JP2009246124A - 中間層形成塗布液、および有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、並びに有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

中間層形成塗布液、および有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、並びに有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】真空雰囲気を必要とすることなく中間層を簡易な方法で形成するための手段、およびこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、並びに有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することである。
【解決手段】有機EL素子1は、基板6、陽極2、正孔注入層7、発光層4、電子注入層5および陰極3がこの順で積層されて構成される。電子注入層5は、アルカリ金属塩を溶解して得られうる中間層用塗布液を、発光層4の表面上に塗布することによって成膜される。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子における中間層の形成に用いられる中間層形成塗布液、および有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、並びにこれを用いて形成される有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
発光素子の一つに有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という場合がある。)がある。有機EL素子は、有機物を含む発光層と、この発光層を挟む一対の電極(陽極および陰極)とを備え、当該一対の電極に電圧を印加することによって、陽極から正孔が注入されるとともに陰極から電子が注入され、これら正孔と電子とが発光層において結合することで発光する。このような有機EL素子では、駆動電圧の低電圧化や素子の長寿命化などを目的として、電極と発光層との間に発光層とは異なる中間層を設けている。このような中間層としては、例えば電子注入層、正孔注入層、正孔輸送層および電子輸送層などがある(例えば特許文献1または2参照)。
特開平9−17574号公報 特開2000−243569号公報
電子注入層は、例えば電子ビーム(Electron Beam:略称EB)蒸着法、または抵抗加熱蒸着法などの蒸着法によって形成されている。このような方法では、真空雰囲気を作り出すために真空装置が必要となるので、装置および工程が複雑になり、素子の製造コストが高くなるという問題がある。
従って本発明の目的は、真空雰囲気を必要とすることなく中間層を簡易な方法で形成するための手段、およびこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、並びに有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することである。
上記課題を解決するために本発明者らは、真空雰囲気を必要としない塗布法で中間層を形成する方法を検討し、当該塗布法に使用可能であり、かつ中間層の形成に用いることができる中間層形成塗布液を見出して本発明を完成させるに至った。
本発明は、少なくとも一対の電極と、一対の電極間に設けられ、有機物を含む発光層と、電極および発光層の間に設けられる中間層とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子における中間層の形成に用いられる塗布液であって、アルカリ金属塩を溶解して得られることを特徴とする中間層形成塗布液である。
また本発明は、前記アルカリ金属塩が、モリブデン酸、タングステン酸、タンタル酸、ニオブ酸、バナジウム酸、チタン酸、および亜鉛酸から成る群から選択される少なくとも1種の塩であることを特徴とする中間層形成塗布液である。
また本発明は、前記アルカリ金属塩が、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムから成る群から選択される少なくとも1種の塩であること特徴とする中間層形成塗布液である。
また本発明は、前記アルカリ金属塩が、セシウム塩であることを特徴とする中間層形成塗布液である。
また本発明は、前記アルカリ金属塩が、モリブデン酸セシウムであることを特徴とする中間層形成塗布液である。
また本発明は、アルコール及び/又は水を含むことを特徴とする中間層形成塗布液である。
また本発明は、界面活性剤を含むことを特徴とする中間層形成塗布液である。
また本発明は、ポリエチレンナフタレートから成る基板に対する接触角が60°以下であることを特徴とする中間層形成塗布液である。
また本発明は、水素イオン指数が7以上13以下であることを特徴とする中間層形成塗布液である。
また本発明は、一対の電極と、一対の電極間に設けられ、有機物を含む発光層と、電極および発光層の間に設けられる中間層とをそれぞれ成膜することで有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する方法であって、
前記中間層形成塗布液を用いて、塗布法によって前記中間層を成膜することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
また本発明は、一対の電極と、
一対の電極間に設けられ、有機物を含む発光層と、
電極および発光層の間に設けられる中間層とを備え、
前記中間層が、前記中間層形成塗布液を用いて塗布法によって形成されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
本発明によれば、中間層形成塗布液を用いることによって、真空雰囲気を作り出すことなく塗布法で中間層を容易に形成することができる。
図1は、本発明の実施の一形態の有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という場合がある。)1を示す正面図である。本実施の形態の有機EL素子1は、例えばフルカラー表示装置、エリアカラー表示装置および液晶表示装置などの表示装置における光源、並びに照明装置などに用いられる。
