JP2009249838A - ガラスホルダー及び車両用ガラス支持構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラスの下端を外方向へ押し出す分力が発生した場合に、ガラスホルダーの外壁部とガラスとを接着する接着剤への大きな応力発生を防止する。
【解決手段】ガラスホルダー20におけるガラス保持部26の外側壁部26Cの上部には接着剤充填部56が設けられており、接着剤充填部56に充填されたウレタン接着剤52はリブ26Dの間に充填されたウレタン接着剤52に比べて厚くなっている。このため、ドアガラス18の下端縁部18Aに、下端縁部18Aを外方向へ押し出す分力が発生した場合に、接着剤充填部56に溜まったウレタン接着剤52に発生する引張応力を緩和し、ウレタン接着剤52への大きな応力発生を防止できるようになっている。
【選択図】図3
【解決手段】ガラスホルダー20におけるガラス保持部26の外側壁部26Cの上部には接着剤充填部56が設けられており、接着剤充填部56に充填されたウレタン接着剤52はリブ26Dの間に充填されたウレタン接着剤52に比べて厚くなっている。このため、ドアガラス18の下端縁部18Aに、下端縁部18Aを外方向へ押し出す分力が発生した場合に、接着剤充填部56に溜まったウレタン接着剤52に発生する引張応力を緩和し、ウレタン接着剤52への大きな応力発生を防止できるようになっている。
【選択図】図3
Description
本発明はガラスホルダー及び車両用ガラス支持構造に関し、特に、自動車等の車両の窓ガラスを昇降手段に取付けるためのガラスホルダー及びガラスホルダーを使用した車両用ガラス支持構造に関する。
従来、自動車等の車両の窓ガラスを昇降手段に取付けるためのガラスホルダーが知られている(特許文献1)。このガラスホルダーは、ガラスを嵌入する凹部を有する本体部と、ガラスを上下動させる昇降手段に取り付けられる脚部とからなり、本体部の対向側部の端面に、ガラスの嵌入にともなって変形可能な凸片が、凹部の内側に向かうように設けられており、様々な板厚のガラス板に対応可能となっている。
特開平8−177307号公報
しかしながら、上記した従来技術では、ガラスの取付状態によって、昇降手段でガラスが上昇する際に、ガラスが閉じ切り位置に達したときや、上昇中のガラスに大きな負荷が作用したときに、ガラスの下端を外方向へ押し出す分力(抉り力)が発生する場合がある。この際、前記分力が大きいと、ガラスホルダーの外側上部とガラスとの間に充填された接着剤に大きな引張応力が発生する。このような大きな応力発生を防止するためには、ガラスの下端を外方向へ押し出す分力が発生しないようにする必要があり、昇降手段の停止制御が煩雑になる。
本発明は、上記事実を考慮して、ガラスの下端を外方向へ押し出す分力が発生した場合に、ガラスホルダーとガラスとを接着する接着剤への大きな応力発生を防止できるガラスホルダー及び車両用ガラス支持構造を得ることを目的とする。
請求項1に記載の本発明のガラスホルダーは、ガラスを昇降させる昇降手段に連結される連結部と、該連結部から前記ガラスの下面に沿って伸びる底壁部と、該底壁部から前記ガラスの内側面に沿って伸びると共に、前記ガラスとの対向面から突出し前記ガラスとの間に接着剤を充填するための隙間を形成する上下方向へ伸びる複数のリブを備える内側壁部と、前記底壁部から前記ガラスの外側面に沿って伸びると共に、前記ガラスとの対向面から突出し前記ガラスとの間に接着剤を充填するための隙間を形成する上下方向へ伸びる複数のリブと、上部に形成され前記ガラスとの間に溜まる接着剤の厚さを、前記複数のリブの高さより大きくするための接着剤充填部と、を備える外側壁部と、を有する。
従って、昇降手段によってガラスが上昇する際に、ガラスの下端を外方向へ押し出す分力が発生した場合には、この分力によって、ガラスホルダーの外側壁部の上部とガラスとの間の接着剤に大きな引張応力が発生する。この際、本発明では、ガラスホルダーの外側壁部の上部に接着剤充填部が設けられており、この接着剤充填部には、複数のリブの高さより厚い接着剤を溜めることができる。このため、接着剤充填部に溜まる接着剤の量を多くすることによって、接着剤に発生する引張応力を緩和することができ、ガラスの下端を外方向へ押し出す分力が発生した場合に、接着剤への大きな応力発生を防止できる。
