JP2009241405A - 転写箔、及び偽造防止媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】
ブランド品やカードなどの媒体(被転写体)へ箔切れがよく容易に転写でき、転写された媒体においては、セキュリティ性に優れ、かつ、多数回の繰り返し使用でも、媒体の表面と保護し、耐擦傷性や耐溶剤性などに加えて、耐熱性や耐光性などの耐久性に優れる蛍光層を有する転写箔、及び偽造防止媒体を提供する。
【解決手段】
基材11と、該基材11の一方の面へ少なくとも離型層13、蛍光層15及び接着層19が設けてなる転写箔において、前記蛍光層15がハードコート性の電離放射線硬化樹脂及び蛍光発光性の希土類錯体を含み、かつ、前記電離放射線硬化樹脂の吸収波長領域が蛍光発光性の希土類錯体の吸収波長領域と異なっていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、転写箔に関し、さらに詳しくは、セキュリティ性に優れ、耐熱性や耐光性に優れる蛍光層を転写性よく転写でき、転写後は耐擦傷性や耐溶剤性などに優れる転写箔、及び偽造防止媒体に関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」、の略語、同意語、機能的表現、通称、又は業界用語である。また、「ホログラム」は「ホログラムと、回折格子などの光回折性機能を有するものも含む。
(主なる用途)本発明の転写箔を用いて転写した偽造防止媒体の主なる用途としては、蛍光層による特異な意匠性やセキュリティ性の向上させるための、社員証や会員証などのIDカード、プリペイドカードなどの権利や資格などを証明する媒体、日用品や生活用品、食品や各種物品の容器類、電子機器や事務用品などの筐体類などが適用できる。しかしながら、セキュリティ性に優れる蛍光層を転写性よく転写でき、転写後は耐擦傷性や耐溶剤性などに加えて、耐熱性や耐光性に優れる蛍光層も要求される用途であれば、特に限定されるものではない。
(背景技術)従来、上記用途の媒体、例えば、IDカードなどの一定の金額を払い込んだ(プリペイドという)権利や資格などを証明する媒体が増加している。該媒体は一定の経済的価値や効果を持つため、有効期間や区間、氏名、年齢などの個別情報が改竄されて、不正に偽造、変造、不正使用することが絶えず、種々の改竄防止策が提案され、セキュリティ性の向上が図られている。また、ブランド品や高級品では経済的価値を持つため、不正に偽造されることが絶えず、種々の改竄防止策が提案され、セキュリティ性の向上が図られている。偽造が困難で、セキュリティ性に優れ、蛍光層を媒体へ転写することが知られている。該蛍光層は通常の白色光源下においては目視不能であるが、赤外線または紫外線照射下で可視領域の蛍光を生じる蛍光顔料からなる蛍光潜像の画像などをカードなどの表面に形成することが考えられる。しかしながら、上記蛍光顔料からなる画像は容易に書き換え可能であるとともに、身分証明書やキャッシュカードなどはその使用頻度が高くまたカードリーダーなどにより表面に多くの摩擦力が加えられることから、蛍光顔料印刷層が容易に剥落してしまうという課題がある。しかしながら、従来の蛍光層は蛍光染料や蛍光増白剤を用いているので、耐熱性や耐光性に欠ける欠点があった。また、蛍光層を形成する方法として、各種の画像を簡単に形成できる為、簡便な熱転写法が広く用いられている。蛍光潜像は、熱転写層に蛍光剤を含有させてなる熱転写箔を用いて、サーマルヘッドやレーザー等の加熱手段により、カード等の被転写体に記録することができる。一方、上記の用途の媒体、例えば、IDカードでは媒体の表面へ文字、数字、顔写真等のような画像が形成される。これらの画像の形成は、近年、所謂溶融転写タイプ又は昇華転写タイプのインクリボンを用いて熱転写又は昇華転写による転写法で行われることが多い。該転写法によるIDカードは、文字や数字等の如き画像の形成は容易であるが、熱転写法の画像は耐久性や耐摩擦性が劣ったり、昇華転写法の画像は耐光性、耐候性、耐摩擦性が劣るという問題がある。上記耐久性を解決する方法として、透明樹脂層や硬化樹脂層などの保護層(本発明のハードコート性層に相当する)を転写する方法が多数提案されている。
従って、ブランド品やカードなどの媒体(被転写体)へ箔切れがよく容易に転写でき、転写された媒体においては、セキュリティ性に優れ、かつ、多数回の繰り返し使用でも、媒体の表面と保護し、耐擦傷性や耐溶剤性などに加えて、耐熱性や耐光性などの耐久性に優れる蛍光層を有する転写箔が求められている。
(先行技術)従来、蛍光染料又は蛍光増白剤を形成又は転写したカードが知られている(例えば、特許文献1〜2参照。)。しかしながら、従来の蛍光染料又は蛍光増白剤では耐熱性、耐光性や耐候性などの耐久性に欠けるという欠点がある。
また、本出願人は、基材フィルム上に、剥離層または、離型層と保護層、ホログラム形成層、ホログラム効果層および接着層からなるホログラム転写箔において、上記剥離層または、離型層と保護層と、ホログラム形成層との間、または上記ホログラム効果層と接着層との間に無色または白色の蛍光顔料を含む蛍光顔料印刷層が設けられていることを特徴とするホログラム転写箔を開示している(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、従来の蛍光顔料では耐光性や耐候性などの耐久性に欠け、かつ、ホログラム効果層と蛍光顔料印刷層の2層とせねばならず、製造が複雑で高コストとなるという問題点がある。
