JP2009242702A - 粘着剤及びこれを用いた表面保護粘着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 粘着剤層を対象物に貼り付けるときに気泡が入らず、かつ剥がすときには粘着剤が残らない粘着剤層を形成することのできる粘着剤及び該粘着剤を含有してなる表面保護シートであって特にフォトマスク表面を保護するのに好適な表面保護粘着シートの提供。
【解決手段】 GPC法によるポリスチレン換算分子量として測定される重量平均分子量が50万〜100万であるアクリル酸エステル系樹脂、架橋剤および光重合開始剤を含有してなる粘着剤であって、
粘着剤を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃にて1時間乾燥させたとき、該粘着剤が紫外線照射されないときおよびされたときの特定の式で表されるゲル分率がそれぞれ特定のものであることを特徴とする粘着剤による。
【選択図】 なし
【解決手段】 GPC法によるポリスチレン換算分子量として測定される重量平均分子量が50万〜100万であるアクリル酸エステル系樹脂、架橋剤および光重合開始剤を含有してなる粘着剤であって、
粘着剤を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃にて1時間乾燥させたとき、該粘着剤が紫外線照射されないときおよびされたときの特定の式で表されるゲル分率がそれぞれ特定のものであることを特徴とする粘着剤による。
【選択図】 なし
Description
本発明は、粘着剤及びこれを用いた表面保護粘着シートに関し、さらに詳しくは粘着剤層を対象物に貼り付けるときには気泡が入らず、かつ紫外線照射により粘着剤中で架橋反応が起き、ゲル分率が高くなり、剥がすときには粘着剤が残らない粘着剤層を形成することのできる粘着剤及びこれを含有してなるフォトマスク等の表面保護に好適な表面保護粘着シートに関する。
フォトマスクは、レジストを基盤に焼き付けるために使われるものである。ここで使われる表面保護粘着シートは、焼付けのための露光中にレジスト材がフォトマスクに直接接触することを防ぐために使用される。
近年、テレビ、パソコン、といった多くの電気機器には、従来から比べ小型化、軽量化、高機能化が図られている。それらの性能を実現するために、回路基盤はより小さくなり、さらに多くの半導体を実装するようになってきた。そのために回路基板上の回路幅はより細くなってきている。かつてはラインアンドスペース(L/S)が100μm/100μmであったものが今では50μm/50μmとなってきている。
一方、半導体PKG基板と呼ばれるものは、さらに回路がさらに細線化している。半導体PKG基板を生産するために直接描画方式(ダイレクトイメージング)を採用するところが多い。この方式は、コンタクト露光方式で必要なフォトマスクを使用しない。しかしながら、生産環境によってはコンタクト露光方式においても半導体PKG基板を製造することは可能であり、寸法安定性にすぐれたガラスマスクと平行光露光機を用いた生産方式が採用されている。この半導体PKG基板におけるラインアンドスペース(L/S)は、10μm/10μmとさらに細い。
近年、テレビ、パソコン、といった多くの電気機器には、従来から比べ小型化、軽量化、高機能化が図られている。それらの性能を実現するために、回路基盤はより小さくなり、さらに多くの半導体を実装するようになってきた。そのために回路基板上の回路幅はより細くなってきている。かつてはラインアンドスペース(L/S)が100μm/100μmであったものが今では50μm/50μmとなってきている。
一方、半導体PKG基板と呼ばれるものは、さらに回路がさらに細線化している。半導体PKG基板を生産するために直接描画方式(ダイレクトイメージング)を採用するところが多い。この方式は、コンタクト露光方式で必要なフォトマスクを使用しない。しかしながら、生産環境によってはコンタクト露光方式においても半導体PKG基板を製造することは可能であり、寸法安定性にすぐれたガラスマスクと平行光露光機を用いた生産方式が採用されている。この半導体PKG基板におけるラインアンドスペース(L/S)は、10μm/10μmとさらに細い。
フォトマスク表面には、回路パターンが焼き付けられている。フォトマスクそれ自身は、銀塩フィルムであるためパターンに沿って、銀の結晶が集まっていて、集まったところが凸、無いところが凹となる。
回路パターンを鮮明に転写するために表面保護シートは、極力薄い必要がある。厚いと露光が広がるためにパターンがぼやけるからである。さらには表面保護シートを貼り合わせるときに、気泡が入ってしまい、回路パターンに電気が流れない欠点が発生する。
回路パターンを鮮明に転写するために表面保護シートは、極力薄い必要がある。厚いと露光が広がるためにパターンがぼやけるからである。さらには表面保護シートを貼り合わせるときに、気泡が入ってしまい、回路パターンに電気が流れない欠点が発生する。
したがって、最新の表面保護シートでは、基材フィルム自身が薄くかつ粘着剤層自身も薄いもので、パターンの凹凸を拾わず、気泡が入らないものの開発が盛んに行われている。
しかしながら、この用途に用いられる粘着剤から構成される表面保護シートは、それをフォトマスクから剥がすときに粘着剤がフォトマスクに残りがちである。
しかしながら、この用途に用いられる粘着剤から構成される表面保護シートは、それをフォトマスクから剥がすときに粘着剤がフォトマスクに残りがちである。
さらには、貼りあわせ直後に気泡がないことが望まれるようになってきた。気泡は時間が経過すると小さくなりやがて消える(品質が悪い表面保護フィルムを除く)が、作業性と品質管理の面から貼りあわせ直後に気泡がないことが望まれるようになってきた。
このような問題点を解決するために、糊残りしない粘着テープが特許文献1に開示されている。この特許文献においては溶剤可溶分の上限が40重量%であることを望ましいとしている。また架橋構造を有する部分が多いことが望ましいとも述べられている。つまり、溶剤可溶分が少ないこと、つまりはゲル分率が高いことが望ましいと述べられている。
しかし、研究の結果、このような粘着剤においては、架橋が多すぎるため、気泡を解消することができないことがわかっている。
しかし、研究の結果、このような粘着剤においては、架橋が多すぎるため、気泡を解消することができないことがわかっている。
本発明の目的は、粘着剤層を対象物に貼り付けるときには気泡が入らず、かつ紫外線照射により粘着剤中で架橋反応が起き、ゲル分率が高くなり、剥がすときには粘着剤が残らない粘着剤層を形成することのできる粘着剤及びこれを含有してなるフォトマスク等の表面保護に好適な表面保護粘着シートを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、特定の重量平均分子量のアクリル酸エステル系樹脂、架橋剤および光重合開始剤を含有してなる粘着剤において、紫外線照射されないときおよびされたときのゲル分率をそれぞれ特定のものにすることによって、該粘着剤を用いて形成した粘着剤層を対象物に貼り付けるときには気泡が入らず、かつ剥がすときには粘着剤が残らない粘着剤層を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、GPC法によるポリスチレン換算分子量として測定される重量平均分子量が50万〜100万であるアクリル酸エステル系樹脂、架橋剤および光重合開始剤を含有してなる粘着剤であって、
粘着剤を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃にて1時間乾燥させたときの下記の式で表されるゲル分率(Y)が、
前記粘着剤が紫外線照射されないときは、0〜50重量%であり、かつ、
