JP2009246352A - 薄膜トランジスタの作製方法及び表示装置の作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マスク数の少ない薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法を提供する。
【解決手段】導電膜を形成し、前記導電膜上にパターンを有する薄膜積層体を形成し、前記導電膜に達するように前記薄膜積層体に開口部を形成し、サイドエッチングを用いて前記導電膜を加工してゲート電極層を形成し、前記ゲート電極層上に絶縁層、半導体層、ソース電極及びドレイン電極層を形成することで薄膜トランジスタを作製する。開口部を設けることでエッチングの制御性が向上する。
【選択図】図21

Description

薄膜トランジスタの作製方法及び当該薄膜トランジスタを有する表示装置の作製方法に関する。
近年、ガラス基板等の絶縁性表面を有する基板上に形成された、厚さ数nm〜数百nm程度の半導体薄膜により構成される薄膜トランジスタが注目されている。薄膜トランジスタは、IC(Integrated Circuit)及び電気光学装置を始めとした電子デバイスに広く応用されている。薄膜トランジスタは、特に液晶表示装置又はEL(Electro Luminescence)表示装置等に代表される、画像表示装置のスイッチング素子として開発が急がれている。例えば、アクティブマトリクス型液晶表示装置では、選択されたスイッチング素子に接続された画素電極と、該画素電極に対応する対向電極の間に電圧が印加されることにより、画素電極と対向電極との間に配置された液晶層の光学変調が行われ、この光学変調が表示パターンとして観察者に認識される。ここで、アクティブマトリクス型液晶表示装置とは、マトリクス状に配置された画素電極をスイッチング素子により駆動することによって、液晶層の光学変調を行い、画面上に表示パターンが形成される方式を採用した液晶表示装置をいう。アクティブマトリクス型EL表示装置とは、マトリクス状に配置された画素をスイッチング素子により駆動することによって、画面上に表示パターンが形成される方式を採用したEL表示装置をいう。
上記のようなアクティブマトリクス型表示装置の用途は拡大しており、画面サイズの大面積化、高精細化及び高開口率化の要求が高まっている。また、アクティブマトリクス型表示装置には高い信頼性が求められている。更には、その作製方法には高い生産性及びコストの低減が求められている。生産性を高め、コストを低減する方法の一つに、工程の簡略化が挙げられる。
アクティブマトリクス型表示装置では、スイッチング素子として主に薄膜トランジスタが用いられている。薄膜トランジスタの作製において、フォトリソグラフィに用いるフォトマスクの枚数を削減することは、工程の簡略化のために重要である。例えばフォトマスクが1枚増加すると、レジスト塗布、プリベーク、露光、現像、ポストベーク等の工程と、その前後の工程において、被膜の形成及びエッチング工程、更にはレジスト剥離、洗浄及び乾燥工程等が必要になる。そのため、作製工程に使用するフォトマスクが1枚増加するだけで、工程数が大幅に増加する。そのため、作製工程におけるフォトマスク数を低減するために、数多くの技術開発がなされている。
薄膜トランジスタは、チャネル形成領域がゲート電極より下層に設けられるトップゲート型と、チャネル形成領域がゲート電極より上層に設けられるボトムゲート型に大別される。ボトムゲート型薄膜トランジスタの作製工程において使用されるフォトマスクの枚数は、トップゲート型薄膜トランジスタの作製工程において使用されるフォトマスクの枚数よりも少ないことが知られている。ボトムゲート型薄膜トランジスタは、3枚のフォトマスクにより作製されることが一般的である。
フォトマスクの枚数を低減させる従来の技術としては、裏面露光、レジストリフロー又はリフトオフ法といった複雑な技術を用いるものが多く、特殊な装置を必要とするものが多い。このような複雑な技術を用いることで、これに起因する様々な問題が生じ、歩留まり低下の一因になっている。また、薄膜トランジスタの電気的特性を犠牲にせざるを得ないことも多い。
薄膜トランジスタの作製工程における、フォトマスクの枚数を減らすための代表的な手段として、多階調マスク(ハーフトーンマスク又はグレートーンマスクと呼ばれるもの)を用いた技術が広く知られている。多階調マスクを用いて作製工程数を低減する技術として、例えば特許文献1が挙げられる。
特開2003−179069号公報
しかし、上述した多階調マスクを用いてボトムゲート型薄膜トランジスタを作製する場合であっても、少なくとも2枚のフォトマスクが必要であり、これ以上フォトマスクの枚数を低減することは困難である。このうち1枚は、ゲート電極層のパターニングのために用いられている。
ここで、本発明の一態様は、ゲート電極層のパターニングのためのフォトマスクを新たに使用することなく薄膜トランジスタが作製可能な、新しい手法を提供することを課題の一とする。すなわち、複雑な技術を用いる必要がなく、かつ1枚のフォトマスクでも作製可能な、薄膜トランジスタの作製方法が開示される。
これにより、薄膜トランジスタの作製において、用いるフォトマスクの枚数を従来よりも少なくすることができる。
また、本発明の一態様は、特に表示装置の画素に用いられる薄膜トランジスタ(画素TFTともいう。)の作製方法に適用することができる。そのため、本発明の一態様は、複雑な技術を用いることなく、フォトリソグラフィ法に用いるフォトマスクの枚数を従来よりも少なくした表示装置の作製方法の提供を課題とする。
本発明の一態様である薄膜トランジスタの作製方法では、第1の導電膜と、該第1の導電膜上に絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜をこの順に積層した薄膜積層体と、を形成し、第1のエッチングにより前記第1の導電膜を露出させつつ、少なくとも前記薄膜積層体のパターンを形成し、第2のエッチングにより第1の導電膜のパターンを形成する。ここで、第2のエッチングは、第1の導電膜が選択的にサイドエッチングされる条件により行う。
ここで、第1のエッチングは、ドライエッチング又はウエットエッチングを用いればよいが、異方性の高いエッチング法(物理的エッチング)により行うことが好ましい。第1のエッチングに異方性の高いエッチング法を用いることで、パターンの加工精度を向上させることができる。なお、第1のエッチングをドライエッチングにより行う場合には、一の工程にて行うことが可能であるが、第1のエッチングをウエットエッチングにより行う場合には、複数の工程により第1のエッチングを行う。従って、第1のエッチングには、ドライエッチングを用いることが好ましい。
また、第2のエッチングは、ドライエッチング又はウエットエッチングを用いればよいが、等方性のエッチングが支配的なエッチング法(化学的エッチング)により行うことが好ましい。第2のエッチングに等方性のエッチングが支配的なエッチング法(化学的エッチング)を用いることで、第1の導電膜をサイドエッチングすることができる。従って、第2のエッチングには、ウエットエッチングを用いることが好ましい。
第2のエッチングについて、図1の模式図を参照して説明する。図1(A−1)は第2のエッチング前の上面図を示し、図1(A−2)は第2のエッチング前のX1−X2における断面図を示す。また、図1(B−1)は第2のエッチング後の上面図を示し、図1(B−2)は第2のエッチング後のX1−X2における断面図を示す。第2のエッチングにより第1の層51のみがエッチングされる。
図1では、基板50上に第1の層51及び第2の層52が積層して形成され、第1の層51と第2の層52の積層膜からなる構造体53はパターン形成されている(図1(A−1)及び(A−2)を参照)。構造体53に対して第2のエッチングを行うと、第1の層51のみがエッチングされ、エッチングされた第1の層54が形成される(図1(B−2)を参照)。第2のエッチングでは、エッチングが第1の層51の露出された部分から等方的に進行するため、エッチングされた第1の層54は角55を有する形状となる。
図1を参照して説明したように、第1の導電膜に対して第2のエッチングを行ってゲート電極を形成すると、ゲート電極の形状は角を有するいびつな形状となり、この角によって寄生容量が生じる。更には、角が長く形成されてしまうことで、隣り合う配線間の絶縁が不完全なものとなり、隣り合う画素の薄膜トランジスタ間で短絡(ショート)が生じる。特に、図1におけるDがDの2倍を上回ると短絡が生じやすい。そのため、短絡を防止するためには、DはDに拘束され、レイアウトの自由度が低下する。
そこで、本発明の一態様である薄膜トランジスタの作製方法では、サイドエッチングを用いてゲート電極のパターニングを行い、角を生じる部分に開口部を設ける。角を生じる部分に開口部を設けることで、角の生成を防止し、又は角を小さくすることができる。
なお、第1の導電膜のパターンとは、例えば、ゲート電極及びゲート配線並びに容量電極及び容量配線、電源線などを形成する金属配線の上面レイアウトをいう。
すなわち、本発明の一態様は、導電膜を形成し、該導電膜上にパターンを有する薄膜積層体を形成し、該導電膜に達するように薄膜積層体に開口部を設け、サイドエッチングを用いてゲート電極層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法である。ゲート電極層はゲート配線を構成する。ここで、ソース配線上において、ゲート電極層により形成される隣り合う配線間には、少なくとも一の開口部を設ける。好ましくは、ゲート配線とソース配線の交差部において、ゲート配線を挟んで開口部を設ける。このとき、開口部とゲート配線との間の距離はサイドエッチングのエッチングレートに応じて決定するとよい。サイドエッチングにより角が生成せずしてゲート電極層が形成されることが好ましい。
本発明の一態様は、第1の導電膜、絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、前記第2の導電膜上に凹部を有し、且つ前記第2の導電膜を加工して形成される配線の領域において前記第1の導電膜を加工して形成される隣り合う配線間に少なくとも一の開口部を有する第1のレジストマスクを形成し、前記第1のレジストマスクを用いて、前記絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行って前記第1の導電膜の少なくとも表面を露出させ、前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、前記第1のレジストマスクを後退させることで前記第1のレジストマスクの凹部と重畳する前記第2の導電膜を露出させつつ第2のレジストマスクを形成し、前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法である。
本発明の一態様は、第1の導電膜、絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、前記第2の導電膜上に凹部を有し、且つ前記第2の導電膜を加工して形成される配線の領域において前記第1の導電膜を加工して形成される隣り合う配線間に少なくとも一の開口部を有する第1のレジストマスクを形成し、前記第1のレジストマスクを用いて、前記絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行って前記第1の導電膜の少なくとも表面を露出させ、前記第1のレジストマスクを後退させることで前記第1のレジストマスクの凹部と重畳する前記第2の導電膜を露出させつつ第2のレジストマスクを形成し、前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法である。
本発明の一態様は、第1の導電膜、絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、前記第2の導電膜上に凹部を有し、且つ前記第2の導電膜を加工して形成される配線の領域において前記第1の導電膜を加工して形成される隣り合う配線間に少なくとも一の開口部を有する第1のレジストマスクを形成し、前記第1のレジストマスクを用いて、前記第1の導電膜、前記絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行い、前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、前記第1のレジストマスクを後退させることで前記第1のレジストマスクの凹部と重畳する前記第2の導電膜を露出させつつ第2のレジストマスクを形成し、前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法である。
本発明の一態様は、第1の導電膜、絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、前記第2の導電膜上に凹部を有し、且つ前記第2の導電膜を加工して形成される配線の領域において前記第1の導電膜を加工して形成される隣り合う配線間に少なくとも一の開口部を有する第1のレジストマスクを形成し、前記第1のレジストマスクを用いて、前記第1の導電膜、前記絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行い、前記第1のレジストマスクを後退させることで前記第1のレジストマスクの凹部と重畳する前記第2の導電膜を露出させつつ第2のレジストマスクを形成し、前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法である。
上記構成の作製方法であって、第1のレジストマスクが凹部を有する場合には、前記第1のレジストマスクは多階調マスクを用いて形成することが好ましい。多階調マスクを用いることで、簡略な工程で凹部を有するレジストマスクを形成することができる。
上記構成の作製方法を適用することで、前記第1のエッチングによって素子領域が形成され、前記第2のエッチングによって前記素子領域の側面から概ね等しい距離だけ内側にゲート電極層の側面を形成することができる。
上記構成の第1のエッチング及び第2のエッチングを用いる作製方法において、前記第1のエッチングはドライエッチングにより行い、前記第2のエッチングはウエットエッチングにより行うことが好ましい。第1のエッチングによる加工は高精度に行うことが好ましく、第2のエッチングによる加工はサイドエッチングを伴う必要がある。高精度な加工を行うためにはドライエッチングが好ましく、また、ウエットエッチングは化学反応を利用するためドライエッチングよりもサイドエッチングが生じやすいためである。
上記構成の作製方法において、前記開口部は、前記第2の導電膜を加工して形成される配線の領域上であって、前記第1の導電膜を加工して形成される前記配線と前記第2の導電膜を加工して形成される前記配線の交差部で前記第1の導電膜を加工して形成される前記配線を挟んで設けられていることが好ましい。
本発明の一態様は、第1の導電膜、第1の絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、前記第2の導電膜上に凹部を有し、且つ前記第2の導電膜を加工して形成される配線の領域において前記第1の導電膜を加工して形成される隣り合う配線間に少なくとも一の開口部を有する第1のレジストマスクを形成し、前記第1のレジストマスクを用いて、前記第1の絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行って前記第1の導電膜の少なくとも表面を露出させ、前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、前記第1のレジストマスクを後退させることで前記第1のレジストマスクの凹部と重畳する前記第2の導電膜を露出させつつ第2のレジストマスクを形成し、前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することで薄膜トランジスタを形成し、前記第2のレジストマスクを除去し、前記薄膜トランジスタを覆って第2の絶縁膜を形成し、前記ソース電極及びドレイン電極層の一部を露出するように前記第2の絶縁膜に開口部を形成し、前記第2の絶縁膜に形成された前記開口部及び前記第2の絶縁膜上に画素電極を選択的に形成することを特徴とする表示装置の作製方法である。
本発明の一態様は、第1の導電膜、第1の絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、前記第2の導電膜上に凹部を有し、且つ前記第2の導電膜を加工して形成される配線の領域において前記第1の導電膜を加工して形成される隣り合う配線間に少なくとも一の開口部を有する第1のレジストマスクを形成し、前記第1のレジストマスクを用いて、前記第1の絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行って前記第1の導電膜の少なくとも表面を露出させ、前記第1のレジストマスクを後退させることで前記第1のレジストマスクの凹部と重畳する前記第2の導電膜を露出させつつ第2のレジストマスクを形成し、前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することで薄膜トランジスタを形成し、前記第2のレジストマスクを除去し、前記薄膜トランジスタを覆って第2の絶縁膜を形成し、前記ソース電極及びドレイン電極層の一部を露出するように前記第2の絶縁膜に開口部を形成し、前記第2の絶縁膜に形成された前記開口部及び前記第2の絶縁膜上に画素電極を選択的に形成することを特徴とする表示装置の作製方法である。
