JP2009242630A - 着色組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ヘテロ環化合物を含む新規な着色組成物に関する。
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式の記録材料、感熱転写方式の記録材料、電子写真方式の記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インキ、記録ペン等が盛んに利用されている。また、撮影機器ではCCDなどの撮像素子において、ディスプレーではLCDやPDPにおいてカラー画像を記録・再現するためにカラーフィルターが使用されている。これらのカラー画像記録材料やカラーフィルターでは、フルカラー画像を表示あるいは記録する為に、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の色素(染料や顔料)が使用されているが、好ましい色再現域を実現できる吸収特性を有し、且つさまざまな使用条件、環境条件に耐えうる堅牢な色素がないのが実情であり、改善が強く望まれている。
上記の各用途で使用する染料や顔料には、共通して次のような性質を具備している必要がある。即ち、色再現性上好ましい吸収特性を有すること、使用される環境条件下における堅牢性、例えば耐光性、耐熱性、オゾンなどの酸化性ガスに対する耐性が良好であること、等が挙げられる。加えて、色素が顔料の場合にはさらに、水や有機溶剤に実質的に不溶であり耐薬品堅牢性が良好であること、および、粒子として使用しても分子分散状態における好ましい吸収特性を損なわないこと、等の性質をも具備している必要がある。上記要求特性は分子間相互作用の強弱でコントロールすることができるが、両者はトレードオフの関係となるため両立させるのが困難である。
また、顔料を使用するにあたっては、他にも、所望の透明性を発現させるために必要な
粒子径および粒子形を有すること、使用される環境条件下における堅牢性、例えば耐光性、耐熱性、オゾンなどの酸化性ガスに対する耐性、その他有機溶剤や亜硫酸ガスなどへの耐薬品堅牢性が良好であること、使用される媒体中において微小粒子まで分散し、かつ、その分散状態が安定であること、等の性質も必要となる。特に、良好なイエロー色相を有し、光、湿熱及び環境中の活性ガス、中でも着色力が高く、光に対して堅牢な顔料が強く望まれている。
また、顔料を使用するにあたっては、他にも、所望の透明性を発現させるために必要な
粒子径および粒子形を有すること、使用される環境条件下における堅牢性、例えば耐光性、耐熱性、オゾンなどの酸化性ガスに対する耐性、その他有機溶剤や亜硫酸ガスなどへの耐薬品堅牢性が良好であること、使用される媒体中において微小粒子まで分散し、かつ、その分散状態が安定であること、等の性質も必要となる。特に、良好なイエロー色相を有し、光、湿熱及び環境中の活性ガス、中でも着色力が高く、光に対して堅牢な顔料が強く望まれている。
すなわち、顔料に対する要求性能は色素分子としての性能を要求される染料に比べて、多岐にわたり、色素分子としての性能だけでなく、色素分子の集合体としての固体(微粒子分散物)としての上記要求性能を全て満足する必要がある。結果として、顔料として使用できる化合物群は染料に比べて極めて限定されたものとなっており、高性能な染料を顔料に誘導したとしても微粒子分散物としての要求性能を満足できるものは数少なく、容易に開発できるものではない。これは、カラーインデックスに登録されている顔料の数が染料の数の1/10にも満たないことからも確認される。
アゾ顔料は色彩的特性である色相および着色力に優れているため、印刷インキ、インクジェット用インク、電子写真材料などに広く使用されている。これらのうち、最も典型的に使用されている黄色のアゾ顔料は、ジアリーリド顔料である。ジアリーリド顔料としては例えば、C.I.ピグメント・イエロー12、同13、同17などが挙げられる。しかし、ジアリーリド顔料は堅牢性、とりわけ耐光性が非常に劣るため、印字物が光に曝されることによって顔料が分解して退色してしまい、印字物の長期間の保存に適さない。
一方、縮合多環系顔料は一般に光堅牢性や耐熱性に優れているため、樹脂の着色、カラーフィルター、インクジェット用インクなどに用いられている。代表的なものとしてフタロシアニン顔料(例えばC.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・グリーン7など)、キナクリドン顔料(例えばC.I.ピグメント・バイオレット19、C.I.ピグメント・レッド122など)、ジケトピロロピロール顔料(例えばC.I.ピグメント・レッド254など)、アントラキノン顔料(例えばC.I.ピグメント・レッド177など)が挙げられる。しかし、縮合多環系顔料に鮮明な黄色の発色を示す顔料は少なく、例えばイソインドリン顔料やキノフタロン顔料は着色力や分散性に劣っていたり、安全性に懸念のあるハロゲンの含有率が高かったりするという欠点がある。
イエロー、マゼンタ、シアンの3色、またはさらにブラックを加えた4色による減色混合法を用いてフルカラーを表現する場合、イエロー用の顔料として堅牢性の劣る顔料を用いると、時間の経過とともに印字物のグレーバランスが変化してしまい、また、色彩的特性に劣る顔料を用いると、印刷時の色再現性が低下してしまう。したがって、高い色再現性を長期間維持する印字物を得るために、色彩的特性及び堅牢性の両立した黄色顔料及び顔料分散物が望まれている。
一方、ヘテロ環化合物として、本発明における一般式(1)に類似した構造を有する化合物が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
Journal of the American Chemical Society 2005年、第127巻、8835ページ
Journal of the American Chemical Society 2005年、第127巻、8835ページ
しかしながら、非特許文献1に記載の化合物は非線形光学材料に関するものであり、溶液吸収における極大吸収波長が表記されているものの、着色化合物としての利用が意図された化合物ではなかった。
また一般に、顔料を構成する化合物を、結晶構造を有する顔料に変換するための顔料化工程は、長時間、高温の熱処理を要することが多く、上記諸特性とともに顔料化工程の負荷が少ない化合物が望まれていた。
本発明は、顔料化工程の負荷が少なく、分散性が良好な顔料を含む着色組成物を提供することを目的とする。
また一般に、顔料を構成する化合物を、結晶構造を有する顔料に変換するための顔料化工程は、長時間、高温の熱処理を要することが多く、上記諸特性とともに顔料化工程の負荷が少ない化合物が望まれていた。
本発明は、顔料化工程の負荷が少なく、分散性が良好な顔料を含む着色組成物を提供することを目的とする。
本発明者らはヘテロ環化合物を詳細に評価・検討する中で、特定の構造のヘテロ環化合物が可視域に吸収を有することを見出し、また該化合物が容易に顔料化できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の課題は以下の方法によって達成される。
