫通する貫通孔7cが形成されている。貫通孔7cには、ボルト10が挿通するようになっている。
底部7aには、貫通孔7cから底部7aの外縁部に至るまでの径方向全長にわたって延びる一対の切欠部7dが形成されている。これら切欠部7dによって、底部7aの周方向の一部が切断されている。さらに、一対の切欠部7dのうち、一方の切欠部7dは、貫通孔7cから側壁部7bにわたって延ばされており、一方の切欠部7dによって、底部7aの周方向の一部だけでなく、側壁部7bの周方向の一部も切断されている。これにより、貫通孔7cは、一方の切欠部7dを介して、大径部7の径方向外方に連通している。
なお、他方の切欠部7dは、側壁部7bまで延ばされることなく、底部7aのみに設けられている。
そして、図1に示すように、一対の接続部3が同軸上において外方側に配され、一対の円筒部5がそれら接続部3の内方側に配され、一対の軸合わせ円筒部6がそれら円筒部5の内方側に配され、一対の大径部7がそれら軸合わせ円筒部6の内方側に配されるようになっている。すなわち、図1の左から順に、一方の接続部3、一方の円筒部5、一方の軸合わせ円筒部6、一方の大径部7、他方の大径部7、他方の軸合わせ円筒部6、他方の円筒部5、他方の接続部3が配される。詳細には、接続部3は、一対の底部3a(小径側の端部)が互いに対向するように配され、一対の円筒部5は、先端側が外方を向き、それぞれの接続部3の底部3a側が挿入されるように配される。さらに、一対の軸合わせ円筒部6は、底面の外面同士が互いに対向するように配され、一対の大径部は、軸合わせ円筒部6の底面が、側壁部7b内に配されて底部7aの内面側に対向するように、すなわち底部7aの外面側が互いに対向するように配される。
このように配された状態で、一方の接続部3から他方の接続部3にわたって、貫通孔3d,6a,7c及び筒孔5gをボルト10が挿通し、他方の接続部3の貫通孔3dを介して突出するボルト10の先端にナット12が螺合するようになっている。このとき、ボルト10の頭部10aが一方の接続部3の収容凹部3eに嵌合し、ナット12が他方の接続部3の収容凹部3eに嵌合する。これにより、ボルト10と一方の接続部3とがボルト10の軸を回転中心としてともに回転し、ナット12と他方の接続部3とがナット12の軸を回転中心としてともに回転するようになっている。
次に、このように構成された本実施形態における中継具1の使用方法について説明する。
図1に示すように、接続部3、円筒部5、軸合わせ円筒部6及び大径部7を同軸上に配した状態で、ボルト10とナット12とにより、それぞれ連結する。これにより、図6及び図7に示すように、接続部3が底部3a側から円筒部5の先端に挿入され、軸合わせ円筒部6の互いに対向する底面が大径部7の底部7aの内面側に当接され、さらに大径部7の底部7aの外面側が互いに当接した状態になる。
なお、このとき、接続部3が円筒部5内において、より深く挿入されるスペースSを残しておく。
それから、図8及び図9に示すように、接続部3、円筒部5及び軸合わせ円筒部6を管体P内に配する。すなわち、一方の接続部3、一方の円筒部5及び一方の軸合わせ円筒部6を一方の管体P内に配し、他方の接続部3、他方の円筒部5及び他方の軸合わせ円筒部6を他方の管体P内に配する。そして、管体P同士をその軸線A方向内方に互いに押し込んで、管体Pの先端を大径部7の底部7aの内面に押し当てる。
このとき、ボルト10及びナット12の軸線、並びに、貫通孔3d,6a,7c及び筒孔5gが管体Pの軸線A上に配され、円筒部5の側壁部5bの外面側が、管体Pの内周面に対向して配される。また、軸合わせ円筒部6の外径r1が管体Pの内径r3と同等に設定され、貫通孔6aの直径r2とボルト10の外径r4とが同等に設定されていることから、管体P同士が軸線A上に同軸上に配される。
さらに、図10及び図11に示すように、大径部7を両手で持って、これら大径部7に軸線A上において互いに離隔する方向に力F1を加える。これにより、一対の大径部7が軸線A方向に離隔するとともに、管体P、軸合わせ円筒部6、円筒部5及び接続部3が一方側と他方側とで互いに離隔する。このとき、ボルト10の頭部10aとナット12とは軸線A上において固定されていることから、頭部10aとナット12とを介して接続部3に、互いに接近する方向の反力F2が働く。そのため、接続部3が互いに接近する方向に押し込まれ、円筒部5のより深くまで挿入されていく。接続部3の側壁部3bの外面側にはテーパー3cが形成されていることから、接続部3が挿入されていくことにより、円筒部5に径方向外方の力が働き、円筒部5が弾性変形して拡径していく。円筒部5の側壁部5bの外面は、管体Pの内周面に対向していることから、拡径によって、円筒部5の側壁部5bの外面が、あるタイミングで管体Pの内周面に当接し、さらに拡径することにより、側壁部5bの外面が管体Pの内周面に押し付けられて密着していく。これにより、管体Pと円筒部5とが摩擦によって強固に固定される。
なお、このとき接続部3の側壁部3bの外面と、円筒部5の側壁部5bの内面とも密着することにより、摩擦によって強固に固定される。
