JP2009248573A - 空気入りタイヤおよびその製造方法 - Google Patents

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喬士 三井
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Abstract

【課題】空気入りタイヤの高速走行性能を効果的に向上させる。
【解決手段】第1ベルト強化層34の幅方向両外側端34aに位置する第1リボン状体40の末端部65と、第2ベルト強化層43の幅方向内側端43aに位置する第2リボン状体56の末端部66とを半径方向に重ね合わせるようにしたので、これら第1および第2リボン状体40、56のスチールコード36および補強コード49の末端部同士は、これらを被覆する被覆ゴム39、54を介して互いに連結されて、あたかもこれらスチールコード36、補強コード49が連続しているように振る舞い、これにより、内圧充填、径成長に基づく張力を有効に負担し、高速走行性能が向上する。
【選択図】図3

Description

この発明は、ベルト層とトレッドとの間に、周方向に延びるコードが埋設されているベルト強化層を配置した空気入りタイヤおよびその製造方法に関する。
従来の空気入りタイヤおよびその製造方法としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。
特開2007−308101号公報
このものは、対をなすビードコア間をトロイダル状に延びるカーカス層と、カーカス層の半径方向外側に配置され、タイヤ赤道Sに対して傾斜しているベルトコードが内部に埋設されたベルト層と、ベルト層の半径方向外側に配置されたトレッドと、ベルト層とトレッドとの間で前記ベルト層の幅方向中央部に重なり合うよう配置され、スチールコードをゴム被覆した第1リボン状体を螺旋状に巻回することで構成した第1ベルト強化層と、ベルト層とトレッドとの間で前記ベルト層の幅方向両端部に重なり合うよう配置され、芳香族ポリアミド繊維からなる補強コードをゴム被覆した第2リボン状体を螺旋状に巻回することで構成した一対の第2ベルト強化層とを備えたものである。
そして、このものはベルト層の幅方向両端部に、収縮方向の曲げ剛性が著しく低い芳香族ポリアミド繊維からなる周方向の補強コードが埋設された第2ベルト強化層を重ね合わせて配置することで、タイヤ成形時、加硫時におけるトレッド端部の縮径に基づく周方向の収縮を波打ちを生じさせることなく吸収するとともに、高速走行時におけるトレッド端部の径成長を抑制する一方、ベルト層の幅方向中央部に、周方向のスチールコードが埋設された第1ベルト強化層を重ね合わせて配置することで、トラクション性能の向上および高速走行時の径成長を強力に抑制するようにしている。
しかしながら、前述のような空気入りタイヤを実際に製造して走行試験を行うと、高速走行性能が予期したレベルに達していないことが判明した。このため、本発明者はその理由を解明すべく鋭意研究を行い、第1ベルト強化層の幅方向両外側端に位置する第1リボン状体の末端と、第2ベルト強化層の幅方向内側端に位置する第2リボン状体の末端との間に、加硫時の拡張によって間隙が発生し、これにより、第1ベルト強化層と第2ベルト強化層との境界において張力負担が中断していることが原因であることを見出した。
この発明は、高速走行性能を効果的に向上させることができる空気入りタイヤおよびその製造方法を提供することを目的とする。
このような目的は、第1に、対をなすビードコア間をトロイダル状に延びるカーカス層と、カーカス層の半径方向外側に配置され、タイヤ赤道Sに対して傾斜しているベルトコードが内部に埋設されたベルト層と、ベルト層の半径方向外側に配置されたトレッドと、ベルト層とトレッドとの間で前記ベルト層の幅方向中央部に重なり合うよう配置され、スチールコードをゴム被覆した第1リボン状体を螺旋状に巻回することで構成した第1ベルト強化層と、ベルト層とトレッドとの間で前記ベルト層の幅方向両端部に重なり合うよう配置され、高弾性の有機繊維からなる補強コードをゴム被覆した第2リボン状体を螺旋状に巻回することで構成した一対の第2ベルト強化層とを備えた空気入りタイヤにおいて、前記第1ベルト強化層の幅方向両外側端に位置する第1リボン状体の末端部と、第2ベルト強化層の幅方向内側端に位置する第2リボン状体の末端部とを半径方向に重ね合わせるようにした空気入りタイヤにより、達成することができる。
