JP2009241415A - インクジェット記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】顔料インク印字部の白抜けの発生がなく、白紙部と顔料インク印字部の光沢差が改良されたインクジェット記録材料を提供する。
【解決手段】非吸水性支持体上に、平均二次粒径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有するインク受容層を設けたインクジェット記録材料において、インク受容層が平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料を含有し、インク受容層を形成する層形成工程において、インク受容層塗布液を塗布後、恒率乾燥域では30〜80℃の環境下で乾燥させインク受容層を形成してなり、インク受容層表面に微細な亀裂を有することを特徴とするインクジェット記録材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、顔料インク印字部の白抜けの発生がなく、白紙部と顔料インク印字部の光沢差が改良されたインクジェット記録材料に関するものである。
近年、インクジェット記録方式においてはインクジェットプリンタやプロッタのめざましい進歩により、フルカラーで高精細な画像が容易に作成できるようになっており、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による画像と比較しても遜色なく、印刷技術や写真技術よりも安価で済むことから作成部数の少ない用途においても広く使用されている。
インクジェット記録方式に使用される記録材料としては、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の無機微粒子とポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク受容層を設けてなる記録材料が知られている。
顔料として微細な無機微粒子を使用し、フォトライクな光沢を有する記録材料が知られている。例えば、二次粒子径を500nm以下まで粉砕・分散した気相法シリカや湿式法シリカ等の無機超微粒子をインク受容層の顔料成分として用いることが提案されている。例えば、特公平5−56552号、特開平10−119423号、同2000−211235号、同2000−309157号公報に気相法シリカの使用例が、特開平9−286165号、同平10−181190号公報に粉砕沈降法シリカの使用例が、特開2001−277712号に粉砕ゲル法シリカの使用例が開示されている。また、特開昭62−174183号、同平2−276670号、同平5−32037号、同平6−199034号公報等にアルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料が開示されている。上記したような微細な無機微粒子を含むインク受容層は無機微粒子の空隙にインクを吸収するためインク吸収性が優れており、近年のインクジェット記録材料に一般的に用いられている技術である。
一方、インクジェットプリンタに搭載されているインクとしては、水溶性染料を用いたインク(以下、染料インクと呼ぶ)が一般に知られているが、近年、耐候性(耐水性や耐光性)に優れることから、顔料を用いたインク(以下、顔料インクと呼ぶ)が搭載されたインクジェットプリンタが販売されている。
顔料インク搭載インクジェットプリンタで印字された印字物には、印字部と非印字部が存在することとなるが、記録材料に顔料インクで印字すると、印字部と非印字部において光沢差が生じ、違和感のある印字物になってしまうという問題(以下、白紙部と顔料インク印字部の光沢差と呼ぶ)が生じた。
上記問題を軽減する技術として、インクジェット記録用紙からも様々なアプローチがなされている。例えば、特開2001−347753号公報(特許文献1)では、マット剤を含有し、インク吸収層表面の60度鏡面光沢度を規定することで、適度な光沢性を持ち、画像の光沢ムラを軽減されたインクジェット記録用紙が開示されている。特開2004−299162号公報(特許文献2)では、表面粗さがJIS−B0601で規定されたポリオレフィン被覆紙支持体両面のそれぞれに、500nm以下の無機微粒子と1μm以上の平均粒子径を有する顔料を含有する校正用インクジェット記録材料が開示されている。上記技術では白紙部と顔料インク印字部の光沢差を十分に満足できるものではなかった。特開昭59−123696号公報(特許文献3)では、吸液性の基体に不定形の亀裂により微細に区画された多数の鱗片状皮膜を形成させることで、染料インクに対する品質の優れたインクジェット記録材を製造する技術が開示されている。上記技術では、亀裂が大きいため顔料インク印字部の一部に顔料インクが着弾せず、白く抜ける部分(以下、顔料インク印字部の白抜けと呼ぶ)が発生し、満足できるものではなかった。
特開2001−347753号公報 特開2004−299162号公報 特開昭59−123696号公報
本発明の目的は、顔料インク印字部の白抜けの発生がなく、白紙部と顔料インク印字部の光沢差が改良されたインクジェット記録材料を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって達成された。
1)非吸水性支持体上に、平均二次粒径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有するインク受容層を設けたインクジェット記録材料において、インク受容層が平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料を含有し、インク受容層を形成する層形成工程において、インク受容層塗布液を塗布後、恒率乾燥域では30〜80℃の環境下で乾燥させインク受容層を形成してなり、インク受容層表面に微細な亀裂を有することを特徴とするインクジェット記録材料。