そして、上記のように強固に固定してから、図12及び図13に示すように、一対の大径部7を取り外す。すなわち、大径部7の底部7aには、貫通孔7cから側壁部7bにわたる切欠部7dが形成されていることから、貫通孔7cを挿通するボルト10を、切欠部7dに通すことにより、大径部7を径方向外方に移動させて完全に取り外す。
それから、図14及び図15に示すように、一方の管体Pと他方の管体Pとを、ボルト10とナット12とが締まる方向に、軸線Aを中心として互いに逆方向に回転させる。すると、管体Pと円筒部5とが摩擦により固定されていることから、管体Pの回転により、円筒部5も回転する。さらに、円筒部5と接続部3とが摩擦により固定されていることから、円筒部5の回転により、接続部3も回転する。そして、接続部3と、ボルト10及びナット12とは、収容凹部3eによって固定されていることから、接続部3の回転により、ボルト10とナット12とが互いに締まる方向に回転する。これにより、ボルト10とナット12とが互いに接近する方向に移動し、そのため、ボルト10及びナット12に押されて、管体P、軸合わせ円筒部6、円筒部5及び接続部3が一方側と他方側とで互いに接近する方向に移動する。そして、管体Pの先端同士と、軸合わせ円筒部6の底面同士が当接したところで、管体Pの回転を止める。
これにより、管体P同士が軸線A上において同軸上に接続される。
なお、管体P同士の接続を解除するためには、管体Pを上記とは逆の方向にそれぞれ回転させて、ボルト10及びナット12を緩めればよい。
以上より、本実施形態における中継具1によれば、接続部3と円筒部5とにより、管体P同士を容易かつ強固に接続することができる。また、接続後においても、管体P同士を回転させるだけで、容易に接続を解除することができる。さらに、管体P同士を接続すると、中継具1が管体Pの中に配されることにより、管体P同士の継ぎ目を目立たなくすることができ、接続によるデザイン性の低減を防止することができる。
すなわち、解体や再利用を可能にするだけでなく、外観に優れ、管体P同士を長期にわたって強固に接続することができる。
また、軸合わせ円筒部6が設けられていることから、管体P同士を軸線A上に容易に接続することができる。
さらに、大径部7が設けられていることから、大径部7を把持することにより、接続時において、管体P同士を軸線A方向に容易に離隔することができる。
また、収容凹部3eが形成されていることから、接続部3と、ボルト10及びナット12とを強固に固定することができる。
また、円筒部5の側壁部5bに切欠部5a及び長溝5cが形成されていることから、簡易な構成により円筒部5を容易に弾性変形させることができる。
なお、本実施形態においては、円筒部5を設けるとしたが、この円筒部5の構成は適宜変更可能である。例えば、図16に示すように、側壁部5bの外面側に、その周方向の全長にわたって延ばされた長溝5fを設けてもよい。これにより、管体Pの内周面と、円筒部5の側壁部5bの外面との間の、軸線A方向の摩擦を増大させることができ、管体P同士を容易かつ強固に接続することができる。なお、長溝5fは、側壁部5bの外面側に、軸線A方向に複数設けることが好ましい。
また、図17に示すように、接続部3の側壁部3bの外面に、径方向外方に突出し、長溝(被係合部)5cに嵌合する複数の凸部(係合部)3fを設けてもよい。そして、長溝5cに凸部3fを嵌合させることにより、接続部3の側壁部3bの外面と、円筒部5の側壁部5bの内面との間の、周方向(軸線A周り)の摩擦を増大させることができ、管体P同士を容易かつ強固に接続することができる。なお、凸部3fと長溝5cとを、接続部3又は円筒部5のそれぞれ反体側に設けても、凹凸嵌合が可能である。
また、図18に示すように、接続部3の側壁部3bの外面に、径方向外方に突出し、切欠部(被係合部)5aに嵌合する凸部(係合部)3gを設けてもよい。そして、切欠部5aに凸部3gを嵌合させることにより、接続部3の側壁部3bの外面と、円筒部5の側壁部5bの内面との間の、周方向(軸線A周り)の摩擦を増大させることができ、管体P同士を容易かつ強固に接続することができる。
また、軸合わせ円筒部6を設けるとしたが、この軸合わせ円筒部6は設けなくてもよい。ただし、管体P同士の軸合わせを容易にする点で、軸合わせ円筒部6を設けた方が好ましい。さらに、軸合わせ円筒部6の形状は、有底円筒状に限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、円筒状などに形成することもできる。また軸合わせ円筒部6のかわりにこれと同じ外径、長さの円筒2本と、それに内接する長さが2倍の円筒を中に差し込んで組み合わせたものを使用することもできる。
また、大径部7も設けなくてもよい。なだし、接続部3や円筒部5などを軸線A方向に容易に離隔させる点で、大径部7を設けた方が好ましい。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