第2に、対をなすビードコア間をトロイダル状に延びるカーカス層と、カーカス層の半径方向外側に配置され、タイヤ赤道Sに対して傾斜しているベルトコードが内部に埋設されたベルト層と、ベルト層の半径方向外側に配置されたトレッドと、ベルト層とトレッドとの間で前記ベルト層の幅方向中央部に重なり合うよう配置され、スチールコードをゴム被覆した第1リボン状体を螺旋状に巻回することで構成した第1ベルト強化層と、ベルト層とトレッドとの間で前記ベルト層の幅方向両端部に重なり合うよう配置され、高弾性の有機繊維からなる補強コードをゴム被覆した第2リボン状体を螺旋状に巻回することで構成した一対の第2ベルト強化層とを備えた空気入りタイヤの第1、第2ベルト強化層を円筒状の成形ドラム上において成形する際、前記第1ベルト強化層の幅方向両外側端に位置する第1リボン状体の末端部と、第2ベルト強化層の幅方向内側端に位置する第2リボン状体の末端部とを半径方向に重ね合わせるとともに、これらの長手方向における重なり合い量Mを第1ベルト強化層の1周長の 1%以上とした空気入りタイヤの製造方法により、達成することができる。
請求項1に係る発明においては、第1ベルト強化層の幅方向両外側端に位置する第1リボン状体の末端部と、第2ベルト強化層の幅方向内側端に位置する第2リボン状体の末端部とを半径方向に重ね合わせるようにしたので、これら第1および第2リボン状体内のスチールコードおよび補強コードの末端部同士は、これらを被覆する被覆ゴムを介して互いに連結されて、あたかもこれらスチールコード、補強コードが連続しているように振る舞い、これにより、内圧充填、径成長に基づく張力を有効に負担し、高速走行性能が向上する。そして、このような空気入りタイヤは、請求項5に記載の製造方法により容易かつ確実に製造することができる。
また、請求項2に記載のように構成すれば、重量増加を回避しながら、被覆ゴムを介してのスチールコードおよび補強コードの末端部同士の連結が強力となって、高速走行性能を確実に向上させることができ、さらに、請求項3に記載のように構成すれば、高速走行時におけるトレッド端部の径成長を効果的に抑制することができ、高速耐久性が向上する。また、請求項4に記載のように構成すれば、幅方向外側に位置する第2リボン状体の末端、および、第2ベルト強化層の幅方向外側端から亀裂、セパレーションが発生する事態を効果的に抑制することができる。
以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1、2において、11は高速走行が可能な乗用車用空気入りラジアルタイヤであり、この空気入りタイヤ11は対をなす、ここでは一対のビードコア12がそれぞれ埋設されたビード部13と、これらビード部13から略半径方向外側に向かってそれぞれ延びるサイドウォール部14と、これらサイドウォール部14の半径方向外端同士を連結する略円筒状のトレッド部15とを備えている。なお、この発明は航空機あるいはトラック・バス用の空気入りタイヤに適用してもよい。
そして、この空気入りタイヤ11は前記対をなすビードコア12間をトロイダル状に延びてサイドウォール部14、トレッド部15を補強するカーカス層18を有し、このカーカス層18の幅方向両端部は前記ビードコア12の回りを折り返されている。前記カーカス層18は少なくとも1枚、ここでは2枚のカーカスプライ19から構成され、これらのカーカスプライ19内にはタイヤ赤道Sに対して70〜90度のコード角で交差する、即ち実質上ラジアル方向(子午線方向)に延びるポリエステル、ナイロン、芳香族ポリアミド、スチール等(ここでは、ポリエステル)から構成された多数本の互いに平行なカーカスコード20がそれぞれ埋設されている。
23はカーカス層18の半径方向外側に配置されたベルト層であり、このベルト層23は少なくとも1枚のベルトプライ、ここでは2枚のベルトプライ24、25を半径方向外側に向かってこの順序で積層することにより構成している。ここで、各ベルトプライ24、25の内部には多数本の互いに平行なベルトコード26、27がそれぞれ埋設され、これらのベルトコード26、27はスチールの撚り線あるいはモノフィラメントから構成されるとともに、少なくとも隣接する2枚のベルトプライ24、25においてタイヤ赤道Sに対し逆方向に傾斜して互いに交差している。
また、前記ベルトプライ24、25内のベルトコード26、27は、タイヤ赤道Sに対して所定の傾斜角で傾斜しているが、この傾斜角は15〜75度の範囲内である。30は前記ベルト層23の半径方向外側に配置されたゴムからなるトレッドであり、このトレッド30の外表面(踏面)には、排水性能を向上させるため、幅広で周方向に連続して延びる複数本、ここでは4本の主溝31が形成されている。また、前記トレッド30の外表面には幅方向や斜め方向に延びる多数本の横溝が形成されることもある。
34はベルト層23とトレッド30との間に配置された、換言すれば、ベルト層23の半径方向外側に密着配置された第1ベルト強化層であり、この第1ベルト強化層34は最狭幅のベルトプライ25より幅狭でベルト層23の幅方向中央部と重なり合っている。ここで、前記第1ベルト強化層34は少なくとも1枚(ここでは1枚)の第1強化プライ35から構成されており、この第1強化プライ35の内部にはタイヤ赤道Sに実質上平行に延びるスチールコード36が埋設されている。
この結果、第1ベルト強化層34によってトレッド部15に高いたが効果、曲げ剛性が付与され、これにより、高速走行時におけるトレッド中央部の半径方向外側への径成長は強力に抑制されるとともに、トラクション性能の向上が図られる。なお、この実施形態においてタイヤ赤道Sに実質上平行とは、タイヤ赤道Sとの交差角が 5度以下、通常は 2度以下の角度をいう。
そして、前述の第1ベルト強化層34は、図3、4に示すように、直線状に延びる1本または互いに平行な少数本、ここでは3本のスチールコード36を被覆ゴム39でゴム被覆して構成した一定幅の第1リボン状体40を幅方向に綾振りながら螺旋状に多数回巻回することで成形している。なお、この実施形態では隣接する第1リボン状体40の側端同士を突き合わせながら巻回して第1ベルト強化層34を成形しているが、隣接する第1リボン状体40の側端部を半径方向に重ね合わせながら巻回して第1ベルト強化層34を成形してもよい。
43、44はベルト層23とトレッド30との間に配置された、換言すれば、ベルト層23の半径方向外側に密着配置された一対の第2ベルト強化層であり、これらの第2ベルト強化層43、44は前記ベルト層23の幅方向両端部にそれぞれ重なり合うよう、詳しくは、ベルト層23の幅方向両端をそれぞれ跨ぐよう配置されている。そして、各第2ベルト強化層43、44は少なくとも1枚、ここではそれぞれ1枚の強化プライ45、46から構成されている
前記強化プライ45、46内にはタイヤ赤道Sに実質上平行に延びる高弾性の有機繊維からなる補強コード49、50がそれぞれ埋設されており、この結果、これら補強コード49、50によって第2ベルト強化層43、44に対し高い周方向引っ張り剛性が付与され、高速走行時におけるトレッド端部51の径成長が抑制される。ここで、前記補強コード49、50としては、芳香族ポリアミド繊維のみからなるコード、あるいは、芳香族ポリアミド繊維とポリエステル繊維、ナイロン繊維等とを同時に紡ぐことで撚り合わせた複合コードを用いることができる。なお、この実施形態において高弾性とは、弾性率が30GPa以上、好ましくは40〜50GPaのものをいう。
このように補強コード49、50として、少なくとも一部に芳香族ポリアミド繊維を含むコードを用いれば、高速走行時におけるトレッド端部51の径成長を強力に抑制することができて高速耐久性を効果的に向上させることができるので、好ましい。なお、前記補強コード49、50として、ポリエチレンナフタレート(ポリエチレン−2,6−ナフタレート)繊維のみからなるコード、あるいは、前記繊維と芳香族ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等との複合コードを用いることもできる。
そして、このような第2ベルト強化層43、44は、前記第1ベルト強化層34と同様に、直線状に延びる1本または互いに平行な少数本、ここでは3本の補強コード49、50を被覆ゴム54、55でゴム被覆して構成した一定幅の第2リボン状体56を幅方向に綾振りながら螺旋状に多数回巻回することで成形している。なお、この実施形態では隣接する第2リボン状体56の側端同士を突き合わせながら巻回して第2ベルト強化層43、44を成形しているが、隣接する第2リボン状体56の側端部を半径方向に重ね合わせながら巻回して第2ベルト強化層43、44を成形してもよい。
