JP2009250054A - 二次空気供給構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次空気供給通路のレイアウトの自由度を増大させることができるようにして、二次空気と未燃焼ガスの混合を十分に促進することができ、未燃焼ガスと酸素との反応を促進することができる二次空気供給構造を提供すること。
【解決手段】二次空気供給通路45の噴射孔45aに対向する排気ポート37の内周面に突出部46を形成し、突出部46が、噴射孔45aから噴射された二次空気を衝突させて二次空気をバルブシート11a側に指向させる衝突面を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、二次空気供給構造に関し、特に、排気ポートに二次空気を供給して排気ガスの浄化を行う二次空気供給構造に関する。
内燃機関の排気系には排気ガスを浄化するため排気浄化触媒が配備されており、排気ガス中のHC(ハイドロカーボン)、CO(一酸化炭素)等の大気汚染物質を無害なH2O(水)、CO2(二酸化炭素)等に変換している。
排気浄化触媒がその機能を十分発揮するためには、排気浄化触媒が一定の活性化温度(例えば、350 ℃ 以上)の環境下に置かれることが必要とされている。ところが、内燃機関の冷間始動時等にあっては排気浄化触媒がその機能を十分に発揮し得ない場合がある。
そこで、冷間始動時における浄化機能を向上させるために、排気系に二次空気を供給する機構を配備した内燃機関が従来から提案されている。この二次空気を供給する機構は、排気浄化触媒よりも上流側、すなわち、シリンダヘッドに二次空気供給通路が設けられている。
この二次空気供給通路は、先端の噴射孔が内燃機関の燃焼室に連通する排気ポートに開口しており、エアポンプによって圧送される空気を噴射孔から排気ポートに供給することで、排気ポート内の酸素濃度を高くして、排気ガスに含まれるHC、CO等の未燃焼ガスの酸化を促進して排気ガスの浄化を図ることができる。また、HC、CO等の酸化反応により排気ガスの温度を高めることができ、これにより排気浄化触媒の雰囲気温度が活性化温度となるまでの時間を短縮することもできる。
また、HC、CO等の酸化を促進するためには、二次空気と未燃焼ガスの混合を促進することが必要であり、二次空気と未燃焼ガスの混合を促進することで未燃焼ガスと酸素との反応を促進することができるものが知られている。
従来、二次空気と未燃焼ガスの混合を促進する二次空気供給構造としては、図6に示すようなものが知られている。図6において、内燃機関1のシリンダヘッド2には排気ポート3が形成されており、この排気ポート3の一端部は、図示しない排気バルブが着座可能なバルブシート4を介して燃焼室5に連通し、他端部は、図示しないエキゾーストマニホールドに連通している。
また、シリンダヘッド2には二次空気供給通路6が形成されており、この二次空気供給通路6は、一端部に排気ポート3に開口する噴射孔7が形成され、図示しないエアポンプから圧送される二次空気を噴射孔7から排気ポート3に供給するようになっている。
また、排気ポート3の内周面には突出部8が形成されており、この突出部8は、噴射孔7に対して排気ガスの排気方向上流側に位置している。
このような構成を有する二次空気供給構造にあっては、エアポンプから二次空気供給通路6に供給された二次空気が噴射孔7から噴射されるときに、突出部8に衝突することにより、乱流が発生し、この乱流となった二次空気に燃焼室5から排気ポート3に排気された排気ガスに衝突することで二次空気と未燃焼ガスの混合を促進することができ、未燃焼ガスと酸素との反応を促進することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−307129号公報
しかしながら、このような従来の二次空気供給構造にあっては、排気ポート3の内周面に、噴射孔7に対して排気ガスの排気方向上流側に位置するように突出部8を形成していたため、二次空気供給通路6の噴射孔7から噴射されて突出部8に衝突した二次空気が、排気ポート3に対して下流側で発生してしまい、二次空気と未燃焼ガスの混合を十分に促進することが困難である。
したがって、二次空気と未燃焼ガスの混合を十分に促進することができ、未燃焼ガスと酸素との反応を十分に促進することができない。
