JP2009241779A - 車体の後部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】互いに対面するアウタ、インナパネルのそれぞれ幅方向の端縁部同士がスポット溶接されることによりリヤピラーが形成された車体の後部構造において、前突時の着座者からの衝撃力にリヤピラーが十分に対抗して、着座者がより確実にシート上に拘束されたままに保持されるようにする。
【解決手段】リヤピラー11が、互いに対面するアウタ、インナパネル24,25を備える。これらアウタ、インナパネル24,25のそれぞれ幅方向の端縁部26,27同士が互いにスポット溶接Sされる。インナパネル25の上部にシートベルト48掛止用のアンカー49が取り付けられる。リヤピラー11の平面断面視(図1)で、車体2の幅方向に延びるインナパネル25の一部分33aにアンカー49が取り付けられる。平面断面視(図1)におけるリヤピラー11の図心54よりも、車体2の幅方向での車体中心3側にアンカー49が取り付けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車体の後側部を構成するリヤピラーにシートベルト掛止用のアンカーを取り付けた車体の後部構造に関するものである。
車両における車体の後部構造には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、車体の後側部を構成するリヤピラーが、それぞれ上下方向に長く延びて車外側と車室側とから互いに対面するアウタ、インナパネルを備え、これらアウタ、インナパネルのそれぞれ幅方向の端縁部同士が互いにスポット溶接され、上記インナパネルの上部にシートベルト掛止用のアンカーが取り付けられている。
車両の走行時には、通常、シートに着座した着座者は上記シートベルトにより拘束された状態とされる。そして、車両の前進走行時に、その前方に位置する何らかの物体に車両が衝突(前突)したときには、着座者はその慣性力によりシート側からその前方に移動しようとする。しかし、上記慣性力は、上記シートベルト、およびこのシートベルトを掛止するアンカーを介しリヤピラーにより支持され、上記シート側からの着座者の前方移動が阻止される。つまり、着座者は上記シート上に拘束されたままに保持されて保護される。
実開昭64−44275号公報
ここで、上記従来の技術におけるリヤピラーにつき、レイアウト上、次のような「仮の構成」にすることが考えられる。即ち、上記従来の技術の第2図で示されたリヤピラーは、図面に向かって上下方向が車体の前後方向に相当するものであるが、上記「仮の構成」では、上記図面に向かっての右方を前方にする、というものである。
具体的には、上記「仮の構成」では、上記アンカーの高さにおけるリヤピラーの平面断面視で、上記アウタ、インナパネルのそれぞれ幅方向の端縁部がそれぞれ車体の幅方向に延びてこれら端縁部同士が互いにスポット溶接される。そして、車体の幅方向に延びるインナパネルの一部分に上記アンカーが取り付けられる。
ところで、上記「仮の構成」によれば、次のような問題点がある。即ち、前突時には、着座者の前方に向かう慣性力に基づき、上記シートベルト、およびアンカーを介しリヤピラーに衝撃力が与えられ、この衝撃力はこのリヤピラーにより支持される。この場合、上記したように、アウタ、インナパネルの各端縁部はそれぞれ車体の幅方向に延びていて互いにスポット溶接されているため、上記前突時には、これらスポット溶接部には主に引張応力が生じ、よって、アンカーを取り付けているインナパネルはアウタパネルから容易に剥離するおそれを生じる。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、車外側と車室側とから互いに対面するアウタ、インナパネルのそれぞれ幅方向の端縁部同士がスポット溶接されることによりリヤピラーが形成された車体の後部構造において、前突時の着座者からの衝撃力に上記リヤピラーが十分に対抗して、着座者がより確実にシート上に拘束されたままに保持されるようにすることである。
請求項1の発明は、車体2の後側部を構成するリヤピラー11が、それぞれ上下方向に長く延びて車外側と車室4側とから互いに対面するアウタ、インナパネル24,25を備え、これらアウタ、インナパネル24,25のそれぞれ幅方向の端縁部26,27同士が互いにスポット溶接Sされ、上記インナパネル25の上部にシートベルト48掛止用のアンカー49が取り付けられた車体の後部構造において、
上記アンカー49の高さにおけるリヤピラー11の平面断面視(図1)で、車体2の幅方向に延びるインナパネル25の一部分33aに上記アンカー49が取り付けられ、上記平面断面視(図1)における上記リヤピラー11の図心54よりも、車体2の幅方向での車体中心3側に上記アンカー49が取り付けられたことを特徴とする車体の後部構造である。
