JP2009243269A - 筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置 Download PDF

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勝彦 宮本
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

【課題】 運転条件や触媒の劣化状態、触媒を含む内燃機関の劣化状態や触媒の温度状態に関わらず、還元剤の供給量を正しく学習し、触媒の排気浄化性能を高く維持する。
【解決手段】 内燃機関の冷態始動直後には排気浄化触媒を昇温させるべく圧縮行程時に燃料噴射を実施する圧縮行程噴射モード(スライトリーンモード)に設定し、圧縮行程噴射モードで運転後に所定時間経過立すると吸気行程で燃料を噴射する吸気行程噴射モードに切り換えるとともに、上記吸気行程噴射モードへの移行時には燃料噴射量を増量補正するように構成する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、圧縮行程での燃料噴射と吸気行程での燃料噴射とを切り換え可能な、筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置に関する。
従来、直接シリンダ内に燃料を噴射する火花点火式の筒内噴射型内燃機関(筒内噴射エンジンともいう)が自動車用エンジンとして実用化されている。一般的なポート噴射タイプのガソリンエンジンでは筒内への燃料供給タイミングが吸気弁の開放時のみに限定されるが、直噴ガソリンエンジンでは自由なタイミングで筒内への燃料供給を行なえる。このため、予混合による均一燃焼に最適なタイミングで燃料噴射を行なってより大きな出力を得ることや、部分負荷時に超希薄成層燃焼を行なうことができ、燃費の低減を実現することができる。
一方、近年では冷態始動直後において、排気浄化触媒を早期に活性化温度まで昇温させるために、燃料噴射モードを圧縮行程噴射モードに切り換えるとともに点火時期を遅角(リタード)させる技術が知られている。また、この場合圧縮行程モードの空燃比(A/F)は理論空燃比よりも僅かに希薄な空燃比(例えば15.5前後)に設定される。なお、このような触媒昇温のための圧縮行程噴射モードを圧縮行程スライトリーンモード又は単にスライトリーンモードという。
冷態始動直後にこのような噴射モードに設定するのは、圧縮行程スライトリーンモードは燃焼が極めて安定しているためであり、このために点火時期のリタード量を大きく設定することができるからである。そして、点火時期リタード量を大きく設定することにより排気温度を高めることができ、触媒を速やかに昇温させることが可能となる。なお、圧縮行程スライトリーンモードにおいては燃料噴射時期は50°B〜25°Aであり、点火時期は最大20°A程度までリタードさせる。また、上記のBは圧縮行程時における上死点よりも前を意味し、Aは上死点より後を意味する。
そして、このような圧縮行程スライトリーンモードを例えば所定時間だけ実行すると、圧縮行程スライトリーンモードから、吸気行程に燃料を噴射する吸気行程噴射モード(燃料噴射時期は360°B〜180°B程度)に切り換えるとともに点火時期を5°B〜35°B程度まで進角させて通常の運転モードに移行する。
なお、例えば特許文献1にも、燃料噴射モードを切り換え可能なエンジンに関する技術が開示されている。
特開2000−186597号公報
しかしながら、上述したような圧縮行程スライトリーンモードから吸気行程噴射モードに移行した直後にドライバが加速を試みると、一時的に排気空燃比が大きくリーン側に振れるいわゆるリーンスパイクが発生し、これにより加速不良が生じるほか、筒内の燃焼が不完全な燃焼となりHCが多く排出されるおそれがある。
これは、主に以下の理由によるものと考えられる。すなわち圧縮行程スライトリーンモード時は燃料噴霧のほとんどがピストンにあたるのでシリンダライナの油膜に吸着される燃料分は少ないが、吸気行程噴射モードではピストンが下方に位置しているためシリンダライナにあたる燃料噴霧の割合が多く、しかも冷態時には燃料噴霧の気化比率が低いため温態よりも多くの液滴燃料がシリンダライナにあたる。そして、シリンダライナにあたった燃料の幾分かはシリンダライナの油膜に吸着される。
