JP2009242542A - ポリイミド前駆体、ポリイミド前駆体樹脂組成物、及び電子部品 - Google Patents
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Abstract
Description
ポリアミック酸は、一般に酸二無水物とジアミンを溶液中で混合し合成されるが、酸無水物基とアミノ基からなる付加反応は可逆反応である為、付加反応に平行して分解反応も進行している。この付加反応は発熱反応であることから、一般にポリアミック酸は低温で保管することにより、分子量の低下を抑制している。ポリアミック酸溶液が水分を含んでいる場合、ある一定の確率で逆反応により生成した酸無水物基がその水分と反応しジカルボン酸となる。ジカルボン酸になるとアミノ基との付加反応は進行せず、その部分は失活してしまう。その為、ポリアミック酸は保管とともに分子量が低下する。(非特許文献1)
しかし、ポリアミック酸は1段階で合成が可能であるのに対して、特許文献1のようなポリアミック酸エステルは、ジハーフエステル化合物を合成しその後にジアミンとジシクロヘキシルカルボジイミドなどの縮合剤を用いて脱水縮合するため、2段階の反応になることと縮合剤を除去するための精製が必要であり、製造コストがかかるという課題がある。
さらには、エステル結合は熱分解しにくいため、300℃以上の熱処理によってポリイミド前駆体からポリイミドへとイミド化した後にも、エステル部位由来の分解残渣が残存してしまい、線熱膨張係数や湿度膨張係数などのポリイミドの特性を低下させてしまう原因となっていた。
発明者は、上記ポリイミド前駆体のヘミアセタールエステル結合について詳細に検討を行うことにより、3級のビニルエーテル化合物によって、ヘミアセタールエステル結合を介してポリイミド前駆体へと導入された保護基は、乾燥時に用いる程度の低温の加熱によって速やかに分解するため、ポリイミド前駆体の成膜時にはポリアミック酸となり得ること、且つ、イミド化のポリイミドにその分解物の残存が極めて少ないことを見出した。
これにより、保存時はカルボキシル基が保護され安定な状態であるにもかかわらず、イミド化後はほぼ純粋なポリイミドとなるポリイミド前駆体を得ることができる。
この場合の3級のビニルエーテル化合物とは、ビニルエーテル化合物のビニル基と直接結合している酸素原子と直接結合を形成している炭素原子が第3級炭素原子である化合物のことを言う。
また、ポリイミド前駆体はヘミアセタールエステル結合を有していれば、広範な構造のポリイミド前駆体を選択できる為、構造選択の幅が広い。従って、そのイミド環化物の特性を生かすことの出来る分野に広く応用される。
本発明のポリイミド前駆体においては、3級のビニルエーテル化合物を用いたため、特に反応性が良好で短時間で合成可能であり、一方で、ヘミアセタール結合の分解が塗膜の乾燥時程度の低温で行われる。
本発明に係るポリイミド前駆体は、窒素原子を含まない溶媒を選択し、ビニルエーテル化合物を含有することで、保存安定性が極めて良好となる。
従って、本発明に係るポリイミド前駆体は、窒素原子を含まない溶媒を選択し、且つ、ビニルエーテル化合物共存下の状態では、保存安定性良く保管できるにもかかわらず、ヘミアセタール結合が乾燥時の温度で分解するため、成膜後はポリアミック酸の膜を形成可能である。
本発明のポリイミド前駆体は、下記式(1)で表わされる繰り返し単位を有する。
ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸は一般に室温において加水分解されやすく分子量低下が起こることが知られている。これは、ポリアミック酸を得る重付加反応が平衡反応であることに由来するといわれている。つまり、ポリアミック酸のアミド結合は常に、酸無水物とアミノ基に解裂したり再結合したりを繰り返している。そうして系中に含まれる酸無水物基が、同じく系中の水分と反応しジカルボン酸となると、上記の平衡反応の系からはずれ、アミド結合が切れる方向へ(ポリアミック酸の分子量が小さくなる方向へ)平衡が移動するからだといわれている。
その為、同じくポリイミドの前駆体であるポリアミック酸エステルは、カルボン酸がエステル化されている為、分子鎖が切れる逆反応は進行せず、分子量の低下が見られない。
