JP2009244594A - プラスチックレンズ、成形金型およびプラスチックレンズの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造時に発生する気泡の混入による外観上の不良が低減したプラスチックレンズを提供する。
【解決手段】成形金型に接続されたゲート部を介して、成形金型の内部に樹脂を注入することによって形成されるプラスチックレンズ1は、光学面を有する有効径部2と、有効径部2の外周に沿ってリング状に形成された非有効径部3とを備えている。非有効径部3における、光軸を挟んでゲート部の反対側の位置には、光軸に対して傾斜した傾斜部4が形成されている。これにより、傾斜部4の形成された非有効径部3に気泡7が存在する場合であっても、プラスチックレンズ1を傾斜部4の形成された側から見たとき、気泡7は視認され難い。
【選択図】図1
【解決手段】成形金型に接続されたゲート部を介して、成形金型の内部に樹脂を注入することによって形成されるプラスチックレンズ1は、光学面を有する有効径部2と、有効径部2の外周に沿ってリング状に形成された非有効径部3とを備えている。非有効径部3における、光軸を挟んでゲート部の反対側の位置には、光軸に対して傾斜した傾斜部4が形成されている。これにより、傾斜部4の形成された非有効径部3に気泡7が存在する場合であっても、プラスチックレンズ1を傾斜部4の形成された側から見たとき、気泡7は視認され難い。
【選択図】図1
Description
本発明は、プラスチックレンズ、成形金型およびプラスチックレンズの製造方法に関するものであり、より具体的には、成形金型の内部に樹脂を注入することによって形成されるプラスチックレンズ、当該プラスチックレンズを形成するための成形金型、および当該成形金型を用いたプラスチックレンズの製造方法に関する。
従来、光学素子としては、ガラス製の光学素子が用いられている。ガラス製の光学素子(例えばレンズ)では、正確な曲面を形成するために精度よく研磨する必要があり、高度な技術が要求される上に、研磨に多くの時間を要する。そのため、ガラス製の光学素子は大量生産がきかないため高価であり、かつ重量もある。
近年、樹脂製の光学素子が多用されている。樹脂製の光学素子は、成形金型を用いて成形することによって、非球面形状の曲面を容易に形成することが可能であり、大量生産することができる。また軽量であるため、小型機器に取り付けすることが容易である。
このような樹脂製の光学素子として、例えばプラスチックレンズが挙げられる。プラスチックレンズは、成形金型の内部空間に接するように形成されたゲートから、成形金型の内部空間に溶融樹脂を注入し、注入した樹脂を固化させることによって形成される。したがって、成形後のプラスチックレンズには、ゲート部分にゲート形状の樹脂の突起が形成される。そのため、この突起をプラスチックレンズから切り離すための作業、いわゆるゲートカットの工程が必要になる。
一般的に用いられるゲートカットの方法は、ニッパーやカッターなどの切断工具を用いて、人手により切断する方法である。しかしながら、人手による切断方法では、ゲートを切断する位置が安定しないという問題がある。また切断面が粗くなり、レンズ外周部分に凸部が生じる可能性がある。切断面に生じた凸部は、レンズを鏡筒などに取り付ける際、取り付け精度を低下させる原因となってしまう。
特許文献1には、ゲートカットにより切断面に生じる凸部が、プラスチックレンズの外周よりも外側に突出しないように製造する製造方法が開示されている。特許文献1に記載の製造方法においては、レンズの外周部分にゲートを挟むように設けられた一対の切欠きを切断開始点および終了点とし、レーザーを用いて切断することによってゲートを切り落としている。このように、ゲート状の突起部分と共にレンズの外周部分の一部を切断することによって、切断面に生じる凸部がレンズの外周部分よりも外側に突出しない。
一般に、プラスチックレンズを製造時において、成形金型の内部空間に溶融樹脂を注入する際、溶融樹脂は成形金型の内部空間に残留した気体を巻き込みやすい。そのため、製造されたプラスチックレンズに気泡の混入が生じる可能性がある。気泡がプラスチックレンズの光学面に生じると、レンズの光学的機能に影響を及ぼしてしまう。また光学的機能に影響しないレンズの外周部分に気泡が生じた場合であっても、外観上好ましくなく、製品として問題がある。
このような問題に対して、プラスチックレンズに気泡が混入することを防止する方法が特許文献2に開示されている。特許文献2に記載のプラスチックレンズの製造方法においてはは、製造時の気泡混入を防ぐために、気泡を巻き込んだ樹脂を引き込むための樹脂溜り部、いわゆるオーバーフロー部をレンズ成形部の外側に設けた成形金型を用いている。気泡を巻き込んだ樹脂はオーバーフロー部に充填されるが、オーバーフロー部は成形時に切断されるため、プラスチックレンズに気泡が混入することを防止することができる。また、オーバーフロー部は、ゲートに対して光軸を挟んだ反対側に複数設けており、樹脂の充填パターンのバランスが保たれている。
特開平10−123306号公報(1998年5月15日公開)
特開2003−211500公報(2003年7月29日公開)
しかしながら特許文献2に記載の方法においては、以下の3つの問題がある。
第1に、オーバーフロー部に樹脂を引き込むため、プラスチックレンズを成形するために最低限必要な樹脂の他に、オーバーフロー部に引き込まれる分を見込んだ過剰な樹脂が必要である。第2に、オーバーフロー部に過剰な樹脂を注入するために時間を要するため、オーバーフロー部を設けない場合と比較して成形サイクルが長くなる。
第3に、樹脂を注入するためのゲートの他にオーバーフロー部に繋がるゲートを配置しなければならず、複数のゲート状の突起が形成されてしまう。よって、従来よりも多くのゲートカット工程が必要となる。例えば、特許文献2の図1に記載の成形金型を用いた場合、樹脂を注入するためのゲート、オーバーフロー部に繋がる2つのゲート、および金型内の空気を逃がすためのゲートに対応する4つの突起を切断するために、4回のゲートカット工程が必要となる。ゲートカット工程が増加することによって、ゲートカットにより生じる切断面の凸部等を原因とする不良が発生しやすくなってしまう。
このように、プラスチックレンズ内に気泡が混入しないための技術は、製造工程や製造コストの増加を引き起こす。したがって、従来の製造工程や製造コストを維持した上で、仮にプラスチックレンズ内に気泡が混入したとしても、気泡の混入による外観上の不良を低減し得る技術が望まれている。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造時に発生する気泡がプラスチックレンズに混入したとしても、プラスチックレンズの光学機能に影響を及ぼさず、かつ外観上の不良が低減したプラスチックレンズおよびその成形金型を提供することにある。