油膜に吸着された燃料のうち蒸発した分は次回の燃焼に寄与するが、圧縮行程スライトリーンモードから吸気行程噴射モードに切り換わった直後は油膜に吸着された燃料は吸気行程噴射モードの吸着平衡量に達しておらず、吸気行程噴射モードで適正燃料を噴射しても燃焼に寄与する燃料は不足することになり、空燃比がリーンとなる。このため、吸気行程噴射モード切り換え直後に加速を行うと吸入空気量が増大して空燃比が大きくリーン側となり、リーンスパイクが発生して結果的にHCが多く排出されることになる。なお、エンジンが温態であれば、そもそも燃料噴霧の気化率が高くシリンダライナ付着する液滴燃料はほとんどなく、仮にシリンダライナに燃料が付着しても速やかに蒸発するためこのようなリーンスパイクは生じない。
本発明はこのような課題に鑑みて創案されたもので、圧縮行程スライトリーンモードから吸気行程噴射モードに切り換わった直後のリーンスパイクを抑制して、ドライバビリティの向上及び排ガス浄化性能の向上を図るようにした、筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置を提供することを目的とする。
このため、本発明の筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置は、筒内に直接燃料を噴射する火花点火式の筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置であって、該内燃機関の冷態時に圧縮行程時に燃料噴射を実施する圧縮行程噴射モードと、所定条件が成立すると吸気行程時に燃料噴射を実施する吸気行程噴射モードとを切り換える燃料噴射モード切り換え手段と、該所定条件が成立したと判定されると、所定期間だけ該吸気行程噴射モードにおける燃料噴射量を増量補正する補正手段とを有することを特徴としている(請求項1)。
このような増量補正を行うことにより空燃比がリッチ化されて、吸気行程噴射モードへの以降直後にアクセルが踏み込まれてもリーンスパイクが抑制される。
また、該補正手段は、該内燃機関の水温に基づいて該燃料を増量補正する第1の燃料増量補正係数を設定する第1燃料増量補正係数設定手段を有するのが好ましい(請求項2)。
また、該補正手段は、該圧縮行程噴射モードでの運転時間に応じて該燃料を増量補正する第2の燃料増量補正係数を設定する第2燃料増量補正係数設定手段を有するのが好ましい(請求項3)。
また、該第2燃料増量補正係数設定手段は、該圧縮行程噴射モードでの運転時間が経過するに従い、該第2の燃料増量補正係数が徐々に増大した後、徐々に低減する特性に設定されているのが好ましい(請求項4)。
また、該補正手段は、該圧縮行程噴射モード脱離後は該吸気行程噴射モードの実施期間に応じて該増量補正を低減するのが好ましい(請求項5)。
本発明の筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置によれば、圧縮行程スライトリーンモードから吸気行程噴射モードに切り換わった直後に加速を試みた場合であってもリーンスパイクが生じることがなく、ドライバビリティの向上を図ることができるとともに排ガス浄化性能の向上を図ることができる。
以下、図面により、本発明の一実施形態に係る筒内噴射型内燃機関について説明すると、図1はその全体構成を示す模式図、図2及び図3はともにその作用を説明する図であって、図2は第1の増量補正係数を設定するマップを示す図、図3は第2の増量補正係数を設定するマップを示す図、図4はその作用を説明するためのフローチャート、図5はその作用を説明するためのタイムチャートである。
さて、図1に示すように、筒内噴射型内燃機関(以下、単にエンジンという)の燃焼室1には、吸気弁4を介して吸気通路2が接続されるとともに、排気弁5を介して排気通路3が接続されている。また、吸気通路2には、エアクリーナ2a,吸入空気量を検出するエアフローセンサ2b,吸入空気量を制御するスロットル弁2c,スロットル弁2cの開度を検出するスロットルポジションセンサ2d等が設けられている。