さらに保護部位には、実質的に架橋性(反応性)部位を含まない方がポリイミド前駆体を合成中のゲル化を抑制でき、さらには、膜中への残存物を抑制できるので好ましい。
すなわち、使用するビニルエーテル化合物を3級のビニルエーテル化合物とすることにより、塗膜形成時の乾燥温度でもヘミアセタールエステル結合が分解する。その為、保存時や塗布時にはヘミアセタール結合により保護されていながら、塗膜乾燥後にはポリアミック酸の膜を得ることができる。このようなポリアミック酸の膜は、例えば、その上にレジスト膜を形成してパターニングを行う場合に有効である。
また、イミド化の為の加熱の過程でよりスムーズにヘミアセタールエステル結合の分解、及び、分解物の揮発が起こり、より短時間の加熱においても最終的に得られるポリイミド膜中の保護基由来の分解物の残存成分の量をより少なく、多くの場合は実質的にゼロにすることが出来る。また、短い反応時間でヘミアセタールエステル結合を有するポリイミド前駆体を得ることができる。
それに対して、本発明のポリイミド前駆体は、ヘミアセタールエステル結合によりカルボキシル基が保護されている事により、比較的極性の低い溶媒に対しても溶解する。特にエステル結合を含む溶媒に対する溶解性が向上する。そのため、高濃度の塗膜形成用溶液を調製することも可能である。
上記式(1)において、一般に、R1は、テトラカルボン酸二無水物由来の構造であり、R2はジアミン由来の構造である。
本発明のポリイミド前駆体に適用可能な酸二無水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ビス〔(3,4−ジカルボキシ)ベンゾイル〕ベンゼン二無水物、1,4−ビス〔(3,4−ジカルボキシ)ベンゾイル〕ベンゼン二無水物、2,2−ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}プロパン二無水物、
これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
なかでも、ヘミアセタールエステル結合の安定性の観点から、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物が特に好ましい。
3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジ(3−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ジ(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1−(3−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、
1,2−ビス[2−(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2−ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、また、上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部若しくは全てをフルオロ基、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基から選ばれた置換基で置換したジアミンも使用することができる。
さらに目的に応じ、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、及びイソプロペニル基のいずれか1種又は2種以上を、上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部若しくは全てに置換基として導入しても使用することができる。
さらに、2つ以上の芳香族環が単結合により結合し、2つ以上のアミノ基がそれぞれ別々の芳香族環上に直接又は置換基の一部として結合しているジアミンが挙げられ、例えば、下記式(5)により表されるものがある。具体例としては、ベンジジン等が挙げられる。
具体例としては、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等が挙げられる。