請求項2に記載の本発明は、請求項1記載のガラスホルダーにおいて、前記接着剤充填部は、前記ガラスの下方側から上方側に向かって前記ガラスとの開口幅が広くなる切欠である。
接着剤充填部は、ガラスの下方側から上方側に向かってガラスとの開口幅が広くなる切欠であるため、引っ張り応力が大きくなる接着剤の表面に近い部位の接着剤の厚さを増加させることができる。また、接着剤充填部をドア下方側からドア上方側に向かって開口幅が一定な矩形状とした場合に比べて、接着剤充填部に接着剤を隙間なく充填し易い。
請求項3に記載の本発明は、請求項1、2の何れか1項に記載のガラスホルダーにおいて、前記接着剤充填部は、前記外側壁部の上端に形成されて前記内側壁部より上方に位置する延設部に設けられている。
従って、接着剤充填部を外側壁部の上端に形成されて、内側壁部より上方に位置する延設部に設けることで、対向する内側壁部と外側壁部とでガラスの組付精度出を向上できると共に、接着剤充填部に溜まる接着剤の厚さを厚くでき、接着剤への大きな応力発生を防止できる。
請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載のガラスホルダーにおいて、前記内側壁部は、上部に前記ガラスとの間に溜まる接着剤の厚さを、前記複数のリブの高さより大きくするための補助接着剤充填部が形成されている。
従って、昇降手段によってガラスが下降する際に、ガラスの下端を内方向へ引き込む分力が発生した場合には、この分力によって、ガラスホルダーの内側壁部の上部とガラスとの間の接着剤に大きな引張応力が発生する。この際、本発明では、ガラスホルダーの内側壁部の上部に補助接着剤充填部が設けられており、この補助接着剤充填部には、複数のリブの高さより厚い接着剤を溜めることができる。このため、補助接着剤充填部に溜まる接着剤の量を多くすることによって、接着剤に発生する引張応力を緩和することができ、ガラスの下端を内方向へ引き込む分力が発生した場合に、接着剤への大きな応力発生を防止できる。
請求項5に記載の本発明の車両用ガラス支持構造は、請求項1〜4の何れか1項に記載のガラスホルダーによって、ガラスを昇降手段に固定した。
従って、請求項1〜4の何れか1項に記載の発明の作用効果と略同一の作用効果を得ることができる。
請求項1に記載の本発明は、ガラスの下端を外方向へ押し出す分力が発生した場合に、ガラスホルダーの外側壁部とガラスとを接着する接着剤への大きな応力発生を防止できる。
請求項2に記載の本発明は、引張応力が大きくなる接着剤の表面に近い部位の接着剤の厚さを厚くすることができると共に接着剤充填部に接着剤を隙間なく充填し易い。
請求項3に記載の本発明は、ガラスの組付精度出を向上できると共に接着剤への大きな応力発生を防止できる。
請求項4に記載の本発明は、ガラスの下端を内方向へ引き込む分力が発生した場合に、ガラスホルダーの内側壁部とガラスとを接着する接着剤への大きな応力発生を防止できる。
請求項5に記載の本発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の発明の効果と略同一の効果を得ることができる。
本発明におけるガラスホルダー及び車両用ガラス支持構造の第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRはドア前方側を示しており、矢印UPはドア上方側を示しており、矢印INはドア幅方向内側を示している。
図5には本実施形態に係るガラスホルダーが適用された自動車のフロントサイドドアがドア斜め外側前方から見た斜視図で示されており、図1には図5の1−1断面線に沿った部位の拡大断面図が示されている。また、図2には本実施形態に係るガラスホルダーがドア斜め前方外側から見た斜視図で示されており、図3には図2の3−3断面線に沿った部位の断面図が示されている。また、図4には図3の4−4断面線に沿った部位の断面図が示されている。
図5に示すように、自動車のフロントサイドドア10は、フロントサイドドア10の外側部を構成するサイドドアアウタパネル12とサイドドアの内側部を構成するサイドドアインナパネル14とを備えている。なお、サイドドアインナパネル14の外周部の先端部はサイドドアアウタパネル12の外周部とヘミング加工により結合されている。