本実施の形態の有機EL素子1は、一対の電極(本実施の形態では陽極2および陰極3)と、一対の電極間に設けられ有機物を含む発光層4と、電極(本実施の形態では陰極3)および発光層4の間に設けられる中間層(本実施の形態では電子注入層5)とを備え、該中間層は、後述する中間層形成塗布液を用いて塗布法によって形成される。本実施の形態の有機EL素子1は、基板6と、陽極2および発光層4の間に設けられる正孔注入層7とをさらに備え、基板6上に、陽極2、正孔注入層7、発光層4、電子注入層5および陰極3がこの順に積層されて構成され、それぞれを成膜することで製造される。
本実施の形態の有機EL素子1は、発光層4からの光を基板6側から取出すいわゆるボトムエミッション型の素子であり、可視光領域の光に対する透過率の高い基板6が好適に用いられる。また基板6としては有機EL素子1を形成する工程において変化しないものが好適に用いられ、リジッド基板でも、フレキシブル基板でもよく、例えばガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板、金属板、これらを積層したものなどが好適に用いられる。さらに、プラスチック、高分子フィルムなどに低透水化処理を施したものを用いることも出来る。前記基板6としては、市販のものを使用可能であり、又は公知の方法により製造することができる。なお陰極3側から光を取出すいわゆるトップエミッション型の有機EL素子では、基板は不透光性のものであってもよい。
陽極2には、電気抵抗の低い薄膜が好適に用いられる。陽極2および陰極3のうちの少なくともいずれか一方は、透明であり、例えばボトムエミッション型の有機EL素子では、基板6側に配置される陽極2は、透明であって、可視光領域の光に対する透過率が高いものが好適に用いられる。陽極2の材料としては、導電性を有する金属酸化物膜、および金属薄膜などが用いられる。具体的には、陽極2としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)およびインジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)などからなる薄膜や、金、白金、銀、銅、アルミニウムあるいはこれら金属を少なくとも1種類以上含む合金等が用いられる。などから成る薄膜が用いられる。これらの中でも、陽極2としては、透過率、パターニングの容易さから、ITO、IZO、および酸化スズから成る薄膜が好適に用いられる。なお、トップエミッション型の有機EL素子では、陽極2としては、発光層4からの光を陰極3側に反射する材料によって形成されることが好ましく、該材料としては、仕事関数3.0eV以上の金属、金属酸化物、金属硫化物が好ましい。例えば光を反射する程度の膜厚の金属薄膜が用いられる。
陽極2の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等を挙げることができる。また、陽極2として、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。また、前記有機の透明導電膜に用いられる材料などや金属酸化物、金属硫化物や金属などカーボンナノチューブなどの炭素材料の少なくとも1種類以上が含まれる混合物を用いても良い。 陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、例えば5nm〜10μmであり、好ましくは10nm〜1μmであり、さらに好ましくは20nm〜500nmである。
正孔注入層7は、陽極2からの正孔注入効率を改善する機能を有する層である。正孔注入層7を構成する正孔注入材料としては、特に制限されず、公知の材料を適宜用いることができ、例えばフェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、および酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウムなどの酸化物、並びにアモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体などを挙げることができる。
正孔注入層7は、例えば前述の正孔注入材料を溶媒に溶解した塗布液を塗布する塗布法によって形成される。溶媒としては、正孔注入材料を溶解するものであればよく、例えばクロロホルム、水、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒を挙げることができる。
正孔注入層7を成膜する塗布法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、およびインクジェットプリント法などを挙げることができる。これらの塗布法のうちの1つを用いて、陽極2が形成された基板6上に前述した塗布液を塗布することによって、正孔注入層7を形成することができる。
また、真空蒸着法なども用いて成膜することも可能である。さらに、金属酸化物であればスパッタリング法、イオンプレーティングなどを用いることも可能である。
正孔注入層7の層厚は、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択され、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、厚すぎると素子の駆動電圧が高くなるので好ましくない。従って、正孔注入層7の膜厚としては、例えば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
発光層4は、蛍光、及び/又はりん光を発する有機物が含んで構成され、若しくは該有機物と、ドーパントとを含んで構成される。ドーパントは、たとえば発光効率の向上や発光波長を変化させるなどの目的で付加される。発光層4に用いられる発光材料としては、低分子化合物または高分子化合物のいずれでもよく、例えば以下のものを挙げることができる。
色素系の発光材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー、キナクリドン誘導体およびクマリン誘導体などを挙げることができる。
金属錯体系の発光材料としては、中心金属に、Al、Zn、Beなど、またはTb、Eu、Dyなどの希土類金属を有し、配位子に、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを有する金属錯体を挙げることができ、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体などを挙げることができる。