また、最終的に得られるポリイミドを光導波路、光回路部品として用いる場合には、芳香環の置換基としてフッ素を導入すると1μm以上の波長の電磁波に対しての透過率を向上させることができる。
R5、R6、R7は、水素、または、置換または無置換のアルキル基、アリル基、アリール基が好ましい。特に原料入手の容易性から、水素であることが好ましい。また、1級、2級、3級のアミノ基や、水酸基などの活性水素を有する置換基は含まないことが好ましい。
この場合の活性水素を有する置換基とは、ヘミアセタールエステル結合と交換反応可能な置換基を示し、具体的には水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられる(化学辞典 東京化学同人)。
更に、上記式(2)のR8、R9、R10は、反応性を有するエチレン性不飽和結合などの反応性基が含まれる場合には、保存安定性が悪くなる傾向がある。さらには、イミド化後のポリイミドに分解残渣が残存しやすくなる。そのため、反応性を有する不飽和結合を含有する場合であっても少量であることが好ましく、R8、R9、R10のうち反応性基を有する有機基は35モル%以下であることが好ましい。すなわち、保護部位R8、R9及びR10の合計モル数を100モル%とした場合に、反応性基を有するR8、反応性基を有するR9及び反応性基を有するR10の合計が35モル%以下であることが好ましい。ヘミアセタールエステル結合が切断された後のR8、R9、R10の分解物をポリイミド膜中に、より残存し難くする点からは、上記式(2)のR8、R9、R10には反応性基は含有しないことが好ましい。
一方、ヘミアセタールエステル結合を得るためのビニルエーテル化合物とカルボン酸の反応は、一般に、上記式(2)中のR8〜R10が結合している炭素、すなわち、酸素原子と結合する炭素が、第1級炭素原子<第2級炭素原子<第3級炭素原子の置換基の順で高い反応率を示す。
また、塗膜形成時の乾燥温度でもヘミアセタールエステル結合が分解するため、保存及び塗布時にはヘミアセタール結合により保護されていながら、特別な操作をしなくても製膜後はポリアミック酸となった膜を得ることができる。
また、イミド化の為の加熱の過程でよりスムーズにヘミアセタールエステル結合の分解、及び、分解物の揮発が起こり、より短時間の加熱においても最終的に得られるポリイミド膜中の保護基由来の分解物の残存成分の量をより少なく、多くの場合は実質的にゼロにすることが出来る。
上述した特許文献3のような従来技術では、芳香族ポリアミック酸を溶媒中に溶解させた状態でビニルエーテル化合物と反応を行うようにしている。そのため従来は、低膨張性を実現できる、R1が上記式(3)で表わされるいずれかの構造であり且つR2が上記式(5)で表わされるいずれかの構造であるような芳香族ポリアミック酸由来の100%ヘミアセタールエステル化したポリイミド前駆体を合成できていない。
その為、上記のポリアミック酸とビニルエーテル化合物との反応は窒素原子を含有しない溶媒で行うと反応効率が良好となるが、その場合は、当初、上述のように線膨張係数が低いポリイミドを達成するポリアミック酸は完全には溶けていない場合が多い。しかし、本発明においては、ポリアミック酸の反応の進行とともにポリイミド前駆体が反応溶媒に溶解して行き、最終的には完全に溶解するようにして調製した。
なお、本発明に用いられるポリイミド前駆体は、低沸点の非アミド系溶媒に対して高い溶解性を示すので、塗布などのプロセスにおいて操作性が向上する。
しかしながら、上記式(1)で表わされる繰り返し単位の構造のうち、ヘミアセタールエステル結合が切れてカルボキシル基を有する構造となっている繰り返し単位が若干含まれている状態であっても、不純物の残留が少ないポリイミドが得られる。従って、本発明のポリイミド前駆体は、上記式(1)で表わされる繰り返し単位を70モル%以上含有することが好ましく、更に90モル%以上、より更に98モル%以上含有することが望ましい。
