JP2009247933A - 液状体吐出方法、有機elパネルの製造方法、カラーフィルタの製造方法、表示装置、および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】最初に機能液が吐出された画素における液量は、最後に吐出した画素に残っている液量に比べて、自然乾燥時間に応じた量分少ない量になっている。このため、固化して形成される発光層の膜厚が異なり、各々の画素間で発光輝度にムラが生じる。
【解決手段】ステップS107にて、最初の画素への機能液の吐出開始からの経過時間を計測する。ステップS108にて、経過時間に対する溶媒液の増加量を算出する。ステップS109にて、第2ヘッドから溶媒液の増加量を吐出する。こうすれば、経過時間に応じて画素に吐出される溶媒液の吐出量を漸次少なく変更することができる。従って、総ての画素に対して吐出が終了したときに、自然乾燥によって液量が減少した状態において、各々の画素に存在する機能液と溶媒液の合計液量をほぼ均一にできる。この結果、その後真空乾燥処理によって形成される発光層の膜厚がほぼ均一になり輝度のバラツキが抑制される。
【選択図】図7
【解決手段】ステップS107にて、最初の画素への機能液の吐出開始からの経過時間を計測する。ステップS108にて、経過時間に対する溶媒液の増加量を算出する。ステップS109にて、第2ヘッドから溶媒液の増加量を吐出する。こうすれば、経過時間に応じて画素に吐出される溶媒液の吐出量を漸次少なく変更することができる。従って、総ての画素に対して吐出が終了したときに、自然乾燥によって液量が減少した状態において、各々の画素に存在する機能液と溶媒液の合計液量をほぼ均一にできる。この結果、その後真空乾燥処理によって形成される発光層の膜厚がほぼ均一になり輝度のバラツキが抑制される。
【選択図】図7
Description
本発明は、液状体吐出方法、この液状体吐出方法を用いた有機ELパネルの製造方法およびカラーフィルタの製造方法、それぞれの製造方法で製造された有機ELパネルおよびカラーフィルタを備えた表示装置、およびこれらの表示装置をそれぞれ備えた電子機器に関する。
近年、薄型の自発光素子であるエレクトロルミネッセンス素子(EL素子)を表示素子として用いた表示装置が多く使われるようになってきた。EL素子は、発光材料によって形成された発光層に電流を流すことによって、所望する明るさの発光光を射出するものである。発光層の形成は、例えば、基板上にバンクによって区画形成された複数の被吐出領域(画素)の各々に対して、発光材料を含む液状体を、液状体を吐出するノズルが穿設されたヘッドから所定量吐出し、その後真空乾燥や加熱乾燥などの乾燥処理により液状体に含まれる溶媒成分を蒸発して固化することによって行われる。
ところで、周知のように、発光光の輝度は形成された発光層の厚さに依存する。このため、形成される発光層の厚さムラがそのまま輝度ムラになってしまう。従って、発光層の厚さが均一になるように形成することが重要である。
しかしながら、液状体に含まれる溶媒成分は、乾燥処理が行われる以前においても自然乾燥によって蒸発する。このため、それぞれの被吐出領域に吐出された液状体が残留している液量は、その被吐出領域に液状体が吐出されてから乾燥処理が行われるまでの時間長に応じて減少することになる。例えば、最後の被吐出領域に液状体を吐出したとき、最初に液状体が吐出された被吐出領域における液状体の残量は、最後に液状体を吐出した被吐出領域に残っている液状体の量に比べて、自然乾燥時間に応じた量分少ない量になっている。従って、この状態で乾燥処理を行うと、各々の被吐出領域における液状体の液量が違うために乾燥条件が異なってしまい、この結果、固化して形成される発光層の膜厚が異なって、各々の被吐出領域間で発光輝度にムラが生じてしまう。このため、表示素子に画素単位で輝度ムラが発生し、表示品質が悪くなってしまうことになる。
また、液状体に含まれる溶媒の蒸発量は、基板の端部に近いほど多くなることから、液状体の乾燥処理において、一般的に基板の周辺部分における液状体の乾燥速度が、基板の中央部分における液状体の乾燥速度よりも速くなることがある。このため、液状体が固化して形成された発光層の厚さが、被吐出領域において、基板の周辺に近い部分と基板の中央に近い部分とで異なる場合が生ずる。すると、上述したように、被吐出領域における発光光に輝度ムラが発生してしまうのである。
そこで、例えば特許文献1には、基板上に形成された液状膜(液状体)の各部位に対する加熱温度を異ならせることで、形成する薄膜の厚さを均一化する乾燥装置が提案されている。あるいは、特許文献2には、基板に対向配置された乾燥手段を具備し、基板と乾燥手段との間の距離を変更することで、形成する薄膜の厚さを均一化する乾燥装置が提案されている。
しかしながら、特許文献1および特許文献2に提案された乾燥装置では、基板の大きさや、基板に形成された被吐出領域の形状や数に応じて、加熱温度や乾燥手段を調節して乾燥処理条件を変更する必要がある。このため、乾燥処理条件の調節作業など作業負荷が重くなったり、乾燥装置そのものが複雑になったりする不具合が生じてしまうという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]基板に形成された複数の被吐出領域に対して、所定の順序で液状体を吐出する液状体吐出方法であって、前記複数の被吐出領域のうち、最初の前記被吐出領域に前記液状体の吐出を開始してからの経過時間を計測する計測工程と、前記複数の被吐出領域の各々に対して吐出する前記液状体の吐出量を、前記計測された経過時間に応じて少なく変更する変更工程と、前記変更された吐出量で、前記複数の被吐出領域の各々に前記液状体を吐出する吐出工程と、を有することを特徴とする。
この方法によれば、経過時間に応じて被吐出領域に吐出される液状体の吐出量を少なく変更する。従って、総ての被吐出領域に対して吐出が終了したときに、自然乾燥によって液状体の量が減少した状態において、各々の被吐出領域に存在する液状体の残量をほぼ均一にすることができる。この結果、乾燥処理条件を変更するという面倒な作業を行うことなく、その後の乾燥処理によって形成される機能膜の膜厚がほぼ均一になり、機能膜の性能バラツキが抑制されることになる。
[適用例2]上記液状体吐出方法であって、前記複数の被吐出領域の各々について、前記基板に対する形成位置を取得する取得工程を有し、前記変更工程は、前記経過時間に応じて少なく変更した前記液状体の吐出量を、前記取得された形成位置に応じてさらに変更することを特徴とする。
この方法によれば、基板上における被吐出領域の形成位置に応じて、さらに吐出量を補正変更することができる。この結果、総ての被吐出領域に対して吐出が終了したときに各被吐出領域に存在する液状体の量によって、自然乾燥状態の違いに加えて、機能膜の基板上の形成位置に応じた乾燥処理条件の違いによる機能膜の性能バラツキが抑制されることになる。
[適用例3]基板に形成された複数の被吐出領域に対して、液状体を吐出する液状体吐出方法であって、前記複数の被吐出領域の各々について、前記基板に対する形成位置を取得する取得工程と、前記取得された形成位置に応じて、前記複数の被吐出領域の各々に対して吐出する前記液状体の吐出量を変更する変更工程と、前記変更された吐出量の液状体を前記被吐出領域の各々に吐出する吐出工程と、を有することを特徴とする。
この方法によれば、被吐出領域に吐出する液状体の吐出量を、基板における被吐出領域の形成位置に応じて変更することができる。この結果、乾燥処理条件を変更するという面倒な作業を行うことなく、その後の乾燥処理によって形成される機能膜の膜厚がほぼ均一になり、機能膜の性能バラツキが抑制されることになる。
