JP2018021369A - 自動車ドアガラス用ホルダ - Google Patents

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Abstract

【課題】板厚が異なる複数種のドアガラスに取り付けできるドアガラス用ホルダとしながら、板厚によらずドアガラスをその板厚方向に容易に位置決めできるようにする。【解決手段】ドアガラス用ホルダ1は、底部10から上方へ延び、車室内外方向に撓み変形するとともに、ドアガラス100を車室内外方向に挟持する外側板部20及び内側板部30を備えている。底部10には、ドアガラス100が当接して支持される外側支持面10a及び内側支持面10bが設けられている。外側支持面10a及び内側支持面10bは、底部10の車室内外方向中心に近づくほど下に位置するように形成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、自動車のドアガラスに取り付けられる自動車ドアガラス用ホルダに関し、特にドアガラスの板厚変化に対応できる構造の技術分野に属する。
近年、自動車ユーザーによる車両の使用ニーズの多様化に伴い、自動車に対する商品性の要求がますます広くなりつつある。従って、自動車のガラスの仕様も増えており、例えば、紫外線をカットする紫外線カットガラス、赤外線をカットする赤外線カットガラス、遮音性を向上した遮音ガラス、軽量化を目的とした薄板ガラス等があり、これらガラスの板厚は異なっているのが一般的である。
自動車のドアに配設されるドアガラスは昇降可能になっている。すなわち、ドアの内部には、昇降機構であるウインドレギュレーターが内蔵されており、このウインドレギュレーターのキャリアプレートにドアガラスの下部を連結してウインドレギュレーターの作動によりドアガラスを昇降させるように構成されている。ドアガラスの下部をキャリアプレートに連結する場合にはドアガラス用ホルダが用いられる。
従来のドアガラス用ホルダは、ドアガラスの下部を車室外側及び内側から挟むように配置される車室外側板部及び車室内側板部とを備えている。車室外側板部及び車室内側板部の間隔は、ドアガラスの板厚に対応するように設定されているので、ドアガラスの板厚が異なる場合には、車室外側板部及び車室内側板部の間隔が異なる複数種のドアガラス用ホルダを用意しなければならず、供給部品管理が煩雑になるとともに、形状の相違はわずかなことから誤組付の誘因となっていた。誤組付についてはドアガラス用ホルダの色を変える等の対策が考えられるが、供給部品管理が煩雑であるという問題は残っていた。
そこで、例えば特許文献1に開示されているように、一対の対向側部と底部とを有するドアガラス用ホルダにおいて、底部を平坦面で構成する一方、対向側部の端部には可撓部を設ける構成とすることが考えられる。このドアガラス用ホルダによれば、ドアガラスの下端を底部に置いた状態で、ドアガラスの車室外面ないし内面に可撓部が接触することになる。
特許第5071075号公報
特許文献1のドアガラス用ホルダの場合、一対の対向側部の間隔を広めに設定しておけば、板厚の厚いドアガラスから薄いドアガラスまで1種類のドアガラス用ホルダで済むと考えられる。
しかしながら、特許文献1のドアガラス用ホルダの底部は平坦であることから、ドアガラスの下端を底部に置いた状態で、ドアガラスをドアガラス用ホルダに対して板厚方向について位置決めすることはできない。このとき、可撓部がドアガラスに接触しているが、この可撓部は対向側部の端部にのみ設けられているものであることからドアガラスを位置決めするほどの力を該ドアガラスに作用させることは困難である。特に、ドアガラスの板厚が薄ければ薄いほど可撓部による位置決めは期待できず、薄板ガラスの場合に顕著な問題となっていた。
つまり、特許文献1のドアガラス用ホルダはドアガラスの板厚が異なっていても取り付けることはできるが、様々な板厚のドアガラスをその板厚方向について位置決めすることは困難であった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、板厚が異なる複数種のドアガラスに取り付けできるドアガラス用ホルダとしながら、板厚によらずドアガラスをその板厚方向に容易に位置決めできるようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、ドアガラスを車室内外方向に挟持する外側板部及び内側板部を車室内外方向に撓み変形可能にするとともに、底部に設けた外側支持面及び内側支持面に、ドアガラスの下端の車室外側及び内側の角部を当接させて支持し、外側支持面及び内側支持面を、底部の車室内外方向中心に近づくほど下に位置するように形成した。
