JP2009243542A - 流体封入式防振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より優れた信頼性および耐久性をもって、より広い周波数域に対する有効な防振効果とコンパクト化を図ることの出来る、新規な構造の流体封入式防振装置を提供すること。
【解決手段】第一のオリフィス部材34に対して第二のオリフィス部材36を相対回動可能に組み合わせてオリフィス通路70の通路長さを可変に構成すると共に、該第二のオリフィス部材36に永久磁石56a,56bを設けてロータ側磁極部を形成する一方、該ロータ側磁極部と対向せしめられて流体室26の外部に配設される駆動用磁力発生手段72に設けられた複数の電磁石76によってステータ側磁極部を形成して、該複数の電磁石76への通電を選択的に制御することによって該第二のオリフィス部材36の回動位置を変更設定せしめて該オリフィス通路70の通路長さを変更設定可能とした。
【選択図】図1
【解決手段】第一のオリフィス部材34に対して第二のオリフィス部材36を相対回動可能に組み合わせてオリフィス通路70の通路長さを可変に構成すると共に、該第二のオリフィス部材36に永久磁石56a,56bを設けてロータ側磁極部を形成する一方、該ロータ側磁極部と対向せしめられて流体室26の外部に配設される駆動用磁力発生手段72に設けられた複数の電磁石76によってステータ側磁極部を形成して、該複数の電磁石76への通電を選択的に制御することによって該第二のオリフィス部材36の回動位置を変更設定せしめて該オリフィス通路70の通路長さを変更設定可能とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば自動車用エンジンマウント等として用いられる防振装置に係り、特に内部に封入された非圧縮性流体の流動作用を利用して防振効果を得るようにした流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、内燃機関等の振動体を車両ボデー等のベース部材に対して防振支持するために防振装置が用いられている。例えば、自動車用のパワーユニットは、車両ボデーに対して複数の防振装置としてのエンジンマウントによって防振支持されている。
ところで、自動車用エンジンマウントでは、乗り心地の向上のために高度な防振性能が要求される。かかる要求に対応するために、非圧縮性流体の共振作用等の流動作用を利用した流体封入式防振装置が提案されている。この流体封入式防振装置は、良く知られているように、振動が入力される受圧室と容積可変の平衡室をオリフィス通路で連通せしめて非圧縮性流体を封入した構造とされており、振動入力時に受圧室と平衡室の間に惹起される相対的な圧力変動に基づいてオリフィス通路を流動せしめられる非圧縮性流体の共振作用等によって防振効果を発揮し得るようになっている。
また、自動車用エンジンマウントにおいては、エンジン回転数や車両走行状態等に応じて、異なる周波数や振幅等の複数種類の振動に対する防振性能が要求される。しかし、オリフィス通路は予めチューニングされた周波数域の振動に対しては優れた防振性能が得られるものの、チューニング周波数域を超えた高周波数域の振動に対しては、反共振作用に起因して著しい高動ばね化を惹起せしめてしまい、防振性能が大幅に低下するという問題があった。
そこで、従来では、例えば特許文献1(特開2005−172173号公報)等に記載されているように、互いに異なるチューニングが施された複数のオリフィス通路を設けると共に、弁体等でそれら複数のオリフィス通路を選択的に遮断/連通させるようにした外部制御型の流体封入式マウントも提案されている。
しかし、かかる従来構造において、より広い周波数域において有効な防振性能を得るためには、オリフィス通路の数を増やす必要があって、配設スペースの問題を生じると共に、防振装置の大型化を招く。特に、低周波数チューニングのオリフィス通路に要求される、通路断面積を小さくして通路長さを充分に大きく設定することと、高周波数チューニングのオリフィス通路に要求される、通路長さを小さくして通路断面積を充分に大きく設定することとの両立は困難である。
また、特許文献2乃至4(実開平7−18046号公報、特開平5−248480号公報、特開平4−160246号公報)には、相対回転可能に組み合わせた二つのオリフィス形成部材によって相対回転方向に延びるオリフィス通路を形成すると共に、かかるオリフィス通路の長さを二つのオリフィス形成部材の相対回転によって可変とした構造が提案されている。かくの如きオリフィス通路長の可変構造によれば、一つのオリフィス通路のチューニング周波数を調節することが出来て、複数の振動に対する有効な防振効果を、スペース効率の良い一つのオリフィス通路によって得ることが可能となる。
ところが、これら特許文献2乃至4に記載の如き従来のオリフィス通路長の可変構造においては、オリフィス形成部材を回転駆動せしめるために、マウント本体の外部に電気モータを装備させる必要があると共に、電気モータの回転軸による駆動力をマウント本体内に配設されたオリフィス部材に伝達するために、駆動力伝達部材を受圧室や平衡室等の流体室の外から中に貫通させて配設する必要があった。
それ故、防振装置の著しい大型化を避けることが困難であった。また、駆動力伝達部材を流体室を貫通させて配設することによって、流体室のシール構造が複雑となり耐久性や信頼性が低下するおそれや、駆動力伝達部材の組み付けに際して流体封入作業等のマウント製造作業も困難となるおそれがあって、実用化には未だ多くの問題を有するものであった。
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、より優れた信頼性および耐久性をもって、より広い周波数域に対する有効な防振効果を得ることが出来ると共に、更なるコンパクト化を図ることの出来る、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
以下、前述の如き課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明は、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結する一方、該本体ゴム弾性体によって壁部の一部が構成されて振動入力時に圧力変動が惹起される受圧室と、可撓性膜によって壁部の一部が構成されて容積変化が許容される平衡室とを設けて、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら受圧室と平衡室を接続せしめて流体流動を許容するオリフィス通路を形成した流体封入式防振装置において、前記第二の取付部材によって支持された第一のオリフィス部材に対して一軸回りで相対回動可能に第二のオリフィス部材を組み合わせて該第一のオリフィス部材と該第二のオリフィス部材の組み合わせ部分において相対回動方向に延びるように周方向通路を形成し、該周方向通路の周方向一方の端部において前記受圧室と前記平衡室の一方に連通せしめられた第一の連通孔と、該周方向通路の周方向他方の端部において該受圧室と該平衡室の他方に連通せしめられた第二の連通孔とを形成することにより前記オリフィス通路を構成すると共に、該第一のオリフィス部材に対して該第二のオリフィス部材を相対回動させて該第一の連通孔と該第二の連通孔との該周方向通路上での周方向離隔距離を変化させることによって該オリフィス通路の通路長さを可変とする一方、該第二のオリフィス部材に永久磁石を固設して該第一のオリフィス部材に対する相対回動中心軸回りの周上に複数のロータ側磁極部を形成すると共に、該受圧室又は該平衡室において該第二のオリフィス部材における該複数のロータ側磁極部の形成面の外側に位置する壁部を非磁性材からなる隔壁部として、該第二のオリフィス部材における該複数のロータ側磁極部の形成面に対して該隔壁部を挟んで対向する室外位置に複数の電磁石を備えた駆動用磁力発生手段を配設し、それら複数の電磁石において発現される複数のステータ側磁極部を該第二のオリフィス部材の該第一のオリフィス部材に対する相対回動中心軸回りの周上に位置せしめることにより、該駆動用磁力発生手段における該複数の電磁石への通電を選択的に制御することによって該第一のオリフィス部材に対する該第二のオリフィス部材の相対回動位置を変更設定せしめて該オリフィス通路の通路長さを変更設定可能としたことを、特徴とする。