[適用例4]上記液状体吐出方法であって、前記変更工程において、前記複数の被吐出領域の各々の前記形成位置における前記液状体の乾燥速度を定めた分布プロファイルを用いて、取得された前記被吐出領域の形成位置に応じた前記液状体の吐出量に変更することを特徴とする。
この方法によれば、乾燥速度の分布に応じて液状体の吐出量を調整することができる。この結果、基板上の被吐出領域の位置によって乾燥状態に違いが存在しても、その乾燥状態の違いに応じて吐出する液状体の液量を変えるので、被吐出領域に存在する液状体によって形成される機能膜厚のバラツキが抑制されることになる。
[適用例5]上記液状体吐出方法であって、前記吐出工程は、第1のヘッドから溶質と溶媒との混合液を吐出する工程と、第2のヘッドから溶媒のみの溶媒液を吐出する工程とを含み、前記変更された吐出量に応じて、前記混合液および前記溶媒液を各ヘッドから吐出することを特徴とする。
この方法によれば、各被吐出領域に吐出された液状体において溶質と溶媒の吐出量割合を変更して吐出量を変更することができる。特に溶媒割合を多くしたい場合は、第2ヘッドを用いて簡単に行うことができる。
[適用例6]上記液状体吐出方法であって、前記混合液中の溶媒と前記溶媒液の溶媒とは、組成が異なることを特徴とする。
この方法によれば、例えば、乾燥速度の異なる溶媒を用いることができるので、溶媒液の溶媒を乾燥速度が遅い溶媒とすることによって、少ない溶媒液の吐出量で乾燥速度を調節することができる。
[適用例7]上記液状体吐出方法であって、前記変更された液状体の吐出量分、前記溶媒液の吐出量を変更して吐出することを特徴とする。
この方法によれば、乾燥条件の違いによって生ずる膜厚差に応じて溶媒量を予め補正することができる。
[適用例8]発光層を含む複数の有機層を陽極および陰極で挟持した構造を有する有機ELパネルの製造方法であって、上記液状体吐出方法を用いて、前記複数の有機層のうち少なくとも1層を形成することを特徴とする。
この製造方法によれば、例えば、乾燥処理後に液状体によって形成される発光層の膜厚がほぼ均一になり、有機ELパネルの輝度ムラが抑制される。
[適用例9]ガラス基板に、複数色の光フィルタ層領域が形成されたカラーフィルタの製造方法であって、上記液状体吐出方法を用い、少なくとも1つの色の光フィルタ層を形成することを特徴とする。
この製造方法によれば、乾燥処理後に液状体によって形成されるカラーフィルタ層の膜厚がほぼ均一になり、カラーフィルタを透過する透過光の輝度ムラが抑制される。
[適用例10]上記有機ELパネルの製造方法によって製造された有機ELパネルと、当該有機ELパネルを発光駆動する駆動手段とを備えた表示装置。
この表示装置によれば、輝度ムラが抑制された有機ELパネルを備えた表示装置を得ることができる。
[適用例11]白色光を、カラーフィルタによってカラー光に変換する表示装置であって、前記カラーフィルタは、上記カラーフィルタの製造方法によって製造されたカラーフィルタであることを特徴とする。
この表示装置によれば、透過光の輝度ムラが抑制されたカラーフィルタを備えた表示装置を得ることができる。
[適用例12]上記表示装置を備えた電子機器。
上記表示装置によれば、輝度ムラが抑制された表示装置を得ることができるので、この表示装置を備えることによって、表示品質のよい画像を表示できる電子機器を提供することができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。図1は、基板Pにバンクによって区画形成された被吐出領域に対して、本発明の液状体吐出方法を用いて、赤(R)、緑(G)、青(B)各色についての所定の機能材料を含む液状体を吐出する液状体吐出装置の一実施形態を示す構成図である。
図1に示すように、液状体吐出装置100は、直線的に設けられた一対のガイドレール101と、ガイドレール101の内部に設けられたエアスライダとリニアモータ(図示せず)により1つの直線軸方向(これを本実施形態ではY軸方向とする)に移動する移動台103を備えている。移動台103上には、基板Pを載置するためのステージ105が設けられている。ステージ105は基板Pを吸着固定できる構成となっている。
ステージ105に対して移動台103と反対側(これを本実施形態では上方向、その逆を下方向とも呼ぶ)には、所定の距離をおいて、Y軸方向と異なる1つの直線軸方向(これを本実施形態ではX軸方向とする)を呈するように一対のガイドレール102が設けられている。
液状体吐出装置100は、この一対のガイドレール102に沿って移動するキャリッジ200が備えられている。すなわち、キャリッジ200は、その両側にキャリッジ200と一体若しくは別体でキャリッジ移動台112が設けられ、ガイドレール102の内部に設けられたエアスライダとリニアモータ(いずれも図示せず)により、X軸方向に沿って移動可能に構成されている。
キャリッジ200には、その下方向側に所定の配列方向を呈するように穿設された複数のノズルと、ノズル毎に液状体を吐出する吐出機構とが形成されたノズルヘッド20およびノズルヘッド30が備えられている。そして、図示しない液状体供給装置からキャリッジ200に供給された液状体は、図示しない流路を経由してノズルヘッド20およびノズルヘッド30にそれぞれ供給され、ノズル毎に形成された吐出機構(後述する)によって各ノズルから液滴として吐出する。
また、液状体吐出装置100はコントロール装置10を備えている。このコントロール装置10は、コンピュータ機能を有し、入力される吐出制御データに基づいて、移動台103のY軸方向の移動制御と、キャリッジ200に設けられたキャリッジ移動台112のX軸方向の移動制御と、ノズルヘッド20およびノズルヘッド30に形成された吐出機構の駆動制御つまり液状体の吐出制御とを行う。本実施形態では、吐出制御データは、基板Pにバンクによって区画形成された複数の被吐出領域の各々について、基板Pに対する位置を示す位置データを含むデータであるものとする。
次に、ノズルヘッド20,30に形成されたノズルについて、図2を用いて説明する。図2は、ノズルヘッド20,30に穿設されたノズルの配列具合を示す模式図であり、図1においてキャリッジ200の下方向(図中白抜き矢印)から見た状態を示したものである。なお、ここでは図面左右方向をX軸方向として図示している。
本実施形態では、図示するように、ノズルヘッド20はR、G、Bに対応した液状体としての機能液(後述する)を吐出するノズルブロック20R,20G,20Bを備えている。各ノズルブロック20R,20G,20Bには、それぞれ所定のピッチで数十個〜数百個のノズルが穿設されている。そして、各ノズルブロック20R,20G,20Bに穿設された複数のノズルはほぼ一直線に配列され、その配列方向はX軸方向と一致している。
同様に、ノズルヘッド30はR、G、Bに対応した液状体としての溶媒液(後述する)を吐出するノズルブロック30R,30G,30Bを備えている。各ノズルブロック30R,30G,30Bには、ノズルヘッド20と同様、それぞれ所定のピッチで数十個〜数百個のノズルが穿設されている。そして、各ノズルブロック30R,30G,30Bに穿設された複数のノズルはほぼ一直線に配列され、その配列方向はノズルヘッド20と同様X軸方向と一致している。
なお、各ノズルブロック20R,20G,20Bおよびノズルブロック30R,30G,30Bに穿設されたノズルは、2列など複数のノズル列数を有する場合もあり、例えば2列の場合は、ノズルの穿設位置がノズル列間で互いに半ピッチずれた千鳥配列をなす関係となる場合もある。また、ノズルヘッド20,30もそれぞれ複数個備えられていることもある。さらにキャリッジ200を複数備えることもある。このように、被吐出領域の形成数や形成範囲、あるいは基板Pの大きさに応じて、必要な数のノズルヘッドやキャリッジが備えられるのである。