第1の発明は、自動車に昇降可能に設けられるドアガラスの下側に取り付けられ、該ドアガラスの下側を昇降機構に連結する自動車ドアガラス用ホルダにおいて、上記ドアガラスの下端に配置される底部と、上記底部から上方へ延び、上記ドアガラスの車室外側及び内側にそれぞれ配置されて車室内外方向に撓み変形するとともに、該ドアガラスを車室内外方向に挟持する外側板部及び内側板部とを備え、上記底部には、上記ドアガラスの下端における車室外側に形成された外側角部が当接して支持される外側支持面と、上記ドアガラスの下端における車室内側に形成された内側角部が当接して支持される内側支持面とが設けられ、上記外側支持面及び上記内側支持面は、上記底部の車室内外方向中心に近づくほど下に位置するように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ドアガラスを車室内外方向に挟持する外側板部及び内側板部が車室内外方向に撓み変形するので、板厚が薄いドアガラスを挟持できるように外側板部及び内側板部の間隔を予め設定しておくことにより、板厚が厚いドアガラスの場合に外側板部及び内側板部が互いに離れる方向に変形してドアガラスの厚みが許容されて板厚が厚いドアガラスも挟持可能になる。
そして、ドアガラスの下端の外側角部及び内側角部がそれぞれ底部の外側支持面及び内側支持面に当接して支持される。このとき、外側支持面及び内側支持面は、底部の車室内外方向中心に近づくほど下に位置しているので、ドアガラスの下端は外側支持面及び内側支持面に沿って自然に下方へ変位しようする。これにより、ドアガラスがドアガラス用ホルダに対して該ドアガラスの板厚方向に位置決めされる。
第2の発明は、第1の発明において、上記底部における上記外側支持面と上記内側支持面との間の部分は、上記ドアガラスの下端から下方へ離れるように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、底部における外側支持面と内側支持面との間の部分がドアガラスの下端から下方へ離れているので、底部とドアガラスの下端との間に接着剤を充填可能な隙間が形成される。これにより、ドアガラス用ホルダのドアガラスに対する接着面積が広くなる。
第3の発明は、第1または2の発明において、上記外側板部の下側は、上記ドアガラスの車室外面から車室外側へ離れるように形成される一方、上記外側板部の上側は、上記ドアガラスの車室外面に当接するように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、外側板部の下側とドアガラスの車室外面との間に接着剤を充填可能な隙間が形成される。これにより、ドアガラス用ホルダのドアガラスに対する接着面積が広くなる。
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、上記内側板部の下側は、上記ドアガラスの車室内面から車室内側へ離れるように形成される一方、上記内側板部の上側は、上記ドアガラスの車室外面に当接するように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、内側板部の下側とドアガラスの車室内面との間に接着剤を充填可能な隙間が形成される。これにより、ドアガラス用ホルダのドアガラスに対する接着面積が広くなる。
第5の発明は、第1から4のいずれか1つの発明において、上記外側板部及び上記内側板部の上側には、それぞれ、車室外側及び内側へ屈曲する外側屈曲部及び内側屈曲部が形成され、上記外側板部における上記外側屈曲部よりも上側は、上記ドアガラスの車室外面から離れるように形成され、上記内側板部における上記内側屈曲部よりも上側は、上記ドアガラスの車室内面から離れるように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ドアガラスを外側板部及び内側板部の間に差し込む際、外側板部における外側屈曲部よりも上側の部分及び内側板部における内側屈曲部よりも上側の部分により、ドアガラスが外側板部と内側板部との間に導かれるようになる。
第6の発明は、第5の発明において、上記外側板部及び上記内側板部の間隔は、上記外側屈曲部及び上記内側屈曲部の形成部分が最も狭くなるように設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、外側屈曲部及び上記内側屈曲部の形成部分でドアガラスが挟持される。外側屈曲部及び上記内側屈曲部の形成部分は、外側板部及び内側板部の上側であるため、ドアガラスの下端から上方に離れた部分が挟持されることになる。