高分子系の発光材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、およびポリビニルカルバゾール誘導体など、並びに上記色素系の発光材料や金属錯体系の発光材料を高分子化したものなどを挙げることができる。
上記発光材料のうち、青色に発光する材料としては、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、およびそれらの重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体やポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また、緑色に発光する材料としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また、赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることが出来る。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
ドーパント材料としては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。なお、このような発光層4の厚さは、通常約2nm〜2000nmである。
発光層4の成膜方法としては、発光材料を含む溶液を基体の表面に塗布する方法、真空蒸着法、転写法などを挙げることができる。発光材料を含む溶液の溶媒には、正孔注入層7を形成するときに用いられる塗布液の溶媒として挙げた溶媒を用いることができる。
発光材料を含む溶液を塗布する方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法などの塗布法を用いることができる。パターン形成や多色の塗分けが容易であるという点で、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法が好ましい。また、昇華性を示す低分子化合物の場合には、真空蒸着法を用いることができる。さらには、レーザーや摩擦による転写や熱転写などの方法によって、所望するところのみに発光層4を形成することもできる。
電子注入層5は、主に陰極3からの電子の注入効率を改善するために設けられ、中間層形成塗布液を発光層4の表面上に塗布した後に乾燥させることによって形成することができる。電子注入層5を形成するときに用いられる中間層形成塗布液は、アルカリ金属塩が溶解して得られる。なお、中間層形成塗布液は、少なくともアルカリ金属塩が含まれるが
、アルカリ金属塩とは異なる材料が含まれていてもよい。中間層形成塗布液に含まれるアルカリ金属塩とは異なる材料としては、例えば、導電性有機化合物、増粘安定剤などを挙げることができる。すなわち中間層形成塗布液を用いて形成される電子注入層5は、アルカリ金属塩を含んで構成される。なお電子注入層5は、アルカリ金属塩のみによって構成されてもよい。
アルカリ金属塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウムから成る群から選択される少なくとも1種の塩であり、これらの中でも好ましくはナトリウム、カリウム、セシウム、リチウムから成る群から選択される少なくとも1種の塩であり、セシウム塩が最も好ましい。アルカリ金属の仕事関数は低いので、中間層形成塗布液を用いて形成される電子注入層5は陰極3からの電子注入を容易にする。これによって、有機EL素子1の駆動電圧の低電圧化を図ることができる。
アルカリ金属塩は、好ましくはモリブデン酸、タングステン酸、タンタル酸、ニオブ酸、バナジウム酸、チタン酸、および亜鉛酸から成る群から選択される少なくとも1種の塩である。アルカリ金属塩としては、例えば一般式M2MoO4、M2WO4、M2Ta26、M2Nb26、M3VO4、M226、M2TiO3、M2ZnO2で表される塩を挙げることができる(式中、Mはアルカリ金属を表す。)。具体的には、モリブデン酸リチウム、タングステン酸リチウム、バナジウム酸リチウム、ニオブ酸リチウムタンタル酸リチウム、チタン酸リチウム、亜鉛酸リチウム、モリブデン酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム、バナジウム酸ナトリウム、ニオブ酸ナトリウム、タンタル酸ナトリウム、チタン酸ナトリウム、亜鉛酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、タングステン酸カリウム、バナジウム酸カリウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸カリウム、チタン酸カリウム、亜鉛酸カリウム、モリブデン酸ルビジウム、タングステン酸ルビジウム、バナジウム酸ルビジウム、ニオブ酸ルビジウム、タンタル酸ルビジウム、チタン酸ルビジウム、亜鉛酸ルビジウム、モリブデン酸セシウム、タングステン酸セシウム、バナジウム酸セシウム、ニオブ酸セシウム、タンタル酸セシウム、チタン酸セシウム、亜鉛酸セシウムが挙げられる。またアルカリ金属塩としては、1または複数の種類のアルカリ金属と、1または複数の種類の酸との塩でもよく、モリブテン酸タングステン酸リチウムナトリウム、モリブテン酸ニオブ酸ナトリウムセシウム、バナジウム酸タンタル酸セシウムなどを挙げることができる。さらにアルカリ金属塩としては、セシウム塩であることが好ましく、たとえばモリブデン酸、タングステン酸、タンタル酸、ニオブ酸、バナジウム酸、およびチタン酸から成る群から選択される少なくとも1種のセシウム塩を挙げることができる。アルカリ金属塩としては、これらの中でもモリブデン酸セシウム(Cs2MoO4)が好ましく、モリブデン酸セシウムを含む電子注入層5を形成することによって、有機EL素子1の駆動電圧を効果的に低化することができる。またアルカリ金属塩はアルカリ金属単体よりも反応性に乏しいので、中間層形成塗布液を用いることによって経時変化の小さい電子注入層5を形成することができる。
中間層形成塗布液の溶媒としては、前述したアルカリ金属塩を溶解するものであればよく、アルコール及び/又は水を含むことが好ましい。