穿設された各ノズルには、ノズルヘッド20,30において、前述したようにノズル毎に吐出機構がそれぞれ形成され、ノズルヘッド20,30内の各液状体に圧力を発生させて、所定量の液状体をノズルから吐出するように構成されている。もとより、吐出機構は、総てのノズルについて同様な構造を有している。
吐出機構は、本実施形態では図2の吹出し部に示した構造を有し、圧電素子2を駆動体(アクチュエータ)とするものである。すなわち、圧電素子2は、その両端の電極COMとGNDとの間に電圧波形が印加されると、電歪性によって収縮あるいは伸長変形し、振動板3を矢印方向に撓ませて液状体流路途中に形成された加圧室4に存在する液状体を加圧する。この結果、加圧された液状体は、ノズルヘッド20の底面部材8に穿設されたノズルから、液滴9として吐出されるのである。なお、吐出機構は、例えば、駆動体として加熱素子を用いた所謂サーマル方式などであってもよい。
次に、この液状体吐出装置100を用いて形成する表示装置について説明する。図3は、本実施形態の液状体吐出装置100を用いて形成した表示装置の一例となる有機ELパネル50を搭載した電子機器としての携帯電話1を示す説明図である。
有機ELパネル50は、エレクトロルミネッセンス素子としての有機EL素子を表示素子とするものであり、バックライトが不要で薄型化が可能であることから、画像や文字を表示する薄型の電子機器には好適な表示装置である。従って、本実施形態の如く、携帯電話に搭載する表示装置として有効である。
有機ELパネル50は、R、G、Bのうちいずれか1色を発光可能な画素がそれぞれ複数形成され、画像や文字などの所定のカラー画像を表示するように構成されている。なお、ここでは、以降の説明を簡単にするために、図3に示すように、有機ELパネル50は、Y軸方向(図面縦方向)に4画素、X軸方向(図面横方向)に6画素の計24個の画素が形成されているものとする。もとより、実際には、X軸、Y軸それぞれの方向に数百画素といった多くの画素が形成されていることは言うまでもない。
図4は、有機ELパネル50の全体のレイアウトを回路構成とともに示した模式図である。有機ELパネル50は、図示するように画素ごとに表示駆動されるアクティブマトリックス型の装置である。各画素はバンクによって長円形状に区画された領域を有し、基板Pの略中央部分にX軸方向およびY軸方向に規則正しく配列されて形成されている。もとより、各画素は長円形状以外の領域形状に区画されていてもよいことは勿論である。なお、各画素は請求項記載の被吐出領域に相当する。
各画素には、有機EL素子が表示素子として、また、有機EL素子を表示(つまり発光)駆動するためのTFT(薄膜トランジスタ)54,55と保持容量56とが駆動素子として、それぞれ形成されている。なお、ここでは有機EL素子はトップエミッション構造を有しているものとする。従って、駆動素子は表示素子と平面的に重なる位置であって、基板Pと表示素子との間に形成されている。もとより、有機EL素子は、トップエミッション構造でなくボトムエミッション構造であっても差し支えない。
基板Pの外周部分には、走査駆動回路51とデータ駆動回路52、および給電端子53とが形成されている。走査駆動回路51からは走査線Gateが、データ駆動回路52からはデータ線Sigが、また、給電端子53からはこれに接続された電源供給線Comが、それぞれ各画素に形成された駆動素子に対して図4に示したように配線され、表示素子を発光駆動する。
まず、走査線Gateは、TFT54のゲートに接続され、走査線Gateを介して供給される電流信号に応じて、TFT54をオン/オフ制御する。そしてTFT54がオンすると、TFT54のソースに接続されたデータ線Sigから供給される画像信号に応じて、電源供給線Comから供給される電源によって保持容量56に所定の電圧が保持される。すると、保持容量56に保持された電圧は、TFT55のゲートに印加され、TFT55をオン状態にする。TFT55のソースおよびドレインはそれぞれ電源供給線Comと陽極に接続され、保持容量56に保持された電圧に応じた、つまり画像信号に応じた電流が、電源供給線Comを介して陽極に印加される。
各画素に形成される表示素子は、陽極と陰極との間に電流を流すことによって発光する。つまり、陽極に印加された電流が、総ての画素の表面に渡って形成された陰極に流れることによって、画像信号に応じた明るさで発光するのである。有機ELパネル50は、こうして画像を表示する。従って、陽極と陰極との間に挟持された発光層の膜厚が均一でないと、輝度ムラになってしまうのである。
次に、有機ELパネル50における具体的な画素構成について図5を用いて説明する。図5は、有機ELパネル50におけるR画素、G画素、B画素の各画素が有する機能層の構成を示す模式図である。図5(a)は、図4に示した各画素のうち、X軸方向(図面横方向)にR画素、G画素、B画素が並んだ表示部分を示した平面図であり、図5(b)は、図5(a)におけるA−A断面を示した模式断面図で、有機EL素子の形成が終了した状態を示している。また、図5(c)は、有機EL素子の機能層を液状体の吐出によって塗布して形成する様子を示した模式図である。なお、各寸法は、説明の都合上必要に応じて誇張しているため、実際の寸法とは必ずしも一致していないことは言うまでもない。
各画素は、図5(a)に示したように、エッチングなどによって形成された絶縁有機材料(例えばアクリル樹脂やポリイミド樹脂)からなるバンク(図中ハッチング部分)によって区画された画素領域を有し、それぞれ長円形状を呈している。そして各画素の画素領域には、R、G、Bのうちいずれか1色を発光可能な表示素子が形成されている。
また、有機EL素子は、図5(b)に示したように、陽極と陰極との間に、正孔注入層と発光層(R発光層、G発光層、B発光層のいずれか)とが形成されたものである。従って、形成される発光層が異なることによって、それぞれ発光色の異なるR画素、G画素、B画素となる。
本実施形態では、正孔注入層は、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)を溶質とし、エチレングリコールを溶媒とした機能液を、液状体として画素領域に吐出後、真空乾燥などによって乾燥処理を行い、溶媒を除去して所定の厚さのPEDOT/PSS膜を形成したものである。また、各発光層は、R、G、Bのいずれかの色を示す蛍光材料(例えば、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン))を溶質とし、1,3,5−トリメチルベンゼンを溶媒とした機能液、すなわちR機能液、G機能液、B機能液を、それぞれ液状体として各画素領域に噴射し、以降真空乾燥などによる乾燥処理を行って、それぞれ所定の厚さの蛍光材料膜を形成したものである。
バンクと陽極との間には、長円形状の画素領域の外周に沿って所定幅が画素領域内に露出するように、無機絶縁膜が形成されている。これは、正孔注入層や各発光層を形成する機能液との親液性を高め、正孔注入層や各発光層がバンク近傍まで形成されることによって、陽極と陰極との短絡を防止するようにするためである。もとより、正孔注入層や各発光層がバンク近傍まで形成できる場合は、無機絶縁膜は形成する必要はない。
