JP2013032413A - アゾ顔料、アゾ顔料の製造方法、アゾ顔料を含む分散物、着色組成物及びインクジェット記録用インク - Google Patents

アゾ顔料、アゾ顔料の製造方法、アゾ顔料を含む分散物、着色組成物及びインクジェット記録用インク Download PDF

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Abstract

【課題】色相等の色彩的特性、耐光性のみならず、特に純度の高い、特定の置換基を有するピラゾール環をアゾ基及びトリアジン環を介して連結した新規な結晶形であるアゾ顔料、該アゾ顔料分散物、着色組成物の提供。また、該アゾ顔料をインクジェット記録用インクとして用いることにより、ロット間差による性能のばらつきの少ない優れた印画物の提供。
【解決手段】CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)が4.9°、8.8°及び13.1°に特徴的X線回折ピークを有する下記式で表されるアゾ顔料、又はその互変異性体。
Figure 2013032413

【選択図】図2

Description

本発明は、アゾ顔料、アゾ顔料の製造方法、アゾ顔料を含む分散物、着色組成物及びインクジェット記録用インクに関する。
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式の記録材料、感熱転写方式の記録材料、電子写真方式の記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インキ、記録ペン等が盛んに利用されている。また、撮影機器ではCCDなどの撮像素子において、ディスプレーではLCDやPDPにおいてカラー画像を記録・再現するためにカラーフィルターが使用されている。これらのカラー画像記録材料やカラーフィルターでは、フルカラー画像を表示あるいは記録する為に、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の色素(染料や顔料)が使用されているが、好ましい色再現域を実現できる吸収特性を有し、かつさまざまな使用条件、環境条件に耐えうる堅牢な色素がないのが実情であり、改善が強く望まれている。
上記の各用途で使用する染料や顔料には、共通して次のような性質を具備している必要がある。即ち、色再現性上好ましい吸収特性を有すること、使用される環境条件下における堅牢性、例えば耐光性、耐熱性、オゾンなどの酸化性ガスに対する耐性が良好であること、等が挙げられる。加えて、色素が顔料の場合には更に、水や有機溶剤に実質的に不溶であり耐薬品堅牢性が良好であること、及び、粒子として使用しても分子分散状態における好ましい吸収特性を損なわないこと、等の性質をも具備している必要がある。上記要求特性は分子間相互作用の強弱でコントロールすることができるが、両者はトレードオフの関係となるため両立させるのが困難である。
また、顔料を使用するにあたっては、他にも、所望の透明性を発現させるために必要な粒子径及び粒子形を有すること、使用される環境条件下における堅牢性、例えば耐光性、耐熱性、オゾンなどの酸化性ガスに対する耐性、耐水性、その他有機溶剤や亜硫酸ガスなどへの耐薬品堅牢性が良好であること、使用される媒体中において微小粒子まで分散し、かつ、その分散状態が安定であること、等の性質も必要となる。
すなわち、顔料に対する要求性能は色素分子としての性能を要求される染料に比べて、多岐にわたり、色素分子としての性能だけでなく、色素分子の集合体としての固体(微粒子分散物)としての上記要求性能を全て満足する必要がある。結果として、顔料として使用できる化合物群は染料に比べて極めて限定されたものとなっており、高性能な染料を顔料に誘導したとしても微粒子分散物としての要求性能を満足できるものは数少なく、容易に開発できるものではない。これは、カラーインデックスに登録されている顔料の数が染料の数の1/10にも満たないことからも確認される。
顔料の中では、特にアゾ顔料が、明度が高く、耐光性、耐熱性にも優れているため、印刷インキ、インクジェット用インク、電子写真材料、カラーフィルター用顔料として広く使用されている。そして用途の拡大に伴い、顔料も印刷インキ、グラビアインキ、着色剤で通常使用されているレベルの安定性より、使用媒体にかかわらず経時における更に優れた安定性が求められるようになっている。例えば、特許文献1には、色相等の色彩的特性に優れ、耐光性に優れたピラゾール環を有する特定構造のアゾ顔料が開示されている。
同時に、カラーフィルターやインクジェット用インク等の用途において、鮮明性や透明性などをより向上させることが求められている。鮮明性や透明性を向上させるためには顔料を微細に分散させることが効果的であり、微細分散物を形成し得る効率的なアゾ顔料微粒子の製造方法についても求められるようになっている。特許文献2には、高効率かつ低コストで製造することのできるピラゾール環を有する特定構造のアゾ顔料の製造方法が開示されている。
一方、有機顔料の代表的なものの多くは多形性であり、同一の化学組成を有するにもかかわらず、このような顔料は2つ以上の結晶形態をとることが知られている。
有機顔料には、例えばアゾ顔料のように、合成時に適切な反応条件を選択することにより、微細で整粒された粒子を得ることができるものもあり、銅フタロシアニングリーン顔料のように、合成時に生成する極めて微細で凝集した粒子を、後工程で粒子成長、整粒させることにより顔料化するもの、銅フタロシアニンブルー顔料のように、合成時に生成する粗大で不揃いな粒子を後工程で微細化し、整粒させることにより顔料化を行うものもある。例えば、ジケトピロロピロール顔料は、一般的には、琥珀酸ジエステルと芳香族ニトリルとを有機溶媒中で反応させて合成される(例えば、特許文献3参照)。そして、粗製ジケトピロロピロール顔料は、水又は有機溶剤中で熱処理し、次に湿式摩砕のごとき粉末化を行うことにより、使用に適する形態にされる(例えば、特許文献4参照)。C.I.ピグメントレッド254には、α型とβ型の結晶形態が知られている(例えば、特許文献5参照)。また、アゾ顔料であるC.I.ピグメントイエロー181は、数種の結晶形態が知られている(例えば、特許文献6参照)。
特開2010−31224号公報 特開2011−74375号公報 特開昭58−210084号公報 特開平5−222314号公報 特開平8−48908号公報 米国特許出願公開第2008/0058531号明細書
特許文献5、6に記載されているアゾ顔料は上記のような結晶形態に関する知見の記述はない。また、顔料に求められる性能である純度についての記載もなく、更なる検討の余地があった。顔料において純度が高いと、不純物が含有されることによる、例えば、色相、耐光性、耐溶剤性等の諸性能の劣化を防止できるという利点がある。 本発明は色相等の色彩的特性、耐光性のみならず、特に高い純度の、ピラゾール環を有する特定構造を持った新規な結晶形であるアゾ顔料を提供することを目的とするものである。
そして本発明は、特定の結晶形のアゾ顔料を再現性よく高効率に製造することのできる新規な結晶形の該アゾ顔料の製造方法を提供することを目的とするものである。
更に、該アゾ顔料の分散物、アゾ顔料の分散物を含む着色組成物及びインクジェット記録用インクを提供することを目的とするものである。
本発明者等は上記した実情に鑑みて鋭意検討した結果、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)が4.9°、8.8°及び13.1°に特徴的X線回折ピークを有する、下記式(1)で表されるアゾ顔料、又はその互変異性体が、色相等の色彩的特性、耐光性のみならず、特に高純度であることを見出した。更に、純度の高い顔料が分散された着色組成物をインクジェット記録用インクとして用いた場合、性能の劣化を引き起こす不純物の含量が少ないので、ロットによる性能のばらつきの少ない優れた印画物が得られることを見出した。
また、特定の結晶形に制御しながら再現性よく高効率にアゾ顔料を製造することのできるアゾ顔料の製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
Figure 2013032413
即ち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)が4.9°、8.8°及び13.1°に特徴的X線回折ピークを有する、下記式(1)で表されるアゾ顔料、又はその互変異性体。
式(1)
Figure 2013032413
〔2〕
前記アゾ顔料が、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の4.9°、8.8°、13.1°、19.7°及び25.2°に特徴的X線回折ピークを有する、〔1〕記載のアゾ顔料、又はその互変異性体。
〔3〕
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の4.8°、9.2°、13.0°及び24.4°に特徴的X線回折ピークを有する下記式(1)で表されるアゾ化合物又はその互変異性体の溶媒和物を脱溶媒和させることを特徴とする、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の4.9°、8.8°及び13.1°に特徴的X線回折ピークを有する、下記式(1)で表されるアゾ顔料、又はその互変異性体の製造方法。
式(1)
Figure 2013032413
〔4〕
60℃以上で加熱することにより脱溶媒和を行う、〔3〕記載の製造方法。
〔5〕
〔3〕又は〔4〕に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載のアゾ顔料、又はその互変異性体。
〔6〕
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の4.8°、9.2°、13.0°及び24.4°に特徴的X線回折ピークを有する下記式(1)で表されるアゾ化合物又はその互変異性体の溶媒和物。
式(1)
Figure 2013032413
〔7〕
〔1〕又は〔2〕に記載のアゾ顔料、又はその互変異性体を含有することを特徴とする顔料分散物。
〔8〕
顔料分散物中の顔料粒子の体積平均粒子径が0.01μm〜0.2μmであることを特徴とする〔7〕に記載の顔料分散物。
〔9〕
〔1〕若しくは〔2〕に記載のアゾ顔料、若しくはその互変異性体又は〔7〕若しくは〔8〕に記載の顔料分散物を含有することを特徴とする着色組成物。
〔10〕
〔1〕若しくは〔2〕に記載のアゾ顔料、若しくはその互変異性体又は〔7〕若しくは〔8〕に記載の顔料分散物又は〔9〕に記載の着色組成物を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
本発明によれば、色相等の色彩的特性、耐光性のみならず、特に純度の高い、特定の置換基を有するピラゾール環をアゾ基及びトリアジン環を介して連結した新規な結晶形であるアゾ顔料、該アゾ顔料分散物、着色組成物が提供される。また、該アゾ顔料をインクジェット記録用インクとして用いることにより、ロット間差による性能のばらつきの少ない優れた印画物が提供される。
更に、特定の結晶形に制御しながら再現性よく高効率にアゾ顔料を製造することのできる該アゾ顔料の製造方法が提供される。
合成例1で合成したζ型結晶形態アゾ顔料(1)−1のX線回折の図である。 合成例1で合成したε型結晶形態アゾ顔料(1)−1のX線回折の図である。 合成例2で合成したγ型結晶形態アゾ顔料(1)−2のX線回折の図である。 合成例2で合成したη型結晶形態アゾ顔料(1)−2のX線回折の図である。 合成例2で合成したε型結晶形態アゾ顔料(1)−2のX線回折の図である。 合成例3で合成したε型結晶形態アゾ顔料(1)−3のX線回折の図である。 比較合成例1で合成した非晶質なアゾ化合物(1)−4のX線回折の図である。 比較合成例2で合成した非晶質なアゾ化合物(1)−5のX線回折の図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のアゾ顔料、又はその互変異性体は、それらの水和物、あるいは溶媒和物、あるいは塩であっても良い。
本発明の態様におけるアゾ顔料はCuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)が4.9°、8.8°及び13.1°に特徴的X線回折ピークを有する下記式(1)で表されるアゾ顔料、又はその互変異性体である。
Figure 2013032413
本明細書においては以下、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)が4.9°、8.8°及び13.1°に特徴的X線回折ピークを有する式(1)で表されるアゾ顔料をε型結晶形態アゾ顔料と称する。
また、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、9.2°及び13.0°に特徴的X線回折ピークを有する式(1)で表されるアゾ顔料をη型結晶形態アゾ顔料と称する。