二次空気と未燃焼ガスの混合を十分に促進する方法として、二次空気供給通路6の噴射孔7をバルブシート4に向けて開口し、噴射孔7から噴射された二次空気をバルブシート4に向けて指向させることが考えられるが、噴射孔7がバルブシート4に向くように二次空気供給通路6をシリンダヘッド2に形成するには、設計上の制約や製造の容易性の観点から二次空気供給通路6のレイアウトの自由度が低いため、容易ではない。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、二次空気供給通路のレイアウトの自由度を増大させることができるようにして、二次空気と未燃焼ガスの混合を十分に促進することができ、未燃焼ガスと酸素との反応を促進することができる二次空気供給構造を提供することを目的とする。
本発明に係る二次空気供給構造は、上記目的を達成するため、(1)排気バルブが着座可能なバルブシートを介して内燃機関の燃焼室に連通し、前記燃焼室内の排気ガスが排出される排気ポートと、一端部が前記排気ポートに開口する噴射孔を有し、前記開口部を通して前記排気ポートに二次空気を導入する二次空気供給通路とがシリンダヘッドに形成された二次空気供給構造において、前記噴射孔に対向する前記排気ポートの内周面に対向側突出部が形成され、前記対向側突出部が、前記噴射孔から噴射された二次空気を衝突させて前記二次空気を前記バルブシートに指向させる衝突面を有するものから構成されている。
この構成により、噴射孔に対向する排気ポートの内周面に対向側突出部を形成し、対向側突出部が、噴射孔から噴射された二次空気を衝突させて二次空気をバルブシート側に指向させる衝突面を有するので、対向側突出部に衝突した二次空気を排気ポートの下流側からバルブシートに指向させることができる。
このため、バルブシートを介して燃焼室から排気された排気ガスをバルブシートの直下で二次空気に混合させることができ、二次空気と未燃焼ガスの混合を十分に促進することができる。この結果、未燃焼ガスと酸素との反応を促進することができる。
また、対向側突出部が、噴射孔から噴射された二次空気を衝突させて二次空気をバルブシートに指向させる衝突面を有するため、噴射孔がバルブシートに対向しないようにして二次空気供給通路をシリンダヘッドに形成した場合であっても、対向側突出部の位置を調整することで、噴射孔から排気ポートに供給された二次空気をバルブシートに指向させることができる。このため、二次空気供給通路のレイアウトの自由度を向上させることができる。
上記(1)に記載の二次空気供給構造において、(2)前記噴射孔の周囲の前記排気ポートの内周面に噴射孔側突出部を設け、前記噴射孔側突出部が、前記噴射孔に対して排気ガスの排出方向上流側に位置するとともに、前記対向面側突出部が、噴射孔側突出部に対して排気ガスの排出方向下流側に位置するものから構成されている。
この構成により、噴射孔の周囲の排気ポートの内周面に噴射孔側突出部が設けられ、この噴射孔側突出部が、噴射孔に対して排気ガスの排出方向上流側に位置するので、噴射孔から噴射された二次空気を噴射孔側突出部に衝突させることにより、二次空気の乱流を発生させることができる。
また、対向面側突出部を、噴射孔側突出部に対して排気ガスの排出方向下流側に位置させたので、二次空気を噴射孔側突出部に衝突して乱流を発生させ、この乱流となった二次空気を対向面側突出部の衝突面に衝突させてバルブシート側に指向させることができる。
このため、バルブシートを介して燃焼室から排気された排気ガスをバルブシートの直下で二次空気と混合することができ、二次空気と未燃焼ガスの混合を十分に促進することができる。この結果、未燃焼ガスと酸素との反応を促進することができる。
本発明によれば、二次空気供給通路のレイアウトの自由度を増大させることができるようにして、二次空気と未燃焼ガスの混合を十分に促進することができ、未燃焼ガスと酸素との反応を促進することができる二次空気供給構造を提供することができる。
以下、本発明に係る二次空気供給構造の実施の形態について、図面を用いて説明する。
[第1の実施の形態]
図1〜図3は、本発明に係る二次空気供給構造の第1の実施の形態を示す図であり、二次空気供給装置を自動車等の車両に適用した例を示している。
まず、構成を説明する。
図1において、内燃機関11の各気筒12は排気マニホールド13を介して排気管14に連結されている。また、排気管14には酸化機能を有する触媒を担持した触媒コンバータ15が設けられている。触媒コンバータ15は排気浄化装置として機能する。
また、内燃機関11の各気筒12に吸気ガスを供給する吸気管16にはスロットル弁17が設けられており、吸気管16の一端部は、エアクリーナ18に接続され、吸気管16の他端部は、吸気マニホールド29を介して各気筒12に連通している。
一方、各気筒12にはインジェクタ19が設けられており、このインジェクタ19は、燃料供給管20を介して燃料リザーバ、所謂、コモンレール21に連結されている。このコモンレール21内には電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ22から燃料が供給され、コモンレール21内に供給された燃料は各燃料供給管20を介しインジェクタ19に供給されるようになっている。