前記粘着剤が紫外線照射されたときは、70〜95重量%であることを特徴とする粘着剤が提供される。
Y=100×W2/W1
(式中、W1は乾燥前の粘着剤の重量、W2は乾燥後の粘着剤の重量を意味する)
粘着剤を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃にて1時間乾燥させたときの下記の式で表されるゲル分率(Y)が、
前記粘着剤が紫外線照射されないときは、0〜50重量%であり、かつ、
前記粘着剤が紫外線照射されたときは、70〜95重量%であることを特徴とする粘着剤が提供される。
Y=100×W2/W1
(式中、W1は乾燥前の粘着剤の重量、W2は乾燥後の粘着剤の重量を意味する)
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記アクリル酸エステル系樹脂が、架橋剤と反応する架橋性官能基Aを含有する(メタ)アクリル酸エステル成分と、光重合開始剤と反応する架橋性官能基Bを含有する架橋性モノマーとを含有することを特徴とする粘着剤が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第2の発明において、前記架橋性官能基Aが、水酸基であることを特徴とする粘着剤が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第2の発明において、前記架橋性官能基Bが、グリシジル基または反応性二重結合であることを特徴とする粘着剤が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、前記架橋剤が、イソシアネート系架橋剤であることを特徴とする粘着剤が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、前記光重合開始剤が、粘着剤全体を基準として0.1〜10重量%含有されてなることを特徴とする粘着剤が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、合成樹脂からなる基材に、第1〜6のいずれかの発明の粘着剤からなる粘着剤層が積層されてなることを特徴とする表面保護粘着シートが提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第7の発明において、前記粘着剤層の厚さが、2〜20μmであることを特徴とする表面保護粘着シートが提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第7または8の発明において、前記表面保護粘着シートが、回路基板の製造に使用されるフォトマスクの表面を保護するものであることを特徴とする表面保護粘着シートが提供される。
本発明のフォトマスク保護用粘着テープによれば、第1の発明においては、GPC法によるポリスチレン換算分子量として測定される重量平均分子量が50万〜100万であるアクリル酸エステル系樹脂、架橋剤および光重合開始剤を含有してなる粘着剤であって、前記粘着剤が紫外線照射されないときはゲル分率(Y)が0〜50重量%であり、かつ、前記粘着剤が紫外線照射されたときはゲル分率(Y)が70〜95重量%であることを特徴とする粘着剤であるので、該粘着剤を用いて形成した粘着剤層を対象物に貼り付けるときに気泡が入らず、かつ剥がすときには粘着剤が残らない粘着剤層を形成することのできる粘着剤であるという効果がある。
また、第2の発明においては、前記アクリル酸エステル系樹脂が、架橋剤と反応する架橋性官能基Aを含有する(メタ)アクリル酸エステル成分と、光重合開始剤と反応する架橋性官能基Bとを含有する粘着剤であると特定しているので、上記効果をさらに経済的効率的に奏することができるという効果がある。
また、第3の発明においては、前記架橋性官能基Aが、水酸基である粘着剤であると特定しているので、上記効果をさらに経済的効率的に奏することができるという効果がある。
また、第4の発明においては、前記架橋性官能基Bが、グリシジル基または反応性二重結合である粘着剤であると特定しているので、上記効果をさらに経済的効率的に奏することができるという効果がある。
また、第5の発明においては、前記架橋剤が、イソシアネート系架橋剤であると特定しているので、上記効果をさらに経済的効率的に奏することができるという効果がある。
また、第6の発明においては、前記光重合開始剤が、粘着剤全体を基準として0.1〜10重量%含有されてなると特定しているので、上記効果をさらに経済的効率的に奏することができるという効果がある。
また、第7の発明においては、合成樹脂からなる基材に、第1〜6のいずれかの発明の粘着剤からなる粘着剤層が積層されてなることを特徴とする表面保護粘着シートであるので、薄い厚みであってもフォトマスク等の表面に貼り付けられる際に気泡が残らず、かつフォトマスク等を再利用するために表面保護シートを剥がすときに糊残りしないという効果がある。
また、第8の発明においては、前記粘着剤層の厚さが、2〜20μmである表面保護粘着シートであると特定しているので、上記効果をさらに経済的効率的に奏することができるという効果がある。さらに、粘着剤層を薄くすることができるので、光学特性に優れ、配線パターンの信頼性向上に寄与するという効果がある。
また、第9の発明においては、前記表面保護粘着シートが、回路基板の製造に使用されるフォトマスクの表面を保護するものである表面保護粘着シートであると特定しているので、回路基板の製造に使用されるフォトマスクの表面を保護する際に、薄い厚みであってもフォトマスクの表面に貼り付けられる際に気泡が残らず、かつフォトマスクを再利用するために表面保護シートを剥がすときに糊残りしないという効果がある。
以下、本発明の粘着剤及びこれを用いた表面保護粘着シートについて、詳細に説明する。
1.粘着剤
本発明の粘着剤は、GPC法によるポリスチレン換算分子量として測定される重量平均分子量が50万〜100万であるアクリル酸エステル系樹脂、架橋剤および光重合開始剤を含有してなる粘着剤であって、アクリル酸エステル系樹脂の重量平均分子量と粘着剤のゲル分率との関係を適性範囲とし、紫外線照射により、前述したような気泡と糊残り(再剥離性)の問題が解決された粘着剤であることを特徴とする。
1.粘着剤
本発明の粘着剤は、GPC法によるポリスチレン換算分子量として測定される重量平均分子量が50万〜100万であるアクリル酸エステル系樹脂、架橋剤および光重合開始剤を含有してなる粘着剤であって、アクリル酸エステル系樹脂の重量平均分子量と粘着剤のゲル分率との関係を適性範囲とし、紫外線照射により、前述したような気泡と糊残り(再剥離性)の問題が解決された粘着剤であることを特徴とする。
(1)アクリル酸エステル系樹脂
上記粘着剤を構成するアクリル酸エステル系樹脂としては、GPC法によるポリスチレン換算分子量として測定される重量平均分子量が50万〜100万であることが必要であるが、一種又は二種以上の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重合または共重合してなる(メタ)アクリル酸エステル樹脂や、(メタ)アクリル酸エステルモノマーとこれと共重合可能な他のビニルモノマーとの共重合体が挙げられ、粘着力の調整や、架橋剤と反応させる理由から、(メタ)アクリル酸エステルモノマーとこれと共重合可能な他のビニルモノマーとの共重合体が好ましい。なお、本発明において「(メタ)アクリル酸」とは、「メタクリル酸又はアクリル酸」を意味する。