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)が6.6°、9.2°、10.3°、21.4°および25.6°に特徴的X線回折ピークを有する式(1)で表されるアゾ顔料をζ型結晶形態アゾ顔料と称する。
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)が5.9°、7.0°及び8.9°に特徴的X線回折ピークを有する式(1)で表されるアゾ顔料をγ型結晶形態アゾ顔料と称する。
本発明において、下記式(1)で表されるε型結晶形態アゾ顔料のX線回折の測定は、日本工業規格JISK0131(X線回析分析通則)に準じて、粉末X線回折測定装置RINT2500(株式会社リガク製)にて行うことができる。
図2にX線回折図を示して、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)が4.9°、8.8°及び13.1°に特徴的X線回折ピークを有する式(1)で表されるアゾ顔料について更に詳細に説明する。
単一の結晶形態である場合、分子間が密になり、分子間相互作用が強くなる。その結果、純度の高い、耐溶剤性、熱安定性、耐光性、及び耐ガス性に優れ、印画濃度があがり、更には色再現域が広がる。中でも、純度が高い結晶形態としては、式(1)で表されるアゾ顔料及びその互変異性体は、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)が4.9°、8.8°及び13.1°に特徴的なX線回折ピークを有する結晶形態が好ましい。
4.9°、8.8°及び13.1°に特徴的なX線回折ピークを有する結晶形態は、更に、4.9°、6.5°、8.8°、9.7°及び13.1°に顕著なX線回折線を有するX線回折パターンを示す結晶形態がより好ましい。その中でも、4.9°、6.5°、8.8°、9.7°、13.1°、19.7°及び25.2°に顕著なX線回折線を有するX線回折パターンを示す結晶形態が最も好ましい。
4.9°、8.8°及び13.1°に特徴的X線回折ピークを有する式(1)で表されるアゾ顔料が純度が高い理由としては、前駆体となる溶媒和物(特に好ましくはアセトン溶媒和物)を合成する際に、溶媒を除いた不純物の残存が少ないことが考えられる。そのため、脱溶媒した本発明のアゾ顔料(1)の純度が高くなっていると考えている。
また、式(1)で示されるε型結晶形態アゾ顔料に関しては、その互変異性体(例えば、アゾ−ヒドラゾンの互変異性体や式(4)で表されるような幾何異性体)も、本発明においては、これらの一般式に含まれるものとする。
式(4)
Figure 2013032413
1次粒子を透過型顕微鏡で観察した際の長軸方向の長さは0.01μm以上30μm以下であることが好ましい。該長さが0.01μm以上である場合には、光やオゾンに対する堅牢性に優れ、凝集を抑制し分散性が向上する。一方、30μm以下である場合には、分散して所望の体積平均粒子径にした際に過分散状態になりにくく、凝集を抑制しやすくなるために顔料分散物の保存安定性に優れる。
1次粒子の長軸方向の長さが、上記の範囲内ならば、光やオゾンに対して高い堅牢性を示し、その顔料分散物は保存安定性に優れ、好ましい。
そのため、下記式(1)で表されるε型結晶形態アゾ顔料の1次粒子を、透過型顕微鏡で観察した際の長軸方向の長さは、0.01μm以上30μm以下であることが好ましく、0.02μm以上20μm以下であることが更に好ましく、0.03μm以上10μm以下であることが最も好ましい。
更に本発明は、後述する4.9°、8.8°及び13.1°に特徴的X線回折ピークを有する式(1)で表されるアゾ顔料の製造方法において、その中間体となる4.8°、9.2°、13.0°及び24.4°(η型)、に特徴的X線回折ピークを有する下記式(1)で表されるアゾ顔料、又はその互変異性体の溶媒和物にも関する。
以下に、式(1)で表されるε型結晶形態アゾ顔料の合成に関して詳細に説明する。
式(1)で表されるε型結晶形態アゾ顔料(以下、単に「アゾ顔料」又は「顔料」と称する場合がある)は、下記の製造方法により合成することができる。
本発明の製造方法は下記式(2)で表されるヘテロ環アミンから誘導したジアゾニウム塩と、下記式(3)で表される化合物とをアゾカップリング反応させる工程を含むことが好ましい。
Figure 2013032413
Figure 2013032413
Figure 2013032413
以下に、本発明の製造方法に関して詳細に説明する。
本発明のアゾ顔料の製造方法は、粗アゾ顔料を得る工程と粗アゾ顔料を溶媒処理しη型結晶形態アゾ顔料に変換する工程とを含むことが好ましい。
上記粗アゾ顔料の製造方法は、
(a)ジアゾ化剤と式(2)で表されるヘテロ環アミンを混合させる工程、
(b)工程(a)で得た反応生成物と式(3)で表される化合物とを混合することにより反応を行い、該反応により生成した式(1)で表されるアゾ化合物の少なくとも一部が溶解した溶液を得る工程、
を含むことが好ましく、さらに、
(c)工程(b)で得た溶液と、式(1)で表されるアゾ化合物に対する貧溶媒とを混合して、式(1)で表される顔料を晶析させる工程、を含むことがより好ましい。
工程(b)において、アゾ化合物が溶解している割合が高いと、収率が高くなるため好ましい。
本発明に係わる工程(a)について詳細を説明する。
工程(a)では、ジアゾ化剤と式(2)で表されるヘテロ環アミンとを混合させることで、式(2)で表されるヘテロ環アミンとジアゾ化剤との反応によりジアゾニウム化合物が誘導される。この反応は酸を含む媒質中で行うことが好ましい。本明細書では、このジアゾニウム化合物を含む液を「ジアゾニウム化合物調製液」と呼ぶ。式(2)で表されるヘテロ環アミンと酸とジアゾ化剤の混合の方法に特に限定はないが、式(2)で表されるヘテロ環アミンと酸の溶液中にジアゾ化剤を添加することが好ましい。工程(a)におけるジアゾ化剤とは、式(2)で表されるヘテロ環アミンをジアゾニウム化合物に誘導するために使用されるものであり、そのような作用を持つものであれば限定はされない。ジアゾ化剤として代表的なものには、亜硝酸エステル類(例えば亜硝酸イソペンチルが挙げられる)、亜硝酸塩(例えば亜硝酸ナトリウムや亜硝酸カリウムが挙げられる)、亜硝酸イソアミル、ニトロシル硫酸が挙げられ、更に好ましくは亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、ニトロシル硫酸であり、その中でも、ジアゾニウム化合物を安定かつ効率的に調製できる観点から、ニトロシル硫酸が特に好ましい。
工程(a)で使用する酸とは、式(2)で表されるヘテロ環アミンを完溶させないまでも、わずかでも溶解できる酸を意味し、好ましくはアミノ化合物を完溶させる酸である。酸には無機酸及び有機酸が使用でき、無機酸としては例えば塩酸、リン酸、硫酸が挙げられ、好ましくはリン酸、硫酸であり、更に好ましくは硫酸である。有機酸には蟻酸、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸が挙げられ、好ましくは酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸であり、更に好ましくは酢酸、プロピオン酸である。また、これらの酸は単独で用いても良いし、混合して用いても良い。混合酸としては、リン酸/酢酸、硫酸/酢酸、メタンスルホン酸/酢酸、酢酸/プロピオン酸が挙げられ、好ましくは、リン酸/酢酸、硫酸/酢酸、硫酸/酢酸/プロピオン酸、酢酸/プロピオン酸であり、その中でも、硫酸/酢酸、酢酸/プロピオン酸が特に好ましい。これら混合酸の質量比は1/(0.1〜20)が好ましく、1/(0.5〜10)がより好ましく、更に好ましくは1/(1〜10)である。
工程(a)における、式(2)で表されるヘテロ環アミンに対する酸の添加量は質量比で1〜100倍であり、より好ましくは2〜50倍であり、3〜25倍が更に好ましい。質量比が1倍以上であると、攪拌性が良化し、より確実にジアゾニウム化合物を誘導できる。一方、質量比が100倍以下になると生産性が向上に経済的となる。
また、工程(a)における、式(2)で表されるヘテロ環アミンに対するジアゾ化剤の添加量は、モル比で1.0〜20倍であり、より好ましくは1.0〜10倍であり、1.0〜5倍が更に好ましい。ジアゾ化剤がアミノ化合物に対してモル比で1倍以上であることにより、ジアゾニウム化合物をより確実に誘導でき、20倍以下であることにより、副反応によりジアゾニウム化合物が分解することを抑制できる。
工程(a)のジアゾ化剤と式(2)で表されるヘテロ環アミンの混合では、50℃以下で実施されることが好ましく、40℃以下で実施されることがより好ましく、更に好ましくは30℃以下で実施することが望ましい。50℃より高い温度におけるジアゾ液の調製ではジアゾ化剤の分解が懸念される。ジアゾニウム化合物へ誘導する攪拌時間は0.3〜10時間が好ましく、0.5〜5時間がより好ましく、更に好ましくは1〜3時間である。上記攪拌時間が0.3時間以上であることにより、ジアゾニウム化合物に完全に誘導しやすく、10時間以下であることにより、ジアゾニウム化合物の分解が生じにくい。また、混合には通常の攪拌機が用いられ、特に限定はない。製造設備に依存することはあるが、好ましい攪拌の回転数は、30〜300rpmが好ましく、40〜200rpmがより好ましく、更に好ましくは50〜200rpmである。攪拌速度が回転数で30rpm以上であることにより、ジアゾニウム化合物調製液の攪拌効率が良好となるため、所望の反応の進行を確実に実施できる。
工程(a)で混合することのできる溶媒は、誘導されるジアゾニウム化合物が分解を受けなければ特に限定はない。混合可能な溶媒として例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、他ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、水が挙げられる。
工程(a)におけるジアゾニウム化合物調製液の好ましいpHは、7以下が好ましく、5以下がより好ましく、3以下が更に好ましい。工程(a)におけるジアゾニウム化合物調製液のpHが7より高くなると、誘導されるジアゾニウム化合物の分解が懸念される。
次に、本発明に係わる工程(b)について詳細を説明する。
工程(b)は、前記工程(a)で得た反応生成物と式(3)で表される化合物とを混合することにより反応を行い、該反応により生成した式(1)で表されるアゾ化合物の少なくとも一部が溶解した溶液を得る工程である。
本明細書では、このアゾ化合物の少なくとも一部が溶解した溶液を「アゾ化合物溶解液」と呼ぶ。
アゾ化合物溶解液の調製方法としては、
(i)工程(a)で得た反応生成物と式(3)で表される化合物とを混合することによりカップリング反応を行い、反応の結果、析出した式(1)で表されるアゾ顔料を、溶剤に溶解させて得る方法、及び、
(ii)上記カップリング反応によって得られる式(1)で表される化合物の少なくとも一部が反応液に溶解するように、該カップリング反応を実施し、その反応液を、そのまま、アゾ化合物溶解液とする方法、又は、このようにして得られたアゾ化合物溶解液を下記に詳述する工程(c)に適用することにより得られた(晶析された)アゾ顔料を、更に溶剤に溶解させて得る方法、が挙げられる。
上記形態(i)及び(ii)のいずれにおいても、工程(a)で得たジアゾニウム化合物調製液とカップリング成分との混合の方法に特に制限はないが、該カップリング成分を溶媒に一部または全部溶解させて添加すること、あるいは溶媒を用いずに固体で添加することが好ましく、工程(a)で得たジアゾニウム化合物調製液の中に、カップリング成分の溶液を添加すること、あるいは工程(a)で得たジアゾニウム化合物調製液の中に、カップリング成分を固体で添加することが更に好ましい。
また、工程(b)における式(3)で表される化合物に対する前記工程(a)で得たジアゾニウム化合物調製液中のジアゾニウム化合物の量は、式(3)で表される化合物のカップリング位に対し0.8〜3当量が好ましく、より好ましくはカップリング位に対し0.9〜2当量であり、更に好ましくはカップリング位に対し0.95〜1.5当量である。0.8当量以上であることにより、未反応のカップリング位をもつカップリング成分の残存を抑制でき、また、3当量以下であることにより、未反応のジアゾニウム化合物の残存を抑制できるため、より経済的である。
なお、上記形態(ii)においては、工程(b)において式(1)で表されるアゾ化合物の少なくとも一部が溶解しているため、カップリング反応がよりスムーズに進行してより高純度のアゾ化合物を製造することができる。この理由は以下のように推測される。カップリング位が2個あるため、例えば1個のカップリング位のみが反応した反応中間体を経由する。この反応中間体が反応系で析出してしまうと、2個目のカップリング反応の反応速度が遅くなる。一方、ジアゾニウム化合物は不安定であるため、長時間経過すると分解が起こる懸念がある。したがって、カップリング反応は早く進行させてやることが重要であり、工程(b)において析出物を生成させない上記形態(ii)の製造方法は、結果として、高純度の顔料を製造するのに、より好適である。