上記構成の表示装置の作製方法であって、第1のレジストマスクが凹部を有する場合には、前記第1のレジストマスクは多階調マスクを用いて形成することが好ましい。多階調マスクを用いることで、簡略な工程で凹部を有するレジストマスクを形成することができる。
上記構成の表示装置の作製方法を適用することで、前記第1のエッチングによって素子領域が形成され、前記第2のエッチングによって前記素子領域の側面から概ね等しい距離だけ内側にゲート電極層の側面を形成することができる。
上記構成の第1のエッチング及び第2のエッチングを用いる表示装置の作製方法において、前記第1のエッチングはドライエッチングにより行い、前記第2のエッチングはウエットエッチングにより行うことが好ましい。第1のエッチングによる加工は高精度に行うことが好ましく、第2のエッチングによる加工はサイドエッチングを伴う必要がある。高精度な加工を行うためにはドライエッチングが好ましく、また、ウエットエッチングは化学反応を利用するためドライエッチングよりもサイドエッチングが生じやすいためである。
上記構成の表示装置の作製方法において、前記第2の絶縁膜は、CVD法又はスパッタリング法により形成した絶縁膜と、スピンコート法により形成した絶縁膜と、を積層して形成することが好ましい。特に好ましくは窒化シリコン膜をCVD法又はスパッタリング法により形成し、有機樹脂膜をスピンコート法により形成する。第2の絶縁膜をこのように形成することで、薄膜トランジスタの電気的特性に影響を及ぼしうる不純物元素等から薄膜トランジスタを保護し、且つ画素電極の被形成面の平坦性を向上させて歩留まりの低下を防止することができる。
上記構成の表示装置の作製方法において、前記第1のレジストマスクが有する開口部は、前記第2の導電膜を加工して形成される配線が形成される領域上であって、前記第1の導電膜を加工して形成される配線と前記第2の導電膜を加工して形成される前記配線の交差部で前記第1の導電膜を加工して形成される前記配線を挟んで形成されることが好ましい。
また、本発明の一態様である薄膜トランジスタは、ゲート電極層上にゲート絶縁膜を有し、前記ゲート絶縁膜上に半導体層を有し、前記半導体層上にソース領域及びドレイン領域を有する不純物半導体層を有し、前記ソース領域及びドレイン領域上にソース電極及びドレイン電極層を有し、前記ゲート電極層の側面に接して空洞が設けられており、且つソース配線が形成される領域においてゲート電極層により形成される隣り合う配線間に少なくとも一の開口部を有するものである。空洞が設けられることによってゲート電極端部近傍を低誘電率化(low−k化)できる。
なお、「膜」とは、全面に形成されたパターン形成されていないものをいい、「層」とは、レジストマスク等により所望の形状にパターン形成されたものをいう。しかし、積層膜の各層については、膜と層を特に区別することなく用いることがある。
なお、「食刻」とは、意図しないエッチングをいう。すなわち、「食刻」が極力生じない条件により行うことが好ましい。
なお、本明細書中において、膜が「耐熱性を有する」とは、工程における温度によって当該膜が膜としての形態を保ち、且つ当該膜に求められる機能及び特性を保つことができることをいう。
なお、「ゲート配線」とは、薄膜トランジスタのゲート電極に接続される配線をいう。ゲート配線は、ゲート電極層により形成される。また、ゲート配線は走査線と呼ばれることがある。
なお、「ゲート電極層により形成される隣り合う配線」とは、隣り合う一のゲート配線と一の容量配線、又は隣り合う二のゲート配線をいう。配線の機能は問わず、ゲート電極層により形成される配線であればよい。
また、本明細書中において、「ソース配線」とは、薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方に接続される配線をいう。ソース配線は、ソース電極及びドレイン電極層により形成される。また、ソース配線は信号線と呼ばれることがある。
また、「電源線」とは、電源に接続された、一定の電位に保持された配線をいう。
ゲート電極のパターン形成に新たなフォトマスクを必要とせず、薄膜トランジスタの作製工程数を大幅に削減することができ、該薄膜トランジスタは表示装置に適用できるため、表示装置の作製工程を大幅に削減することもできる。
より具体的には、フォトマスクの枚数を減らすことができる。一のフォトマスク(多階調マスク)を用いて薄膜トランジスタを作製することも可能である。従って、薄膜トランジスタ又は表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。また、一枚のフォトマスクにより薄膜トランジスタを作製することができるため、フォトマスクの位置合わせの際にずれが発生することを防止することができる。
また、フォトマスクの枚数の低減を目的とした従来の技術とは異なり、裏面露光、レジストリフロー及びリフトオフ法等の複雑な工程を経る必要がない。そのため、歩留まりを低下させることなく、表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。
また、フォトマスクの枚数の低減を目的とした従来の技術では、電気的特性を犠牲にせざるを得ないことも少なくなかったが、薄膜トランジスタの電気的特性を維持しつつ、薄膜トランジスタの作製工程を大幅に削減することができる。そのため、表示装置の表示品質等を犠牲にすることなく、表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。
更には、上記効果により、薄膜トランジスタ及び表示装置の作製コストを大幅に削減することができる。
また、上記説明したように開口部を設けることで、第2のエッチングにおいてエッチングに用いる薬液又はガスがエッチングされる膜に接触する面積を大きくすることができる。そのため、第2のエッチングの制御性を向上させ、開口部を設けない場合と比較して寄生容量の小さい薄膜トランジスタを作製することができる。また、ゲート電極層により形成される隣り合う配線間の絶縁不良を防止することができ、高い歩留まりで薄膜トランジスタ及び表示装置を作製することができる。
また、第2のエッチングにおいてエッチングに用いる薬液又はガスがエッチングされる膜に接触する面積を大きくすることで、作製工程において発生した残渣等が被エッチング面に残存してエッチングを阻害するおそれのある場合であっても、良好にエッチングすることができる。
なお、開口部を有することで、レイアウトが第2のエッチングにおけるサイドエッチング量に拘束されない。そのため、レイアウトの自由度を低下させることなく、薄膜トランジスタ及び表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。
更には、ゲート電極層端部に生じるリーク電流が小さい薄膜トランジスタを作製することができるため、コントラスト比が高く、表示品質が良好な表示装置を得ることができる。
薄膜トランジスタの作製方法を説明するための図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 アクティブマトリクス基板の接続部を説明する図。 アクティブマトリクス基板の接続部を説明する図。 アクティブマトリクス基板の接続部を説明する図。 多階調マスクを説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 表示装置の画素回路の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。 電子機器を説明する図。 電子機器を説明する図。 電子機器を説明する図。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる。また、同様のものを指す際にはハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。また、第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜は上面図には表さないものとする。
(実施の形態1)
本実施の形態では、薄膜トランジスタの作製方法及び該薄膜トランジスタがマトリクス状に配置された表示装置の作製方法の一例について、図2乃至図28を参照して説明する。
なお、図17乃至図21には本実施の形態に係る薄膜トランジスタの上面図を示し、図21は画素電極まで形成した完成図である。図2乃至図4は、図17乃至図21に示すA1−A2における断面図である。図5乃至図7は、図17乃至図21に示すB1−B2における断面図である。図8乃至図10は、図17乃至図21に示すC1−C2における断面図である。図11乃至図13は、図17乃至図21に示すD1−D2における断面図である。図14乃至図16は、図17乃至図21に示すE1−E2における断面図である。
まず、基板100上に、第1の導電膜102、第1の絶縁膜104、半導体膜106、不純物半導体膜108及び第2の導電膜110を形成する。これらの膜は、単層で形成してもよいし、複数の膜を積層した積層膜であってもよい。なお、基板100と第1の導電膜102の間に、下地膜として絶縁膜を設けてもよい。
基板100は、絶縁性基板である。表示装置に適用する場合には、基板100としては、ガラス基板又は石英基板を用いることができる。本実施の形態においては、ガラス基板を用いる。
第1の導電膜102は、導電性材料により形成する。第1の導電膜102は、例えばチタン、モリブデン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、ニオブ若しくはスカンジウム等の金属又はこれらを主成分とする合金等の導電性材料を用いて形成することができる。ただし、後の工程(第1の絶縁膜104の形成等)に耐えうる程度の耐熱性は必要であり、後の工程(第2の導電膜110のエッチング等)で食刻又は腐食されない材料を選択することを要する。この限りにおいて、第1の導電膜102は特定の材料に限定されるものではない。
なお、第1の導電膜102は、例えばスパッタリング法又はCVD法(熱CVD法又はプラズマCVD法等を含む)等により形成することができる。ただし、特定の方法に限定されるものではない。
第1の絶縁膜104は、絶縁性材料により形成する。第1の絶縁膜104は、例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜又は窒化酸化シリコン膜等を用いて形成することができる。ただし、第1の導電膜102と同様に、後の工程(半導体膜106の形成等)に耐えうる程度の耐熱性が必要であり、後の工程で食刻又は腐食されない材料を選択することを要する。この限りにおいて、第1の絶縁膜104は特定の材料に限定されるものではない。
なお、第1の絶縁膜104は、例えばCVD法(熱CVD法又はプラズマCVD法等を含む)又はスパッタリング法等により形成することができるが、特定の方法に限定されるものではない。
また、第1の絶縁膜104は、ゲート絶縁膜として機能するものである。
半導体膜106は、半導体材料により形成する。半導体膜106は、例えば、シランガスにより形成される非晶質シリコン等を用いて形成することができる。ただし、第1の導電膜102等と同様に、後の工程(第2の導電膜110等の形成等)に耐えうる程度の耐熱性が必要であり、後の工程にて食刻又は腐食されない材料を選択することを要する。この限りにおいて、半導体膜106は特定の材料に限定されるものではない。従って、ゲルマニウム等を用いても良い。なお、半導体膜106の結晶性についても特に限定されない。
なお、半導体膜106は、例えばCVD法(熱CVD法又はプラズマCVD法等を含む)又はスパッタリング法等により形成することができる。ただし、特定の方法に限定されるものではない。
不純物半導体膜108は、一導電性を付与する不純物元素を含む半導体膜であり、一導電性を付与する不純物元素が添加された半導体材料形成のためのガス等により形成される。例えば、フォスフィン(化学式:PH)又はジボラン(化学式:B)を含むシランガスにより形成される、リン又はボロンを含むシリコン膜である。ただし、第1の導電膜102等と同様に、後の工程(第2の導電膜110等の形成等)に耐えうる程度の耐熱性が必要であり、後の工程で食刻又は腐食されない材料を選択することを要する。この限りにおいて、不純物半導体膜108は、特定の材料に限定されるものではない。なお、不純物半導体膜108の結晶性についても特に限定されるものではない。
なお、n型の薄膜トランジスタを作製する場合には、添加する一導電性を付与する不純物元素として、リン又はヒ素等を用いればよい。すなわち、不純物半導体膜108の形成に用いるシランガスにはフォスフィン又はアルシン(化学式:AsH)等を所望の濃度で含ませればよい。または、p型の薄膜トランジスタを作製する場合には、一導電性を付与する不純物元素として、ボロン等を添加すればよい。すなわち、不純物半導体膜108の形成に用いるシランガスにはジボラン等を所望の濃度で含ませればよい。また、半導体膜106により形成される半導体層の一部に、ドーピング等によりソース電極及びドレイン電極層とオーミック接触可能な領域を設ける場合などには、不純物半導体膜108を設ける必要がない。
なお、不純物半導体膜108は、例えばCVD法(熱CVD法又はプラズマCVD法等を含む)等により形成することができる。ただし、特定の方法に限定されるものではない。
第2の導電膜110は、導電性材料(第1の導電膜102として列挙した材料等)であって、第1の導電膜102とは異なる材料により形成する。ここで、「異なる材料」とは、主成分が異なる材料をいう。具体的には、後に説明する第2のエッチングによりエッチングされにくい材料を選択すればよい。また、第1の導電膜102等と同様に、後の工程(第1の保護膜126等の形成等)に耐えうる程度の耐熱性が必要であり、後の工程で食刻又は腐食されない材料を選択することを要する。従って、この限りにおいて、第2の導電膜110は特定の材料に限定されるものではない。
なお、第2の導電膜110は、例えばスパッタリング法又はCVD法(熱CVD法又はプラズマCVD法等を含む)等により形成することができる。ただし、特定の方法に限定されるものではない。
なお、上記説明した第1の導電膜102、第1の絶縁膜104、半導体膜106、不純物半導体膜108及び第2の導電膜110に対して求められる耐熱性は、第1の導電膜102が最も高く、以下前記した順に続き、第2の導電膜110が最も低い。例えば、半導体膜106が水素を含む非晶質半導体膜である場合には、約300℃以上とすることで半導体膜中の水素が脱離し、電気的特性が変化する。そのため、例えば半導体膜106を形成した後の工程では概ね300℃を超えない温度とするとよい。
次に、第2の導電膜110上に第1のレジストマスク112を形成する(図2(A)、図5(A)、図8(A)、図11(A)、図14(A)を参照)。第1のレジストマスク112は凹部又は凸部を有するレジストマスクである。換言すると、厚さの異なる複数の領域(ここでは、二の領域)からなるレジストマスクともいうことができる。第1のレジストマスク112において、厚い領域を第1のレジストマスク112の凸部と呼び、薄い領域を第1のレジストマスク112の凹部と呼ぶこととする。
第1のレジストマスク112において、ソース電極及びドレイン電極層120が形成される領域には凸部が形成され、ソース電極及びドレイン電極層120を有さず半導体層が露出して形成される領域には凹部が形成される。
第1のレジストマスク112は、多階調マスクを用いることで形成することができる。ここで、多階調マスクについて図28を参照して以下に説明する。
多階調マスクとは、多段階の光量で露光を行うことが可能なマスクであり、代表的には、露光領域、半露光領域及び未露光領域の3段階の光量で露光を行うものをいう。多階調マスクを用いることで、一度の露光及び現像工程によって、複数(代表的には二種類)の厚さを有するレジストマスクを形成することができる。そのため、多階調マスクを用いることで、フォトマスクの枚数を削減することができる。
図28(A−1)及び図28(B−1)は、代表的な多階調マスクの断面図を示す。図28(A−1)にはグレートーンマスク140を示し、図28(B−1)にはハーフトーンマスク145を示す。
図28(A−1)に示すグレートーンマスク140は、透光性を有する基板141上に遮光膜により形成された遮光部142、及び遮光膜のパターンにより設けられた回折格子部143で構成されている。
回折格子部143は、露光に用いる光の解像度限界以下の間隔で設けられたスリット、ドット又はメッシュ等を有することで、光の透過量を制御する。なお、回折格子部143に設けられるスリット、ドット又はメッシュは周期的なものであってもよいし、非周期的なものであってもよい。
