JP2009242682A - ガスハイドレート製造方法及び製造設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスハイドレートペレットの脱圧工程における分解を防止し、ガス含有率の高い高品質ペレットの製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ガスハイドレートの生成条件下でガスハイドレートを生成する生成工程と、前記ハイドレートを脱水・圧搾成型してハイドレートペレット20を成型する成型工程と、前記ペレット20を冷却する冷却工程と、脱圧して大気圧とする脱圧工程からなるガスハイドレートペレット製造方法であって、湿度50%から100%の加湿雰囲気下で前記ペレット20の表面に氷膜23を形成する氷膜形成工程を前記成型工程以降に行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、天然ガス、メタン、エタン、プロパン等のガスハイドレートを形成する気体状のガスハイドレート形成物質と水との包接化合物であるガスハイドレートを製造するガスハイドレート製造方法及び製造設備に関するものである。
ガスハイドレートとは、水分子と気体分子からなる氷状の固体結晶であり、水分子が構築する立体構造の籠(ケージ)の内部に気体分子が介在する包接(クラスレート)水和物(ハイドレート)の総称である。
天然ガスハイドレートは1mのガスハイドレートの中に天然ガスを約165Nmも包蔵している。このため、天然ガスの輸送及び貯蔵手段としてガスハイドレートを利用する研究開発が盛んに行われている。
天然ガスをハイドレート化する利点としては、(a)天然ガスハイドレートの大気圧下の平衡温度条件が−80℃(193K)以下であるため、既に、実用化されている液化天然ガス(LNG)の大気圧下における貯蔵及び輸送温度(−163℃(110K))よりも緩やかな温度条件で貯蔵や輸送が可能となること、(b)また、上記のように、天然ガスハイドレートの大気圧下の平衡温度条件が−80℃(193K)以下であることから、貯蔵や輸送設備の耐久性や断熱性を大幅に簡略化できること等を挙げることができる。
また、天然ガスハイドレートは、自己保存効果(Self-Preservation)と称する特殊な性能を有するため、平衡条件外でも比較的安定した状態で存在することが知られている。自己保存状態にある天然ガスハイドレートの表面には透明氷膜が形成されており、この氷膜が自己保存性を発現させていることが明らかになりつつある。
この自己保存効果によると−20℃(253K)付近における天然ハイドレートの分解量が最も少なく、この現象を利用すれば天然ガスハイドレートを比較的安定した状態で保存することができる(例えば特許文献1)
図5はガスハイドレートのペレットが分解していく様子を模式的に示している。図5(A)のガスハイドレートペレット20はガス21と水分子の籠22と氷膜23で形成されている。ペレット20の大気圧下における固気平衡温度条件を上回る温度、例えば天然ガスハイドレートの場合は−80℃(193K)以上の際、ペレット20の表面が分解し、分解した際に表面に氷膜23を形成することで、ガスハイドレートの自己保存性を発現している。これがガスハイドレートの自己保存効果であり、前記氷膜23が形成されている事が最も重要なことである。
ここで、湿度の低い場合はペレットの表面の氷膜23が昇華し、水蒸気24としてガスハイドレートペレット20から放出され、同時にガス21も放出される。図5(C)に示すように、氷膜23の昇華が発生し氷膜23の存在しない箇所では、氷膜23が再形成される。上記のように氷膜23の昇華を繰り返しながらペレット20の分解は進んでいく。
上述のように、ガスハイドレートの自己保存効果は、ガスハイドレートペレット20の表面に形成される氷膜23を維持することが重要であり、氷膜23を長期間維持することで、ガスハイドレートの分解を抑制することが可能となる。