本発明によれば、オリフィス通路の通路長さを変更設定出来ることから、一つのオリフィス通路を複数の或いはより広い周波数域にチューニング変更することが出来る。例えば、アイドリング時にはオリフィス通路の通路長さを短めに設定してオリフィス通路の液中共振周波数をアイドリング振動等の高周波数域にチューニング設定する一方、走行時にはオリフィス通路の通路長さを長めに設定してオリフィス通路の液中共振周波数をエンジンシェイク等の低周波数域にチューニング設定することによって、高周波数域および低周波数域の何れの振動に対してもオリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づく有効な防振効果を得ることが出来る。更に、アイドリング時においても、例えばエンジン始動時やエアコンON時等の場合には、エンジン回転数は定格回転数よりも高くなり、入力振動周波数が変化する。そこにおいて、本発明によれば、オリフィス通路の通路長さを変化せしめることによって、オリフィス通路の液中共振周波数をかかる入力振動周波数の変化に追従せしめることが出来るのであり、特定の周波数域内においてオリフィス通路の液中共振周波数を変更制御して、より精度の良い防振効果を得ることが出来る。これにより、スペース効率に優れた一つのオリフィス通路によって複数の或いはより広い周波数域に亘って有効な防振効果を得ることが可能となり、コンパクト化を図ることが出来る。
そして、本発明によれば、かかるオリフィス通路の通路長さの変更設定が、流体封入領域内に配設された第二のオリフィス部材に設けられたロータ側磁極部と、流体封入領域外に配設された駆動用磁力発生手段のステータ側磁極部との間の磁力作用を利用して、流体封入領域の外部から内部の第二のオリフィス部材を駆動制御することによって行われるようになっている。これにより、第二のオリフィス部材とこれを駆動せしめる駆動用磁力発生手段を流体封入領域の内外に物理的に独立して配設することが出来る。従って、従来構造のように、駆動用の電動モータを流体封入式防振装置の外部に配設して、オリフィス部材に駆動力を伝達する駆動力伝達部材を流体封入領域の内外を貫いて設けるようなことも不要とされており、流体封入領域のシール性や耐久性、信頼性を飛躍的に向上せしめることが出来る。更に、流体封入領域の内外を貫いて駆動力伝達部材を配設することが不要とされることから、製造もより容易になる。このように、本発明は、流体封入式防振装置内にステッピングモータと略同様の構造を構成して、オリフィス部材自体をステッピングモータにおけるロータとして構成することによってオリフィス通路の通路長さの変更設定を可能としたものであり、従来構造の如き、流体封入式防振装置に電気モータ等の駆動手段を後付けして、駆動力を伝達するための駆動力伝達部材を流体封入式防振装置の外から中に差し入れたものとは、基本的な思想を全く異にするものである。
そして、本発明においては、ステッピングモータと略同様の構造を内蔵したことによって、公知の如きステッピングモータの優れた位置決め特性を得ることが出来て、第二のオリフィス部材の第一のオリフィス部材に対する相対回動位置、延いてはオリフィス通路の通路長さを、極めて高精度に且つ高い信頼性をもって制御することが可能とされるのである。
なお、本発明においてオリフィス通路は、第一及び第二のオリフィス部材によって形成される周方向通路のみによって形成されていても良いし、周方向通路を一部に含んで形成されていても良い。
また、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、前記第一のオリフィス部材と前記第二のオリフィス部材の相対回動中心軸上に延びる回動支軸を設けて、該第一のオリフィス部材と該第二のオリフィス部材の一方に対して該回動支軸を固定すると共に、該第一のオリフィス部材と該第二のオリフィス部材の他方に対して該回動支軸を回動可能に挿通せしめた構成が、好適に採用される。このようにすれば、第一のオリフィス部材に対して第二のオリフィス部材を回動支軸回りで安定して相対回動せしめることが出来て、オリフィス通路の通路長さをより精度良く変更調節することが出来る。
さらに、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、前記駆動用磁力発生手段に対して前記隔壁部が固着されている構成が、好適に採用される。このようにすれば、駆動用磁力発生手段に設けられたステータ側磁極部と、隔壁部を挟んで対向せしめられた第二のオリフィス部材に設けられたロータ側磁極部をより近づけて配設することが出来ることから、より有効な磁気作用力を得ることが出来て、第二のオリフィス部材をより安定して回動駆動せしめることが出来る。また、受圧室乃至は平衡室の変形に際して隔壁部が駆動用磁力発生手段に打ち当たるようなことも抑えることが出来て、耐久性も向上せしめられる。
また、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、前記第二の取付部材が筒状部を有しており、該筒状部の一方の開口部側に前記第一の取付部材が離隔配置されてそれら第一の取付部材と第二の取付部材が前記本体ゴム弾性体で連結されることによって該筒状部の一方の開口部が流体密に閉塞されていると共に、該筒状部の他方の開口部が前記可撓性膜としての可撓性ゴム膜で流体密に閉塞されている一方、該筒状部で支持されて該筒状部の軸直角方向に広がって配設された仕切部材により該本体ゴム弾性体と該可撓性ゴム膜との対向面間が仕切られて該仕切部材と該本体ゴム弾性体との間に前記受圧室が形成されていると共に、該仕切部材と該可撓性ゴム膜との間に前記平衡室が形成されており、該仕切部材において該筒状部に対して固着された部分で前記第一のオリフィス部材が構成されていると共に、該第一のオリフィス部材に対して前記第二のオリフィス部材が該筒状部の中心軸回りで相対回動可能に組み付けられており、該可撓性ゴム膜の中央部分に対して前記隔壁部が固着されて、該隔壁部が該第二のオリフィス部材に対して該筒状部の中心軸方向に離隔して対向位置せしめられていると共に、該隔壁部を挟んで該平衡室と反対側に前記駆動用磁力発生手段が配設されて、該駆動用磁力発生手段に対して該隔壁部が固着されていると共に、該駆動用磁力発生手段が該筒状部に対して固定的に支持されている構成が、好適に採用される。
このようにすれば、本体ゴム弾性体によって第二の取付部材の一方の開口部を覆蓋することが出来て、受圧室を効率よく形成することが出来ると共に、仕切部材の両側に受圧室と平衡室を効率的に形成することが可能となり、全体としてコンパクトな流体封入式防振装置を実現することが出来る。そして、駆動用磁力発生手段を筒状部に対して固定的に支持せしめることによって、ステータ側磁極部とロータ側磁極部の組み付け位置を安定して維持することが出来て、第二のオリフィス部材を安定して回動せしめることが出来る。