工程(b)においては溶媒を使用せずにカップリング成分を添加しても良いが、溶媒と混合して添加することが好ましい。工程(b)においてカップリング成分に溶媒を使用する場合、特に限定はされないが、上記形態(ii)となるように、すなわち、反応後に生成した前記一般式(1)で表されるアゾ化合物の少なくとも一部が溶解した溶液が得られるような溶媒であることが好ましい。
上記形態(i)の場合、すなわち、顔料を析出させる場合、溶媒の例としては、水、有機酸、無機酸、有機溶媒を用いることができるが、特に有機溶媒が好ましく、反応時に液体分離現象を起こさず、溶媒と均一な溶液を呈する溶媒が好ましい。例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブチルアルコール、アミルアルコール等のアルコール性有機溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系有機溶媒、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール等のジオール系有機溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系有機溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル等が挙げられる、これらの溶媒は2種類以上の混合液であってもよい。
好ましくは、極性パラメータ(ET)の値が40以上の有機溶媒である。なかでも溶媒分子中に水酸基を2個以上有するグリコール系の溶媒、あるいは炭素原子数が3個以下のアルコール系溶媒、総炭素数5以下のケトン系溶媒、好ましくは炭素原子数が2以下のアルコール溶媒(例えば、メタノール、エチレングリコール)、総炭素数4以下のケトン系溶媒(例えばアセトン、メチルエチルケトン)が好ましい。またこれらの混合溶媒も含まれる。
また、上記形態(ii)の場合、すなわち、式(1)で表される化合物の少なくとも一部が反応液に溶解するようにカップリング反応を行う場合、溶媒の例としては、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸等の有機酸溶媒、硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、他ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、が挙げられる。中でも、好ましくは、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸等の有機酸溶媒、硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸溶媒であり、更に好ましくは、有機酸又は無機酸の酸性溶媒であり、最も好ましくは、酢酸、メタンスルホン酸、リン酸、硫酸である。また、上記で示した溶媒の混合溶媒も好適である。
特に上記形態(ii)の場合、工程(b)においては、カップリング成分を酸性溶媒に溶解又は懸濁させた酸性溶液と、工程(a)で得た反応生成物とを混合する、あるいはカップリング成分を、溶媒を使用せずに、工程(a)で得た反応生成物に添加するのが好ましい。とりわけ、酸性溶媒は、酢酸及び硫酸の少なくとも一方を含む溶媒であることが好ましい。
上記形態(i)及び(ii)のいずれにおいても、カップリング成分に対する好ましい溶媒の添加量は、質量比で0.5〜200倍が好ましく、1〜100倍がより好ましく、1〜50倍が更に好ましい。カップリング成分に対する好ましい溶媒量の添加量として、質量比で0.5倍未満ではカップリング成分と溶媒の製造機における攪拌が困難になり、所望の反応が進行しない。また、200倍より大きいと不経済となる。
アゾ化合物溶解液の調製方法が、上記形態(i)である場合、あるいは、上記形態(ii)であって、かつ、式(1)で表される化合物の少なくとも一部が溶解されたカップリング反応液を工程(c)に適用して得られるアゾ顔料を、更に溶剤に溶解させてアゾ化合物溶解液を調製する場合において、得られたアゾ顔料を溶解するための溶剤としては、アゾ顔料の少なくとも一部を溶解できれば特に限定されないが、上記形態(ii)において好ましいとして前掲した溶媒の例を同様に挙げることができる。
上記形態(i)、(ii)のいずれの工程をとるにせよ、工程(b)において最終的に得られるアゾ化合物溶解液としては、酸性溶液であることが好ましく、とりわけ、酢酸及び硫酸の少なくとも一方を含む溶液であることが好ましい。
工程(b)において得られるアゾ化合物溶解液としては、工程(b)によって生成したアゾ化合物の全量(アゾ化合物溶解液に溶解している式(1)で表されるアゾ化合物と、アゾ化合物溶解液から析出した式(1)で表されるアゾ顔料との総和)に対する、アゾ化合物溶解液に溶解している式(1)で表されるアゾ化合物の割合が50質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが好ましく、100質量%(工程(b)によって生成したアゾ化合物が反応液に完全に溶解している状態)であることが最も好ましく、これにより、顔料の粒子径をより低下できる傾向となる。また、アゾ化合物が溶解している割合が高いと、収率が高くなるため好ましい。
工程(b)における工程(a)のジアゾニウム化合物調製液とカップリング成分の混合温度は50℃以下で実施されることが好ましく、30℃以下で実施されることがより好ましく、更に好ましくは25℃以下で実施することが望ましい。50℃以上では工程(a)で誘導されたジアゾニウム化合物、並びに生成した式(1)で表されるアゾ化合物の分解が懸念される。また、混合には通常の攪拌機が用いられ、特に限定はない。製造設備に依存することはあるが、好ましい攪拌の回転数は、30〜400rpmが好ましく、40〜300rpmがより好ましく、更に好ましくは50〜200rpmである。攪拌速度が回転数で30rpm以下となると混合液の攪拌効率が悪くなり所望の反応の進行が懸念される。工程(b)における攪拌時間は0.1〜10時間が好ましく、0.3〜5時間がより好ましく、更に好ましくは0.3〜3時間である。0.1時間未満では完全に顔料へ誘導することが難しく、10時間より長いと式(1)で表されるアゾ化合物の分解が懸念される。
次に本発明に係わる工程(c)について詳細を説明する。
工程(c)は、前記工程(b)で得たアゾ化合物溶解液を、該アゾ化合物の溶解性が低い貧溶媒と混合して、顔料を晶析させる工程である。工程(b)で得たアゾ化合物溶解液と貧溶媒との混合の方法に特に制限はないが、工程(b)で得たアゾ化合物溶解液を貧溶媒の中に添加することが好ましく、その際に貧溶媒が攪拌された状態であることが好ましい。
攪拌速度は100〜10000rpmとすることが好ましく、150〜8000rpmとすることがより好ましく、200〜6000rpmとすることが特に好ましい。添加にはポンプ等を用いることもできる。このとき、液中添加でも液外添加でもよいが、液中添加がより好ましい。更に供給管を介してポンプで液中に連続供給することが好ましい。
貧溶媒は特に限定されないが、式(1)で表されるアゾ化合物の溶解度が1g/L以下であることが好ましく、0.1g/L以下であることがより好ましい。この溶解度は酸又はアルカリの存在下で溶解された場合の溶解度であってもよい。工程(b)で得たアゾ化合物溶解液と貧溶媒の相溶性若しくは均一混合性は、該アゾ化合物の良溶媒の貧溶媒に対する溶解量が30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。本明細書において、溶解度は25℃における溶解度を指す。
貧溶媒としては、例えば、水、塩酸、アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液等の水性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール系溶媒、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン化合物溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジクロロメタン、トリクロロエチレン等のハロゲン系溶媒、酢酸エチル、乳酸エチル、2−(1−メトキシ)プロピルアセテート等のエステル系溶媒等が挙げられ、好ましくは、水、塩酸、アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液等の水性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール系溶媒、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン化合物溶媒であり、さらに好ましくは、水、アンモニア水等の水性溶媒、炭素数1〜3のアルコール溶媒、炭素数1〜6のグリコール系溶媒、である。また、上記で示した溶媒の混合溶媒も好適である。最も好ましくは、水及び炭素数1〜3のアルコール、炭素数1〜6のグリコールからなる群から選択される1種以上の溶媒である。
工程(b)で得たアゾ化合物溶解液と貧溶媒との混合比は体積比で1/50〜2/3が好ましく、1/40〜1/2がより好ましく、1/20〜1/2が特に好ましい。体積比で2/3以下であると、顔料の晶析が充分に起こって反応収率が上がり、体積比が1/50以上であると、生産性が向上して経済的となる。
工程(b)で得たアゾ化合物溶解液と貧溶媒との混合温度には特に制限はないが、−10〜50℃で実施されることが好ましく、−5〜30℃で実施されることがより好ましく、−5〜25℃で実施されることが最も好ましい。
工程(b)で得たアゾ化合物溶解液と貧溶媒との混合にあたり、レイノルズ数を調節することにより、析出生成させる有機ナノ粒子の粒子径を制御することができる。ここでレイノルズ数は流体の流れの状態を表す無次元数であり次式で表される。
数式(1):Re=ρUL/μ
(数式(1)中、Reはレイノルズ数を表し、ρは工程(b)で得たアゾ化合物溶解液の密度[kg/m]を表し、Uはアゾ化合物溶解液と貧溶媒とが出会うときの相対速度[m/s]を表し、Lはアゾ化合物溶解液と貧溶媒が出会う部分の流路若しくは供給口の等価直径[m]を表し、μはアゾ化合物溶解液の粘性係数[Pa・s]を表す。)
等価直径Lとは、任意断面形状の配管の開口径や流路に対し等価な円管を想定するとき、その等価円管の直径をいう。等価直径Lは、配管の断面積をA、配管のぬれぶち長さ(周長)又は流路の外周をpとすると下記数式(2)で表される。
数式(2):L=4A/p
アゾ化合物溶解液と貧溶媒とが出会うときの相対速度Uは、両者が出会う部分の面に対して垂直方向の相対速度で定義される。すなわち、例えば静止している貧溶媒中にアゾ化合物溶解液を注入して混合する場合は、供給口から注入する速度が相対速度Uに等しくなる。相対速度Uの値は特に制限されないが、例えば、0.5〜100m/sとすることが好ましく、1.0〜50m/sとすることがより好ましい。
アゾ化合物溶解液の密度ρは、選択される材料の種類により定められる値であるが、例えば、0.8〜2.0kg/mであることが実際的である。また、アゾ化合物溶解液の粘性係数μについても用いられる材料や環境温度等により定められる値であるが、例えば、0.5〜100mPa・sであることが好ましく、1.0〜50.0mPa・sであることがより好ましい。
レイノルズ数の値は、小さいほど層流を形成しやすく、大きいほど乱流を形成しやすい。例えば、レイノルズ数を60以上で調節して顔料ナノ粒子の粒子径を制御して得ることができ、100以上とすることが好ましく、150以上とすることがより好ましい。レイノルズ数に特に上限はないが、例えば、100000以下の範囲で調節して制御することで所望の平均粒子径を持つ顔料粒子を制御して得ることができる。このとき、上記の範囲内においては、通常レイノルズ数を高めることで、より粒径の小さな顔料粒子を制御して得ることができる。
本発明の製造方法により得られる粗アゾ顔料粒子の1次粒子を、透過型顕微鏡で観察した際の長軸方向の長さは、1nm〜10μmであることが好ましく、5nm〜5μmであることがより好ましく、10nm〜2μmであることが更に好ましく、10nm〜1μmであることが特に好ましい。
なお、顔料粒子の粒子径に関しては、計測法により数値化して集団の平均の大きさを表現する方法があるが、よく使用されるものとして、分布の最大値を示すモード径、積分分布曲線の中央値に相当するメジアン径、各種の平均径(数平均、長さ平均、面積平均、質量平均、体積平均等)などがあり、本発明においては、特に断りのない限り、平均粒子径とは数平均粒子径をいう。