ここで、幅方向一側に位置する第2ベルト強化層43は幅方向外端部が半径方向内側に位置するよう途中で折り返され、一方、幅方向他側に位置する第2ベルト強化層44は幅方向外端部が半径方向外側に位置するよう途中で折返されており、この結果、第2ベルト強化層43の幅方向外端部は外側部59と内側部60とから構成された2層構造と、一方、第2ベルト強化層44の幅方向外端部は外側部61と内側部62とから構成された2層構造となっている。
そして、このように第2ベルト強化層43、44が途中で折り返されて2層構造となっていると、第2ベルト強化層43を構成する第2リボン状体56の幅方向内側の末端(切断端)は第2ベルト強化層43(外側部59)の幅方向内側端43aに位置し、一方、第2リボン状体56の幅方向外側の末端は第2ベルト強化層43の幅方向外側端43bより幅方向内側、即ち内側部60の幅方向内端に位置する。また、第2ベルト強化層44を構成する第2リボン状体56の幅方向内側の末端は第2ベルト強化層43(内側部62)の幅方向内側端44aに位置し、一方、第2リボン状体56の幅方向外側の末端は第2ベルト強化層44の幅方向外側端44bより幅方向内側、即ち外側部61の幅方向内端に位置する。
このように第2ベルト強化層43、44を途中で折返して、幅方向外側に位置する第2リボン状体56の末端を2層構造となった第2ベルト強化層43、44の幅方向外側端43b、44bより幅方向内側に位置させるようにすれば、これら末端における高速走行時の歪みを低減することができるとともに、幅方向外側端43b、44bにおける補強コード49、50を連続したものとすることができるため、該末端および幅方向外側端43b、44bから亀裂、セパレーションが発生する事態を効果的に抑制することができる。しかも、第2ベルト強化層43、44の周方向引っ張り剛性を充分に高くすることができるため、高速走行時におけるトレッド端部51の径成長を強力に抑制することもできる。
ここで、前述した第1ベルト強化層34の幅方向外側端34a、34bに位置する第1リボン状体40の両末端部65と、第2ベルト強化層43、44の幅方向内側端43a、44aに位置する第2リボン状体56の末端部66とを半径方向に重ね合わせ、ここでは幅方向外側端34aに位置する第1リボン状体40の末端部65の半径方向内側に幅方向内側端43aに位置する第2リボン状体56の末端部66を、また、幅方向外側端34bに位置する第1リボン状体40の末端部65の半径方向外側に幅方向内側端44aに位置する第2リボン状体56の末端部66を重ね合わせている。
この結果、これら第1リボン状体40および第2リボン状体56のスチールコード36および補強コード49、50の末端部同士は、これらを被覆する被覆ゴム39、54を介して互いに連結されて、あたかもこれらスチールコード36、補強コード49、50が連続しているように振る舞い、これにより、内圧充填、径成長に基づく張力を有効に負担し、高速走行性能が向上する。
ここで、第1、第2リボン状体40、56の末端部65、66同士の、第1、第2リボン状体40、56の長手方向における重なり合い量Lを、 5〜30mmの範囲内とすることが好ましい。その理由は、前記重なり合い量Lが 5mm以上であると、被覆ゴム39、54を介してのスチールコード36および補強コード49、50の末端部同士の連結が強力となり、高速走行性能を確実に向上させることができるが、 5mmより短くなるに従い( 0mmに近付くに従い)前述の連結力が低下して高速走行性能の向上効果が徐々に低下してしまうからであり、また、30mmを超えると、前述の連結力が飽和する一方、重量増加の弊害が生じることがあるからである。
次に、前記実施形態1の作用について説明する。
前述のような空気入りタイヤ11を製造する場合には、まず、図示していない円筒状の第1成形ドラムを回転させながら、該第1成形ドラムにカーカスプライ19を次々に供給してその周囲に貼付け、円筒状のカーカス層18を成形する。次に、該第1成形ドラムおよびカーカス層18の軸方向中央部を拡径してカーカス層18に一対の段差部を形成するとともに、これら段差部にフィラー付きのビードコア12をそれぞれセットする。