本発明の課題は以下の方法によって達成される。
<1> 媒体と、前記媒体中で分散状態である下記一般式(1)で表される化合物と、を含む着色組成物。
(式中、R1、R2、A1、A2は、それぞれ独立して水素原子または1価の置換基を表す。X1およびX2は、それぞれ独立してヘテロ原子を表す。Yは、Yが結合する炭素原子とともに4〜7員の炭化水素環Qを形成するのに必要な原子群を表す)
<2> 前記一般式(1)におけるX1およびX2の少なくとも一方は、硫黄原子であることを特徴とする前記<1>に記載の着色組成物。
<3> 前記一般式(1)における炭化水素環Qは、6員環であることを特徴とする前記<1>または<2>に記載の着色組成物。
<4> 分散剤を更に含むことを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<3> 前記一般式(1)における炭化水素環Qは、6員環であることを特徴とする前記<1>または<2>に記載の着色組成物。
<4> 分散剤を更に含むことを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の着色組成物。
本発明によれば、顔料化工程の負荷が少なく、分散性が良好な顔料を含む着色組成物を提供することができる。
本発明における着色組成物は、媒体の少なくとも1種と、下記一般式(1)で表わされる化合物の少なくとも1種とを含有し、下記一般式(1)で表される化合物が前記媒体中に分散された状態で含まれており、400〜700nmの波長領域に吸収を有することを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
一般式(1)におけるR1、R2、A1、A2は、それぞれ独立して水素原子または1価の置換基を表す。
R1、R2、A1、またはA2における1価の置換基(以下、「本発明における置換基」ということがある)としては例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)の直鎖又は分岐のアルキル基(例えばメチル、エチル)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリール基(例えばフェニル、ナフチル)、シアノ基、カルボキシル基、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)の置換又は無置換のカルバモイル基(例えばカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルキルカルボニル基(例えばアセチル)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールカルボニル基(例えばベンゾイル)、ニトロ基、炭素数0〜20(好ましくは0〜10)の置換または無置換のアミノ基(例えばアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアシルアミノ基(例えばアセトアミド)、炭素数2〜20(好ましくは2〜10)のアルコキシカルボニルアミノ基(例えばエトキシカルボニルアミノ)、炭素数0〜20(好ましくは0〜10)のスルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド)、炭素数2〜20(好ましくは2〜10)のイミド基(例えばスクシンイミド、フタルイミド)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のイミノ基(例えばベンジリデンアミノ)、ヒドロキシ基、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルコキシ基(例えばメトキシ)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールオキシ基(例えばフェノキシ)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアシルオキシ基(例えばアセトキシ)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルキルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールスルホニルオキシ基(例えばベンゼンスルホニルオキシ)、スルホ基、炭素数0〜20(好ましくは0〜10)の置換または無置換のスルファモイル基(例えばスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルキルチオ基(例えばメチルチオ)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールチオ基(例えばフェニルチオ)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル)、4〜7員環(好ましくは5〜6員環)のヘテロ環基(例えばピリジル、モルホリノ)などを挙げることができる。また、置換基は更に置換されていても良く、置換基が複数ある場合は、同じでも異なっても良い。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。
一般式(1)におけるR1、R2、A1、A2は、それぞれ独立して水素原子または1価の置換基を表す。
R1、R2、A1、またはA2における1価の置換基(以下、「本発明における置換基」ということがある)としては例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)の直鎖又は分岐のアルキル基(例えばメチル、エチル)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリール基(例えばフェニル、ナフチル)、シアノ基、カルボキシル基、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)の置換又は無置換のカルバモイル基(例えばカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルキルカルボニル基(例えばアセチル)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールカルボニル基(例えばベンゾイル)、ニトロ基、炭素数0〜20(好ましくは0〜10)の置換または無置換のアミノ基(例えばアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアシルアミノ基(例えばアセトアミド)、炭素数2〜20(好ましくは2〜10)のアルコキシカルボニルアミノ基(例えばエトキシカルボニルアミノ)、炭素数0〜20(好ましくは0〜10)のスルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド)、炭素数2〜20(好ましくは2〜10)のイミド基(例えばスクシンイミド、フタルイミド)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のイミノ基(例えばベンジリデンアミノ)、ヒドロキシ基、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルコキシ基(例えばメトキシ)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールオキシ基(例えばフェノキシ)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアシルオキシ基(例えばアセトキシ)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルキルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールスルホニルオキシ基(例えばベンゼンスルホニルオキシ)、スルホ基、炭素数0〜20(好ましくは0〜10)の置換または無置換のスルファモイル基(例えばスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルキルチオ基(例えばメチルチオ)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールチオ基(例えばフェニルチオ)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル)、4〜7員環(好ましくは5〜6員環)のヘテロ環基(例えばピリジル、モルホリノ)などを挙げることができる。また、置換基は更に置換されていても良く、置換基が複数ある場合は、同じでも異なっても良い。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。
中でも、吸収波長の調節、顔料化容易性と分散性および簡便な合成の観点から、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、スルホ基、アルキルチオ基、アリールチオ基が好ましい。水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基がより好ましい。水素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイルオキシ基、カルバモイルアミノ基がさらに好ましい。水素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基が特に好ましい。水素原子、アルコキシ基が殊更に好ましい。
アルコキシ基の場合におけるアルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。アルキル基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。また任意の置換基が結合することで環を形成してもよい。アルコキシ基の場合におけるアルキル基として好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基である。より好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。特に好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。
アリールオキシ基の場合におけるアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アリール基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。また任意の置換基が結合することで環を形成してもよい。アリールオキシ基の場合におけるアリール基として好ましくは、炭素数6〜14のアリール基である。より好ましくは炭素数6〜10のアリール基である。特に好ましくはフェニル基である。
アシルオキシ基の場合におけるアシル基としては、炭素数1〜20のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基などが挙げられる。アシル基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。また任意の置換基が結合することで環を形成してもよい。アシルオキシ基の場合におけるアシル基として好ましくは、炭素数1〜10のアシル基である。より好ましくは炭素数1〜8のアシル基である。特に好ましくは炭素数1〜5のアシル基である。
アルコキシカルボニルオキシ基の場合におけるアルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。アルキル基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。また任意の置換基が結合することで環を形成してもよい。アルコキシカルボニルオキシ基の場合におけるアルキル基として好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基である。より好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。特に好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。
アリールオキシカルボニルオキシ基の場合におけるアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アリール基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。また任意の置換基が結合することで環を形成してもよい。アリールオキシカルボニルオキシ基の場合におけるアリール基として好ましくは、炭素数6〜14のアリール基である。より好ましくは炭素数6〜10のアリール基である。特に好ましくはフェニル基である。
アシルアミノ基の場合におけるアシル基としては、炭素数1〜20のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基などが挙げられる。アシル基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。また任意の置換基が結合することで環を形成してもよい。アシルアミノ基の場合におけるアシル基として好ましくは、炭素数1〜10のアシル基である。より好ましくは炭素数1〜8のアシル基である。特に好ましくは炭素数1〜5のアシル基である。