本発明に係るプラスチックレンズは、上記の問題を解決するために、成形金型に接続されたゲート部を介して、成形金型の内部に樹脂を注入することによって形成されるプラスチックレンズであって、光学面を有する有効径部と、上記有効径部の外周に沿ってリング状に形成された非有効径部とを備え、上記非有効径部における、光軸を挟んで上記ゲート部の反対側の位置に、前記非有効径部の光軸方向に対向する端部の一方と、前記非有効径部の外周側端部とに交差し、光軸に対して傾斜した傾斜部を有していることを特徴としている。
本発明に係るプラスチックレンズは、成形金型の内部に樹脂を注入することによって形成されるものであり、光学面を有する有効径部と、その外周に沿ってリング状に形成された非有効径部とを備えている。そして、非有効径部において、光軸を挟んでゲート部の反対側の位置には、光軸大して傾斜した傾斜部が形成されている。傾斜部は、有効径部の光学面の光軸方向に対向する非有効径部の端部の一方と、非有効径部の外周側の端部とに交差するように形成されている。
ここで、プラスチックレンズを形成するとき、成形金型の内部に注入された樹脂中には、成形金型内に残留した気体が巻き込まれる場合がある。巻き込まれた気体は、樹脂内で気泡となり、成形金型内を流動する樹脂の先端部分に集中する。したがって、樹脂の最終到達位置、すなわちゲートと光軸を挟んで反対側に気泡が集中することになる。樹脂の最終到達位置は非有効径部内であるため、有効径部の有する光学面に気泡は発生せず、レンズの光学的機能には影響を及ぼさない。しかしながら、非有効径部に発生した気泡は、外観上好ましくない。
本発明に係るプラスチックレンズにおいては、非有効径部における、光軸を挟んでゲート部の反対側の位置、すなわち気泡が集中する位置に傾斜部が形成されている。これにより、本発明に係るプラスチックレンズを、傾斜部が形成された側から光軸方向に見た場合、傾斜部に重なる位置に存在する気泡は視認し難い。したがって、気泡の発生によるプラスチックレンズの外観上の不良を低減させることができる。
また、本発明に係るプラスチックレンズにおいて、上記非有効径部における、外周側端部の光軸方向の長さが、上記非有効径部における、上記傾斜部の任意の一点に交差する光軸方向の長さよりも短いことが好ましい。このような傾きになるように傾斜部を形成することによって、プラスチックレンズの製造が容易であり、かつ各種装置への取り付けが容易である。
また、本発明に係るプラスチックレンズにおいて、上記非有効径部の内周側端部と外周側端部との間の距離は、上記非有効径部の外周側における上記傾斜部の端部と、上記非有効径部の内周側における上記傾斜部の端部との間の、光軸に垂直な方向の最大距離よりも長いことが好ましい。
上記構成によれば、傾斜部の形成領域が有効径部に隣接することがないため、プラスチックレンズの光学的機能に影響を及ぼすことなく傾斜部を形成することができる。
さらに、本発明に係るプラスチックレンズにおいて、上記傾斜部は、上記光軸方向から見たときに、上記非有効径部の気泡が形成されている位置に重なるように形成されていることが好ましい。
上記構成により、プラスチックレンズを傾斜部が形成された側から光軸方向に見たとき、傾斜部に重なる位置に存在する気泡は視認し難い。したがって、気泡の発生によるプラスチックレンズの外観上の不良を低減させることができる。
また、本発明に係るプラスチックレンズにおいて、上記非有効径部は、上記光軸方向に対向する端部の一方に交差する傾斜部と、他方に交差する傾斜部との両方を有していることが好ましい。
上記構成によれば、非有効径部の光軸方向に対向する2つの端部にそれぞれ交差する2つの傾斜部によって、プラスチックレンズ内に発生する気泡は光軸方向に挟まれている。それにより、光軸方向のいずれの側からプラスチックレンズを見ても、気泡が視認し難くなる。したがって、気泡の発生によるプラスチックレンズの外観上の不良をさらに低減させることができる。
さらに、本発明に係るプラスチックレンズにおいて、上記光軸方向から見た上記傾斜部の形状は、弦弧状または円弧状であることが好ましい。
光軸方向から見た傾斜部の形状を弦弧状とすることによって、成形金型に簡素な構造を加えるのみで、傾斜部が形成されたプラスチックレンズを製造することが可能であり、成形金型の製造が容易になる。また、光軸方向から見た傾斜部の形状を円弧状とすることによって、非有効径部の内周側端部と外周側端部との間の距離が小さい場合であっても、傾斜部を広範囲に形成することができる。
また、本発明に係るプラスチックレンズにおいて、上記非有効径部の内部から上記傾斜部に入射する光の入射角をθ2とし、屈折角をθ1としたとき、上記傾斜部と光軸に垂直な仮想線との成す角はθ1と等しく、上記非有効径部の外周側端部の光軸方向の長さをHとし、上記非有効径部の内周側端部と外周側端部との間の幅をLとし、上記非有効径部の外周側における上記傾斜部の端部と、上記非有効径部の内周側における上記傾斜部の端部との間の、光軸に垂直な方向の距離をDとしたとき、上記Hおよび上記Lが以下の式1を満たす場合、上記Dおよびθ1は以下の式2を満たし、かつ以下の式3により算出される面積Sがより大きい値になるように設定されていることが好ましい。
0.8L>(H−0.8Ltanθ1)×tan(θ1−θ2)・・・(1)
D=Htan(θ1−θ2)/{1+tanθ1×tan(θ1−θ2)}・・・(2)
S=0.5×(H−Dtanθ1)×D・・・(3)
また、本発明に係るプラスチックレンズにおいて、上記非有効径部の内部から上記傾斜部に入射する光の入射角をθ2とし、屈折角をθ1としたとき、上記傾斜部と光軸に垂直な仮想線との成す角はθ1と等しく、上記非有効径部の外周側端部の光軸方向の長さをHとし、上記非有効径部の内周側端部と外周側端部との間の幅をLとし、上記非有効径部の外周側における上記傾斜部の端部と、上記非有効径部の内周側における上記傾斜部の端部との間の、光軸に垂直な方向の距離をDとしたとき、上記Hおよび上記Lが以下の式4を満たす場合、上記Dは、上記非有効径部の内周側端部と外周側端部との間の幅Lとの関係において以下の式5を満たし、上記Dおよびθ1は、以下の式6により算出される面積Sがより大きい値になるように設定されていることが好ましい。
D=Htan(θ1−θ2)/{1+tanθ1×tan(θ1−θ2)}・・・(2)
S=0.5×(H−Dtanθ1)×D・・・(3)
また、本発明に係るプラスチックレンズにおいて、上記非有効径部の内部から上記傾斜部に入射する光の入射角をθ2とし、屈折角をθ1としたとき、上記傾斜部と光軸に垂直な仮想線との成す角はθ1と等しく、上記非有効径部の外周側端部の光軸方向の長さをHとし、上記非有効径部の内周側端部と外周側端部との間の幅をLとし、上記非有効径部の外周側における上記傾斜部の端部と、上記非有効径部の内周側における上記傾斜部の端部との間の、光軸に垂直な方向の距離をDとしたとき、上記Hおよび上記Lが以下の式4を満たす場合、上記Dは、上記非有効径部の内周側端部と外周側端部との間の幅Lとの関係において以下の式5を満たし、上記Dおよびθ1は、以下の式6により算出される面積Sがより大きい値になるように設定されていることが好ましい。