また、本実施形態の表示素子は、トップエミッション方式の有機EL素子であることから、発光光が陰極側から射出するように、陽極の基板Pと対向する面側には、反射層が形成されている。もとより、陽極が反射層を兼ねる場合は、反射層を形成する必要はない。
また、前述した表示素子を発光駆動するための駆動素子は、表示素子と平面的に重なる位置であって、基板Pと表示素子との間に形成されている。本実施形態では、駆動素子であるTFT54,55や保持容量56は、図5(b)に示したように基板Pとの間に位置し、表面全体が平坦化されたデバイス層の内部に形成されている。
さて、本実施形態では正孔注入層と各発光層について、それぞれ対応する画素領域に機能液を吐出して塗布することによって形成する。具体的には、図5(c)に示したように、ノズルヘッド20に設けられたノズルブロック20R,20G,20Bのノズルから、R、G、Bの各画素に対応するそれぞれの画素領域に機能液を吐出することによって、R、G、Bの各機能液を塗布する。その後、前述したように乾燥処理を行うことによって各画素領域についての正孔注入層と発光層を形成するのである。
こうして、基板P上に、R、G、Bの各画素に対応した有機EL素子が表示素子として形成され、さらに陰極が形成されて有機ELパネルが出来上がる。なお、本実施形態では、前述したように正孔注入層を形成する機能液の材料は、R、G、B各画素について同じである。
さて、このように形成されたR、G、Bの各画素を有する表示装置について、各画素の発光輝度は、形成される発光層の厚さ、あるいは、発光層を流れる電流の大きさに依存する。従って、陽極と陰極との間に挟持される発光層の厚さを、基板Pに形成された総ての画素間で均一にすることが重要である。均一化することによって発光層が呈する電気抵抗は、画素間で均一になり、この結果、発光層を流れる電流も画素間において均一になるからである。
また、発光層に流れる電流に差異が生じないようにするためには、発光層以外の正孔注入層についても同様である。正孔注入層の厚さを、基板Pに形成された総ての画素間で均一にすることによって、また、1つの画素領域において、正孔注入層の厚さを均一にすることによって、発光層に流れる電流を、各画素間および1つの画素領域内で均一にすることができるからである。
しかしながら、前述したように、機能液に含まれる溶媒(エチレングリコール、あるいは1,3,5−トリメチルベンゼン)は、乾燥処理前の段階で既に自然乾燥による蒸発が生じている。従って、それぞれの画素(被吐出領域)において吐出された機能液が残留している液量には、最初の画素に機能液が吐出されてからの時間に応じた差異が画素毎に生じている状態になる。かかる状態で乾燥処理を行うと、残留している機能液の液量が異なることから各々の画素の乾燥条件が異なることになる。このために、例えば、固化して形成される発光層の膜厚が異なり、各々の画素間で発光輝度にムラが生じる。
同じく、前述したように、機能液の乾燥処理において、基板の周辺における機能液の乾燥速度が基板の中央における機能液の乾燥速度よりも速くなるために、例えば機能液が固化して形成された発光層の厚さが、基板の周辺に近い画素と基板の中央に近い画素とで異なる場合が生ずる。この結果、上述したように、総ての画素の発光光の輝度が均一にならず、輝度ムラが発生してしまうのである。
そこで、本実施形態の液状体吐出装置100では、自然乾燥による溶媒の減少、あるいは乾燥処理における基板上での乾燥速度の違いによる膜厚への影響を抑制する吐出方法を用いて機能液を吐出する。この吐出方法について、自然乾燥による溶媒の減少に伴う発光層の膜厚への影響を抑制する吐出方法を第1実施例により、乾燥処理における基板上での乾燥速度の違いに伴う発光層の膜厚への影響を抑制する吐出方法を第2実施例により、以下説明する。なお、第1実施例および第2実施例では、機能層として発光層を形成するものとして説明する。もとより、以下説明する2つの実施例は、正孔注入層についても同様に適用可能である。
(第1実施例)
まず、第1実施例の概要を、図6を用いて説明する。図6は、基板Pに形成されたY軸方向(図面縦方向)に4画素、X軸方向(図面横方向)に6画素の計24個の画素に、R、G、Bの各色発光層を形成する発光材料と溶媒とを含むR、G、B各機能液を吐出する様子を示す模式図である。
まず、第1実施例の概要を、図6を用いて説明する。図6は、基板Pに形成されたY軸方向(図面縦方向)に4画素、X軸方向(図面横方向)に6画素の計24個の画素に、R、G、Bの各色発光層を形成する発光材料と溶媒とを含むR、G、B各機能液を吐出する様子を示す模式図である。
図示するように、本実施例では、Y軸方向に基板Pが移動することによって、図面上から下方向を主走査方向として相対移動するノズルヘッド20に設けられたノズルから、R画素、G画素、B画素に対応する画素に、それぞれR機能液、G機能液、B機能液を吐出する。さらに、基板Pに対してノズルヘッド20と一緒に相対移動するノズルヘッド30に設けられたノズルから、R画素、G画素、B画素に対応する画素に、それぞれR溶媒液、G溶媒液、B溶媒液を吐出する。また、各溶媒液は、各機能液に含まれる溶媒と同じ溶媒の溶液である。
本実施例では、一回の主走査によってX軸方向に連続する3つの画素に対して機能液あるいは溶媒液を、ノズルヘッド20,30を所謂スキャン走査することによって吐出するものとする。すなわち、基板Pに形成された総ての画素に対して、まず一回目の主走査によって図中破線で示した主走査領域に含まれる画素に機能液あるいは溶媒液が吐出される。その後、基板Pの図面下から上方向へのY軸方向の移動とキャリッジ200のX軸方向の移動とによって副走査されたノズルヘッド20,30(図中、二点鎖線)によって2回目の主走査が行われて総ての画素に機能液あるいは溶媒液が吐出される。なお、機能液および溶媒液の吐出をスキャン走査以外の走査方法によって行われるものとしても差し支えない。
ここで、本実施例では、説明を簡略化するため、各ノズルブロック20R,20G,20B、および各ノズルブロック30R,30G,30Bに形成されたノズルは1個であるものとした。もとより、前述するように、通常多数のノズルが形成され、通常基板Pに区画形成された多数の画素に対して、それぞれ対応するノズルから機能液や溶媒液を吐出することは言うまでもない。
さて、このように主走査および副走査を行って総ての画素に機能液あるいは溶媒液の吐出を行うと、R機能液およびR溶媒液については画素R1から画素R8の順序で、G機能液およびG溶媒液については画素G1から画素G8の順序で、B機能液およびB溶媒液については画素B1から画素B8の順序で、それぞれ機能液あるいは溶媒液が吐出される。この結果、例えば、総てのR画素に関して、最後の画素R8に機能液が吐出されるまでの時間に、各画素に吐出された機能液が自然乾燥によって減少する液量は、最初に機能液が吐出された画素R1が最も多く、次に画素R2、次に画素R3、・・・というようにR機能液が吐出された順番に従って減少していることになる。
そこで、本実施例では、例えば、R画素であれば、減少するR機能液の液量分に相当するR溶媒液を、前もって各画素に吐出しておき、各々のR画素に対してR機能液あるいはR溶媒液の吐出が終了したとき、総ての画素R1〜画素R8に残留している液量が同じになるようにするのである。なお、余分に前もって吐出するR溶媒液は、R機能液に含まれる溶媒と同じ組成の溶媒の溶液であることから、乾燥処理によって形成されるR発光層中に残存する溶媒の組成成分は総ての画素R1〜画素R8について同じになる。この結果、R発光層の特性は画素R1〜画素R8間において異なることがない。もとより、総てのG画素である画素G1〜画素G8、総てのB画素である画素B1〜画素B8についても同様である。