透光性を有する基板141としては、石英等を用いることができる。遮光部142及び回折格子部143を構成する遮光膜は、金属膜を用いて形成すればよく、好ましくはクロム又は酸化クロム等により設けられる。
グレートーンマスク140に露光するための光を照射した場合、図28(A−2)に示すように、遮光部142に重畳する領域における透光率は0%となり、遮光部142又は回折格子部143が設けられていない領域における透光率は100%となる。また、回折格子部143における透光率は、概ね10〜70%の範囲であり、回折格子のスリット、ドット又はメッシュの間隔等により調整可能である。
図28(B−1)に示すハーフトーンマスク145は、透光性を有する基板146上に半透光膜により形成された半透光部147、及び遮光膜により形成された遮光部148で構成されている。
半透光部147は、MoSiN、MoSi、MoSiO、MoSiON、CrSi等の膜を用いて形成することができる。遮光部148は、グレートーンマスクの遮光膜と同様の金属膜を用いて形成すればよく、好ましくはクロム又は酸化クロム等により設けられる。
ハーフトーンマスク145に露光するための光を照射した場合、図28(B−2)に示すように、遮光部148に重畳する領域における透光率は0%となり、遮光部148又は半透光部147が設けられていない領域における透光率は100%となる。また、半透光部147における透光率は、概ね10〜70%の範囲であり、形成する材料の種類又は形成する膜厚等により、調整可能である。
多階調マスクを用いて露光して現像を行うことで、膜厚の異なる領域を有する第1のレジストマスク112を形成することができる。ただし、これに限定されず、多階調マスクを用いることなく第1のレジストマスク112を形成してもよい。
ただし、これに限定されず、多階調マスクを用いることなく第1のレジストマスクを形成してもよい。また、上記したように、第1のレジストマスクが凹部又は凸部を有さないレジストマスクであってもよい。
また、第1のレジストマスク112は、図17に示すようにレジスト開口部113A〜113Jを有する。
ここで、レジスト開口部は、第1の導電膜102を加工して形成される導電層(ゲート電極層116)により設けられる隣り合う配線間に、少なくとも一つ設ければよい。第1のレジストマスク112がソース配線と重畳する領域にレジスト開口部を有することで、第1のエッチングにより薄膜積層体114に開口部を形成することができる。なお、薄膜積層体114に設ける開口部は、第1の導電膜102の少なくとも表面に達するように形成することが好ましい。薄膜積層体114が開口部を有することで、後に説明する第2のエッチングの制御性を向上させることができる。また、第1のレジストマスク112が、ソース配線と重畳する領域の隣り合うゲート配線と容量配線との間に少なくとも一の開口部を有することで、後に説明する第2のエッチングによって隣り合うゲート配線と容量配線との絶縁の確実性を向上させることができる。
ただし、レジスト開口部は、第1の導電膜102を加工して形成される導電層(ゲート電極層116)により設けられる配線とソース配線の交差部において、ゲート配線を挟む位置に設けることが好ましい(図17乃至図21を参照)。このとき、開口部とゲート配線との間の距離はサイドエッチングのエッチングレートに応じて決定するとよい。サイドエッチングを伴う第2のエッチングにより、第1の導電膜102を加工して形成される導電層(ゲート電極層116)に角が生成せず、又は角が生成される場合であっても生成される角が小さくなるように形成することができる。
次に、第1のレジストマスク112を用いて第1のエッチングを行う。すなわち、第1の絶縁膜104、半導体膜106、不純物半導体膜108及び第2の導電膜110をエッチングによりパターニングし、薄膜積層体114を形成する(図2(B)、図5(B)、図8(B)、図11(B)、図14(B)、図17を参照)。このとき、少なくとも第1の導電膜102の表面を露出させることが好ましい。このエッチング工程を第1のエッチングとよぶ。第1のエッチングは、ドライエッチング又はウエットエッチングを用いればよいが、異方性の高いエッチング法(物理的エッチング)により行うことが好ましい。第1のエッチングに異方性の高いエッチング法を用いることで、パターンの加工精度を向上させることができる。なお、第1のエッチングをドライエッチングにより行う場合には一の工程にて行うことが可能であるが、第1のエッチングをウエットエッチングにより行う場合には複数の工程により第1のエッチングを行うと良い。被エッチング膜の種類によってエッチングレートが異なり、従って全ての膜を一の工程にてエッチングすることが困難だからである。
なお、第1のエッチングは、例えば3段階のドライエッチングにより行えばよい。まず、ClガスとCFガスとOガスの混合ガス中でエッチングを行い、次に、Clガスのみを用いてエッチングを行い、最後に、CHFガスのみを用いてエッチングを行えばよい。
次に、第1のレジストマスク112を用いて第2のエッチングを行う。すなわち、第1の導電膜102をエッチングによりパターニングし、ゲート電極層116を形成する(図2(C)、図5(C)、図8(C)、図11(C)、図14(C)、図18を参照)。このエッチング工程を第2のエッチングとよぶ。
なお、ゲート電極層116は、薄膜トランジスタのゲート電極、ゲート配線、容量素子の一方の電極、容量配線及び支持部を構成している。ゲート電極層116Aと表記する場合には、ゲート配線と薄膜トランジスタのゲート電極を構成するゲート電極層を指す。ゲート電極層116B又はゲート電極層116Dと表記する場合には支持部を構成するゲート電極層を指す。ゲート電極層116Cと表記する場合には容量配線と容量素子の一方の電極を構成するゲート電極層を指す。そして、これらを総括してゲート電極層116と呼ぶ。
なお、上記説明したレジスト開口部113A〜113Jの位置は図示したものに限定されない。以下に説明する第2のエッチングによりゲート電極層116を形成するに際して、必要な位置又は好ましい位置に設けることができる。
第2のエッチングは、第1の導電膜102により形成されるゲート電極層116の側面が、薄膜積層体114の側面より内側に形成されるエッチング条件により行う。換言すると、ゲート電極層116の側面が、薄膜積層体114の底面に接して形成されるようにエッチングを行う(図18乃至図21におけるA1−A2断面においてゲート電極層116の幅が薄膜積層体114の幅より小さくなるようにエッチングを行う)。更には、第2の導電膜110に対するエッチングレートが小さく、且つ第1の導電膜102に対するエッチングレートが大きい条件により行う。換言すると、第2の導電膜110に対する第1の導電膜102のエッチング選択比が大きい条件により行う。このような条件により第2のエッチングを行うことで、ゲート電極層116を形成することができる。
なお、ゲート電極層116の側面の形状は特に限定されない。例えば、テーパ形状であっても良い。ゲート電極層116の側面の形状は、第2のエッチングにおいて用いる薬液等の条件によって決められるものである。
ここで、「第2の導電膜110に対するエッチングレートが小さく、且つ第1の導電膜102に対するエッチングレートが大きい条件」、又は「第2の導電膜110に対する第1の導電膜102のエッチング選択比が大きい条件」とは、以下の第1の要件及び第2の要件を満たすものをいう。
第1の要件は、ゲート電極層116が必要な箇所に残存することである。ゲート電極層116の必要な箇所とは、図18乃至図21に点線で示される領域をいう。すなわち、第2のエッチング後に、ゲート電極層116がゲート配線、容量配線及び支持部を構成するように残存することが必要である。ゲート電極層がゲート配線及び容量配線を構成するためには、これらの配線が断線しないように第2のエッチングを行う必要がある。図2及び図18に示されるように、薄膜積層体114の側面から間隔dだけ内側にゲート電極層116の側面が形成されることが好ましく、間隔dは実施者がレイアウトに従って適宜設定すればよい。
第2の要件は、ゲート電極層116により構成されるゲート配線及び容量配線の最小幅d、並びにソース電極及びドレイン電極層120Aにより構成されるソース配線の最小幅dが適切なものとなることである(図21を参照)。第2のエッチングによりソース電極及びドレイン電極層120Aがエッチングされるとソース配線の最小幅dが小さくなり、ソース配線の電流密度が過大となり、電気的特性が低下するためである。そのため、第2のエッチングは、第1の導電膜102のエッチングレートが過大にならず、且つ第2の導電膜110のエッチングレートが可能な限り小さい条件で行う。。
ここで、レジスト開口部113A〜113Jを設けない場合について考察する。レジスト開口部113A〜113Jを設けない場合には、ソース配線の最小幅dは大きくすることが困難である。レジスト開口部113A〜113Jを設けない場合にはソース配線の最小幅dはソース配線と重畳する半導体層の最小幅dにより決まり、ソース配線の最小幅dを大きくするためには半導体層の最小幅dを大きくせねばならず、隣接するゲート配線と容量配線とを絶縁させることが困難になるためである。この場合には、半導体層の最小幅dは、前記した間隔dの概ね2倍よりも小さくすることを要する。換言すると、間隔dは半導体層の最小幅dの約半分よりも大きくしなければならない。このため、設計可能なレイアウトが限られてしまうことになる。更には、第2のエッチングに用いる薬液のエッチングレートが十分なものでなければならず、隣接するゲート配線と容量配線とを分離して絶縁を確実なものとするためには、第2のエッチングに用いることのできるエッチングガス又は薬液の種類等が限定されてしまう。
そこで、上記説明したように、第1のレジストマスク112にレジスト開口部113A〜113Jを設けることで、第2のエッチングに用いるエッチングガス又は薬液等の侵入経路の数が増加し、ゲート電極層116の形状を良好なものとすることができる。更には、エッチングに用いる薬液の選択の幅が拡がり、材料の選択の幅も拡がることになる。
また、レジスト開口部113A〜113Jを設けない場合には、上記したように、上面図においてゲート電極層116に角が形成されることがある。これは、第2のエッチングが概略等方的であるためである。更には、隣接するゲート配線と容量配線との間で角が接してしまうことで隣り合うゲート配線と容量配線とが導通してしまい、歩留まり低下の原因となることがあった。しかし、上記説明したようにレジスト開口部113A〜113Jを設けることで、隣接するゲート配線と容量配線の絶縁を確実に行うことができ、歩留まりを向上させることができる。
また、開口部を設けずに隣接するゲート配線と容量配線との間の絶縁を確実にできる場合であっても、上記説明した角が存在することによって寄生容量が発生し、信号の遅延等の原因となる場合があった。上記説明したように、第1のレジストマスク112にレジスト開口部113A〜113Jを設けることで、角をなくし、又は角を小さくすることができる。そのため、寄生容量の発生を抑制し、特性に優れた表示装置等を作製することができる。
なお、ソース配線と重畳する半導体層の幅を最小幅dとする部分は、ゲート配線と、該ゲート配線と隣り合う容量配線との間に少なくとも一箇所あればよい。好ましくは、図21に示すように、ゲート配線に隣接する領域及び容量配線に隣接する領域の半導体層の幅を最小幅dとすればよい。
なお、ソース配線と重畳する半導体層の幅を最小幅dとする部分と同様に、第1のレジストマスク112に設けるレジスト開口部は隣り合うゲート配線と容量配線との間に一つ設ければよく、必ずしも全てを設ける必要はない。例えば、支持部に隣接する位置に配されるレジスト開口部、すなわち、レジスト開口部113B、レジスト開口部113C、レジスト開口部113G及びレジスト開口部113Hのみを設けても良いし、容量配線と支持部の間に配されるレジスト開口部113Bとレジスト開口部113Gのみを設けても良い。
しかし、レジスト開口部113A〜113Jを設けることで、形成されるソース配線の幅が狭くなるという問題がある。配線の断面積が狭くなると電流の通路が狭くなり、発熱量が増大する。配線の発熱量が増大すると、使用時における断線等を生じ、電子機器の故障の原因となる。つまり、信頼性が低下することになる。
そこで、ソース配線の断面積を小さくすることなくレジスト開口部を設けることが好ましい。ソース配線の断面積を小さくすることなくレジスト開口部を設けるには、開口部の周囲において開口部の幅の分だけソース配線を拡げればよい(図22及び図23を参照)。図22及び図23に示すように、開口部の周囲においてソース配線を拡げることで、ソース配線の幅を狭めることなく開口部を設けることができる。すなわち、上層に設けられる配線(ここではソース配線)の断面積を一定として該配線の中央に開口部を設けることで信頼性が向上するため好ましい。
または、ソース配線を形成する第2の導電膜110を厚く形成することで発熱量を抑えても良い。
なお、ソース電極及びドレイン電極層により形成される、画素電極層と接続される部分の電極の幅はソース配線の最小幅dとすることが好ましい。
上記説明したように、サイドエッチングを伴う条件により第2のエッチングを行うことは非常に重要である。第2のエッチングが第1の導電膜102のサイドエッチングを伴うことによって、隣接するゲート配線と容量配線とを確実に絶縁させることができるためである(図18を参照)。
ここで、サイドエッチングとは、被エッチング膜の厚さ方向(基板面に垂直な方向又は下地膜の面に垂直な方向)のみならず、厚さ方向に対して垂直な方向(基板面に平行な方向又は下地膜の面に平行な方向)にも被エッチング膜が削られるエッチングをいう。サイドエッチングされた被エッチング膜の端部は、被エッチング膜に対するエッチングガス又はエッチングに用いる薬液のエッチングレートによって様々な形状となるように形成されるが、端部が曲面となるように形成されることが多い。
なお、図18に示すように、第1のエッチングにより形成される薄膜積層体114は、ゲート電極層116B及びゲート電極層116Dにより構成される支持部に接する部分では細くなるように設計されるとよい(図18において両矢印で示す部分を参照)。
なお、図18に示すゲート電極層116B及びゲート電極層116Dは、薄膜積層体114を支える支持部として機能する。支持部を有することで、ゲート電極層より上に形成されるゲート絶縁膜等の膜剥がれを防止することができる。更には支持部を設けることで、第2のエッチングによりゲート電極層116に接して形成される、空洞の領域が必要以上に広くなることを防止できる。なお、支持部を設けることで、薄膜積層体114が自重によって破壊され、又は破損することをも防止することができ、歩留まりが向上するため好ましい。ただし、これに限定されず、支持部を設けなくとも良い。支持部を有しない形態の上面図(図21に対応)の一例を図24に示す。
なお、図24の場合であっても、図22及び図23と同様に、開口部において配線を外側に拡大させ、配線の幅を狭めることなくレジスト開口部を形成することができる。
以上説明したように、第2のエッチングは、ウエットエッチングにより行うことが好ましい。
第2のエッチングをウエットエッチングによって行う場合、第1の導電膜102をアルミニウム又はモリブデンにより形成し、第2の導電膜110をチタン又はタングステンにより形成し、エッチング液(エッチャント)には硝酸、酢酸及びリン酸を含む薬液を用いればよい。または、第1の導電膜102をモリブデンにより形成し、第2の導電膜110をチタン、アルミニウム又はタングステンにより形成し、エッチング液(エッチャント)には過酸化水素水を含む薬液を用いればよい。
第2のエッチングをウエットエッチングによって行う場合、最も好ましくは、第1の導電膜102としてネオジムを添加したアルミニウム上にモリブデンを形成した積層膜を形成し、第2の導電膜110としてタングステンを形成し、エッチングには硝酸を2%、酢酸を10%、リン酸を72%含む薬液を用いる。このような組成の薬液を用いることで、第2の導電膜110がエッチングされることなく、第1の導電膜102がエッチングされる。なお、第1の導電膜102に添加したネオジムは、アルミニウムの低抵抗化とヒロックの発生防止を目的として添加されたものである。
次に、第1のレジストマスク112を後退させる。例えば、第1のレジストマスク112を薄くする。そして第2の導電膜110を露出させつつ、第2のレジストマスク118を形成する。第1のレジストマスク112を後退させて、第2のレジストマスク118を形成する手段としては、例えば酸素プラズマを用いたアッシングが挙げられる。しかし、第1のレジストマスク112を後退させて第2のレジストマスク118を形成する手段はこれに限定されるものではない。なお、ここでは第2のエッチングの後に第2のレジストマスク118を形成する場合について説明したが、これに限定されず、第2のレジストマスク118を形成した後に第2のエッチングを行ってもよい。
次に、第2のレジストマスク118を用いて、薄膜積層体114における第2の導電膜110をエッチングし、ソース電極及びドレイン電極層120を形成する(図3(D)、図6(D)、図9(D)、図12(D)、図15(D)、図19を参照)。ここでエッチング条件は、第2の導電膜110以外の膜に対する食刻及び腐食が生じず、又は生じ難い条件を選択する。特に、ゲート電極層116の食刻及び腐食が生じず、又は生じ難い条件により行うことが重要である。