2)前記インク受容層に含有する平均二次粒径が500nm以下の無機微粒子(Ps)と平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料(Pm)の質量比(Ps/Pm)が(100/3〜100/8)であることを特徴とする上記1)に記載のインクジェット記録材料。
本発明により、顔料インク印字部の白抜けの発生がなく、白紙部と顔料インク印字部の光沢差が改良されたインクジェット記録材料が得られる。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明ではインク受容層表面に微細な亀裂を有する。微細な亀裂を有するとはインク受容層を真上から共焦点顕微鏡で観察した際、1mm×1mmの観察部全面において亀裂で区画された10〜300μm×10〜300μmの不定形の領域が存在している状態である。亀裂で区画された10〜300μm×10〜300μmの不定形の領域の個数は、20〜80個が好ましく、30〜60個がより好ましい。亀裂幅は20〜150nmが好ましく、20〜100nmがより好ましい。上記範囲では顔料インク印字部の白抜けの発生がなく、白紙部と顔料インク印字部の光沢差が改良される。
非吸収性支持体上に形成されるインク受容層には平均二次粒径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有する。ここで主体に含有するとは、インク受容層の固形分塗布量に対して無機微粒子を50質量%以上含有することであり、より好ましくは60質量%以上含有することである。
インク受容層に主体に含有するは平均二次粒径が500nm以下の無機微粒子は、合成シリカであることが好ましい。合成シリカは製造方法によって、気相法シリカあるいは湿式法シリカに大別される。本発明のインク受容層に用いられる合成シリカは、気相法シリカであっても湿式法シリカであっても良い。
気相法シリカは、火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素および酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されており、入手することができる。
インク受容層に含有される気相法シリカの平均二次粒径は500nm以下であり、より高いインク吸収性を得るためには、平均二次粒径が30〜300nmであることが好ましく、該平均二次粒径を得るためには、平均一次粒径は3〜20nmであることが好ましい。気相法シリカの平均一次粒径とは、一次粒子が判別できる程度まで分散された粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の一次粒径として求めた平均粒径のことである。平均二次粒径は希薄分散液をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定して求めた値のことである。
湿式法シリカは、さらに製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。この方法で製造されたシリカ二次粒子は緩やかな凝集粒子となり、比較的粉砕し易い粒子が得られる。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシール、ファインシールとして市販されている。
ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。この場合、熟成中に小さなシリカ粒子が溶解し、大きな粒子の一次粒子間に一次粒子どうしを結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、水澤化学工業(株)からミズカシルとして、グレースジャパン(株)からサイロジェットとして市販されている。
沈降法シリカあるいはゲル法シリカは、通常、1μm以上の平均二次粒径を有するが、本発明では、平均二次粒径が500nm以下になるまで粉砕される。より高いインク吸収性を得るためには、平均二次粒径が300nm以下になるまで粉砕することが好ましい。粉砕された沈降法シリカあるいはゲル法シリカの平均二次粒径は希薄分散液をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定して求めた値のことである。
沈降法シリカあるいはゲル法シリカの粉砕工程は、分散媒にシリカ微粒子を添加し混合(予備分散)する一次分散工程と、該一次分散工程で得られた粗分散液中のシリカを粉砕する二次分散工程からなる。一次分散工程における予備分散は、通常のプロペラ撹拌、歯状ブレード型分散機、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌、超音波撹拌等で行うことができる。沈降法シリカあるいはゲル法シリカの粉砕方法としては、分散媒中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。湿式分散機としては、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用することができるが、本発明では特にビーズミル等のメディアミルが好ましく用いられる。
インク受容層には平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料を含有する。上記無色または白色顔料の平均粒径は1〜10μmが好ましい。平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料は単分散のものあるいは多分散のものであってもよく、その分散度(標準偏差/平均粒径)は0.2〜10のものを用いることが好ましい。平均粒径とは、上記沈降法シリカあるいはゲル法シリカと同様にレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定した値のことである。