上記粘着剤を構成するアクリル酸エステル系樹脂としては、GPC法によるポリスチレン換算分子量として測定される重量平均分子量が50万〜100万であることが必要であるが、一種又は二種以上の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重合または共重合してなる(メタ)アクリル酸エステル樹脂や、(メタ)アクリル酸エステルモノマーとこれと共重合可能な他のビニルモノマーとの共重合体が挙げられ、粘着力の調整や、架橋剤と反応させる理由から、(メタ)アクリル酸エステルモノマーとこれと共重合可能な他のビニルモノマーとの共重合体が好ましい。なお、本発明において「(メタ)アクリル酸」とは、「メタクリル酸又はアクリル酸」を意味する。
そして、上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、特に限定されないが、アルキル基の炭素数が4〜12の一級または二級アルコールと、(メタ)アクリル酸とのエステル化反応により得られるものが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、2−エチルヘキシルアクリレート(アクリル酸−2−エチルヘキシル)、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレートが好ましい。
なお、上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
なお、上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合可能な他のビニルモノマーは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーとこれと共重合可能な他のビニルモノマーとの共重合体を改質して、得られる粘着剤の凝集力を高める目的で添加されるものであって、例えば、アクリル酸エステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)を上昇させるもの、アクリル酸エステル系樹脂の主鎖間に架橋構造を形成するのに寄与するものなどが用いられる。
他のビニルモノマー成分の含有量は、再剥離性を損なわないために、アクリル酸エステル系樹脂全体を基準として0.1〜10重量%配合することが好ましい。
他のビニルモノマー成分の含有量は、再剥離性を損なわないために、アクリル酸エステル系樹脂全体を基準として0.1〜10重量%配合することが好ましい。
また、アクリル酸エステル系樹脂の凝集力を高めるビニルモノマーとしては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸などのカルボキシ基含有モノマー;n−メチロールアクリルアミドなどの水酸基含有モノマー;無水マレイン酸、酢酸ビニル、スチレンなどが挙げられ、アクリル酸が好ましい。これらは凝集力を高め接着力を向上する。
そして、上記アクリル酸エステル系樹脂の主鎖間に架橋構造を形成するのに寄与するビニルモノマーとしては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。イソシアネート化合物を架橋剤として用いる場合は、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチルが好ましい。またこれらのモノマーの中で水酸基を含有するものは、アクリル酸エステル系樹脂の凝集力も高めることができるため、好ましい。
前記アクリル酸エステル系樹脂は、架橋剤と反応する架橋性官能基Aを含有する(メタ)アクリル酸エステル成分と、光重合開始剤と反応する架橋性官能基Bとを含有することが好ましい。
すなわち、例えば水酸基等の架橋剤と反応する架橋性官能基Aをもつ(メタ)アクリル酸エステルを含有するアクリル粘着剤は、架橋剤と反応し粘着剤の初期のゲル分率を与える。このことにより粘着剤層がべたついたりせずに取り扱えるようになる。
さらに、例えばグリシジル基または反応性二重結合等の光重合開始剤と反応する架橋性官能基Bを含有する架橋性モノマーからなる(メタ)アクリル酸エステルを含有するアクリル粘着剤は、紫外線照射により光重合開始剤が架橋反応を起こし、ゲル分率が増大する。これにより最初は、ゲル分率が低く、ラミネート時に気泡が発生せず、紫外線照射によりゲル分が増大し、リワーク時には、ゲル分率が高いため糊残りしない。
すなわち、例えば水酸基等の架橋剤と反応する架橋性官能基Aをもつ(メタ)アクリル酸エステルを含有するアクリル粘着剤は、架橋剤と反応し粘着剤の初期のゲル分率を与える。このことにより粘着剤層がべたついたりせずに取り扱えるようになる。
さらに、例えばグリシジル基または反応性二重結合等の光重合開始剤と反応する架橋性官能基Bを含有する架橋性モノマーからなる(メタ)アクリル酸エステルを含有するアクリル粘着剤は、紫外線照射により光重合開始剤が架橋反応を起こし、ゲル分率が増大する。これにより最初は、ゲル分率が低く、ラミネート時に気泡が発生せず、紫外線照射によりゲル分が増大し、リワーク時には、ゲル分率が高いため糊残りしない。
(i)架橋性官能基Aを含有する(メタ)アクリル酸エステル成分
架橋剤と反応する架橋性官能基Aを含有する(メタ)アクリル酸エステル成分である架橋性モノマーとしては、前記架橋性官能基Aが、水酸基であるものが好ましく、例えばヒドロキシエチルアクリレートおよびヒドロキシエチルメタクリレートがあげられる。
これら、架橋性官能基を含有する(メタ)アクリル酸エステル成分は、少ないと、架橋が少なすぎるため、架橋剤を用いても、所望のゲル分率を得ることができず、糊残りが悪くなる。多すぎると架橋モノマー自身の凝集力のためゲル分率が所望の範囲であっても、泡ぬけが悪くなる。したがって、アクリル酸エステル系樹脂全体を基準として0.02〜3重量%配合することが望ましく、0.05〜1重量%配合することがさらに望ましい。
架橋剤と反応する架橋性官能基Aを含有する(メタ)アクリル酸エステル成分である架橋性モノマーとしては、前記架橋性官能基Aが、水酸基であるものが好ましく、例えばヒドロキシエチルアクリレートおよびヒドロキシエチルメタクリレートがあげられる。
これら、架橋性官能基を含有する(メタ)アクリル酸エステル成分は、少ないと、架橋が少なすぎるため、架橋剤を用いても、所望のゲル分率を得ることができず、糊残りが悪くなる。多すぎると架橋モノマー自身の凝集力のためゲル分率が所望の範囲であっても、泡ぬけが悪くなる。したがって、アクリル酸エステル系樹脂全体を基準として0.02〜3重量%配合することが望ましく、0.05〜1重量%配合することがさらに望ましい。
(ii)架橋性官能基Bを含有する架橋性モノマー
光重合開始剤と反応する架橋性官能基Bを含有する架橋性モノマーとしては、前記架橋性官能基Bが、グリシジル基または反応性二重結合であるものが好ましく、例えば以下のものがあげられる。
グリシジル基を持つものとしてはグリシジルメタクリレートがあげられる。グリシジルメタクリレートは、ポリマーの共重合成分として重合反応でポリマーに導入する。
反応性二重結合を持つものとしては2−イソシアナトエチル=メタクリラート(「カレンズMOI」 昭和電工社製)、2−イソシアナトエチルアクリレート(「カレンズAOI」 昭和電工社製)があげられる。これは分子内にイソシアネート基を持つためポリマー重合後に水酸基含有ポリマーと反応させることで反応性二重結合をポリマーに付加することができる。
光重合開始剤と反応する架橋性官能基Bを含有する架橋性モノマーとしては、前記架橋性官能基Bが、グリシジル基または反応性二重結合であるものが好ましく、例えば以下のものがあげられる。
グリシジル基を持つものとしてはグリシジルメタクリレートがあげられる。グリシジルメタクリレートは、ポリマーの共重合成分として重合反応でポリマーに導入する。
反応性二重結合を持つものとしては2−イソシアナトエチル=メタクリラート(「カレンズMOI」 昭和電工社製)、2−イソシアナトエチルアクリレート(「カレンズAOI」 昭和電工社製)があげられる。これは分子内にイソシアネート基を持つためポリマー重合後に水酸基含有ポリマーと反応させることで反応性二重結合をポリマーに付加することができる。