なお、ソース電極及びドレイン電極層120は、薄膜トランジスタのソース電極若しくはドレイン電極、ソース配線、薄膜トランジスタと画素電極とを接続する電極、及び容量素子の他方の電極を構成している。「ソース電極及びドレイン電極層120A」又は「ソース電極及びドレイン電極層120C」と表記する場合には、薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方、及びソース配線を構成する電極層を指す。「ソース電極及びドレイン電極層120B」と表記する場合には、薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方、及び薄膜トランジスタと画素電極とを接続する電極を構成する電極層を指す。「ソース電極及びドレイン電極層120D」と表記する場合には、容量素子の他方の電極を構成する電極層を指す。そして、これらを総括して「ソース電極及びドレイン電極層120」と呼ぶ。
なお、薄膜積層体114における第2の導電膜110のエッチングは、ウエットエッチング又はドライエッチングのどちらを用いても良い。
続いて、薄膜積層体114における不純物半導体膜108及び半導体膜106の上部(バックチャネル部)をエッチングして、半導体層124、ソース領域及びドレイン領域122を形成する(図3(E)、図6(E)、図9(E)、図12(E)、図15(E)、図20を参照)。ここでエッチング条件は、不純物半導体膜108及び半導体膜106以外の膜に対する食刻及び腐食が生じず、又は生じ難い条件を選択する。特に、ゲート電極層116の食刻及び腐食が生じず、又は生じ難い条件により行うことが重要である。
なお、薄膜積層体114における不純物半導体膜108及び半導体膜106の上部(バックチャネル部)のエッチングはドライエッチング又はウエットエッチングにより行うことができる。
その後、第2のレジストマスク118を除去し(図3(F)、図6(F)、図9(F)、図12(F)、図15(F)を参照)、薄膜トランジスタが完成する(図3(F)を参照)。上記説明したように、薄膜トランジスタを1枚のフォトマスク(多階調マスク)により作製することができる。
なお、上記の図3(D)及び図3(E)を参照して説明した工程を一括して第3のエッチングとよぶ。第3のエッチングは、上記説明したように、複数の段階に分けて行っても良いし、一括して行っても良い。
以上のように形成した薄膜トランジスタを覆って第2の絶縁膜を形成する。ここで、第2の絶縁膜は、第1の保護膜126のみで形成しても良いが、好ましくは第1の保護膜126と第2の保護膜128により形成する(図4(G)、図7(G)、図10(G)、図13(G)、図16(G)を参照)。第1の保護膜126は、第1の絶縁膜104と同様に形成すればよい。
第2の保護膜128は、表面が概略平坦になる方法により形成する。第2の保護膜128の表面を概略平坦にすることで、第2の保護膜128上に形成される画素電極層132の断切れ等を防止することができるためである。従って、ここで「概略平坦」とは、上記目的を達成しうる程度のものであればよく、高い平坦性が要求されるわけではない。
なお、第2の保護膜128は、例えば、感光性ポリイミド、アクリル又はエポキシ樹脂等により、スピンコーティング法等により形成することができる。ただし、これらの材料又は形成方法に限定されるものではない。
次に、第2の絶縁膜に第1の開口部130及び第2の開口部131を形成する(図4(H)、図7(H)、図10(H)、図13(H)、図16(H)を参照)。第1の開口部130及び第2の開口部131は、ソース電極及びドレイン電極層120の少なくとも表面に達するように形成する。第1の開口部130及び第2の開口部131の形成方法は、特定の方法に限定されず、第1の開口部130の径などに応じて実施者が適宜選択すればよい。例えば、フォトリソグラフィ法によりドライエッチングを行うことで第1の開口部130及び第2の開口部131を形成することができる。
なお、フォトリソグラフィ法によって開口部を形成することで、フォトマスクを1枚使用することになる。
次に、第2の絶縁膜上に画素電極層132を形成する(図4(I)、図7(I)、図10(I)、図13(I)、図16(I)、図21を参照)。画素電極層132は、開口部を介してソース電極及びドレイン電極層120に接続されるように形成する。具体的には、画素電極層132は、第1の開口部130を介してソース電極及びドレイン電極層120Bに接続され、第2の開口部131を介してソース電極及びドレイン電極層120Dに接続されるように形成される。画素電極層132は、透光性を有する導電性材料により形成することが好ましい。ここで、透光性を有する導電性材料としては、インジウム錫酸化物(以下、ITOという)、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、又は酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物等が挙げられる。透光性を有する導電性材料の膜の形成はスパッタリング法又はCVD法等により行えばよいが、特定の方法に限定されるものではない。また、画素電極層132についても単層で形成しても良いし、複数の膜を積層した積層膜としてもよい。
なお、本実施の形態においては、画素電極層132のみに透光性を有する導電性材料を用いたが、これに限定されない。第1の導電膜102及び第2の導電膜110の材料として、透光性を有する導電性材料を用いることもできる。
なお、フォトリソグラフィ法によって画素電極層132を形成することで、フォトマスクを1枚使用することになる。
以上説明したように、本実施の形態に係るアクティブマトリクス基板の作製(所謂アレイ工程)が完了する。本実施の形態にて説明したように、サイドエッチングを利用してゲート電極層を形成し、更には多階調マスクを用いてソース電極及びドレイン電極層を形成することで、1枚のマスクによる薄膜トランジスタの作製が可能となる。
上記のように作製した薄膜トランジスタは、ゲート電極層上にゲート絶縁膜を有し、前記ゲート絶縁膜上に半導体層を有し、前記半導体層上にソース領域及びドレイン領域を有する不純物半導体層を有し、前記ソース領域及びドレイン領域上にソース電極及びドレイン電極を有し、前記ゲート電極層の側面に接して空洞を有する構造となる(図4(I)を参照)。このような薄膜トランジスタはゲート電極層の側面に接して空洞を有するため、ゲート電極層端部におけるリーク電流の小さいものとなる。
ここで、上記の工程により作製したアクティブマトリクス基板の端子接続部について図25乃至図27を参照して説明する。
図25乃至図27は、上記の工程により作製した、アクティブマトリクス基板におけるゲート配線側の端子接続部及びソース配線側の端子接続部の上面図と断面図を示す。
図25は、ゲート配線側の端子接続部及びソース配線側の端子接続部における、画素部から延伸したゲート配線及びソース配線の上面図を示す。
図26は、図25のX1−X2における断面図を示す。すなわち、図26は、ゲート配線側の端子接続部における断面図を示す。図26では、ゲート電極層116のみが露出されている。このゲート電極層116が露出された領域に、端子部が接続される。
図27は、ソース配線側の端子接続部における断面図を示す。図27のY1−Y2において、ゲート電極層116と、ソース電極及びドレイン電極層120は画素電極層132を介して接続されている。図27にはゲート電極層116と、ソース電極及びドレイン電極層120の様々な接続形態を示している。本発明の一態様である表示装置の発明における端子接続部には、これらのいずれを用いても良いし、図27に示すもの以外の接続形態を用いても良い。ソース電極及びドレイン電極層120をゲート電極層116に接続させることで、端子の接続部の高さを概ね等しくすることができる。
なお、図27に示す開口部の数は特に限定されない。一の端子に対して一の開口部を設けるのみならず、一の端子に対して複数の開口部を設けても良い。一の端子に対して複数の開口部を設けることで、開口部を形成するエッチング工程が不十分である等の理由で開口部が良好に形成されなかったとしても、他の開口部により電気的接続を実現することができる。更には、全ての開口部が問題なく開口された場合であっても、接触面積を広くすることができるため、コンタクト抵抗を低減することができ、好ましい。
図27(A)では、第1の保護膜126及び第2の保護膜128の端部がエッチング等により除去され、ゲート電極層116と、ソース電極及びドレイン電極層120とが露出され、この露出された領域に画素電極層132を形成することで電気的な接続を実現することができる。図27(A)は、図25のY1−Y2における断面図に相当する。
なお、ゲート電極層116と、ソース電極及びドレイン電極層120とが露出された領域の形成は、第1の開口部130及び第2の開口部131の形成と同時に行うことができる。
図27(B)では、第1の保護膜126及び第2の保護膜128に第3の開口部160Aが設けられ、第1の保護膜126及び第2の保護膜128の端部がエッチング等により除去されることで、ゲート電極層116と、ソース電極及びドレイン電極層120とが露出され、この露出された領域に画素電極層132を形成することで電気的な接続を実現することができる。
なお、第3の開口部160Aの形成、及びゲート電極層116が露出された領域の形成は、第1の開口部130及び第2の開口部131の形成と同時に行うことができる。
図27(C)では、第1の保護膜126及び第2の保護膜128に第3の開口部160B及び第4の開口部161が設けられることで、ゲート電極層116と、ソース電極及びドレイン電極層120とが露出され、この露出された領域に画素電極層132を形成することで電気的な接続を実現することができる。ここで、図27(A)及び(B)と同様に、第1の保護膜126及び第2の保護膜128の端部はエッチング等により除去されているが、この領域は端子の接続部として用いられる。
なお、第3の開口部160B及び第4の開口部161の形成、並びにゲート電極層116が露出された領域の形成は、第1の開口部130及び第2の開口部131の形成と同時に行うことができる。
なお、開口部の数は図27に示す開口部の数に特に限定されない。一の端子に対して一の開口部を設けるのみならず、一の端子に対して複数の開口部を設けても良い。一の端子に対して複数の開口部を設けることで、開口部を形成するエッチング工程が不十分である等の理由で開口部が良好に形成されなかったとしても、他の開口部により電気的接続を実現することができる。更には、全ての開口部が問題なく形成された場合であっても、接触面積を広くすることができるため、コンタクト抵抗を低減することができ、好ましい。
次に、上記で説明した工程により作製した、表示装置のアクティブマトリクス基板を用いて液晶表示装置を作製する方法について説明する。すなわち、セル工程及びモジュール工程について説明する。ただし、本実施の形態に係る表示装置の作製方法において、セル工程及びモジュール工程は以下の説明に限定されない。
セル工程では、上記した工程により作製したアクティブマトリクス基板と、これに対向する基板(以下、対向基板という)とを貼り合わせて液晶を注入する。まず、対向基板の作製方法について、以下に簡単に説明する。なお、特に説明しない場合であっても、対向基板上に形成する膜は単層でも良いし、積層して形成しても良い。
まず、基板上に遮光層を形成し、遮光層上に赤、緑、青のいずれかのカラーフィルター層を形成し、カラーフィルター層上に画素電極層を選択的に形成し、画素電極層上にリブを形成する。
遮光層としては、遮光性を有する材料の膜を選択的に形成する。遮光性を有する材料としては、例えば、黒色樹脂(カーボンブラック)を含む有機樹脂を用いることができる。または、クロムを主成分とする材料膜の積層膜を用いても良い。クロムを主成分とする材料膜とは、クロム、酸化クロム又は窒化クロムをいう。遮光層に用いる材料は遮光性を有するものであれば特に限定されない。遮光性を有する材料の膜を選択的に形成するにはフォトリソグラフィ法等を用いる。
カラーフィルター層は、バックライトから白色光が照射されると、赤、緑、青のいずれかの光のみを透過させることができる有機樹脂膜により選択的に形成すればよい。カラーフィルター層の形成は、形成時に塗り分けを行うことで、選択的に行うことができる。カラーフィルターの配列は、ストライプ配列、デルタ配列又は正方配列を用いればよい。
対向基板の画素電極層は、アクティブマトリクス基板が有する画素電極層132と同様に形成することができる。ただし、選択的に形成する必要がないため、対向基板の全面に形成すればよい。
画素電極上に形成するリブは、視野角を拡げることを目的として形成される、パターン形成された有機樹脂膜である。なお、特に必要のない場合には形成しなくてもよい。
なお、対向基板の作製方法としては、他にも様々な態様が考えられる。例えば、カラーフィルター層を形成後、画素電極層の形成前にオーバーコート層を形成しても良い。オーバーコート層を形成することで画素電極の被形成面の平坦性を向上させることができるため、歩留まりが向上する。また、カラーフィルター層に含まれる材料の一部が液晶材料中に侵入することを防ぐことができる。オーバーコート層には、アクリル樹脂又はエポキシ樹脂をベースとした熱硬化性材料が用いられる。
また、リブの形成前又は形成後にスペーサとしてポストスペーサ(柱状スペーサ)を形成しても良い。ポストスペーサとは、アクティブマトリクス基板と対向基板との間のギャップを一定に保つことを目的として、対向基板上に一定の間隔で形成する構造物をいう。ビーズスペーサ(球状スペーサ)を用いる場合には、ポストスペーサを形成しなくても良い。
次に、配向膜をアクティブマトリクス基板及び対向基板に形成する。配向膜の形成は、例えば、ポリイミド樹脂等を有機溶剤に溶かし、これを印刷法又はスピンコーティング法等により塗布し、有機溶媒を溜去した後基板を焼成することにより行う。形成される配向膜の膜厚は、一般に、約50nm以上100nm以下程度とする。配向膜には、液晶分子がある一定のプレチルト角を持って配向するようにラビング処理を施す。ラビング処理は、例えば、ベルベット等の毛足の長い布により配向膜を擦ることで行う。
次に、アクティブマトリクス基板と、対向基板をシール材料により貼り合わせる。対向基板にポストスペーサが設けられていない場合には、ビーズスペーサを所望の領域に分散させて貼り合わせるとよい。
次に、貼り合わせられたアクティブマトリクス基板と、対向基板との間に、液晶材料を注入する。液晶材料を注入した後、注入口は紫外線硬化樹脂等で封止する。または、液晶材料をアクティブマトリクス基板と対向基板のいずれかの上に滴下した後に、これらの基板を貼り合わせても良い。
次に、アクティブマトリクス基板と対向基板とを貼り合わせた液晶セルの両面に偏光板を貼り付けてセル工程が完了する。
次に、モジュール工程として、端子部の入力端子(図27において、ゲート電極層116の露出された領域)にFPC(Flexible Printed Circuit)を接続する。FPCはポリイミド等の有機樹脂フィルム上に導電膜により配線が形成されており、異方性導電性ペースト(Anisotropic Conductive Paste。以下、ACPという)を介して入力端子と接続される。ACPは接着剤として機能するペーストと、金等がメッキされた数十〜数百μm径の導電性表面を有する粒子と、により構成される。ペースト中に混入された粒子が入力端子上の導電層と、FPCに形成された配線に接続された端子上の導電層と、に接触することで、電気的な接続を実現することができる。なお、FPCの接続後にアクティブマトリクス基板と対向基板に偏光板を貼り付けてもよい。以上のように、表示装置に用いる液晶パネルを作製することができる。
以上のように、表示装置に用いる画素トランジスタを有するアクティブマトリクス基板を3枚のフォトマスクにより作製することができる。
従って、薄膜トランジスタ及び表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。具体的には、上記の説明のように、1枚のフォトマスク(多階調マスク)を用いて薄膜トランジスタを作製することができる。また、3枚のフォトマスクを用いて画素トランジスタを有するアクティブマトリクス基板を作製することができる。従って、用いるフォトマスクの枚数が低減されることから、薄膜トランジスタ及び表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。
また、裏面露光、レジストリフロー及びリフトオフ法等の複雑な工程を経ることなく、薄膜トランジスタの作製工程数を大幅に削減することができる。そのため、複雑な工程を経ることなく、表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。従って、歩留まりを低下させることなく、表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。
また、薄膜トランジスタの電気的特性を維持しつつ、薄膜トランジスタの作製工程を大幅に削減することができる。