カルバモイルオキシ基の場合における窒素原子上の置換基としては、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基が好ましい。例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アルキル基上およびアリール基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。カルバモイルオキシ基の場合におけるアルキル基およびアリール基として好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基および炭素数6〜14のアリール基である。より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基および炭素数6〜10のアリール基である。
カルバモイルアミノ基の場合における窒素原子上の置換基としては、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基が好ましい。例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アルキル基上およびアリール基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。カルバモイルアミノ基の場合におけるアルキル基およびアリール基として好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基および炭素数6〜14のアリール基である。より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基および炭素数6〜10のアリール基である。
本発明において、R1及びR2は互いに独立して水素原子または1価の置換基を表すが、吸収波長の調節、顔料化容易性と分散性および合成の簡便性の観点から、水素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基であることが好ましく、水素原子、アルコシキ基、アシルオキシ基であることがより好ましく、水素原子、アルコキシ基であることが殊更に好ましい。
また、R1及びR2は互いに異なっていてもよいが、合成の簡便性の観点から、同じであることが好ましい。より好ましくは、R1及びR2がいずれも水素原子またはアルコキシ基の場合である。
また、R1及びR2は互いに異なっていてもよいが、合成の簡便性の観点から、同じであることが好ましい。より好ましくは、R1及びR2がいずれも水素原子またはアルコキシ基の場合である。
A1及びA2は互いに独立して水素原子または1価の置換基を表す。1価の置換基としては、上述した1価の置換基の例が挙げられる。
本発明においてA1及びA2としては、顔料化容易性と分散性の観点から、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、スルホ基、アルキルチオ基、またはアリールチオ基が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、またはアリールチオ基がより好ましく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、またはヒドロキシ基がさらに好ましく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、またはヒドロキシ基がさらに好ましく、水素原子、カルボキシ基、カルバモイル基、またはヒドロキシ基であることが特に好ましい。
顔料化容易性の観点から、A1及びA2の少なくとも一方は水素結合性基、中でもカルボキシ基、カルバモイル基、またはヒドロキシ基であることが好ましい。A1及びA2のいずれもカルボキシ基、カルバモイル基、またはヒドロキシ基のうちのいずれかであることがより好ましい。顔料化容易性と分散性の観点から、A1及びA2の組み合わせは、いずれもカルボキシル基、いずれもカルバモイル基、一方がカルボキシル基で他方がヒドロキシ基、である場合が特に好ましい。
本発明においてA1及びA2としては、顔料化容易性と分散性の観点から、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、スルホ基、アルキルチオ基、またはアリールチオ基が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、またはアリールチオ基がより好ましく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、またはヒドロキシ基がさらに好ましく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、またはヒドロキシ基がさらに好ましく、水素原子、カルボキシ基、カルバモイル基、またはヒドロキシ基であることが特に好ましい。
顔料化容易性の観点から、A1及びA2の少なくとも一方は水素結合性基、中でもカルボキシ基、カルバモイル基、またはヒドロキシ基であることが好ましい。A1及びA2のいずれもカルボキシ基、カルバモイル基、またはヒドロキシ基のうちのいずれかであることがより好ましい。顔料化容易性と分散性の観点から、A1及びA2の組み合わせは、いずれもカルボキシル基、いずれもカルバモイル基、一方がカルボキシル基で他方がヒドロキシ基、である場合が特に好ましい。
また本発明においては、R1、R2、A1、A2のうち任意の2つが互いに結合することで環を形成してもよい。形成される環は3〜8員環が好ましく、炭化水素環であってもヘテロ環であってもよく、芳香環および非芳香環のいずれであってもよい。但し、A1とA2が結合してヘテロ原子を2個有する5員環を形成する場合を除く。R1、R2、A1、A2のうち任意の2つが環を形成する場合、隣接するもの同士で結合して芳香環を形成する場合が好ましく、A1とA2が結合して芳香環を形成する場合がより好ましい。
また、R1、R2、A1、A2のうち隣接する任意の2つが結合してヘテロ環を形成する場合も、顔料化容易性と分散性の観点からより好ましい。中でも、ヘテロ原子として窒素原子を有する場合や、1価の置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、カルバモイル基を有する場合や、2価の置換基としてカルボニル基を有する場合がより好ましい。さらに、ヘテロ環はA1とA2が結合して形成する場合が殊更に好ましい。顔料化容易性と分散性の観点から、A1とA2が結合してヘテロ原子を1個有する5員環ヘテロ環を形成する場合またはヘテロ原子を2個有する6員環ヘテロ環を形成する場合が好ましい。これらはさらにカルボニル基が置換している場合がより好ましい。
前記一般式(1)におけるR1、R2、A1、A2の組み合わせの好ましい具体例について下記表1〜表2に示すが、本発明はこれらに限定されない。表中の波線は前記一般式(1)におけるX1およびX2への結合部位を示す。
また、R1、R2、A1、A2のうち隣接する任意の2つが結合してヘテロ環を形成する場合も、顔料化容易性と分散性の観点からより好ましい。中でも、ヘテロ原子として窒素原子を有する場合や、1価の置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、カルバモイル基を有する場合や、2価の置換基としてカルボニル基を有する場合がより好ましい。さらに、ヘテロ環はA1とA2が結合して形成する場合が殊更に好ましい。顔料化容易性と分散性の観点から、A1とA2が結合してヘテロ原子を1個有する5員環ヘテロ環を形成する場合またはヘテロ原子を2個有する6員環ヘテロ環を形成する場合が好ましい。これらはさらにカルボニル基が置換している場合がより好ましい。