請求項2の発明は、上記平面断面視(図1)で、上記アウタ、インナパネル24,25の上記各端縁部26,27がそれぞれ車体2の前後方向に延びるよう形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車体の後部構造である。
請求項3の発明は、上記アウタ、インナパネル24,25の各端縁部26,27同士のスポット溶接Sにより形成された両接合体29,30のうち、車体2の幅方向での車体中心3側に位置する接合体30の基部を含み、この基部から上記アンカー49の取り付け部に至るまでの上記インナパネル25の少なくともいずれかの部位に脆弱部56を形成したことを特徴とする請求項2に記載の車体の後部構造である。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、車体の後側部を構成するリヤピラーが、それぞれ上下方向に長く延びて車外側と車室側とから互いに対面するアウタ、インナパネルを備え、これらアウタ、インナパネルのそれぞれ幅方向の端縁部同士が互いにスポット溶接され、上記インナパネルの上部にシートベルト掛止用のアンカーが取り付けられた車体の後部構造において、
上記アンカーの高さにおけるリヤピラーの平面断面視で、車体の幅方向に延びるインナパネルの一部分に上記アンカーが取り付けられ、上記平面断面視における上記リヤピラーの図心よりも、車体の幅方向での車体中心側に上記アンカーが取り付けられている。
このため、車両の前突時において、シート上の着座者の前方に向かう慣性力に基づく衝撃力は、まず、上記シートベルト、およびこのシートベルトを掛止するアンカーを介しインナパネルの一部分により支持される。この場合、このインナパネルの一部分は車体の幅方向に延びているため、このインナパネルの一部分は、その厚さ方向である前方に向かって、上記衝撃力により、容易に撓むよう塑性変形させられる。
更に、上記衝撃力により、上記アンカーが取り付けられた上記リヤピラーの車体中心側の部分が前方に引張される。すると、このリヤピラーに上記図心回りの捩りモーメントが与えられ、このリヤピラーは捩り状に塑性変形させられる。
つまり、前突時には、上記着座者からの衝撃力により、上記インナパネルの一部分が容易に撓むよう塑性変形させられると同時に、リヤピラーが捩り状に塑性変形させられる。このため、上記リヤピラーに衝撃力が与えられた当初に、上記各塑性変形により、上記衝撃力が緩和されることから、上記アウタ、インナパネルの端縁部同士のスポット溶接部が、上記衝撃力により互いに容易に剥離する、ということは防止されて、上記着座者からの衝撃力にリヤピラーが十分に対抗し、着座者はより確実にシート上に拘束されたままに保持される。
請求項2の発明は、上記平面断面視で、上記アウタ、インナパネルの上記各端縁部がそれぞれ車体の前後方向に延びるよう形成されている。
このため、上記アウタ、インナパネルのスポット溶接による各接合体の接合面は、上記衝撃力が働く方向(前方)と互いにほぼ直交する。よって、上記衝撃力により、上記接合面には主に剪断応力が生じて上記衝撃力に強固に対抗することから、この応力が主に引張応力であることに比べて、上記端縁部同士の剥離はより確実に防止される。
請求項3の発明は、上記アウタ、インナパネルの各端縁部同士のスポット溶接により形成された両接合体のうち、車体の幅方向での車体中心側に位置する接合体の基部を含み、この基部から上記アンカーの取り付け部に至るまでの上記インナパネルの少なくともいずれかの部位に脆弱部を形成している。
ここで、前記したように、前突時の衝撃力によりリヤピラーが捩り状に変形させられるとき、上記両接合体のうち、車体の幅方向での車外側の接合体においては、上記アウタパネルの端縁部にインナパネルの端縁部が圧接するよう働く。このため、上記車外側の接合体における両端縁部同士の剥離は、より確実に防止される。
一方、上記のように、リヤピラーが捩り状に変形させられるとき、この変形が上記両接合体のうち、車体の幅方向での車体中心側の接合体に及ぶことは、上記脆弱部が容易に変形することにより防止される。このため、上記車体中心側の接合体の両端縁部は車体の前後方向に延びたままに保たれることから、前記したように、前突時の衝撃力により、上記接合体の接合面には主に剪断応力が生じて、上記衝撃力に強固に対抗する。よって、上記車体中心側の接合体における両端縁部同士の剥離も、より確実に防止される。