活性水素を含まないポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体、その他高分子化合物の例としては、ポリアミド酸エステルの繰り返し単位、ポリアミドフェノールエステルの繰り返し単位、ポリアミドフェノールエーテルの繰り返し単位、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレン、ポリエステルなどが挙げられる。
酸無水物基、または活性水素を含まない構造で末端封止する方法としては、例えば、アミン末端のポリイミド前駆体の場合は、無水酢酸でアミド化する方法や、フタル酸無水物や2,3−ナフタル酸無水物などの酸無水物で末端をアミック酸とする方法などが挙げられる。
末端が、芳香族カルボン酸であれば活性水素を持っていても、室温でビニルエーテルと反応しヘミアセタールエステル化されるので、この場合は、保存安定性を低下させない。
ここで用いている分子量とは、公知の手法により得られる分子量であり、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値が例示され、数平均分子量は1H−NMRスペクトルから求めた末端部の繰り返し単位由来のピークと非末端部の繰り返し単位由来のピークの積分比から求める方法などが例示される。
本発明のポリイミド前駆体樹脂組成物は、ビニルエーテル化合物を含有することから、保存安定性が飛躍的に向上する。
上記ポリイミド前駆体を単離すると、保存の過程で時間の経過とともに空気中の水分等の作用により加水分解され、徐々にポリアミック酸へ戻り得る。特に、比較的安定な脂肪族カルボン酸とビニルエーテル化合物からなる脂肪族ヘミアセタールエステル結合と異なり、芳香族カルボン酸とビニルエーテル化合物の反応などから得られる芳香族ヘミアセタールエステル結合は、両者を混合するだけで室温で反応が進行する反面、単体で存在すると空気中の水分などと反応し加水分解される場合が多い。
しかし、ヘミアセタールエステル結合を有するポリイミド前駆体はビニルエーテル化合物と共存させることで、加水分解によって生成したカルボン酸が、再度、ヘミアセタールエステル化される。すなわち、合成直後のヘミアセタールエステル結合を有するポリイミド前駆体と同様、実質的に全てのカルボキシル基がヘミアセタールエステル化されたポリイミド前駆体となる。その為、上記ポリイミド前駆体はビニルエーテル化合物と共存させることにより樹脂組成物としての保存安定性が良好となる。
本発明に用いられるポリイミド前駆体は3級のビニルエーテル化合物を反応させて得られる構造を有するが、3級のビニルエーテル化合物はカルボン酸との反応率が1級や2級のビニルエーテル化合物に比べて高いため、本発明に用いられるポリイミド前駆体をビニルエーテル化合物と共存させると、特に高い保存安定性を示す。
このサイクルが続くことで、空気中などから樹脂組成物中に混入した水分などが消費され、ヘミアセタールエステル結合が再生されることから、良好な溶液安定性を示す。
ビニルエーテル化合物の量が多ければ多いほど保存安定性が良好となる一方、特に芳香族骨格を多く含んだポリイミド前駆体を用いた場合には、溶解性が低下する傾向ある。
その為、保存安定性を良好にする観点では、ポリイミド前駆体樹脂組成物中の固形分が析出しない範囲でビニルエーテル化合物の量が出来るだけ多い方がよい。
本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物において、上記ポリイミド前駆体の固形分は、得られる膜の膜物性、特に膜強度や耐熱性の点から、溶剤を含む樹脂組成物全体中に、0.1重量%〜80重量%であることが好ましく、0.5重量%〜50重量%であることがさらに好ましい。固形分濃度が0.1重量%よりも小さい場合は、得られる塗膜の膜厚が薄く、表面に凹凸のある基板に対しての追従性が低下し、塗布むらが発生しやすい。一方、固形分濃度が80重量%より大きい場合は、粘度が大きくなり塗布途中での溶媒の揮発等による膜厚むらが発生しやすくなる。
また、本発明に係る樹脂組成物において、上記ポリイミド前駆体の固形分は、得られる膜物性、特に膜強度や耐熱性の点から、樹脂組成物中の溶剤と後述するビニルエーテル化合物を除いた固形分全体に対し、30重量%以上、50重量%以上含有することが好ましい。