前記一般式(1)におけるR1、R2、A1、A2の組み合わせの好ましい具体例について下記表1〜表2に示すが、本発明はこれらに限定されない。表中の波線は前記一般式(1)におけるX1およびX2への結合部位を示す。
Yは、Yが結合する炭素原子とともに4〜7員の炭化水素環Qを形成するのに必要な原子群を表す。本発明において炭化水素環Qは、着色性および製造適性の観点から、5〜7員環がより好ましく、5〜6員環がさらに好ましく、6員環が特に好ましい。炭化水素環Qは飽和環であっても不飽和環であっても芳香環であってもよいが、着色性と顔料化容易性の観点から、好ましくは不飽和環または芳香環である。
また、炭化水素環Qは任意の位置に置換基を有していてもよい。置換基としては1価の置換基および2価の置換基が挙げられる。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。2価の置換基としては例えば、炭化水素環Qを構成する炭素原子に2価置換基が結合した形で、C=CR2、C=O、C=S、C=NR、C=N+R2などが挙げられる(Rは水素原子および上述の「本発明における置換基」を表す)。より好ましくはC=CR2、C=O、C=Sである。さらに好ましくはC=CR2、C=Oある。特に好ましくはC=CR2である。尚、C=CR2における2つのRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、2つのRが互いに結合して環を形成してもよい。形成する環は3〜8員環が好ましく、炭化水素環であってもヘテロ環であってもよく、また芳香環および非芳香環のいずれであってもよい。
また、炭化水素環Qは任意の位置に置換基を有していてもよい。置換基としては1価の置換基および2価の置換基が挙げられる。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。2価の置換基としては例えば、炭化水素環Qを構成する炭素原子に2価置換基が結合した形で、C=CR2、C=O、C=S、C=NR、C=N+R2などが挙げられる(Rは水素原子および上述の「本発明における置換基」を表す)。より好ましくはC=CR2、C=O、C=Sである。さらに好ましくはC=CR2、C=Oある。特に好ましくはC=CR2である。尚、C=CR2における2つのRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、2つのRが互いに結合して環を形成してもよい。形成する環は3〜8員環が好ましく、炭化水素環であってもヘテロ環であってもよく、また芳香環および非芳香環のいずれであってもよい。
また炭化水素環Qは任意の位置で縮環を形成していてもよい。縮環構造としては4〜8員環が好ましく、5〜7員環がさらに好ましく、6員環が特に好ましい。縮環は炭化水素環であってもヘテロ環であってもよい。さらに縮環は飽和環であっても不飽和環であっても芳香環であってもよい。
本発明において炭化水素環Qが形成する縮環は、着色性の観点から、好ましくは不飽和環および芳香環である。より好ましくは芳香環である。特に好ましくは炭化水素芳香環で縮環している場合である。
本発明において炭化水素環Qが形成する縮環は、着色性の観点から、好ましくは不飽和環および芳香環である。より好ましくは芳香環である。特に好ましくは炭化水素芳香環で縮環している場合である。
Yを含んで形成される炭化水素環Qの好ましい具体例について下記表3に示すが、本発明はこれらに限定されない。表中の波線は前記一般式(1)におけるX1およびX2を含む5員のヘテロ環への結合部位を示す。
一般式(1)におけるX1およびX2は、それぞれ独立して置換基を有していてもよいヘテロ原子を表す。ヘテロ原子としては、例えば、ホウ素原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子、硫黄原子、セレン原子、およびテルル原子などが挙げられる。
本発明においては、光堅牢性の観点から、X1およびX2の少なくとも一方は、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子であることが好ましく、より好ましくは窒素原子、または硫黄原子であり、特に好ましくは硫黄原子である。
これらのヘテロ原子のうち、3つ以上の共有結合を形成し得るヘテロ原子(例えば、ホウ素原子、窒素原子、ケイ素原子、リン原子)は置換基を有していてもよい。この場合のヘテロ原子上の置換基は前記「本発明における置換基」の例と同様である。
本発明において、X1およびX2は異なっていてもよいが、同じである場合が好ましい。特に光堅牢性の観点から、より好ましくはX1およびX2はいずれも硫黄原子である。
本発明においては、光堅牢性の観点から、X1およびX2の少なくとも一方は、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子であることが好ましく、より好ましくは窒素原子、または硫黄原子であり、特に好ましくは硫黄原子である。
これらのヘテロ原子のうち、3つ以上の共有結合を形成し得るヘテロ原子(例えば、ホウ素原子、窒素原子、ケイ素原子、リン原子)は置換基を有していてもよい。この場合のヘテロ原子上の置換基は前記「本発明における置換基」の例と同様である。
本発明において、X1およびX2は異なっていてもよいが、同じである場合が好ましい。特に光堅牢性の観点から、より好ましくはX1およびX2はいずれも硫黄原子である。
X1とX2の組み合わせの好ましい具体例について下記表4に示すが、本発明はこれらに限定されない。なお、本明細書において、Acはアセチル基を表す。表中の波線は前記一般式(1)における炭化水素環Qとの結合部位を示す。
以下に、前記一般式(1)で表される化合物の具体例として、例示化合物(1)〜(36)を示すが、本発明はこれに限定されない。
本発明において、一般式(1)で表わされる化合物としては、着色性と分散性および顔料化容易性の観点から、R1およびR2が水素原子、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数1〜5のアシルオキシ基であって、A1およびA2が水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイル基であって、X1およびX2が置換基を有していてもよい窒素原子または硫黄原子であって、炭化水素環Qが5〜6員の縮環していてもよい不飽和環または芳香環であることが好ましく、R1およびR2が水素原子、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアシルオキシ基であって、A1およびA2が水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイル基であって、X1およびX2が硫黄原子であって、炭化水素環Qが6員の縮環していてもよい不飽和環または芳香環であることがより好ましい。