インク受容層が含有する平均二次粒径が500nm以下の無機微粒子(Ps)と平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料(Pm)の質量比(Ps/Pm)は、(100/3〜100/8)であることが好ましく、(Ps/Pm)の質量比が(100/4〜100/6)であることがより好ましい。上記範囲では顔料インク印字部の白抜けの発生がなく、白紙部と顔料インク印字部の光沢差が改良される。
平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料は、インク受容層に均一に分布していても良いが、支持体から離れたインク受容層の上層側の2/3〜1/2に分布していることが好ましい。平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料の分布は、インクジェット記録材料の断面をランダムに5ヶ所選択し、電子顕微鏡で観察することができる。上記範囲では顔料インク印字部の白抜けの発生がなく、白紙部と顔料インク印字部の光沢差が改良される。
平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料としては、無機顔料または有機顔料が使用でき、無機顔料と有機顔料を混合して使用しても良い。無機顔料としては、例えば、ケイソウ土、クレー、焼成クレー、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、二酸化チタン被覆雲母、硫酸バリウム、モリブデンホワイト、亜鉛華、リトポン、硫化亜鉛、石膏、鉛白、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、ゼオライト、水酸化マグネシウム、酸化チタン、合成シリカ等が挙げられる。 有機顔料としては、例えば、塩化ビニル系、スチレン系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、エチレン系、塩化ビニル−酢酸ビニル系、塩化ビニル−塩化ビニリデン系、塩化ビニル−アクリル系、スチレン−ブタジエン系、スチレン−アクリル系等が挙げられる。好ましく使用されるのは合成シリカである。
インク受容層の固形分塗布量は、5〜30g/m2が好ましく、10〜25g/m2の範囲がより好ましい。
インク受容層は、皮膜としての特性を維持するためと、透明性が高くインクのより高い浸透性を得るために親水性の樹脂バインダーが用いられる。樹脂バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸エステル系やそれらの誘導体が使用されるが、特に好ましい樹脂バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上のもの、または完全ケン化したものである。平均重合度は500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
インク受容層において、樹脂バインダーと平均二次粒径が500nm以下の無機微粒子の混合比は好ましい範囲があり、10〜30質量%の樹脂バインダーを用いるのが好ましく、特に12〜25質量%用いるのが好ましい。
インク受容層には、皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有することができる。そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01質量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることができる。そのような油滴は好ましくは樹脂バインダーに対して10〜50質量%の範囲で用いることができる。
インク受容層は、樹脂バインダーと共に硬膜剤を含有するのが好ましい。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸あるいはほう酸塩が好ましい。硬膜剤の添加量はインク受容層を構成する樹脂バインダーに対して、0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。
インク受容層には、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
インク受容層の塗布方法は、特に限定されないが、スライドビードコーター、カーテンコーター、エクストルージョンコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ブレードコーター等の塗布装置が使用することができ、スライドビードコーターを使用することが好ましい。平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料を、インク受容層の上層側の2/3〜1/2に分布させる場合は、上記の塗布装置を組み合わせ、支持体に近い下層の上に、平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料を含有する上層を、同時塗布あるいは逐次塗布することによりなし得るが、スライドビードコーターを使用し、同時塗布することが好ましい。
本発明で使用される非吸水性支持体は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアサテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及び紙と樹脂フィルムを貼り合わせたもの、基紙の両面にポリオレフィン樹脂層を被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙等である。これらの非吸水性支持体の厚みは50〜350μm、好ましくは80〜300μmのものが用いられる。