ヘミアセタールエステル結合は、水酸基などの活性水素を有する化合物と共存するとそれらとの交換反応が起こる場合がある。通常ヘミアセタール結合はヘミアセタールエステル結合よりも安定であるため、上記ポリイミド前駆体と水酸基含有化合物が共存すると、ヘミアセタールエステル結合が水酸基により消費されポリアミック酸が生成する。つまり、上記ポリイミド前駆体は水酸基など活性な水素を有する化合物と共存させると安定性が低下する。ヘミアセタールエステル結合の分解反応の速度は、その化学構造により異なり、ヘミアセタールエステル結合を生成する反応の速度が速いほど、分解の速度も速い傾向がある。
また保存安定性を良好にする観点から、樹脂組成物中の水分含有量は1重量%以下であることが好ましく、0.1重量%以下であることがさらに好ましい。さらには、実質的に水分を含まないことがもっとも好ましい。なおここで”実質的に水を含まない”とは、水による保存安定性の低下が観察されないほど組成物中の水の含有量が少ないことをいう。具体的には、組成物中の含水率が0.005重量%未満程度、更に0.001重量%未満である状態をいう。
なおここで”酸性物質や塩基を実質的に含まない”とは、酸性物質や塩基による保存安定性の低下が観察されないほど組成物中の酸性物質や塩基の含有量が少ないことをいう。具体的には、組成物中の酸性物質又は塩基含有率が0.005重量%未満程度、更に0.001重量%未満である状態をいう。
また、ポリイミド前駆体の合成反応により得られた溶液をそのまま用い、必要に応じて他の成分を混合しても良い。
本発明の樹脂組成物に含まれるビニルエーテル化合物は、その構造の選択により、当該溶剤の代わりになる場合もある。その場合には、ポリイミド前駆体樹脂組成物を溶解、分散又は希釈するための溶剤は含まれなくても良い。
この中でも、保存安定性が高く、溶解性に優れ高濃度の溶液を調製できる観点から、ラクトン類、スルホキシド類を用いることが好ましい。
例えば、本発明の樹脂組成物から得られるポリイミドの窒素中で測定した5%重量減少温度は、250℃以上であることが好ましく、300℃以上であることがさらに好ましい。特に、はんだリフローの工程を通るような電子部品等の用途に用いる場合は、5%重量減少温度が300℃以下であると、はんだリフローの工程で発生した分解ガスにより気泡等の不具合が発生する恐れがある。
ここで、5%重量減少温度とは、熱重量分析装置を用いて重量減少を測定した時に、サンプルの重量が初期重量から5%減少した時点(換言すればサンプル重量が初期の95%となった時点)の温度である。同様に10%重量減少温度とはサンプル重量が初期重量から10%減少した時点の温度である。
ここで本発明におけるガラス転移温度は、樹脂組成物から得られるポリイミドをフィルム形状にすることが出来る場合には、動的粘弾性測定によって、tanδ(tanδ=損失弾性率(E’’)/貯蔵弾性率(E’))のピーク温度から求められる。動的粘弾性測定としては、例えば、粘弾性測定装置Solid Analyzer RSA II(Rheometric Scientific社製)によって、周波数1Hz、昇温速度5℃/minにより行うことができる。樹脂組成物から得られるポリイミドをフィルム形状にできない場合には、示差熱分析装置(DSC)のベースラインの変曲点の温度で判断する。
ここで、本発明における湿度膨張係数とは、本発明で得られる樹脂組成物から得られるポリイミドのフィルムの湿度可変機械的分析装置(S−TMA)によって求めることができる。湿度可変機械的分析装置(例えばThermo Plus TMA8310改(リガク社製))によって、温度を25℃で一定とし、湿度を20%RHの環境下でサンプルが安定となった状態で、湿度を50%Rhに変化させ、それが安定となった際のサンプル長の変化を、湿度の変化(この場合50−20の30)で割り、その値を、サンプル長で割った値が湿度膨張係数である。評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重を1g/25000μm2として得られる。
塗布方法についても、スピンコート法、ダイコート法、ディップコート法などの手法が挙げられるが、特に限定されず、公知の手法を用いることができる。本発明のパターン形成方法は、どの塗布方法で得られた膜においても用いることが出来る。