そして、上記アクリル酸エステル系樹脂を得るには、(メタ)アクリル酸エステルモノマーを必要に応じて(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合可能な他のビニルモノマーと共に、重合開始剤の存在下にてラジカル反応させればよい。なお、重合方法としては、従来公知の方法が用いられる。
そして、上記重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、ジ(t−ヘキシルパーオキシ)トリメチルシクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレートなどが挙げられ、10時間半減期温度から示される活性の高さから、t−ヘキシルパーオキシピバレートが好ましく、市販のものとしては、日本油脂株式会社製の「パーヘキシル(登録商標)PV」等が好ましい。なお、上記重合開始剤は単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
(2)架橋剤
本発明の粘着剤では、架橋剤を添加して粘着剤を構成する樹脂の主鎖間に架橋構造を形成している。上記架橋剤としては、特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤などが挙げられる。これらの中でも、この粘着剤により形成される粘着剤層を、被着体の変形に伴って生じる剥離応力により被着体から剥離されにくいものにすることができる点からイソシアネート系架橋剤が好ましい。イソシアネート化合物は、反応性が高く、蒸気に触れると危険であるため、蒸気圧が低く安全性の高い変成イソシアネートが好ましく用いられ、市販のものとしては、住化バイエルウレタン株式会社製のものや、日本ポリウレタン工業株式会社製の「コロネート(登録商標)L−45」が好ましく用いられる。なお、上記架橋剤は単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。架橋剤はゲル分率が所望の範囲となるように調整して配合する。
本発明の粘着剤では、架橋剤を添加して粘着剤を構成する樹脂の主鎖間に架橋構造を形成している。上記架橋剤としては、特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤などが挙げられる。これらの中でも、この粘着剤により形成される粘着剤層を、被着体の変形に伴って生じる剥離応力により被着体から剥離されにくいものにすることができる点からイソシアネート系架橋剤が好ましい。イソシアネート化合物は、反応性が高く、蒸気に触れると危険であるため、蒸気圧が低く安全性の高い変成イソシアネートが好ましく用いられ、市販のものとしては、住化バイエルウレタン株式会社製のものや、日本ポリウレタン工業株式会社製の「コロネート(登録商標)L−45」が好ましく用いられる。なお、上記架橋剤は単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。架橋剤はゲル分率が所望の範囲となるように調整して配合する。
(3)光重合開始剤
本発明の光重合開始剤としては、以下のものを使用することができる。
グリシジル基と反応する光重合開始剤は、カチオン種を生成するタイプである。光カチオン重合開始剤は、光が照射されることにより活性化し、エポキシ樹脂の開環重合を引き起こす物質である。
光カチオン重合開始剤としては、例えばスルホニウム塩、ヨードニウム塩またはオニウム塩等が挙げられる。光カチオン重合開始剤の中でも、スルホニウム塩が好ましく、スルホニウム塩の中でも、特に芳香族スルホニウム塩が好ましい。
芳香族スルホニウム塩としては、例えば米国特許第4256828号に開示されているものが挙げられ、具体的に例えば、トリフェニルスルホニウム塩、メチルジフェニルスルホニウム塩、ジメチルフェニルスルホニウム塩、ジフェニルナフチルスルホニウム塩またはジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウム塩等が挙げられる。
該芳香族スルホニウム塩の中でも、ヘキサフルオロホスフェートイオン(PF6−)を対アニオンとして有している芳香族スルホニウム塩が好ましく、例えば米国特許第4256828号に開示されているものが挙げられ、具体的に例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、メチルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルナフチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートまたはジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
対アニオンとして、PF6−を有する芳香族スルホニウム塩は、硬化開始に有効な光を遮断した状態で接着剤を加熱溶融させた時(例えば、接着剤を製造する時に加熱溶融させた樹脂に対して光カチオン重合開始剤を投入した後やホットメルト接着剤として塗工するために加熱溶融された時)の加熱安定性が優れているという利点を有する。ここでいう「加熱安定性」とは、加熱だけでは、光カチオン重合開始剤がエポキシ樹脂の開環重合を起こしにくい、または、少ししか起こさないという意味である。このようなPF6−を対アニオンとして有する芳香族スルホニウム塩は市販されており、商品名;SP−150(旭電化工業社製)、商品名;サイラキュアUVI−6990(ユニオンカーバイド社製)等がある。
本発明の光重合開始剤としては、以下のものを使用することができる。
グリシジル基と反応する光重合開始剤は、カチオン種を生成するタイプである。光カチオン重合開始剤は、光が照射されることにより活性化し、エポキシ樹脂の開環重合を引き起こす物質である。
光カチオン重合開始剤としては、例えばスルホニウム塩、ヨードニウム塩またはオニウム塩等が挙げられる。光カチオン重合開始剤の中でも、スルホニウム塩が好ましく、スルホニウム塩の中でも、特に芳香族スルホニウム塩が好ましい。
芳香族スルホニウム塩としては、例えば米国特許第4256828号に開示されているものが挙げられ、具体的に例えば、トリフェニルスルホニウム塩、メチルジフェニルスルホニウム塩、ジメチルフェニルスルホニウム塩、ジフェニルナフチルスルホニウム塩またはジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウム塩等が挙げられる。
該芳香族スルホニウム塩の中でも、ヘキサフルオロホスフェートイオン(PF6−)を対アニオンとして有している芳香族スルホニウム塩が好ましく、例えば米国特許第4256828号に開示されているものが挙げられ、具体的に例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、メチルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルナフチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートまたはジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
対アニオンとして、PF6−を有する芳香族スルホニウム塩は、硬化開始に有効な光を遮断した状態で接着剤を加熱溶融させた時(例えば、接着剤を製造する時に加熱溶融させた樹脂に対して光カチオン重合開始剤を投入した後やホットメルト接着剤として塗工するために加熱溶融された時)の加熱安定性が優れているという利点を有する。ここでいう「加熱安定性」とは、加熱だけでは、光カチオン重合開始剤がエポキシ樹脂の開環重合を起こしにくい、または、少ししか起こさないという意味である。このようなPF6−を対アニオンとして有する芳香族スルホニウム塩は市販されており、商品名;SP−150(旭電化工業社製)、商品名;サイラキュアUVI−6990(ユニオンカーバイド社製)等がある。