0.8L<(H−0.8Ltanθ1)×tan(θ1−θ2)・・・(4)
D=0.8L・・・(5)
S=0.5×{2H−2Dtanθ1−D/tan(θ1−θ2)}×D・・・(6)
上記の構成によれば、傾斜部が形成されている側から光軸方向にプラスチックレンズを見たときに、気泡が視認し難くなる範囲がより大きくなるように傾斜部を形成することができる。具体的には、角θ1およびθ2、長さH、距離Lが上記式1を満たす場合に、距離Dおよび角θ1は上記式2を満たし、かつ上記式3により算出される面積Sがより大きい値になるように設定することによって、上述した気泡が視認し難くなる範囲の面積をより大きくすることができる。すなわち、上記式3により算出される面積Sは、傾斜部が形成されている側から光軸方向にプラスチックレンズを見たときに、気泡が視認し難くなる範囲の面積を表している。
D=0.8L・・・(5)
S=0.5×{2H−2Dtanθ1−D/tan(θ1−θ2)}×D・・・(6)
上記の構成によれば、傾斜部が形成されている側から光軸方向にプラスチックレンズを見たときに、気泡が視認し難くなる範囲がより大きくなるように傾斜部を形成することができる。具体的には、角θ1およびθ2、長さH、距離Lが上記式1を満たす場合に、距離Dおよび角θ1は上記式2を満たし、かつ上記式3により算出される面積Sがより大きい値になるように設定することによって、上述した気泡が視認し難くなる範囲の面積をより大きくすることができる。すなわち、上記式3により算出される面積Sは、傾斜部が形成されている側から光軸方向にプラスチックレンズを見たときに、気泡が視認し難くなる範囲の面積を表している。
同様に、角θ1およびθ2、長さH、距離Lが上記式4を満たす場合に、距離Dは幅Lとの関係において上記式5を満たし、距離Dおよび角θ1は上記式3により算出される面積Sがより大きい値になるように設定することによって、上述した気泡が視認し難くなる範囲の面積をより大きくすることができる。この場合、上記式6により算出される面積Sが、傾斜部が形成されている側から光軸方向にプラスチックレンズを見たときに、気泡が視認し難くなる範囲の面積を表している。
このように、傾斜部の傾斜角度、形成範囲等を適宜設定することによって、より効果的に傾斜部を形成することができるため、プラスチックレンズの外観上の不良をさらに低減することができる。
また、本発明に係るプラスチックレンズにおいて、上記非有効径部の内部から上記傾斜部に入射する光の入射角をθ2とし、屈折角をθ1としたとき、上記傾斜部と光軸に垂直な仮想線との成す角はθ1と等しく、上記非有効径部の外周側端部の光軸方向の長さをHとし、上記非有効径部の内周側端部と外周側端部との間の幅をLとし、上記非有効径部の外周側における上記傾斜部の端部と、上記非有効径部の内周側における上記傾斜部の端部との間の、光軸に垂直な方向の距離をDとしたとき、上記Hおよび上記Lが以下の式7を満たす場合において、上記Dおよびθ1を以下の式8を満たし、かつ以下の式9により算出される面積Sがより大きい値になるように設定したとき、上記Dが、形成される気泡の直径よりも小さくなる場合、上記Dは0.8Lと等しくなるように設定されており、上記傾斜部はシボ加工が施されており、かつ上記傾斜部の任意の一点に交差する、上記シボ加工の微細な凹凸を含めた光軸方向の長さが上記Hよりも短くなるように、θ1が設定されていることが好ましい。
0.8L>(H−0.8Ltanθ1)×tan(θ1−θ2)・・・(7)
D=Htan(θ1−θ2)/{1+tanθ1×tan(θ1−θ2)}・・・(8)
S=0.5×(H−Dtanθ1)×D・・・(9)
ここで、角θ1およびθ2、長さH、距離Lが上記式7および式8を満たし、かつ上記式9により算出される面積Sがより大きい値になるようにDを設定した場合に、距離Dが幅Lに対して非常に小さくなってしまう場合がある。このような場合、形成される気泡の直径が距離Dよりも大きければ、本発明に係るプラスチックレンズを傾斜部が形成された側から光軸方向に見た場合であっても気泡が視認されてしまうため好ましくない。そこで、上記のように距離Dは0.8Lと等しくなるように設定し、傾斜部はシボ加工を施することによって、傾斜部に重なる位置に存在する気泡を確実に視認し難くすることができる。また、上記傾斜部の任意の一点に交差する、上記シボ加工の微細な凹凸を含めた光軸方向の長さが上記Hよりも短くなるように、θ1を設定する。それによって、本発明のプラスチックレンズを用いてカメラモジュールを組み立てる際に、シボ加工により形成される凹凸部がレンズの組み合わせに影響を与えないようにすることができる。その結果、効果的に傾斜部を形成することができるため、プラスチックレンズの外観上の不良をさらに低減することができる。
D=Htan(θ1−θ2)/{1+tanθ1×tan(θ1−θ2)}・・・(8)
S=0.5×(H−Dtanθ1)×D・・・(9)
ここで、角θ1およびθ2、長さH、距離Lが上記式7および式8を満たし、かつ上記式9により算出される面積Sがより大きい値になるようにDを設定した場合に、距離Dが幅Lに対して非常に小さくなってしまう場合がある。このような場合、形成される気泡の直径が距離Dよりも大きければ、本発明に係るプラスチックレンズを傾斜部が形成された側から光軸方向に見た場合であっても気泡が視認されてしまうため好ましくない。そこで、上記のように距離Dは0.8Lと等しくなるように設定し、傾斜部はシボ加工を施することによって、傾斜部に重なる位置に存在する気泡を確実に視認し難くすることができる。また、上記傾斜部の任意の一点に交差する、上記シボ加工の微細な凹凸を含めた光軸方向の長さが上記Hよりも短くなるように、θ1を設定する。それによって、本発明のプラスチックレンズを用いてカメラモジュールを組み立てる際に、シボ加工により形成される凹凸部がレンズの組み合わせに影響を与えないようにすることができる。その結果、効果的に傾斜部を形成することができるため、プラスチックレンズの外観上の不良をさらに低減することができる。
本発明に係る成形金型は、上述したいずれかのプラスチックレンズを成形するための成形金型であることを特徴としている。また、本発明に係る整成形金型は、プラスチックレンズを成形するための成形金型であって、光学面を有する有効径部の形状に対応する空洞を有する有効径部成形部と、上記有効径部の外周に沿ってリング状に形成された非有効径部の形状に対応する空洞を有する非有効径部成形部と、上記非有効径部成形部の外周側端部に配置され、上記有効径部成形部および上記非有効径部成形部に樹脂を注入するためのゲート部とを備え、上記非有効径部成形部の空洞側には、上記有効径部の光軸を挟んで、上記ゲート部の反対側の位置に、上記非有効径部の光軸方向に対向する端部の少なくとも一方と、上記非有効径部の外周側端部とに交差し、光軸に対して傾斜した傾斜部に対応する傾斜部成形部が設けられていることを特徴としている。本発明に係るプラスチックレンズの製造方法は、本発明に係る成形金型を用いたことを特徴としている。