フロントサイドドア10におけるガラスとしてのドアガラス18の下端縁部18Aには、ドア前後方向(図5の左右方向)に離間した位置にガラスホルダー20が取付けられており、これらのガラスホルダー20はドア前後方向に延びるリフトアームブラケット24の前端部24Aと後端部24Bとに固定されている。また、ガラスホルダー20は、リフトアームブラケット24に連結される連結部25と、ドアガラス18を支持するガラス保持部26とを備えている。
リフトアームブラケット24はドアガラス昇降手段22の一部を構成している。従って、ドアガラス18はドアガラス昇降手段22が作動することによって、ウインドフレーム30(ドアサッシュともいう)の前部30Aと後部30Bとの間でドア上方(図5の矢印A方向)とドア下方(図5の矢印B方向)と上昇または下降可能となっている。
なお、本実施形態では、ドアガラス昇降手段22としてXアーム式ウインドレギュレータを使用しているが、ドアガラス昇降手段22としては、シングルアーム式ウインドレギュレータ等の他のウインドレギュレータも使用可能である。
図1に示すように、ガラスホルダー20の連結部25には、ガラスホルダー20をリフトアームブラケット24に取付けるための貫通孔28が形成されており、リフトアームブラケット24の前端部24Aと後端部24Bとには、それぞれ取付用の貫通孔29が形成されている。また、ガラスホルダー20は貫通孔28、29にドア内側方向から挿通されたボルト32と、ボルト32にドア外側方向から螺合するナット34とによって、リフトアームブラケット24の前端部24Aと後端部24Bとにそれぞれ固定さている。
なお、ドアガラス18がドア上方(図1の矢印A方向)へ移動し、ドアガラス18の上端18Bがウインドフレーム30の上部30Cに達して、ドアガラス18が閉じ切り位置になると、ドアガラス昇降手段22のパルスモータへの通電が停止されるようになっている。
ウインドフレーム30の内側には、押出し成形によって長尺状に形成されたゴム製のドアガラスラン33が嵌着されている。また、サイドドアアウタパネル12の上端縁部12Aには、ドア前後方向に延びるベルトモール34が取付けられており、サイドドアトリム15の上端縁部15Aには、ドア前後方向に延びるベルトモール36が取付けられている。
図2に示すように、ガラスホルダー20の連結部25はドア前後方向を長手方向とする板状となっており、ガラス保持部26は連結部25の上方側に連続して形成されている。また、ガラスホルダー20のガラス保持部26は、ドア前後方向から見た断面形状が、開口部を上方へ向けたコ字状となっている。
より、具体的に説明すると、ガラスホルダー20のガラス保持部26は、連結部25の上側に設けられ、ドアガラス18の下面18Cに沿って伸びる底壁部26Aと、底壁部26Aのドア幅方向両端部からドアガラス18の外側面18Dと内側面18Eに沿ってガラス上方に向かって平行に伸びる対向壁部としての内側壁部26Bと外側壁部26Cと、が形成されている。
図4に示すように、ガラス保持部26の内側壁部26Bと外側壁部26Cとからは、それぞれ対向する側(ドアガラス18側)に向かって互いに対向するリブ26Dがガラス保持部26の前後方向へ所定の間隔で複数形成されている。また、対向するリブ26Dはそれぞれドアガラス18の挿入方向(上下方向)に伸びており、対向するリブ26Dの間にドアガラス18が挟持されている。
ガラス保持部26の外側壁部26Cとドアガラス18との間、及びガラス保持部26の内側壁部26Bとドアガラス18との間となる、隣接する前後のリブ26Dで区切られた接着剤充填部50には、接着剤としてのウレタン接着剤52が充填されている。従って、各接着剤充填部50にウレタン接着剤52を保持して、接着力を確保することができるようになっている。
また、対向するリブ26Dの間隔が挿入するドアガラス18の厚さと略同一となっており、リブ26Dによって、ウレタン接着剤52の流出を確実に防ぐとともに、ドアガラス18とガラスホルダー20をドアガラス18の厚さ方向への傾きなく正確に組付けることができるようになっている。
図3に示すように、ガラスホルダー20におけるガラス保持部26の外側壁部26Cの上端内側(ドアガラス側)には接着剤充填部56が切欠として形成されており、接着剤充填部56にはリブ26Dが形成されていない。また、接着剤充填部56にはウレタン接着剤52が充填されており、接着剤充填部56はドアガラス18の下方側から上方側に向かって開口幅が広くなっている。