反応性二重結合と反応する光重合開始剤は、ラジカル種を生成するタイプである。具体的には、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(「イルガキュア(R)651」)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(「イルガキュア(R)184」)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(「ダロキュア(R)1173」)などがあげられる。
光重合開始剤の配合量は、粘着剤全体を基準として、0.1〜10重量%を配合することが好ましく、0.5〜5重量%を配合することがより好ましい。0.5重量%未満であると反応が不十分のおそれがあり、5重量%より多いと粘着剤が着色するおそれがある。着色は新たな光学的問題を引き起こすことがある。
(4)アクリル酸エステル系樹脂の重量平均分子量
本発明の粘着剤は、アクリル酸エステル系樹脂が、GPC法によるポリスチレン換算分子量として測定される重量平均分子量において50万〜100万であることが必要である。アクリル酸エステル系樹脂においては、重合開始剤、重合溶剤、モノマー濃度、連鎖移動剤量、重合温度を調整することにより望ましい分子量を得ることができる。
本発明の粘着剤は、アクリル酸エステル系樹脂が、GPC法によるポリスチレン換算分子量として測定される重量平均分子量において50万〜100万であることが必要である。アクリル酸エステル系樹脂においては、重合開始剤、重合溶剤、モノマー濃度、連鎖移動剤量、重合温度を調整することにより望ましい分子量を得ることができる。
本発明において、アクリル酸エステル系樹脂の重量平均分子量はGPC法によりポリスチレン換算分子量として測定された重量平均分子量である。
具体的には、アクリル酸エステル系樹脂をテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルターで濾過し、得られた濾液に基づいて、アクリル酸エステル系樹脂のポリスチレン換算分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフによって測定することにより得ることができる。上記ゲルパーミエーションクロマトグラフとしては、例えば、Water社から商品名「2690 セパレーションモジュール」として市販されているものなどが使用できる。
具体的には、アクリル酸エステル系樹脂をテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルターで濾過し、得られた濾液に基づいて、アクリル酸エステル系樹脂のポリスチレン換算分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフによって測定することにより得ることができる。上記ゲルパーミエーションクロマトグラフとしては、例えば、Water社から商品名「2690 セパレーションモジュール」として市販されているものなどが使用できる。
(5)粘着剤のゲル分率
本発明の表面保護粘着シートでは、ラミネート後、光反応により粘着剤を硬化させることにより、細線化に対応した気泡改善とリワーク時の糊のこりを改善することができる。
気泡が発生しないためには、粘着剤のゲル分率は、ラミネート時は、低いことが望ましく、リワーク(保護フィルムを再剥離する)時、糊のこりが発生しないためにはゲル分率が高いことが必要である。
このように、気泡と糊残りは相反する特性である。しかし、気泡はラミネート時の特性であり糊残りは、リワークする時の特性であり、同時に要求される特性ではない。本発明者は、ラミネート時とリワーク時にゲル分率を変えることにより、この問題を解決できることを見出した。
本発明の表面保護粘着シートでは、ラミネート後、光反応により粘着剤を硬化させることにより、細線化に対応した気泡改善とリワーク時の糊のこりを改善することができる。
気泡が発生しないためには、粘着剤のゲル分率は、ラミネート時は、低いことが望ましく、リワーク(保護フィルムを再剥離する)時、糊のこりが発生しないためにはゲル分率が高いことが必要である。
このように、気泡と糊残りは相反する特性である。しかし、気泡はラミネート時の特性であり糊残りは、リワークする時の特性であり、同時に要求される特性ではない。本発明者は、ラミネート時とリワーク時にゲル分率を変えることにより、この問題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明において、前記のように調整した粘着剤のゲル分率は、紫外線照射されないときおよび紫外線照射されたとき、それぞれ特定の値であることが必要である。具体的には、前記重量平均分子量が50万〜100万であるとき、紫外線照射されないときの粘着剤のゲル分率は0〜50重量%、好ましくは20〜40重量%であることが必要である。紫外線照射されないとき、粘着剤を前記範囲のゲル分率とするためには、前述した通り、アクリル酸エステル系樹脂溶液を製造する際の分子量、架橋性(メタ)アクリル酸エステルモノマー量及び架橋剤量等を調整する。この範囲を下回る場合には、前述のとおり、粘着剤がべたつく等の問題が生じる恐れがあるため好ましくない。上回る場合は、気泡が残る恐れが出てくる。
一方、本発明の粘着剤は、紫外線照射により光重合開始剤が架橋反応を起こし、ゲル分率が増大する。紫外線照射されたときの粘着剤のゲル分率は70〜95重量%、好ましくは75〜90重量%であることが必要である。
これにより最初は、ゲル分率が低く、ラミネート時に気泡が発生せず、紫外線照射によりゲル分が増大し、リワーク時には、ゲル分率が高いため糊残りしない粘着剤とすることができる。
一方、本発明の粘着剤は、紫外線照射により光重合開始剤が架橋反応を起こし、ゲル分率が増大する。紫外線照射されたときの粘着剤のゲル分率は70〜95重量%、好ましくは75〜90重量%であることが必要である。
これにより最初は、ゲル分率が低く、ラミネート時に気泡が発生せず、紫外線照射によりゲル分が増大し、リワーク時には、ゲル分率が高いため糊残りしない粘着剤とすることができる。
ここで、上記粘着剤のゲル分率の測定方法は、以下のとおりである。
すなわち、紫外線照射されないときの粘着剤のゲル分率については、粘着剤を離型フィルムに塗布100℃で3分間し乾燥4μmの厚みを得たものに離型フィルムを被せて23℃50%RHで一週間養生する。この粘着剤をサンプリングして酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、粘着剤を酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させる。そして、乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式を用いてゲル分率を算出する。
ゲル分率(重量%)=100×W2/W1
(式中、W1は乾燥前の粘着剤の重量、W2は乾燥後の粘着剤の重量を意味する)
すなわち、紫外線照射されないときの粘着剤のゲル分率については、粘着剤を離型フィルムに塗布100℃で3分間し乾燥4μmの厚みを得たものに離型フィルムを被せて23℃50%RHで一週間養生する。この粘着剤をサンプリングして酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、粘着剤を酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させる。そして、乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式を用いてゲル分率を算出する。