更には、上記効果により、作製コストを大幅に削減することができる。
また、上記説明したように開口部を設けることで、第2のエッチングにおいてエッチングに用いる薬液又はガスがエッチングされる膜に接触する面積を大きくすることができる。そのため、第2のエッチングの制御性を向上させ、開口部を設けない場合と比較して寄生容量の小さい薄膜トランジスタを作製することができる。また、ゲート電極層により形成される隣り合う配線間の絶縁不良を防止することができ、高い歩留まりで薄膜トランジスタを作製することができる。
また、第2のエッチングにおいてエッチングに用いる薬液又はガスがエッチングされる膜に接触する面積を大きくすることで、作製工程において発生した残渣等が被エッチング面に存在してエッチングを阻害するおそれのある場合であっても、良好にエッチングすることができる。
更には、開口部を有することで、レイアウトが第2のエッチングにおけるサイドエッチ量に拘束されない。そのため、レイアウトの自由度を低下させることなく、薄膜トランジスタ及び表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。
更には、開口部において配線を拡大することで、発熱量の増大を防止することができ、信頼性を向上させることができる。
更には、上記効果により、作製コストを大幅に削減することができる。
なお、上記説明した画素構造に限定されず、様々な液晶表示装置に適用することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様である薄膜トランジスタの作製方法及び表示装置の作製方法であって、実施の形態1とは異なるものについて説明する。具体的には、多階調マスクを用いることなく、実施の形態1と同様に薄膜トランジスタを作製する方法について図29乃至図33を参照して説明する。
なお、図29は実施の形態1における図2及び図3に対応するものである。図30は実施の形態1における図11及び図12に対応するものである。図31、図32及び図33は実施の形態1における図17、図18及び図19に対応するものである。また、図31乃至図33に示すA1−A2における断面図が図29に相当し、図31乃至図33に示すD1−D2断面図が図30に相当する。
まず、実施の形態1と同様に、基板100上に第1の導電膜102、第1の絶縁膜104、半導体膜106、不純物半導体膜108及び第2の導電膜110を形成する(図29(A)及び図30(A)を参照)。これらに用いることのできる材料及びこれらの形成に適用することのできる方法は実施の形態1と同様である。なお、半導体膜106により形成される半導体層の一部に、ドーピング等によりソース電極及びドレイン電極層とオーミック接触可能な領域を設ける場合などには、不純物半導体膜108を設ける必要がない。
次に、第2の導電膜110上に第1のレジストマスク170を形成する(図29(A)及び図30(A)を参照)。第1のレジストマスク170は、実施の形態1における第1のレジストマスク112とは異なるものであり、全面が概略同一の厚さとなるように形成されている。すなわち、第1のレジストマスク170は多階調マスクを用いることなく形成することができる。
第1のレジストマスク170は、実施の形態1における第1のレジストマスク112と同様に、レジスト開口部172を有する。第1のレジストマスク170が有するレジスト開口部172A〜172Jを設ける位置等については、実施の形態1で説明したレジスト開口部113A〜113Jと同様のため省略する。
次に、第1のレジストマスク170を用いて第1のエッチングを行う。すなわち、第1の導電膜102、第1の絶縁膜104、半導体膜106、不純物半導体膜108及び第2の導電膜110をエッチングによりパターニングし、第1の導電膜102上に薄膜積層体114を形成する(図29(C)を参照)。なお、本実施の形態においても基板100と第1の導電膜102の間に、下地膜として絶縁膜を設けてもよい。
次に、実施の形態1と同様に第2のエッチングを行うことで、ゲート電極層116を形成する(図29(C)、図30(C)及び図32を参照)。
ここで、第2のエッチングの条件は、実施の形態1における第2のエッチングと同様である。
次に、薄膜積層体114上に第2のレジストマスク171を形成し、第2のレジストマスク171を用いてソース電極及びドレイン電極層120を形成する(図29(D)、図30(D)及び図33を参照)。エッチング条件等は、実施の形態1と同様である。その後の工程は実施の形態1と同様である。
なお、ここでは第2のエッチングの後に第2のレジストマスク171を形成する場合について説明したが、これに限定されず、第2のレジストマスク171を形成した後に第2のエッチングを行ってもよい。
以上、本実施の形態にて説明したように、多階調マスクを用いることなく薄膜トランジスタを作製することができる。ただし、使用するマスク数は、実施の形態1と比較すると1枚増加することになる。
なお、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法は、上記説明した点を除き、実施の形態1と同様である。そのため、実施の形態1に係る薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法と同様の効果を有することは勿論であるが、使用するマスクの数は1枚増加する。すなわち、本実施の形態によれば、2枚のフォトマスクを用いて薄膜トランジスタを作製することができる。また、4枚のフォトマスクを用いて画素トランジスタを有するアクティブマトリクス基板を作製することができる。従って、多階調マスクを用いない従来の手法と比較し、用いるフォトマスクの枚数が低減されることから、薄膜トランジスタ及び表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。更には、高い歩留まりで製造することができ、コストを低く抑えることも可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、薄膜トランジスタ及び該薄膜トランジスタがマトリクス状に配置されたEL表示装置を作製する方法の一例について、図34乃至図42、及び図46を参照して説明する。
薄膜トランジスタをスイッチング素子として用いるEL表示装置(アクティブ型EL表示装置)の画素回路としては、様々なものが検討されている。本実施の形態では、単純な画素回路の一例を、図34に示し、この画素回路を適用した画素構造の作製方法について説明する。ただし、EL表示装置の画素回路は図34に示す構成に限定されるものではない。
図34に示すEL表示装置の画素構造において、画素191は、第1のトランジスタ181、第2のトランジスタ182、第3のトランジスタ183、容量素子184及び発光素子185を有する。第1乃至第3のトランジスタはn型トランジスタである。第1のトランジスタ181のゲート電極は、ゲート配線186に接続され、ソース電極及びドレイン電極の一方(第1の電極とする。)は、ソース配線188に接続され、ソース電極及びドレイン電極の他方(第2の電極とする。)は、第2のトランジスタ182のゲート電極、及び容量素子184の一方の電極(第1の電極とする。)に接続されている。容量素子184の他方の電極(第2の電極とする。)は、第2のトランジスタ182のソース電極及びドレイン電極の一方(第1の電極とする。)、第3のトランジスタ183のソース電極及びドレイン電極の一方(第1の電極とする。)、並びに発光素子185の一方の電極(第1の電極とする。)に接続されている。第2のトランジスタ182のソース電極及びドレイン電極の他方(第2の電極とする。)は、第2の電源線189に接続されている。第3のトランジスタ183のソース電極及びドレイン電極の他方(第2の電極とする。)は、第1の電源線187に接続され、ゲート電極はゲート配線186に接続されている。発光素子185の他方の電極(第2の電極とする。)は、共通電極190に接続されている。なお、第1の電源線187と第2の電源線189の電位は異なるものとする。
画素191の動作について説明する。ゲート配線186の信号によって第3のトランジスタ183がオンすると、第2のトランジスタ182の第1の電極、発光素子185の第1の電極、及び容量素子184の第2の電極の電位が、第1の電源線187の電位(V187)と等しくなる。ここで、第1の電源線187の電位(V187)は一定とするため、第2のトランジスタ182の第1の電極等の電位は一定(V187)である。
ゲート配線186の信号によって第1のトランジスタ181が選択されてオンすると、ソース配線188からの信号の電位(V188)が第1のトランジスタ181を介して第2のトランジスタ182のゲート電極に入力される。このとき、第2の電源線189の電位(V189)が第1の電源線187の電位(V187)よりも高ければVgs=V188−V187となる。そして、Vgsが第2のトランジスタ182のしきい値電圧よりも大きければ、第2のトランジスタ182はオンする。
従って、第2のトランジスタ182を線形領域で動作させるときには、ソース配線188の電位(V188)を変化させること(例えば、2値)で、第2のトランジスタ182のオンとオフとを制御することができる。つまり、発光素子185が有するEL層に、電圧を印加するかしないかを制御することができる。
また、第2のトランジスタ182を飽和領域で動作させるときには、ソース配線188の電位(V188)を変化させることで、発光素子185に流れる電流量を制御することができる。
以上のようにして、第2のトランジスタ182を線形領域で動作させる場合、発光素子185に電圧を印加するかしないかを制御することができ、発光素子185の発光状態と非発光状態とを制御することができる。このような駆動方法は、例えば、デジタル時間階調駆動に用いることができる。デジタル時間階調駆動は、1フレームを複数のサブフレームに分割し、各サブフレームにおいて発光素子185の発光状態と非発光状態とを制御する駆動方法である。また、第2のトランジスタ182を飽和領域で動作させる場合、発光素子185に流れる電流量を制御することができ、発光素子185の輝度を調整することができる。図46は、図39に示すB1−B2における断面図である。
次に、図34に示す画素回路を適用した画素構造と、その作製方法について以下に説明する。
なお、図35乃至図39には本実施の形態に係る薄膜トランジスタの上面図を示し、図39は画素電極まで形成した完成図である。図40乃至図42は、図35乃至図39に示すA1−A2における断面図である。
まず、基板200上に第1の導電膜202、第1の絶縁膜204、半導体膜206、不純物半導体膜208及び第2の導電膜210を形成する(図40(A)を参照)。なお、本実施の形態においても基板200と第1の導電膜202の間に、下地膜として絶縁膜を設けてもよい。
なお、基板200には実施の形態1における基板100と同様のものを用いることができる。第1の導電膜202は実施の形態1における第1の導電膜102と同様の材料及び方法により形成することができる。第1の絶縁膜204は実施の形態1における第1の絶縁膜104と同様の材料及び方法により形成することができる。
半導体膜206は、結晶性半導体膜と、非晶質半導体膜との積層膜を用いることが好ましい。結晶性半導体膜としては、多結晶半導体膜又は微結晶半導体膜等が挙げられる。
多結晶半導体膜とは、結晶粒により構成され、該結晶粒間に多くの粒界を含む半導体膜をいう。多結晶半導体膜は、例えば熱結晶化法又はレーザ結晶化法により形成される。ここで、熱結晶化法とは、基板上に非晶質半導体膜を形成し、該基板を加熱することで非晶質半導体を結晶化する結晶化法をいう。また、レーザ結晶化法とは、基板上に非晶質半導体膜を形成し、該非晶質半導体膜に対してレーザを照射して非晶質半導体を結晶化する結晶化法をいう。または、ニッケル等の結晶化促進元素を添加して結晶化する結晶化法を用いても良い。結晶化促進元素を添加して結晶化する場合には、該半導体膜に対してレーザ照射を行うことが好ましい。
多結晶半導体は、ガラス基板に歪みを生じない程度の温度と時間で結晶化を行うLTPS(Low Temperature Poly Silicon)と、より高温で結晶化を行うHTPS(High Temperature Poly Silicon)に分類される。
微結晶半導体膜とは、粒径が概ね2nm以上100nm以下の結晶粒を含む半導体膜をいい、膜の全面が結晶粒のみによって構成されるもの、または結晶粒間に非晶質半導体が介在するものを含む。微結晶半導体膜の形成方法としては、結晶核を形成して該結晶核を成長させる方法、非晶質半導体膜を形成して該非晶質半導体膜に接して絶縁膜と金属膜とを形成し、該金属膜に対してレーザを照射することで該金属膜に発生した熱により非晶質半導体を結晶化させる方法等を用いればよい。ただし、非晶質半導体膜に対して熱結晶化法又はレーザ結晶化法を用いて形成した結晶性半導体膜は含まないものとする。
半導体膜206として、例えば、結晶性半導体膜上に非晶質半導体膜を積層して形成した積層膜を用いると、EL表示装置の画素回路が有するトランジスタを高速に動作させることができる。ここで、結晶性半導体膜としては、多結晶半導体(LTPS及びHTPSを含む)膜を適用しても良いし、微結晶半導体膜を適用しても良い。
なお、結晶性半導体膜上に非晶質半導体膜を有することで、結晶性半導体膜の表面が酸化されることを防止することができる。また、耐圧を向上させ、オフ電流を低下させることができる。
ただし、EL表示装置の画素回路が正常に動作する限りにおいて、半導体膜206の結晶性については特に限定されない。
不純物半導体膜208は、一導電性を付与する不純物元素を含む半導体膜であり、一導電性を付与する不純物元素が添加された半導体材料形成用のガス等により形成される。本実施の形態ではn型の薄膜トランジスタを設けるため、例えば、フォスフィン(化学式:PH)を含むシランガスにより形成される、リンを含むシリコン膜により設ければよい。ただし、第1の導電膜202等と同様に、耐熱性が必要であり、後の工程で食刻又は腐食されない材料を選択することを要する。この限りにおいて、不純物半導体膜208は、特定の材料に限定されるものではない。なお、不純物半導体膜208の結晶性についても特に限定されるものではない。また、半導体膜206により形成される半導体層の一部に、ドーピング等によりオーミック接触可能な領域を設ける場合などには、不純物半導体膜208を設ける必要がない。
本実施の形態では、n型の薄膜トランジスタを作製するため、添加する一導電性を付与する不純物元素として、ヒ素等を用いてもよく、不純物半導体膜208の形成に用いるシランガスにはアルシン(化学式:AsH)を所望の濃度で含ませればよい。
なお、不純物半導体膜208の形成は、例えばCVD法(熱CVD法又はプラズマCVD法等を含む)等により行うことができる。ただし、特定の方法に限定されるものではない。
第2の導電膜210は、実施の形態1における第2の導電膜110と同様の材料及び方法により形成することができ、第1の導電膜202とは異なる材料により形成する。
次に、第2の導電膜210上に第1のレジストマスク212を形成する(図40(A)を参照)。ここで、第1のレジストマスク212は凹部又は凸部を有するレジストマスクであることが好ましい。換言すると、厚さの異なる複数の領域(ここでは、二の領域)からなるレジストマスクともいうことができる。第1のレジストマスク212において、厚い領域を第1のレジストマスク212の凸部と呼び、薄い領域を第1のレジストマスク212の凹部と呼ぶこととする。ただし、本実施の形態はこれに限定されず、凹部又は凸部を有さないレジストマスクを用いてもよい。
第1のレジストマスク212において、ソース電極及びドレイン電極層が形成される領域には凸部が形成され、ソース電極及びドレイン電極層を有さず半導体層が露出して形成される領域には凹部が形成されている。
第1のレジストマスク212は、実施の形態1にて説明した、多階調マスクを用いることで形成することができる。ただし、必ずしも多階調マスクを用いなくても良い。
また、第1のレジストマスク212は、実施の形態1における第1のレジストマスク112と同様に、レジスト開口部213A〜213Lを有する(図35を参照)。
ここで、レジスト開口部は、第1の導電膜202を加工して形成される導電層(ゲート電極層216)により設けられる隣り合う配線間に、少なくとも一つ設ければよい。第1のレジストマスク212がソース配線と重畳する領域にレジスト開口部を有することで、第1のエッチングにより薄膜積層体214に開口部を形成することができる。なお、薄膜積層体214に設ける開口部は、第1の導電膜202に達するように形成する。薄膜積層体214が開口部を有することで、後に説明する第2のエッチングの制御性を向上させることができる。また、第1のレジストマスク212が、ソース配線と重畳する領域の隣り合うゲート配線と容量配線との間に少なくとも一の開口部を有することで、後に説明する第2のエッチングによって隣り合うゲート配線と容量配線との絶縁の確実性を向上させることができる。