乾燥は、ホットプレートやオーブンなど、適宜、公知の加熱手法を用いることが出来る。
一般にポリアミック酸は150℃程度から徐々にイミド化が進行し、200℃以上の温度においてほぼイミド化が完了すると言われている。ただし、より高度な信頼性を求める場合には、より完全にイミド化を進行させることが必要であり、その場合は、最終的に得られるポリイミド膜のTg以上の温度での加熱が理想的である。しかし、一般には300℃〜400℃の温度で加熱すれば十分実用的な信頼性を示すポリイミド膜が得られる。
特に100℃以上の温度を加える際には、ポリイミドや基板の酸化を防止するため窒素やアルゴンなどの不活性雰囲気下で行うことが好ましい。さらに、ポリイミド中への残存物を減らすためには、減圧下で行うことが好ましい。
本発明に係るポリイミド前駆体および樹脂組成物は、耐熱性、寸法安定性、絶縁性等の特性が有効とされる広範な分野・製品、例えば、塗料又は印刷インキ、或いは、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材又は建築材料の形成材料として好適に用いられる。中でも、本発明のポリイミド前駆体樹脂組成物は、電子部品用絶縁材料として好適に用いられる。
100mlの3つ口フラスコを窒素気流下加熱し、十分乾燥させた後、空気中の水分に対して十分注意しながら、ジメチルアセトアミド溶媒で重合し、アセトンのよって再沈殿生成後、乾燥させたBPDA−ODA(3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなるポリアミック酸 NMRから求めた数平均分子量Mn=12000)の白色固体 0.99g、乾燥させたγ-ブチロラクトン5mlを投入し、tert−ブチルビニルエーテル(t−BVE) 5gを添加した。添加してから1時間後に、ポリアミック酸は完全に溶解していなかった。
乾燥させた窒素気流下、室温(25℃)で、48時間マグネティックスターラーによって撹拌した。当初は、BPDA−ODAがγ−ブチロラクトンに溶解していなかったが、反応の進行とともに固体が溶解していき、褐色の溶液となった。その後、反応液の半分を乾燥させたジエチルエーテルで再沈殿し、下記式で表されるBPDA−ODAのtert−ブチルビニルエーテル保護体(ポリイミド前駆体1)の白色固体を定量的に得た。1H−NMRによって解析を行い6.2ppm付近のヘミアセタールエステル結合の酸素と酸素の間の炭素に結合する水素のピークの積分値とジフェニルエーテルの芳香環の水素のピークの積分比より保護率(カルボキシル基に対するヘミアセタールエステル結合の反応率)が100%であることを確認した。
ポリアミック酸を、BPDA−4PPD−1ODA(酸二無水物は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用い、ジアミンはパラフェニレンジアミンと4,4‘−ジアミノジフェニルエーテルをモル比で4:1で混合し合成したポリアミック酸 NMRから求めた数平均分子量Mn=14000)、に変えた以外は、実施例1と同様の条件で、ポリイミド前駆体2の合成を行った。
実施例1と同様の条件で、用いるビニルエーテルを、下記構造式を有するVEEA(日本触媒製)を5gに変更して反応を行った。その結果、200時間後に反応液がゲル化した。
実施例1の条件で用いるビニルエーテルを、n−ブチルビニルエーテル(n−BVE)を5gに変更して反応を行ったところ、反応開始後112時間後に保護率が100%であった(比較ポリイミド前駆体2)。比較例2で半分残した反応液を比較ポリイミド前駆体樹脂組成物2とした。
実施例1の条件で用いるビニルエーテルを、シクロヘキシルビニルエーテル(CVE)を5gに変更して反応を行ったところ、反応開始後88時間後に保護率が100%であった(比較ポリイミド前駆体3)。比較例3で半分残した反応液を比較ポリイミド前駆体樹脂組成物3とした。
実施例1の条件で用いるビニルエーテルを、エチレングリコールブチルビニルエーテル(EGBVE)を5gに変更して反応を行ったところ、反応開始後112時間後に保護率が100%であった(比較ポリイミド前駆体4)。比較例4で半分残した反応液を比較ポリイミド前駆体樹脂組成物4とした。
(合成例1〜6)