面感、質感の観点から好ましく用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙支持体(以降、ポリオレフィン樹脂被覆紙と称す)について詳細に説明する。本発明に用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙は、その含水率は特に限定しないが、カール性より好ましくは5〜9%の範囲であり、より好ましくは6〜9%の範囲である。ポリオレフィン樹脂被覆紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂被覆紙を構成する基紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは、例えば、写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。基紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この基紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
基紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
基紙を被覆するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
ポリオレフィン樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
ポリオレフィン樹脂被覆紙の主な製造方法としては、走行する基紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、基紙の両面が樹脂により被覆される。また、樹脂を基紙に被覆する前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。樹脂被覆層の厚みとしては、5〜50μmが適当である。
樹脂被覆層紙は、通常、基紙の両面に樹脂被覆層を押出機で加熱溶融し、基紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造される。この際、クーリングロールの表面形状は、そのまま樹脂被覆層の表面形状となる。本発明の樹脂被覆層紙において、インク受容層塗布面側の樹脂被覆層表面の中心線平均粗さRa値は0.05〜2μmの範囲にあることが好ましく、0.7〜2μmの範囲であることがより好ましい。ここで中心線平均粗さRa値は、JIS−B−0601の規定に定められるカットオフ値0.8mmにおける測定によって求められる。上記範囲では白紙部と顔料インク印字部の光沢差に優れる。
非吸水性支持体のインク受容層が塗設される側には、下塗り層を設けるのが好ましい。この下塗り層は、インク受容層が塗設される前に、予め非吸水性支持体の表面に塗布乾燥されたものである。この下塗り層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。これらの水溶性ポリマーの付着量は、10〜500mg/m2が好ましく、20〜300mg/m2がより好ましい。更に、下塗り層には、他に界面活性剤や硬膜剤を含有するのが好ましい。支持体に下塗り層を設けることによって、亀裂幅が150nmより大きなインク受容層塗布時のひび割れ防止に有効に働き、均一な塗布面が得られる。
インク受容層を形成する層形成工程においてインク受容層表面に微細な亀裂を設けるためには、インク受容層塗布液を塗布後、恒率乾燥域では30〜80℃の環境下で乾燥させインク受容層を形成する。インク受容層塗布液の液温は35〜45℃が好ましく、インク受容層塗布液を塗布後、恒温乾燥域では30〜80℃の環境下で乾燥させ、その際の恒率乾燥域終了時の皮膜温度は20〜50℃であることが好ましい。恒率乾燥域では30〜70℃の環境下で乾燥させ、その際の恒率乾燥域終了時の皮膜温度は20〜40℃であることがより好ましい。上記範囲では顔料インク印字部の白抜けの発生がなく、白紙部と顔料インク印字部の光沢差が改良される。
インク受容層塗布液の乾燥工程では、インク受容層塗布後、乾燥工程の初期では、水や溶剤を多く持つ皮膜中の比較的自由な水や溶剤が、時間に比例して減少する。この間を恒率乾燥域と呼ぶ。恒率乾燥域の確認方法としては、例えば、乾燥域の各領域に含水量計、例えば、赤外線を用いて分光的に水分を検出する測定機器を設置し、インク受容層の皮膜の含水量を皮膜表面側からモニターすることにより得られる。また、含水量の減衰曲線からも規定することができる。
インク受容層塗布液の乾燥工程では、恒率乾燥域終了後減率乾燥域へ移行する。減率乾燥とは、皮膜中の親水性の樹脂バインダーなどとインターラクションのある水や溶剤を蒸発させるときに、蒸発潜熱の他にそのインターラクションを解くためのエネルギーも必要となる乾燥域のことである。減率乾燥域については、効率が良い乾燥環境を適宜設定すれば良い。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。尚、部とは、固形分あるいは実質成分の質量部を表す。