その後、第1成形ドラムのブラダを膨張させ、ビードコア12より軸方向外側のカーカス層18をビードコア12の回りに軸方向内側に向かって折り返す。これにより、第1成形ドラムの周囲には円筒状をしたグリーンケースが成形されるが、このグリーンケースは、その後、図示していない搬送装置によって第1成形ドラムから第2成形ドラムまで搬送され、該第2成形ドラムの半径方向外側に嵌合されるとともに、ビードコア12が第2成形ドラムによって半径方向内側から把持される。
次に、前記第2成形ドラムにおいてビードコア12を互いに接近させながらビードコア12間のグリーンケース内に気体、例えばエアを供給して、該ビードコア12間のグリーンケースを断面が略円弧状となるよう半径方向外側に膨出させる。このとき、該グリーンケースの半径方向外側にベルト・トレッドバンドを供給して貼付け、グリーンタイヤを成形する。その後、前述したグリーンタイヤをタイヤ加硫装置に搬入して加硫を施し、空気入りタイヤ11を製造する。ここで、前述のベルト・トレッドバンドは、以下のような円筒状をした水平な成形ドラムとしてのバンド成形ドラム70上において成形する。
即ち、図5に示すようなバンド成形ドラム70を回転させるとともに、該バンド成形ドラム70にシート状のベルトプライ24、25を供給してその周囲に次々と貼付け、円筒状のベルト層23をまず成形する。その後、回転中のバンド成形ドラム70に第2リボン状体56を供給して該第2リボン状体56をベルト層23の幅方向一端部外側に巻回するが、このとき、該第2リボン状体56を図示していない綾振り手段により幅方向外側に綾振る(ずらす)ことで第2リボン状体56をその側端同士を突き合わせながら複数回螺旋状に巻回し、第2ベルト強化層43の内側部60を成形する。
そして、内側部60の幅方向外側端がベルト層23の幅方向一端より幅方向外側まで延びると、前述の綾振り手段による綾振り方向を逆転させ、即ち幅方向内側に向かうよう綾振り、これにより、内側部60およびベルト層23の半径方向外側に第2リボン状体56を螺旋状に複数回巻回して内側部60より幅広の外側部59を成形する。これにより、ベルト層23の幅方向一端部外側には途中で折り返された第2ベルト強化層43が成形される。
次に、バンド成形ドラム70に第1リボン状体40を供給するが、このとき、第2ベルト強化層43の外側部59を構成する第2リボン状体56の末端部66(終端部)の半径方向外側に、第1ベルト強化層34を構成する第1リボン状体40の末端部65(始端部)を、図6に示すように重ね合わせて貼付ける。次に、バンド成形ドラム70を前述と同一方向に回転させるとともに、第1リボン状体40を該バンド成形ドラム70(ベルト層23)の外側に供給して巻回するが、このとき、綾振り手段により前記第1リボン状体40を幅方向他側に向かって綾振ることで該第1リボン状体40をその側端同士を突き合わせながら多数回螺旋状に巻回し第1ベルト強化層34を成形する。
次に、バンド成形ドラム70に第2リボン状体56を供給するが、このとき、第1ベルト強化層34を構成する第1リボン状体40の末端部(終端部)の半径方向外側に、第2ベルト強化層44(内側部62)を構成する第2リボン状体56の末端部(始端部)を重ね合わせて貼付ける。次に、バンド成形ドラム70を前述と同一方向に回転させるとともに、第2リボン状体56を該バンド成形ドラム70(ベルト層23の幅方向他端部)の外側に供給して巻回するが、このとき、綾振り手段により前記第2リボン状体56を幅方向他側に向かって綾振ることで該第2リボン状体56をその側端同士を突き合わせながら複数回螺旋状に巻回し第2ベルト強化層44の内側部62を成形する。
そして、内側部62の幅方向外側端がベルト層23の幅方向他端より幅方向外側まで延びると、前述の綾振り手段による綾振り方向を逆転させ、即ち幅方向内側に向かうよう綾振り、これにより、内側部62の半径方向外側に第2リボン状体56を螺旋状に複数回巻回して内側部62より幅狭の外側部61を成形する。これにより、ベルト層23の幅方向他端部外側には途中で折り返された第2ベルト強化層44が成形される。
このような第1、第2ベルト強化層34、43、44の成形時、前述した第1ベルト強化層34の幅方向両外側端に位置する第1リボン状体40の末端部65と、第2ベルト強化層43、44の幅方向内側端に位置する第2リボン状体56の末端部66との、これら第1、第2リボン状体40、56の長手方向における重なり合い量Mを、第1ベルト強化層34の1周長の 1%以上としている。