実施例1と同様の手法で、下記の構造のモデル化合物1〜6を合成した。いずれの実験もゲル化は起こらず、カルボキシル基の保護率は100%であった。
上記合成例で得られたモデル化合物1〜6の2重量%重ジメチルスルホキシド溶液(非脱水)について、室温で24時間保管後のヘミアセタールエステル結合の分解率を測定した。分解率は、実施例1と同様に1H−NMRを用いて保護率を測定し、下記式により求めた。
分解率(%)=(1−保管後の保護率/調製直後の保護率)×100
3級ビニルエーテル化合物を用いたモデル化合物は、溶液中で24時間後には、低線熱膨張係数を示すようなポリイミドに対して用いられる代表的な酸二無水物であるPMDA、BPDAのいずれの骨格でも完全に分解していることが明らかとなった。
ポリイミド前駆体1、並びに、比較ポリイミド前駆体2、比較ポリイミド前駆体3および比較ポリイミド前駆体4の2重量%重ジメチルスルホキシド溶液(非脱水、ビニルエーテル化合物非含有)を用いて、加熱した際の保護率を測定した。保護率は、各温度においてNMRチューブ中において5分加熱を行ったのち、実施例1と同様に1H−NMRを用い、そのピークの積分比より求めた。加熱温度と各ポリイミド前駆体の保護率の関係を表したグラフを図1に示す。
またポリイミド前駆体1は、調製直後(精製前)は保護率が100%であったが、測定の為、共存していたビニルエーテル化合物を除去したことにより、作業中に保護基の分解が進行し、測定開始時の室温での保護率が100%ではなかった。
ポリイミド前駆体1について、窒素を50mL/minの流量で流しながら、10℃/minで昇温し熱重量減少を求めた。
その結果、300℃における重量減少が28.7%となった。脱保護及び、イミド化が完全に進行した際の理論的な重量減少28.8%に近い値となり、保護基の脱離反応とイミド化がほぼ完全に進行していることが確認された。このことから、本発明のポリイミド前駆体を用いると、分解物のポリイミド膜中への残存はなく、アウトガスや信頼性低下が起こらないことが示唆された。
ポリイミド前駆体1およびBPDA−ODAのそれぞれを、窒素雰囲気下、350℃ 1時間(室温からの昇温速度 10℃/min)で熱処理したサンプルについて、各々赤外分光スペクトルを測定したところ、ベースラインが若干ずれていたものの、主要なピークは全て同じ波数であり、ほぼ同じスペクトルを示した。
上記ポリイミド前駆体樹脂組成物1とポリイミド前駆体樹脂組成物2を、ガラス上に貼り付けたユーピレックスS 50S(商品名:宇部興産)フィルムに塗布し、80℃のホットプレート上で10分乾燥させた後、乾燥させた後、剥離し、それぞれ膜厚20μmのフィルムを得た。
同様に、BPDA−ODAおよびBPDA−4PPD−1ODAの15重量%NMP溶液をガラス上に貼り付けたユーピレックスS 50S(商品名:宇部興産)フィルムに塗布し、80℃のホットプレート上で10分乾燥させた後、剥離し、それぞれ膜厚15μmのフィルムを得た。
上記の4種のサンプルを、窒素雰囲気下、350℃ 1時間加熱し(昇温速度 10℃/分)、ポリイミド前駆体1、ポリイミド前駆体2、BPDA−ODA、BPDA−4PPD−1ODA(それぞれ厚み11μm±1μm)、それぞれのイミド化物のフィルムを得た。
その結果、ポリイミド前駆体1のイミド化後のガラス転移温度は、259℃、ポリイミド前駆体2のイミド化後のガラス転移温度は、308℃であり、BPDA−ODAのイミド化後のフィルムは、258℃、BPDA−4PPD−1ODAのイミド化後のフィルムは、308℃であった。
上記ガラス転移温度測定用に作製したフィルム4種を幅5mm×長さ20mmに切断し、評価サンプルとして用いた。線熱膨張係数は、熱機械的分析装置Thermo Plus TMA8310(リガク社製)によって測定した。測定条件は、評価サンプルの観測長を15mm、昇温速度を10℃/min、評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重を1g/25000μm2とした。
その結果、ポリイミド前駆体1のイミド化後の線熱膨張係数は、43.1ppm、ポリイミド前駆体2のイミド化後の線熱膨張係数は、19.0ppm、BPDA−ODAのイミド化後のフィルムは、43.9ppm、BPDA−4PPD−1ODAのイミド化後のフィルムは、18.9ppmであった。