本発明における一般式(1)で表わされる化合物は、構造とその置かれた環境によって互変異性体を取り得る。本明細書においては代表的な形の一つで記述しているが、本明細書の記述と異なる互変異性体も本発明の化合物に含まれる。
本発明における一般式(1)で表される化合物は、構造とその置かれた環境によって、適切な対イオンを伴ってカチオンあるいはアニオンになり得る。本明細書においては代表的な対イオンとして対カチオンに水素イオンあるいは対アニオンに水酸化物イオンを用いて記述しているが、これら以外の対イオンを有する場合も本発明の化合物に含まれる。対イオンは1種類であってもよいし任意の比率からなる複数の種類からなってもよい。
前記一般式(1)で表される化合物は、R1とR2、X1とX2あるいはA1とA2が異なる場合に、互いの位置が入れ替わることによって幾何異性体となり得る。また炭化水素環Q上に非対称に置換基を有する場合、すなわち一般式(1)における炭化水素環Qが2重結合を含む軸によってC2対称ではない場合に、この2重結合を中心とした幾何異性体が存在し得る。本明細書においてこれらのうち1種の幾何異性体のみが記載されている場合であっても、その他の幾何異性体についても本発明の化合物に含まれる。また、合成あるいは精製の過程で幾何異性体混合物となっている場合でも、その代表的な構造のみが本明細書に記載される。幾何異性体混合物である場合には、その存在比率は任意の比率であってよい。
前記一般式(1)で表される化合物は、同位元素(例えば、2H、3H、13C、15N、17O、18Oなど)を含有していてもよい。
本発明における一般式(1)で表わされる化合物は、公知の方法を適宜適用することにより製造することができる。例えば、特公昭49−11155号公報、Journal of the American Chemical Society 2005年、第127巻、8835ページに記載の方法を参考にして製造することができる。
<着色組成物>
本発明の着色組成物において、一般式(1)で表わされる化合物は、媒体中に分散された状態で含まれていることを特徴とする。分散状態で含まれていることにより、光堅牢性がより向上する。ここで分散状態とは一般式(1)で表される化合物が微粒子の状態をとって媒体中に浮遊もしくは懸濁している状態であることをいう。
本発明の着色組成物において、一般式(1)で表される化合物は、無色の化合物であっても有彩色の化合物であってもよいが、着色組成物の光堅牢性の観点から、一般式(1)であらわされる化合物が有彩色の化合物であることが好ましい。尚、本発明の着色組成物はさらに媒体に加えられる染料もしくは顔料によって着色することができる。
本発明の着色組成物において、一般式(1)で表わされる化合物は、媒体中に分散された状態で含まれていることを特徴とする。分散状態で含まれていることにより、光堅牢性がより向上する。ここで分散状態とは一般式(1)で表される化合物が微粒子の状態をとって媒体中に浮遊もしくは懸濁している状態であることをいう。
本発明の着色組成物において、一般式(1)で表される化合物は、無色の化合物であっても有彩色の化合物であってもよいが、着色組成物の光堅牢性の観点から、一般式(1)であらわされる化合物が有彩色の化合物であることが好ましい。尚、本発明の着色組成物はさらに媒体に加えられる染料もしくは顔料によって着色することができる。
上記の製造方法によって、上記一般式(1)で表される化合物は粗顔料として得られるが、本発明の着色組成物として用いる場合、後処理を行うことが望ましい。この後処理の方法としては、例えば、ソルベントソルトミリング、ソルトミリング、ドライミリング、ソルベントミリング、アシッドペースティング等の摩砕処理、溶媒加熱処理などによる顔料粒子制御工程、樹脂、界面活性剤および分散剤等による表面処理工程が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表される化合物は後処理として溶媒加熱処理を行うことが好ましい。溶媒加熱処理に使用される溶媒としては、例えば、水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の極性非プロトン性有機溶媒、氷酢酸、ピリジン、またはこれらの混合物等が挙げられる。これらの後処理によって顔料の平均粒子径を0.01μm〜1μmに調整することが好ましい。
上記操作によって一般式(1)で表される化合物は規則的な結晶を与えるが、これは例えばX線回折図から認識することができる。「X線結晶学の基礎」(1973年、丸善)に述べられているように、シェラー(Scherrer)の式によればX線回折図のピークの全波高半値幅(以下、半値幅と呼ぶ)は、結晶粒の平均の大きさに反比例している。
本発明においては、一般式(1)で表される化合物を着色組成物とする前段階において、その固体のX線回折図における最大ピーク(高強度ピーク)の半値幅は0.40°以下であることが好ましく、0.30°以下であることがさらに好ましい。大きな結晶となることにより着色組成物の堅牢性が向上し、活性な表面が減少することで分散安定性が向上する。
なお、X線回折図における最大ピークが近接した複数のピークから成っているような場合には、他の適切な単一ピークから判断することができる。
本発明においては、一般式(1)で表される化合物を着色組成物とする前段階において、その固体のX線回折図における最大ピーク(高強度ピーク)の半値幅は0.40°以下であることが好ましく、0.30°以下であることがさらに好ましい。大きな結晶となることにより着色組成物の堅牢性が向上し、活性な表面が減少することで分散安定性が向上する。
なお、X線回折図における最大ピークが近接した複数のピークから成っているような場合には、他の適切な単一ピークから判断することができる。
本発明の着色組成物は、媒体の少なくとも1種を含むが、媒体は水性の媒体であっても非水性の媒体であってもよいが、取扱いの容易さ並びに環境に対する安全性の観点から、水性の媒体を含む水系の着色組成物であることが好ましい。
本発明の着色組成物において、顔料を分散する水性の媒体としては、水を主成分とし、所望により親水性有機溶剤少なくとも1種を添加した混合物を用いることができる。
本発明の着色組成物において、顔料を分散する水性の媒体としては、水を主成分とし、所望により親水性有機溶剤少なくとも1種を添加した混合物を用いることができる。
前記親水性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールものブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートトリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコール誘導体;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン等のアミン類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