顔料粒子の粒径の測定方法としては、顕微鏡法、質量法、光散乱法、光遮断法、電気抵抗法、音響法、動的光散乱法が挙げられ、顕微鏡法、動的光散乱法が特に好ましい。顕微鏡法に用いられる顕微鏡としては、例えば、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡などが挙げられる。動的光散乱法による粒子測定装置として、例えば、日機装社製ナノトラックUPA−EX150、大塚電子社製ダイナミック光散乱光度計DLS−7000シリーズなどが挙げられる。
上記の顔料粒子の好ましい平均粒子径は、(1)工程(c)における温度、(2)貧溶媒に対するアゾ化合物の溶解度、及び、(3)攪拌速度(あるいは、レイノルズ数)を、適宜、調整することによって、達成される。
粗アゾ顔料微粒子を析出させ分散液を調製するにあたり、アゾ化合物溶解液及び貧溶媒の少なくとも一方に分散剤を含有させてもよい。このとき、アゾ化合物溶解液に分散剤を含有させることが好ましい。分散剤は(1)析出した顔料表面に素早く吸着して、微細なナノ粒子を形成し、かつ(2)これらの粒子が再び凝集することを防ぐ作用を有するものである。
分散剤としては、例えば、アニオン性、カチオン性、両イオン性、ノニオン性の低分子又は高分子分散剤を使用することができる。
高分子分散剤としては、その質量平均分子量が1000〜500000であることが好ましく、10000〜500000であることがより好ましく、10000〜100000であることが特に好ましい。
具体的には、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール−ブブンホルマール化物、ポリビニルアルコール−部分ブチラール化物、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリビニル硫酸塩、ポリ(4−ビニルピリジン)塩、ポリアミド、ポリアリルアミン塩、縮合ナフタレンスルホン酸塩、セルロース誘導体、澱粉誘導体などが挙げられる。その他、アルギン酸塩、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、アラビアゴム、トンガントゴム、リグニンスルホン酸塩などの天然高分子類も使用できる。なかでも、ポリビニルピロリドンが好ましい。これら高分子化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、また、低分子量の分散剤を組み合わせて用いてもよい。顔料の分散に用いる分散剤に関しては、「顔料分散安定化と表面処理技術・評価」(化学情報協会、2001年12月発行)の29〜46頁に詳しく記載されている。
アニオン性分散剤(アニオン性界面活性剤)としては、N−アシル−N−アルキルタウリン塩、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。なかでも、N−アシル−N−アルキルタウリン塩が好ましい。N−アシル−N−アルキルタウリン塩としては、特開平3−273067号明細書に記載されているものが好ましい。これらアニオン性分散剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
カチオン性分散剤(カチオン性界面活性剤)には、四級アンモニウム塩、アルコキシル化ポリアミン、脂肪族アミンポリグリコールエーテル、脂肪族アミン、脂肪族アミンと脂肪族アルコールから誘導されるジアミン及びポリアミン、脂肪酸から誘導されるイミダゾリン及びこれらのカチオン性物質の塩が含まれる。これらカチオン性分散剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
両イオン性分散剤は、前記アニオン性分散剤が分子内に有するアニオン基部分とカチオン性分散剤が分子内に有するカチオン基部分をともに分子内に有する分散剤である。
ノニオン性分散剤(ノニオン性界面活性剤)としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチエレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。なかでも、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルが好ましい。これらノニオン性分散剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
分散剤の含有量は、顔料100質量部に対して0.1〜1000質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜500質量部の範囲であり、更に好ましくは5〜200質量部の範囲である。また、分散剤は、単独で用いても、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
上記の製造方法によって、上記式(1)で表される化合物は粗アゾ顔料(クルード)として得られる。結晶形態のアゾ顔料を得る方法としては、後処理を行うことが望ましい。この後処理の方法としては、例えば、ソルベントソルトミリング、ソルトミリング、ドライミリング、ソルベントミリング、アシッドペースティング等の磨砕処理、溶媒加熱処理、脱溶媒和などによる顔料粒子制御工程が挙げられる。
例えば、前記工程(b)で得たアゾ化合物溶解液に貧溶媒としてメタノールを混合することによりζ型結晶形態のアゾ顔料を析出させ、ζ型結晶形態のアゾ顔料を結晶変換することによりη型結晶形態のアゾ顔料を得ることができる。
以下結晶変換について説明する。
本発明における結晶変換とは、結晶形態を変換することを表し、変換前は、非晶質であっても、変換後の結晶形態とは異なる結晶形態を有していても良い。結晶変換の方法としては、上記の後処理を挙げることができ、ソルベントソルトミリング、ソルトミリング、ドライミリング、ソルベントミリング、アシッドペースティング等の磨砕処理、溶媒加熱処理、脱溶媒和が好ましく、より好ましくは、ソルトミリング、ソルベントミリング、溶媒加熱処理、脱溶媒和であり、特に好ましくは溶媒加熱処理、脱溶媒和である。
結晶変換によれば、化合物を、非晶質な状態から結晶形態に変換するだけでなく、ある結晶形態から、異なる結晶形態に変換することもできる。
例えば、前記工程(b)で得たアゾ化合物溶解液を30%水を含有したメタノールに添加することによりγ型結晶形態のアゾ顔料を析出させることができる。γ型結晶形態のアゾ顔料を結晶変換することによりη型結晶形態のアゾ顔料を得ることができる。
また、前記工程(b)で得たアゾ化合物溶解液をメタノールに添加することによりζ型結晶形態のアゾ顔料を析出させ、ζ型結晶形態のアゾ顔料を結晶変換することによりη型結晶形態のアゾ顔料を得ることができる。
η型結晶形態のアゾ顔料の溶媒和物(好ましくはアセトン溶媒和物)を、例えば、脱溶媒和させることにより、ε型結晶形態のアゾ顔料を得ることができる。
本発明の、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の4.9°、8.8°及び13.1°に特徴的X線回折ピークを有する、下記式(1)で表されるアゾ顔料、又はその互変異性体の製造方法は、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の4.8°、9.2°、13.0°及び24.4°に特徴的X線回折ピークを有する下記式(1)で表されるアゾ化合物又はその互変異性体の溶媒和物を脱溶媒和させることを特徴とする。
式(1)
Figure 2013032413
(溶媒加熱処理)
本発明において溶媒加熱処理とは、具体的には、非晶質な式(1)で表されるアゾ化合物、又は結晶形態のアゾ顔料、その塩、水和物又は溶媒和物を溶媒中で加熱撹拌することをいう。
本発明は、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の4.8°、9.2°、13.0°及び24.4°に特徴的X線回折ピークを有する下記式(1)で表されるアゾ化合物又はその互変異性体の溶媒和物にも関する。
式(1)
Figure 2013032413
溶媒加熱処理によって、効率よく結晶変換をすることができる。
γ型及びζ型結晶形態のアゾ顔料は、前述の製造方法によって得ることができる。
溶媒加熱処理に使用される溶媒としては、結晶成長を抑制させる点から、結晶変換した後の式(1)で表されるアゾ顔料の溶解性が低い溶媒が好ましい。
γ型及びζ型結晶形態のアゾ顔料をη型結晶形態のアゾ顔料に結晶変換する際の溶媒としては、例えば、ケトン系化合物、芳香族系化合物、アセトニトリルが好ましく、その中でもアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の極性非プロトン性有機溶媒またはこれらの混合物等が挙げられ、その中でもアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、アセトニトリル、N−メチル−2−ピロリドンが好ましく、N−メチル−2−ピロリドン又はアセトンがより好ましく、アセトンが更に好ましい。上記で挙げた溶媒に、さらに無機または有機の酸または塩基を加えても良い。
溶媒加熱処理に使用する溶媒の量は、非晶質な式(1)で表されるアゾ化合物に対して1〜100倍であることが好ましく、5〜50倍であることがさらに好ましく、8〜30倍であることがより好ましい。1倍よりも少ないと、攪拌性を確保できないため好ましくない。また、100倍よりも多いと、生産性が悪くなるため、経済的ではないため、好ましくない。
溶媒加熱処理における加熱攪拌の温度は、所望する顔料の一次粒子径の大きさによって異なるが、15〜150℃が好ましく、20〜120℃であることがより好ましく、20〜100℃がさらに好ましい。15℃よりも低温では、結晶変換が起こるために長時間を要してしまい、効率的ではない。一方、150℃よりも高温では、アゾ顔料(1)の一部が分解してしまうため好ましくない。溶媒加熱処理は還流下行うことが好ましい。
結晶変換のための撹拌時間は結晶変換が起こっていれば何分でも良いが、5〜1500分が好ましく、10〜600分が更に好ましく、30〜300分がより好ましい。5分より短いと、部分的に非晶質な箇所が残存してしまう可能性があり好ましくない。一方、1500分より長いと、非効率的で好ましくない。
(脱溶媒和)
η型結晶形態のアゾ顔料を脱溶媒和することでε型結晶形態のアゾ顔料を得ることができる。
脱溶媒和させる方法としては、例えば、式(1)で表されるε型結晶形態アゾ顔料と溶媒和しない溶媒での処理、乾燥が挙げられ、好ましくは乾燥であり、熱および/または減圧下での乾燥が最も好ましい。熱を加えて乾燥させる場合、溶媒が除去される温度であれば何度でも構わないが、40℃以上が好ましく、60℃以上がさらに好ましく、60℃〜100℃がより好ましい。
(ソルベントソルトミリング)
ソルベントソルトミリングとしては、例えば、粗アゾ顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練磨砕を行うことが挙げられる。上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。当該無機塩の使用量は、粗アゾ顔料に対して3〜20質量倍とするのが好ましく、5〜15質量倍とするのがより好ましい。有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好適に使用でき、混練時の温度上昇により溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)タノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールまたはこれらの混合物が挙げられる。当該水溶性有機溶剤の使用量は、粗アゾ顔料に対して0.1〜5質量倍が好ましい。混練温度は、20〜130℃が好ましく、40〜110℃が特に好ましい。混練機としては、例えばニーダーやミックスマーラー等が使用できる。
本発明の式(1)で表されるε型結晶形態アゾ顔料は、さらに後処理を行うことができ、例えば、樹脂、界面活性剤および分散剤等による表面処理をすることができる。
上記式(1)で表されるアゾ顔料は以下の方法によっても製造できる。すなわち、下記式(2)で表されるヘテロ環アミンをジアゾニウム化し、続いて、下記式(3)で表される化合物とカップリング反応を行うことで、上記式(1)で表されるアゾ顔料を製造することができる。
Figure 2013032413
Figure 2013032413
本発明のアゾ顔料は、例えば、上記式(2)のジアゾ成分を既知の方法により調製したジアゾニウム塩を上記式(3)のカップリング成分とアゾカップリング反応させることにより合成できる。
ジアゾニウム塩調製及びカップリング反応は、慣用法によって実施できる。