中間層形成塗布液は、界面活性剤をさらに含むことが好ましい。この界面活性剤によって中間層形成塗布液の表面張力が低下するので、中間層形成塗布液が塗布される層(本実施の形態では発光層4)に対する濡れ性が向上し、中間層形成塗布液を用いて形成される中間層(本実施の形態では電子注入層5)の層厚を均一にすることができる。このような界面活性剤としては、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性(両性)界面活性剤、および非イオン性界面活性剤などを挙げることができ、具体的には、多価アルコールのアルキルエーテル、多価アルコールのアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンンアルキルエステル、およびアセチレングリコール、又はこれらのアルキル基の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子に置き換わってなるフッ素系非イオン性界面活性剤を挙げることができる。塗布される層(本実施の形態では発光層4)に対する中間層形成塗布液の濡れ性が高いほど、中間層の層厚を均一にすることができるので好ましく、ポリエチレンナフタレートから成る基板(以下、PET基板という場合がある)に対する中間層形成塗布液の接触角が、60°以下であることが好ましい。このようなPET基板に対する接触角を示す中間層形成塗布液を用いることによって、表面粗さの小さい平坦な中間層(本実施の形態では電子注入層5)を形成することができる。
中間層形成塗布液は、前述したアルコール及び/又は水などの溶媒に前述したアルカリ金属塩を溶解させることによって得られる。なお前述したように界面活性剤をさらに添加してもよい。また中間層形成塗布液としては、該中間層形成塗布液を乾燥したときにアルカリ金属塩が析出する液体であればよく、アルカリ金属塩を溶解させて得る必要はない。
中間層形成塗布液を発光層4の表面上に塗布する方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法などの塗布法を用いることができる。パターン形成や多色の塗分けが容易であるという点で、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法が好ましい。
電子注入層5の層厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択され、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、厚すぎると素子の駆動電圧が高くなるので好ましくない。従って、電子注入層5の膜厚は、通常1nm〜1μmである。好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは3nm〜200nmである。
陰極3の材料としては、仕事関数が小さく、発光層4への電子注入が容易なものが好ましく、また電気伝導度の高いものが好ましい。また陽極2側から光を取出す場合には、発光層4からの光を陽極2側に反射するために、可視光反射率の高いものが好ましい。陰極3の材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属およびIII−B族金属などの金属を用いることができる。具体的には、陰極3の材料として、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫、或いはこれら金属を少なくとも1種類以上含む合金、またはグラファイト若しくはグラファイト層間化合物などが用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などを挙げることができる。また、陰極3として透明導電性電極を用いることができ、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITOおよびIZOなどの導電性金属酸化物からなる薄膜や、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの導電性有機物から成る薄膜を用いることができる。なお、陰極を2層以上の積層構造としてもよい。
以上説明した本実施の形態の有機EL素子1では、中間層形成塗布液を用いることによって電子注入層5を塗布法によって形成することができる。これによって、蒸着法などのように真空雰囲気で電子注入層5を形成する従来の技術に比べて、真空雰囲気を作り出す必要がなくなり、電子注入層5を簡易に形成することができ、有機EL素子1の製造コストを下げることができる。
特にアルカリ金属塩を溶解して得られる中間層形成塗布液を用いて陰極3に接する電子注入層5を形成するので、有機EL素子1の駆動電圧を下げることができる。
なお有機EL素子は、陽極2と陰極3との間に少なくとも発光層4が設けられていればよく、陽極2と陰極3との間の層構成は、前述の実施の形態の有機EL素子1の層構成に限られない。発光層は通常1層設けられるが、これに限らず2層以上の発光層を設けることもできる。その場合、2層以上の発光層は、直接接して積層することもでき、かかる層の間に発光層以外の層を設けることができる。
以下に、陽極2と陰極3との間に設けられる層構成の一例について説明する。なお、以下の説明において、陽極、陰極、発光層、正孔注入層および電子注入層については、重複する説明を省略する場合がある。
陰極と発光層との間に設けられる層としては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層などを挙げることができる。陰極と発光層との間に、電子注入層と電子輸送層との両方の層が設けられる場合、陰極に近い側に位置する層を電子注入層といい、発光層に近い側に位置する層を電子輸送層という。
電子注入層は、陰極からの電子注入効率を改善する機能を有する層である。電子輸送層は、陰極、または電子注入層、若しくは陰極により近い電子輸送層からの電子注入を改善する機能を有する層である。正孔ブロック層は、正孔の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお、電子注入層または電子輸送層が、正孔ブロック層を兼ねる場合がある。
陽極と発光層との間に設ける層としては、前述した正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層等を挙げることができる。陽極と発光層との間に、正孔注入層と正孔輸送層との両方が設けられる場合、陽極に近い側に位置する層を正孔注入層といい、発光層に近い側に位置する層を正孔輸送層という。