また、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、前記第一のオリフィス部材と前記第二のオリフィス部材が何れも非磁性材で形成されている一方、前記第二の取付部材の少なくとも前記筒状部が磁性材で形成されている構成が、好適に採用される。このようにすれば、ステータ側磁極部とロータ側磁極部間の磁気作用力が第一乃至は第二のオリフィス部材に直接に作用することを防ぐことが出来て、これら第一及び第二のオリフィス部材の相対回動が阻害されるおそれを軽減することが出来る。また、ステータ側磁極部とロータ側磁極部間の磁束の漏れを筒状部で抑えることが出来て、磁束漏れに起因する他部材への影響を抑えることが出来る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1に、本発明の流体封入式防振装置に係る一実施形態としての自動車用エンジンマウント10を概略的に示す。このエンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と、第二の取付部材としての第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で弾性的に連結された構造とされており、第一の取付金具12が自動車のパワーユニットに取り付けられる一方、第二の取付金具14が自動車のボデーに取り付けられることにより、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようになっている。なお、そのような装着状態下、エンジンマウント10には、パワーユニットの分担支持荷重が及ぼされることにより、本体ゴム弾性体16が弾性変形せしめられて、第一の取付金具12と第二の取付金具14が相互に接近位置せしめられるようになっている。また、かかる装着状態下、防振すべき主たる振動が、第一の取付金具12と第二の取付金具14の接近/離隔方向(マウント中心軸である図1中の略上下方向)に入力されることとなる。なお、以下の説明中、上下方向とは、特に断りのない限り、図1中の上下方向をいうものとする。
より詳細には、第一の取付金具12は、逆向きの略円錐台形状を有している。第一の取付金具12は、例えば中心軸上にボルト孔が形成されて、かかるボルト孔に螺着される図示しない固定ボルトによってパワーユニット側に固定的に取り付けられるようになっている。
一方、第二の取付金具14は、大径円筒形状を有する筒状部18を備えた軸方向両側に開口する略筒形状とされている。本実施形態においては、筒状部18を含む第二の取付金具14の全体が例えば鉄などの磁性材で形成されている。
そして、第二の取付金具14の中心軸上で、第一の取付金具12が軸方向上方に所定距離を隔てて略同一中心軸上に配設されており、これら第一の取付金具12と第二の取付金具14が、本体ゴム弾性体16によって弾性連結されている。本体ゴム弾性体16は、大径の略円錐台形状を有しており、その大径側端面には、第二の取付金具14内に開口する大径の凹所20が形成されている。そして、本体ゴム弾性体16の小径側端部に第一の取付金具12が埋め込まれた状態で加硫接着されていると共に、大径側端部に第二の取付金具14の上端部が加硫接着されている。これによって、本体ゴム弾性体16は、第一の取付金具12と第二の取付金具14を備えた一体加硫成形品として形成されており、筒状部18の一方の開口部を構成する第二の取付金具14の上方の開口部が本体ゴム弾性体16によって流体密に閉塞されている。
さらに、筒状部18の他方の開口部を構成する第二の取付金具14の下側開口部よりもやや上方の部位には、可撓性膜としてのダイヤフラム22が配設されている。ダイヤフラム22は、十分な弛みを持たせて変形容易とした薄肉ゴム膜とされている。特に本実施形態においては、ダイヤフラム22の中央部分には、隔壁部としての隔壁板24が加硫接着されている。隔壁板24は、非磁性の樹脂材料から形成された適当な厚さ寸法を有し、容易に変形することのない円板形状とされている。なお、詳細な図示は省略するが、ダイヤフラム22は、例えば、その外周縁部に加硫接着された金属リングが筒状部18の下側開口部に挿入された後、筒状部18に縮径加工やかしめ加工が施されることにより、第二の取付金具14に固定されるようになっている。これにより、筒状部18の他方の開口部を構成する、第二の取付金具14の軸方向下端部よりもやや上方の部位がダイヤフラム22によって流体密に閉塞されており、以て、第二の取付金具14の内部には、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム22の対向面間において、内部に非圧縮性流体が封入された流体室26が形成されている。なお、流体室26に封入される非圧縮性流体としては、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等が何れも採用可能であるが、後述する流体の共振作用に基づく防振効果を有効に得るためには、0.1Pa・s以下の粘度を有する低粘性流体が望ましい。
また、このようにして形成された流体室26の内部には、全体として略円柱形状を有する仕切部材28が収容配置されている。詳細な図示は省略するが、仕切部材28は、例えば、その外周面が縮径加工された第二の取付金具14で狭圧保持されることにより、第二の取付金具14に対して固定的に支持されている。これにより、仕切部材28が筒状部18の軸直角方向に広がって配設されると共に、仕切部材28によって流体室26が軸方向で仕切られており、以て、仕切部材28の上側には、本体ゴム弾性体16で壁部の一部が構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる受圧室30が形成されていると共に、仕切部材28の下側には、ダイヤフラム22で壁部の一部が構成されて容積変化が許容される平衡室32が形成されている。
仕切部材28は、第一のオリフィス部材34と第二のオリフィス部材36が組み合わされて構成されている。第一及び第二のオリフィス部材34,36は、例えば、プレス成形品やダイキャスト成形品が採用され得るが、その他、射出成形された硬質の合成樹脂材によって形成されていても良く、好適には、非磁性材から形成される。
第一のオリフィス部材34は、互いに等しい径寸法を有する円板形状とされた上底部38と下底部40の外周縁部が全周に亘って周壁42で接続された中空の略円柱ブロック形状とされている。更に、下底部40の中央部分には、下底部40を厚さ方向に貫通する円形の開口部44が形成されている。また、上底部38の外周部分の一箇所には、上底部38を厚さ方向に貫通する第一の連通孔46が形成されている。なお、第一の連通孔46は、第一のオリフィス部材34の軸方向の投影視において、開口部44の径方向外側に位置する部位に形成されている。更に、第一のオリフィス部材34の周方向で第一の連通孔46から僅かに離れた部位には、周壁42の内周面から径方向内方に突出して開口部44に亘る壁部47(図4参照)が形成されている。そして、このような構造とされた第一のオリフィス部材34が第二の取付金具14の筒状部18に差し入れられて、その外周面が第二の取付金具14で狭圧保持されることにより、第一のオリフィス部材34が筒状部18に対して同軸上で、軸直角方向に広がるように固着されている。