式(2)のジアゾニウム塩調製は、例えば酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等)含有反応媒質中で、ニトロソニウムイオン源、例えば亜硝酸、亜硝酸塩またはニトロシル硫酸を用いる慣用のジアゾニウム塩調整方法が適用できる。
より好ましい酸の例としては、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、リン酸、硫酸を単独または併用して用いる場合が挙げられ、その中でリン酸、または酢酸と硫酸の併用系が特に好ましい。
反応媒質(溶媒)の好ましい例としては、有機酸、無機酸を用いることが好ましく、特にリン酸、硫酸、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸が好ましく、その中でも酢酸及びまたはプロピオン酸が好ましい。
好ましいニトロソニウムイオン源の例としては、上記の好ましい酸含有反応媒質中でニトロシル硫酸を用いることが安定に且つ効率的にジアゾニウム塩を調製できる。
式(2)のジアゾ成分に対する溶媒の使用量は、0.5〜50質量倍が好ましく、より好ましくは1〜20質量倍であり、特に3〜10質量倍が好ましい。
本発明において、式(2)のジアゾ成分は溶媒に分散している状態であっても、ジアゾ成分の種類によっては溶解液の状態になっていてもどちらでも良い。
ニトロソニウムイオン源の使用量はジアゾ成分に対して0.95〜5.0当量が好ましく、より好ましくは1.00〜3.00当量であり、特に1.00〜1.10当量であることが好ましい。
反応温度は、−15℃〜30℃が好ましく、より好ましくは−10℃〜10℃であり、更に好ましくは−5℃〜5℃である。−10℃未満では反応速度が顕著に遅くなり合成に要する時間が著しく長くなるため経済的でなく、また30℃を超える高温で合成する場合には、副生成物の生成量が増加するため好ましくない。
反応時間は、30分から300分が好ましく、より好ましくは30分から200分であり、更に好ましくは30分から150分である。
カップリング反応は、酸性反応媒質中〜塩基性反応媒質中で実施することができるが、本発明のアゾ顔料は酸性〜中性反応媒質中で実施することが好ましく、特に酸性反応媒質中で実施することがジアゾニウム塩の分解を抑制し効率良くアゾ顔料に誘導することができる。
反応媒質(溶媒)の好ましい例としては、有機酸、無機酸、有機溶媒を用いることができるが、特に有機溶媒が好ましく、反応時に液体分離現象を起こさず、溶媒と均一な溶液を呈する溶媒が好ましい。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブチルアルコール、アミルアルコール等のアルコール性有機溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系有機溶媒、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール等のジオール系有機溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系有機溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル等が挙げられる、これらの溶媒は2種類以上の混合液であってもよい。
好ましくは、極性パラメータ(ET)の値が40以上の有機溶媒である。なかでも溶媒分子中に水酸基を2個以上有するグリコール系の溶媒、あるいは炭素原子数が3個以下のアルコール系溶媒、好ましくは炭素原子数が2以下のアルコール溶媒(例えば、メタノール、エチレングリコール)が好ましい。またこれらの混合溶媒も含まれる。
溶媒の使用量は上記式(3)で表されるカップリング成分の1〜100質量倍が好ましく、より好ましくは1〜50質量倍であり、更に好ましくは2〜10質量倍である。
本発明において、式(1)を形成するカップリング成分は溶媒に分散している状態であっても、カップリング成分の種類によっては溶解液の状態になっていてもどちらでも良い。
カップリング成分の使用量は、アゾカップリング部位あたり、ジアゾ成分が0.95〜5.0当量が好ましく、より好ましくは1.00〜3.00当量であり、特に1.00〜1.50当量であることが好ましい。
反応温度は、−30℃〜30℃が好ましく、より好ましくは−15℃〜10℃であり、更に好ましくは−10℃〜5℃である。−30℃未満では反応速度が顕著に遅くなり合成に要する時間が著しく長くなるため経済的でなく、また30℃を超える高温で合成する場合には、副生成物の生成量が増加するため好ましくない。
反応時間は、30分から300分が好ましく、より好ましくは30分から200分であり、更に好ましくは30分から150分である。
本発明のアゾ顔料の合成方法においては、これらの反応によって得られる生成物(粗アゾ顔料)は通常の有機合成反応の後処理方法に従って処理した後、精製してあるいは精製せずに供することができる。
すなわち、例えば、反応系から遊離したものを精製せずに、あるいは再結晶、造塩等にて精製する操作を単独、あるいは組み合わせて行ない、供することができる。
また、反応終了後、反応溶媒を留去して、あるいは留去せずに水、又は氷にあけ、中和してあるいは中和せずに、遊離したものをあるいは有機溶媒/水溶液にて抽出したものを、精製せずにあるいは再結晶、晶析、造塩等にて精製する操作を単独に又は組み合わせて行なった後、供することもできる。
更に詳細に本発明のアゾ顔料の合成方法について説明する。
本発明にかかるアゾ顔料の製造方法は、上記式(2)で表されるヘテロ環アミンをジアゾニウム化したジアゾニウム化合物と、上記式(3)で表される化合物とのカップリング反応において、該式(3)の化合物を有機溶媒に溶解させた後カップリング反応を行うこが好ましい。
上記式(2)で表されるヘテロ環アミンのジアゾニウム化反応は例えば、硫酸、リン酸、酢酸などの酸性溶媒中、亜硝酸ナトリウム、ニトロシル硫酸等の試薬と15℃以下の温度で10分〜6時間程度反応させることで行うことができる。カップリング反応は、上述の方法で得られたジアゾニウム塩と上記式(3)で表される化合物とを40℃以下、好ましくは15℃以下で10分〜12時間程度反応させることで行うことが好ましい。
上述した互変異性及び/または結晶多形の制御は、カップリング反応の際の製造条件で制御することができる。ε型の結晶を製造する方法としては、例えば、上記式(3)で表される化合物を有機溶媒に一度溶解させた後カップリング反応を行う本発明の方法を用いるのが好ましい。このとき使用できる有機溶媒としては、例えば、アルコール溶媒が挙げられる。アルコール溶媒の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等が好ましく、その中でもメタノールが特に好ましい。
別のアゾ顔料の製造方法は、前記式(2)で表されるヘテロ環アミンをジアゾニウム化したジアゾニウム化合物と、前記式(3)で表される化合物とのカップリング反応において、極性非プロトン性溶媒の存在下カップリング反応を行うことを特徴とする。
極性非プロトン性溶媒の存在下カップリング反応を行う方法によっても、ε型の結晶を効率よく製造することができる。極性非プロトン性溶媒の例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、及びこれらの混合溶媒等が挙げられる。これらの溶媒を用いる場合、上記式(3)の化合物は溶媒に完溶していても完溶していなくてもよい。
上記の製造方法によって、上記式(1)で表される化合物はζ型結晶形態のアゾ顔料として得られる。ε型結晶形態のアゾ顔料を得る方法としては、前述した後処理を行うことが好ましい。例えば、ζ型結晶形態のアゾ顔料又はγ型結晶形態のアゾ顔料を溶媒加熱処理してη型結晶形態のアゾ顔料を得て、該η型結晶形態のアゾ顔料を脱溶媒和させる方法が挙げられる。溶媒加熱処理及び脱溶媒和は前述した方法で行うことができる。
〔顔料分散物〕
本発明の顔料分散物は、本発明のアゾ顔料を少なくとも1種を含むことを特徴とする。これにより、色彩的特性、耐久性及び分散安定性に優れた顔料分散物とすることができる。
本発明の顔料分散物は、水系であっても非水系であってもよいが、水系の顔料分散物であることが好ましい。本発明の水系顔料分散物において顔料を分散する水性の液体は、水を主成分とし、所望により親水性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。前記親水性有機溶剤としては,例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートトリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコール誘導体、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン等のアミン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
更に、本発明の水系顔料分散物には水性樹脂を含んでいてもよい。水性樹脂としては、水に溶解する水溶解性の樹脂,水に分散する水分散性の樹脂,コロイダルディスパーション樹脂、又はそれらの混合物が挙げられる。水性樹脂として具体的には、アクリル系,スチレン−アクリル系,ポリエステル系,ポリアミド系,ポリウレタン系,フッ素系等の樹脂が挙げられる。
更に、顔料の分散及び画像の品質を向上させるため、界面活性剤及び分散剤を用いてもよい。界面活性剤としては、アニオン性,ノニオン性,カチオン性,両イオン性の界面活性剤が挙げられ、いずれの界面活性剤を用いてもよいが、アニオン性、又は非イオン性の界面活性剤を用いるのが好ましい。アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩,アルキル硫酸エステル塩,アルキルベンゼンスルホン酸塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩,ジアルキルスルホコハク酸塩,アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩,アルキルリン酸塩,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩,ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩,ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物,ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩,グリセロールボレイト脂肪酸エステル,ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステル等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル,ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー,ソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル,グリセリン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンアルキルアミン,フッ素系,シリコン系等が挙げられる。
非水系顔料分散物は、前記式(1)で表される顔料を非水系ビヒクルに分散してなるものである。非水系ビヒクルに使用される樹脂は、例えば、石油樹脂、カゼイン、セラック、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、酸化ゴム、塩酸ゴム、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、乾性油、合成乾性油、スチレン/マレイン酸樹脂、スチレン/アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂塩素化ポリプロピレン、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。非水系ビヒクルとして、光硬化性樹脂を用いてもよい。
また、非水系ビヒクルに使用される溶剤としては、例えば、トルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のようなカルバミン酸エステル等が挙げられる。
本発明の顔料分散物は、上記のアゾ顔料及び水系又は非水系の媒体とを、分散装置を用いて分散することで得られる。分散装置としては、簡単なスターラーやインペラー攪拌方式、インライン攪拌方式、ミル方式(例えば、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ペイントシェイカー、アジテーターミル等)、超音波方式、高圧乳化分散方式(高圧ホモジナイザー;具体的な市販装置としてはゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、DeBEE2000等)を使用することができる。