本発明における水系の着色組成物(顔料分散物)は、水性樹脂をさらに含んでいてもよい。水性樹脂としては、水に溶解する水溶解性の樹脂、水に分散する水分散性の樹脂、コロイダルディスパーション樹脂、またはそれらの混合物が挙げられる。水性樹脂として具体的には、アクリル系、スチレン−アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、フッ素系等の樹脂が挙げられる。
本発明の着色組成物は、さらに界面活性剤および分散剤の少なくとも1種を含んでいることが好ましい。界面活性剤、分散剤をさらに含むことで、一般式(1)で表される化合物の分散性および着色組成物を用いて形成した画像の品質を向上させることができる。
本発明の着色組成物においては、少なくとも分散剤をさらに含むことが好ましい。
本発明の着色組成物においては、少なくとも分散剤をさらに含むことが好ましい。
本発明における分散剤としては、一般式(1)で表わされる化合物を媒体中に分散可能な化合物であれば特に制限はない。例えば、「顔料分散技術 表面処理と分散剤の使い方および分散性評価」(1999年技術情報協会編)等に記載の分散剤をを本発明においても好適に用いることができる。本発明においては、分散安定性の観点から、界面活性剤もしくは親水性高分子であることが好ましい。
界面活性剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性の界面活性剤が挙げられ、いずれの界面活性剤を用いてもよいが、アニオン性、またはノニオン性の界面活性剤を用いるのが好ましい。
界面活性剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性の界面活性剤が挙げられ、いずれの界面活性剤を用いてもよいが、アニオン性、またはノニオン性の界面活性剤を用いるのが好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステル等が挙げられる。
またノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等が挙げられる。
本発明における非水系の着色組成物は、前記一般式(1)で表される化合物を非水系ビヒクルに分散してなるものである。非水系ビヒクルに使用される樹脂は、例えば、石油樹脂、カゼイン、セラック、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、酸化ゴム、塩酸ゴム、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、乾性油、合成乾性油、スチレン/マレイン酸樹脂、スチレン/アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂塩素化ポリプロピレン、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。非水系ビヒクルとして、光硬化性樹脂を用いてもよい。
また、非水系ビヒクルに使用される溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤;エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤;メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤;ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤;γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤;カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のようなカルバミン酸エステル等が挙げられる。
本発明の着色組成物は、上記一般式(1)で表わされる化合物と、水系または非水系の媒体とを、分散装置を用いて分散することで得られる。使用できる分散装置としては、例えば、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ロールミル、ジェットミル、ペイントシェイカー、アトライター、超音波分散機、ディスパー等が挙げられる。
本発明の着色組成物において、一般式(1)で表わされる化合物が顔料として含まれる場合、顔料粒子の体積平均粒子径は10nm以上250nm以下であることが好ましい。なお、顔料粒子の体積平均粒子径とは、顔料そのものの粒子径、又は色材に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した状態における粒子径をいう。
本発明における顔料粒子の体積平均粒子径は、ナノトラックUPA粒度分析計(UPA−EX150;日機装社製)を用いて測定されたものである。顔料粒子の体積平均粒子径の測定は、顔料分散体3mlを測定セルに入れ、所定の測定方法に従って行う。尚、測定時に入力するパラメーターとしては、粘度には顔料分散体の粘度を、分散粒子の密度には顔料の密度を用いる。
本発明における顔料粒子の体積平均粒子径は、ナノトラックUPA粒度分析計(UPA−EX150;日機装社製)を用いて測定されたものである。顔料粒子の体積平均粒子径の測定は、顔料分散体3mlを測定セルに入れ、所定の測定方法に従って行う。尚、測定時に入力するパラメーターとしては、粘度には顔料分散体の粘度を、分散粒子の密度には顔料の密度を用いる。
本発明における顔料粒子のより好ましい体積平均粒子径は、10nm以上250nm以下であり、更に好ましくは30nm以上230nm以下である。顔料分散物中の粒子の数体積平均粒子径を10nm以上とすることで、着色組成物の保存安定性が良好になる。一方、250nm以下とすることで、着色組成物の光学濃度を高くすることができる。
本発明の着色組成物に含まれる一般式(1)で表わされる化合物(顔料)の含有率は、1〜35質量%の範囲であることが好ましく、2〜25質量%の範囲であることがより好ましい。含有率を1%以上とすることで、着色組成物をインクとして単独で用いた場合にも十分な画像濃度を得ることができる。一方、含有率を35質量%以下とすることで、顔料の分散安定性が低下する場合がある。
本発明の着色組成物の用途としては、画像、特にカラー画像を形成するための画像記録材料が挙げられる。具体的には、以下に詳述するインクジェット方式記録材料を始めとして、感熱記録材料、感圧記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等が挙げられる。好ましくはインクジェット方式記録材料、感熱記録材料、電子写真方式を用いる記録材料であり、更に好ましくはインクジェット方式記録材料である。
また本発明の着色組成物は、CCDなどの固体撮像素子やLCD、PDP等のディスプレーで用いられるカラー画像を記録・再現するためのカラーフィルター、各種繊維の染色の為の染色液にも適用できる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<合成例1>