また、ガスハイドレート製造は低温高圧下で行われ、特に天然ガスハイドレートの場合は圧力が約5MPa、温度が約5℃の環境下で、原料ガスと原料水を水和反応させハイドレートを生成する生成工程と、前記ハイドレートを脱水・圧搾成型してペレットを成型する成型工程と、前記ペレットを約−20℃まで冷却する冷却工程と、前記ペレットを大気圧下に戻すための脱圧工程からなり、前記ペレットはアーモンド状、レンズ状、球形状又は不定形状等の成形物やブロック状の大型成形物に成型されているため、貯蔵や運搬が容易となる。(例えば特許文献2)。
また、特許文献2に記載の方法等の水分を含んだハイドレート粒子の集合体を圧搾してハイドレート粒子間の水を取り除き、ハイドレートをペレット状に成形することで、ハイドレートの表面積が粉体時に比べ小さくなるため氷膜23の形成及び自己保存効果の発揮が効率的に行われる。即ち、ハイドレートを大型成形物に加工することで、外気に触れ分解されるハイドレート量を減少させ、ハイドレートの運搬及び貯蔵効率を高めることが可能となり、また貯蔵の温度、圧力を管理することで、保存性を高める工夫がなされてきた。
特開2003−287199号公報 特開2007−270029号公報
上記のように前記ペレットの運搬及び貯蔵時はペレットの分解を比較的抑制するための発明が成されてきている。しかしながら、ガスハイドレートペレット製造工程における前記脱圧工程でガスハイドレートは生成条件を外れ、非平衡状態を通過するためハイドレートの分解が発生してしまい、ガス含有率が低下してしまう問題がある。
例えば天然ガスハイドレートをペレットに成型後、脱圧する場合はペレット表面のハイドレートが分解し、ペレットのガス含有率が約9%程度低下してしまう。この分解が9%程度で停止するのは、ハイドレートの分解に伴いペレット表面に氷膜23を形成するため自己保存効果が発揮されるためであるが、脱圧工程での1割近いガス含有率の低下は、前記ペレットの運搬効率を著しく低下させてしまう。即ち、ガスハイドレートの運搬は、水を極力含まない状態でガスを運搬する方が望ましく、ガス含有率の低いペレット運搬は水を運搬しているも同然となることを意味する。ガスハイドレートの効率的な運搬及び貯蔵を実現するためには、前記ペレットのガス含有率を高める高品質化が必要不可欠となっている。
そこで、本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、ガスハイドレートペレットの脱圧工程における分解を防止し、ガス含有率の高い高品質ペレットの製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係るガスハイドレートペレット製造方法は、ガスハイドレートの生成条件下でガスハイドレートを生成する生成工程と、前記ハイドレートを脱水・圧搾成型してハイドレートペレット20を成型する成型工程と、前記ペレット20を冷却する冷却工程と、脱圧して大気圧とする脱圧工程からなるガスハイドレートペレット製造方法であって、湿度50%から100%の加湿雰囲気下で、望ましくは湿度70%から100%の加湿雰囲気下で、前記ペレット20の表面に氷膜23を形成する氷膜形成工程を前記成型工程以降に行うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明に係るガスハイドレートペレット製造方法は、天然ガスハイドレートの生成条件下で天然ガスハイドレートを生成する生成工程と、前記ハイドレートを脱水・圧搾成型してハイドレートペレット20を成型する成型工程と、前記ペレット20を−5℃から−25℃に冷却する冷却工程と、脱圧して大気圧とする脱圧工程からなるガスハイドレートペレット製造方法であって、湿度50%から100%の加湿雰囲気下で、望ましくは湿度70%から100%の加湿雰囲気下で、前記ペレット20の表面に氷膜23を形成する氷膜形成工程を前記成型工程以降に行うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明に係るガスハイドレートペレット製造方法は、加湿雰囲気とした前記脱圧工程の脱圧装置85内で、前記ペレット20の表面に氷膜23を形成する氷膜形成工程を行い、その後脱圧することを特徴とする。