上記の構成によれば、有効径部の光軸を挟んで、ゲート部の反対側の位置に、傾斜部に対応する面を有する傾斜部形成部を有している。有効径部の光軸を挟んで、ゲート部の反対側の位置は、成形金型内を流動する樹脂の先端部分の最終到達位置であるため、樹脂が包含する気泡が集中することになる。本発明に係る成形金型においては、気泡が集中する位置に傾斜部形成部を有することによって、成形するプラスチックレンズを、傾斜部が形成された側から光軸方向に見た場合、傾斜部に重なる位置に存在する気泡は視認し難い。したがって、成形されるプラスチックレンズにおいて気泡の発生による外観上の不良を低減させることができる。
本発明に係るプラスチックレンズによれば、光学面を有する有効径部の外周に沿ってリング状に形成された非有効径部における、光軸を挟んで上記ゲート部の反対側の位置に、光軸方向に対向する端部の一方と外周側端部とに交差し、光軸に対して傾斜した傾斜部を有しているで、プラスチックレンズを傾斜部が形成された側から光軸方向に見た場合、傾斜部に重なる位置に存在する気泡は視認し難く、気泡の発生によるプラスチックレンズの外観上の不良を低減させることができる。
本発明に係るプラスチックレンズの一実施形態について、図1から図9を参照して以下に説明する。なお、以下の説明では、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の実施形態および図面に限定されるものではない。
(プラスチックレンズ1の構成)
プラスチックレンズ1の構成について図1を参照して以下に説明する。図1(a)(b)は、プラスチックレンズ1およびゲート6を示す図である。図1(a)はプラスチックレンズ1の光軸に平行な面の断面図であり、図1(b)はプラスチックレンズ1の上面図である。図1に示すように、プラスチックレンズ1は、有効径部2および非有効径部3を備えている。有効径部2は光軸中心5を中心とする円形状であり、非有効径部3は有効径部2の外周に沿ってリング状に形成された縁である。有効径部2は、プラスチックレンズ1の中心部分に配置され、光学面を有する光学レンズとして機能するものである。である。なお、本実施形態においては、有効径部2は光軸中心5部分の厚みが外周部分よりも厚い凸レンズを用いているが、本発明はこれに限られず、メニスカスレンズや凹レンズであってもよい。
プラスチックレンズ1の構成について図1を参照して以下に説明する。図1(a)(b)は、プラスチックレンズ1およびゲート6を示す図である。図1(a)はプラスチックレンズ1の光軸に平行な面の断面図であり、図1(b)はプラスチックレンズ1の上面図である。図1に示すように、プラスチックレンズ1は、有効径部2および非有効径部3を備えている。有効径部2は光軸中心5を中心とする円形状であり、非有効径部3は有効径部2の外周に沿ってリング状に形成された縁である。有効径部2は、プラスチックレンズ1の中心部分に配置され、光学面を有する光学レンズとして機能するものである。である。なお、本実施形態においては、有効径部2は光軸中心5部分の厚みが外周部分よりも厚い凸レンズを用いているが、本発明はこれに限られず、メニスカスレンズや凹レンズであってもよい。
非有効径部3は、プラスチックレンズ1の光軸方向に対向する端部の面と、内周側および外周側の端部の面とを有している。光軸方向に対向する端部の面は光軸に対して略平行な面であり、内周側および外周側の端部の面は光軸に対して略垂直な面である。
さらに、非有効径部3の外周側には、傾斜部4が形成されている。傾斜部4は、光軸に対して傾斜しており、図1(a)に示すように、非有効径部3の光軸に略平行な面の一方と、光軸に垂直な外周側の端部の面とに交差するように形成されている。また、傾斜部4は、図1(a)に示すように、非有効径部3における、外周側端部の光軸方向の長さが、非有効径部3における、傾斜部4の任意の一点に交差する光軸方向の長さよりも短くなるような傾きで傾斜している。このような傾きになるように傾斜部を形成することによって、プラスチックレンズの製造が容易であり、かつ各種装置への取り付けが容易である。
プラスチックレンズ1は、その成形金型内部の空洞に樹脂を注入し、注入した樹脂を硬化させることによって製造されるものである。したがって、プラスチックレンズ1を成形するための成形金型は、有効径部2の形状に対応する空洞を有する有効径部成形部と、非有効径部3の形状に対応する空洞を有する非有効径部成形部と、金型内に樹脂を注入するためのゲート部とを備えており、非有効径部成形部の空洞側には、傾斜部4に対応する面を有する傾斜部成形部が設けられている。
プラスチックレンズ1を成形するための成形金型は、プラスチックレンズ1に対応する形状を有しており、その外観は図1(a)と同様である。ゲート部は、図1(a)(b)に示すように、光軸を挟んで傾斜部4の反対側の非有効径部3の外周側端部に接続されている。したがって、ゲート部から成形金型内に樹脂を注入し、硬化させた後、成形金型から取り出したプラスチックレンズ1には、ゲート部に対応する形状の樹脂の突起であるゲート6が付加された状態である。ゲート6をレーザー等により切断する(ゲートカット)ことによって、プラスチックレンズ1が製造される。
このようにプラスチックレンズ1を製造するとき、成形金型の内部に樹脂を注入すると、樹脂が成形金型内で気体を巻き込むことになる。樹脂内に巻き込まれた気体によって樹脂には気泡7が形成される。ゲート部から成形金型内部に注入され、成形金型内部を流動する樹脂の流動先端部分に気泡7は集中するため、樹脂の最終到達位置であり、樹脂が注入されることによって最初に形成される位置、すなわち光軸を挟んでゲート部の反対側に位置する傾斜部4近傍に気泡7が集中する。
プラスチックレンズ1を光軸方向から見たとき、傾斜部4は気泡7と重なるように同じ位置に形成されている。したがって、プラスチックレンズ1を傾斜部4が形成された側から見た際、気泡7が存在するプラスチックレンズ1の内部側から傾斜部4に入射する光は、傾斜部4において屈折し、気泡7が視認し難くなる。よって、プラスチックレンズ1は外観上の不良が低減される。また、傾斜部4は非有効径部3に形成されているため、プラスチックレンズ1の光学レンズとしての機能には影響を及ぼさない。また、傾斜部4はプラスチックレンズ1の外周部(非有効径部3の外周側端部)から突出することなく、非有効径部3内に形成されているため、プラスチックレンズ1を鏡筒等に組み込む際に、レンズの大きさを変える必要がなく、従来どおり設計された組込装置を用いることができる。
また、本発明のプラスチックレンズ1は、非有効径部3の一部に傾斜部4を設けたような、簡素な構造を成形金型に加えるのみで成形することができる。成形されたプラスチックレンズ1は、気泡7を非有効径部3内に許容するため、成形時にオーバーフロー部を必要とせず、プラスチックレンズの生産工程を簡略化することができる。
(傾斜部4の形状)