それでは、本実施例の液状体吐出方法について、図7の処理フローチャートに従って説明する。図7に示した処理は、図1においてコントロール装置10内に設けられた図示しないメモリに格納された処理プログラムに従って、コントロール装置10が上述した各種制御動作を行うことによって実行されるものである。
この処理が開始されると、まずステップS101にて、吐出制御データから位置データの読み込み処理を行う。位置データは、基板Pにバンクによって区画形成された機能液の被吐出領域、すなわち基板Pにおける画素領域を示すデータである。具体的には、コントロール装置10は、基板Pに区画形成された各画素領域の座標を読み込む。
次に、ステップS102にて、各画素に機能液を吐出するための基板の主走査(Y軸方向)、キャリッジの副走査(X軸方向)について、その移動工程を算出する処理を行う。つまり、ノズルヘッド20(ノズルヘッド30)について、基板Pに対して相対移動する総ての工程を算出する。同時に、各ノズルブロック20R,20G,20Bからの機能液の吐出タイミングと、各ノズルブロック30R,30G,30Bからの溶媒液の吐出タイミングを算出する。
次に、ステップS103にて、R、G、Bの各機能液および各溶媒液の吐出について、最初の画素への機能液の吐出開始から最後の画素への機能液の吐出完了までに要する時間Tを算出する処理を行う。コントロール装置10は、基板Pの移動速度およびキャリッジ200の移動速度を用いて、先の処理ステップS102にて算出した移動工程から、最初の画素への機能液の吐出開始から最後の画素への機能液の吐出完了までに要する時間Tを算出する。具体的には、移動工程の長さを、基板Pの移動速度およびキャリッジ200の移動速度で除すことによって算出する。なお、基板Pの移動速度およびキャリッジ200の移動速度は、予めコントロール装置10内のメモリに格納されているものとする。
次に、ステップS104にて、時間Tにおける機能液の残量データの取得処理を行う。本実施例では、予めコントロール装置10内のメモリに、R、G、Bの各機能液について、時間と機能液の残量の関係を示した残量データが格納されているものとする。従って、コントロール装置10は、格納された残量データを用いて、時間Tの経過後に残存している機能液の量、つまり蒸発する溶媒量を取得する。これまでの説明から解るように、この取得された溶媒量が、最初に機能液を吐出する画素に対して増加すべき溶媒液の液量になる。なお、残量データについては以降のステップS108にて説明する。
次に、ステップS105にて、画素位置に合わせて基板の主走査(Y軸方向)、キャリッジの副走査(X軸方向)を開始処理する。具体的に、コントロール装置10は、図1に示すように、基板Pを一対のガイドレール101に沿ってY軸方向に主走査し、キャリッジ200をガイドレール102に沿ってX軸方向に副走査して、各画素位置にノズルヘッド20およびノズルヘッド30を移動する。
次に、ステップS106にて、第1ヘッドから機能液を画素に吐出処理する。コントロール装置10は、基板Pの主走査移動において、各ノズルブロック20R,20G,20Bの位置がそれぞれの画素に対して機能液を吐出すべき位置に来る毎に、各ノズルブロック20R,20G,20BからR、G、B各々の機能液(ここでは発光材料と溶媒の混合液)を同じ量ずつ吐出する。本実施例では、図6に示したように、主走査方向が図面上から下方向であることから、ノズルブロック20R,20G,20Bの順序で、R機能液、G機能液、B機能液がそれぞれ対応する画素に吐出される。
次に、ステップS107にて、最初の画素への機能液の吐出開始からの経過時間を計測する処理を行う。コントロール装置10は、タイマー機能を有し、最初の画素(例えばR機能液であれば画素R1)への機能液の吐出開始からの時間を計測する。もとより、前述したステップS102にて算出された主走査および副走査の移動工程と機能液の吐出タイミングとから、経過時間を演算して計測することとしてもよい。この処理によって、各画素についての経過時間が計測される。
次に、ステップS108にて、経過時間に対する溶媒液の増加量の算出処理を行う。コントロール装置10は、上述したステップS104にて取得した機能液の残量データから、増加すべき溶媒液の液量を算出する。この処理によって、各画素について増加すべき溶媒液の液量が算出される。
ここでの処理の様子を、ステップS104での処理と合わせて、図8を用いて説明する。図8(a)は、ステップS104において用いる各機能液についての残量データの一例を示すグラフであり、図8(b)は、ステップS108において、この残量データから算出された経過時間に対する増加すべき溶媒液の吐出量を示すグラフである。
図8(a)に示すように、最初の画素への機能液の吐出開始から最後の画素への機能液の吐出完了までに要する時間Tの経過時において、R機能液は85%に減少し、G機能液は80%に減少し、B機能液は75%に減少する。従って、ステップS104では、コントロール装置10は、時間Tにおける機能液の残量データとして、R機能液は85%、G機能液は80%、B機能液は75%の各データを取得する。
また、ステップS108では、図8(a)に示した残量データに基づいて、機能液残量を100%にするための溶媒液の液量を、経過時間に応じて必要となる吐出量として算出する。ちなみに、吐出開始時点(つまり最初の画素R1,G1,B1)における溶媒液の増加すべき吐出量は、B溶媒液が25%、G溶媒液が20%、R溶媒液が15%であることを示している。また、一例として、仮に画素R4にR機能液を吐出した時間が、吐出開始からT/2時間経過後であった場合は、R溶媒液は10%増加して吐出することが必要であることを示している。このように、経過時間とともに、吐出する溶媒液の液量を少なくするのである。
図7に戻り、次にステップS109にて、第2ヘッドから溶媒液の増加量を吐出処理する。コントロール装置10は、基板Pの主走査移動において、各ノズルブロック30R,30G,30Bの位置がそれぞれの画素に対して溶媒液を吐出すべき位置に来る毎に、各ノズルブロック30R,30G,30Bから、R、G、B各々の溶媒液を、ステップS108にて経過時間に応じて算出された吐出量分、それぞれの画素に対して吐出する。本実施例では、図6に示したように、主走査方向が図面上から下方向であることから、ノズルブロック30R,30G,30Bの順序で、R溶媒液、G溶媒液、B溶媒液がそれぞれの画素に吐出される。この処理によって、機能液および溶媒液の吐出処理が終了した時点で、総ての画素において存在する機能液と溶媒液との合計液量をほぼ同じにすることができるのである。
そしてステップS110にて、基板の主走査(Y軸方向)、キャリッジの副走査(X軸方向)を終了処理する。こうして、総ての画素について機能液および溶媒液の吐出が終了したところで、本実施例の液状体吐出方法による処理が終了する。なお、最後の画素(画素R8、画素G8、画素B8)については、吐出すべき溶媒液の液量は「0」であるため、実際には溶媒液は吐出されない。
上述したように、本実施例によれば、経過時間に応じて画素(被吐出領域)に吐出される溶媒液(液状体)の吐出量を漸次少なく変更する。従って、総ての被吐出領域に対して吐出が終了したときに、自然乾燥によって液状体の量が減少した状態において、各々の画素に存在する機能液と溶媒液の合計残量をほぼ均一にすることができる。この結果、その後真空乾燥処理によって形成される発光層の膜厚がほぼ均一になり、発光層の発光輝度のバラツキが抑制されることになる。