ただし、レジスト開口部は、第1の導電膜202を加工して形成される導電層(ゲート電極層216)により設けられる配線とソース配線の交差部において、ゲート配線を挟む位置に設けることが好ましい(図36乃至図39を参照)。このとき、開口部とゲート配線との間の距離はサイドエッチングのエッチングレートに応じて決定するとよい。なお、サイドエッチングを伴う第2のエッチングにより、第1の導電膜202を加工して形成される導電層(ゲート電極層216)に角が生成せず、又は角が生成される場合であっても生成される角が小さくなるように形成することができる。
次に、第1のレジストマスク212を用いて第1のエッチングを行う。すなわち、第1の絶縁膜204、半導体膜206、不純物半導体膜208及び第2の導電膜210をエッチングによりパターニングし、薄膜積層体214を形成する(図35及び図40(B)を参照)。このとき、少なくとも第1の導電膜202の表面を露出させることが好ましい。このエッチング工程を第1のエッチングとよぶ。第1のエッチングは、ドライエッチング又はウエットエッチングのいずれかを用いればよい。なお、第1のエッチングをドライエッチングにより行う場合には一の工程にて行うことが可能であるが、第1のエッチングをウエットエッチングにより行う場合には複数の工程により第1のエッチングを行うと良い。被エッチング膜の種類によってエッチングレートが異なり、一の工程にて行うことが困難だからである。
次に、第1のレジストマスク212を用いて第2のエッチングを行う。すなわち、第1の導電膜202をエッチングによりパターニングし、ゲート電極層216を形成する(図36及び図40(C)を参照)。
なお、ゲート電極層216は、薄膜トランジスタのゲート電極、ゲート配線、容量素子の一方の電極、第1の電源線、及び支持部を構成している。ゲート電極層216Aと表記する場合には、ゲート配線、第1のトランジスタ181のゲート電極、及び第3のトランジスタ183のゲート電極を構成する電極層を指す。ゲート電極層216Bと表記する場合には、第2のトランジスタ182のゲート電極、及び容量素子184の一方の電極を構成する電極層を指す。ゲート電極層216Cと表記する場合には、支持部を構成する電極層を指す。ゲート電極層216Dと表記する場合には、第1の電源線187を構成する電極層を指す。そして、これらを総括してゲート電極層216と呼ぶ。
第2のエッチングは、第1の導電膜202により形成されるゲート電極層216の側面が、薄膜積層体214の側面より内側に形成されるエッチング条件により行う。換言すると、ゲート電極層216の側面が、薄膜積層体214の底面に接して形成されるようにエッチングを行う(A1−A2断面においてゲート電極層216の幅が薄膜積層体214の幅より小さくなるようにエッチングを行う)。更には、第2の導電膜210に対するエッチングレートが小さく、且つ第1の導電膜202に対するエッチングレートが大きい条件により行う。換言すると、第2の導電膜210に対する第1の導電膜202のエッチング選択比が大きい条件により行う。このような条件により第2のエッチングを行うことで、ゲート電極層216を形成することができる。
なお、ゲート電極層216の側面の形状は特に限定されない。例えば、テーパ形状であっても良い。ゲート電極層216の側面の形状は、第2のエッチングにおいて用いる薬液等の条件によって決められるものである。
ここで、「第2の導電膜210に対するエッチングレートが小さく、且つ第1の導電膜202に対するエッチングレートが大きい条件」、又は「第2の導電膜210に対する第1の導電膜202のエッチング選択比が大きい条件」とは、以下の第1の要件及び第2の要件を満たすものをいう。
第1の要件は、ゲート電極層216が必要な箇所に残存することである。ゲート電極層216の必要な箇所とは、図36乃至図39に点線で示される領域をいう。すなわち、第2のエッチング後に、ゲート電極層216がゲート配線、トランジスタが有するゲート電極、及び容量素子が有する一の電極を構成するように残存することが必要である。ゲート電極層がゲート配線及び第1の電源線を構成するためには、これらの配線が断線しないように第2のエッチングを行う必要がある。図36及び図40(C)に示されるように、薄膜積層体214の側面から間隔dだけ内側にゲート電極層216の側面が形成されることが好ましく、間隔dは実施者がレイアウトに従って適宜設定すればよい。
第2の要件は、ゲート電極層216により構成されるゲート配線及び第1の電源線の最小幅d、並びにソース電極及びドレイン電極層220により構成されるソース配線の最小幅dが適切なものとなることである(図39を参照)。第2のエッチングによりソース電極及びドレイン電極層220がエッチングされるとソース配線の最小幅dが小さくなり、ソース配線の電流密度が過大となり、電気的特性が低下するためである。そのため、第2のエッチングは、第1の導電膜202のエッチングレートが過大にならず、且つ第2の導電膜210のエッチングレートが可能な限り小さい条件で行う。
ここで、レジスト開口部213A〜213Lを設けない場合について考察する。レジスト開口部213A〜213Lを設けない場合には、ソース配線の最小幅dは大きくすることが困難である。レジスト開口部213A〜213Lを設けない場合には、ソース配線の最小幅dはソース配線と重畳する半導体層の最小幅dにより決まり、ソース配線の最小幅dを大きくするためには半導体層の最小幅dを大きくせねばならず、隣接するゲート配線と電源線とを絶縁させることが困難になるためである。この場合には、半導体層の最小幅dは、前記した間隔dの概ね2倍よりも小さくすることを要する。換言すると、間隔dは半導体層の最小幅dの約半分よりも大きくしなければならない。このため、設計可能なレイアウトが限られてしまうことになる。更には、第2のエッチングに用いる薬液のエッチングレートが十分なものでなければならず、隣接するゲート配線と第1の電源線とを分離して絶縁を確実なものとするためには、第2のエッチングに用いることのできるエッチングガス又は薬液の種類等が限定されてしまう。
そこで、上記説明したように、第1のレジストマスク212にレジスト開口部213A〜213Lを設けることで、第2のエッチングに用いるエッチングガス又は薬液等の侵入経路の数が増加し、ゲート電極層216の形状を良好なものとすることができる。更には、エッチングに用いる薬液の選択の幅が拡がり、材料の選択の幅も拡がることになる。
また、レジスト開口部213A〜213Lを設けない場合には、上記したように、上面図においてゲート電極層216に角が形成されることがある。これは、第2のエッチングが概略等方的であるためである。更には、隣接するゲート配線と第1の電源線との間で角が接してしまうことで、隣り合うゲート配線と第1の電源線とが導通してしまい、歩留まり低下の原因となることがあった。しかし、上記説明したようにレジスト開口部213A〜213Lを設けることで、隣接するゲート配線と第1の電源線の絶縁を確実に行うことができ、歩留まりを向上させることができる。
また、開口部を設けずに隣接するゲート配線と第1の電源線との間の絶縁を確実にできる場合であっても、上記説明した角が存在することによって寄生容量が発生し、信号の遅延等の原因となる場合があった。上記説明したように、第1のレジストマスク212にレジスト開口部213A〜213Lを設けることで、角をなくし、又は角を小さくすることができる。そのため、寄生容量の発生を抑制し、特性に優れた表示装置等を作製することができる。
なお、ソース配線と重畳する半導体層の幅を最小幅dとする部分は、ゲート配線と、該ゲート配線と隣り合う第1の電源線との間に少なくとも一箇所あればよい。好ましくは、図39に示すように、ゲート配線に隣接する領域及び第1の電源線に隣接する領域の半導体層の幅を最小幅dとすればよい。
なお、ソース配線と重畳する半導体層の幅を最小幅dとする部分と同様に、第1のレジストマスク212に設けるレジスト開口部は隣り合うゲート配線と第1の電源線との間に一つ設ければよく、必ずしも全てを設ける必要はない。
しかし、レジスト開口部213A〜213Lを設けることで、形成されるソース配線の幅が狭くなるという問題がある。配線の断面積が狭くなると電流の通路が狭くなり、発熱量が増大する。配線の発熱量が増大すると、使用時における断線等を生じ、電子機器の故障の原因となる。つまり、信頼性が低下することになる。
そこで、実施の形態1と同様に、ソース配線の断面積を小さくすることなくレジスト開口部を設けることが好ましい。ソース配線の断面積を小さくすることなくレジスト開口部を設けるには、開口部の周囲において開口部の幅の分だけソース配線を拡げればよい(図示しない)。開口部の周囲においてソース配線を拡げることで、ソース配線の幅を狭めることなく開口部を設けることができる。
または、ソース配線を形成する第2の導電膜210を厚く形成することで発熱量を抑えても良い。
なお、ソース電極及びドレイン電極層により形成される、画素電極層と接続される部分の電極の幅はソース配線の最小幅dとすることが好ましい。
上記説明したように、サイドエッチングを伴う条件により第2のエッチングを行うことは非常に重要である。第2のエッチングが第1の導電膜202のサイドエッチングを伴うことによって、ゲート電極層216により構成される、隣接するゲート配線間のみならず、画素回路内の素子の接続を所望のものとするようにパターンの形成をすることができるためである。
ここで、第2のエッチングは、サイドエッチングを伴うエッチングであるため、エッチングは概略等方的に進行する。上記説明したように、第1のエッチングにより少なくとも第1の導電膜202の表面を露出させ、第2のエッチングによりゲート電極層216を形成することで、前記間隔dを第1の導電膜202の厚さより小さくすることが可能になる。すなわち、前記間隔dを第1の導電膜202の厚さに対して独立に設計することができ、画素構造のレイアウト設計の自由度が向上する。
ここで、サイドエッチングとは、被エッチング膜の厚さ方向(基板面に垂直な方向又は下地膜の面に垂直な方向)のみならず、厚さ方向に対して垂直な方向(基板面に平行な方向又は下地膜の面に平行な方向)にも被エッチング膜が削られるエッチングをいう。サイドエッチングされた被エッチング膜の端部は、被エッチング膜に対するエッチングガス又はエッチングに用いる薬液のエッチングレートによって様々な形状となるように形成されるが、端部が曲面となるように形成されることが多い。
なお、図36に示すゲート電極層216Cは、薄膜積層体214を支える支持部として機能する。支持部を有することで、ゲート電極層より上に形成されるゲート絶縁膜等の膜剥がれを防止することができる。更には支持部を設けることで、第2のエッチングによりゲート電極層216に接して形成される、空洞の領域が必要以上に広くなることを防止できる。なお、支持部を設けることで、薄膜積層体214が自重によって破壊され、又は破損することをも防止することができ、歩留まりが向上するため好ましい。ただし、これに限定されず、支持部を設けなくとも良い。
以上説明したように、第2のエッチングは、ウエットエッチングにより行うことが好ましい。
第2のエッチングをウエットエッチングによって行う場合、第1の導電膜202としてアルミニウム又はモリブデンを形成し、第2の導電膜210としてチタン又はタングステンを形成し、エッチングには硝酸、酢酸及びリン酸を含む薬液を用いればよい。または、第1の導電膜202としてモリブデンを形成し、第2の導電膜210としてチタン、アルミニウム又はタングステンを形成し、エッチングには過酸化水素水を含む薬液を用いればよい。
第2のエッチングをウエットエッチングによって行う場合、最も好ましくは、第1の導電膜202としてネオジムを添加したアルミニウム上にモリブデンを形成した積層膜を形成し、第2の導電膜210としてタングステンを形成し、エッチングには硝酸を2%、酢酸を10%、リン酸を72%含む薬液を用いる。このような組成の薬液を用いることで、第2の導電膜210がエッチングされることなく、第1の導電膜202がエッチングされる。なお、第1の導電膜202に添加したネオジムは、アルミニウムの低抵抗化とヒロックの発生防止を目的として添加されたものである。
次に、第1のレジストマスク212を後退させて、第2の導電膜210を露出させつつ、第2のレジストマスク218を形成する。第1のレジストマスク212を後退させて、第2のレジストマスク218を形成する手段としては、例えば酸素プラズマを用いたアッシングが挙げられる。しかし、第1のレジストマスク212を後退させて第2のレジストマスク218を形成する手段はこれに限定されるものではない。第2のレジストマスク218が形成される領域は、第1のレジストマスク212の凸部の領域と概略一致する。なお、ここでは第2のエッチングの後に第2のレジストマスク218を形成する場合について説明したが、これに限定されず、第2のレジストマスク218を形成した後に第2のエッチングを行ってもよい。
なお、第1のレジストマスク212の形成に多階調マスクを用いない場合には、異なるフォトマスクを用いて第2のレジストマスク218を別途形成すればよい。
次に、第2のレジストマスク218を用いて、薄膜積層体214における第2の導電膜210をエッチングし、ソース電極及びドレイン電極層220を形成する(図37及び図41(D)を参照)。ここでエッチング条件は、第2の導電膜210以外の膜に対する食刻及び腐食が生じず、又は生じ難い条件を選択する。特に、ゲート電極層216の食刻及び腐食が生じず、又は生じ難い条件により行うことが重要である。
なお、ソース電極及びドレイン電極層220は、薄膜トランジスタのソース電極若しくはドレイン電極、ソース配線、第2の電源線189、容量素子の他方の電極、及び薄膜トランジスタと発光素子の一の電極とを接続する電極を構成している。ソース電極及びドレイン電極層220Aと表記する場合には、ソース配線188、及び第1のトランジスタ181のソース電極及びドレイン電極の一方を構成する電極層を指す。ソース電極及びドレイン電極層220Bと表記する場合には、容量素子184の他方の電極、第2のトランジスタ182のソース電極及びドレイン電極の一方、第3のトランジスタ183のソース電極及びドレイン電極の一方、並びにこれらから発光素子の一の電極に接続される電極を構成する電極層を指す。ソース電極及びドレイン電極層220Cと表記する場合には、第1のトランジスタ181のソース電極及びドレイン電極の他方、及び第1のトランジスタ181と画素電極とを接続する電極を構成する電極層を指す。ソース電極及びドレイン電極層220Dと表記する場合には、第2の電源線189、及び第2のトランジスタ182のソース電極及びドレイン電極の他方を構成する電極層を指す。ソース電極及びドレイン電極層220Eと表記する場合には、第3のトランジスタ183のソース電極及びドレイン電極の他方を構成する電極層を指す。
なお、第2のレジストマスク218Aは、ソース電極及びドレイン電極層220Aと重畳するものを指し、第2のレジストマスク218Bは、ソース電極及びドレイン電極層220Bと重畳するものを指し、第2のレジストマスク218Cは、ソース電極及びドレイン電極層220Cと重畳するものを指し、第2のレジストマスク218Dは、ソース電極及びドレイン電極層220Dと重畳するものを指し、第2のレジストマスク218Eは、ソース電極及びドレイン電極層220Eと重畳するものを指し、第2のレジストマスク218Fは、ソース電極及びドレイン電極層220Fと重畳するものを指す。
なお、薄膜積層体214における第2の導電膜210のエッチングは、ウエットエッチング又はドライエッチングのどちらを用いても良い。
続いて、薄膜積層体214における不純物半導体膜208及び半導体膜206の上部(バックチャネル部)をエッチングして、ソース領域及びドレイン領域222、半導体層224を形成する(図38及び図41(E)を参照)。ここでエッチング条件は、不純物半導体膜208及び半導体膜206以外の膜に対する食刻及び腐食が生じず、又は生じ難い条件を選択する。特に、ゲート電極層216の食刻及び腐食が生じず、又は生じ難い条件により行うことが重要である。
なお、薄膜積層体214における不純物半導体膜208及び半導体膜206の上部(バックチャネル部)のエッチングはドライエッチング又はウエットエッチングにより行うことができる。
その後、第2のレジストマスク218を除去し、薄膜トランジスタが完成する(図41(F)を参照)。上記説明したように、EL表示装置に適用することのできる薄膜トランジスタを一枚のフォトマスク(多階調マスク)により作製することができる。
なお、上記の図41(D)及び図41(E)を参照して説明した工程を一括して第3のエッチングとよぶ。第3のエッチングは、上記説明したように、複数の段階に分けて行っても良いし、一括して行っても良い。
以上のようにして形成した薄膜トランジスタを覆って第2の絶縁膜を形成する。ここで、第2の絶縁膜は、第1の保護膜226のみで形成しても良いが、ここでは第1の保護膜226と第2の保護膜228により形成する(図42(G)及び図46(G)を参照)。第1の保護膜226は、第1の絶縁膜204と同様に形成すればよいが、好ましくは水素を含有する窒化シリコン又は水素を含有する酸化窒化シリコンにより形成し、半導体層に金属等の不純物が侵入して拡散し、汚染されることを防止する。