図1(a)に示すように、傾斜部4は、非有効径部3の光軸に略垂直な面の一方と、非有効径部3の光軸に平行な外周側の面とに交差するように、非有効径部3の外周側の端部において面取り状に形成されている。この構成により、光軸に対して傾いた面が形成される。また、図1(b)に示すようにプラスチックレンズ1を上面から見ると、傾斜部4は弦弧状である。傾斜部4を弦弧状とすることにより、成形金型に簡素な構造を加えるのみで、本発明のプラスチックレンズ1を得ることができる。
図1(a)に示すように、傾斜部4は、非有効径部3の光軸に略垂直な面の一方と、非有効径部3の光軸に平行な外周側の面とに交差するように、非有効径部3の外周側の端部において面取り状に形成されている。この構成により、光軸に対して傾いた面が形成される。また、図1(b)に示すようにプラスチックレンズ1を上面から見ると、傾斜部4は弦弧状である。傾斜部4を弦弧状とすることにより、成形金型に簡素な構造を加えるのみで、本発明のプラスチックレンズ1を得ることができる。
なお、傾斜部4の形状は、傾斜部4は、非有効径部3の光軸に略垂直な面の一方と、非有効径部3の光軸に平行な外周側の面とに交差するように形成されていれば、図1に示す形状に限られず、他の形状であってもよい。例えば、図2(a)に示すように、フィレット状の傾斜部8であってもよい。図2(a)(b)は、傾斜部8がフィレット状である場合のプラスチックレンズ10を示す図である。
また、図3(a)に示すように、非有効径部3の光軸に略垂直な面の一方に交差する傾斜部4だけでなく、さらに非有効径部3の光軸に略垂直な面の他方に交差するように傾斜部4が形成されていてもよい。これにより、プラスチックレンズ20の光軸方向両側に、傾斜部4が形成される。図3(a)(b)は、傾斜部4が光軸方向両側に形成された場合のプラスチックレンズ20を示す図である。傾斜部4が光軸方向両側に形成された部分は、テーパー状になる。この構成により、プラスチックレンズ1を光軸方向のどちらの側から見ても、気泡7を視認し難くすることができる。
また、図4(b)に示すように、傾斜部9をプラスチックレンズ30の外周部(非有効径部3の外周側端部)に沿って円弧状に形成してもよい。図4(a)(b)は、傾斜部9が円弧状である場合のプラスチックレンズ30を示す図である。傾斜部9を円弧状とすることにより、非有効径部3の半径方向の幅が小さくとも、傾斜部9を広範囲に配置することができる。そのため、樹脂の最終到達位置が、ゲート6の光軸を挟んで反対側において比較的広範囲に及ぶ可能性がある場合に、円弧状の傾斜部9を用いることが望ましい。
(傾斜部4の角度)
非有効径部3に設ける傾斜部4の適切な角度について図8および図9を用いて説明する。図8および図9は、傾斜部4の形成された非有効径部3の断面を示す図である。なお、説明の便宜上、プラスチックレンズ1内には、気泡31・32が存在すると仮定する。
非有効径部3に設ける傾斜部4の適切な角度について図8および図9を用いて説明する。図8および図9は、傾斜部4の形成された非有効径部3の断面を示す図である。なお、説明の便宜上、プラスチックレンズ1内には、気泡31・32が存在すると仮定する。
図8のプラスチックレンズ1を図中上方から光軸方向に見たとき、非有効径部3に存在する気泡31の存在する非有効径部3の内部の位置から傾斜部4に入射する光を気泡31に由来する光としたとき、この光は傾斜部4で屈折を起こすため、気泡31は見かけ上、虚像33の位置に視認される。このとき、気泡31に由来する光が傾斜部4の垂線となす屈折角21をθ1、気泡31に由来する光が傾斜部4の垂線となす入射角23をθ2とすると、幾何的条件から傾斜部4と光軸に垂線な仮想線との角度22はθ1と等しい。
また、非有効径部3の外周側における傾斜部4の端部と、プラスチックレンズ1の外周(非有効径部3の外周側端部の面)との交点24を通り、光軸に対して角度θ1−θ2傾いた直線を直線25とする。この直線25とプラスチックレンズ1の外周とに囲まれた領域を非視認領域26とする。プラスチックレンズ1を傾斜部4が形成された側から光軸方向に見たとき、非視認領域26に存在する気泡32は、傾斜部4における屈折の効果によって視認され難い。なお、非視認領域26の領域外にある気泡31は、傾斜部4における光の反射によって視認されにくくなる。したがって、非視認領域26の面積が最大となるように、傾斜部4の角度θ1を設定することによって、プラスチックレンズ1の外観上の不良を効率よく低減させることができる。以下にその設定方法を示す。
非有効径部3の内周側端部と外周側端部との間の幅をL、非有効径部3の外周側における傾斜部4の端部と、非有効径部3の内周側における傾斜部4の端部との間の、光軸に垂直な方向の幅をD、非有効径部3の光軸方向の長さをHとする。また、幅Dは、有効径部2の光学面への影響を防ぐために、最大でもD=0.8L程度にすることが望ましいため、D=0.8Lと仮定する。このとき、非視認領域26の面積Sは次の式10によって与えられるため、面積Sが最大となるθ1およびDを、傾斜部4の角度および傾斜部4における光軸に垂直な方向の幅とすればよい。
S=0.5×(H−Dtanθ1)2×tan(θ1−θ2)・・・(10)
次に、面積Sを最大とするθ1およびDについて、さらに詳しく、場合分けして以下に説明する。図8において、非視認領域26の底辺の長さD’は次の式11により表される。
次に、面積Sを最大とするθ1およびDについて、さらに詳しく、場合分けして以下に説明する。図8において、非視認領域26の底辺の長さD’は次の式11により表される。
D’=(H−Dtanθ1)×tan(θ1−θ2)・・・(11)
まず、非視認領域26の底辺の長さD’が、傾斜部4の幅Dよりも小さい場合、つまり、次の式12を満たす場合、非視認領域26の形状は図8に示すように三角形となる。
まず、非視認領域26の底辺の長さD’が、傾斜部4の幅Dよりも小さい場合、つまり、次の式12を満たす場合、非視認領域26の形状は図8に示すように三角形となる。
D>(H−Dtanθ1)×tan(θ1−θ2)・・・(12)
このとき、D=D’とすると、非視認領域26の面積Sが最大となる。そのため、非視認領域26の面積Sを最大とするには、D=D’としたときのθ1およびDを求めればよい。よって、傾斜部の角度θ1および傾斜部4の幅Dは、次の式13および14によって設定される。
このとき、D=D’とすると、非視認領域26の面積Sが最大となる。そのため、非視認領域26の面積Sを最大とするには、D=D’としたときのθ1およびDを求めればよい。よって、傾斜部の角度θ1および傾斜部4の幅Dは、次の式13および14によって設定される。
D=Htan(θ1−θ2)/{1+tanθ1×tan(θ1−θ2)}・・・(13)
S=0.5×(H−Dtanθ1)×D・・・(14)
一方、斜線部46の三角形の底辺の長さD’が傾斜部4の幅Dよりも大きい場合、つまり、次の式15を満たす場合、非視認領域26の形状は図9に示すように台形となる。
S=0.5×(H−Dtanθ1)×D・・・(14)
一方、斜線部46の三角形の底辺の長さD’が傾斜部4の幅Dよりも大きい場合、つまり、次の式15を満たす場合、非視認領域26の形状は図9に示すように台形となる。
D<(H−Dtanθ1)×tan(θ1−θ2)・・・(15)