ゲル分率(重量%)=100×W2/W1
(式中、W1は乾燥前の粘着剤の重量、W2は乾燥後の粘着剤の重量を意味する)
一方、紫外線照射されたときの粘着剤のゲル分率については、粘着剤を離型フィルムに塗布100℃で3分間し乾燥4μmの厚みを得たものに離型フィルムを被せて23℃50%RHで一週間養生したものを、例えば、高圧水銀灯を用い、365nmの波長の光を50mW/cm2の照射強度で30秒照射し、その後、40℃1日保管する。この粘着剤をサンプリングして酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、粘着剤を酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させる。そして、乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式を用いてゲル分率を算出する。
ゲル分率(重量%)=100×W2/W1
(式中、W1は乾燥前の粘着剤の重量、W2は乾燥後の粘着剤の重量を意味する)
ゲル分率(重量%)=100×W2/W1
(式中、W1は乾燥前の粘着剤の重量、W2は乾燥後の粘着剤の重量を意味する)
本発明において、紫外線照射とは、例えば、高圧水銀灯を用い、365nmの波長の光を50mW/cm2の照射強度で30秒照射することを意味する。
2.表面保護粘着シート
(1)表面保護粘着シートの構成
次に、基材の片面に、上述の粘着剤からなる粘着剤層が積層されてなる表面保護粘着シートについて説明する。
表面保護粘着シートは、基材の片面に、上述の粘着剤からなる粘着剤層が積層され、さらに、通常、表面保護粘着シートの使用前に粘着剤層が別の部材に貼着したり、或いは、粘着剤層に塵埃が付着したりするのを防止するために、粘着剤層の表面には離型フィルムが剥離可能に積層される。
さらに、必要に応じて、各層の密着力を向上させるため等に設けられる中間層やテープが帯電して空気中のゴミ等を引き寄せることを防止する役割を有する帯電防止層等を設けてもよい。
(1)表面保護粘着シートの構成
次に、基材の片面に、上述の粘着剤からなる粘着剤層が積層されてなる表面保護粘着シートについて説明する。
表面保護粘着シートは、基材の片面に、上述の粘着剤からなる粘着剤層が積層され、さらに、通常、表面保護粘着シートの使用前に粘着剤層が別の部材に貼着したり、或いは、粘着剤層に塵埃が付着したりするのを防止するために、粘着剤層の表面には離型フィルムが剥離可能に積層される。
さらに、必要に応じて、各層の密着力を向上させるため等に設けられる中間層やテープが帯電して空気中のゴミ等を引き寄せることを防止する役割を有する帯電防止層等を設けてもよい。
(2)基材
上記基材としては、合成樹脂からなるものが使用されるが、特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステル系樹脂フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルムなどが挙げられ、ポリエステル系樹脂フィルムが好ましい。
上記基材としては、合成樹脂からなるものが使用されるが、特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステル系樹脂フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルムなどが挙げられ、ポリエステル系樹脂フィルムが好ましい。
そして、上記基材の厚みは、薄いと、強度が不足し破れやすくなったり取り扱いが困難になったりすることがある一方、厚いと、基材の腰が強すぎて段差への追従性が悪くなりさらには露光時の光学特性を悪化させるので、2〜15μmが好ましく、5〜12μmがより好ましい。
(3)粘着剤層
上記粘着剤層の厚みは、2〜20μmが好ましく、4〜10μmがより好ましい。2μmより薄いと、気泡の問題が生じるおそれがあり、20μmより厚いと、光学特性に問題が生じるおそれがあるため、好ましくない。
上記粘着剤層の厚みは、2〜20μmが好ましく、4〜10μmがより好ましい。2μmより薄いと、気泡の問題が生じるおそれがあり、20μmより厚いと、光学特性に問題が生じるおそれがあるため、好ましくない。
(4)離型フィルム
上記離型フィルムとしては、上述の基材と同様のフィルムが使用でき、粘着剤層と接する面には離型処理が施されているものが好ましい。
上記離型フィルムとしては、上述の基材と同様のフィルムが使用でき、粘着剤層と接する面には離型処理が施されているものが好ましい。
(5)表面保護粘着シートの製造方法
次に、表面保護粘着シートの製造方法について説明する。表面保護シートの製造方法としては、例えば、粘着剤溶液を作製して、この粘着剤溶液を離型フィルムに塗布し、粘着剤溶液中の溶剤を完全に乾燥除去して粘着剤層を形成させた後、形成された粘着剤層の上に基材を重ね合わせる。そして、上記積層体をゴムローラなどによって加圧することによって、基材の片側に粘着剤層が形成され、その下に離型フィルムが積層された表面保護粘着シートを得る方法が挙げられる。また、粘着剤層を構成する粘着剤と、合成樹脂からなる基材を構成する組成物とを共押出しすることにより積層一体化する方法等も挙げられる。
次に、表面保護粘着シートの製造方法について説明する。表面保護シートの製造方法としては、例えば、粘着剤溶液を作製して、この粘着剤溶液を離型フィルムに塗布し、粘着剤溶液中の溶剤を完全に乾燥除去して粘着剤層を形成させた後、形成された粘着剤層の上に基材を重ね合わせる。そして、上記積層体をゴムローラなどによって加圧することによって、基材の片側に粘着剤層が形成され、その下に離型フィルムが積層された表面保護粘着シートを得る方法が挙げられる。また、粘着剤層を構成する粘着剤と、合成樹脂からなる基材を構成する組成物とを共押出しすることにより積層一体化する方法等も挙げられる。
(6)表面保護粘着シートの用途
このようにして得られる本発明の表面保護粘着シートは、薄い厚みであってもフォトマスク等の対象物の表面に貼り付けられる際に気泡が残らず、かつフォトマスク等の対象物を再利用するために表面保護シートを剥がすときに糊残りしないという効果がある。
また、本発明の粘着剤により、粘着剤層を薄くすることができるので、光学特性に優れ、配線パターンの信頼性向上に寄与するという効果がある。
したがって、本発明の表面保護粘着シートは、回路基板の製造に使用されるフォトマスクの表面を保護する表面保護粘着シートとして好適に用いることができる。
このようにして得られる本発明の表面保護粘着シートは、薄い厚みであってもフォトマスク等の対象物の表面に貼り付けられる際に気泡が残らず、かつフォトマスク等の対象物を再利用するために表面保護シートを剥がすときに糊残りしないという効果がある。
また、本発明の粘着剤により、粘着剤層を薄くすることができるので、光学特性に優れ、配線パターンの信頼性向上に寄与するという効果がある。
したがって、本発明の表面保護粘着シートは、回路基板の製造に使用されるフォトマスクの表面を保護する表面保護粘着シートとして好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。なお、実施例で用いた測定方法や評価方法、および原材料は以下の通りである。
1.測定方法や評価方法
(1)重量平均分子量
アクリル酸エステル系樹脂をテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルターで濾過し、得られた濾液に基づいて、アクリル酸エステル系樹脂のポリスチレン換算分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフによって測定した。その際、ゲルパーミエーションクロマトグラフとしては、Water社から商品名「2690 セパレーションモジュール」として市販されているものを使用した。