一方、第二のオリフィス部材36は、第一のオリフィス部材34における開口部44の径寸法と等しい径寸法を有する円板形状とされた上底部48と下底部50の外周縁部が略全周に亘って周壁52で接続された中空の略円柱ブロック形状とされている。第二のオリフィス部材36は、第一のオリフィス部材34における上底部38の内面から下底部40の外面に亘る軸方向寸法を有している。更に、図2にも概略的に示すように、周壁52の周上の一箇所には、周壁52の厚さ方向に貫通する第二の連通孔54が形成されている。
また、下底部50の外面55には、一対の永久磁石56a,56bが、第二のオリフィス部材34の中心軸回りの周上で、径方向に対向して接着等により固着されている。そこにおいて、これら永久磁石56a,56bは、上下両端部に磁極が発現せしめられるように配設されており、上下同じ側において、互いに反対の磁極が発現せしめられている。特に本実施形態においては、永久磁石56aの下端部にはS極が、永久磁石56bの下端部にはN極が位置せしめられている。なお、図1においては、理解を容易とするために、第二の連通孔54が、永久磁石56a,56bと同一直線上に位置せしめられて図示されているが、第二の連通孔54の形成位置は、後述するオリフィス通路70に要求される通路長や第二のオリフィス部材36の回動範囲などを考慮して適宜に設定可能であり、特に本実施形態においては、第二の連通孔54は、図2に示すように、永久磁石56a,56bが配設された直線上から第二のオリフィス部材36の周方向で外れた位置に形成されている。更に、第二のオリフィス部材36の中央には、上下底部48,50を厚さ方向に貫通する軸挿通孔58が形成されていると共に、下底部50には、厚さ方向に貫通する一対の貫通孔60が、永久磁石56a,56bよりも径方向外側において周方向に所定寸法に亘って延びるように形成されている。
そして、第一のオリフィス部材34の開口部44に対して、第二のオリフィス部材36が嵌め入れられるようにして組み付けられている。そこにおいて、第二のオリフィス部材36は、第一のオリフィス部材34に対して非固定的に組み付けられており、第一のオリフィス部材34および筒状部18と同軸上に配設されている。これにより、第二のオリフィス部材36は、第一のオリフィス部材34に対して、筒状部18の中心軸まわりで相対回動可能とされている。特に本実施形態においては、第二のオリフィス部材36の軸挿通孔58に回動支軸としての軸部材62が軸方向両端部を第二のオリフィス部材36の軸方向両側に突出して非固定的に挿通せしめられている。そして、軸部材62の軸方向一方の端部が、第一のオリフィス部材34の上底部38の内面の中央部分に開口せしめられた凹所64に差し込まれて固定されると共に、他方の端部が、隔壁板24の中央部分に設けられた円柱状の軸支部材66に差し込まれて固定されている。これにより、第二のオリフィス部材36は、筒状部18の中心軸上に延びる軸部材62回りで第一のオリフィス部材34に対して相対回動可能とされている。
かかる第一および第二のオリフィス部材34,36の組み付け状態において、第二のオリフィス部材36における上底部48の上面と第一のオリフィス部材34における上底部38の下面が略隙間のない接触状態とされると共に、第二のオリフィス部材36における周壁52の外周面と、第一のオリフィス部材34における開口部44の内周面が略隙間のない接触状態とされる。これにより、第一および第二のオリフィス部材34,36の組合せ面間となる周壁42,52の対向面間には、これらオリフィス部材34,36の周方向に延びる、換言すれば、第二のオリフィス部材36の第一のオリフィス部材34に対する相対回動方向に延びる周方向通路68が形成されている。そして、かかる周方向通路68が、第一の連通孔46を通じて受圧室30に連通せしめられていると共に、第二の連通孔54を通じて平衡室32に連通せしめられている。なお、本実施形態においては、第二のオリフィス部材36の下底部50に貫通孔60が貫設されていることによって、第二のオリフィス部材36の内部空間を含んで平衡室32が形成されている。これにより、第一の連通孔46を一方の端部とすると共に第二の連通孔54を他方の端部として周方向通路68の周方向に延び出して、受圧室30と平衡室32を相互に連通して流体流動を許容するオリフィス通路70が形成されている。
さらに、第二のオリフィス部材36の外面55に対して隔壁板24を挟んで対向する流体室26の室外空間、換言すれば、隔壁板24を挟んで平衡室32と反対側の室外空間には、駆動用磁力発生手段としてのステータ部材72が配設されている。図3にも概略的に示すように、ステータ部材72は、非磁性の樹脂材料から形成された略円柱ブロック形状のコイル支持部材74に、電磁石としての複数のコイル部材76がコイル支持部材74と同じ軸方向をもって、上端面をコイル支持部材74の上端面と等しく位置せしめた略埋設状態で設けられた構造とされている。コイル部材76は、例えば鉄等の強磁性材からなる棒状の芯材78にコイル80が巻回された構造とされている。かかるコイル部材76の個数は、オリフィス通路70に要求される通路長の設定数等を考慮して適宜に選択可能であり、本実施形態においては、4つのコイル部材76a乃至76dが、コイル支持部材74の周方向で所定間隔を隔てて配設されている。また、コイル部材76の外径寸法は、第二のオリフィス部材36に設けられた永久磁石56a,56bの外径寸法と略等しくされていると共に、コイル支持部材74の径方向で対向する一対のコイル部材76aと76c、および76bと76dの離隔距離が、永久磁石56a,56bの離隔距離と略等しくされている。なお、コイル部材76は、例えば、コイル支持部材74が射出成形等の手段で形成される際に予め金型にセットされて、コイル支持部材74の成形時に埋設されるようになっている。
そして、ステータ部材72の上端面が、隔壁板24における平衡室32と反対側の面に当接せしめられた状態で、隔壁板24に接着等により固着されている。更に、ステータ部材72は、第二の取付金具14の下側開口部に配設された支持板82に支持されている。支持板82は、例えば非磁性の樹脂材料から形成された円板状の部材とされており、図面からは明らかではないが、例えば、第二の取付金具14の下側開口部に嵌め入れられるようにして、第二の取付金具14の下端開口部にかしめ固定される。これにより、第二の取付金具14の下側開口部が支持板82で覆蓋されると共に、ステータ部材72が、隔壁板24と支持板82の間で、第二の取付金具14に対して固定的に設けられる。更に、ステータ部材72で隔壁板24が支持されると共に、隔壁板24上に設けられた軸支部材66で第二のオリフィス部材36が支持されている。そこにおいて、軸支部材66の軸寸法は永久磁石56a,56bの軸寸法よりも大きくされており、これにより、隔壁板24が、第二のオリフィス部材36に対して筒状部18の中心軸方向に離隔して対向位置せしめられると共に、平衡室32において、第二のオリフィス部材36の外面55の外側に位置せしめられる。
また、ステータ部材72は、第二のオリフィス部材36の中心軸と同軸上に配設されており、ステータ部材72に設けられたコイル部材76が、第二のオリフィス部材36の中心軸回りの周上に位置せしめられると共に、第二のオリフィス部材36に設けられた永久磁石56a,56bと上下方向で重なり得るように位置せしめられている。このようにして、エンジンマウント10が構成されている。なお、支持板82には、厚さ方向に貫通する空気孔84が適当な箇所に適当な個数だけ形成されており、ダイヤフラム22と支持板82で囲まれる第二の取付金具14の内部空間が外部と連通せしめられて、ダイヤフラム22の変形が阻害されることの無いようにされている。