また、排気通路3には、排気中の空燃比を検出するリニアA/Fセンサ3a及び排気浄化触媒としての三元触媒(以下、単に触媒と言う)6が設けられている。また、燃焼室1には、燃料を直接燃焼室1へ噴射するべくその開口が燃焼室1に臨んで配置されたインジェクタ8が設けられている。
このような構成により、スロットル弁2cの開度に応じエアクリーナ2aを通じて吸入された空気が、吸気通路2及び吸気弁4を介して燃焼室1内に吸入され、ECU(制御手段)20からの信号に基づいてインジェクタ8から噴射された燃料と混合されるようになっている。そして、点火プラグ7を適宜のタイミングで点火させて混合気を燃焼させたのち、燃焼室1内から排気弁5を介して排気通路3へ排気ガスが排出され、触媒6で浄化されてから図示しないマフラで消音されて排出されるようになっている。
なお、このエンジンには、上述のエアフローセンサ2b,スロットルポジションセンサ2d,リニアA/Fセンサ3aの他に、触媒温度センサやクランクシャフト9に付設されたクランク角センサ9aや、シリンダブロック内のウォータジャケット1a内に挿設されエンジンの冷却水温を検出する冷却水温センサ1cが設けられており、これらのセンサからの検出情報がECU20へ送られるようになっている。
ここで、筒内噴射エンジンでは、圧縮行程で燃料噴射を行なうことにより、点火プラグ7近傍に少量の燃料を集めて層状燃焼させることができるようになっている。そして、このような圧縮行程における燃料噴射の場合には、混合気全体としては極めてリーンな空燃比での燃焼(希薄燃焼)が行なわれるようになっている(リーン運転モード)。
また、圧縮行程での燃料噴射モードとしては、上述以外にもエンジンの冷態始動直後に実行されるスライトリーンモードがある。これは、冷態始動後に触媒6を早期に活性化温度まで昇温させるため実行される燃料噴射モードであって、水温センサ1cから得られる冷却水温度が所定温度以下であると、冷態始動直後であると判定して実行される燃料噴射モードである。
このような圧縮行程スライトリーンモードでは、空燃比(A/F)は理論空燃比よりも僅かに希薄な空燃比であって、15〜16程度(好ましくは15.5前後)に設定されるようになっている。また、この圧縮行程スライトリーンモードは燃焼が極めて安定しており、このため点火時期を最大20°B程度まで遅角(リタード)させることが可能となる。
そこで、冷態始動時には、圧縮行程スライトリーンモードに切り換えるとともに、点火時期を大きくリタードさせることにより、排気温度を高めて触媒6の早期の活性化を図るようになっている。
また、燃料噴射モードとしては、上記以外にも、吸気行程で燃料噴射を行なうモードが設けられており、この吸気行程噴射モードには、空燃比が理論空燃比(ストイキ)近傍となるようにリニアA/Fセンサ3aからの検出情報等に基づいてフィードバック制御を行なうストイキ運転モードや、ストイキよりもリッチな空燃比で運転を行なうリッチ運転モードが設定されている。
次に、本装置の要部構成について説明すると、本装置は特に冷態始動直後の圧縮行程スライトリーンモードから吸気行程噴射モードに移行した際の燃料噴射制御に特徴がある。
図1に示すように、ECU20には、燃料噴射モードを切り換える燃料噴射モード切り換え手段20aと、インジェクタ8に対して燃料噴射量を補正する補正手段20bとが設けられている。
このうち燃料噴射モード切り換え手段20aでは、水温センサ1c,スロットルポジションセンサ2d及びクランク角センサ9aの検出情報に基づいて水温,エンジン負荷Pe及びエンジン回転速度Neを取り込み、これらの情報に応じてエンジンの運転モードを設定するようになっている。また、上述のように水温センサ1cからの情報により水温が所定温度以下であれば冷態始動直後であるとして、空燃比を僅かにリーンとした圧縮行程噴射モード(圧縮行程スライトリーンモード)に切り換えるようになっている。また、圧縮行程スライトリーンモード開始後所定の条件が成立すると、吸気行程噴射モードに移行するようになっている。なお、吸気行程噴射モードでは、エンジン負荷Peと回転数Neとに応じてストイキ運転かリッチ運転かが選択される。