このとき、台形の非視認領域26の面積S’は次の式16によって表される。
S’=0.5×{2H−2Dtanθ1−D/tan(θ1−θ2)}×D・・・(16)
この面積S’が最大となるθ1を傾斜部4の角度22に設定する。なお、傾斜部4の幅Dは、D=0.8Lとする。
このとき、台形の非視認領域26の面積S’は次の式16によって表される。
S’=0.5×{2H−2Dtanθ1−D/tan(θ1−θ2)}×D・・・(16)
この面積S’が最大となるθ1を傾斜部4の角度22に設定する。なお、傾斜部4の幅Dは、D=0.8Lとする。
また、傾斜部4の幅Dが式12を満たす場合、上述したように、D=D’として傾斜部4の角度θ1および傾斜部4の幅Dを設定すると、Dが非有効径部3の半径方向の幅Lに対して非常に小さくなってしまう場合がある。
この場合、形成される気泡の直径が距離Dよりも大きければ、プラスチックレンズ1を傾斜部4が形成された側から光軸方向に見た場合であっても気泡が視認されてしまうため好ましくない。そこで、距離Dは0.8Lと等しくなるように設定し、傾斜部4の角度22をわずかに取り、傾斜部4には微細な凹凸をつけるようなシボ加工を施すことが好ましい。それによって、傾斜部4に重なる位置に存在する気泡を確実に視認し難くすることができる。また、傾斜部4の角度22については、前記傾斜部の任意の一点に交差する、シボ加工の微細な凹凸を含めた光軸方向の長さがHよりも短くなるように、θ1が設定されていることが好ましい。それによって、プラスチックレンズ1を用いてカメラモジュールを組み立てる際に、シボ加工により形成される凹凸部がプラスチックレンズ1の組み合わせに影響を与えないようにすることができる。
しかし、傾斜部4の表面にシボ加工を施すためには、プラスチックレンズ1の成形金型において、傾斜部4の形状を転写する部分にエッチング等の処理を施す必要があるため、成形金型の加工工程、費用が増大してしまう。よって、シボ加工は、形成される気泡の直径が距離Dよりも大きくなってしまう場合に限る。
また、本発明における傾斜部4は、面取りを施したプラスチックレンズにも同様に適用することができる。この場合、傾斜部4において光軸に垂直な方向の幅を、面取り部よりも大きく取ることによって、本発明における傾斜部4を形成することができる。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
本実施例においては、図7に示すような凸レンズ形状のプラスチックレンズ40、凹レンズ形状のプラスチックレンズ41、またはメニスカスレンズ形状のプラスチックレンズ42についてシミュレーションを実施した。図7は、本実施例においてシミュレーションを実施したプラスチックレンズ40〜42の断面を示す図である。なお、プラスチックレンズ40〜42の成形に使用する樹脂は、ポリプロピレン(屈折率1.48)とした。
(実施例1)
実施例1では、凸レンズ形状のプラスチックレンズ40についてシミュレーションを行った。このとき、プラスチックレンズ40の外径は5.21mm、レンズの有効径は4.62mm、有効径部2の中心厚さは0.52mm、非有効径部3の厚さは0.26mmとなるよう設定した。また、プラスチックレンズ40の成形金型11において、ゲートの幅は2mm、厚みは0.2mmとした。
実施例1では、凸レンズ形状のプラスチックレンズ40についてシミュレーションを行った。このとき、プラスチックレンズ40の外径は5.21mm、レンズの有効径は4.62mm、有効径部2の中心厚さは0.52mm、非有効径部3の厚さは0.26mmとなるよう設定した。また、プラスチックレンズ40の成形金型11において、ゲートの幅は2mm、厚みは0.2mmとした。
まず、プラスチックレンズ40における、傾斜部4の設定について図8を参照して以下に説明する。傾斜部4において光軸に垂直な方向の幅Dが、D=0.8Lとなるように、0.24mmと仮に設定する。すると、式10から求められる非視認領域26の面積Sが最大になるとき、式11から求められる非視認領域26の底辺の長さD’は、傾斜部4において光軸に垂直な方向の幅Dよりも小さい、つまり、式12を満たす。よって、D=D’として非視認領域26の面積Sが最大となるように傾斜部4の角度θ1および傾斜部4において光軸に垂直な方向の幅Dを求める。このとき、式13および式14から、傾斜部4の角度θ1は45.0°、傾斜部4の幅Dは0.06mmとなった。
ところが、傾斜部4の幅Dが非有効径部3の幅Lと比べて非常に小さくなってしまうため、傾斜部4の半径方向の幅DをD=0.8Lとなるように、0.24mmとした。さらに、傾斜部4の角度をわずかに設け、その表面にシボ加工を施すことによって、非有効径部3に残留する気泡を視認することができないようにした。
次に、上記のように設定したプラスチックレンズ40について、成形金型11における樹脂の流動解析を行った。成形金型11における樹脂の流動解析の結果を図5(a)〜(c)に示す。図5(a)〜(c)は、樹脂が成形金型11に流入する様子を表す図である。
樹脂を成形金型11に注入した際の、成形金型11内における流れ込んだ樹脂の先端を流動先端部分13とする。樹脂の流動先端部分13は時間が経過するとともに、図5に示すように、樹脂の流動先端部分13は(a)から(b)、次に(c)という履歴をとった。成形金型11内に残留した気体は樹脂に巻き込まれ、流動先端部分13に集中するため、気泡は非有効径部3における傾斜部4のある領域12に集まった。
樹脂の充填完了直前、図5(c)に示すように、流動先端部分13は進行方向に対して凸の形状となった。そのため、樹脂の最終到達位置がゲート6の光軸を挟んだ反対側の比較的広範囲に及んでいる。したがって、実施例1のように、凸レンズ形状のプラスチックレンズ40である場合、傾斜部4を円弧状することが好ましい。また、シミュレーションの結果から、有効径部2の中心厚さを非有効径部3の厚さの2倍以下にすることによって、最終的に気泡が残留する箇所(樹脂の最終到達位置)を、傾斜部4の位置にすることができた。これにより、例えばゲート6が接続された付け根の両側付近等に、最終的に気泡を残留させることがない。よって、傾斜部4によって確実に気泡を視認しにくくすることができる。そのため、凸レンズ形状37については、有効径部の中心厚さは非有効径部3の厚さの2倍以下であることが好ましい。
(実施例2)
実施例2では、凹レンズ形状のプラスチックレンズ41についてシミュレーションを行った。このときプラスチックレンズ41の外径は5.21mm、レンズの有効径は4.62mm、有効径部2の中心厚さは0.24mm、非有効径部3の厚さは1.04mmとなるように設定した。また、プラスチックレンズ41の成形金型14において、ゲートの幅は2mm、厚みは0.4mmとした。
実施例2では、凹レンズ形状のプラスチックレンズ41についてシミュレーションを行った。このときプラスチックレンズ41の外径は5.21mm、レンズの有効径は4.62mm、有効径部2の中心厚さは0.24mm、非有効径部3の厚さは1.04mmとなるように設定した。また、プラスチックレンズ41の成形金型14において、ゲートの幅は2mm、厚みは0.4mmとした。