(1)重量平均分子量
アクリル酸エステル系樹脂をテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルターで濾過し、得られた濾液に基づいて、アクリル酸エステル系樹脂のポリスチレン換算分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフによって測定した。その際、ゲルパーミエーションクロマトグラフとしては、Water社から商品名「2690 セパレーションモジュール」として市販されているものを使用した。
(2)ゲル分率
(i)紫外線照射されないとき
粘着剤を離型フィルムに塗布100℃で3分間し乾燥4μmの厚みを得たものに離型フィルムを被せて23℃50%RHで一週間養生し、次いで、この粘着剤をサンプリングして酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、粘着剤を酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させた。そして、乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式を用いてゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=100×W2/W1
(式中、W1は乾燥前の粘着剤の重量、W2は乾燥後の粘着剤の重量を意味する)
(i)紫外線照射されないとき
粘着剤を離型フィルムに塗布100℃で3分間し乾燥4μmの厚みを得たものに離型フィルムを被せて23℃50%RHで一週間養生し、次いで、この粘着剤をサンプリングして酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、粘着剤を酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させた。そして、乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式を用いてゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=100×W2/W1
(式中、W1は乾燥前の粘着剤の重量、W2は乾燥後の粘着剤の重量を意味する)
(ii)紫外線照射されたとき
粘着剤を離型フィルムに塗布100℃で3分間し乾燥4μmの厚みを得たものに離型フィルムを被せて23℃50%RHで一週間養生したものを、高圧水銀灯(オーク製作所製、商品名「ジェットライトJL−2300」)を用い、365nmの波長の光を50mW/cm2の照射強度で30秒照射し、その後、40℃1日保管した。この粘着剤をサンプリングして酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、粘着剤を酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させた。そして、乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式を用いてゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=100×W2/W1
(式中、W1は乾燥前の粘着剤の重量、W2は乾燥後の粘着剤の重量を意味する)
粘着剤を離型フィルムに塗布100℃で3分間し乾燥4μmの厚みを得たものに離型フィルムを被せて23℃50%RHで一週間養生したものを、高圧水銀灯(オーク製作所製、商品名「ジェットライトJL−2300」)を用い、365nmの波長の光を50mW/cm2の照射強度で30秒照射し、その後、40℃1日保管した。この粘着剤をサンプリングして酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、粘着剤を酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させた。そして、乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式を用いてゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=100×W2/W1
(式中、W1は乾燥前の粘着剤の重量、W2は乾燥後の粘着剤の重量を意味する)
(3)泡残り評価
表面保護シートを50mm幅の短冊状に裁断した。次にあらかじめ50μm間隔のハシゴ模様のパターンがある試験用のフォトマスク(コダック社製SO−404)に表面保護シートを貼り合わせた。このとき2kgのゴムローラを一往復させることにより、表面保護シートとフォトマスクをしっかり貼りあわせた。その後、この試験サンプルについて、直後の空気の残った状態を表1に示す10点法で評価した。なお、本評価試験は23℃50%RHの環境で行った。
表面保護シートを50mm幅の短冊状に裁断した。次にあらかじめ50μm間隔のハシゴ模様のパターンがある試験用のフォトマスク(コダック社製SO−404)に表面保護シートを貼り合わせた。このとき2kgのゴムローラを一往復させることにより、表面保護シートとフォトマスクをしっかり貼りあわせた。その後、この試験サンプルについて、直後の空気の残った状態を表1に示す10点法で評価した。なお、本評価試験は23℃50%RHの環境で行った。
(4)糊残り評価
一日前に表面保護シートを貼りあわせたフォトマスク20cm×20cm(コダック社製)を厚さ2mmアルミ板に両面テープで固定した。本サンプルは、光反応性であるので高圧水銀灯を用い、365nmの波長の光を50mW/cm2の照射強度で30秒照射した。その後40℃×1日保管した。次に表面保護シートをフォトマスクに対して90度に近い角度になるように垂直に出来るだけ早く手で引き剥がした。糊が残った状態を表2に示す3点法で評価した。なお、本評価試験は23℃50%RHの環境で行った。
一日前に表面保護シートを貼りあわせたフォトマスク20cm×20cm(コダック社製)を厚さ2mmアルミ板に両面テープで固定した。本サンプルは、光反応性であるので高圧水銀灯を用い、365nmの波長の光を50mW/cm2の照射強度で30秒照射した。その後40℃×1日保管した。次に表面保護シートをフォトマスクに対して90度に近い角度になるように垂直に出来るだけ早く手で引き剥がした。糊が残った状態を表2に示す3点法で評価した。なお、本評価試験は23℃50%RHの環境で行った。
2.原材料
アクリル酸エステル系樹脂を調製するための原材料として表3に示すものを使用した。
アクリル酸エステル系樹脂を調製するための原材料として表3に示すものを使用した。
(実施例1、2、比較例1〜3)
1.粘着剤の製造
(1)アクリル酸エステル系樹脂の調製
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、表4に示す所定量のモノマーと酢酸エチルとを加え、一時間N2を反応器の底から投入した。その後液温を70℃にした。これに重合開始剤としてt−ヘキシルパーオキシピバレート(「パーヘキシル(登録商標)PV」日本油脂株式会社製)表5の条件にしたがって4時間定量添加し、N2雰囲気下で重合をおこなった。そして、重合開始から8時間後に、酢酸エチルで希釈し反応器を冷却して重合反応を終了させた。固形分30重量%のアクリル酸エステル系樹脂溶液を得た。
1.粘着剤の製造
(1)アクリル酸エステル系樹脂の調製