本発明に係る中継具の実施形態を示す分解斜視図である。 図1の接続部を拡大して示す斜視図である。 図1の円筒部を拡大して示す斜視図である。 図1の軸合わせ円筒部を拡大して示す斜視図である。 図1の大径部を拡大して示す斜視図である。 図1の中継具を連結した様子を示す斜視図である。 図6の縦断面を示す断面図である。 図6の中継具に管体を配した様子を示す斜視図である。 図8の縦断面を示す断面図である。 図8の大径部を離隔させた様子を示す斜視図である。 図10の縦断面を示す断面図である。 図10の大径部を取り外した様子を示す斜視図である。 図12の縦断面を示す断面図である。 図12の管体を回転させて、管体同士を接続した様子を示す斜視図である。 図14の縦断面を示す断面図である。 円筒部の変形例を示す斜視図である。 接続部及び円筒部の変形例を示す斜視図である。 図17の接続部及び円筒部の変形例を示す斜視図である。 従来の中継具を示す説明図である。
符号の説明
1 中継具
3 接続部
3a 底部
3b 側壁部
3c テーパー
3d 貫通孔
3e 収容凹部(ボルト収容凹部、ナット収容凹部、第1の固定部、第2の固定部)
3f,3g 凸部(係合部)
5 円筒部(拡径部)
5a 切欠部(被係合部)
5b 側壁部
5c 長溝(被係合部)
5f 長溝
5g 筒孔(貫通孔)
6 軸合わせ円筒部(軸合わせ部)
6a 貫通孔
7 大径部
7a 底部
7c 貫通孔
7d 切欠部
10 ボルト
12 ナット
A 軸線
P 管体

Claims (7)

  1. 管体同士を軸線方向に接続する中継具であって、
    前記管体の内部に配され、外径が漸次小さくなるテーパーが側壁部に設けられた一対の接続部と、
    前記管体の内部に配され、前記接続部の小径側の端部が挿入されるにしたがって前記テーパーにより拡径する一対の拡径部とを備え、
    前記接続部及び前記拡径部に前記軸線方向に貫通する貫通孔が形成され、
    前記小径側の端部が対向するように前記一対の接続部が配され、かつ前記一対の接続部の間に、それぞれの前記接続部の小径側の端部が挿入されるように前記一対の拡径部が配された状態で、一方の接続部から他方の接続部にわたって前記接続部の貫通孔と前記拡径部の貫通孔とをボルトが挿通し、他方の接続部の貫通孔から突出した前記ボルトにナットが螺合されるように構成され、
    前記一方の接続部と前記ボルトとが前記ボルトの軸を中心としてともに回転するように、前記一方の接続部と前記ボルトとを固定する第1の固定部が設けられ、
    前記他方の接続部と前記ナットとが前記ナットの軸を中心としてともに回転するように、前記他方の接続部と前記ナットとを固定する第2の固定部が設けられていることを特徴とする中継具。
  2. 前記軸線方向に貫通する貫通孔が形成された一対の軸合わせ部を備え、
    前記一対の軸合わせ部は、前記一対の拡径部の間に配されて、前記軸合わせ部の貫通孔に前記ボルトが挿通するように構成され、
    前記軸合わせ部の外径が、前記管体の内径と略同等であり、
    前記軸合わせ部の貫通孔の径が、前記ボルトの外径と略同等であることを特徴とする請求項1に記載の中継具。
  3. 前記軸線方向に交差する方向に延在する底部を有し、前記管体よりも大径に形成された一対の大径部を備え、
    前記大径部の底部に、前記軸線方向に貫通する貫通孔が形成され、
    前記一対の大径部は、前記一対の拡径部の間に配されて、前記大径部の貫通孔に前記ボルトが挿通するように構成され、
    前記大径部の底部には、前記大径部の貫通孔から当該底部の外縁に至るまでの径方向全長にわたって延ばされて、当該底部の周方向の一部を切断する切欠部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中継具。
  4. 前記拡径部が筒状に形成されており、
    前記拡径部の側壁部の外面側に、周方向に延びる長溝が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の中継具。
  5. 前記拡径部が筒状に形成されており、
    前記拡径部の側壁部の内面又は前記接続部の側壁部の外面のいずれか一方に、前記拡径部及び前記接続部の径方向に没する被係合部が形成され、
    前記拡径部の側壁部の内面又は前記接続部の側壁部の外面の他方に、前記拡径部及び前記接続部の径方向に突出し、前記被係合部に嵌合する係合部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の中継具。
  6. 前記接続部は、前記軸線方向に交差する方向に延在する底部と前記底部から立ち上げられた前記側壁部とを備え、
    前記第1の固定部は、前記一方の接続部の底部に設けられ、かつ前記ボルトの頭部を収容固定するボルト収容凹部であり、
    前記第2の固定部は、前記他方の接続部の底部に設けられ、かつ前記ナットを収容固定するナット収容凹部であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の中継具。
  7. 前記拡径部が、筒状に形成されており、
    前記拡径部の側壁部には、前記軸線方向の両端部の全長にわたって延ばされ、当該側壁部の周方向の一部を切断する切欠部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の中継具。
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