一方、二次空気供給装置23は、エアクリーナ28を介して空気を取り入れる空気取入管24を有しており、この空気取入管24は電動エアポンプ25に接続されている。この電動エアポンプ25には、二次空気供給管26が接続されており、この二次空気供給管26は、四つの分岐管27a、27b、27c、27dに分岐し、これら分岐管27a、27b、27c、27dは、排気マニホールド13の各通路にそれぞれ接続している。
図2は、内燃機関11の要部構成図である。図2において、内燃機関11のシリンダブロック31には円筒状の気筒12が設けられており、気筒12にはピストン32が上下方向に摺動可能に収納されている。
ピストン32の往復運動はコネクティングロッド33を介して図示しないクランクシャフトの回転運動に変換される。シリンダブロック31の上部にはシリンダヘッド34が取付けられており、このシリンダヘッド34には、上死点に位置するピストン32の頂面と気筒12の内周面とピストン32の上端面との間に画成される燃焼室35と、シリンダヘッド34の側方に向けて燃焼室35から延出する吸気ポート36および排気ポート37とが各々形成されている。
また、吸気ポート36および排気ポート37のそれぞれには、バルブスプリング38によって閉弁するように付勢された吸気バルブ39および排気バルブ40が設けられており、バルブリフター41、42に当接する吸気カム43および排気カム44の回転によって、吸気バルブ39および排気バルブ40を所定のタイミングで開閉駆動するように構成されている。
また、シリンダヘッド34には環状のバルブシート11a、11bが形成されており、 このバルブシート11a、11bにはそれぞれ吸気バルブ39および排気バルブ40が着座するようになっている。また、燃焼室35は、吸気バルブ39および排気バルブ40の開弁時には吸気ポート36および排気ポート37に連通するようになっている。
また、シリンダヘッド34の側面には、図1に示す排気マニホールド13が締結されており、混合気の燃焼で生じた排気ガスは排気バルブ40の開弁時に排気マニホールド13を通じて大気に放出される。
また、シリンダヘッド34には二次空気供給通路45が形成されており、この二次空気供給通路45は、一端部が排気ポート37に開口する噴射孔45aを有し、他端が排気マニホールド13の各通路を介して図1に示す分岐管27a、27b、27c、27dにそれぞれ連通している。
また、排気ポート37の内周面には、対向側突出部としての突出部46が形成されており、この突出部46は、噴射孔45aに対向している。また、突出部46には衝突面46aを有しており、この衝突面46aは、噴射孔45aから噴射された二次空気を衝突させてこの二次空気をバルブシート11a側に指向させるようになっている。
すなわち、突出部46は、噴射孔45aから噴射された二次空気が衝突されたときに、この二次空気をバルブシート11a側に指向させるような姿勢、あるいは、形状で排気ポート37の内周面に取付けられている。
このような構成を有する二次空気供給構造にあっては、電動エアポンプ25によって圧送される二次空気は、二次空気供給管26から四つの分岐管27a、27b、27c、27dに分岐され、排気マニホールド13の各通路に供給される。
排気マニホールド13の各通路に供給された二次空気は、二次空気供給通路45を通して噴射孔45aから排気ポート37に噴射される。排気ポート37に噴射された二次空気は、突出部46の衝突面46aに衝突することにより、乱流が発生し、乱流となった二次空気がバルブシート11bに向かって供給される。
また、排気バルブ40が開放すると、バルブシート11aを介して燃焼室35内の排気ガスが排気ポート37に排気される。このとき、排気ガスと混合される。この排気ガスに混合される二次空気は、図3に示すよう、突出部46の衝突面46aに衝突して乱流Aとなってバルブシート11bに指向させることができるため、バルブシート11bの直下で排気ポート37から排気された二次空気と排気ガスとの混合が促進される。
このように本実施の形態では、二次空気供給通路45の噴射孔45aに対向する排気ポート37の内周面に突出部46を形成し、突出部46が、噴射孔45aから噴射された二次空気を衝突させて二次空気をバルブシート11a側に指向させる衝突面46aを有するので、突出部46に衝突した二次空気を排気ポート37の下流側からバルブシート11aに指向させることができる。