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、表4に示す所定量のモノマーと酢酸エチルとを加え、一時間N2を反応器の底から投入した。その後液温を70℃にした。これに重合開始剤としてt−ヘキシルパーオキシピバレート(「パーヘキシル(登録商標)PV」日本油脂株式会社製)表5の条件にしたがって4時間定量添加し、N2雰囲気下で重合をおこなった。そして、重合開始から8時間後に、酢酸エチルで希釈し反応器を冷却して重合反応を終了させた。固形分30重量%のアクリル酸エステル系樹脂溶液を得た。
(2)粘着剤の製造
上記のようにして得られたアクリル酸エステル系樹脂溶液に、表6に示した通りに、粘着付与樹脂、イソシアネート系架橋剤(「コロネート(登録商標)L−45」日本ポリウレタン工業株式会社製)を所定量添加して攪拌することにより、固形分8重量%の粘着剤溶液を得た。
上記のようにして得られたアクリル酸エステル系樹脂溶液に、表6に示した通りに、粘着付与樹脂、イソシアネート系架橋剤(「コロネート(登録商標)L−45」日本ポリウレタン工業株式会社製)を所定量添加して攪拌することにより、固形分8重量%の粘着剤溶液を得た。
2.表面保護粘着シートの製造
離型フィルムとなる厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に表面に上記粘着剤溶液を塗布し、100℃で3分間乾燥させて粘着剤溶液中の酢酸エチルを除去して、厚み4μmの粘着剤層を形成した後、基材となる厚み6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、粘着剤層に重ね合わせた。これを23℃50%RHの環境で一週間養生した。
離型フィルムとなる厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に表面に上記粘着剤溶液を塗布し、100℃で3分間乾燥させて粘着剤溶液中の酢酸エチルを除去して、厚み4μmの粘着剤層を形成した後、基材となる厚み6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、粘着剤層に重ね合わせた。これを23℃50%RHの環境で一週間養生した。
次に、上記のようにして得られたアクリル酸エステル系樹脂の重量平均分子量、及び、粘着剤のゲル分率、泡残り評価及び糊残り評価の結果を表6に示した。
表6の結果から、実施例1、2と比較例1〜3とを対比すると、本発明の特定事項である、「GPC法によるポリスチレン換算分子量として測定される重量平均分子量が50万〜100万であるアクリル酸エステル系樹脂、架橋剤および光重合開始剤を含有してなる粘着剤である」との要件を満たさない比較例1〜3は、泡残りおよび糊残りの評価において、両方を満たさないものであった。
これらに比べて、本発明の特定事項である、「GPC法によるポリスチレン換算分子量として測定される重量平均分子量が50万〜100万であるアクリル酸エステル系樹脂、架橋剤および光重合開始剤を含有してなる粘着剤である」との要件を満たす実施例1、2によるものはすべて、泡残り及び糊残りの評価において、両方を満たすものであった。
したがって、実施例1、2で得られた表面保護粘着テープは、比較例1〜3で得られた表面保護粘着テープよりも表面保護粘着テープとして好適なものであり、泡残り及び糊残りの問題点を解決したものであることから、フォトマスク用表面保護粘着テープとして使用した際に優れた性能を持つものであることがわかった。
これらに比べて、本発明の特定事項である、「GPC法によるポリスチレン換算分子量として測定される重量平均分子量が50万〜100万であるアクリル酸エステル系樹脂、架橋剤および光重合開始剤を含有してなる粘着剤である」との要件を満たす実施例1、2によるものはすべて、泡残り及び糊残りの評価において、両方を満たすものであった。
したがって、実施例1、2で得られた表面保護粘着テープは、比較例1〜3で得られた表面保護粘着テープよりも表面保護粘着テープとして好適なものであり、泡残り及び糊残りの問題点を解決したものであることから、フォトマスク用表面保護粘着テープとして使用した際に優れた性能を持つものであることがわかった。
本発明の粘着剤およびこれを用いた表面保護粘着シートは、上記の如き構成とされており、粘着剤層を対象物に貼り付けるときに気泡が入らず、かつ剥がすときには粘着剤が残らない粘着剤層を形成することのできる粘着剤及び該粘着剤を含有してなる表面保護シートであるので、特にフォトマスク表面を保護する表面保護粘着シートとして好適である。
Claims (9)
- GPC法によるポリスチレン換算分子量として測定される重量平均分子量が50万〜100万であるアクリル酸エステル系樹脂、架橋剤および光重合開始剤を含有してなる粘着剤であって、
粘着剤を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃にて1時間乾燥させたときの下記の式で表されるゲル分率(Y)が、
前記粘着剤が紫外線照射されないときは、0〜50重量%であり、かつ、
前記粘着剤が紫外線照射されたときは、70〜95重量%であることを特徴とする粘着剤。
Y=100×W2/W1
(式中、W1は乾燥前の粘着剤の重量、W2は乾燥後の粘着剤の重量を意味する) - 前記アクリル酸エステル系樹脂が、架橋剤と反応する架橋性官能基Aを含有する(メタ)アクリル酸エステル成分と、光重合開始剤と反応する架橋性官能基Bを含有する架橋性モノマーとを含有することを特徴とする請求項1に記載の粘着剤。
- 前記架橋性官能基Aが、水酸基であることを特徴とする請求項2に記載の粘着剤。
- 前記架橋性官能基Bが、グリシジル基または反応性二重結合であることを特徴とする請求項2に記載の粘着剤。
- 前記架橋剤が、イソシアネート系架橋剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着剤。
- 前記光重合開始剤が、粘着剤全体を基準として0.1〜10重量%含有されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着剤。
- 合成樹脂からなる基材に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の粘着剤からなる粘着剤層が積層されてなることを特徴とする表面保護粘着シート。
- 前記粘着剤層の厚さが、2〜20μmであることを特徴とする請求項7に記載の表面保護粘着シート。
- 前記表面保護粘着シートが、回路基板の製造に使用されるフォトマスクの表面を保護するものであることを特徴とする請求項7または8に記載の表面保護粘着シート。
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---|---|---|---|
JP2008093408A JP2009242702A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 粘着剤及びこれを用いた表面保護粘着シート |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011241377A (ja) * | 2010-04-21 | 2011-12-01 | Nitto Denko Corp | 光学部材用の粘接着剤組成物、粘接着剤層、粘接着剤層が設けられた光学部材、光学部材付画像表示装置、および画像表示装置の製造方法 |
JP2012199080A (ja) * | 2011-03-22 | 2012-10-18 | Seiko Epson Corp | 有機el装置の製造方法、及び有機el装置の製造装置 |
-
2008
- 2008-03-31 JP JP2008093408A patent/JP2009242702A/ja active Pending
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