本発明において、顔料分散物中の顔料粒子の体積平均粒子径は0.01μm〜0.2μm以下であることが好ましい。
顔料分散物中の顔料粒子の体積平均粒子径が0.01μm以上である場合には、分散物の経時安定性が増し、凝集し難く好ましい。また、粒子の体積平均粒子径が0.2μm以下である場合には、光学濃度が高くなり印画物の濃度が濃くなり、赤や緑などの混色部の色再現性が向上し、透明性が高くなり、インクジェット等で印画する際に、ノズルの目詰まりが起こりにくくなるため好ましい。
なお、顔料粒子の体積平均粒子径とは、顔料そのものの粒子径、又は色材に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒子径をいう。本発明において、顔料粒子の体積平均粒子径の測定装置には、ナノトラックUPA粒度分析計(UPA−EX150;日機装社製)を用いることができる。その測定は、顔料分散物3mlを測定セルに入れ、所定の測定方法に従って行うことができる。なお、測定時に入力するパラメーターとしては、粘度にはインク粘度を、分散粒子の密度には顔料の密度を用いる。
より好ましい体積平均粒子径は、20nm以上150nm以下であり、更に好ましくは30nm以上130nm以下であり、その中でも特に50nm以上100nm以下が最も好ましい。
ε型結晶形態アゾ顔料粒子の体積平均粒子径を上記の範囲とするには、例えば以下の方法でできる。該アゾ顔料を0.25部、オレイン酸ナトリウム0.05部、グリセリン0.5部、水4.2部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ10部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、1時間30分間分散を行うことで、体積平均粒子径が0.06〜0.10μm(60nm〜100nm)の範囲に調製が可能である。また、3時間分散を行うことで、体積平均粒子径が0.04〜0.07μm(40nm〜70nm)の範囲に調製が可能である。また、4時間分散を行うことで、体積平均粒子径が0.03〜0.06μm(30nm〜60nm)の範囲に調製が可能である。
本発明の顔料分散物に含まれる顔料の濃度は、1〜35質量%の範囲であることが好ましく、2〜25質量%の範囲であることがより好ましい。濃度が1質量%に満たないと、インクとして顔料分散物を単独で用いるときに十分な画像濃度が得られない場合がある。濃度が35質量%を超えると、分散安定性が低下する場合がある。
本発明のアゾ顔料の用途としては、画像、特にカラー画像を形成するための画像記録材料が挙げられ、具体的には、以下に詳述するインクジェット方式記録材料を始めとして、感熱記録材料、感圧記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等があり、好ましくはインクジェット方式記録材料、感熱記録材料、電子写真方式を用いる記録材料であり、更に好ましくはインクジェット方式記録材料である。
また、CCDなどの固体撮像素子やLCD、PDP等のディスプレーで用いられるカラー画像を記録・再現するためのカラーフィルター、各種繊維の染色の為の染色液にも適用できる。
本発明のアゾ顔料は、用いられる系に応じて乳化分散状態、更には固体分散状態でも使用する事が出来る。
〔着色組成物〕
本発明の着色組成物は、少なくとも一種の本発明のアゾ顔料を含有する着色組成物、又は、本発明の顔料分散物を含有する着色組成物を意味する。本発明の着色組成物は、媒体を含有させることができるが、媒体として溶媒を用いた場合は特にインクジェット記録用インクとして好適である。本発明の着色組成物は、媒体として、親油性媒体や水性媒体を用いて、それらの中に、本発明のアゾ顔料を分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。本発明の着色組成物には、媒体を除いたインク用組成物も含まれる。本発明の着色組成物は、必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しうる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤(特開2003−306623号公報に記載)が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性インクの場合には、アゾ顔料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
〔インク〕
次に、インクについて説明する。
本発明においてインクは、上記で説明した本発明のアゾ顔料又は顔料分散物又は着色組成物を用いることができる。好ましくは、水溶性溶媒、水等を混合して調製される。ただし、特に問題がない場合は、前記本発明の顔料分散物をそのまま用いてもよい。
本発明におけるインクジェット記録用インクは本発明のアゾ顔料又は顔料分散物又は着色組成物を含み、本発明におけるインクをインクジェット記録用インクとして用いることもできる。
また、本発明の顔料を含有する着色組成物はインクジェット記録用インクとして好ましく用いることができる。
〔インクジェット記録用インク〕
次に、インクジェット記録用インクについて説明する。
インクジェット記録用インク(以下、「インク」という場合がある)は、上記で説明した本発明のアゾ顔料又は顔料分散物又は着色組成物を用いる。好ましくは、水溶性溶媒、水等を混合して調製される。ただし、特に問題がない場合は、前記本発明の顔料分散物をそのまま用いてもよい。
インク中の顔料分散物の含有割合は、記録媒体上に形成した画像の色相、色濃度、彩度、透明性等を考慮すると、1〜100質量%の範囲が好ましく、3〜20質量%の範囲が特に好ましく、その中でも3〜10質量%の範囲がもっとも好ましい。
インク100質量部中に、本発明の顔料を0.1質量部以上20質量部以下含有するのが好ましく、0.2質量部以上10質量部以下含有するのがより好ましく、1〜10質量部含有するのが更に好ましい。また、本発明のインクには、本発明の顔料とともに、他の顔料を併用してもよい。2種類以上の顔料を併用する場合は、顔料の含有量の合計が前記範囲となっているのが好ましい。
インクは、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。
更に、本発明におけるインクは、上記本発明におけるアゾ顔料の他に別の顔料を同時に用いることが出来る。適用できるイエロー顔料としては、例えば、C.I.P.Y.−74、C.I.P.Y.−128、C.I.P.Y.−155、C.I.P.Y.−213が挙げられ、適用できるマゼンタ顔料としては、C.I.P.V.−19、C.I.P.R.−122が挙げられ、適用できるシアン顔料としては、C.I.P.B.−15:3、C.I.P.B.−15:4が挙げられ、これらとは別に、各々任意のものを使用する事が出来る。適用できる黒色材としては、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラアゾ顔料のほか、カーボンブラックの分散物を挙げることができる。
インクに用いられる水溶性溶媒としては、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が使用される。
具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。
前記多価アルコール誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
また、前記含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が、アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類が、含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が各々挙げられる。その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等を用いることもできる。
本発明に使用される水溶性溶媒は、単独で使用しても、2種類以上混合して使用しても構わない。水溶性溶媒の含有量としては、インク全体の1質量%以上60質量%以下、好ましくは、5質量%以上40質量%以下で使用される。インク中の水溶性溶媒量が1質量%よりも少ない場合には、十分な光学濃度が得られない場合が存在し、逆に、60質量%よりも多い場合には、液体の粘度が大きくなり、インク液体の噴射特性が不安定になる場合が存在する。
本発明におけるインクの好ましい物性は以下の通りである。インクの表面張力は、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、25mN/m以上35mN/m以下である。表面張力が20mN/m未満となると記録ヘッドのノズル面に液体が溢れ出し、正常に印字できない場合がある。一方、60mN/mを超えると、印字後の記録媒体への浸透性が遅くなり、乾燥時間が遅くなる場合がある。なお、上記表面張力は、前記同様ウイルヘルミー型表面張力計を用いて、23℃、55%RHの環境下で測定した。
インクの粘度は、1.2mPa・s以上8.0mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは1.5mPa・s以上6.0mPa・s未満、更に好ましくは1.8mPa・s以上4.5mPa・s未満である。粘度が8.0mPa・sより大きい場合には、吐出性が低下する場合がある。一方、1.2mPa・sより小さい場合には、長期噴射性が悪化する場合がある。
なお、上記粘度(後述するものを含む)の測定は、回転粘度計レオマット115(Contraves社製)を用い、23℃でせん断速度を1400s-1として行った。
インクには、前記各成分に加えて、上記の好ましい表面張力及び粘度となる範囲で、水が添加される。水の添加量は特に制限は無いが、好ましくは、インク全体に対して、10質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは、30質量%以上80質量%以下である。
更に必要に応じて、吐出性改善等の特性制御を目的とし、ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、多糖類及びその誘導体、その他水溶性ポリマー、アクリル系ポリマーエマルション、ポリウレタン系エマルション、親水性ラテックス等のポリマーエマルション、親水性ポリマーゲル、シクロデキストリン、大環状アミン類、デンドリマー、クラウンエーテル類、尿素及びその誘導体、アセトアミド、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を用いることができる。
また、導電率、pHを調整するため、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等の含窒素化合物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属類の化合物、硫酸、塩酸、硝酸等の酸、硫酸アンモニウム等の強酸と弱アルカリの塩等を使用することができる。
その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、等も添加することができる。
〔インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びインクジェット記録用インクタンク〕
インクジェット記録方法は、インクジェット記録用インクを用い、記録信号に応じて記録ヘッドから記録媒体表面にインクを吐出して、記録媒体表面に画像を形成する方法である。
また、インクジェット記録装置は、インクジェット記録用インクを用い、インク(必要により処理液)を記録媒体表面に吐出する記録ヘッドを備え、記録媒体表面に前記インクを記録ヘッドから吐出することにより、画像を形成する装置である。なお、インクジェット記録装置は、記録ヘッドに、インクを供給することができ、かつ、インクジェット記録装置本体に対して脱着可能なインクジェット記録用インクタンク(以下、「インクタンク」と称す場合がある)を備えていてもよい。この場合、このインクジェット記録用インクタンクには、インクが収納される。
インクジェット記録装置としては、インクジェット記録用インクを用いることが可能な印字方式を備えた通常のインクジェット記録装置が利用でき、この他にも、必要に応じてインクのドライングを制御するためのヒーター等を搭載していたり、中間体転写機構を搭載し、中間体にインク及び処理液を吐出(印字)した後、紙等の記録媒体に転写する機構を備えたものであってもよい。
また、インクジェット記録用インクタンクは、記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置に対して脱着可能であり、インクジェット記録装置に装着した状態で、記録ヘッドにインクを供給できる構成を有するものであれば、従来公知のインクタンクが利用できる。