本発明の車体の後部構造に関し、車外側と車室側とから互いに対面するアウタ、インナパネルのそれぞれ幅方向の端縁部同士がスポット溶接されることによりリヤピラーが形成された車体の後部構造において、前突時の着座者からの衝撃力に上記リヤピラーが十分に対抗して、着座者がより確実にシート上に拘束されたままに保持されるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
即ち、車体の後部構造において、車体の後側部を構成するリヤピラーが、それぞれ上下方向に長く延びて車外側と車室側とから互いに対面するアウタ、インナパネルを備える。これらアウタ、インナパネルのそれぞれ幅方向の端縁部同士が互いにスポット溶接され、上記インナパネルの上部にシートベルト掛止用のアンカーが取り付けられる。上記アンカーの高さにおけるリヤピラーの平面断面視で、車体の幅方向に延びるインナパネルの一部分に上記アンカーが取り付けられる。上記平面断面視における上記リヤピラーの図心よりも、車体の幅方向での車体中心側に上記アンカーが取り付けられる。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
図において、符号1は、自動車で例示される車両であり、矢印Frは、この車両1の進行方向の前方を示している。
上記車両1の車体2は、この車体2の幅方向の車体中心3を基準として、ほぼ左右対称形とされ、この車体2の内部が車室4とされている。また、下記する左右とは、上記車体2の前方に向かっての車体2の幅方向をいうものとする。
上記車体2は、不図示の車体フレームに支持され、上記車室4の下面を形成するフロアパネル7と、このフロアパネル7の上方に配置されて上記車室4の上面を形成するルーフパネル8と、上記車体2の左右各側部の骨格部材を構成し、前部から後方に向かって順次配置される不図示のフロントピラー、前、後センタピラー9,10、およびリヤピラー11とを備え、これら各ピラー9〜11によって、上記車体フレームにルーフパネル8が支持されている。
上記車体2の各側部において、上記フロントピラーと前センタピラー9との間にはドア開口14が形成され、このドア開口14を開閉可能に閉じるフロントドア15が設けられている。上記前、後センタピラー9,10の間にはドア開口16が形成され、このドア開口16を開閉可能に閉じるリヤドア17が設けられている。上記後センタピラー10とリヤピラー11との間にはウィンド開口18が形成され、このウィンド開口18を閉じるリヤウィンド19が設けられている。また、上記左右リヤピラー11,11の間にはバックドア開口20が形成され、このバックドア開口20を開閉可能に閉じるバックドア21が設けられている。
上記リヤピラー11は、板金製で、車体2の後側部を構成している。上記リヤピラー11は、それぞれ上下方向に長く延びて車外側と車室4側とから互いに対面するアウタ、インナパネル24,25を備えている。これらアウタ、インナパネル24,25のそれぞれ幅方向の各端縁部26,27は、それぞれ車体2の前後方向に延びるよう形成されている。上記アウタ、インナパネル24,25の各端縁部26,27は互いに重ねられ、これらを車体2の幅方向から挟む溶接ガンによりスポット溶接Sされ、二つの接合体29,30が形成されている。これら両接合体29,30のうち、一方の接合体29は、車体2の幅方向で、上記リヤピラー11の車外側の前部を構成している。また、他方の接合体30は、車体2の幅方向で、上記リヤピラー11の車体中心3側の後部を構成している。
上記アウタ、インナパネル24,25のそれぞれ幅方向の中途部32,33は互いに離間しており、これにより、上記リヤピラー11は、その長手方向の各部平面断面が剛性の大きい閉断面形状とされている。上記各接合体29,30にはそれぞれシール材35が嵌着されている。
上記リヤピラー11の平面断面視(図1)で、上記アウタパネル24の中途部32は、円弧中心が車室4側にあるように湾曲させられている。上記インナパネル25の中途部33のうち、車体2の幅方向で、車外側を構成する一部分33aは、車体中心3にほぼ直交するよう、車体2の幅方向に延びている。また、上記インナパネル25の中途部33のうち、車体中心3側を構成する他部分33bは、上記一部分33aの車体中心3側の端部から一体的に後方に延び、上記インナパネル25は全体としてL字形状をなしている。
上記リヤピラー11を補強する補強パネル37が設けられている。この補強パネル37は、上記リヤピラー11の内部に配置され、上記インナパネル25の内面に沿って延びている。上記補強パネル37の幅方向の各端縁部は、上記アウタ、インナパネル24,25の各端縁部26,27に挟まれて、それぞれ三枚重ねでスポット溶接Sされている。なお、上記補強パネル37はなくてもよい。