さらに、ステータ部材72の内部にはリード線86が配設されており、リード線86の一方の端部が各コイル部材76のコイル80に接続される一方、他方の端部がコイル支持部材74および支持板82を通じてエンジンマウント10の外側に延び出されて、エンジンマウント10の外側に配設された駆動回路88と電気的に接続されている。駆動回路88は、例えば自動車の電気系統の電源および制御回路90と電気的に接続されており、制御回路90からの制御信号に応じて各コイル80を通電せしめる電源供給回路である。また、制御回路90は、エンジンECU92と電気的に接続されており、エンジンECU92からの回転数等のエンジン作動状態やスロットル開度、ミッション位置、加速度、走行/停車状態等の制御データを必要に応じて適宜に採用し、目的とする制御態様に応じて制御信号を生成して、駆動回路88を通じて各コイル部材76を通電制御するものである。なお、制御回路90による各コイル部材76の通電制御は、予め設定された制御データに基づくマップ制御を利用することによって、或いは、防振すべき部材の振動検出信号をエラー信号として、適応制御等のフィードバック制御を行なうこと等によって行なうことが出来る。
これにより、本実施形態におけるエンジンマウント10は、制御回路90からの制御信号に基づいて駆動回路88が駆動せしめられて、各コイル80が通電せしめられるようになっている。これにより、各コイル部材76の軸方向両端部に、磁極が発現せしめられる。そこにおいて、特に本実施形態においては、コイル支持部材74の径方向で対向する一対のコイル部材76aと76cの組と、コイル部材76bと76dの組の何れか一組に選択的に通電せしめられると共に、各組におけるコイル部材76aと76cの間、およびコイル部材76bと76dの間で、軸方向上端面に互いに反対の磁極が発現せしめられるようになっている。
このような構造とされたエンジンマウント10は、図4(a)に概略的に示すように、コイル部材76b,76dが通電せしめられて、コイル部材76bの上端部にN極、コイル部材76dの上端部にS極が発現せしめられると、第二のオリフィス部材36に設けられた永久磁石56a,56bにコイル部材76b、76dによる磁気作用力が及ぼされて、下端部がS極とされた永久磁石56aがコイル部材76bに吸引せしめられると共に、下端部がN極とされた永久磁石56bがコイル部材76dに吸引せしめられる。なお、本実施形態においては、永久磁石56a,56bの径寸法とコイル部材76の径寸法が略等しくされているが、図4においては、理解を容易とするために、コイル部材76の径寸法を永久磁石56a,56bよりもやや大きく示す。これにより、第二のオリフィス部材36が軸部材62回りで回動せしめられて、コイル部材76bの上方に永久磁石56aを、コイル部材76dの上方に永久磁石56bを位置せしめた回動位置で安定位置せしめられる。これにより、第一の連通孔46から第二の連通孔54に亘るオリフィス通路70の通路長が、周方向通路68の半周よりもやや短い長さ寸法に設定される。そこにおいて、特に本実施形態におけるオリフィス通路70は、図4(a)に示した周方向長さで、アイドリング振動等の高周波数域で有効な防振効果が得られるようにチューニングされている。
なお、オリフィス通路70のチューニングは、例えば、受圧室30や平衡室32の各壁ばね剛性、即ちそれら各室30,32を単位容積だけ変化させるのに必要な圧力変化量に対応する本体ゴム弾性体16やダイヤフラム22等の各弾性変形量に基づく特性値を考慮しつつ、オリフィス通路70の通路長さと通路断面積を調節することによって行うことが可能であり、一般に、オリフィス通路70を通じて伝達される圧力変動の位相が変化して略共振状態となる周波数を、当該オリフィス通路70のチューニング周波数として把握することが出来る。
一方、図4(b)に概略的に示すように、コイル部材76a,76cが通電せしめられて、コイル部材76aの上端部にS極、コイル部材76cの上端部にN極が発現せしめられると、第二のオリフィス部材36に設けられた永久磁石56a,56bにコイル部材76a、76cによる磁気作用力が及ぼされて、下端部がS極とされた永久磁石56aがコイル部材76cに吸引せしめられると共に、下端部がN極とされた永久磁石56bがコイル部材76aに吸引せしめられる。これにより、第二のオリフィス部材36が軸部材62回りで回動せしめられて、コイル部材76cの上方に永久磁石56aを、コイル部材76aの上方に永久磁石56bを位置せしめた回動位置で安定位置せしめられる。これにより、オリフィス通路70の通路長が、図4(a)に示した状態下での通路長よりも短く、周方向通路68の1/4周よりもやや短い長さ寸法に設定される。そこにおいて、特に本実施形態におけるオリフィス通路70は、図4(b)に示した周方向長さで、図4(a)に示した周波数域よりもやや高い周波数域で有効な防振効果が得られるようにチューニングされている。
さらに、図4(c)に概略的に示すように、コイル部材76b,76dが通電せしめられて、コイル部材76bの上端部にS極、コイル部材76dの上端部にN極が発現せしめられると、第二のオリフィス部材36に設けられた永久磁石56a,56bにコイル部材76b、76dによる磁気作用力が及ぼされて、下端部がS極とされた永久磁石56aがコイル部材76dに吸引せしめられると共に、下端部がN極とされた永久磁石56bがコイル部材76bに吸引せしめられる。これにより、第二のオリフィス部材36が軸部材62回りで回動せしめられて、コイル部材76bの上方に永久磁石56bを、コイル部材76dの上方に永久磁石56aを位置せしめた回動位置で安定位置せしめられる。これにより、オリフィス通路70の通路長が、図4(a)に示した状態下での通路長よりも長く、周方向通路68の略一周よりもやや短い長さ寸法に設定される。そこにおいて、特に本実施形態におけるオリフィス通路70は、図4(c)に示した周方向長さで、エンジンシェイク等の低周波数域で有効な防振効果が得られるようにチューニングされている。
また、図示は省略するが、コイル部材76a,76cが通電せしめられて、コイル部材76aの上端部にN極、コイル部材76cの上端部にS極が発現せしめられると、第二のオリフィス部材36が、コイル部材76aの上方に永久磁石56aを、コイル部材76cの上方に永久磁石56bを位置せしめた回動位置で安定せしめられる。これにより、オリフィス通路70の通路長が、図4(a)に示した状態下での通路長よりも長く、図4(c)に示した状態下での通路長よりも短い、周方向通路68の3/4周よりもやや短い長さ寸法に設定される。要するに、第二のオリフィス部材36が、図4(b)の回動位置から反時計回りに180度回動せしめられて、第二の連通孔54が、図4(b)に示した位置と第一のオリフィス部材34の径方向で対向する位置に位置せしめられる。かかる回動位置においては、オリフィス通路70のチューニング周波数は、図4(a)の状態下でのチューニング周波数よりも低く、図4(c)の状態下でのチューニング周波数よりも高い周波数域に設定されることとなる。
このように、本実施形態においては、第二のオリフィス部材36を、第一のオリフィス部材34に対して軸部材62回りで90度毎に位置決めすることが可能とされており、軸部材62回りの周方向の4箇所の回動位置で安定位置せしめられるようになっている。なお、第二のオリフィス部材36は両方向(図4中、時計回りと反時計回り)に回転駆動せしめることが可能である。