これは、この実施例のような実質上周方向に延びる直線状のスチールコード36が埋設された第1ベルト強化層34を有するグリーンタイヤを加硫する場合、前述のように重なり合い量Mを第1ベルト強化層34の1周長の 1%以上とすれば、加硫後においても第1ベルト強化層34を構成する第1リボン状体40の末端部65と、第2ベルト強化層43、44を構成する第2リボン状体56の末端部66との間に重なり合い部が残り、これら第1、第2リボン状体40、56のスチールコード36と補強コード49、50との末端部同士を被覆ゴム39、54を介して互いに連結することができるからである。なお、第1ベルト強化層34の1周長の 1%は、通常の乗用車用タイヤにおいては20mm程度である。
なお、この実施形態においては、第2リボン状体56を螺旋状に巻回することで第2ベルト強化層43の内側部60、外側部59を前記順序で成形した後、第1リボン状体40を螺旋状に巻回することで第1ベルト強化層34を成形し、その後、第2リボン状体56を螺旋状に巻回することで第2ベルト強化層44の内側部62、外側部61を前記順序で成形したが、この発明においては、第1リボン状体40を螺旋状に巻回することで第1ベルト強化層34を成形した後、第2リボン状体56をベルト層23の幅方向両端部外側において螺旋状に巻回することで、第2ベルト強化層43および第2ベルト強化層44の内側部60、外側部59および内側部62、外側部61を前記順序で成形するようにしてもよい。
また、この発明においては、第2リボン状体56をベルト層23の幅方向両端部外側において螺旋状に巻回することで、第2ベルト強化層43および第2ベルト強化層44の内側部60、外側部59および内側部62、外側部61を前記順序で成形した後、第1リボン状体40を螺旋状に巻回することで第1ベルト強化層34を成形するようにしてもよい。次に、前記ベルト層23、第1、第2ベルト強化層34、43、44の半径方向外側にシート状のトレッド30を供給して貼付け、円筒状のトレッド30を成形する。このようにしてバンド成形ドラム70上にベルト・トレッドバンドが成形される。
次に、試験例1について説明する。この試験に当たっては、第1リボン状体を巻回して構成した第1ベルト強化層のみを有する比較タイヤ1と、第1ベルト強化層を構成する第1リボン状体の端末と第2ベルト強化層を構成する第2リボン状体の端末との間に15mmの間隙が発生している比較タイヤ2と、第1ベルト強化層を構成する第1リボン状体の端末部と第2ベルト強化層を構成する第2リボン状体の端末部と長手方向重なり合い量Lがそれぞれ10mmである実施タイヤ1とを準備した。
ここで、前述の各タイヤは高性能乗用車用タイヤで、そのサイズは225/45R16であった。また、これらタイヤの骨格構造は、タイヤ赤道Sに対して90度で交差するポリエステルのカーカスコードが埋設された2枚のカーカスプライからなるカーカス層と、カーカス層の半径方向外側に配置され、タイヤ赤道Sに対して左上がり64度のスチールからなるベルトコードが埋設された内側のベルトプライ、および、右上がり64度のスチールからなるベルトコードが埋設された外側のベルトプライからなるベルト層とを備えたもので、前記第2ベルト強化層に埋設されている補強コードは芳香族ポリアミドのみから構成した。
次に、前記各タイヤに 200kPaの内圧を充填した後、6kNの荷重を負荷しながらドラムに押し付けて高速走行させることにより、高速耐久試験を行った。ここで、この高速耐久試験とは、 100km/hの速度から各タイヤの走行を開始し、10分毎に10km/hのステップで速度を次々に増加させて故障発生時の速度を求める試験である。その結果は、比較タイヤ1では 300km/hで、比較タイヤ2では 280km/hでトレッド端部に故障が発生したが、実施タイヤ1では 330km/hまで故障が発生せず、高速耐久性が立証された。
次に、試験例2について説明する。この試験に当たっては、前記バンド成形ドラムに対する第1、第2リボン状体の貼付け時に、これら第1、第2リボン状体の末端部同士を第1ベルト強化層の1周長の 0%だけ重なり合わせて(突き合わせて)製造した比較タイヤ3と、同様に第1、第2リボン状体の末端部を第1ベルト強化層の1周長の 1%だけ重なり合わせて製造した実施タイヤ2とを準備した。