なお、第1実施例では、R機能液、G機能液、B機能液のそれぞれについて、最初の画素にそれぞれの機能液が吐出されるタイミングが異なる。この場合、異なる発光色が形成される画素間では、残っている機能液と溶媒液の総量が、互いに異なることになるが、同色の発光層が形成される総ての画素については、残っている機能液と溶媒液の総液量が同じになるため、それぞれの発光色について輝度ムラは抑制されるため、総ての画素による全体の表示においても、輝度ムラの発生が抑制できることが期待できる。もとより、機能液と溶媒液の総量が、異なる発光色の画素間で同じになるように、予め溶媒液の吐出量を補正することとしても差し支えない。
また、図6における説明から明らかなように、キャリッジ200におけるノズルヘッド20とノズルヘッド30との取り付け位置に応じて、1つの画素に関して機能液が吐出されてから溶媒液が吐出されるまでに一定の走査時間差(△t)が存在することになる。本実施例では、この走査時間差△tを考慮しないものとして扱う。これは、実際には走査時間差△tは、極めて短い時間である場合が多く、機能液の乾燥状態に影響を与える度合いが少ないからである。なお、この走査時間差△tを考慮する場合は、図8(a)において経過時間0〜Tではなく、経過時間「0+△t」〜「T+△t」の間のデータを残量データとして用いればよい。
(第2実施例)
次に、第2実施例について、その概要を、図9を用いて説明する。図9は、図6と同様、基板Pに形成されたY軸方向(図面縦方向)に4画素、X軸方向(図面横方向)に6画素の計24個の画素に、R、G、Bの各色発光層を形成する発光材料を含むR、G、B各機能液を吐出する様子を示す模式図である。なお、ノズルヘッド20,30の基板Pとの相対移動による各画素への機能液および溶媒液の吐出走査については、第1実施例と同様であるため、これらについての図示ならびに説明を省略する。
次に、第2実施例について、その概要を、図9を用いて説明する。図9は、図6と同様、基板Pに形成されたY軸方向(図面縦方向)に4画素、X軸方向(図面横方向)に6画素の計24個の画素に、R、G、Bの各色発光層を形成する発光材料を含むR、G、B各機能液を吐出する様子を示す模式図である。なお、ノズルヘッド20,30の基板Pとの相対移動による各画素への機能液および溶媒液の吐出走査については、第1実施例と同様であるため、これらについての図示ならびに説明を省略する。
さて、本実施例は、前述するように、乾燥処理における基板上での乾燥速度の違いによる発光層の膜厚への影響を抑制する吐出方法であることから、まず、基板に形成された画素について、機能液の乾燥速度の違いについて説明する。
図示するように、基板Pにおいて、各画素に吐出された機能液を、真空乾燥や加熱乾燥などの乾燥処理によって乾燥したとき、各画素における機能液が乾燥する速度は通常周辺部分が速くなる。これは、周辺部分における溶媒の蒸気圧が低いことや、周辺部分に加わる熱量が多いことなどに起因することが従来より報告されている。従って、例えば、図9の上部に示したように、基板PのB−B断面部分における乾燥速度は、基板Pの中央部から端部に近づく程乾燥速度が速くなるという分布プロファイルを呈することになる。
本実施例では、図9に示したように、基板Pの中央部分の乾燥速度を1としたとき、乾燥速度が1.1倍、1.2倍、1.3倍・・の位置が、基板Pの平面において図示する位置になる分布プロファイルを有するものとして扱うこととする。この結果、それぞれの画素の形成位置が、基板Pにおける何処の位置かによって、機能液の乾燥速度が異なることになるのである。このように乾燥速度が異なる状態で、各画素に吐出された機能液を乾燥処理すると、例えば画素B8の方が、画素B2よりも速く乾燥してしまうため、形成される発光層の膜厚が異なって輝度ムラが発生することになる。
そこで、本実施例では、例えば、乾燥速度が速い画素ほど、溶媒液を多く吐出することで乾燥速度の違いを相殺し、もって均一な膜厚の発光層を形成しようとするものである。
それでは、本実施例の液状体吐出方法について、図10の処理フローチャートに従って説明する。図10に示した処理は、コントロール装置10内に設けられた図示しないメモリに格納された処理プログラムに従って、コントロール装置10が上述した各種制御動作を行うことによって実行されるものである。なお、この処理において、図7に示した処理と基本的に同じ処理内容のステップについては、同じ符号を付している。従って、同じ符号が付された処理ステップについての説明は省略し、異なるステップS103a、ステップS104a、ステップS107aについて説明する。
まず、ステップS103aでは、各画素の基板に対する位置を算出する処理を行う。コントロール装置10は、ステップS101にて読み込んだ位置データから、各画素の基板Pに対する位置を算出する。ここでは、画素の形状中心位置が画素位置として算出されるものとする。ちなみに、図9に示した画素については、長円形状を有しているため、上下および左右についての中心線の交点が画素位置となる。もとより、画素位置は形状中心に限るものでない。要するに、その画素において乾燥速度のほぼ平均値が得られる位置が好ましい。
次に、ステップS104aでは、基板上の各画素位置における機能液の乾燥速度を取得する処理を行う。本実施例では、コントロール装置10内のメモリに、図9に示した乾燥速度の各倍率を示す線の基板P上における位置データが、乾燥速度の分布プロファイルとして記憶されているものとする。もとより、液状体吐出装置100の使用者が、図示しない入力手段を用いて、分布プロファイルのデータをメモリに入力して記憶することとしてもよい。従って、コントロール装置10は、記憶された位置データを用いて、各画素位置における機能液の乾燥速度を取得する。なお、乾燥速度は、総ての画素に同じ液量の機能液が吐出された基板Pを、予め実際に乾燥処理して求めておけばよい。
また、本実施例では乾燥速度が1倍以上1.1倍未満の範囲であれば1倍に、1.1倍以上1.2倍未満の範囲であれば1.1倍に、・・・という具合に段階的に各画素位置における機能液の乾燥速度を取得する。こうすることによって、溶媒液の吐出量の種類が多くならず、吐出処理が容易になる効果がある。もとより、乾燥速度の区分数を多くして(無段階を含む)、溶媒液の吐出量を細かく区分することとしてもよい。
ちなみに、図9に示した乾燥速度の分布プロファイルを用いた場合、ステップS104aの処理によって、画素G2,B2,G3,B3,R6,R7が乾燥速度1倍、画素R1,G1,B1,R2,R3,R5,G5,G6,G7が乾燥速度1.1倍、画素R4,G4,B4,B5,B6,B7,R8,G8,B8が乾燥速度1.2倍と取得される。
次に、ステップS107aでは、画素位置における機能液の乾燥速度から、溶媒液の増加量の算出処理を行う。コントロール装置10は、取得された各画素の乾燥速度から、それぞれの画素に吐出すべき溶媒液の液量を算出する。本実施例では、それぞれの画素に吐出された機能液の液量に対して乾燥速度の増加倍率分つまり1.1倍であれば「0.1」、1.2倍であれば「0.2」を乗算した値を、溶媒液の増加量として算出する。もとより、予め乾燥速度の倍率に応じて最適な溶媒液量を実際に求めておき、乾燥速度の倍率に応じてこの求めた溶媒液量を用いることとしてもよい。
その後、上記第1実施例と同様、ステップS109にて、第2ヘッドから溶媒液の増加量を吐出処理することによって、基板P上のそれぞれの位置に形成された画素に対して吐出する機能液+溶媒液の液量を、乾燥処理においてほぼ同時に乾燥する液量とすることができるのである。
上述したように、本実施例によれば、画素(被吐出領域)に吐出する機能液と溶媒液(液状体)との合計吐出量を、画素の基板における形成位置に応じて変更することができる。この結果、この結果、乾燥処理によって形成される発光層の膜厚がほぼ均一になり、発光層の発光輝度のバラツキが抑制されることになる。