(例示化合物(8)の調製)
ベンゾジチオール−2−チオン0.92gとジメチル硫酸0.53mlを混合し、110℃で3時間反応させた。室温まで放冷した後、酢酸15ml、2−ジオクタデシルアミノカルバモイル−1−ナフトール3.46gおよびピリジン5mlを加え、120℃で3時間反応させた。生じた固体を濾別し、精製することで例示化合物(8)0.3gを得た。
MS:m/z 842(M+)。
1H NMR(CDCl3) δ0.85(t,6H),1.00-1.80(m,64H),3.18(t,2H),3.40-3.60(m,2H),7.35-7.40(m,2H),7.45-7.65(m,4H),7.72(t,1H),7.90(s,1H),8.20(d,1H),8.42(d,1H)。
(例示化合物(8)の調製)
ベンゾジチオール−2−チオン0.92gとジメチル硫酸0.53mlを混合し、110℃で3時間反応させた。室温まで放冷した後、酢酸15ml、2−ジオクタデシルアミノカルバモイル−1−ナフトール3.46gおよびピリジン5mlを加え、120℃で3時間反応させた。生じた固体を濾別し、精製することで例示化合物(8)0.3gを得た。
MS:m/z 842(M+)。
1H NMR(CDCl3) δ0.85(t,6H),1.00-1.80(m,64H),3.18(t,2H),3.40-3.60(m,2H),7.35-7.40(m,2H),7.45-7.65(m,4H),7.72(t,1H),7.90(s,1H),8.20(d,1H),8.42(d,1H)。
<合成例2>
(例示化合物(10)の調製)
ベンゾジチオール−2−チオン0.92gとジメチル硫酸0.53mlを混合し、120℃で2時間反応させた。室温まで放冷した後、酢酸10ml、1−ナフチルマロノニトリル0.96gおよびピリジン1mlを加え、120℃で2時間反応させた。生じた固体を濾別し、精製することで例示化合物(10)1.0gを得た。
MS:m/z 343(MH+)。
1H NMR(CDCl3) δ7.20-7.30(m,1H),7.38-7.45(m,2H),7.55(t,1H),7.60-7.70(m,3H),7.75(t,1H),8.35(d,1H),8.97(d,1H)。
(例示化合物(10)の調製)
ベンゾジチオール−2−チオン0.92gとジメチル硫酸0.53mlを混合し、120℃で2時間反応させた。室温まで放冷した後、酢酸10ml、1−ナフチルマロノニトリル0.96gおよびピリジン1mlを加え、120℃で2時間反応させた。生じた固体を濾別し、精製することで例示化合物(10)1.0gを得た。
MS:m/z 343(MH+)。
1H NMR(CDCl3) δ7.20-7.30(m,1H),7.38-7.45(m,2H),7.55(t,1H),7.60-7.70(m,3H),7.75(t,1H),8.35(d,1H),8.97(d,1H)。
[実施例1]
上記合成例と同様にして得られた例示化合物(9)0.3gをアセトンから再結晶し、黄橙色の固体0.40gが得られた。この固体は、粉末X線回折図(CuKα線照射)において、以下の回折角2θにより特徴付けられる。
高強度:21.6°(半値幅0.31°)、中強度:10.0°、19.8°、22.7°、23.1°
上記合成例と同様にして得られた例示化合物(9)0.3gをアセトンから再結晶し、黄橙色の固体0.40gが得られた。この固体は、粉末X線回折図(CuKα線照射)において、以下の回折角2θにより特徴付けられる。
高強度:21.6°(半値幅0.31°)、中強度:10.0°、19.8°、22.7°、23.1°
[実施例2]
上記合成例2で得られた例示化合物(10)について以下のようにして顔料化処理を行った。例示化合物(10)をメタノールに懸濁させ、100℃で3時間撹拌した。この懸濁液を熱時ろ過し、ろ紙上の固体をメタノールで洗浄し、ついで乾燥させたところ、青紫色の固体が得られた。この固体は、粉末X線回折図(CuKα線照射)において、以下の回折角2θにより特徴付けられる。
高強度:10.7°(半値幅0.22°)、中強度:11.1°、14.4°、16.3°、17.4゜、23.8゜、26.3゜、27.0゜
上記合成例2で得られた例示化合物(10)について以下のようにして顔料化処理を行った。例示化合物(10)をメタノールに懸濁させ、100℃で3時間撹拌した。この懸濁液を熱時ろ過し、ろ紙上の固体をメタノールで洗浄し、ついで乾燥させたところ、青紫色の固体が得られた。この固体は、粉末X線回折図(CuKα線照射)において、以下の回折角2θにより特徴付けられる。
高強度:10.7°(半値幅0.22°)、中強度:11.1°、14.4°、16.3°、17.4゜、23.8゜、26.3゜、27.0゜
[比較例1]
合成例2と同様の方法で合成して得られた下記比較化合物1について、実施例2と同様の方法で顔料化処理をおこなった。得られた固体の粉末X線回折図における高強度ピークの半値幅は0.6°以上であった。
次に、媒体をN,N−ジメチルアセトアミドと水の1:1混合物に替えて同様の操作をおこなったところ、高強度ピークの半値幅は0.25゜となった。
高強度ピークの半値幅から、本発明の化合物は、より温和な条件で整った固体状態になるという優れた性質を有し、顔料化工程の負荷が小さいことが分かる。
合成例2と同様の方法で合成して得られた下記比較化合物1について、実施例2と同様の方法で顔料化処理をおこなった。得られた固体の粉末X線回折図における高強度ピークの半値幅は0.6°以上であった。
次に、媒体をN,N−ジメチルアセトアミドと水の1:1混合物に替えて同様の操作をおこなったところ、高強度ピークの半値幅は0.25゜となった。
高強度ピークの半値幅から、本発明の化合物は、より温和な条件で整った固体状態になるという優れた性質を有し、顔料化工程の負荷が小さいことが分かる。
Claims (4)
- 前記一般式(1)におけるX1およびX2の少なくとも一方は、硫黄原子であることを特徴とする請求項1に記載の着色組成物。
- 前記一般式(1)における炭化水素環Qは、6員環であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の着色組成物。
- 分散剤を更に含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の着色組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008091568A JP2009242630A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 着色組成物 |
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2008
- 2008-03-31 JP JP2008091568A patent/JP2009242630A/ja active Pending
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