第2の保護膜228は、表面が概略平坦になる方法により形成する。第2の保護膜228の表面を概略平坦にすることで、第2の保護膜228上に形成される第1の画素電極層232の断切れ等を防止することができるためである。従って、ここで「概略平坦」とは、上記目的を達成しうる程度のものであればよく、高い平坦性が要求されるわけではない。
なお、第2の保護膜228は、例えば、感光性ポリイミド、アクリル又はエポキシ樹脂等により、スピンコーティング法等により形成することができる。ただし、これらの材料又は形成方法に限定されるものではない。
なお、第2の保護膜228は、表面が概略平坦になる方法により形成した上記の保護膜と、これを覆って水分の侵入や放出を防止する保護膜を積層して形成したものであることが好ましい。水分の侵入や放出を防止する保護膜は、具体的には、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム又は窒化アルミニウム等により形成されていることが好ましい。形成方法としてはスパッタリング法を用いることが好ましい。
次に、第2の絶縁膜に第1の開口部230及び第2の開口部231を形成する(図42(H)及び図46(I)を参照)。第1の開口部230は、ソース電極及びドレイン電極層の少なくとも表面に達するように形成する。第2の開口部231は、ゲート電極層の少なくとも表面に達するように形成する。第1の開口部230及び第2の開口部231の形成方法は、特定の方法に限定されず、第1の開口部230の径などに応じて実施者が適宜選択すればよい。例えば、フォトリソグラフィ法によりドライエッチングを行うことで第1の開口部230及び第2の開口部231を形成することができる。
第1の開口部230は、ソース電極及びドレイン電極層220に達するように設けられるものであり、図39に示すように必要な箇所に複数個設ける。第1の開口部230Aはソース電極及びドレイン電極層220C上に設け、第1の開口部230Bはソース電極及びドレイン電極層220B上に設け、第1の開口部230Cはソース電極及びドレイン電極層220E上に設ける。
第2の開口部231は、ゲート電極層216に達するように設けられるものであり、図39に示すように必要な箇所に複数個設ける。すなわち、第2の開口部231は第2の絶縁膜のみならず、第1の絶縁膜204、半導体層224の所望の箇所も除去して設けられるものである。第2の開口部231Aはゲート電極層216B上に設け、第2の開口部231Bはゲート電極層216D上に設ける。
なお、フォトリソグラフィ法によって開口部を形成することで、フォトマスクを1枚使用することになる。
次に、第2の絶縁膜上に第1の画素電極層232を形成する(図39及び図42(I)及び図46(I)を参照)。第1の画素電極層232は、第1の開口部230又は第2の開口部231を介してソース電極及びドレイン電極層220又はゲート電極層216に接続されるように形成する。具体的には、第1の画素電極層232は、第1の開口部230Aを介してソース電極及びドレイン電極層220Cに接続され、第1の開口部230Bを介してソース電極及びドレイン電極層220Bに接続され、第1の開口部230Cを介してソース電極及びドレイン電極層220Eに接続され、第2の開口部231Aを介してゲート電極層216Bに接続され、第2の開口部231Bを介してゲート電極層216Dに接続されるように形成される。
なお、フォトリソグラフィ法によって第1の画素電極層232を形成することで、フォトマスクを1枚使用することになる。
以上説明したように、EL表示装置の画素に適用することのできるトランジスタと、これに接続される画素電極の一方を形成することができる。この画素電極上に更にEL層を形成し、EL層上に画素電極の他方を形成することでEL表示装置を作製することができる。以下に、その後の工程について簡単に説明する。
画素が有する薄膜トランジスタがn型のトランジスタであるため、第1の画素電極層232は、陰極となる材料により形成することが好ましい。陰極となる材料には、仕事関数が小さい材料、例えば、Ca、Al、MgAg、AlLi等が挙げられる。ただし、これらの材料に限定されるものではない。また、第1の画素電極層232は、単層で形成しても良いし、複数の膜を積層した積層膜としてもよい。
次に、第1の画素電極層232の側面(端部)及び第2の絶縁膜上に隔壁233を形成する(図46(J)を参照)。隔壁233は開口部を有し、該開口部において第1の画素電極層232が露出されるように形成する。隔壁233は、有機樹脂膜、無機絶縁膜又は有機ポリシロキサンを用いて形成する。具体的には、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、アクリル、ベンゾシクロブテン系樹脂を用いて形成するとよい。特に感光性の材料を用いて、第1の画素電極層232上に開口部を形成し、その開口部の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
次に、隔壁233の開口部において第1の画素電極層232と接するように、EL層234を形成する(図46(J)を参照)。EL層234は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されて形成された積層膜により構成されていても良い。EL層234は、少なくとも発光層を有する。発光層はホール輸送層を介して第2の画素電極層235と接続されることが好ましい。
そして、EL層234を覆うように、陽極となる材料により第2の画素電極層235を形成する。第2の画素電極層235は図34における共通電極190に相当する。第2の画素電極層235は、透光性を有する導電性材料により形成することができる。ここで、透光性を有する導電性材料としては、インジウム錫酸化物(以下、ITOという)、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、又は酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物等が挙げられる。透光性を有する導電性材料の膜の形成はスパッタリング法又はCVD法等により行えばよいが、特定の方法に限定されるものではない。また、第2の画素電極層235についても単層で形成しても良いし、複数の膜を積層した積層膜としてもよい。
ここでは、第2の画素電極層235としてITOを用いる。隔壁233の開口部において、第1の画素電極層232とEL層234と第2の画素電極層235が重なり合うことで、発光素子236が形成される。発光素子236は、図34における発光素子185に相当する。この後、発光素子236に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の画素電極層235及び隔壁233上に第3の保護膜(図示しない)を形成することが好ましい。第3の保護膜は、第1の保護膜226と同様の材料により水分の侵入や放出を防止する機能を有するものを選択する。窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム又は窒化アルミニウム等により形成されていることが好ましい。更に、第3の保護膜を覆って窒化シリコン膜又はDLC膜等を有することが好ましい。
そして、外気に曝されないように、保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)又はカバー材によって、更なるパッケージング(封入)をすることが好ましい。保護フィルム及びカバー材は、ガス透過性が低く、脱ガスの少ない材料により設けることが好ましい。
以上説明したように、上面射出構造(トップエミッション)型EL表示装置の発光素子まで形成することができる(図46(J)を参照)。しかし、本実施の形態のEL表示装置は、上記の説明に限定されず、下面射出構造(ボトムエミッション)型EL表示装置、または両面射出構造(デュアルエミッション)型EL表示装置に適用することも可能である。下面射出構造及び両面射出構造では、第1の画素電極層232に透光性を有する導電性材料を用いればよい。なお、第1の画素電極層232を陽極となる材料により形成する場合には、第1の画素電極層232は、例えば、ITOにより形成することができる。第1の画素電極層232をこのような構造にすることで、ボトムエミッション型のEL表示装置を作製することができる。この場合、EL層234を覆うように、陰極となる材料により第2の画素電極層235を形成するとよい。陰極となる材料には、仕事関数が小さい材料、例えば、Ca、Al、MgAg、AlLi等が挙げられる。なお、EL層234及び第2の画素電極層235は、マスクを用いた蒸着により形成することが好ましい。従って、第2の画素電極層235は、蒸着により形成することが可能な材料により形成するとよい。
なお、上記で説明した保護膜等は上記した材料又は形成方法に限定されず、EL層の発光を妨げず、劣化等を防止することができる膜であればよい。
または、上面射出構造において、画素回路が形成されている領域をも含むように第1の画素電極層232Aを形成してもよい。この場合には、まず、第1の画素電極層232B及び第1の画素電極層232Cに相当する導電層のみを形成し、該導電層上に第1の開口部230Dを有する絶縁膜を形成し、第1の開口部230Dを介してソース電極及びドレイン電極層220Fに接続されるように第1の画素電極層232Aを形成すればよい。画素回路が形成されている領域をも含むように第1の画素電極層232Aを形成することで、発光領域を拡大することができ、より高精細な表示が可能となる。
なお、ここでは、発光素子として有機EL素子について述べたが、発光素子として無機EL素子を用いることも可能である。
なお、端子接続部については実施の形態1にて説明したものと同様である。
以上のように、EL表示装置を作製することができる。
上記説明したように、薄膜トランジスタ及び表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。具体的には、上記の説明のように、1枚のフォトマスク(多階調マスク)を用いて薄膜トランジスタを作製することができる。また、3枚のフォトマスクを用いて画素トランジスタを有するアクティブマトリクス基板を作製することができる。従って、用いるフォトマスクの枚数が低減されることから、薄膜トランジスタ及びEL表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。
また、裏面露光、レジストリフロー及びリフトオフ法等の複雑な工程を経ることなく、薄膜トランジスタの作製工程数を大幅に削減することができる。そのため、複雑な工程を経ることなく、表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。従って、歩留まりを低下させることなく、EL表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。従って、歩留まりを低下させることなく、表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。
また、薄膜トランジスタの電気的特性を維持しつつ、薄膜トランジスタの作製工程を大幅に削減することができる。
また、上記説明したように開口部を設けることで、第2のエッチングにおいてエッチングに用いる薬液又はガスがエッチングされる膜に接触する面積を大きくすることができる。そのため、第2のエッチングの制御性を向上させ、開口部を設けない場合と比較して寄生容量の小さい薄膜トランジスタを作製することができる。また、ゲート電極層により形成される隣り合う配線間の絶縁不良を防止することができ、高い歩留まりで薄膜トランジスタを作製することができる。
また、第2のエッチングにおいてエッチングに用いる薬液又はガスがエッチングされる膜に接触する面積を大きくすることで、作製工程において発生した残渣等が被エッチング面に存在してエッチングを阻害するおそれのある場合であっても、良好にエッチングすることができる。
更には、開口部を有することで、レイアウトが第2のエッチングにおけるサイドエッチ量に拘束されない。そのため、レイアウトの自由度を低下させることなく、薄膜トランジスタ及び表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。
更には、開口部において配線を拡大することで、発熱量の増大を防止することができ、信頼性を向上させることができる。
なお、ゲート電極層端部に生じるリーク電流が小さい薄膜トランジスタを作製することができるため、コントラスト比が高く、表示品質が良好な表示装置を得ることができる。
なお、開示する発明は、上記説明した画素構造に限定されず、様々なEL表示装置に適用することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態は、実施の形態1乃至実施の形態3にて説明した方法により作製した表示パネル又は表示装置を表示部として組み込んだ電子機器について図43乃至図45を参照して説明する。このような電子機器としては、例えば、ビデオカメラ若しくはデジタルカメラ等のカメラ、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、プロジェクタ、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)が挙げられる。それらの一例を図43に示す。
図43(A)はテレビジョン装置を示す。表示パネルを筐体に組み込むことで、図43(A)に示すテレビジョン装置を完成させることができる。実施の形態1乃至実施の形態3にて説明した作製方法を適用した表示パネルにより主画面323が形成され、その他付属設備としてスピーカ部329、操作スイッチ等が備えられている。
図43(A)に示すように、筐体321に実施の形態1乃至実施の形態3にて説明した作製方法を適用した表示用パネル322が組み込まれ、受信機325により一般のテレビ放送の受信をはじめ、モデム324を介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、又は受信者間同士)の情報通信をすることもできる。テレビジョン装置の操作は、筐体に組みこまれたスイッチ又は別体のリモコン操作機326により行うことが可能であり、このリモコン操作機326にも、出力する情報を表示する表示部327が設けられていても良い。
また、テレビジョン装置にも、主画面323の他にサブ画面328を第2の表示パネルで形成し、チャネルや音量などを表示する構成が付加されていても良い。
図44は、テレビ装置の主要な構成を示すブロック図を示している。表示パネルには、画素部351が形成されている。信号線駆動回路352と走査線駆動回路353は、表示パネルにCOG方式により実装されていても良い。
その他の外部回路の構成として、映像信号の入力側では、チューナ354で受信した信号のうち、映像信号を増幅する映像信号増幅回路355と、そこから出力される信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路356と、その映像信号をドライバICの入力仕様に変換するためのコントロール回路357等を有している。コントロール回路357は、走査線側と信号線側にそれぞれ信号を出力する。デジタル駆動する場合には、信号線側に信号分割回路358を設け、入力デジタル信号を整数個に分割して供給する構成としても良い。
チューナ354で受信した信号のうち、音声信号は、音声信号増幅回路359に送られ、その出力は音声信号処理回路360を経てスピーカ363に供給される。制御回路361は受信局(受信周波数)、音量の制御情報を入力部362から受け、チューナ354及び音声信号処理回路360に信号を送出する。
勿論、本発明の一態様である表示装置はテレビジョン装置に限定されず、パーソナルコンピュータのモニタをはじめ、鉄道の駅や空港等における情報表示盤、又は街頭における広告表示盤等の大面積の表示媒体にも適用することができる。そのため、上記実施の形態の一である表示装置の作製方法を適用することで、これらの表示媒体の生産性を向上させることができる。
主画面323、サブ画面328に、実施の形態1乃至実施の形態3で説明した表示装置の作製方法を適用した表示パネル又は表示装置を用いることで、テレビ装置の生産性を高めることができる。
また、図43(B)に示す携帯型のコンピュータは、本体331及び表示部332等を有する。表示部332に、実施の形態1乃至実施の形態3で説明した表示装置の作製方法を適用した表示パネル又は表示装置を用いることで、コンピュータの生産性を高めることができる。
図45は、携帯電話の一例であり、図45(A)が正面図、図45(B)が背面図、図45(C)が2つの筐体をスライドさせたときの正面図である。携帯電話は、筐体301及び筐体302の二つの筐体で構成されている。携帯電話は、携帯電話と携帯情報端末の双方の機能を備えており、コンピュータを内蔵し、音声通話以外にも様々なデータ処理が可能な所謂スマートフォンである。
筐体301においては、表示部303、スピーカ304、マイクロフォン305、操作キー306、ポインティングデバイス307、表面カメラ用レンズ308、外部接続端子ジャック309及びイヤホン端子310等を備え、筐体302においては、キーボード311、外部メモリスロット312、裏面カメラ313、ライト314等により構成されている。また、アンテナは筐体301に内蔵されている。