上記車室4の左右各側部には、それぞれフロント、リヤシート39,40が設けられている。これら各シート39,40に対し、着座者41は前方に向かって着座可能とされている。このリヤシート40は、上記フロアパネル7に支持され、着座者41が前方に向かって腰掛け可能とされるシートクッション42と、このシートクッション42の後端部側から上方に向かって突出し、上記シートクッション42上の着座者41が背もたれ可能とされるシートバック43とを備えている。
上記リヤシート40に着座した着座者41をこのリヤシート40上に拘束可能とするシートベルト装置45が設けられている。このシートベルト装置45は、上記リヤピラー11の下部に固着され、一般にELRといわれるリトラクタ46と、一端部がこのリトラクタ46に巻き取られ、他端部が上記リヤシート40の車外側の側方近傍で、上記フロアパネル7にアンカー47により固定されるシートベルト48とを備えている。
また、上記シートベルト装置45は、上記リヤピラー11のインナパネル25の上部に締結により取り付けられ、上記リトラクタ46側のシートベルト48の中途部をその長手方向に摺動可能に掛止させるショルダーアンカー49と、上記リヤシート40の車体中心3側の側方近傍で、上記フロアパネル7に連結されたバックル50と、上記アンカー47側のシートベルト48の中途部をその長手方向に摺動可能に掛止させて、上記バックル50に係脱可能に係止されるタングプレート51とを備えている。
上記ショルダーアンカー49は、上記リヤシート40の上端部とほぼ同じ高さに配置され、かつ、上記リヤシート40の車外側の側部の後方に配置されている。また、上記アンカー49は、上記リヤピラー11のインナパネル25の一部分33aに取り付けられている。また、上記アンカー49の高さにおけるリヤピラー11の平面断面視(図1)で、上記アンカー49は、上記リヤピラー11の図心54よりも車体2の幅方向での車体中心3側に取り付けられている。
上記両接合体29,30は、車体2の幅方向で、上記図心54を挟むよう配置されている。また、上記両接合体29,30のうち、車体2の幅方向で車体中心3側に位置する接合体30の基部であるアウタパネル24の部分に脆弱部56が形成されている。この脆弱部56は、上記アウタパネル24の部分を貫通する貫通孔とされ、上下に長い長孔とされている。
なお、上記脆弱部56は、上記接合体30の基部を含み、この基部から上記アンカー49の取り付け部に至るまでの上記インナパネル25の少なくともいずれかの部位に形成すればよい。具体的には、上記脆弱部56は、上記接合体30の基部であるインナパネル25の部分、このインナパネル25の上記一部分33a、このインナパネル25の上記一部分33aと他部分33bとの間の屈曲部、およびこの屈曲部近傍の上記インナパネル25の部分などに形成すればよい。また、上記脆弱部56として、単数もしくは複数のビード、種々の形状の孔や切り欠きが選択可能とされる。
上記構成によれば、アンカー49の高さにおけるリヤピラー11の平面断面視(図1)で、車体2の幅方向に延びるインナパネル25の一部分33aに上記アンカー49が取り付けられ、上記平面断面視(図1)における上記リヤピラー11の図心54よりも、車体2の幅方向での車体中心3側に上記アンカー49が取り付けられている。
このため、車両1の前突時において、リヤシート40上の着座者41の前方に向かう慣性力に基づく衝撃力Fは、まず、上記シートベルト48、およびこのシートベルト48を掛止するアンカー49を介しインナパネル25の一部分33aにより支持される。この場合、このインナパネル25の一部分33aは車体2の幅方向に延びているため、このインナパネル25の一部分33aは、その厚さ方向である前方に向かって、上記衝撃力Fにより、容易に撓むよう塑性変形させられる。
更に、上記衝撃力Fにより、上記アンカー49が取り付けられた上記リヤピラー11の車体中心3側の部分が前方に引張される。すると、このリヤピラー11に上記図心54回りの捩りモーメントMが与えられ、このリヤピラー11は捩り状に塑性変形させられる(図1中、一点鎖線)。
つまり、前突時には、上記着座者41からの衝撃力Fにより、上記インナパネル25の一部分33aが容易に撓むよう塑性変形させられると同時に、リヤピラー11が捩り状に塑性変形させられる。このため、上記リヤピラー11に衝撃力Fが与えられた当初に、上記各塑性変形により、上記衝撃力Fが緩和されることから、上記アウタ、インナパネル24,25の端縁部26,27同士のスポット溶接S部が、上記衝撃力Fにより互いに容易に剥離する、ということは防止されて、上記着座者41からの衝撃力Fにリヤピラー11が十分に対抗し、着座者41はより確実にリヤシート40上に拘束されたままに保持される。