上記ガラス転移温度測定用に作製したフィルム4種を幅5mm×長さ20mmに切断し、評価サンプルとして用いた。湿度膨張係数は、湿度可変機械的分析装置Thermo Plus TMA8310改(リガク社製)によって測定した。温度を25℃で一定とし、湿度を20%RHの環境下でサンプルが安定となった状態で、湿度を50%Rhに変化させ、それが安定となった際のサンプル長の変化を、湿度の変化(この場合50−20の30)で割り、その値を、サンプル長で割った値を湿度膨張係数とした。評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重を1g/25000μm2とした。
その結果、ポリイミド前駆体1のイミド化後の湿度膨張係数は、21.7ppmであり、ポリイミド前駆体2のイミド化後の湿度熱膨張係数は、11.4ppm、BPDA−ODAのフィルムは、21.8ppm、BPDA−4PPD−1ODAのイミド化後のフィルムは、11.4ppmであった。
Claims (21)
- 下記式(1)で表わされる繰り返し単位を有するポリイミド前駆体。
- 前記式(2)中のR5、R6、R7が水素である、請求項1に記載のポリイミド前駆体。
- 前記式(2)中のR8、R9、R10はそれぞれ独立に、炭素数1〜15の有機基であり、活性水素を含有しないことを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリイミド前駆体。
- 前記式(2)中のR8、R9、及びR10の少なくとも1つが、エーテル結合を含有する、請求項1乃至3のいずれかに記載のポリイミド前駆体。
- ラクトン類及びスルホキシド類より選択される1種以上の溶媒中で、当該溶媒に完全に溶解しないポリアミック酸と、ビニルエーテル化合物とを反応させて得られたものである、請求項1乃至4のいずれかに記載のポリイミド前駆体。
- ラクトン類及びスルホキシド類より選択される1種以上の溶媒中で、ポリアミック酸とビニルエーテル化合物とを、反応温度が5℃〜35℃で反応させて得られたものである、請求項1乃至5のいずれかに記載のポリイミド前駆体。
- 重量平均分子量又は数平均分子量が3000〜1000000である、請求項1乃至6のいずれかに記載のポリイミド前駆体。
- ポリマーの末端が、酸無水物基、または活性水素を含まない構造で末端封止されている、請求項1乃至7のいずれかに記載のポリイミド前駆体。
- 前記式(1)中のR1が、芳香族テトラカルボン酸二無水物由来の骨格である、請求項1乃至8のいずれかに記載のポリイミド前駆体。
- 前記請求項1乃至11のいずれかに記載のポリイミド前駆体とビニルエーテル化合物を含有する、ポリイミド前駆体樹脂組成物。
- 酸性物質、及び、アミンを実質的に含まない、請求項12に記載のポリイミド前駆体樹脂組成物。
- 更に溶媒を含み、当該溶媒100重量部に対して前記ビニルエーテル化合物が55重量部以上含まれている、請求項12又は13に記載のポリイミド前駆体樹脂組成物。
- イミド化後のガラス転移温度が260℃以上である、請求項12乃至14のいずれかに記載のポリイミド前駆体樹脂組成物。
- イミド化後の線熱膨張係数が60ppm以下である、請求項12乃至15のいずれかに記載のポリイミド前駆体樹脂組成物。
- イミド化後の湿度膨張係数が40ppm以下である、請求項12乃至16のいずれかに記載のポリイミド前駆体樹脂組成物。
- 窒素原子を含有しない溶媒を含む、請求項12乃至17のいずれかに記載のポリイミド前駆体樹脂組成物。
- 組成物中の水分含有量が1重量%以下である、請求項12乃至18のいずれかに記載のポリイミド前駆体樹脂組成物。
- 電子部品用絶縁材料として用いられる、請求項12乃至19のいずれかに記載のポリイミド前駆体樹脂組成物。
- 前記請求項1乃至11のいずれかに記載のポリイミド前駆体及び/又はその熱硬化物、或いは、前記請求項12乃至19のいずれかに記載のポリイミド前駆体樹脂組成物及び/又はその熱硬化物により少なくとも一部分が形成されている電子部品。
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