一方、水温が所定温度以上あれば、冷態始動直後ではないと判定され、エンジン負荷Pe及びエンジン回転速度Neが大きくなるほど、リーン運転(圧縮行程噴射モード),ストイキ運転(吸気行程噴射モード),リッチ運転(吸気行程噴射モード)の順に運転モードが設定されるようになっている。
ここで、冷態始動直後の圧縮行程スライトリーンモードが実行されると、燃料噴射モード切り換え手段20a内に設けられたタイマ(図示省略)により圧縮行程スライトリーンモードの実行時間がカウントされ、当該実行時間が所定時間に達したと判定すると上記の所定条件が成立したものとして、圧縮行程スライトリーンモードが終了するようになっている。なお、この所定時間は水温や運転状態等に応じて変更できるように設定しても良い。また、上述の所定の条件としては、圧縮行程スライトリーンモードの実行時間に限定されず、水温や水温の変化率をパラメータとして所定の条件を設定しても良い。
また、補正手段20bは、圧縮行程スライトリーンモード終了後の吸気行程噴射モードへの移行時に一時的にA/Fをリッチ化するべく燃料を増量補正するものであって、エンジンの水温に基づいて燃料を増量補正する第1補正係数(第1の燃料増量補正係数)K1を設定する第1燃料増量補正係数設定手段21と、圧縮行程噴射モードでの運転時間に応じて燃料を増量補正する第2補正係数(第2の燃料増量補正係数)K2を設定する第2燃料増量補正係数設定手段22とを有している。
そして、この補正手段20bにより、吸気行程噴射モードへの切り換え時において空燃比をリッチ化することにより、いわゆるリーンスパイクを抑制することができる。
すなわち、上述したような補正を実行しない場合には、圧縮行程スライトリーンモードから吸気行程噴射モードに移行直後にドライバアクセルを踏み込んで加速を試みると一時的に排気空燃比が大きくリーン側に振れるリーンスパイクが発生する。
これは、冷態時には燃料噴霧の気化比率が低いため、霧化していない燃料が吸気行程噴射によってシリンダライナに衝突しシリンダライナの油膜に吸着されることに起因している。つまり、このようにしてシリンダライナの油膜に吸着された燃料のうち何割かは燃焼に寄与することなく運転が実行され、排気空燃比がリーン化するのである。
そこで、本装置では、吸気行程噴射モードに移行した際には、このような燃焼に寄与しない燃料の分を考慮して予め燃料噴射量を補正手段20bで増量補正して空燃比をリッチ化することによりリーンスパイクを抑制するようになっている。
第1燃料増量補正係数設定手段21には、図2に示すようなマップが予め格納されており、水温をパラメータに第1補正係数K1が設定されるようになっている。つまり、第1補正係数は、水温に起因した燃料の吸着分を考慮した補正係数であるということができる。
なお、図2に示すように、第1補正係数K1を設定するための特性線は、時間の経過とともにリニアに低下するような特性に設定され、ある程度時間が経過すると最小値1.0でクリップされるようになっている。
また、第2燃料増量補正係数設定部22には、図3に示すようなマップが予め格納されており、圧縮行程スライトリーンモード実施時間をパラメータに第2補正係数K2が設定されるようになっている。ここで、第2燃料増量補正係数設定部22では、図示するように、圧縮行程スライトリーンモードでの運転時間が経過するに従い、第2補正係数K2が徐々に増大するように設定され、ある程度時間が経過すると、今度は徐々に低減するような特性に設定されている。
これは、圧縮スライトリーンモードになった直後はそれ以前の吸気噴射でのライナ付着燃料が残存するため、吸気噴射に戻ってもリッチ化の量が少なくてすむが、圧縮スライトリーンモードの時間が長くなるにつれて吸気噴射でライナに付着した燃料は減少するので、徐々に補正係数K2を大きくする必要があるからである。