第1の発明によれば、ドアガラスを車室内外方向に挟持する外側板部及び内側板部を車室内外方向に撓み変形可能にするとともに、底部に設けた外側支持面及び内側支持面に、ドアガラスの下端の車室外側及び内側の角部を当接させて支持し、外側支持面及び内側支持面を、底部の車室内外方向中心に近づくほど下に位置するように形成したので、板厚が異なる複数種のドアガラスに取り付けることができ、しかも、板厚によらずドアガラスをその板厚方向に容易に位置決めできる。
第2の発明によれば、底部における外側支持面と内側支持面との間の部分がドアガラスの下端から下方へ離れているので、底部とドアガラスの下端との間に接着剤を充填することができる。これにより、ドアガラス用ホルダをドアガラスに対して強固に取り付けることができる。
第3の発明によれば、外側板部の下側とドアガラスの車室外面との間に接着剤を充填することができるので、ドアガラス用ホルダをドアガラスに対して強固に取り付けることができる。
第4の発明によれば、内側板部の下側とドアガラスの車室内面との間に接着剤を充填することができるので、ドアガラス用ホルダをドアガラスに対して強固に取り付けることができる。
第5の発明によれば、外側板部における外側屈曲部よりも上側の部分及び内側板部における内側屈曲部よりも上側の部分により、ドアガラスを外側板部と内側板部との間に導くことができるので、組付作業性を良好にすることができる。
第6の発明によれば、外側板部及び内側板部の間隔を、外側屈曲部及び内側屈曲部の形成部分が最も狭くなるように設定したので、ドアガラスの下端から上方に離れた部分を挟持できる。これにより、自動車ドアガラス用ホルダをドアガラスに対して安定させることができる。
自動車ドアガラス用ホルダを車室外側から見た側面図である。 自動車ドアガラス用ホルダの背面図である。 自動車ドアガラス用ホルダの平面図である。 図1におけるIV−IV線断面図である。 自動車ドアガラス用ホルダが厚板ガラスに取り付けられた場合を示す図4相当図である。 自動車ドアガラス用ホルダが薄板ガラスに取り付けられた場合を示す図4相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る自動車ドアガラス用ホルダ1を車室外側から見た側面図である。この自動車ドアガラス用ホルダ1は、自動車(図示せず)に昇降可能に設けられるドアガラス100の下側に取り付けられ、該ドアガラス100の下側を昇降機構200(図4に一部を仮想線で示す)に連結するための部材である。この実施形態では、図示しないが自動車の側部に配設されるフロントドアやリヤドアが有するドアガラスに取り付けられるドアガラス用ホルダ1について説明するが、これに限らず、自動車に昇降可能に設けられる各種ドアガラスにドアガラス用ホルダ1を取り付けて使用することができる。尚、この実施形態の説明では、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」というものとする。
昇降機構200は、図示しないが自動車の側部に配設されるフロントドアやリヤドア、スライドドア等の内部に配設されており、従来から周知のものである。すなわち、昇降機構200はウインドレギュレーターと呼ばれるものであり、ドアガラス100が自動車ドアガラス用ホルダ1を介して連結されるキャリアプレート201と、キャリアプレート201を上下方向に案内する案内レール(図示せず)と、キャリアプレート201に連結されたワイヤ(図示せず)と、ワイヤを駆動するモーター(図示せず)とを備えている。そして、モーターがワイヤを駆動することにより、キャリアプレート201を上昇させたり、下降させることができるようになっており、これにより、ドアガラス100が昇降する。
図4等に示すように、ドアガラス100の下端には、車室外側に外側角部101が形成される一方、車室内側に内側角部102が形成されている。単一車種に設けられるドアガラス100の種類としては、例えば、紫外線カットガラス、赤外線カットガラス、遮音ガラス、薄板ガラス等があり、これらガラスの板厚は異なっている。図5にはドアガラス100が厚板ガラスである場合を示しており、また、図6にはドアガラス100が薄板ガラスである場合を示している。さらに、図示しないが厚板ガラス及び薄板ガラスの中間の板厚を有するドアガラスもある。自動車ドアガラス用ホルダ1は、上記した様々な板厚のドアガラス100に取り付けることができるように構成されている。