以上、本発明について、実施形態および実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態および実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。以下変形例を挙げて説明する。
(第1変形例)
上記実施例では、自然乾燥による溶媒の減少に伴う膜厚への影響を抑制するための溶媒液の増加吐出処理と、乾燥処理における基板上での乾燥速度の違いに伴う膜厚への影響を抑制するための溶媒液の増加吐出処理とを、異なる処理として説明したが、これに限るものでないことは勿論である。例えば、この2つの処理を同時に行うこととしてもよい。
上記実施例では、自然乾燥による溶媒の減少に伴う膜厚への影響を抑制するための溶媒液の増加吐出処理と、乾燥処理における基板上での乾燥速度の違いに伴う膜厚への影響を抑制するための溶媒液の増加吐出処理とを、異なる処理として説明したが、これに限るものでないことは勿論である。例えば、この2つの処理を同時に行うこととしてもよい。
本変形例による処理を、図11のフローチャートに示した。図11に示したフローチャートは、図7に示した第1実施例の処理と、図10に示した第2実施例の処理とを、一つの処理として行う場合を示すものである。なお、図7に示した第1実施例の処理、および図10に示した第2実施例の処理と同じ処理については、同じ符号を付している。
図11に示したフローチャートから解るように、本変形例は、ステップS109aにおける処理、つまり第2ヘッドから溶媒液の加算増加量を吐出する処理が、上記第1実施例および第2実施例と異なる。具体的には、本変形例のステップS109aでは、ステップS108にて算出された経過時間に対する溶媒液の増加量と、ステップS107aにおいて画素位置における機能液の乾燥速度から算出された溶媒液の増加量と、を加算し、加算した増加量分の溶媒液を、それぞれの画素に吐出する。
こうすることで、総ての画素(被吐出領域)に対して吐出が終了したときに、各画素に存在する機能液と溶媒液との総液量によって、自然乾燥状態の違いに加えて、真空乾燥などの乾燥処理後に形成される機能膜に生ずる基板上の形成位置による性能バラツキが抑制されることになる。
(第2変形例)
上記実施形態の液状体吐出装置100では、表示装置の一例として有機ELパネル50を形成することとして説明したが、これに限るものでないことは勿論である。例えば、カラーフィルタを形成するものとしてもよい。
上記実施形態の液状体吐出装置100では、表示装置の一例として有機ELパネル50を形成することとして説明したが、これに限るものでないことは勿論である。例えば、カラーフィルタを形成するものとしてもよい。
形成されるカラーフィルタの一例を図12に示した。図12(a)は、カラーフィルタの形成の様子を示す模式図である。図12(b)は、トップエミッション構造を有する有機ELパネルであって、蒸着工程によって表示面全面に形成された有機EL素子が陽極と陰極間で発光する白色光を、形成されたカラーフィルタによってカラー光として射出する表示装置の構成を示す断面図である。
図12(a)に示すように、カラーフィルタは、ガラス板を基板とし、このガラス板に設けられた遮光領域(BM)によって区画された領域に、各ノズルブロック20R,20G,20Bから、それぞれR、G、B色のフィルタ材料と溶媒とを含む機能液を吐出し、その後、吐出した機能液を乾燥処理して形成される。従って、乾燥処理後に形成されるRフィルタ、Gフィルタ、Bフィルタには、機能液の吐出時間差による自然乾燥状態の違いや、ガラス板の位置に応じて異なる乾燥処理条件の違いによって、固化して形成される膜厚にバラツキが生じることがある。そこで、上記実施例による機能液および溶媒液の吐出方法を用いれば、上述した有機ELパネルにおける発光層の形成と同様に、乾燥処理後に形成されるRフィルタ、Gフィルタ、Bフィルタは、それぞれほぼ均一な膜厚を有することになる。
この結果、図12(b)に示したように、蒸着工程によって膜厚が均一に形成され陽極と陰極との間で均一に白色発光する有機EL素子の発光光を、その均一性を保持した状態で、各カラー光(R光、G光、B光)に変換する表示装置を提供することができる。なお、このカラーフィルタは、液晶によって明るさを制御した白色のバックライト光を、カラー光に変換する所謂液晶表示装置にも適用することができる。
(第3変形例)
上記実施例では、機能液の吐出時の自然乾燥、あるいは機能液の吐出後の乾燥処理における乾燥速度の差異など、乾燥条件の違いによって発生する発光層(機能層)の膜厚の差異を抑制するため、各画素に溶媒液のみを所定液量増加して吐出することとしたが、これに限るものでないことは勿論である。例えば、溶媒液と機能液の双方の液量を変更して、その合計液量が所定液量増加するようにしてもよい。こうすれば、各画素に吐出された機能液と溶媒液とに含まれる溶質と溶媒の吐出量割合を、画素毎に容易に変更することができる。
上記実施例では、機能液の吐出時の自然乾燥、あるいは機能液の吐出後の乾燥処理における乾燥速度の差異など、乾燥条件の違いによって発生する発光層(機能層)の膜厚の差異を抑制するため、各画素に溶媒液のみを所定液量増加して吐出することとしたが、これに限るものでないことは勿論である。例えば、溶媒液と機能液の双方の液量を変更して、その合計液量が所定液量増加するようにしてもよい。こうすれば、各画素に吐出された機能液と溶媒液とに含まれる溶質と溶媒の吐出量割合を、画素毎に容易に変更することができる。
例えば、機能液に含まれる発光材料が、乾燥初期においてバンク(図5(b)参照)の周辺に多く堆積固化する場合がある。このような場合、吐出タイミングが早い画素については、陽極と陰極間に挟持される領域に堆積固化する発光材料が少なくなってしまうことが起こり得る。そこで、例えば、機能液の吐出タイミングが早い画素については、機能液をこれに見合う分増加して吐出する。そして、吐出すべき所定液量に対して、機能液の増加分を差し引いた液量分の溶媒液を吐出するのである。
あるいは、溶媒液を吐出せず機能液のみ所定液量分増加吐出することとしてもよい。例えば、溶媒の混合割合が多いなど、発光材料と溶媒の混合割合によっては、上述した乾燥条件の違いによって発生する発光層(機能層)の膜厚の差異を機能液のみの液量増加で抑制することができる場合があるからである。
なお、この場合は、機能液の吐出量が最初に吐出する画素が最も多く、最後に吐出する画素が最も少なくなるように、漸減して吐出されることになる。例えば、R機能液であれば、画素R1に対して吐出したR機能液の液量に対して、画素R2には経過時間に応じた分少ない液量のR機能液を吐出し、画素R3には経過時間に応じた分さらに少ない液量のR機能液を吐出し、・・・という具合にR機能液の吐出処理が画素R8まで行われる。
(第4変形例)
また、上記実施例では、機能液に含まれる溶媒と、溶媒液の溶媒とが、同一組成の溶媒であることとしたが、これに限らず、それぞれ異なる組成の溶媒であることとしてもよい。その場合、機能液に含まれる溶媒に対して、溶媒液の溶媒の方が乾燥速度が遅いことが好ましい。こうすれば、乾燥速度が遅くなる分蒸発量が少なくなることから、増加する溶媒液の液量を少なくすることができる。この結果、画素に対して吐出する機能液と溶媒液との合計液量を少なくすることができるため、各画素に対して吐出可能な液量に制約がある場合には有効である。