また、ある程度時間が経過すると、筒内の温度が上昇し燃料の霧化率も上昇する。このため液滴となりシリンダライナに付着する燃料も低減するので、これを考慮して徐々に補正係数K2を低減している。以上のような理由により、第2補正係数は徐々に増大した後、所定のタイミングで徐々に低下するような山形状のマップとなる。また、この第2補正係数K2も第1補正係数K1と同様に、最小値は1.0でクリップされるようになっている。つまり、第2補正係数は、筒内の状態の変化を考慮した補正係数であるということができる。
そして、補正手段20bでは、燃料噴射モードが圧縮行程スライトリーンモードから吸気行程噴射モードに切り換わったと判定すると、補正係数K1及びK2を用いて下式に基づいて燃料噴射量を増量補正するようになっている。なお、下式において、燃料噴射量はインジェクタ8のパルス幅と等価である。
燃料噴射量=〔(K2−1)・K1+1〕×基本燃料噴射量
また、このような燃料噴射量の補正はエンジンの行程毎に実施されるとともに、第2補正係数K2に対しては行程数に応じて低減するテーリング処理を施すようになっており、これによりK2が徐々に1.0に収束するようになっている。
また、吸気行程噴射モードへの切り換え後、水温が所定温度まで上昇したか、或いは予め設定した時間だけ経過したことが判定されると、このような燃料噴射量の増量補正が終了するようになっている。
本発明の一実施形態に係る筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置は上述のように構成されているので、その作用を図4のフローチャートを用いて説明すると以下のようになる。
なお、このフローチャートはエンジンの1サイクル(クランク角720°)ごとに実行されるようになっており、燃料噴射タイミングごとに燃料噴射量の補正が実施される。
まず、ステップS1において、水温センサ1cから水温情報を取り込む。そして、ステップS2において、水温が低水温であると冷態始動直後であると判定してステップS3に進む。また、ステップS2において冷態始動直後ではないと判定するとステップS15に進み、燃料噴射量の増量補正をしない通常制御が行われる。
ステップS3に進んだ場合は、現在圧縮行程スライトリーンモード(圧縮行程S/L)を実行中か否かを判定し、圧縮行程スライトリーンモード実行中であればステップS4に進んで、圧縮行程スライトリーンモードの実行時間(圧縮行程スライトリーンモード開始からの経過時間)をカウントする。
次に、ステップS5において、図3に示すマップから圧縮行程スライトリーンモード実施時間をパラメータに第2補正係数K2を求めて一時的に記憶するとともに、ステップS6で圧縮行程スライトリーンモードの制御が実行されてリターンする。
そして、圧縮行程スライトリーンモード実行時には、上述のルーチン(ステップS1〜S6)を繰り返し、常に第2補正係数K2が更新される。なお、ステップS6はサブルーチンによる圧縮行程スライトリーンモード時の燃料噴射制御となるが、これについては説明を省略する。
一方、ステップS3で圧縮行程スライトリーンモードではないと判定されると、ステップS7に進み、現在の燃料噴射モードが圧縮行程スライトリーンモード終了後の吸気行程噴射モードか否かが判定される。そして、YesであればステップS8に進み、そのときの水温に基づき図2に示すマップから第1補正係数を求める。
次に、ステップS9に進み、前回のルーチンで求めた第2補正係数K2が1.0をより大きいか否かを判定する。なお、初めてステップS9に進んだ場合は、ステップS5で求めた補正係数K2を初期値とし、この初期値K2が1.0より大きいか否かを判定する。
ここで、K2≦1.0であれば、ステップS12に進み、補正係数K2を1.0にクリップした後ステップS13に進む。また、K2>1.0であればステップS10に進み、補正係数K2から所定値aを減じるテーリング処理を行う。そして、ステップS11において、テーリング後の補正係数K2が1.0未満か否かを判定し、第2補正値K2が1.0未満となると、ステップS12に進み、やはり補正係数を1.0にクリップした後ステップS13に進む。
一方、テーリング後の補正係数K2が1.0以上であると、ステップS12をスキップしてステップS13に進み最終的な補正係数Kを(K2−1.0)・K1+1.0として算出する。そして、ステップS14において、別途算出した基本燃料噴射量に上記の補正係数を乗じることにより補正後の燃料噴射量が算出される。なお、このフローチャートを繰り返し実行することにより補正係数K2は1.0に収束するので、補正係数Kも時間経過とともに1.0に近づく。なお、このときの補正係数K1の値も水温の上昇に伴い1.0に近づく。