このように、本実施形態におけるエンジンマウント10においては、コイル部材76a乃至76dへの通電を制御することによって、第二のオリフィス部材36を第一のオリフィス部材34に対して回動せしめると共に、所定の回動位置で安定位置せしめることが可能とされている。このことから明らかなように、本実施形態においては、第二のオリフィス部材36が言わばステッピングモータにおけるロータとして構成されている一方、ステータ部材72が、言わばステッピングモータにおけるステータとして構成されているのであり、永久磁石56a,56bによってロータ側磁極部が構成されると共に、永久磁石56a,56bが設けられた第二のオリフィス部材36の外面55がロータ側磁極部の形成面とされている一方、コイル部材76によってステータ側磁極部が構成されている。そして、第二のオリフィス部材36を第一のオリフィス部材34に対して相対回動せしめて、第一の連通孔46と第二の連通孔54の周方向通路68上での離隔距離を変化せしめることによって、オリフィス通路70の通路長を変更設定することが可能とされている。本実施形態においては、上述のように、第二のオリフィス部材36が周方向の4箇所で安定位置せしめられることから、オリフィス通路70の通路長さは、4段階に設定可能とされている。
このような構造とされたエンジンマウント10においては、例えば、アイドリング状態においては、コイル部材76b,76dが通電せしめられて、第二のオリフィス部材36が図4(a)に示した回動位置に位置せしめられる。これにより、オリフィス通路70の通路長さが、アイドリング振動に対して有効な防振効果を発揮し得る通路長さに設定される。その結果、受圧室30と平衡室32の間においてオリフィス通路70を流れる流体の共振作用等の流動作用に基づいて、アイドリング振動等の高周波振動に対する低動ばね特性による有効な振動絶縁効果が発揮される。
そこにおいて、例えばアイドリング状態においても、エアコンがONにされた場合等には、エンジンの回転数が上昇せしめられて、入力振動の周波数がエアコンがOFFにされた状態に比して高周波側に変位する。そのような場合には、コイル部材76a、76cが通電せしめられて、第二のオリフィス部材36が図4(b)に示した回動位置に位置せしめられる。これにより、オリフィス通路70の通路長さがエアコンOFF時のアイドリング状態下での通路長さ(図4(a)の通路長さ)よりも短くされて、オリフィス通路70のチューニング周波数がより高周波側に変更設定される。これにより、アイドリング状態下における入力振動周波数の僅かな変化にオリフィス通路70のチューニング周波数を追従せしめて対応することが出来て、有効な振動絶縁効果を維持することが出来る。
一方、自動車の走行が開始された場合には、コイル部材76b,76dが通電せしめられて、第二のオリフィス部材36が図4(c)に示した回動位置に位置せしめられる。これにより、オリフィス通路70の通路長さが、エンジンシェイクに対して有効な防振効果を発揮し得る通路長さに設定される。その結果、受圧室30と平衡室32の間においてオリフィス通路70を流れる流体の共振作用等の流動作用に基づいて、エンジンシェイク等の低周波振動に対する有効な高減衰効果が発揮される。
このように、本実施形態におけるエンジンマウント10によれば、走行状態等に応じてオリフィス通路70のチューニング周波数を変化せしめることが出来る。これにより、単一のオリフィス通路70によって、低周波数域から高周波数域に亘る複数の周波数域に亘って有効な防振効果を得ることが可能となる。更に、上述のように、エアコンのON/OFF等によるアイドリング振動周波数の僅かな変化にも、オリフィス通路70のチューニング周波数を変更設定することによって対応することが可能とされており、特定の周波域内においてより精度の良い防振効果を得ることも可能とされている。このように、本実施形態によれば、単一のオリフィス通路70によって複数の或いはより広い周波数域に亘って有効な防振効果を得ることが可能となり、エンジンマウント10のコンパクト化を図ることが出来る。
そして、特に本実施形態においては、オリフィス通路70の通路長さを決定する第二のオリフィス部材36を言わばステッピングモータにおけるロータとして構成すると共に、流体室26の外部空間に配設されたコイル部材76をステータとして構成することによって、第二のオリフィス部材36をコイル部材76の磁気作用力に基づいて互いに非接触状態で回動せしめることが可能とされている。これにより、第二のオリフィス部材36とコイル部材76を流体室26の内外に物理的に独立して配設することが出来て、第二のオリフィス部材36に駆動力を伝達する駆動力伝達部材を流体室26の内外を貫いて配設するようなことも不要とされており、より容易に製造出来ると共に、流体室26のシール性や耐久性も向上せしめられる。それと共に、ステッピングモータの利点である優れた位置決め精度や容易な位置制御等の効果も発揮され得て、簡易な制御手段によって、第二のオリフィス部材36の第一のオリフィス部材34に対する相対回動位置、延いてはオリフィス通路70の通路長さを精度良く設定することが出来るのである。
さらに、特に本実施形態においては、第二のオリフィス部材36が、第一及び第二のオリフィス部材34,36および筒状部18の中心軸上に配設された軸部材62を回動中心として回動せしめられるようになっている。これにより、第二のオリフィス部材36を筒状部18の中心軸上で、第一のオリフィス部材34に対してより安定して回動せしめることが可能とされている。また、第一および第二のオリフィス部材34,36が非磁性材で形成されていることから、永久磁石56a,56bとコイル部材76間の磁気作用力がこれらオリフィス部材34,36に直接に及ぼされて、第二のオリフィス部材36の第一のオリフィス部材34に対する相対回動が阻害されるおそれも軽減されている。更に、筒状部18が磁性材で形成されていることから、筒状部18を電磁遮蔽部材として用いることが出来て永久磁石56a,56bおよびコイル部材76の磁束がエンジンマウント10の外部に漏れ出すことも抑えられており、エンジンマウント10からの漏れ磁束が他部材に影響を及ぼすおそれも軽減されている。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、第一のオリフィス部材および第二のオリフィス部材の具体的な形状が、前記実施形態の如き形状に限定されるものではないことは、勿論である。例えば、前記実施形態における第二のオリフィス部材36は、軸方向上端部に上底部48が形成されていたが、上底部48を廃して、第二のオリフィス部材36を軸方向上方に開口する有底円筒形状として、かかる軸方向上方の開口部を第一のオリフィス部材34の上底部38で覆蓋する等しても良い。
また、前記実施形態においては、オリフィス通路70の全体が周方向通路68によって形成されていたが、例えば、第一及び第二のオリフィス部材に他部材を組み合わせてこれら第一及び第二のオリフィス部材によって形成される周方向通路と他部材とに亘るオリフィス通路を形成する等して、オリフィス通路を、周方向通路を一部に含んで形成する等しても良い。