また、上記実施例では、機能液に含まれる溶媒と、溶媒液の溶媒とが、同一組成の溶媒であることとしたが、これに限らず、それぞれ異なる組成の溶媒であることとしてもよい。その場合、機能液に含まれる溶媒に対して、溶媒液の溶媒の方が乾燥速度が遅いことが好ましい。こうすれば、乾燥速度が遅くなる分蒸発量が少なくなることから、増加する溶媒液の液量を少なくすることができる。この結果、画素に対して吐出する機能液と溶媒液との合計液量を少なくすることができるため、各画素に対して吐出可能な液量に制約がある場合には有効である。
ちなみに、上記実施例において、発光層の形成であれば、機能液に含まれる溶媒「1,3,5−トリメチルベンゼン」に対して、溶媒液の溶媒を「シクロヘキシルベンゼン」とするとよい。また、正孔注入層の形成であれば、機能液に含まれる溶媒「エチレングリコール」に対して、溶媒液の溶媒を「ジエチレングリコール」とするとよい。いずれも機能液に含まれる溶媒より沸点が高く、乾燥が遅くなる溶媒である。
また、上記第2実施例では、乾燥速度の分布プロファイルを用いて、溶媒液の増加量を算出したが、これに限らず、分布プロファイルを用いることなく、溶媒液の増加量を算出することとしてもよい。例えば、基板端部から中央部分までの距離に応じて予め定められた値を用いて、画素に吐出する溶媒液の液量を算出することとしてもよい。実際に測定した乾燥条件の違いが、どの基板についてもおおよそ同じであるような場合は、このように一様の算出方法としても差し支えない。
(その他の変形例)
また、上記実施例では、各画素に対して機能液を吐出した後に溶媒液を吐出することとして説明したが、溶媒液を先に吐出することとしてもよい。例えば、各画素に対して機能液を吐出する経過時間が、主走査および副走査の移動工程と機能液の吐出タイミングとから演算して計測する場合、この計測された経過時間に基づいて吐出すべき溶媒液の増加量が算出可能であることから、機能液の吐出より先に溶媒液を吐出することができる。
また、上記実施例では、各画素に対して機能液を吐出した後に溶媒液を吐出することとして説明したが、溶媒液を先に吐出することとしてもよい。例えば、各画素に対して機能液を吐出する経過時間が、主走査および副走査の移動工程と機能液の吐出タイミングとから演算して計測する場合、この計測された経過時間に基づいて吐出すべき溶媒液の増加量が算出可能であることから、機能液の吐出より先に溶媒液を吐出することができる。
また、上記実施例では、エレクトロルミネッセンス素子として有機EL素子を形成することとし、液滴の噴射によって塗布して形成する機能層が、正孔注入層と発光層であることとして説明したが、必ずしもこれに限るものでないことは勿論である。例えば、陰極とは別に電子注入層を形成する場合は、この電子注入層を液滴の噴射によって形成する機能層としてもよい。あるいは発光層が正孔注入層を兼用する場合は、発光層のみが液滴の噴射によって塗布形成される機能層であることとしてもよい。
また、上記実施例では、携帯電話に搭載される表示装置として説明したが、これに限らず携帯電話以外の電子機器に搭載されることとしてもよい。例えばビデオカメラやデジタルカメラ、あるいは携帯型パーソナルコンピュータなど、輝度バラツキが抑制された表示が所望される電子機器には本実施例によって形成される表示装置は好適である。
10…コントロール装置、20…ノズルヘッド、20R,20G,20B…ノズルブロック、30…ノズルヘッド、30R,30G,30B…ノズルブロック、50…有機ELパネル、51…走査駆動回路、52…データ駆動回路、53…給電端子、54,55…TFT、56…保持容量、100…液状体吐出装置、101,102…ガイドレール、103…移動台、105…ステージ、112…キャリッジ移動台、200…キャリッジ、P…基板。
Claims (12)
- 基板に形成された複数の被吐出領域に対して、所定の順序で液状体を吐出する液状体吐出方法であって、
前記複数の被吐出領域のうち、最初の前記被吐出領域に前記液状体の吐出を開始してからの経過時間を計測する計測工程と、
前記複数の被吐出領域の各々に対して吐出する前記液状体の吐出量を、前記計測された経過時間に応じて少なく変更する変更工程と、
前記変更された吐出量で、前記複数の被吐出領域の各々に前記液状体を吐出する吐出工程と、
を有することを特徴とする液状体吐出方法。 - 請求項1に記載の液状体吐出方法であって、
前記複数の被吐出領域の各々について、前記基板に対する形成位置を取得する取得工程を有し、
前記変更工程は、前記経過時間に応じて少なく変更した前記液状体の吐出量を、前記取得された形成位置に応じてさらに変更することを特徴とする液状体吐出方法。 - 基板に形成された複数の被吐出領域に対して、液状体を吐出する液状体吐出方法であって、
前記複数の被吐出領域の各々について、前記基板に対する形成位置を取得する取得工程と、
前記取得された形成位置に応じて、前記複数の被吐出領域の各々に対して吐出する前記液状体の吐出量を変更する変更工程と、
前記変更された吐出量の液状体を前記被吐出領域の各々に吐出する吐出工程と、
を有することを特徴とする液状体吐出方法。 - 請求項2または3に記載の液状体吐出方法であって、
前記変更工程において、前記複数の被吐出領域の各々の前記形成位置における前記液状体の乾燥速度を定めた分布プロファイルを用いて、取得された前記被吐出領域の形成位置に応じた前記液状体の吐出量に変更することを特徴とする液状体吐出方法。 - 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の液状体吐出方法であって、
前記吐出工程は、第1のヘッドから溶質と溶媒との混合液を吐出する工程と、第2のヘッドから溶媒のみの溶媒液を吐出する工程とを含み、
前記変更された吐出量に応じて、前記混合液および前記溶媒液を各ヘッドから吐出することを特徴とする液状体吐出方法。 - 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の液状体吐出方法であって、
前記混合液中の溶媒と前記溶媒液の溶媒とは、組成が異なることを特徴とする液状体吐出方法。 - 請求項5または6に記載の液状体吐出方法であって、
前記変更された液状体の吐出量分、前記溶媒液の吐出量を変更して吐出することを特徴とする液状体吐出方法。 - 発光層を含む複数の有機層を陽極および陰極で挟持した構造を有する有機ELパネルの製造方法であって、
請求項1ないし7のいずれか一項に記載の液状体吐出方法を用いて、前記複数の有機層のうち少なくとも1層を形成することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。 - ガラス基板に、複数色の光フィルタ層領域が形成されたカラーフィルタの製造方法であって、
請求項1ないし7のいずれか一項に記載の液状体吐出方法を用い、少なくとも1つの色の光フィルタ層を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 請求項8に記載の有機ELパネルの製造方法によって製造された有機ELパネルと、当該有機ELパネルを発光駆動する駆動手段とを備えた表示装置。
- 白色光を、カラーフィルタによってカラー光に変換する表示装置であって、
前記カラーフィルタは、請求項9に記載のカラーフィルタの製造方法によって製造されたカラーフィルタであることを特徴とする表示装置。 - 請求項10または11に記載の表示装置を備えた電子機器。
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2008
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