<非吸水性支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤とアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して0.2質量%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿して支持体の基紙とした。抄造した基紙の印字面側に密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ30μmになるように押出し、クーリングロールで冷却しながら、インク受容層塗布面側の樹脂被覆層を設けた。反対面側には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70部と密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂30部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ25μmになるようにクーリングロールで冷却しながら樹脂被覆層を設けた。この支持体のインク受容層塗布側の中心線平均粗さRa値は1.91μmであった。
上記支持体のインク受容層塗布面側に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンが50mg/m2となるように塗布乾燥した。
<下引き層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
上記支持体に下記組成のインク受容層塗布液A(塗液温度40℃)を固形分量が25g/m2になるようにスライドビードコーターで塗布し、恒率乾燥域では65℃の環境下で乾燥し(恒率乾燥域終了時における皮膜温度は35℃)、減率乾燥域では55℃の環境下で乾燥させ(減率乾燥域終了時の皮膜温度は40℃)、実施例1の記録材料を作製した。インク受容層を真上から観察した結果、1mm×1mmの観察部全面において、亀裂により不定形に区画された領域は、大きさが10〜300μm×10〜300μmの範囲にあり、個数は50個であり、亀裂幅は100nmであった。作製したインクジェット記録材料の断面をランダムに5ヶ所選択し、電子顕微鏡で観察した結果、平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料はインク受容層に均一に分布していた。
<気相法シリカ分散液>
水にジメチルジアリルアルミニウムクロライドホモポリマー(分子量:9000)3部と気相法シリカ(平均一次粒径7nm、比表面積300m2/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度20質量%の気相法シリカ分散液を作製した。なお、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置での測定による気相法シリカの平均二次粒径は80nmであった。
<インク受容層塗布液A>
気相法シリカ分散液 103部
ホウ酸 5部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
白色顔料;P78A 5部
(水澤化学工業(株)社製の湿式法シリカ、平均粒径3μm)
固形分濃度が11質量%になるように水で調整した。Ps/Pm=100/5である。
実施例1のインク受容層塗布液Aをインク受容層塗布液Bに変更すること以外は実施例1と同様にして実施例2のインクジェット記録材料を作製した。インク受容層を真上から観察した結果、1mm×1mmの観察部全面において、亀裂により不定形に区画された領域は、大きさが10〜300μm×10〜300μmの範囲にあり、個数は25個であり、亀裂幅は35nmであった。作製したインクジェット記録材料の断面をランダムに5ヶ所選択し、電子顕微鏡で観察した結果、平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料はインク受容層に均一に分布していた。
<インク受容層塗布液B>
気相法シリカ分散液 103部
ホウ酸 5部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
白色顔料;P78A 2部
(水澤化学工業(株)社製の湿式法シリカ、平均粒径3μm)
固形分濃度が11質量%になるように水で調整した。Ps/Pm=100/2である。
実施例1のインク受容層塗布液Aをインク受容層塗布液Cに変更すること以外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット記録材料を作製した。インク受容層を真上から観察した結果、1mm×1mmの観察部全面において、亀裂により不定形に区画された領域は、大きさが10〜300μm×10〜300μmの範囲にあり、個数は75個であり、亀裂幅は140nmであった。作製したインクジェット記録材料の断面をランダムに5ヶ所選択し、電子顕微鏡で観察した結果、平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料はインク受容層に均一に分布していた。
<インク受容層塗布液C>
気相法シリカ分散液 103部
ホウ酸 5部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
白色顔料;P78A 9部
(水澤化学工業(株)社製の湿式法シリカ、平均粒径3μm)
固形分濃度が11質量%になるように水で調整した。Ps/Pm=100/9である。
実施例1のインク受容層塗布液Aをインク受容層塗布液Dに変更すること以外は実施例1と同様にして実施例4のインクジェット記録材料を作製した。インク受容層を真上から観察した結果、1mm×1mmの観察部全面において、亀裂により不定形に区画された領域は、大きさが10〜300μm×10〜300μmの範囲にあり、個数は20個であり、亀裂幅は30nmであった。作製したインクジェット記録材料の断面をランダムに5ヶ所選択し、電子顕微鏡で観察した結果、平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料はインク受容層に均一に分布していた。