一方、ステップS7において、現在の燃料噴射モードが圧縮行程スライトリーンモード終了後の吸気行程噴射モードではないと判定された場合には、ステップS2において冷態始動直後ではないと判定された場合と同様に、ステップS15に進み通常制御が実施される。なお、通常制御とは負荷と回転数に基づき燃料噴射モードや燃料噴射量を設定するモードであって、「圧縮行程スライトリーンモード終了後に吸気行程噴射モードの燃料噴射量を増量補正する」という制御を終了したことを意味する。
このような制御を実施した場合の作用効果について図5のタイムチャートを用いて説明する。なお、図5では上から順に燃料増量補正係数K、空燃比(ここでは排気空燃比)、燃料噴射モード、点火時期、エンジン回転数及びスロットル開度の順に各特性を示している。
まず、イグニッションオン(t=t0 )でエンジンを始動させるとクランキングの間(t=t0 〜t1 )は、点火時期が固定される。また、空燃比はクランキングの途中までは固定されるが、その後速やかに且つ一気にリッチ化される。そしてエンジン回転数が上昇すると点火時期も進角され、空燃比も徐々にリーン側に設定される。そして、エンジンが完爆したと判定されると(t=t2 )、燃料噴射モードが圧縮行程スライトリーンモードに切り換えられるとともに、圧縮行程スライトリーンモード開始からの経過時間をカウントする。また、このときには点火時期を5°B程度まで一気にリタードさせた後、さらに20°A程度まで徐々にリタードさせる。
そして、これによりエンジン回転数が落ち着き、一定のアイドル回転数(ファストアイドル回転数)で運転が行われる。また、この圧縮行程スライトリーンモードでは空燃比が理論空燃比(ストイキオ)よりもややリーンな空燃比(例えば15.5)で固定される。
そして、このような圧縮行程スライトリーンモードの運転が所定時間だけ実行されると、圧縮行程スライトリーンモードを終了して燃料噴射モードを吸気行程噴射モードに切り換える(t=t3 )。そして、このとき圧縮行程スライトリーンモードの運転時間(t=t2 〜t3 )に応じて燃料を増量補正するための第2補正係数K2が設定される。また、この吸気行程噴射モードへの切り換えタイミングを基準に新たにタイマをスタートさせ、吸気行程噴射モードに移行してからの経過時間と水温とに応じて燃料を増量補正するための第1補正係数K1が設定される。
したがって、図5に示すように、吸気行程噴射モードに移行するとこれらの補正係数K1,K2に基づく増量補正係数K〔=(K2−1)・K1+1〕が設定され、その後、時間経過とともに徐々に係数が1.0に収束する。
このため、吸気行程噴射モードへの切り替え時には空燃比がリッチ化されることになるが、上述したように、この増量補正は燃焼に寄与しない燃料を補うために実行されるものであるため、図示するように実際の排気空燃比としてはほとんど変化が生じない。
そして、このような状況でドライバがアクセルを踏み込んでスロットル開度が増大した場合(t=t4 )であっても、筒内の空燃比が適切な空燃比となるように燃料噴射量が補正されているため、従来発生していたリーンスパイクが生じることがない。
したがって、本装置によれば、圧縮行程スライトリーンモードから吸気行程噴射モードへの切り換え時において燃料噴射量を増量補正することによりリーンスパイクの発生を抑制することができる利点があるほか、リーンスパイクを抑制することで、ドライバビリティの低下を抑制でき、上述したようにドライバがアクセルを踏み込んだときに加速不良を引き起こすことがないという利点がある。また、リーンスパイクを抑制することでHC排出量が一時的に増大するような事態も回避することができるという利点がある。
また、燃料噴射量を、水温と吸気行程噴射モードへの移行時間とを考慮した第1補正係数とK1と、筒内の燃焼状態を考慮した補正係数K2とを用いて増量補正するので、燃料噴射量を適切に補正することができ、必要以上に排気空燃比がリッチ化することを回避することができる。また、このような補正については所定期間だけ実行するように設定することにより、やはり必要以上に排気空燃比がリッチ化するのを防止できる