すなわち、図2や図4に示すように、自動車ドアガラス用ホルダ1は、底部10と、外側板部20及び内側板部30と、締結板部40とを備えている。底部10、外側板部20、内側板部30及び締結板部40は、例えば周知のエンジニアリングプラスチック等の樹脂材により一体成形されている。底部10は、ドアガラス100の下端に配置され、ドアガラス100の下端に沿って前後方向に延びている。底部10における車室内外方向中心から車室外側に離れた部分には、ドアガラス100の外側角部101に当接して該外側角部101を下方から支持する外側支持面10aが形成されている。この外側支持面10aは、底部10の車室内外方向中心に近づくほど下に位置するように形成されている。また、底部10における車室内外方向中心から車室内側に離れた部分には、ドアガラス100の内側角部102に当接して該内側角部102を下方から支持する内側支持面10bが形成されている。この内側支持面10bは、底部10の車室内外方向中心に近づくほど下に位置するように形成されている。
この実施形態では、底部10の外側支持面10a及び内側支持面10bが下側へ行くほど互いに接近するように傾斜した傾斜面で構成されている。外側支持面10a及び内側支持面10bの傾斜角度を急にする方が後述する位置決めの観点からは好ましく、例えば45°以上にするのが好ましい。尚、外側支持面10a及び内側支持面10bは湾曲した面であってもよい。
外側支持面10aの上端と内側支持面10bの上端とは略同じ高さに位置している。外側支持面10aの下端と内側支持面10bの下端とも略同じ高さに位置している。図5に示す板厚が最も厚いドアガラス100にドアガラス用ホルダ1を取り付けた状態で、ドアガラス100の外側角部101が外側支持面10aの上下方向中間部に位置し、ドアガラス100の内側角部102が内側支持面10bの上下方向中間部に位置するようになっている。
外側支持面10aの下端と内側支持面10bの下端とは、車室内外方向に互いに離れている。底部10における外側支持面10aと内側支持面10bとの間の部分には、ドアガラス100の下端から下方へ離れるように、下方へ向けて湾曲する湾曲面10cが形成されている。湾曲面10cの車室外側の端部は、外側支持面10aの下端と連続している。また、湾曲面10cの車室内側の端部は、内側支持面10bの下端と連続している。湾曲面10cは、その車室内外方向中心が最も下に位置し、中心から車室外側へいくほど、及び中心から車室内側へいくほど上に位置するように形状設定されている。尚、湾曲面10cの代わりに平坦面を設けてもよい。
湾曲面10cとドアガラス100の下端との間には隙間が形成されるようになっており、この隙間は、接着剤が充填される下側接着剤充填空間A1とされている。下側接着剤充填空間A1は外側角部101と内側角部102との間に形成されることになる。接着剤は、ドアガラス100とドアガラス用ホルダ1とを接着する従来から周知のものであるので詳細な説明は省略する。
外側板部20及び内側板部30は、底部10から上方へ延び、ドアガラス100の車室外側及び内側にそれぞれ配置されて車室内外方向に撓み変形するとともに、該ドアガラス100を車室内外方向に挟持する部分である。外側板部20及び内側板部30の肉厚と前後方向の寸法は互いに略同じに設定されており、外側板部20及び内側板部30の剛性は略同程度となっている。
詳しくは、外側板部20は、底部10における車室内外方向中心から車室外側に離れた部分、即ち、外側支持面10aの上端から上方へ突出している。また、内側板部30は、底部10における車室内外方向中心から車室内側に離れた部分、即ち、内側支持面10bの上端から上方へ突出している。外側板部20及び内側板部30の前後方向の寸法は、底部10の前後方向の寸法と略一致している。
外側板部20の下端は、図5に示す板厚が最も厚いドアガラス100を挟持した状態でドアガラス100の車室外面100aから外側へ離れている。また、外側板部20の上側には、車室外側へ屈曲する外側屈曲部21が形成されており、外側板部20は、その下端から外側屈曲部21に達するまでは上側へ行くほど車室内側に位置するように延び、外側屈曲部21よりも上側の部分は、その上端に近づくほど車室外側に位置するように延びている。従って、外側板部20における外側屈曲部21が最も車室内側に位置することになり、この外側屈曲部21がドアガラス100の車室外面100aに当接する部分となる。