さらに、多種の物品に、転写箔やラベルによって形成することができる識別マークとしては、光学活性希土類錯体を含有する蛍光発光層を有する識別マークであって、該希土類錯体がジアステレオ選択性を有する配位子を持つ。前記光学活性希土類錯体を含有する蛍光発光層が、特定波長領域で円偏光性の蛍光を放出するため、左右円偏光の強度の差、またはg値を測定することによって真偽判定をおこなうことができる識別マークが知られている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、仮支持体フィルム上に、光学活性希土類錯体を含有する蛍光発光層(識別マーク)、及び接着剤層をこの順に積層したことを特徴とする転写箔であって、媒体の表面へ転写されて最表面となり、多数回の繰り返し使用されると、耐擦傷性や耐溶剤性などに欠けて、耐久性に欠けるという欠点がある。
特開平3−159796号公報 特開平3−159795−号公報 特開2006−1212号公報 特開2005−111704号公報
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、ブランド品やカードなどの媒体(被転写体)へ箔切れがよく容易に転写でき、転写された媒体においては、セキュリティ性に優れ、かつ、多数回の繰り返し使用でも、媒体の表面と保護し、耐擦傷性や耐溶剤性などに加えて、耐熱性や耐光性などの耐久性に優れる蛍光層を有する転写箔、及び偽造防止媒体を提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる転写箔は、基材と、該基材の一方の面へ少なくとも離型層、蛍光層及び接着層が設けてなる転写箔において、前記蛍光層がハードコート性の電離放射線硬化樹脂及び蛍光発光性の希土類錯体を含み、かつ、前記電離放射線硬化樹脂の吸収波長領域が蛍光発光性の希土類錯体の吸収波長領域と異なっているように、したものである。
請求項2の発明に係わる偽造防止媒体は、請求項1に記載の転写箔を用いて、被転写体へ少なくとも蛍光層及び接着層が転写されてなるように、したものである。
請求項1の本発明によれば、蛍光層へ電離放射線を照射して反応(硬化)させる際に、希土類錯体の阻害を受けず、必要最小限の照射量で硬化でき、希土類錯体を含む蛍光発光性の蛍光層を、カードなどの媒体(被転写体)へ転写する際の箔キレなどの転写性よく転写することができ、転写された媒体においては、セキュリティ性に優れ、かつ、多数回の繰り返し使用でも、媒体の表面と保護し、耐擦傷性や耐溶剤性などに加えて、耐熱性や耐光性などの耐久性に優れる蛍光層を有する転写箔が提供される。
請求項2の本発明によれば、セキュリティ性に優れ、かつ、多数回の繰り返し使用でも、媒体の表面と保護し、耐擦傷性や耐溶剤性などに加えて、耐熱性や耐光性などの耐久性に優れる蛍光層を有する偽造防止媒体が提供される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示す転写箔の断面図である。
図2は、本発明の転写箔を用いて転写した本発明の偽造防止媒体である。
(転写箔)本発明の転写箔10は、図1に示すように、基材11と、該基材11の一方の面へ少なくとも離型層13、蛍光層15、及び接着層19を設けてなり、基材11/離型層13/蛍光層15/接着層19、の層構成である。また、請求項2の偽造防止媒体は、本発明の転写箔10を用いて、少なくとも蛍光層15を転写することで、カードなどの媒体(被転写体)へ転写する際の箔キレなどの転写性よく転写することができ、蛍光層15(ハードコート性)/接着層19/被転写体の層構成からなる媒体となり、蛍光層15が最表面となって、蛍光層と共に、ハードコート性効果が発現する。なお、蛍光層に蛍光潜像を設ける場合には、蛍光層15をパターンで設けてもよく、全面ベタの蛍光層15を有するインモールド用転写箔10を所望のパターン形状にカットしてもよい。
このようにすることで、次の効果を奏することができる。
(1)従来の蛍光発光剤は結晶粒子が大きく蛍光層15への配合ができなかったが、分子量1500程度の希土類錯体を用いることで、容易に均一に分散することができる。(2)蛍光層15へ耐熱性や耐光性に優れる蛍光発光性の希土類錯体を含ませることで、従来の蛍光発光性剤と比較して、格段に優れた耐熱性や耐光性を有する蛍光発光性が得られる。(3)また、蛍光発光性の希土類錯体の吸収波長領域が電離放射線硬化樹脂の吸収波長領域と異なっているようにすることで、蛍光層15の電離放射線硬化性樹脂の硬化を、蛍光発光剤が阻害しないので、充分に硬化させることができる。(4)しかも、蛍光層15は電離放射線硬化性樹脂の硬化物を主成分とするので、ハードコート性も有しているので、耐擦傷性や耐溶剤性などの耐久性が付与され、保護効果も兼用させることができる。(5)従って、従来は蛍光層と、それを保護するハードコート層などの保護層の2層であったものを、蛍光層15へ蛍光発光性の希土類錯体を含ませることができて、ハードコート性を有する蛍光層15の1層とすることができる。