より具体的に説明すると、接着剤充填部56のドア前後方向から見た断面形状は、ドア下方側からドア上方側に向かって開口幅H1が広くなる三角形状となっている。また、開口幅H1は、リブ26Dの厚さH3より大きくなっており、上端の開口幅H2が最大になっている。
図1に示すように、ドアガラス18はドア前後方向から見て、車幅方向外側へ凸に湾曲していると共に、下端に比べて上端が車幅方向内側に位置している。このため、ドアガラス18が閉じ切り位置(図1に示すドアガラス18の上端18Bがウインドフレーム30の上部30Cに達した位置)よりさらに上方へ移動しようとしたときや、上昇中のドアガラス18に大きな負荷(上昇を止めようとする力)が作用したときには、ドアガラス18の下端縁部18Aに、ドアガラス18の下端縁部18Aを外方向へ押し出す分力(抉り力、図1の矢印F1)が発生するようになっている。また、この分力F1によって、接着剤充填部56に引張応力(図3の矢印F2)が発生する。
この際、本実施形態では、大きな引張応力F3の発生を防止可能な量(厚さ)のウレタン接着剤52を接着剤充填部56に溜めることができるようになっている。
なお、ガラスホルダー20は、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール等の硬質合成樹脂や、これらにガラス繊維等の強化材を配合した樹脂材料から、射出成形等により一体成形して製造されている。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
上記構成のガラスホルダー20では、ガラスホルダー20に固定されたドアガラス18がドアガラス昇降手段22によって上昇して図1に示す閉じ切り位置に達し、さらに、ドアガラス昇降手段22の慣性等によって、ドアガラス18が上方へ移動したときや、上昇中のドアガラス18に大きな負荷(上昇を止めようとする力)が作用したときに、ドアガラス18の下端縁部18Aに、アガラス18の下端縁部18Aを外方向へ押し出す分力(図1の矢印F1)が発生する。この場合、分力F1によって、ガラスホルダー20のガラス保持部26における外側壁部26Cの上部とドアガラス18との間のウレタン接着剤52、特に、ウレタン接着剤52の表面52Aの近傍にはドアガラス18の幅方向(車幅方向)に沿った大きな引張応力(図3の矢印F2)が発生する。
この際、本実施形態では、ガラスホルダー20の外側壁部26Cの上部に接着剤充填部56が設けられており、この接着剤充填部56のドア幅方向に沿った開口幅H1は、リブ26Dの厚さH3より大きくなっている。このため、接着剤充填部56には、隣接する前後のリブ26Dで区切られた接着剤充填部50に比べ量が多い(厚い)ウレタン接着剤52が充填されている。即ち、接着剤充填部56には、前記引張応力F2を吸収し、ウレタン接着剤52への大きな応力発生を防止可能な量(厚さ)のウレタン接着剤52が溜められている。
この結果、ドアガラス18の下端を外方向へ押し出す分力が発生した場合に、ガラスホルダー20の外側壁部26Cとドアガラス18とを接着するウレタン接着剤52への大きな応力発生を防止できる。さらに、ウレタン接着剤52への大きな応力発生により発生する恐れがある、ウレタン接着剤52の割れ、剥がれ等の破損及びガラスホルダー20におけるガラス保持部26の破損も防止できる。
また、本実施形態では、図3に示すように、ドアガラス18の下方側から上方側に向かって接着剤充填部56の開口幅H1を広くすることで、引張応力F2が大きくなるウレタン接着剤52の表面52Aに近い部位におけるウレタン接着剤52の量を効率的に増加させることができる。このため、ウレタン接着剤52の量を必要以上に多くすることなく、ウレタン接着剤52への大きな応力発生を防止できる。さらに、接着剤充填部56のドア前後方向から見た断面形状を、ドア下方側からドア上方側に向かって開口幅H1が広くなる三角形状とすることで、接着剤充填部56をドア下方側からドア上方側に向かって開口幅H1が一定な矩形状とした場合に比べて、接着剤充填部56の全域にウレタン接着剤52を隙間なく充填し易い(接着剤充填部56をドア下方側からドア上方側に向かって開口幅H1が一定な矩形状とした場合には、接着剤充填部56のドア下方側外角部にウレタン接着剤52を充填し難い)。