まず、プラスチックレンズ41における、傾斜部4の設定について図9を参照して以下に説明する。傾斜部4において光軸に垂直な方向の幅Dが、D=0.8Lとなるように、0.24mmと仮に設定する。すると、式10から求められる非視認領域26の面積Sが最大となるとき、式11から求められる非視認領域26の底辺の長さD’は、傾斜部4において光軸に垂直な方向の幅Dよりも大きい、つまり、式15を満たす。よって、Dを0.24mmとして、台形状の非視認領域26の面積S’が最大となるθ1を傾斜部4の角度に設定した。このとき、式16から、傾斜部4の角度を49.7°と設定した。
次に、上記のように設定したプラスチックレンズ41について、成形金型14における樹脂の流動解析を行った。成形金型14における樹脂の流動解析の結果を図6(a)〜(c)に示す。図6(a)〜(c)は、樹脂が成形金型14に流入する様子を表す図である。
樹脂を成形金型14に注入した際の、成形金型14内における流れ込んだ樹脂の先端を流動先端部分16とする。樹脂の流動先端部分16は時間が経過するとともに、図6に示すように、樹脂の流動先端部分16は(a)から(b)、次に(c)という履歴をとった。成形金型14内に残留した気体は樹脂に巻き込まれ、流動先端部分16に集中するため、気泡は非有効径部3における傾斜部4のある領域15に集まった。
樹脂の充填完了直前、図6(c)に示すように、先端部分16は進行方向に対して凹の形状となった。そのため、樹脂の最終到達位置は、流動ゲート6の光軸を挟んだ反対側において、比較的狭くなる。よって、傾斜部4の面積は小さくてもよいため、傾斜部4の形状は、比較的構造の簡素な弦弧状でよい。したがって、上記のような凹レンズ形状のプラスチックレンズ41である場合、傾斜部4を弦弧状とすることが好ましい。
また、プラスチックレンズ41について、レンズの中心厚さを0.32mm、0.52mmと変化させてシミュレーションを実施した。その結果、流動解析について、レンズ最小厚さが0.24mmの場合とほぼ同様の結果が得られた。
(実施例3)
実施例3では、プラスチックレンズ1をメニスカスレンズ形状42とし、この成形金型における樹脂の流動解析を行った。このときプラスチックレンズ42の外径は5.21mm、レンズの有効径は4.62mm、有効径部の中心厚さは0.65mm、非有効径部の厚さは0.52mmとなるように設定した。また、ゲートの幅は2mm、厚みは0.2mmとした。
実施例3では、プラスチックレンズ1をメニスカスレンズ形状42とし、この成形金型における樹脂の流動解析を行った。このときプラスチックレンズ42の外径は5.21mm、レンズの有効径は4.62mm、有効径部の中心厚さは0.65mm、非有効径部の厚さは0.52mmとなるように設定した。また、ゲートの幅は2mm、厚みは0.2mmとした。
まず、メニスカスレンズ形状のプラスチックレンズ42における、傾斜部4の設定について図8を参照して以下に説明する。傾斜部4において光軸に垂直な方向の幅Dが、D=0.8Lとなるように、0.24mmと仮に設定する。すると、式10から求められる非視認領域26の面積Sが最大になるとき、式11から求められる非視認領域26の底辺の長さD’は、傾斜部4において光軸に垂直な方向の幅Dよりも小さい、つまり、式12を満たす。よって、D=D′として非視認領域26の面積Sが最大となるように傾斜部4の角度θ1および傾斜部4において光軸に垂直な方向の幅Dを求めた。このとき、式13および14から、傾斜部4の角度θ1は45.0°、傾斜部4において光軸に垂直な方向の幅Dは0.12mmとした。
次に、プラスチックレンズ42について、成形金型における樹脂の流動解析を行ったところ、実施例1と同様の結果となった。つまり、図5(a)〜(c)に示すような、樹脂の流動先端部13の移動が確認され、樹脂の充填完了直前には、樹脂の流動先端部13は、図5(c)に示すように、進行方向に対して凸の形状となった。このとき、傾斜部の形状は円弧状にすることが好ましい。
また、メニスカスレンズ形状のプラスチックレンズ42について、有効径部2の中心厚さを0.52mm、0.39mmと変化させてシミュレーションを実施した。すると、成形金型における樹脂の流動解析について、実施例2と同様の結果となった。つまり、図6に示すような樹脂の流動先端部の移動が確認され、樹脂の充填完了直前には、樹脂の流動先端部は、図6(c)に示すように、進行方向に対して凹の形状となった。このとき、傾斜部4の形状を弦弧状にすることが好ましい。
(実施例のまとめ)
以上の実施例1〜3における流動解析の結果から、以下のことが分かった。非有効径部3の厚さをH、有効径部2の中心厚さをH’とする。凸レンズ形状のプラスチックレンズ40のように、H<H’となる場合、図5(c)に示すように、充填完了直前、樹脂の流動先端部分13は進行方向に対して凸の形状となる傾向がある。よって、傾斜部4の形状を円弧状にすることが好ましい。
以上の実施例1〜3における流動解析の結果から、以下のことが分かった。非有効径部3の厚さをH、有効径部2の中心厚さをH’とする。凸レンズ形状のプラスチックレンズ40のように、H<H’となる場合、図5(c)に示すように、充填完了直前、樹脂の流動先端部分13は進行方向に対して凸の形状となる傾向がある。よって、傾斜部4の形状を円弧状にすることが好ましい。
一方、凹レンズ形状のプラスチックレンズ41のように、H>H’となる場合、図6(c)に示すように、充填完了直前、樹脂の流動先端部分16は進行方向に対して凹の形状となる傾向がある。よって傾斜部4の形状は弦弧状にとることが好ましい。
なお、メニスカスレンズ形状のプラスチックレンズ42のように、H<H’およびH>H’のどちらともなりうる場合は、その設計に従い、傾斜部4の形状を円弧状または弦弧状から選択することが好ましい。
本発明に係るプラスチックレンズは、各種光学機器に搭載される光学素子として、好適に利用することができる。
1,10,20,30,40〜42 プラスチックレンズ
2 有効径部
3 非有効径部
4,8,9 傾斜部
2 有効径部
3 非有効径部
4,8,9 傾斜部
Claims (12)
- 成形金型に接続されたゲート部を介して、成形金型の内部に樹脂を注入することによって形成されるプラスチックレンズであって、
光学面を有する有効径部と、
前記有効径部の外周に沿ってリング状に形成された非有効径部とを備え、
前記非有効径部における、光軸を挟んで前記ゲート部の反対側の位置に、前記非有効径部の光軸方向に対向する端部の一方と、前記非有効径部の外周側端部とに交差し、光軸に対して傾斜した傾斜部を有していることを特徴とするプラスチックレンズ。 - 前記非有効径部における、外周側端部の光軸方向の長さが、前記非有効径部における、前記傾斜部の任意の一点に交差する光軸方向の長さよりも短いことを特徴とする請求項1に記載のプラスチックレンズ。