なお、前述した各タイヤのサイズ、骨格構造は前記試験例1と同様である。そして、このような各タイヤを10本ずつ製造した後、トレッドを剥がして第1、第2ベルト強化層を構成する第1、第2リボン状体の末端間に間隙が生じているか否かを検査した。その結果は、比較タイヤ3においては最大15mm程度の間隙が2本のタイヤで発生していたが、実施タイヤ2においては、間隙が発生したタイヤは存在しなかった。
この発明は、ベルト層とトレッドとの間にベルト強化層を配置した空気入りタイヤの産業分野に適用できる。
この発明の実施形態1を示す子午線断面図である。 一部破断平面図である。 第1、第2リボン状体の重なり合い状態を説明する一部破断平面図である。 図3のI−I矢視断面図である。 成形ドラム、ベルト層、ベルト強化層を示す一部破断正面図である。 一部が破断された図5のII−II矢視図である。
符号の説明
11…空気入りタイヤ 12…ビードコア
18…カーカス層 23…ベルト層
26、27…ベルトコード 30…トレッド
34…第1ベルト強化層 34a、b…幅方向外側端
36…スチールコード 40…第1リボン状体
43、44…第2ベルト強化層 43a、44a…幅方向内側端
43b、44b…幅方向外側端 49、50…補強コード
56…第2リボン状体 65、66…末端部
70…成形ドラム

Claims (5)

  1. 対をなすビードコア間をトロイダル状に延びるカーカス層と、カーカス層の半径方向外側に配置され、タイヤ赤道Sに対して傾斜しているベルトコードが内部に埋設されたベルト層と、ベルト層の半径方向外側に配置されたトレッドと、ベルト層とトレッドとの間で前記ベルト層の幅方向中央部に重なり合うよう配置され、スチールコードをゴム被覆した第1リボン状体を螺旋状に巻回することで構成した第1ベルト強化層と、ベルト層とトレッドとの間で前記ベルト層の幅方向両端部に重なり合うよう配置され、高弾性の有機繊維からなる補強コードをゴム被覆した第2リボン状体を螺旋状に巻回することで構成した一対の第2ベルト強化層とを備えた空気入りタイヤにおいて、前記第1ベルト強化層の幅方向両外側端に位置する第1リボン状体の末端部と、第2ベルト強化層の幅方向内側端に位置する第2リボン状体の末端部とを半径方向に重ね合わせるようにしたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記第1、第2リボン状体の末端部同士の長手方向における重なり合い量Lを、 5〜30mmの範囲内とした請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記補強コードは、少なくとも一部に芳香族ポリアミド繊維を含む請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第2ベルト強化層を途中で折返して、幅方向外側に位置する第2リボン状体の末端を、2層構造となった第2ベルト強化層の幅方向外側端より幅方向内側に位置させた請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 対をなすビードコア間をトロイダル状に延びるカーカス層と、カーカス層の半径方向外側に配置され、タイヤ赤道Sに対して傾斜しているベルトコードが内部に埋設されたベルト層と、ベルト層の半径方向外側に配置されたトレッドと、ベルト層とトレッドとの間で前記ベルト層の幅方向中央部に重なり合うよう配置され、スチールコードをゴム被覆した第1リボン状体を螺旋状に巻回することで構成した第1ベルト強化層と、ベルト層とトレッドとの間で前記ベルト層の幅方向両端部に重なり合うよう配置され、高弾性の有機繊維からなる補強コードをゴム被覆した第2リボン状体を螺旋状に巻回することで構成した一対の第2ベルト強化層とを備えた空気入りタイヤの第1、第2ベルト強化層を円筒状の成形ドラム上において成形する際、前記第1ベルト強化層の幅方向両外側端に位置する第1リボン状体の末端部と、第2ベルト強化層の幅方向内側端に位置する第2リボン状体の末端部とを半径方向に重ね合わせるとともに、これらの長手方向における重なり合い量Mを第1ベルト強化層の1周長の 1%以上としたことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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