次に、本発明におけるガラスホルダー及び車両用ガラス支持構造の第2実施形態を図6に従って説明する。
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
図6には、本発明の第2実施形態に係るガラスホルダーが図3に対応する断面図で示されている。
図6に示すように、本実施形態ではガラスホルダー20におけるガラス保持部26の外側壁部26Cが内側壁部26Bよりドア上方へ延設されており、接着剤充填部60は内側壁部26Bよりドア上方に位置する外側壁部26Cの延設部26Eの内側(ドアガラス側)に形成されている。また、接着剤充填部60のドア前後方向から見た断面形状は、下部60Aがドア下方側からドア上方側に向かって開口幅L1が広くなる三角形状となっており、上部60Bは開口幅L2が一定となっている。なお、開口幅L1及び開口幅L2は、リブ26Dの厚さH3より大きくなっている。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、ドアガラス18の下端縁部18Aを外方向へ押し出す分力(図1の矢印F1)が発生した場合には、この分力F1によって、ガラスホルダー20のガラス保持部26における外側壁部26Cの延設部26Eとドアガラス18との間のウレタン接着剤52にドアガラス18の幅方向に沿った大きな引張応力(図6の矢印F2)が発生する。
この際、ガラスホルダー20の外側壁部26Cの延設部26Eに接着剤充填部60が設けられており、この接着剤充填部60のドア幅方向に沿った開口幅L1、L2は、リブ26Dの厚さH3より大きくなっている。このため、接着剤充填部60には、前記引張応力F2を吸収し、ウレタン接着剤52への大きな応力発生を防止可能な量(厚さ)のウレタン接着剤52が溜められている。
この結果、接着剤充填部60に溜まったガラスホルダー20とドアガラス18とを接着するウレタン接着剤52への大きな応力発生を防止できる。
また、本実施形態では、図6に示すように、接着剤充填部60を内側壁部26Bよりドア上方へ延設された外側壁部26Cの延設部26Eに形成したため、同じ高さに設定された対向する内側壁部26Bと外側壁部26Cの下部(接着剤充填部60より下方の部位)とでドアガラス18を挟持することで、ドアガラス18の組付精度出を向上できる。即ち、ドアガラス18とガラスホルダー20をドアガラス18の厚さ方向への傾きなく正確に組付けることができる。
次に、本発明におけるガラスホルダー及び車両用ガラス支持構造の第3実施形態を図7に従って説明する。
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
図7には、本発明の第3実施形態に係るガラスホルダーが図3に対応する断面図で示されている。
図7に示すように、本実施形態では、ガラスホルダー20におけるガラス保持部26の内側壁部26Bの上端内側(ドアガラス側)に補助接着剤充填部としての接着剤充填部70が切欠として形成されており、接着剤充填部70にはリブ26Dが形成されていない。また、接着剤充填部70にはウレタン接着剤52が充填されており、接着剤充填部70はドアガラス18の下方側から上方側に向かって開口幅が広くなっている。
より具体的に説明すると、接着剤充填部70のドア前後方向から見た断面形状は、ドア下方側からドア上方側に向かって開口幅H4が広くなる三角形状となっており、開口幅H4は、リブ26Dの厚さH3より大きくなっている。
従って、本実施形態では、第1実施形態の作用効果に加えて、ガラスホルダー20に固定されたドアガラス18がドアガラス昇降手段22によって閉じ切り位置から下降する際に、ドアガラス18とドアガラスラン33との密着等によって、ドアガラス18とガラスホルダー20との間に上下方向の引っ張り力が作用した場合には、ドアガラス18の下端縁部18Aに、ドアガラス18の下端縁部18Aを内方向(ドアの車室側方向)へ引き込む分力が発生する。この場合、この分力によって、ガラスホルダー20のガラス保持部26における内側壁部26Bの上部とドアガラス18との間のウレタン接着剤52、特に、ウレタン接着剤52の表面52Aの近傍にはドアガラス18の幅方向(車幅方向)に沿った大きな引張応力(図7の矢印F3)が発生する。