正孔注入層は、陽極からの正孔注入効率を改善する機能を有する層である。正孔輸送層は、陽極または正孔注入層、若しくは陽極により近い正孔輸送層からの正孔注入を改善する機能を有する層である。電子ブロック層は、電子の輸送を堰き止める機能を有する層である。正孔注入層または正孔輸送層が、電子ブロック層を兼ねることがある。
なお、電子注入層および正孔注入層を総称して電荷注入層ということがあり、電子輸送層および正孔輸送層を総称して電荷輸送層ということがある。また、電子ブロック層及び正孔ブロック層を総称して電荷ブロック層と呼ぶことがある。
有機EL素子のとりうる層構成の具体的な一例を以下に示す。
a) 陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
b) 陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
c) 陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
d) 陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
e) 陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
f) 陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極
g) 陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
h) 陽極/正孔注入層/発光層/陰極
i) 陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
j) 陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
k) 陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
l) 陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
m) 陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
n) 陽極/発光層/電子輸送層/陰極
o) 陽極/発光層/電子注入層/陰極
p) 陽極/発光層/陰極
(ここで、記号「/」は、この記号「/」を挟む2つの層が隣接して積層されることを示す。以下同じ。)
上記層構成の各例において、発光層と陽極あるいは正孔注入層あるいは正孔輸送層の間に電子ブロック層を挿入することができる。また、発光層と陰極あるいは電子注入層あるいは電子輸送層の間に正孔ブロック層を挿入することもできる。
また有機EL素子は、2層以上の発光層を有していてもよい。2層の発光層を有する有機EL素子の素子構成としては、以下の例を挙げることができる。
q) 陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
また3層以上の発光層を有する有機EL素子の素子構成としては、(電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層)を一つの繰り返し単位とすると、2つ以上の繰り返し単位を含む以下の例を挙げることができる。
r) 陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/繰り返し単位/繰り返し単位/・・・/陰極
上記層構成qおよびrにおいて、陽極、陰極、発光層以外の各層は必要に応じて削除することができる。また上記層構成qおよびrにおいて電子輸送層に接する電荷注入層を、前述の実施の形態の電子注入層5と同様に中間層形成塗布液を塗布することによって形成してもよい。
基板6から光を取出すボトムエミッション型の有機EL素子では、発光層に対して、基板6側に配置される層を全て透明な層で構成する。また基板6とは反対側の陰極3側から光を取出すいわゆるトップエミッション型の有機EL素子では、発光層に対して、陰極3側に配置される層を全て透明な層で構成する。
有機EL素子は、さらに電極との密着性の向上や、電極からの電荷注入効率の改善のために、膜厚が2nm以下の絶縁層を電極に隣接して設けてもよく、また界面の密着性の向上や各層の混合防止などのために、隣接する前記各層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
以下、各層の具体的な構成について説明する。
<正孔輸送層>
正孔輸送層を構成する正孔輸送材料としては、特に制限されないが、例えばN,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル(TPD)、NPB(4,4'−bis[N−(1−naphthyl)−N−phenylamino]biphenyl)等の芳香族アミン誘導体、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などを挙げることができる。
これらの正孔輸送材料の中で、正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等の高分子の正孔輸送材料が好ましく、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体などがさらに好ましい。低分子の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
正孔輸送層の成膜の方法としては、低分子の正孔輸送材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法を挙げることができ、高分子の正孔輸送材料では、溶液からの成膜による方法を挙げることができる。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解させるものであればよく、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒を挙げることができる。
溶液からの成膜方法としては、正孔注入層7を成膜する方法として挙げた方法と同様の塗布法を挙げることができる。