また、所定期間としてはテーリング処理により補正係数が1.0にまで低減されるまでの間に設定されているので、徐々に燃料噴射量の増量補正が解消されることとになり、ドライバが違和感を覚えたり、エンジン回転数変動が生じるようなこともない。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。例えば圧縮行程スライトリーンモードを実施する期間を時間以外のパラメータで設定しても良い。また、上述した実施形態では、燃料噴射量を補正する補正係数Kを第1補正係数K1と第2補正係数K2とから求めているが、補正係数の設定は特に限定されるものではない。また、テーリング処理を行うことなく所定期間だけ補正係数K(固定値)で燃料噴射量を増量した後、補正を終了しても良い。
本発明の一実施形態に係る筒内噴射型内燃機関における全体構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る筒内噴射型内燃機関における作用を説明する図であって、第1の増量補正係数を設定するマップを示す図である。 本発明の一実施形態に係る筒内噴射型内燃機関における作用を説明する図であって、第2の増量補正係数を設定するマップを示す図である。 本発明の一実施形態に係る筒内噴射型内燃機関における作用を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る筒内噴射型内燃機関における作用を説明するためのタイムチャートである。
符号の説明
6 触媒(排気浄化触媒)
8 インジェクタ
20 ECU(制御手段)
20a 燃料噴射モード切り換え手段
20b 補正手段
21 第1燃料増量補正係数設定手段
22 第2燃料増量補正係数設定手段

Claims (5)

  1. 筒内に直接燃料を噴射する火花点火式の筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置であって、
    該内燃機関の冷態時に圧縮行程時に燃料噴射を実施する圧縮行程噴射モードと、所定条件が成立すると吸気行程時に燃料噴射を実施する吸気行程噴射モードとを切り換える燃料噴射モード切り換え手段と、
    該圧縮行程噴射モードでの運転後に該所定条件が成立したと判定されると、所定期間だけ該吸気行程噴射モードにおける燃料噴射量を増量補正する補正手段とを有する
    ことを特徴とする、筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置。
  2. 該補正手段は、該内燃機関の水温に基づいて該燃料を増量補正する第1の燃料増量補正係数を設定する第1燃料増量補正係数設定手段を有する
    ことを特徴とする、請求項1記載の筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置。
  3. 該補正手段は、該圧縮行程噴射モードでの運転時間に応じて該燃料を増量補正する第2の燃料増量補正係数を設定する第2燃料増量補正係数設定手段を有する
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置。
  4. 該第2燃料増量補正係数設定手段は、該圧縮行程噴射モードでの運転時間が経過するに従い、該第2の燃料増量補正係数が徐々に増大した後、徐々に低減する特性に設定されている
    ことを特徴とする、請求項3記載の筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置。
  5. 該補正手段は、該圧縮行程噴射モード脱離後は該吸気行程噴射モードの実施期間に応じて該増量補正を低減する
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置。
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