また、前記したように、平面断面視(図1)で、上記アウタ、インナパネル24,25の上記各端縁部26,27がそれぞれ車体2の前後方向に延びるよう形成されている。
このため、上記アウタ、インナパネル24,25のスポット溶接Sによる各接合体29,30の接合面は、上記衝撃力Fが働く方向(前方)と互いにほぼ直交する。よって、上記衝撃力Fにより、上記接合面には主に剪断応力が生じて上記衝撃力Fに強固に対抗することから、この応力が主に引張応力であることに比べて、上記端縁部26,27同士の剥離はより確実に防止される。
また、上記端縁部26,27同士の互いのスポット溶接Sにより形成された両接合体29,30が、車体2の幅方向で、上記図心54を挟むよう配置されている。
このため、上記リヤピラー11の断面形状において、強度と剛性が大きくなりがちな両接合体29,30が車体2の幅方向で図心54を挟んで振り分け配置され、上記リヤピラー11の断面における各部強度がより均一とされる。よって、通常走行時におけるリヤピラー11への負荷に対し、このリヤピラー11は効果的に対抗することから、車体2の強度上、有益である。
また、前記したように、アウタ、インナパネル24,25の各端縁部26,27同士のスポット溶接Sにより形成された両接合体29,30のうち、車体2の幅方向での車体中心3側に位置する接合体30の基部を含み、この基部から上記アンカー49の取り付け部に至るまでの上記インナパネル25の少なくともいずれかの部位に脆弱部56を形成している。
ここで、前記したように、前突時の衝撃力Fによりリヤピラー11が捩り状に変形させられるとき、上記両接合体29,30のうち、車体2の幅方向での車外側の接合体29においては、上記アウタパネル24の端縁部26にインナパネル25の端縁部27が圧接するよう働く。このため、上記車外側の接合体29における両端縁部26,27同士の剥離は、より確実に防止される。
一方、上記のように、リヤピラー11が捩り状に変形させられるとき、この変形が上記両接合体29,30のうち、車体2の幅方向での車体中心3側の接合体30に及ぶことは、上記脆弱部56が容易に変形することにより防止される。このため、上記車体中心3側の接合体30の両端縁部26,27は車体2の前後方向に延びたままに保たれることから、前記したように、前突時の衝撃力Fにより、上記接合体30の接合面には主に剪断応力が生じて、上記衝撃力Fに強固に対抗する。よって、上記車体中心3側の接合体30における両端縁部26,27同士の剥離も、より確実に防止される。
なお、以上は図示の例によるが、上記アウタ、インナパネル24,25は、それぞれ断面をハット形状とし、外向きフランジ形状の各縁部をスポット溶接Sさせてもよい。
図2で示したものの後部拡大平面図である。 車両の後部側面図である。
符号の説明
1 車両
2 車体
3 車体中心
4 車室
11 リヤピラー
24 アウタパネル
25 インナパネル
26 端縁部
27 端縁部
29 接合体
30 接合体
32 中途部
33 中途部
33a 一部分
33b 他部分
40 リヤシート
41 着座者
45 シートベルト装置
48 シートベルト
49 アンカー
54 図心
56 脆弱部
F 衝撃力
M 捩りモーメント
S スポット溶接

Claims (3)

  1. 車体の後側部を構成するリヤピラーが、それぞれ上下方向に長く延びて車外側と車室側とから互いに対面するアウタ、インナパネルを備え、これらアウタ、インナパネルのそれぞれ幅方向の端縁部同士が互いにスポット溶接され、上記インナパネルの上部にシートベルト掛止用のアンカーが取り付けられた車体の後部構造において、
    上記アンカーの高さにおけるリヤピラーの平面断面視で、車体の幅方向に延びるインナパネルの一部分に上記アンカーが取り付けられ、上記平面断面視における上記リヤピラーの図心よりも、車体の幅方向での車体中心側に上記アンカーが取り付けられたことを特徴とする車体の後部構造。
  2. 上記平面断面視で、上記アウタ、インナパネルの上記各端縁部がそれぞれ車体の前後方向に延びるよう形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車体の後部構造。
  3. 上記アウタ、インナパネルの各端縁部同士のスポット溶接により形成された両接合体のうち、車体の幅方向での車体中心側に位置する接合体の基部を含み、この基部から上記アンカーの取り付け部に至るまでの上記インナパネルの少なくともいずれかの部位に脆弱部を形成したことを特徴とする請求項2に記載の車体の後部構造。
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