また、ロータ側磁極部を構成する永久磁石およびステータ側磁極部を構成する電磁石の具体的な個数や、電磁石の通電制御態様、および第二のオリフィス部材36の回動角(要するに、ステップ数)等は、要求されるオリフィス通路の通路長や通路長の設定数等を考慮して適宜に設定され得るものである。例えば、前記実施形態における第二のオリフィス部材36に永久磁石56aの1つのみを設けると共に、コイル部材76a乃至76dの何れか一つに選択的に通電することによって、ステッピングモータにおける一相励磁と略同様の制御によって第二のオリフィス部材36を回動せしめても良い。或いは、前記実施形態の如き構造において、コイル支持部材74の径方向で対向するコイル部材76aと76cの間、および76bと76dの間で互いに反対の磁極が発現せしめられるようにこれらコイル部材76a乃至76dの全てに常時通電せしめると共に、コイル部材76aと76cの組と76bと76dの組との通電状態を適宜に組み合わせることによって、二相励磁と略同様の制御によって第二のオリフィス部材36を回動せしめても良い。このようにすれば、永久磁石56a,56bが回動方向で各コイル部材76a乃至76dの中間に位置せしめられることから、第二のオリフィス部材36の静止トルクをより大きく確保することが出来て、オリフィス通路70の通路長さをより安定して維持することが出来る。更には、より多数のコイル部材76を設けて、3相乃至はそれ以上の通電制御を行なうことも可能である。
更にまた、前記実施形態において、例えば、コイル部材76の芯材78を隔壁板24を貫通して平衡室32内に露出せしめることによって、芯材78を永久磁石56a,56bに対して隔壁板24を挟むことなく直接に対向せしめる等しても良い。また、芯材78として、永久磁石を用いることによって、回動位置の安定性をより向上せしめる等しても良い。但し、芯材78は必ずしも必要ではなく、コイル部材76を空芯コイルとして構成する等しても良い。
更にまた、前記実施形態においては、隔壁部としてダイヤフラム22と別体形成された隔壁板24が設けられていたが、例えばダイヤフラム22の中央部分を厚肉の円板形状に形成する等して隔壁部をダイヤフラム22と一体形成する等しても良い。
加えて、本発明は、例えば特開2006−97824号公報や特開2006−258217号公報等に詳述されている如き可動板等の、従来公知の機構と組み合わせて用いることも勿論可能であり、組み合わせも容易に行なうことが出来る。例えば、図5に、本発明の異なる態様としての流体封入式防振装置に係るエンジンマウント100を概略的に示す。なお、以下の説明において、前述の実施形態と同様な構造とされた部材及び部位については、それぞれ、図中に、前記実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
本態様におけるエンジンマウント100には、従来公知の可動板が組み合わせて設けられている。可動板自体の構造は特開2006−97824号公報や特開2006−258217号公報等に詳述されているが、以下に概略を説明する。
すなわち、本態様における第一のオリフィス部材102は、前記実施形態における第一のオリフィス部材34の下底部40が取り除かれた全体として下方に開口する有底円筒形状とされている。そして、上底部38には、前記実施形態と同様に第一の連通孔46が貫設されている。更に、上底部38の中央部分には、所定の大きさをもって上底部38を厚さ方向に貫通する複数の連通窓104が形成されている。
一方、第二のオリフィス部材106は、前記実施形態における第二のオリフィス部材36の上底部48が取り除かれた全体として上方に開口する略有底円筒形状とされている。そして、第二のオリフィス部材106の軸方向下端縁部には、全周に亘って一定の突出寸法をもって径方向外方に突出するフランジ状部108が形成されており、かかるフランジ状部108の周方向の一箇所に、フランジ状部108の厚さ方向に貫通する第二の連通孔110が形成されている。更に、下底部50には、所定の大きさをもって下底部50を厚さ方向に貫通する複数の連通窓112が形成されている。
そして、第一のオリフィス部材102の開口部に第二のオリフィス部材106が嵌め入れられるようにして、これら第一および第二のオリフィス部材102,106が互いに組み合わされている。なお、本態様においては、前記実施形態の如き軸部材62は設けられておらず、第二のオリフィス部材102の周壁52の上端面が全周に亘って第一のオリフィス部材102の上底部38の下端面に略隙間無く当接せしめられると共に、第二のオリフィス部材102のフランジ状部108の外周面が第一のオリフィス部材102の周壁42の内周面に略隙間無く当接せしめられることによって、第一のオリフィス部材102に対して第二のオリフィス部材106が同軸上に位置決めされるようになっており、第二のオリフィス部材106が下方から軸支部材66で非固定的に支持されることによって、第二のオリフィス部材106が第一のオリフィス部材102に対して中心軸回りで回動可能に組み付けられている。
これにより、第一のオリフィス部材102の周壁42と第二のオリフィス部材106の周壁52の対向面間において、これら周壁42,52および第一のオリフィス部材102の上底部38と第二のオリフィス部材106のフランジ状部108で区画形成されて、第二のオリフィス部材106の回動方向に延びる周方向通路68が形成されている。そして、かかる周方向通路68における第一の連通孔46から第二の連通孔110の間に亘って、受圧室30と平衡室32を相互に連通するオリフィス通路70が形成されている。
さらに、特に本実施形態においては、第一のオリフィス部材102と第二のオリフィス部材106の組み合わせ状態において、第二のオリフィス部材106の上方の開口部が第一のオリフィス部材102の上底部38で覆蓋される。これにより、第二のオリフィス部材における下底部50と周壁52、および第一のオリフィス部材102の上底部38で区画形成された収容領域114が形成されるようになっている。かかる収容領域114は、連通窓104を通じて受圧室30と連通せしめられていると共に、連通窓112を通じて平衡室32と連通せしめられている。
そして、かかる収容領域114内に、可動板としての弾性ゴム板116が非固定的に配設されている。弾性ゴム板116は、全体として略円板形状とされており、収容領域114の径寸法よりも小さな径寸法を有すると共に、収容領域114の軸方向寸法よりも小さな厚さ寸法とされている。
このような構造とされたエンジンマウント100によれば、前記実施形態と同様に、オリフィス通路70の通路長さを変更設定出来ることから、広い周波数域に亘る有効な防振効果を得ることが出来る。そして、特に本態様によれば、例えば走行こもり音など、最大通路長に設定されたオリフィス通路70のチューニング周波数よりも高い周波数の振動が入力された場合には、受圧室30に惹起される圧力変動により、弾性ゴム板116が収容領域114内で微小変位せしめられる。これにより、受圧室30の圧力変動を平衡室32に伝達せしめて、平衡室32の容積変化によって吸収することが出来る。これにより、更に高い周波数域の振動に対しても有効な防振効果を発揮することが可能となる。
更にまた、前記実施形態および上記態様においては、周方向通路68が、第一のオリフィス部材34、102の周壁42と、第二のオリフィス部材36、106の周壁52の対向面間に形成されていたが、周方向通路およびオリフィス通路の具体的な構造は、様々な態様が適宜に採用可能である。例えば、図6に、異なる態様としての第一及び第二のオリフィス部材120,122と、これらによって形成される周方向通路124およびオリフィス通路126を概略的に示す。本態様における第一のオリフィス部材120は、前記実施形態における第一のオリフィス部材34と略同様の構造とされており、下底部40の内周縁部に、全周に亘って連続して延びる内周壁128が形成されている。これにより、第一のオリフィス部材120内には、周壁42と内周壁128の対向面間において、第一のオリフィス部材120の周方向に延びる環状通路130が形成されている。また、内周壁128には、厚さ方向に貫通する通孔132が全周に亘って連続して形成されている。一方、第二のオリフィス部材122は、前記実施形態における第二のオリフィス部材36から軸挿通孔58を取り除いた構造とされている。