外側板部20の車室内面における外側屈曲部21よりも下側の面20bは、ドアガラス100の車室外面100aに対向するように配置される面であり、下側へ行くほど車室外側に位置するように延びている。外側板部20の面20bとドアガラス100の車室外面100aとの間には隙間が形成されるようになっており、この隙間は、上記接着剤が充填される外側接着剤充填空間B1とされている。外側接着剤充填空間B1の車室内外方向の寸法は上端へ行くほど短くなっている。
外側板部20の車室内面における外側屈曲部21よりも上側の面20cは、ドアガラス100の車室外面100aに対向するように配置される面であり、上側へ行くほど車室外側に位置するように延びている。
また、図1に示すように、外側板部20の車室外面20aには、上下方向に延びる複数のリブ22が互いに前後方向に間隔をあけて設けられている。リブ22の下端は底部10に達している。リブ22の上端は外側板部20の上端に達している。
内側板部30の下端は、図5に示す板厚が最も厚いドアガラス100を挟持した状態でドアガラス100の車室内面100bから車室内側へ離れている。また、内側板部30の上側には、車室内側へ屈曲する内側屈曲部31が形成されており、内側板部30は、その下端から内側屈曲部21に達するまでは上側へ行くほど車室外側に位置するように延びている。従って、内側板部30における内側屈曲部21よりも下側の部分と、外側板部20における外側屈曲部31よりも下側の部分とは、上側へ行くほど互いに近づくようになる。
また、内側屈曲部31よりも上側の部分は、その上端に近づくほど車室内側に位置するように延びている。従って、内側板部30における内側屈曲部31が最も車室外側に位置することになり、この内側屈曲部31がドアガラス100の車室内面100bに当接する部分となる。図4に示すように、ドアガラス用ホルダ1の成形後の状態では、外側屈曲部21と内側屈曲部31とが車室内外方向に離れており、外側屈曲部21及び内側屈曲部31の車室内外方向の離間寸法は、図6に示す板厚が最も薄いドアガラス100の厚み寸法よりも短くなるように設定されている。
内側板部30の車室外面における内側屈曲部31よりも下側の面30bは、ドアガラス100の車室内面100bに対向するように配置される面であり、下側へ行くほど車室内側に位置するように延びている。内側板部30の面30bとドアガラス100の車室内面100bとの間には隙間が形成されるようになっており、この隙間は、上記接着剤が充填される内側接着剤充填空間C1とされている。内側接着剤充填空間C1の車室内外方向の寸法は上端へ行くほど短くなっている。
内側板部30の車室外面における内側屈曲部31よりも上側の面30cは、ドアガラス100の車室内面100bに対向するように配置される面であり、上側へ行くほど車室内側に位置するように延びている。これにより、内側板部30の面30cと、外側板部20の面20cとの車室内外方向の離間寸法が上側へ行くほど広くなり、内側板部30の面30c及び外側板部20の面20cによってドアガラス100の下端を外側屈曲部21及び内側屈曲部31の間に導くことができるようになっている。尚、内側板部30の面30cの上端と、外側板部20の面20cの上端との車室内外方向の離間寸法は、図5に示す板厚が最も厚いドアガラス100の厚み寸法よりも長くなるように設定されている。
また、図示しないが、内側板部30の車室内面30aには、上下方向に延びる複数のリブが互いに前後方向に間隔をあけて設けられている。リブの下端は底部10に達している。リブの上端は内側板部30の上端に達している。
図2に示すように、締結板部40は、底部10から下方へ突出しており、該底部10と一体化されている。締結板部40は、図1に示すように下側へ行くほど前後方向の寸法が短くなるように形成されている。締結板部40の前後方向中央部には、略円筒状の金属製部材41が配設されている。金属製部材41には、図示しない締結部材が挿通する挿通孔41aが車室内外方向に貫通するように形成されている。締結部材は、締結板部40をキャリアプレート201に締結するための部材であり、例えばネジやボルト等である。
締結板部40の車室外面40aには、金属製部材41を囲む部分から車室外側へ突出する筒状壁部42が形成されている。この筒状壁部42の内方にネジやボルトの頭部が収容されるようになっている。また、締結板部40の車室外面40aには、上下方向に延びる複数のリブ43が互いに前後方向に間隔をあけて形成されている。リブ43の上端は、外側板部20のリブ22の下端と連続している。リブ43の下端は筒状壁部42の外面と連続している。また、締結板部40の車室内面40bはキャリアプレート201の側面に当接するようになっている。