インクジェット記録方法(装置)は、滲み及び色間滲みの改善効果という観点から熱インクジェット記録方式、又は、ピエゾインクジェット記録方式を採用することが好ましい。熱インクジェット記録方式の場合、吐出時にインクが加熱され、低粘度となっているが、記録媒体上でインクの温度が低下するため、粘度が急激に大きくなる。このため、滲み及び色間滲みに改善効果がある。一方、ピエゾインクジェット方式の場合、高粘度の液体を吐出することが可能であり、高粘度の液体は記録媒体上での紙表面方向への広がりを抑制することが可能となるため、滲み、及び、色間滲みに改善効果がある。
インクジェット記録方法(装置)において、インクの記録ヘッドへの補給(供給)は、インク液体が満たされたインクタンク(必要により処理液タンクを含む)から行われることがよい。このインクタンクは、装置本体に脱着可能なカートリッジ方式であることがよく、このカートリッジ方式のインクタンクを交換することで、インクの補給が簡易に行われる。
[カラートナー]
カラートナー100質量部中のアゾ顔料の含有量は特に制限がないが、0.1質量部以上含有するのが好ましく、1〜20質量部がより好ましく、2〜10質量部含有するのが最も好ましい。アゾ顔料を導入するカラートナー用バインダー樹脂としては一般に使用される全てのバインダーが使用出来る。例えば、スチレン系樹脂・アクリル系樹脂・スチレン/アクリル系樹脂・ポリエステル樹脂等が挙げられる。
トナーに対して流動性向上、帯電制御等を目的として無機微粉末、有機微粒子を外部添加しても良い。表面をアルキル基含有のカップリング剤等で処理したシリカ微粒子、チタニア微粒子が好ましく用いられる。なお、これらは数平均一次粒子径が10〜500nmのものが好ましく、更にはトナー中に0.1〜20質量%添加するのが好ましい。
離型剤としては、従来使用されている離型剤は全て使用することができる。具体的には、低分子量ポリプロピレン・低分子量ポリエチレン・エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン類、マイクロクリスタリンワックス・カルナウバワックス・サゾールワックス・パラフィンワックス等があげられる。これらの添加量はトナー中に1〜5質量%添加することが好ましい。
荷電制御剤としては、必要に応じて添加しても良いが、発色性の点から無色のものが好ましい。例えば4級アンモニウム塩構造のもの、カリックスアレン構造を有するものなどがあげられる。
キャリアとしては、鉄・フェライト等の磁性材料粒子のみで構成される非被覆キャリア、磁性材料粒子表面を樹脂等によって被覆した樹脂被覆キャリアのいずれを使用してもよい。このキャリアの平均粒径は体積平均粒子径で30〜150μmが好ましい。
トナーが適用される画像形成方法としては、特に限定されるものではないが、例えば感光体上に繰り返しカラー画像を形成した後に転写を行い画像を形成する方法や、感光体に形成された画像を逐次中間転写体等へ転写し、カラー画像を中間転写体等に形成した後に紙等の画像形成部材へ転写しカラー画像を形成する方法等があげられる。
[感熱記録(転写)材料]
感熱記録材料は、支持体上に本発明のアゾ顔料をバインダーとともに塗設したインクシート、及び画像記録信号に従ってサーマルヘッドから加えられた熱エネルギーに対応して移行してきた顔料を固定する受像シートから構成される。インクシートは、本発明のアゾ顔料をバインダーと共に溶媒中に微粒子状に分散させることによってインク液を調製し、該インクを支持体上に塗布して適宜に乾燥することにより形成することができる。支持体上のインクの塗布量は特に制限するものではないが、好ましくは30〜1000mg/mである。好ましいバインダー樹脂、インク溶媒、支持体、更には受像シートについては、特開平7−137466号に記載されたものを好ましく用いることができる。
該感熱記録材料をフルカラー画像記録が可能な感熱記録材料に適用するには、シアン画像を形成することができる熱拡散性シアン色素を含有するシアンインクシート、マゼンタ画像を形成することができる熱拡散性マゼンタ色素を含有するマゼンタインクシート、イエロー画像を形成することができる熱拡散性イエロー色素を含有するイエローインクシートを支持体上に順次塗設して形成する事が好ましい。また、必要に応じて他に黒色画像形成物質を含むインクシートが更に形成されていても良い。
[カラーフィルター]
カラーフィルターの形成方法としては、初めにフォトレジストによりパターンを形成し、次いで染色する方法、或いは特開平4−163552号、特開平4−128703号、特開平4−175753号公報で開示されているように色素を添加したフォトレジストによりパターンを形成する方法がある。本発明の色素をカラーフィルターに導入する場合に用いられる方法としては、これらのいずれの方法を用いても良いが、好ましい方法としては、特開平4−175753号や特開平6-35182号に記載されたところの、熱硬化性樹脂、キノンジアジド化合物、架橋剤、色素及び溶剤を含有してなるポジ型レジスト組成物、並びに、それを基体上に塗布後、マスクを通して露光し、該露光部を現像してポジ型レジストパターンを形成させ、上記ポジ型レジストパターンを全面露光し、次いで露光後のポジ型レジストパターンを硬化させることからなるカラーフィルターの形成方法を挙げる事ができる。又、常法に従いブラックマトリックスを形成させ、RGB原色系あるいはY、M、C補色系カラーフィルターを得ることができる。カラーフィルターの場合も本発明のアゾ顔料の使用量の制限はないが0.1〜50質量%が好ましい。
この際使用する熱硬化性樹脂、キノンジアジド化合物、架橋剤、及び溶剤とそれらの使用量については、前記特許文献に記載されているものを好ましく使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例中、「部」とは質量部を表す。
ε型結晶形態アゾ顔料のX線回折の測定は、日本工業規格JISK0131(X線回析分析通則)に準じて、粉末X線回折測定装置RINT2500(株式会社リガク製)にてCuKα線を用い、次の条件で行ったものである。
使用測定器:Rigaku社製 自動X線回折装置RINT2500
X線管球:Cu
管電圧:55KV
管電流:280mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:6deg./min
サンプリング間隔:0.100deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):55deg.
ダイバージェンススリット:2deg.
スキャッタリングスリット:2deg.
レシービングスリット:0.6mm
縦型ゴニオメータ使用
[合成例1]ε型結晶形態アゾ顔料(1)−1の合成
50gの酢酸、8gの硫酸からなる混合溶媒に43%ニトロシル硫酸溶液16.2gを20分かけて加えた。この溶液を3℃まで冷却し、下記式(2)で表される化合物11.55gを粉末で添加しジアゾ化反応を行った。同温度で1時間攪拌後、余分のニトロシル硫酸を尿素0.094gで失活させ、ジアゾニウム化合物調製液を得た。
この上述のジアゾニウム化合物調製液の中に下記式(3)で表される化合物10gを粉体にて5℃以下で分割添加した。添加終了後、20℃へ昇温し2時間反応させてアゾ化合物溶解液を得た。なお、カップリング反応中、顔料の析出は見られず、アゾ化合物溶解液は、得られたアゾ化合物を完全に溶解している状態であった。
メタノール150mLからなる貧溶媒を用意し5℃、200rpmで攪拌した。この貧溶媒中に上述のアゾ化合物溶解液を滴下した。
そのまま15分攪拌後、生成した結晶を濾別し、下記式(1)で表されるζ型結晶形態のアゾ顔料(1)−1を得た。
得られたζ型結晶を水200mLに懸濁させ、28%アンモニア水を加えてpHを6.0に調製した。析出している結晶(ζ型)を濾別し、水で十分にかけ洗いを行い、60℃で24時間乾燥させた。得られた結晶(ζ型)をアセトン200mLに懸濁させ、昇温して還流下2時間攪拌した。室温まで冷却し、結晶を濾別し、下記式(1)で表されるη型結晶形態のアゾ顔料を得た。得られた結晶をアセトンで十分にかけ洗いを行い、60℃にて24時間乾燥させてε型結晶形態アゾ顔料(1)−1を18.9g得た。
得られたζ型結晶形態アゾ顔料(1)−1を透過型顕微鏡(日本電子(株)製:JEM−1010電子顕微鏡)で目視にて観察したところ、1次粒子の長軸方向の長さは、約15μmであった。
ζ型結晶形態顔料(1)−1のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が6.6°、9.2°、10.3°、21.4°および25.6°に特徴的なX線回折ピークを示した。
CuKα特性X線回折図を図1に示す。
得られたε型結晶形態アゾ顔料(1)−1を透過型顕微鏡(日本電子(株)製:JEM−1010電子顕微鏡)で目視にて観察したところ、1次粒子の長軸方向の長さは、約25μmであった。
ε型結晶形態顔料(1)−1のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.9°、6.5°、8.8°、9.7°及び13.1°に特徴的なX線回折ピークを示した。
CuKα特性X線回折図を図2に示す。
[合成例2] ε型結晶形態アゾ顔料(1)−2の合成
下記(2)で表される化合物67.5gをリン酸530mLに溶解させ、氷冷して内温を3℃まで冷却した。内温が4℃以下になるように15分間かけて亜硝酸ナトリウム26.9gを分割して添加した。添加終了後、同温度にて50分間攪拌し、尿素18.6gを分割して添加し、ジアゾニウム塩溶液を得た。別に下記(3)で表される化合物47.9gをメタノール1680mLに加え、還流下完溶させた。氷冷して内温を0℃まで冷却し、ここに上述のジアゾニウム塩溶液を内温が10℃以下になるように30分かけて添加した。内温5℃にて1時間30分攪拌した後、水1.6Lに添加し、30分間攪拌した。析出している結晶を濾別し、水1Lでかけ洗った。得られた結晶を水2.5Lに懸濁させ、28%アンモニア水を加えてpHが6.1になるように調製した。結晶を濾別し、水で十分にかけ洗いを行い、60℃で24時間乾燥させ、下記式(1)で表されるγ型結晶形態アゾ顔料(1)−2を得た。得られたγ型結晶形態アゾ顔料(1)−2をアセトン1.5Lに懸濁させ、昇温して還流下2時間攪拌した。結晶を熱時にて濾別して、アセトンで十分かけ洗いを行い、η型結晶形態アゾ顔料(1)−2を得た。得られたη型結晶形態アゾ顔料(1)−2を80℃にて15時間乾燥させ、下記式(1)で表されるε型結晶形態アゾ顔料(1)−2を98.5g得た。
得られたγ型結晶形態アゾ顔料(1)−2を透過型顕微鏡(日本電子(株)製:JEM−1010電子顕微鏡)で目視にて観察したところ、1次粒子の長軸方向の長さは、約2μmであった。
γ型結晶形態顔料(1)−2のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が5.9°、7.0°及び8.9°に特徴的なX線回折ピークを示した。
CuKα特性X線回折図を図3に示す
得られたη型結晶形態アゾ顔料(1)−2を透過型顕微鏡(日本電子(株)製:JEM−1010電子顕微鏡)で目視にて観察したところ、1次粒子の長軸方向の長さは、約15μmであった。
η型結晶形態顔料(1)−2のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、6.5°、9.2°、9.7°、13.0°及び24.4°に特徴的なX線回折ピークを示した。
CuKα特性X線回折図を図4に示す。
得られたε型結晶形態アゾ顔料(1)−2を透過型顕微鏡(日本電子(株)製:JEM−1010電子顕微鏡)で目視にて観察したところ、1次粒子の長軸方向の長さは、約15μmであった。
ε型結晶形態顔料(1)−2のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.9°、6.5°、8.8°、9.7°、13.1°、19.7°及び25.2°に特徴的なX線回折ピークを示した。
CuKα特性X線回折図を図5に示す。
〔合成例3〕
下記(2)で表される化合物5.8gを12N塩酸50mLに溶解し、氷冷して内温を−5℃まで冷却した。0℃以下になるように亜硝酸ナトリウム2.21gが溶解した水30mLを滴加した。内温0℃にて1時間攪拌し、尿素0.5gを分割して加え、ジアソニウム塩溶液を得た。別に下記(3)で表される化合物5gを酢酸40mLに加え、内温50℃にて完溶させ、内温20℃まで冷却し、上述のジアゾニウム塩溶液に内温が5℃以下になるように滴加した。滴下終了後、内温10℃まで昇温し、同温度にて3時間攪拌した。析出している結晶を濾別し、水500mLでかけ洗いを行った。得られた結晶を水200mLに懸濁させ、28%アンモニア水を加えてpHを6.2に調製した。結晶を濾別し、水で十分にかけ洗いを行った後、80℃で12時間乾燥させた。得られた結晶をアセトン100mLに懸濁させ、昇温して還流下2時間攪拌した。室温まで冷却した後、結晶を濾別しして、アセトンで十分かけ洗いを行い、60℃にて24時間乾燥させてε型結晶形態アゾ顔料(1)−3を8.5g得た。