また、携帯電話には、上記の構成に加えて、非接触型ICチップ、小型記録装置等を内蔵していてもよい。
重なり合った筐体301と筐体302(図45(A)に示す。)は、スライドさせることが可能であり、スライドさせることで図45(C)のように展開する。表示部303には、実施の形態1乃至実施の形態3で説明した表示装置の作製方法を適用した表示パネル又は表示装置を組み込むことが可能である。表示部303と表面カメラ用レンズ308を同一の面に備えているため、テレビ電話としての使用が可能である。また、表示部303をファインダーとして用いることで、裏面カメラ313及びライト314で静止画及び動画の撮影が可能である。
スピーカ304及びマイクロフォン305を用いることで、携帯電話は、音声記録装置(録音装置)又は音声再生装置として使用することができる。また、操作キー306により、電話の発着信操作、電子メール等の簡単な情報入力操作、表示部に表示する画面のスクロール操作、表示部に表示する情報の選択等を行うカーソルの移動操作等が可能である。
また、書類の作成、携帯情報端末としての使用等、取り扱う情報が多い場合は、キーボード311を用いると便利である。更に、重なり合った筐体301と筐体302(図45(A))をスライドさせることで、図45(C)のように展開させることができる。携帯情報端末として使用する場合には、キーボード311及びポインティングデバイス307を用いて、円滑な操作でカーソルの操作が可能である。外部接続端子ジャック309はACアダプタ及びUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能であり、充電及びパーソナルコンピュータ等とのデータ通信が可能である。また、外部メモリスロット312に記録媒体を挿入し、より大量のデータ保存及び移動が可能になる。
筐体302の裏面(図45(B))には、裏面カメラ313及びライト314を備え、表示部303をファインダーとして静止画及び動画の撮影が可能である。
また、上記の機能構成に加えて、赤外線通信機能、USBポート、テレビワンセグ受信機能、非接触ICチップ又はイヤホンジャック等を備えたものであってもよい。
本実施の形態にて説明した各種電子機器は、実施の形態1乃至実施の形態3にて説明した薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法を適用して作製することができるため、これらの電子機器の生産性を向上させることができる。
従って、これらの電子機器の作製コストを大幅に削減することができる。
更には、実施の形態1乃至実施の形態3にて説明したように、表示品質の高い表示装置を作製することができる。
50 基板
51 第1の層
52 第2の層
53 構造体
54 エッチングされた第1の層
55 角
100 基板
102 第1の導電膜
104 第1の絶縁膜
106 半導体膜
108 不純物半導体膜
110 第2の導電膜
112 第1のレジストマスク
113A レジスト開口部
113B レジスト開口部
113C レジスト開口部
113D レジスト開口部
113E レジスト開口部
113F レジスト開口部
113G レジスト開口部
113H レジスト開口部
113I レジスト開口部
113J レジスト開口部
114 薄膜積層体
116 ゲート電極層
116A ゲート電極層
116B ゲート電極層
116C ゲート電極層
116D ゲート電極層
118 第2のレジストマスク
120 ソース電極及びドレイン電極層
120A ソース電極及びドレイン電極層
120B ソース電極及びドレイン電極層
120C ソース電極及びドレイン電極層
120D ソース電極及びドレイン電極層
122 ソース領域及びドレイン領域
122A ソース領域及びドレイン領域
122B ソース領域及びドレイン領域
122C ソース領域及びドレイン領域
122D ソース領域及びドレイン領域
124 半導体層
126 第1の保護膜
128 第2の保護膜
130 第1の開口部
131 第2の開口部
132 画素電極層
140 グレートーンマスク
141 基板
142 遮光部
143 回折格子部
145 ハーフトーンマスク
146 基板
147 半透光部
148 遮光部
160A 第3の開口部
160B 第3の開口部
161 第4の開口部
170 第1のレジストマスク
171 第2のレジストマスク
172 レジスト開口部
172A〜172J レジスト開口部
181 第1のトランジスタ
182 第2のトランジスタ
183 第3のトランジスタ
184 容量素子
185 発光素子
186 ゲート配線
187 第1の電源線
188 ソース配線
189 第2の電源線
190 共通電極
191 画素
200 基板
202 第1の導電膜
204 第1の絶縁膜
206 半導体膜
208 不純物半導体膜
210 第2の導電膜
212 第1のレジストマスク
213A〜213L レジスト開口部
214 薄膜積層体
216 ゲート電極層
216A ゲート電極層
216B ゲート電極層
216C ゲート電極層
216D ゲート電極層
218 第2のレジストマスク
218A 第2のレジストマスク
218B 第2のレジストマスク
218C 第2のレジストマスク
218D 第2のレジストマスク
218E 第2のレジストマスク
218F 第2のレジストマスク
220 ソース電極及びドレイン電極層
220A ソース電極及びドレイン電極層
220B ソース電極及びドレイン電極層
220C ソース電極及びドレイン電極層
220D ソース電極及びドレイン電極層
220E ソース電極及びドレイン電極層
220F ソース電極及びドレイン電極層
222 ソース領域及びドレイン領域
222A ソース領域及びドレイン領域
222B ソース領域及びドレイン領域
222C ソース領域及びドレイン領域
222D ソース領域及びドレイン領域
224 半導体層
226 第1の保護膜
228 第2の保護膜
230 第1の開口部
230A 第1の開口部
230B 第1の開口部
230C 第1の開口部
230D 第1の開口部
231 第2の開口部
231A 第2の開口部
231B 第2の開口部
232 第1の画素電極層
232A 第1の画素電極層
232B 第1の画素電極層
232C 第1の画素電極層
233 隔壁
234 EL層
235 第2の画素電極層
236 発光素子
301 筐体
302 筐体
303 表示部
304 スピーカ
305 マイクロフォン
306 操作キー
307 ポインティングデバイス
308 表面カメラ用レンズ
309 外部接続端子ジャック
310 イヤホン端子
311 キーボード
312 外部メモリスロット
313 裏面カメラ
314 ライト
321 筐体
322 表示用パネル
323 主画面
324 モデム
325 受信機
326 リモコン操作機
327 表示部
328 サブ画面
329 スピーカ部
331 本体
332 表示部
351 画素部
352 信号線駆動回路
353 走査線駆動回路
354 チューナ
355 映像信号増幅回路
356 映像信号処理回路
357 コントロール回路
358 信号分割回路
359 音声信号増幅回路
360 音声信号処理回路
361 制御回路
362 入力部
363 スピーカ

Claims (15)

  1. 第1の導電膜、絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、
    前記第2の導電膜上に凹部を有し、且つ前記第2の導電膜を加工して形成される配線の領域において前記第1の導電膜を加工して形成される隣り合う配線間に少なくとも一の開口部を有する第1のレジストマスクを形成し、
    前記第1のレジストマスクを用いて、前記絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行って前記第1の導電膜の少なくとも表面を露出させ、
    前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、
    前記第1のレジストマスクを後退させることで前記第1のレジストマスクの凹部と重畳する前記第2の導電膜を露出させつつ第2のレジストマスクを形成し、
    前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  2. 第1の導電膜、絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、
    前記第2の導電膜上に凹部を有し、且つ前記第2の導電膜を加工して形成される配線の領域において前記第1の導電膜を加工して形成される隣り合う配線間に少なくとも一の開口部を有する第1のレジストマスクを形成し、
    前記第1のレジストマスクを用いて、前記絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行って前記第1の導電膜の少なくとも表面を露出させ、
    前記第1のレジストマスクを後退させることで前記第1のレジストマスクの凹部と重畳する前記第2の導電膜を露出させつつ第2のレジストマスクを形成し、
    前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、
    前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  3. 第1の導電膜、絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、
    前記第2の導電膜上に凹部を有し、且つ前記第2の導電膜を加工して形成される配線の領域において前記第1の導電膜を加工して形成される隣り合う配線間に少なくとも一の開口部を有する第1のレジストマスクを形成し、
    前記第1のレジストマスクを用いて、前記第1の導電膜、前記絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行い、
    前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、
    前記第1のレジストマスクを後退させることで前記第1のレジストマスクの凹部と重畳する前記第2の導電膜を露出させつつ第2のレジストマスクを形成し、
    前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  4. 第1の導電膜、絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、
    前記第2の導電膜上に凹部を有し、且つ前記第2の導電膜を加工して形成される配線の領域において前記第1の導電膜を加工して形成される隣り合う配線間に少なくとも一の開口部を有する第1のレジストマスクを形成し、
    前記第1のレジストマスクを用いて、前記第1の導電膜、前記絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行い、
    前記第1のレジストマスクを後退させることで前記第1のレジストマスクの凹部と重畳する前記第2の導電膜を露出させつつ第2のレジストマスクを形成し、
    前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、
    前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
    前記第1のレジストマスクは多階調マスクを用いて形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
    前記第1のエッチングによって素子領域を形成し、
    前記第2のエッチングによって前記素子領域の側面から概ね等しい距離だけ内側にゲート電極層の側面を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
    前記第1のエッチングはドライエッチングであり、
    前記第2のエッチングはウエットエッチングであることを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一において、
    前記開口部は、前記第2の導電膜を加工して形成される配線の領域上であって、前記第1の導電膜を加工して形成される前記配線と前記第2の導電膜を加工して形成される前記配線の交差部で前記第1の導電膜を加工して形成される前記配線を挟んで設けられていることを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  9. 第1の導電膜、第1の絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、
    前記第2の導電膜上に凹部を有し、且つ前記第2の導電膜を加工して形成される配線の領域において前記第1の導電膜を加工して形成される隣り合う配線間に少なくとも一の開口部を有する第1のレジストマスクを形成し、
    前記第1のレジストマスクを用いて、前記第1の絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行って前記第1の導電膜の少なくとも表面を露出させ、
    前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、
    前記第1のレジストマスクを後退させることで前記第1のレジストマスクの凹部と重畳する前記第2の導電膜を露出させつつ第2のレジストマスクを形成し、
    前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することで薄膜トランジスタを形成し、
    前記第2のレジストマスクを除去し、前記薄膜トランジスタを覆って第2の絶縁膜を形成し、
    前記ソース電極及びドレイン電極層の一部を露出するように前記第2の絶縁膜に開口部を形成し、
    前記第2の絶縁膜に形成された前記開口部及び前記第2の絶縁膜上に画素電極を選択的に形成することを特徴とする表示装置の作製方法。
  10. 第1の導電膜、第1の絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、
    前記第2の導電膜上に凹部を有し、且つ前記第2の導電膜を加工して形成される配線の領域において前記第1の導電膜を加工して形成される隣り合う配線間に少なくとも一の開口部を有する第1のレジストマスクを形成し、
    前記第1のレジストマスクを用いて、前記第1の絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行って前記第1の導電膜の少なくとも表面を露出させ、
    前記第1のレジストマスクを後退させることで前記第1のレジストマスクの凹部と重畳する前記第2の導電膜を露出させつつ第2のレジストマスクを形成し、
    前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、
    前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することで薄膜トランジスタを形成し、
    前記第2のレジストマスクを除去し、前記薄膜トランジスタを覆って第2の絶縁膜を形成し、
    前記ソース電極及びドレイン電極層の一部を露出するように前記第2の絶縁膜に開口部を形成し、
    前記第2の絶縁膜に形成された前記開口部及び前記第2の絶縁膜上に画素電極を選択的に形成することを特徴とする表示装置の作製方法。
  11. 請求項9又は請求項10において、
    前記第1のレジストマスクは多階調マスクを用いて形成することを特徴とする表示装置の作製方法。
  12. 請求項9乃至請求項11のいずれか一において、
    前記第1のエッチングによって素子領域を形成し、
    前記第2のエッチングによって前記素子領域の側面から概ね等しい距離だけ内側にゲート電極層の側面を形成することを特徴とする表示装置の作製方法。
  13. 請求項9乃至請求項12のいずれか一において、
    前記第1のエッチングはドライエッチングであり、前記第2のエッチングはウエットエッチングであることを特徴とする表示装置の作製方法。
  14. 請求項9乃至請求項13のいずれか一において、
    前記第2の絶縁膜は、CVD法又はスパッタリング法により形成した絶縁膜と、スピンコート法により形成した絶縁膜と、を積層して形成することを特徴とする表示装置の作製方法。
  15. 請求項9乃至請求項14のいずれか一において、
    前記第1のレジストマスクが有する開口部は、前記第2の導電膜を加工して形成される配線が形成される領域上であって、前記第1の導電膜を加工して形成される配線と前記第2の導電膜を加工して形成される前記配線の交差部で前記第1の導電膜を加工して形成される前記配線を挟んで形成されることを特徴とする表示装置の作製方法。
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