ドアガラス用ホルダ1には位置決め部50が設けられている。図3にも示すように、位置決め部50は、底部10の近傍から車室内側へ突出して前後方向に延びる突出板51と、突出板51の上面に設けられた複数のリブ52とを備えている。突出板51の前後方向の寸法は、底部10の前後方向の寸法よりも短く設定されており、突出板51は底部10の前後中央部に位置付けられている。リブ52は、底部10の車室内面に連続している。突出板51の下面51aにキャリアプレート201の上面が当接して位置決めされるようになっている。
(ドアガラス用ホルダの取り付け要領)
次に、上記のように構成されたドアガラス用ホルダ1をドアガラス100の下側に取り付ける要領について説明する。まず、図4に示すように、ドアガラス100の下端をドアガラス用ホルダ1の外側板部20と内側板部30との間の上方に配置してから、外側板部20と内側板部30との間に差し込む。底部10には上記接着剤を予め塗布しておくのが好ましい。
ドアガラス100を外側板部20と内側板部30との間に差し込む際、内側板部30の面30cの上端と外側板部20の面20cの上端との離間寸法が、図5に示す板厚の最も厚いドアガラス100の厚み寸法よりも長くなっているので、ドアガラス100の下端を、内側板部30の面30cと外側板部20の面20cとによって外側屈曲部21及び内側屈曲部31の間に導くことができ、作業が容易に行える。
ドアガラス100の下端を外側板部20と内側板部30との間に差し込んでいくと、外側板部20の外側屈曲部21と、内側板部30の内側屈曲部31との離間寸法がドアガラス100の厚み寸法よりも短く設定されているので、ドアガラス100の下端に外側屈曲部21が当接して外側板部20が車室外側へ押されて撓み変形し、また、ドアガラス100の下端に内側屈曲部31が当接して内側板部30が車室内側へ押されて撓み変形する。外側板部20は外側屈曲部21よりも下側の部分が主に撓み変形し、内側板部30も内側屈曲部31よりも下側の部分が主に撓み変形する。
そして、ドアガラス100が外側屈曲部21と内側屈曲部31との間に完全に差し込まれる過程において、ドアガラス100の車室外面100aに外側屈曲部21が摺接し、ドアガラス100の車室内面100bに内側屈曲部31が摺接する。このとき、ドアガラス100に対する外側屈曲部21の接触面積及び内側板部30の接触面積は狭くなるので、ドアガラス100を容易に差し込むことができる。
ドアガラス100が外側板部20と内側板部30との間に完全に差し込まれると、底部10の外側支持面10aにドアガラス100の外側角部101が当接して支持され、また、底部10の内側支持面10bにドアガラス100の内側角部102が当接して支持される。このとき、外側支持面10aは底部10の車室内外方向中心に近づくほど下に位置するように形成され、内側支持面10bは底部10の車室内外方向中心に近づくほど下に位置するように形成されているので、ドアガラス100の下端は外側支持面10a及び内側支持面10bに沿って自然に下方へ変位しようする。これにより、ドアガラス100の板厚方向中心がドアガラス用ホルダ1の底部10の車室内外方向中心と一致し、ドアガラス100がドアガラス用ホルダ1に対して該ドアガラス100の板厚方向に位置決めされる。
また、ドアガラス100が外側板部20と内側板部30との間に完全に差し込まれた状態では、ドアガラス100が底部10で支持されるとともに、外側板部20と内側板部30とによってドアガラス100の下端から上側に離れた部分が板厚方向に挟持される。これにより、自動車ドアガラス用ホルダ1をドアガラス100に対して安定させることができる。
接着剤は、ドアガラス100を差し込むことによって流動して底部10の湾曲面10cとドアガラス100の下端との間の下側接着剤充填空間A1に充填され、また、外側板部20の面20bとドアガラス100の車室外面100aとの間の外側接着剤充填空間B1にも充填され、さらに、内側板部30の面30bとドアガラス100の車室内面100bとの間の内側接着剤充填空間C1にも充填される。これにより、ドアガラス用ホルダ1はドアガラス100に対して少なくとも3箇所が接着されることになるので、接着面積を十分に広く確保することができ、ドアガラス用ホルダ1をドアガラス100に対して強固に取り付けることができる。