請求項4に記載の発明に係るガスハイドレートペレット製造方法は、前記冷却工程で冷却された前記ペレット20を、加湿雰囲気下で氷膜23を形成する前記氷膜形成工程に送り、その後脱圧工程に送ることを特徴とする。
請求項5に記載の発明に係るガスハイドレートペレット製造方法は、前記成型工程で成型された前記ペレット20を、加湿雰囲気下で氷膜23を形成する前記氷膜形成工程に送り、その後冷却工程と脱圧工程に送ることを特徴とする。
請求項6に記載の発明に係るガスハイドレートペレット製造方法は、ガスハイドレートを生成するハイドレート生成槽44と、前記ハイドレートを脱水・圧搾成型してペレット20とするペレット成型器86と、前記ペレット20を冷却する冷却装置87と、加圧雰囲気下にある前記ペレット20を脱圧する脱圧装置85を具備したハイドレート製造装置であって、加湿雰囲気により前記ペレット20表面に氷膜23を形成するための氷膜形成装置1を前記ペレット成型器以降の工程になるよう設置したことを特長とする。
請求項7に記載の発明に係るガスハイドレートペレット製造方法は、湿度50%から100%の加湿雰囲気下で前記ペレット20に氷膜23を形成する氷膜形成装置1を具備したことを特徴とする。
請求項8に記載の発明に係るガスハイドレートペレット製造方法は、水11を気化し水蒸気24とするための超音波振動器14を水槽12に設置し、前記水槽12には前記水蒸気24を前記ペレット20に供給するための水蒸気管82及びポンプ51を設置し、前記ペレット20に水蒸気24を奪われた気体を水槽12内の液体に気泡として戻す散気板13を前記水槽12内に設置した氷膜形成装置1を具備したことを特徴とする。
ガスハイドレート製造工程においてガスハイドレートの自己保存効果を発揮するための氷膜23を形成する氷膜形成工程を設けたことで、脱圧工程におけるハイドレートの分解を抑制し、ガス含有率の高い高品質なガスハイドレートペレットの製造を可能とした。
前記氷膜23の形成に水蒸気ガスを利用したことで、ペレット20表面に極めて薄い氷膜23を形成することを可能とし、そのためペレット20に対する氷膜の質量比は極めて小さいものとなり、結果、ガス含有率の高い高品質なペレット20を製造することを可能とした。
また、生成したガスハイドレートを分解することなく氷膜23を形成できるので、ハイドレート生成に必要なエネルギーを低減でき、原料ガスの無駄がないため高効率に高品質ガスハイドレートペレット20を製造することが可能となった。
以下、本発明を図に示す実施例を参照して具体的に説明する。
図4は本発明を実施した際のガスハイドレート製造工程を示した工程図である。条件等は天然ガスハイドレートを対象として記載しているが、他のガスハイドレートに関しても本発明は同様に実施可能である。
生成工程は天然ガスハイドレートの生成条件である圧力が約5MPa、温度が約5℃となっている雰囲気の中で天然ガスと水を反応させてガスハイドレートを生成し、成型工程では前記ガスハイドレートを脱水・圧搾成型することでガス含有率の高いペレットに成型し、冷却工程で−20℃まで冷却する。従来は冷却工程の後、脱圧工程にて大気圧下まで脱圧し、貯蔵していた。
ここで、冷却工程で−20℃まで冷却するのは、冷却せずに脱圧すると大気圧下で5℃の環境にペレットはさらされ、ハイドレートの分解が急速に進むのを防止するためである。しかしながら、−20℃まで冷却してもハイドレートの分解は進み、前述したように約9%程度ガス含有率が低下してしまうため、成型工程でガス含有率が90%を超えるペレットを成型したとしても、貯蔵時には80%前後のペレットとなってしまう。
そこで、本発明では脱圧工程の前に、ペレット表面に氷膜23を形成する氷膜形成工程を設け、ハイドレートを分解することなく自己保存効果を発揮できる状態のペレットを脱圧工程に送ることで、脱圧時に発生していたハイドレートの分解を抑制することを実現した。