この際、本実施形態では、ガラスホルダー20の内側壁部26Bの上部に接着剤充填部70が設けられており、この接着剤充填部70のドア幅方向に沿った開口幅H4は、リブ26Dの厚さH3より大きくなっている。このため、接着剤充填部70には、前記引張応力F3を吸収し、ウレタン接着剤52への大きな応力発生を防止可能な量(厚さ)のウレタン接着剤52が溜められている。
この結果、ドアガラス18の下端を内方向へ引き込む分力が発生した場合に、ガラスホルダー20の内側壁部26Bとドアガラス18とを接着するウレタン接着剤52への大きな応力発生を防止できる。
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記第1実施形態では、接着剤充填部56の形状をドアガラス18の下方側から上方側に向かって開口幅が広くなる三角形状としたが、接着剤充填部56の形状はドアガラス18の下方側から上方側に向かって開口幅が一定となる矩形状等の他の形状としてもよい。また、上記第2実施形態において、接着剤充填部60のドア前後方向から見た断面形状を、全体がドア下方側からドア上方側に向かって開口幅L1が広くなる三角形状としてもよい。
また、上記各実施形態では、接着剤としてウレタン接着剤52を使用したが、接着剤としてウレタン接着剤52に限定されず、シリコン系接着剤等の他の接着剤を使用してもよい。
また、上記各実施形態では、本発明をフロントサイドドア10に適用したが、本発明はリヤサイドドア等の他の開閉式ガラスにも適用可能である。
10 フロントサイドドア
18 ドアガラス
20 ガラスホルダー
22 昇降手段
24 リフトアームブラケット
25 ガラスホルダーの連結部
26 ガラスホルダーのガラス保持部
26A ガラス保持部の底壁部
26B ガラス保持部の内側壁部
26C ガラス保持部の外側壁部
26D ガラス保持部のリブ
26E ガラス保持部の外側壁部の延設部
50 接着剤充填部
52 ウレタン接着剤(接着剤)
56 接着剤充填部
60 接着剤充填部
70 接着剤充填部(補助接着剤充填部)
18 ドアガラス
20 ガラスホルダー
22 昇降手段
24 リフトアームブラケット
25 ガラスホルダーの連結部
26 ガラスホルダーのガラス保持部
26A ガラス保持部の底壁部
26B ガラス保持部の内側壁部
26C ガラス保持部の外側壁部
26D ガラス保持部のリブ
26E ガラス保持部の外側壁部の延設部
50 接着剤充填部
52 ウレタン接着剤(接着剤)
56 接着剤充填部
60 接着剤充填部
70 接着剤充填部(補助接着剤充填部)
Claims (5)
- ガラスを昇降させる昇降手段に連結される連結部と、
該連結部から前記ガラスの下面に沿って伸びる底壁部と、
該底壁部から前記ガラスの内側面に沿って伸びると共に、前記ガラスとの対向面から突出し前記ガラスとの間に接着剤を充填するための隙間を形成する上下方向へ伸びる複数のリブを備える内側壁部と、
前記底壁部から前記ガラスの外側面に沿って伸びると共に、前記ガラスとの対向面から突出し前記ガラスとの間に接着剤を充填するための隙間を形成する上下方向へ伸びる複数のリブと、上部に形成され前記ガラスとの間に溜まる接着剤の厚さを、前記複数のリブの高さより大きくするための接着剤充填部と、を備える外側壁部と、
を有することを特徴とするガラスホルダー。 - 前記接着剤充填部は、前記ガラスの下方側から上方側に向かって前記ガラスとの開口幅が広くなる切欠であることを特徴とする請求項1記載のガラスホルダー。
- 前記接着剤充填部は、前記外側壁部の上端に形成されて前記内側壁部より上方に位置する延設部に設けられていることを特徴とする請求項1、2の何れか1項に記載のガラスホルダー。
- 前記内側壁部は、上部に前記ガラスとの間に溜まる接着剤の厚さを、前記複数のリブの高さより大きくするための補助接着剤充填部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のガラスホルダー。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載のガラスホルダーによって、ガラスを昇降手段に固定したことを特徴とする車両用ガラス支持構造。
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