<インク受容層塗布液D>
気相法シリカ分散液 103部
ホウ酸 5部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
白色顔料;P526U 5部
(水澤化学工業(株)社製の湿式法シリカ、平均粒径0.6μm)
固形分濃度が11質量%になるように水で調整した。Ps/Pm=100/5である。
実施例1のインク受容層塗布液Aをインク受容層塗布液Eに変更すること以外は実施例1と同様にして実施例5のインクジェット記録材料を作製した。インク受容層を真上から観察した結果、1mm×1mmの観察部全面において、亀裂により不定形に区画された領域は、大きさが10〜300μm×10〜300μmの範囲にあり、個数は80個であり、亀裂幅は140nmであった。作製したインクジェット記録材料の断面をランダムに5ヶ所選択し、電子顕微鏡で観察した結果、平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料はインク受容層に均一に分布していた。
<インク受容層塗布液E>
気相法シリカ分散液 103部
ホウ酸 5部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
白色顔料;ニップジェルBY−001 5部
(東ソー・シリカ(株)社製湿式法シリカ、平均粒径14μm)
固形分濃度が11質量%になるように水で調整した。Ps/Pm=100/5である。
実施例1のインク受容層塗布液Aをインク受容層塗布液Fに変更すること以外は実施例1と同様にして実施例6のインクジェット記録材料を作製した。インク受容層を真上から観察した結果、1mm×1mmの観察部全面において、亀裂により不定形に区画された領域は、大きさが10〜300μm×10〜300μmの範囲にあり、個数は20個であり、亀裂幅は30nmであった。作製したインクジェット記録材料の断面をランダムに5ヶ所選択し、電子顕微鏡で観察した結果、平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料はインク受容層に均一に分布していた。
<インク受容層塗布液F>
気相法シリカ分散液 103部
ホウ酸 5部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
無色顔料:ポリスチレン樹脂(平均粒径4μm) 5部
固形分濃度が11質量%になるように水で調整した。Ps/Pm=100/5である。
実施例1のインク受容層塗布液Aをインク受容層塗布液Gに変更すること以外は実施例1と同様にして実施例7のインクジェット記録材料を作製した。インク受容層を真上から観察した結果、1mm×1mmの観察部全面において、亀裂により不定形に区画された領域は、大きさが10〜300μm×10〜300μmの範囲にあり、個数は60個であり、亀裂幅は100nmであった。作製したインクジェット記録材料の断面をランダムに5ヶ所選択し、電子顕微鏡で観察した結果、平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料はインク受容層に均一に分布していた。
<湿式法シリカ分散液>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000、4部)と沈降法シリカ(ニップシールVN3、平均粒径23μm、100部)を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を作成した。次に得られた予備分散物をビーズミルに、直径0.3mmのジルコニアビーズ、充填率80容量%、円盤周速10m/秒の条件で1回通過させて、固形分濃度30質量%の湿式法シリカ分散液を得た。なお、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置での測定による湿式法シリカの平均二次粒径は200nmであった。
<インク受容層塗布液G>
湿式法シリカ分散液 104部
ほう酸 5部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
白色顔料;P78A 5部
(水澤化学工業(株)社製の湿式法シリカ、平均粒径3μm)
固形分濃度が11質量%になるように水で調整した。Ps/Pm=100/5である。
実施例1の恒率乾燥域の乾燥環境を65℃から75℃に変更する以外は実施例1と同様にして実施例8のインクジェット記録材料を作製した(恒率乾燥域終了時における皮膜温度は45℃)。インク受容層を真上から観察した結果、1mm×1mmの観察部全面において、亀裂により不定形に区画された領域は、大きさが10〜300μm×10〜300μmの範囲にあり、個数は65個であり、亀裂幅は145nmであった。作製したインクジェット記録材料の断面をランダムに5ヶ所選択し、電子顕微鏡で観察した結果、平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料はインク受容層に均一に分布していた。
実施例1の恒率乾燥域の乾燥環境を65℃から35℃に変更する以外は実施例1と同様にして実施例9のインクジェット記録材料を作製した(恒率乾燥域終了時における皮膜温度は25℃)。インク受容層を真上から観察した結果、1mm×1mmの観察部全面において、亀裂により不定形に区画された領域は、大きさが10〜300μm×10〜300μmの範囲にあり、個数は45個であり、亀裂幅は75nmであった。作製したインクジェット記録材料の断面をランダムに5ヶ所選択し、電子顕微鏡で観察した結果、平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料はインク受容層に均一に分布していた。