図1は本発明の具体的な天然ガスハイドレート製造装置の概略を示しており、圧力が約5MPa、温度が約6℃の天然ガスハイドレート生成条件下のハイドレート生成槽44で生成したハイドレートスラリー68はスラリー輸送管37によりペレット成型器86に運ばれ、前記ペレット成型器86で脱水・圧搾成型されペレット20に成型されペレット搬送路81により冷却装置87に運ばれる。前記冷却装置87で−5℃から−25℃に冷却されたペレットは、脱圧装置85に送られ、ここで氷膜形成装置1により前記ペレット表面に氷膜23が形成され、その後、大気圧まで脱圧されペレット貯槽88に貯蔵される。
図3は前記氷膜形成装置1と脱圧装置85の拡大図を示しており、冷却装置87で冷却されたペレット20が脱圧装置85に運ばれ、脱圧装置85には氷膜形成装置1より水蒸気24が供給されペレット表面に氷膜23を形成し、その後脱圧装置85を作動させて5MPaの圧力下にあるペレット20を大気圧まで脱圧するよう構成している。
氷膜形成工程及び脱圧工程は以下のように行われる。
まず、バルブ84aが開き前工程で冷却されたペレット20がペレット搬送路81を介して脱圧装置85に投入し、バルブ84aは閉じる。このときペレット20は冷却され−5℃から−25℃となっており、前記脱圧装置85内の圧力は約5MPaとなっている。
次に氷膜形成装置1から前記脱圧装置に飽和水蒸気ガスを流通させ、水蒸気管82を介して循環させ、ペレット20の表面に氷膜23を形成する。
この時、飽和水蒸気ガスは圧力を約5MPa、温度を0℃から5℃程度とすることが望ましい。これは、ペレット20の温度より高い温度である水蒸気ガスが、ペレット20に接触することで結露し、氷膜23を形成しやすくするための温度である。図7に示すように、例えばペレット20の温度が0℃、水蒸気ガスが5℃の場合、水蒸気ガスの湿度が70%以上としてペレット20周囲に流通させると、0℃のペレット表面で前記水蒸気ガスは露点以下となり水膜を形成し、この水膜がペレット20により冷却されることで氷膜23が形成される。そのため実際の氷膜形成工程ではペレット20の温度は、水膜が凝固する0℃以下である必要がある。
さらに水蒸気ガスの流量は例えば1分で約100リットルとしているが、この量を制御することでペレット20の表面に形成する氷膜23の厚さを制御することが可能となっており、氷膜23の厚さはペレット20が自己保存効果を発揮する範囲で最も薄く形成することが望ましい。これはペレット20に含まれる水の量は少ない方が、ペレット運搬の効率がよくなるためである。
また、水蒸気ガスの流量とともに、前記水蒸気ガスの湿度を制御することでも膜厚の制御が可能となる。即ち、図6に示すようにペレット径を20mmとした場合、氷膜の厚さとペレットに対する氷膜の質量比は、ペレット20が球形であると仮定し算出することが可能であり、任意の膜厚である氷膜をペレット20に形成するためには、膜厚から必要な蒸気量を下記数式1より算出し、この蒸気量を満たすように水蒸気ガスの湿度及び流量を決定することが可能となる。
ここに、r〔m〕はペレット相当半径、t〔m〕は氷の膜厚、ρ〔kg/m〕はペレット密度、ρ〔kg/m〕は水密度、W〔kg/hr〕は蒸気量、W〔kg/hr〕はペレット流量とする。
例えばペレット20の膜厚を20μmとし、ペレット相当半径を20mm、ペレット密度を915kg/m、水密度を1000kg/m、ペレット流量を10kg/hrとすると、必要となる蒸気量は27.5g/hrと計算される。
湿度を70%から100%とする水蒸気ガスがペレット20表面に結露して水膜を形成し、さらに冷却されて氷膜23を形成する例えば1分から5分程度の間、前記ペレット20は脱圧装置85内で維持される。この時間は脱圧装置85内のペレット20の量や、水蒸気ガスの流量により変化する。
前記ペレット20に必要とする厚さの氷膜23が形成されたのち、図3に示す脱圧装置85は水蒸気管82との接続口をバルブ等で封鎖し、バルブ84cを開放することで圧力が5MPaであった脱圧装置85内を0.1MPa程度の大気圧まで減圧し、減圧完了後にバルブ84cを閉じることで脱圧工程を完了する。その後、バルブ84bを開放しペレット搬送路81を介して、ペレット20を大気圧程度の圧力となっているペレット貯槽88に貯蔵する。
従来は前記脱圧工程において、ガスハイドレートが非平衡状態を通過することに伴いガスハイドレートの分解が発生し、ペレット20におけるガス含有率が10%前後低下していたが、前記の氷膜形成工程を経ることで非平衡状態を通過する際にペレット20にはガスハイドレートの自己保存効果を発揮するための氷膜23が形成されており、そのため脱圧工程におけるハイドレートの分解を殆ど抑制することを可能とした。
脱圧工程の後にバルブ84bを閉鎖し、バルブ84dを開放し、加圧装置89によりガスハイドレートの原料となる原料ガスを脱圧装置85にガス管83を介して送り込み、脱圧装置85内をペレット成型工程と同等の圧力、例えば5MPaまで加圧してバルブ84dを閉鎖する。以上にて、氷膜形成工程及び脱圧工程を終了し、次のペレット20を加圧された脱圧装置85に供給して処理を繰り返していく。
図3を参照しながら氷膜形成装置1の詳細な説明を行う。
氷膜形成装置1は、水11を気化し水蒸気とするための超音波振動器14を水槽12に設置し、前記水槽12には水蒸気を脱圧装置85に供給するための水蒸気管82及びポンプ51を設置し、ペレット20の氷膜23形成のために湿度の低下した水蒸気を水槽12内の水11に気泡を発生させながら戻す散気板13を設置し、水11を水槽12に供給するためのポンプ51を備えている。
前記超音波振動器14及び散気板13は水槽12内の水11を効率的に気化し、水蒸気とするために設置しており、水11の水蒸気化を促進するものであれば他の装置に変えることも可能である。
前記水槽12内は圧力がハイドレート生成工程と同じであり、例えば天然ガスハイドレートを対象とする場合は約5MPaとなり、温度は0℃から5℃とすることが望ましいが、水槽12内の温度、圧力は氷膜23を形成するハイドレートペレットの物性により決定される。
前記水槽12内で湿度が50%から100%の水蒸気ガスを発生させ、ペレット20に供給し氷膜23を形成させる。氷膜23形成により湿度が0%から50%となった水蒸気ガスは水槽12に戻され、再び水蒸気ガスを発生させるために利用される。ここで前記散気板13は微細気泡を発生させるためのものであり、多孔質板、多孔質テフロン(登録商標)樹脂、焼結金属等で成型されており、直径0.5mmから2mm程度の穴から戻された水蒸気ガスを水槽中の水11に供給するように構成している。
水蒸気ガスを発生させる氷膜形成装置1の構成を上記のようにすることで、高圧低温かであっても効率的に水蒸気ガスを発生させることを可能とし、また、水蒸気を利用することで図6に示すようにペレット20の質量に対してわずかな質量である水で、ペレット20に極めて薄い氷膜23を形成し、最低限の水を使用することでガス含有率の極めて高いガスハイドレートペレット20の生産を実現し、ガスハイドレートの運搬及び貯蔵効率の向上を実現した。
図2は本発明の異なる実施例を示しており、冷却されたハイドレートペレット20はベルトコンベア91でロックホッパー型の脱圧装置85に運搬される過程で、水蒸気ガスにより氷膜23を形成される。
また、図8に示すように成型工程の後に氷膜形成工程を設け、その後冷却工程に送るように構成することも可能である。ここで、氷膜23を形成する際に、ペレット20の温度よりも高い温度の水蒸気を供給することにより、ペレット20表面に効果的に極めて薄い氷膜23を形成することを可能としている。即ち、ペレット20の温度の方が、水蒸気ガスに比べて高い場合は結露が発生せずに氷膜23形成が困難となる。また、図7に示すようにペレット20と水蒸気ガスの温度差が大きいほど結露する水の量は多くなるが、目的とする氷膜23の厚さとの関係から温度の最適値を求めることは可能である。
上述のように、本発明のガスハイドレートペレットの製造方法及び装置により、ガスハイドレートペレットを脱圧する際に発生するハイドレートの分解を抑制し、ガス含有率の極めて高い高品質なペレットを生産することを可能とした。