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が弱いものが好適に用いられる。該高分子バインダーとしては、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサンなどを挙げることができる。
正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択され、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、厚すぎると、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、正孔輸送層の膜厚は、例えば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
<電子輸送層>
電子輸送層を構成する電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等を挙げることができる。
これらのうち、電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層の成膜法としては、低分子の電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着法、若しくは溶液または溶融状態からの成膜による方法を挙げることができ、高分子の電子輸送材料では、溶液または溶融状態からの成膜による方法を挙げることができる。溶液または溶融状態からの成膜では、高分子バインダーをさらに併用してもよい。溶液から電子輸送層を成膜する方法としては、前述の溶液から正孔輸送層を成膜する方法と同様の成膜法を挙げることができる。
電子輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよく、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、厚すぎると素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電子輸送層の膜厚は、例えば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
なお中間層形成塗布液によって形成されるは、前述した電子注入層5だけでなく、陰極を形成するための塗布液としても用いられる。電子注入層5は、陰極3に接して設けられる必要はなく、電子注入層5と陰極3との間に電子注入層5とは異なる層が挿入されていてもよく、また上述したように電子注入層5と発光層4との間に、電子注入層5とは異なる層が挿入されていてもよい。さらに、中間層形成塗布液は電荷の注入性を向上することから、有機太陽電池及び有機トランジスタなどの電極あるいは電極と有機材料との間に中間層として用いることが出来る。
また中間層形成塗布液は、水素イオン指数が7以上13以下であることが好ましい。このような中間層形成塗布液を用いれば、例えば酸性を示す溶液に溶解しやすい膜上に中間層形成塗布液を塗布してアルカリ金属塩を含む中間層を形成することができる。例えば酸性を示す溶液に溶解しやすいITOから成る電極上にアルカリ金属塩を含む中間層を形成する場合に、中間層形成塗布液を好適に用いることができる。
実施例として、まず中間層形成塗布液を作製した。
Cs2MoO4粉末(純度99.9%、フルウチ化学株式会社製)と超純水(電気抵抗率が15MΩ・cm以上)とを重量比で10:90になるように秤量し、スクリュー管に入れ攪拌して中間層形成塗布液を作製した。Cs2MoO4粉末が完全に溶解していることを目視において確認した。この中間層形成塗布液の表面張力は58.3mN/mであった。作製した中間層形成塗布液と、複数の種類の基板との接触角をそれぞれ測定した結果を下記の表1に示す。pH試験紙を用いてpH(水素イオン指数)を測定したところ約7を示した。
Cs2MoO4粉末(純度99.9%、フルウチ化学株式会社製)と超純水(電気抵抗率が15MΩ・cm以上)とエタノール(純度99.5%、鹿1級、関東化学株式会社製)とを重量比で10:26:63になるように秤量し、Cs2MoO4粉末、超純水の順にスクリュー管に入れ攪拌し、その後エタノールを混合し中間層形成塗布液を作製した。Cs2MoO4粉末が完全に溶解していることを目視において確認した。この中間層形成塗布液の表面張力は22.6mN/mであった。作製した中間層形成塗布液と、複数の種類の基板との接触角をそれぞれ測定した結果を下記の表1に示す。pH試験紙を用いてpHを測定したところ約8〜9を示した。
Cs2MoO4粉末(純度99.9%、フルウチ化学株式会社製)と超純水(電気抵抗率が15MΩ・cm以上)とエタノール(純度99.5%、鹿1級、関東化学株式会社製)と界面活性剤(サーフィノール(登録商標)104A:日信化学社製)を重量比で10:25:61:4になるように秤量し、Cs2MoO4粉末、超純水の順にスクリュー管に入れ攪拌し、その後エタノールを混合し、その後界面活性剤を混合して中間層形成塗布液を作製した。Cs2MoO4粉末が完全に溶解していることを目視において確認した。この中間層形成塗布液の表面張力は26.6mN/mであった。作製した中間層形成塗布液と、複数の種類の基板との接触角を測定した結果を表1に示す。pH試験紙を用いてpHを測定したところ約8〜9を示した。
Cs3VO4粉末(純度99.9%、Aldrich製)と超純水(電気抵抗率が15MΩ・cm以上)とを重量比で1:99になるように秤量しスクリュー管に入れ攪拌し中間層形成塗布液を作製した。目視において完全に溶解していることを確認した。pH試験紙を用いてpHを測定したところ約7を示した。
CsVO3粉末(純度99.9%、Aldrich製)と超純水(電気抵抗率が15MΩ・cm以上)とを重量比で1:99になるように秤量し、スクリュー管に入れ攪拌して中間層形成塗布液を作製した。CsVO3粉末が完全に溶解していることを目視において確認した。pH試験紙を用いてpHを測定したところ約12を示した。
CsVO3粉末(純度99.9%、Aldrich製)と超純水(電気抵抗率が15MΩ・cm以上)とを重量比で30:70になるように秤量し、スクリュー管に入れ攪拌し中間層形成塗布液を作製した。pH試験紙を用いて上澄み液のpHを測定したところ約13を示した。