そして、前記実施形態と略同様に、第一のオリフィス部材120の開口部44に、第二のオリフィス部材122が嵌め入れられるように組み付けられる。これにより、第一のオリフィス部材120の通孔132が第二のオリフィス部材122の周壁52の外周面で覆蓋されて、環状通路130を含んで、周方向通路124が形成される。そこにおいて、周方向通路124は、第二のオリフィス部材122における周壁52の一箇所に貫設された第二の連通孔54が通孔132と連通せしめられることによって、周方向の一箇所で第二のオリフィス部材122の内部空間と連通せしめられるようになっており、これにより、第一の連通孔46から第二の連通孔54に亘るオリフィス通路126が形成される。そして、第二のオリフィス部材122が第一のオリフィス部材120に対して相対回動せしめられることによって、第二の連通孔54と通孔130の連通位置が周方向通路124の周方向で変化せしめられるようになっており、以て、オリフィス通路126の通路長さを変更設定することが可能とされる。このように、周方向通路およびオリフィス通路は、必ずしも第一及び第二のオリフィス部材の組み合わせ面間に形成されている必要はない。
加えて、前記実施形態では、本発明を自動車用エンジンマウントに適用したものの具体例について説明したが、本発明は、自動車用ボデーマウントやデフマウント、サスペンションメンバマウント等の他、自動車以外の各種振動体の防振装置に対して、何れも、適用可能である。
10:エンジンマウント、12:第一の取付金具、14:第二の取付金具、16:本体ゴム弾性体、22:ダイヤフラム、24:隔壁板、30:受圧室、32:平衡室、34:第一のオリフィス部材、36:第二のオリフィス部材、46:第一の連通孔、52:周壁、54:第二の連通孔、56a,b:永久磁石、68:周方向通路、70:オリフィス通路、72:ステータ部材、76:コイル部材
Claims (5)
- 第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結する一方、該本体ゴム弾性体によって壁部の一部が構成されて振動入力時に圧力変動が惹起される受圧室と、可撓性膜によって壁部の一部が構成されて容積変化が許容される平衡室とを設けて、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら受圧室と平衡室を接続せしめて流体流動を許容するオリフィス通路を形成した流体封入式防振装置において、
前記第二の取付部材によって支持された第一のオリフィス部材に対して一軸回りで相対回動可能に第二のオリフィス部材を組み合わせて該第一のオリフィス部材と該第二のオリフィス部材の組み合わせ部分において相対回動方向に延びるように周方向通路を形成し、該周方向通路の周方向一方の端部において前記受圧室と前記平衡室の一方に連通せしめられた第一の連通孔と、該周方向通路の周方向他方の端部において該受圧室と該平衡室の他方に連通せしめられた第二の連通孔とを形成することにより前記オリフィス通路を構成すると共に、該第一のオリフィス部材に対して該第二のオリフィス部材を相対回動させて該第一の連通孔と該第二の連通孔との該周方向通路上での周方向離隔距離を変化させることによって該オリフィス通路の通路長さを可変とする一方、該第二のオリフィス部材に永久磁石を固設して該第一のオリフィス部材に対する相対回動中心軸回りの周上に複数のロータ側磁極部を形成すると共に、該受圧室又は該平衡室において該第二のオリフィス部材における該複数のロータ側磁極部の形成面の外側に位置する壁部を非磁性材からなる隔壁部として、該第二のオリフィス部材における該複数のロータ側磁極部の形成面に対して該隔壁部を挟んで対向する室外位置に複数の電磁石を備えた駆動用磁力発生手段を配設し、それら複数の電磁石において発現される複数のステータ側磁極部を該第二のオリフィス部材の該第一のオリフィス部材に対する相対回動中心軸回りの周上に位置せしめることにより、該駆動用磁力発生手段における該複数の電磁石への通電を選択的に制御することによって該第一のオリフィス部材に対する該第二のオリフィス部材の相対回動位置を変更設定せしめて該オリフィス通路の通路長さを変更設定可能としたことを特徴とする流体封入式防振装置。 - 前記第一のオリフィス部材と前記第二のオリフィス部材の相対回動中心軸上に延びる回動支軸を設けて、該第一のオリフィス部材と該第二のオリフィス部材の一方に対して該回動支軸を固定すると共に、該第一のオリフィス部材と該第二のオリフィス部材の他方に対して該回動支軸を回動可能に挿通せしめた請求項1に記載の流体封入式防振装置。
- 前記駆動用磁力発生手段に対して前記隔壁部が固着されている請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
- 前記第二の取付部材が筒状部を有しており、該筒状部の一方の開口部側に前記第一の取付部材が離隔配置されてそれら第一の取付部材と第二の取付部材が前記本体ゴム弾性体で連結されることによって該筒状部の一方の開口部が流体密に閉塞されていると共に、該筒状部の他方の開口部が前記可撓性膜としての可撓性ゴム膜で流体密に閉塞されている一方、該筒状部で支持されて該筒状部の軸直角方向に広がって配設された仕切部材により該本体ゴム弾性体と該可撓性ゴム膜との対向面間が仕切られて該仕切部材と該本体ゴム弾性体との間に前記受圧室が形成されていると共に、該仕切部材と該可撓性ゴム膜との間に前記平衡室が形成されており、該仕切部材において該筒状部に対して固着された部分で前記第一のオリフィス部材が構成されていると共に、該第一のオリフィス部材に対して前記第二のオリフィス部材が該筒状部の中心軸回りで相対回動可能に組み付けられており、該可撓性ゴム膜の中央部分に対して前記隔壁部が固着されて、該隔壁部が該第二のオリフィス部材に対して該筒状部の中心軸方向に離隔して対向位置せしめられていると共に、該隔壁部を挟んで該平衡室と反対側に前記駆動用磁力発生手段が配設されて、該駆動用磁力発生手段に対して該隔壁部が固着されていると共に、該駆動用磁力発生手段が該筒状部に対して固定的に支持されている請求項1乃至3の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
- 前記第一のオリフィス部材と前記第二のオリフィス部材が何れも非磁性材で形成されている一方、前記第二の取付部材の少なくとも前記筒状部が磁性材で形成されている請求項1乃至4の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008089040A JP2009243542A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 流体封入式防振装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016114073A (ja) * | 2014-12-11 | 2016-06-23 | 東洋ゴム工業株式会社 | 能動型防振装置 |
-
2008
- 2008-03-31 JP JP2008089040A patent/JP2009243542A/ja not_active Withdrawn
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