さらにガスハイドレートペレットの自己保存効果を発揮させるための氷膜形成を、水蒸気により行ったことで、極めて薄い氷膜を形成することが可能となり、ペレットの高品質化を実現した。
本発明の実施例の1つを示した概略図である。 本発明の実施例の1つを示した概略図である。 本発明の氷膜形成装置周辺の系統を示した概略図である。 本発明を利用したガスハイドレート製造工程の工程図である。 ガスハイドレートの自己保存効果が発揮される概略を示した概略図である。 ペレットに対する氷膜の占める質量の割合と氷膜の厚さの関係を示したグラフである。 各温度における蒸気圧と相対湿度の関係を示したグラフである。 本発明の実施例の1つを示したガスハイドレート製造工程の工程図である。
符号の説明
1 氷膜形成装置
11 水
12 水槽
13 散気板
14 超音波振動器
20 ペレット
21 ガス
22 籠
23 氷膜
24 水蒸気
81 ペレット搬送路
82 水蒸気管
83 ガス管
84 バルブ
85 脱圧装置
86 ペレット成型器
87 冷却装置
88 ペレット貯槽
89 加圧装置
91 ベルトコンベア

Claims (8)

  1. ガスハイドレートの生成条件下でガスハイドレートを生成する生成工程と、前記ハイドレートを脱水・圧搾成型してハイドレートペレットを成型する成型工程と、前記ペレットを冷却する冷却工程と、脱圧して大気圧とする脱圧工程からなるガスハイドレートペレット製造方法であって、加湿雰囲気下で前記ペレットの表面に氷膜を形成する氷膜形成工程を前記成型工程以降に行うことを特徴とするガスハイドレートペレット製造方法。
  2. 天然ガスハイドレートの生成条件下で天然ガスハイドレートを生成する生成工程と、前記ハイドレートを脱水・圧搾成型してハイドレートペレットを成型する成型工程と、前記ペレットを−5℃から−25℃に冷却する冷却工程と、脱圧して大気圧とする脱圧工程からなるガスハイドレートペレット製造方法であって、加湿雰囲気下で前記ペレットの表面に氷膜を形成する氷膜形成工程を前記成型工程以降に行うことを特徴とするガスハイドレートペレット製造方法。
  3. 加湿雰囲気とした前記脱圧工程の脱圧装置内で、前記ペレットの表面に氷膜を形成する氷膜形成工程を行い、その後脱圧することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスハイドレートペレット製造方法。
  4. 前記冷却工程で冷却された前記ペレットを、加湿雰囲気下で氷膜を形成する前記氷膜形成工程に送り、その後脱圧工程に送ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスハイドレート製造方法。
  5. 前記成型工程で成型された前記ペレットを、加湿雰囲気下で氷膜を形成する前記氷膜形成工程に送り、その後冷却工程と脱圧工程に送ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスハイドレート製造方法。
  6. ガスハイドレートを生成するハイドレート生成槽と、前記ハイドレートを脱水・圧搾成型してペレットとするペレット成型器と、前記ペレットを冷却する冷却装置と、加圧雰囲気下にある前記ペレットを脱圧する脱圧装置を具備したハイドレート製造装置であって、加湿雰囲気により前記ペレット表面に氷膜を形成するための氷膜形成装置を前記ペレット成型器以降の工程になるよう設置したことを特長とするガスハイドレートペレット製造装置。
  7. 加湿雰囲気下で前記ペレットに氷膜を形成する氷膜形成装置を具備したことを特徴とする請求項6に記載のガスハイドレートペレット製造装置。
  8. 水を気化し水蒸気とするための超音波振動器を水槽に設置し、前記水槽には前記水蒸気を前記ペレットに供給するための水蒸気管及びポンプを設置し、前記ペレットに水蒸気を奪われた気体を水槽内の液体に気泡として戻す散気板を前記水槽内に設置した氷膜形成装置を具備したことを特徴とする請求項7に記載のガスハイドレートペレット製造装置。
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