また、図6に示すように、ドアガラス用ホルダ1を薄板のドアガラス100に取り付けることもできる。この場合、外側屈曲部21及び内側屈曲部31の車室内外方向の離間寸法は、板厚が最も薄いドアガラス100の厚み寸法よりも短くなるように設定されているので、薄板のドアガラス100を外側板部20と内側板部30とによって挟持できる。
薄板のドアガラス100の場合も、ドアガラス100の下端は外側支持面10a及び内側支持面10bに沿って自然に下方へ変位しようするので、ドアガラス100がドアガラス用ホルダ1に対して該ドアガラス100の板厚方向に位置決めされる。また、この場合、下側接着剤充填空間A2は図5に示す厚板ガラスの場合の下側接着剤充填空間A1に比べて狭くなるが、外側接着剤充填空間B2及び内側接着剤充填空間C2は厚板ガラスの場合の外側接着剤充填空間B1及び内側接着剤充填空間C1に比べて広くなるので、図6に示す場合も接着面積を十分に広く確保することができる。
尚、図5に示す板厚が最も厚いドアガラス100の場合と、図6に示す板厚が最も薄いドアガラス100の場合とでは、ドアガラス用ホルダ1に対するドアガラス100の位置が上下方向について見ると若干異なり、図5に示す場合の方が図6に示す場合よりも上に位置することになるが、この差は僅かなものであることから実際の組付現場で許容できる程度であり、問題とはならない。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る自動車ドアガラス用ホルダは、例えば昇降可能なドアガラスに取り付けて使用することができる。
1 自動車ドアガラス用ホルダ
10 底部
10a 外側支持面
10b 内側支持面
20 外側板部
21 外側屈曲部
30 内側板部
31 内側屈曲部
100 ドアガラス
101 外側角部
102 内側角部
200 昇降機構

Claims (6)

  1. 自動車に昇降可能に設けられるドアガラスの下側に取り付けられ、該ドアガラスの下側を昇降機構に連結する自動車ドアガラス用ホルダにおいて、
    上記ドアガラスの下端に配置される底部と、
    上記底部から上方へ延び、上記ドアガラスの車室外側及び内側にそれぞれ配置されて車室内外方向に撓み変形するとともに、該ドアガラスを車室内外方向に挟持する外側板部及び内側板部とを備え、
    上記底部には、上記ドアガラスの下端における車室外側に形成された外側角部が当接して支持される外側支持面と、上記ドアガラスの下端における車室内側に形成された内側角部が当接して支持される内側支持面とが設けられ、
    上記外側支持面及び上記内側支持面は、上記底部の車室内外方向中心に近づくほど下に位置するように形成されていることを特徴とする自動車ドアガラス用ホルダ。
  2. 請求項1に記載の自動車ドアガラス用ホルダにおいて、
    上記底部における上記外側支持面と上記内側支持面との間の部分は、上記ドアガラスの下端から下方へ離れるように形成されていることを特徴とする自動車ドアガラス用ホルダ。
  3. 請求項1または2に記載の自動車ドアガラス用ホルダにおいて、
    上記外側板部の下側は、上記ドアガラスの車室外面から車室外側へ離れるように形成される一方、上記外側板部の上側は、上記ドアガラスの車室外面に当接するように形成されていることを特徴とする自動車ドアガラス用ホルダ。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の自動車ドアガラス用ホルダにおいて、
    上記内側板部の下側は、上記ドアガラスの車室内面から車室内側へ離れるように形成される一方、上記内側板部の上側は、上記ドアガラスの車室外面に当接するように形成されていることを特徴とする自動車ドアガラス用ホルダ。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の自動車ドアガラス用ホルダにおいて、
    上記外側板部及び上記内側板部の上側には、それぞれ、車室外側及び内側へ屈曲する外側屈曲部及び内側屈曲部が形成され、
    上記外側板部における上記外側屈曲部よりも上側は、上記ドアガラスの車室外面から離れるように形成され、
    上記内側板部における上記内側屈曲部よりも上側は、上記ドアガラスの車室内面から離れるように形成されていることを特徴とする自動車ドアガラス用ホルダ。
  6. 請求項5に記載の自動車ドアガラス用ホルダにおいて、
    上記外側板部及び上記内側板部の間隔は、上記外側屈曲部及び上記内側屈曲部の形成部分が最も狭くなるように設定されていることを特徴とする自動車ドアガラス用ホルダ。
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