得られたε型結晶形態アゾ顔料(1)−3を透過型顕微鏡(日本電子(株)製:JEM−1010電子顕微鏡)で目視にて観察したところ、1次粒子の長軸方向の長さは、約20μmであった。
ε型結晶形態顔料(1)−3のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.9°、6.5°、8.8°、9.7°、13.1°、19.7°及び25.2°に特徴的なX線回折ピークを示した。
CuKα特性X線回折図を図6に示す。
〔比較合成例1〕非晶質なアゾ化合物(1)−4の合成
50gの酢酸、8gの硫酸からなる混合溶媒に43%ニトロシル硫酸溶液16.2gを20分かけて加えた。この溶液を3℃まで冷却し、下記式(2)で表される化合物11.55gを粉末で添加しジアゾ化反応を行った。同温度で1時間攪拌後、余分のニトロシル硫酸を尿素0.094gで失活させ、ジアゾニウム化合物調製液を得た。
この上述のジアゾニウム化合物調製液の中に下記式(3)で表される化合物10gを粉体にて5℃以下で分割添加した。添加終了後、20℃へ昇温し3時間反応させてアゾ化合物溶解液を得た。なお、カップリング反応中、顔料の析出は見られず、アゾ化合物溶解液は、得られたアゾ化合物を完全に溶解している状態であった。
水150mLからなる貧溶媒を用意し5℃、200rpmで攪拌した。この貧溶媒中に上述のアゾ化合物溶解液を滴下した。
そのまま15分攪拌後、析出している固体を濾別した。
得られた固体を水200mLに懸濁させ、28%アンモニア水を加えてpHを6.0に調製した。結晶を濾別し、水で十分にかけ洗いを行い、非晶質なアゾ化合物(1)−4を23.0g(収率92.8%)得た。
得られた非晶質なアゾ化合物(1)−4を透過型顕微鏡(日本電子(株)製:JEM−1010電子顕微鏡)で目視にて観察したところ、1次粒子の長軸方向の長さは、約500nmであった。
非晶質なアゾ化合物(1)−4のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、特徴的なX線回折ピークが確認できなかった。
CuKα特性X線回折図を図7に示す。
〔比較合成例2〕非晶質なアゾ化合物(1)−5の合成
50gの酢酸、8gの硫酸からなる混合溶媒に43%ニトロシル硫酸溶液16.2gを20分かけて加えた。この溶液を3℃まで冷却し、下記式(2)で表される化合物11.55gを粉末で添加しジアゾ化反応を行った。同温度で1時間攪拌後、余分のニトロシル硫酸を尿素0.094gで失活させ、ジアゾニウム化合物調製液を得た。
この上述のジアゾニウム化合物調製液の中に下記式(3)で表される化合物10gを粉体にて5℃以下で分割添加した。添加終了後、20℃へ昇温し4時間反応させてアゾ化合物溶解液を得た。なお、カップリング反応中、顔料の析出は見られず、アゾ化合物溶解液は、得られたアゾ化合物を完全に溶解している状態であった。
水150mLからなる貧溶媒を用意し5℃、200rpmで攪拌した。この貧溶媒中に上述のアゾ化合物溶解液を滴下した。
そのまま15分攪拌後、析出している固体を濾別した。
得られた固体を水200mLに懸濁させ、28%アンモニア水を加えてpHを6.0に調製した。析出している結晶を濾別し、水で十分にかけ洗いを行い、非晶質なアゾ化合物(1)−4を23.8g(収率94.3%)得た。
得られた非晶質なアゾ化合物(1)−5を透過型顕微鏡(日本電子(株)製:JEM−1010電子顕微鏡)で目視にて観察したところ、1次粒子の長軸方向の長さは、約500nmであった。
非晶質なアゾ化合物(1)−5のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、特徴的なX線回折ピークが確認できなかった。
CuKα特性X線回折図を図8に示す。
Figure 2013032413
Figure 2013032413
Figure 2013032413
〔実施例1〕顔料分散物1の作製
合成例1で合成したη型結晶形態アゾ顔料(1)−1を2.5質量部、オレイン酸ナトリウム0.5質量部、グリセリン5質量部、水42質量部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100質量部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、8時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、黄色の顔料分散物1(体積平均粒子径;Mv≒120.3nm:日機装(株)製Nanotrac150(UPA−EX150)を用いて測定)を得た。
〔実施例2〕顔料分散物2の作製
合成例2で合成したη型結晶形態アゾ顔料(1)−2を2.5質量部、オレイン酸ナトリウム0.5質量部、グリセリン5質量部、水42質量部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100質量部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、7時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、黄色の顔料分散物2(体積平均粒子径;Mv≒105.2nm:日機装(株)製Nanotrac150(UPA−EX150)を用いて測定)を得た。
〔実施例3〕顔料分散物3の作製
合成例3で合成したη型結晶形態アゾ顔料(1)−3を2.5質量部、オレイン酸ナトリウム0.5質量部、グリセリン5質量部、水42質量部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100質量部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、5時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、黄色の顔料分散物3(体積平均粒子径;Mv≒118.8nm:日機装(株)製Nanotrac150(UPA−EX150)を用いて測定)を得た。
〔比較例1〕比較顔料分散物1の作製
比較合成例1で合成した非晶質なアゾ化合物(1)−4を2.5質量部、オレイン酸ナトリウム0.5質量部、グリセリン5質量部、水42質量部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100質量部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、8時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、黄色の比較顔料分散物1(体積平均粒子径;Mv≒207.5nm:日機装(株)製Nanotrac150(UPA−EX150)を用いて測定)を得た。
〔比較例2〕比較顔料分散物2の作製
比較合成例2で合成した非晶質なアゾ化合物(1)−5を2.5質量部、オレイン酸ナトリウム0.5質量部、グリセリン5質量部、水42質量部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100質量部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、8時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、黄色の比較顔料分散物2(体積平均粒子径;Mv≒229.3nm:日機装(株)製Nanotrac150(UPA−EX150)を用いて測定)を得た。
〔比較例3〕比較顔料分散物3の作製
C.I.ピグメント・イエロー155(クラリアント社製INKJET YELLOW 4G VP2532)を2.5質量部、オレイン酸ナトリウム0.5質量部、グリセリン5質量部、水42質量部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100質量部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、3時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、黄色の比較顔料分散物3(体積平均粒子径;Mv≒83.3nm:日機装(株)製Nanotrac150(UPA−EX150)を用いて測定)を得た。
〔顔料分散物の性能評価〕
<着色力評価>
上記実施例及び比較例で得られた顔料分散物をNo.3のバーコーターを用いてエプソン社製フォトマット紙に塗布した。得られた塗布物の画像濃度を反射濃度計(X−Rite社製X−Rite938)を用いて測定し、「着色力(OD:Optical Density)」を以下の基準で評価した。ODが1.4以上の場合を○、1.2以上で1.4未満の場合を△、1.2未満の場合を×とした。結果を表1に示す。
<色相評価>
色相については、上記で得られた塗布物の色度を目視にて赤味が少なく鮮やかさが大きいものを○、赤味が若干あるものを△、赤味が無いが緑味があるものを×(不良)として評価を行った。結果を表1に示す。
<光堅牢性評価>(他の結晶型の光堅牢性の評価は以下のように統一してください)
色相評価に用いた画像濃度1.0の塗布物を作成し、フェードメーターを用いてキセノン光(99000lux;TACフィルター存在下)を28日間照射し、キセノン照射前後の画像濃度を反射濃度計を用いて測定し、色素残存率[(照射後濃度/照射前濃度)×100%]が95%以上の場合を○、80%以上95%未満の場合を△、80%未満の場合を×として評価した。結果を表1に示す。
<純度評価>
高速液体クロマトグラフィーによる測定を行い、式(1)で表されるアゾ顔料の純度を測定した。純度が95%以上を○、90%以上95%未満を△、90%未満を×として評価した。結果を表1に示す。
Figure 2013032413
上記表1の結果から、式(1)で表されるε型結晶形態アゾ顔料は、着色力、色相、耐光性及び純度に優れることがわかる。

Claims (10)

  1. CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)が4.9°、8.8°及び13.1°に特徴的X線回折ピークを有する、下記式(1)で表されるアゾ顔料、又はその互変異性体。
    式(1)
    Figure 2013032413
  2. 前記アゾ顔料が、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の4.9°、8.8°、13.1°、19.7°及び25.2°に特徴的X線回折ピークを有する、請求項1記載のアゾ顔料、又はその互変異性体。
  3. CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の4.8°、9.2°、13.0°及び24.4°に特徴的X線回折ピークを有する下記式(1)で表されるアゾ化合物又はその互変異性体の溶媒和物を脱溶媒和させることを特徴とする、
    CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の4.9°、8.8°及び13.1°に特徴的X線回折ピークを有する、下記式(1)で表されるアゾ顔料、又はその互変異性体の製造方法。
    式(1)
    Figure 2013032413
  4. 60℃以上で加熱することにより脱溶媒和を行う、請求項3記載の製造方法。
  5. 請求項3又は4に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のアゾ顔料、又はその互変異性体。
  6. CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の4.8°、9.2°、13.0°及び24.4°に特徴的X線回折ピークを有する下記式(1)で表されるアゾ化合物又はその互変異性体の溶媒和物。
    式(1)
    Figure 2013032413
  7. 請求項1又は2に記載のアゾ顔料、又はその互変異性体を含有することを特徴とする顔料分散物。
  8. 顔料分散物中の顔料粒子の体積平均粒子径が0.01μm〜0.2μmであることを特徴とする請求項7に記載の顔料分散物。
  9. 請求項1若しくは2に記載のアゾ顔料、若しくはその互変異性体又は請求項7若しくは8に記載の顔料分散物を含有することを特徴とする着色組成物。
  10. 請求項1若しくは2に記載のアゾ顔料又は請求項7若しくは8に記載の顔料分散物又は請求項9に記載の着色組成物を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
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