- 前記非有効径部の内周側端部と外周側端部との間の距離は、前記非有効径部の外周側における前記傾斜部の端部と、前記非有効径部の内周側における前記傾斜部の端部との間の、光軸に垂直な方向の最大距離よりも長いことを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチックレンズ。
- 前記傾斜部は、光軸方向から見たときに、前記非有効径部の気泡が形成されている位置に重なるように形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラスチックレンズ。
- 前記非有効径部は、光軸方向に対向する端部の一方に交差する傾斜部と、他方に交差する傾斜部との両方を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラスチックレンズ。
- 光軸方向から見た前記傾斜部の形状は、弦弧状または円弧状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラスチックレンズ。
- 前記非有効径部の内部から前記傾斜部に入射する光の入射角をθ2とし、屈折角をθ1としたとき、前記傾斜部と光軸に垂直な仮想線との成す角はθ1と等しく、
前記非有効径部の外周側端部の光軸方向の長さをHとし、
前記非有効径部の内周側端部と外周側端部との間の幅をLとし、
前記非有効径部の外周側における前記傾斜部の端部と、前記非有効径部の内周側における前記傾斜部の端部との間の、光軸に垂直な方向の距離をDとしたとき、前記Hおよび前記Lが以下の式1を満たす場合、
前記Dおよびθ1は以下の式2を満たし、かつ以下の式3により算出される面積Sがより大きい値になるように設定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプラスチックレンズ。
0.8L>(H−0.8Ltanθ1)×tan(θ1−θ2)・・・(1)
D=Htan(θ1−θ2)/{1+tanθ1×tan(θ1−θ2)}・・・(2)
S=0.5×(H−Dtanθ1)×D・・・(3) - 前記非有効径部の内部から前記傾斜部に入射する光の入射角をθ2とし、屈折角をθ1としたとき、前記傾斜部と光軸に垂直な仮想線との成す角はθ1と等しく、
前記非有効径部の外周側端部の光軸方向の長さをHとし、
前記非有効径部の内周側端部と外周側端部との間の幅をLとし、
前記非有効径部の外周側における前記傾斜部の端部と、前記非有効径部の内周側における前記傾斜部の端部との間の、光軸に垂直な方向の距離をDとしたとき、前記Hおよび前記Lが以下の式4を満たす場合、
前記Dは、前記非有効径部の内周側端部と外周側端部との間の幅Lとの関係において以下の式5を満たし、前記Dおよびθ1は、以下の式6により算出される面積Sがより大きい値になるように設定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプラスチックレンズ。
0.8L<(H−0.8Ltanθ1)×tan(θ1−θ2)・・・(4)
D=0.8L・・・(5)
S=0.5×{2H−2Dtanθ1−D/tan(θ1−θ2)}×D・・・(6) - 前記非有効径部の内部から前記傾斜部に入射する光の入射角をθ2とし、屈折角をθ1としたとき、前記傾斜部と光軸に垂直な仮想線との成す角はθ1と等しく、
前記非有効径部の外周側端部の光軸方向の長さをHとし、
前記非有効径部の内周側端部と外周側端部との間の幅をLとし、
前記非有効径部の外周側における前記傾斜部の端部と、前記非有効径部の内周側における前記傾斜部の端部との間の、光軸に垂直な方向の距離をDとしたとき、前記Hおよび前記Lが以下の式7を満たす場合において、
前記Dおよびθ1を以下の式8を満たし、かつ以下の式9により算出される面積Sがより大きい値になるように設定したとき、前記Dが、形成される気泡の直径よりも小さくなる場合、
前記Dは0.8Lと等しくなるように設定されており、前記傾斜部はシボ加工が施されており、かつ前記傾斜部の任意の一点に交差する、前記シボ加工の微細な凹凸を含めた光軸方向の長さが前記Hよりも短くなるように、θ1が設定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプラスチックレンズ。
0.8L>(H−0.8Ltanθ1)×tan(θ1−θ2)・・・(7)
D=Htan(θ1−θ2)/{1+tanθ1×tan(θ1−θ2)}・・・(8)
S=0.5×(H−Dtanθ1)×D・・・(9) - 請求項1〜9のいずれか1項に記載のプラスチックレンズを成形するための成形金型。
- プラスチックレンズを成形するための成形金型であって、
光学面を有する有効径部の形状に対応する空洞を有する有効径部成形部と、
前記有効径部の外周に沿ってリング状に形成された非有効径部の形状に対応する空洞を有する非有効径部成形部と、
前記非有効径部成形部の外周側端部に配置され、前記有効径部成形部および前記非有効径部成形部に樹脂を注入するためのゲート部とを備え、
前記非有効径部成形部の空洞側には、前記有効径部の光軸を挟んで前記ゲート部の反対側の位置に、前記非有効径部の光軸方向に対向する端部の少なくとも一方と、前記非有効径部の外周側端部とに交差し、光軸に対して傾斜した傾斜部に対応する傾斜部成形部が設けられていることを特徴とするプラスチックレンズの成形金型。 - 請求項10または11に記載のプラスチックレンズの成形金型を用いたことを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2012127550A1 (ja) * | 2011-03-22 | 2014-07-24 | パナソニック株式会社 | プラスチックレンズ、その製造方法及びそれを用いた撮像装置 |
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2008
- 2008-03-31 JP JP2008090978A patent/JP2009244594A/ja active Pending
Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
JPWO2012127550A1 (ja) * | 2011-03-22 | 2014-07-24 | パナソニック株式会社 | プラスチックレンズ、その製造方法及びそれを用いた撮像装置 |
US9348064B2 (en) | 2011-03-22 | 2016-05-24 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Plastic lens, method for manufacturing the same, and imaging device using the same |
US11990728B2 (en) | 2020-05-26 | 2024-05-21 | Nichia Corporation | Light emitting device |
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