支持体から離れたインク受容層の上層側にインク受容層塗布液H(塗液温度40℃)を、支持体に近いインク受容層の下層側にインク受容層塗布液I(塗液温度40℃)をそれぞれ固形分量で12.5g/m2になるようにスライドビードコーターで同時塗布し、恒率乾燥域では65℃の環境下で乾燥することで実施例10の記録材料を作製した(恒率乾燥域終了時における皮膜温度は35℃)。インク受容層を真上から観察した結果、1mm×1mmの観察部全面において、亀裂により不定形に区画された領域は、大きさが10〜300μm×10〜300μmの範囲にあり、個数は55個であり、亀裂幅は90nmであった。作製したインクジェット記録材料の断面をランダムに5ヶ所選択し、電子顕微鏡で観察した結果、平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料はインク受容層の上層側1/2に分布していた。
<インク受容層塗布液H>
気相法シリカ分散液 103部
ホウ酸 5部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
白色顔料;P78A 10部
(水澤化学工業(株)社製の湿式法シリカ、平均粒径3μm)
固形分濃度が11質量%になるように水で調整した。
<インク受容層塗布液I>
気相法シリカ分散液 103部
ホウ酸 5部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
固形分濃度が11質量%になるように水で調整した。Ps/Pm=100/5である。
(比較例1)
実施例1のインク受容層塗布液Aをインク受容層塗布液Iに変更すること以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録材料を作製した。インク受容層を真上から観察した結果、1mm×1mmの観察部全面において、亀裂は観察されなかった。
(比較例2)
実施例1の恒率乾燥域における乾燥環境を、65℃から25℃に変更する以外は実施例1と同様にして比較例2のインクジェット記録材料を作製した(恒率乾燥域終了時における皮膜温度は15℃)。インク受容層を真上から観察した結果、1mm×1mmの観察部全面において、亀裂は観察されなかった。作製したインクジェット記録材料の断面をランダムに5ヶ所選択し、電子顕微鏡で観察した結果、平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料はインク受容層に均一に分布していた。
(比較例3)
実施例1の恒率乾燥域においる乾燥環境を、65℃から85℃に変更する以外は実施例1と同様にして比較例3のインクジェット記録材料を作製した(恒率乾燥域終了時における被膜温度は55℃)。インク受容層を真上から観察した結果、1mm×1mmの観察部全面において、亀裂により不定形に区画された領域は、大きさが10〜300μm×10〜300μmの範囲にあり、個数は95個であり、亀裂幅は200nmであった。作製したインクジェット記録材料の断面をランダムに5ヶ所選択し、電子顕微鏡で観察した結果、平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料はインク受容層に均一に分布していた。
上記のようにして作製したインクジェット記録材料について、以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
<白紙部と顔料インク印字部の光沢差>
顔料インク用インクジェットプリンタ(セイコーエプソン(株)社製PX−7500)を用いて、白紙部と画像部を比較し、光沢差を目視評価した。
◎:高濃度部、低濃度部とも気にならない
○:高濃度部は気にならないが、低濃度部は若干気になる
△:高濃度部、低濃度部とも若干気になる
×:光沢差が目立つ
<顔料インク印字部の白抜け>
顔料インク用インクジェットプリンタ(セイコーエプソン(株)社製PX−7500)を用いて、白紙部と印字濃度の高い画像部を比較し、光沢差を目視評価した。
○:気にならない
△:ほとんど気にならない
×:白抜けが目立つ
Figure 2009241415
上記の結果から、本発明では、顔料インク印字部の白抜けの発生がなく、白紙部と顔料インク印字部の光沢差が改良されたインクジェット記録材料が得られることが分かる。無色または白色顔料を含有していない場合(比較例1)は、白紙部と顔料インク印字部の光沢差が満足できるものではなかった。インク受容層塗布液を塗布後、恒率乾燥域において30℃より低温の環境下で乾燥した場合(比較例2)は、白紙部と顔料インク印字部の光沢差が満足できるものではなかった。インク受容層塗布液を塗布後、恒率乾燥域において80℃より高温で乾燥させた場合(比較例3)は、顔料インク印字部の白抜けが満足できるものではなかった。

Claims (2)

  1. 非吸水性支持体上に、平均二次粒径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有するインク受容層を設けたインクジェット記録材料において、インク受容層が平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料を含有し、インク受容層を形成する層形成工程において、インク受容層塗布液を塗布後、恒率乾燥域では30〜80℃の環境下で乾燥させインク受容層を形成してなり、インク受容層表面に微細な亀裂を有することを特徴とするインクジェット記録材料。
  2. 前記インク受容層に含有する平均二次粒径が500nm以下の無機微粒子(Ps)と平均粒径が0.5μmより大きな無色または白色顔料(Pm)の質量比(Ps/Pm)が(100/3〜100/8)であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録材料。
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