2MoO4粉末(純度98%、Aldrich製)と超純水(電気抵抗率が15MΩ・cm以上)とを重量比で1:99になるように秤量し、スクリュー管に入れ攪拌し中間層形成塗布液を作製した。目視において完全に溶解していることを確認した。pH試験紙を用いてpHを測定したところ約7.5を示した。
2MoO4粉末(純度98%、Aldrich製)と超純水(電気抵抗率が15MΩ・cm以上)とを重量比で30:70になるように秤量し、スクリュー管に入れ攪拌し、中間層形成塗布液を作製した。pH試験紙を用いて上澄み液のpHを測定したところ約9を示した。
Na2MoO4粉末(純度>98%、Aldrich製)と超純水(電気抵抗率が15MΩ・cm以上)とを重量比で1:99になるように秤量し、スクリュー管に入れ攪拌し、中間層形成塗布液を作製した。目視において完全に溶解していることを確認した。pH試験紙を用いてpHを測定したところ約7を示した。
Na2MoO4粉末(純度>98%、Aldrich製)と超純水(電気抵抗率が15MΩ・cm以上)とを重量比で30:70になるように秤量し、スクリュー管に入れ攪拌し中間層形成塗布液を作製した。pH試験紙を用いて上澄み液のpHを測定したところ約8を示した。
(比較例)
BaMoO4粉末(純度>99.9%、Aldrich製)と超純水(電気抵抗率が15MΩ・cm以上)を重量比で1:99になるように秤量し、スクリュー管に入れ攪拌し溶液を作製した。目視においてBaMoO4粉末がほとんど溶解していないことを確認した。pH試験紙を用いてpHを測定したところ約7を示した。
(表面張力および接触角の測定方法)
データフィジックス社(独)社製の型番OCA−20の測定装置を測定に用いた。表面張力の測定は、まずシリンジに溶液を充填して、外径1.4mmの金属針をシリンジに装着し、該金属針から溶液を出し、溶液が金属針から離れる直前の形状を画像解析することによって行った。
接触角は、基板に溶液を接液して付着させ、付着した溶液の液面と基板の表面とが接する位置での液面と、基板の表面とのなす角度を測定して求めた。基板としては、(1)UV−O3洗浄を行っていない未処理の無アルカリガラス基板と、(2)テクノビジョン社製の装置でUV−O3洗浄処理(表1では、「UV洗浄」と記載)を10分間行なった無アルカリガラス基板、(3)スパッタリング法によって厚みが150nmの膜厚のITO薄膜をガラス基板上に成膜したITO基板で、UV−O3洗浄処理を行っていない未処理のITO基板、(4)テクノビジョン社製の装置でUV−O3洗浄処理を10分間行なったガラス基板に、スパッタリング法によって厚みが150nmの膜厚のITO薄膜を成膜したITO基板、(5)EB法によって300nmの膜厚のアルミニウム薄膜をガラス基板上に形成したAl蒸着基板、(6)高分子発光有機材料(SCB670、サメイション社製)をスピンコート法によってガラス基板上に成膜し、80nmの膜厚のポリマーが成膜されたポリマースピン成膜基板、(7)ポリエチレンナフタレート(PEN)から成るPEN基板の7種類を用い、各基板に対して、実施例1〜3で作製した中間層形成塗布液との接触角を測定した。
表1に、実施例1〜3の中間層形成塗布液と、複数の種類の基板との接触角の測定結果を示す。
Figure 2009246124
実施例1〜10に示すように、アルカリ金属塩が溶解した中間層形成塗布液を作製することができた。また実施例2,3に示すように、超純水にアルコールまたは界面活性剤を加えることによって表面張力が低く、接触角の小さい中間層形成塗布液を得ることができた。
実施例3で作製した中間層形成塗布液を用いて有機EL素子を作製した。実施例で作製した有機EL素子の構成は、ガラス基板/ITO薄膜から成る陽極/正孔注入層/電子ブロック層/発光層/電子注入層/陰極であり、これをさらに封止ガラスによって封止した。なお、電子注入層を実施例3で作製した中間層形成塗布液を用いて形成した。
<合成例>
上記電子ブロック層となる高分子化合物1を合成した。まず攪拌翼、バッフル、長さ調整可能な窒素導入管、冷却管、および温度計を備えるセパラブルフラスコに2,7−ビス(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン158.29重量部と、ビス−(4−ブロモフェニル)−4−(1−メチルプロピル)−ベンゼンアミン136.11重量部と、トリカプリルメチルアンモニウムクロリド(ヘンケル社製 Aliquat 336)27重量部と、トルエン1800重量部とを仕込み、窒素導入管から窒素を導入しながら、攪拌下90℃まで昇温した。酢酸パラジウム(II)0.066重量部と、トリ(o−トルイル)ホスフィン0.45重量部とを加えた後、17.5%炭酸ナトリウム水溶液573重量部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、窒素導入管を液面より引き上げ、還流下7時間保温した後、フェニルホウ酸3.6重量部を加え、14時間還流下保温し、室温まで冷却した。反応液水層を除いた後、反応液油層をトルエンで希釈し、3%酢酸水溶液、イオン交換水で洗浄した。分液油層にN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物13重量部を加え4時間攪拌した後、活性アルミナとシリカゲルとの混合カラムに通液し、トルエンを通液してカラムを洗浄した。濾液および洗液を混合した後、メタノールに滴下して、ポリマーを沈殿させた。得られたポリマー沈殿を濾別し、メタノールで沈殿を洗浄した後、真空乾燥機でポリマーを乾燥させ、ポリマー192重量部を得た。得られたポリマーを高分子化合物1とよぶ。高分子化合物1のポリスチレン換算重量平均分子量は、3.7×105であり、数平均分子量は8.9×104あった。
(GPC分析法)
ポリスチレン換算重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた。GPCの検量線の作成にはポリマーラボラトリーズ社製標準ポリスチレンを使用した。測定する重合体は、約0.02重量%の濃度になるようテトラヒドロフランに溶解させ、GPCに10μL注入した。GPC装置は島津製作所製LC−10ADvpを用いた。カラムは、ポリマーラボラトリーズ社製PLgel 10μm MIXED−Bカラム(300×7.5mm)を2本直列に接続して用い、移動相としてテトラヒドロフランを25℃、1.0mL/minの流速で流した。検出器にUV検出器を用い、228nmの吸光度を測定した。
基板にはガラス基板を用いた。このガラス基板の表面上にスパッタリング法によって成膜され、さらに所定の形状にパターニングされたITO薄膜を陽極として用いた。ITO薄膜の膜厚は、約150nmであった。
ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(HCスタルクビーテック社製、商品名:Bytron P/TP AI 4083)の懸濁液を0.5μm径のフィルターでろ過し、ITO薄膜が形成されたガラス基板上にろ過した液をスピンコート法により塗布し、膜厚60nmで成膜した。次に取出し電極部分や封止エリアに形成された膜を拭き取って除去し、さらに大気下にてホットプレートを用いて約200℃で10分間乾燥させ、正孔注入層を形成した。
次に正孔注入層が形成された基板に前記高分子化合物1を含む塗布液をスピンコート法により塗布し、膜厚約20nmで成膜した。次に取出し電極部分や封止エリアに形成された膜を拭き取って除去し、さらに窒素雰囲気にてホットプレートを用いて200℃で20分間ベイク処理を行い、電子ブロック層を形成した。
次に電子ブロック層が形成された基板に、高分子発光有機材料(BP361:サメイション社製)をスピンコート法により塗布し、膜厚約70nmで成膜した。次に取出し電極部分や封止エリアに形成された膜を拭き取って除去し、ベイク処理を施して発光層を形成した。
次に発光層が形成された基板に、実施例3で作製した中間層形成塗布液をスピンコート法により塗布し、膜厚2nmで成膜して、電子注入層を形成した。次に、取出し電極部分や封止エリアに形成された膜を拭き取って除去し、この基板をトッキ株式会社製 真空蒸着機(Small−ELVESS)の加熱チャンバーに移した。(以後、真空中或いは窒素中でプロセスを行い、プロセス中に素子が大気に曝されることはない。)次に、真空度1×10-4Pa以下の真空中で基板を基板温度約80〜120℃で20分間加熱した。
その後、蒸着チャンバーに基板を移し、発光部及び取出し電極部に陰極が成膜されるように陰極用のメタルマスクを位置合わせし、さらにメタルマスクと基板との相対位置を変えずに両者を回転させながら陰極を蒸着した。蒸着開始前のチャンバー内の真空度は3×10-5Pa以下であった。蒸着法としては電子ビーム蒸着法を用い、Alを蒸着速度約10Å/secで成膜し、膜厚が100nmの陰極を形成した。その後、表面の周縁部にUV(紫外線)硬化樹脂が塗布された封止ガラスを、不活性ガス中において減圧下で基板に貼り合わせた。その後大気圧に戻し、UVを照射することでUV(紫外線)硬化樹脂を光硬化させることで封止ガラスを基板に固定し、高分子有機EL素子を作製した。なお1画素の発光領域は2mm×2mmである。
(有機EL素子の評価)
東京システム開発社製の有機EL測定装置を用いて電流‐電圧‐輝度、発光スペクトルの測定を行なった。本実施例で作製した有機EL素子に約12Vの電圧を印加したところ、正面輝度が1000cd/m2となった。このときの電流密度は0.088A/cm2であり、EL発光スペクトルは460nmにピークを示した。このように、中間層形成塗布液を用いて塗布法によって形成された電子注入層を備える有機EL素子が発光することを確認した。
本発明の実施の一形態の有機EL素子1を示す正面図である。
符号の説明
1 有機EL素子
2 陽極
3 陰極
4 発光層
5 電子注入層
6 基板
7 正孔注入層

Claims (11)

  1. 少なくとも一対の電極と、一対の電極間に設けられ、有機物を含む発光層と、電極および発光層の間に設けられる中間層とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子における中間層の形成に用いられる塗布液であって、
    アルカリ金属塩を溶解して得られることを特徴とする中間層形成塗布液。
  2. 前記アルカリ金属塩が、モリブデン酸、タングステン酸、タンタル酸、ニオブ酸、バナジウム酸、チタン酸、および亜鉛酸から成る群から選択される少なくとも1種の塩であることを特徴とする請求項1記載の中間層形成塗布液。
  3. 前記アルカリ金属塩が、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムから成る群から選択される少なくとも1種の塩であること特徴とする請求項1または2記載の中間層形成塗布液。
  4. 前記アルカリ金属塩が、セシウム塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の中間層形成塗布液。
  5. 前記アルカリ金属塩が、モリブデン酸セシウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の中間層形成塗布液。
  6. アルコール及び/又は水を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の中間層形成塗布液。
  7. 界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の中間層形成塗布液。
  8. ポリエチレンナフタレートから成る基板に対する接触角が60°以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の中間層形成塗布液。
  9. 水素イオン指数が7以上13以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の中間層形成塗布液。
  10. 少なくとも一対の電極と、一対の電極間に設けられ、有機物を含む発光層と、電極および発光層の間に設けられる中間層とをそれぞれ成膜することで有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する方法であって、
    請求項1〜9のいずれか1つに記載の中間層形成塗布液を用いて、塗布法によって前記中間層を成膜することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  11. 一対の電極と、
    一対の電極間に設けられ、有機物を含む発光層と、
    電極および発光層の間に設けられる中間層とを少なくとも備え、
    前記中間層が、請求項1〜9のいずれか1つに記載の中間層形成塗布液を用いて、塗布法によって形成されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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