このため、バルブシート11aを介して燃焼室35から排気された排気ガスをバルブシート11aの直下で二次空気に衝突させることができ、二次空気と未燃焼ガスの混合を十分に促進することができる。この結果、未燃焼ガスと酸素との反応を促進することができる。
また、突出部46が、噴射孔45aから噴射された二次空気を衝突させて二次空気をバルブシート11aに指向させる衝突面46aを有するため、噴射孔45aがバルブシート11aに対向しないようにして二次空気供給通路45をシリンダヘッド34に形成した場合であっても、突出部46の位置を調整することで、噴射孔45aから排気ポート37に供給された二次空気をバルブシート11aに指向させることができる。このため、二次空気供給通路45のレイアウトの自由度を向上させることができる。
[第2の実施の形態]
図4、図5は、本発明に係る二次空気供給構造の第2の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図4、図5において、噴射孔45aの周囲の排気ポート37の内周面には噴射孔側突出部としての突出部51が設けられており、この突出部51は、噴射孔45aに対して排気ガスの排出方向上流側に位置している。また、突出部46は、突出部51に対して排気ガスの排出方向下流側に位置しており、衝突面46aは、排気ポート37において排気ガスの排気方向上流側に対向している。
本実施の形態では、噴射孔45aの周囲の排気ポート37の内周面に突出部51が設けられ、この突出部51が、噴射孔45aに対して排気ガスの排出方向上流側に位置するので、二次空気供給通路45を通して噴射孔45aから噴射された二次空気を突出部46の衝突面46aに衝突させることにより、図5のA1で示すように二次空気に乱流を発生させることができる。
また、突出部46を、突出部51に対して排気ガスの排出方向下流側に位置させたので、突出部51に衝突した二次空気を突出部46に衝突面46aに衝突させて矢印A2で示すようにバルブシート11a側に指向させることができる。
このため、バルブシート11bを介して燃焼室35から排気された排気ガスをバルブシート11bの直下で二次空気に混合させることができ、二次空気と未燃焼ガスの混合を十分に促進することができる。この結果、未燃焼ガスと酸素との反応を促進することができる。
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以上のように、本発明に係る二次空気供給構造は、二次空気供給通路のレイアウトの自由度を増大させることができるようにして、二次空気と未燃焼ガスの混合を十分に促進することができ、未燃焼ガスと酸素との反応を促進することができるという効果を有し、排気ポートに二次空気を供給して排気ガスの浄化を行う二次空気供給構造等として有用である。
本発明に係る二次空気供給構造の第1の実施の形態を示す図であり、二次空気供給構造を備えた内燃機関の吸・排気システムの概略図である。 本発明に係る二次空気供給構造の第1の実施の形態を示す図であり、内燃機関の要部断面図である。 本発明に係る二次空気供給構造の第1の実施の形態を示す図であり、二次空気供給通路を有するシリンダヘッドの概略断面図である。 本発明に係る二次空気供給構造の第2の実施の形態を示す図であり、内燃機関の要部断面図である。 本発明に係る二次空気供給構造の第2の実施の形態を示す図であり、内燃機関の要部断面図である。 従来の二次空気供給通路を有するシリンダヘッドの概略断面図である。
符号の説明
11 内燃機関
11b バルブシート
35 燃焼室
37 排気ポート
45 二次空気供給通路
45a 噴射孔
46 突出部
46a 衝突面
51 突出部
A、A1、A2 二次空気

Claims (2)

  1. 排気バルブが着座可能なバルブシートを介して内燃機関の燃焼室に連通し、前記燃焼室内の排気ガスが排出される排気ポートと、一端部が前記排気ポートに開口する噴射孔を有し、前記開口部を通して前記排気ポートに二次空気を導入する二次空気供給通路とがシリンダヘッドに形成された二次空気供給構造において、
    前記噴射孔に対向する前記排気ポートの内周面に対向側突出部が形成され、前記対向側突出部が、前記噴射孔から噴射された二次空気を衝突させて前記二次空気を前記バルブシートに指向させる衝突面を有することを特徴とする二次空気供給構造。
  2. 前記噴射孔の周囲の前記排気ポートの内周面に噴射孔側突出部を設け、前記噴射孔側突出部が、前記噴射孔に対して排気ガスの排出方向上流側に位置するとともに、前記対向面側突出部が、噴射孔側突出部に対して排気ガスの排出方向下流側に位置することを特徴とする請求項1に記載の二次空気供給構造。
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