(基材)基材11としては、耐熱性、機械的強度、製造に耐える機械的強度、耐溶剤性などがあれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート・ポリブチレンテレフタレート・ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、アクリル系樹脂、イミド系樹脂、ポリアリレートなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン系樹脂、セロファンなどのセルロース系フィルムなどがある。該基材は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。通常は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系のフィルムが、耐熱性、機械的強度がよいため好適に使用され、ポリエチレンテレフタレートが最適である。
また、該基材11は、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。該基材の厚さは、通常、2.5〜50μm程度が適用できるが、2.5〜12μmが好適で、4〜6μmが最適である。該基材11は、塗布に先立って塗布面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。また、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
(離型層、剥離層)転写時の剥離性を向上させるために、離型層13を設け、必要に応じて、剥離層も設けてもよく、離型層13及び剥離層の両方を設けるとより転写性をより向上できる。
(離型層)離型層13としては、通常、離型性樹脂、離型剤を含んだ樹脂、電離放射線で架橋する硬化性樹脂などがあるが、特に限定されないが、好ましくはメラミン系樹脂である。後述する蛍光15と組合わせることで、離型層13との剥離性が安定し、転写時の転写性を向上させることができる。
離型層13の形成は、該樹脂を溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコートなどの公知のコーティング方法で、塗布し乾燥して、温度150℃〜200℃程度で焼き付ける。離型層13の厚さとしては、通常は0.01μm〜5.0μm程度、好ましくは0.5μm〜3.0μm程度である。
(剥離層)必要に応じて設ける剥離層としては、弗素系樹脂、シリコーン、各種のワックスなどの離型剤を添加または共重合させたアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、繊維素系樹脂、ワックス、メラミン系樹脂等が例示でき、離型層13及び剥離層の両方を設ける場合には、適宜組み合わせて用いればよく、この場合には、剥離層は転写後に保護層としての機能を合わせ持つ。
(蛍光層)蛍光層15としては、蛍光発光性の希土類錯体と電離放射線硬化樹脂とを主成分とし、好ましくはフィラーとしてマイクロシリカやポリエチレンワックスを含ませるようにする。蛍光層15が電離放射線硬化樹脂及びフィラーを含むことで、転写後は最表面を形成し、より耐擦傷性(耐スクラッチ性ともいう)、耐摩耗性や耐溶剤性などの高耐久性を発揮する。さらに好ましくは接着層19へはフィラーとしてマイクロシリカを含ませることで、転写する全部の層へフィラーを混入させることで、カードなどの媒体(被転写体101)へ転写する際の箔キレをよくさせて転写することができる。
該電離放射線硬化性樹脂としては、好ましくは、(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂を用い、好ましくはポリエチレンワックスを含ませて、塗布し乾燥して電離放射線で硬化させて、電離放射線硬化樹脂とすればよい。
前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂(本明細書では電離放射線硬化性樹脂組成物Mと呼称する)は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂の硬化物、具体的には、特開2001−329031号公報で開示されている光硬化性樹脂、MHX405ニス(ザ・インクテック(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)、ユピマーUV・V3031(三菱化学(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)が例示できる。
(ポリエチレンワックス)フィラーとしてはマイクロシリカやポリエチレンワックスが例示できる。ポリエチレンワックスとしては、ポリエチレン系樹脂の粒子やビーズが挙げられるが、好ましくは球状ビーズである。但し、ポリエチレンワックスを添加すると、箔切れ性は低下するので、その添加量は、電離放射線硬化樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部程度、好ましくは0.1〜5質量部とする。転写後には蛍光層15が最表面層となり、含まれるポリエチレンワックスは、機械的な摩擦、及び摩耗から媒体を保護し、後述する画像などの固有情報も保護する。
(1)ポリエチレンワックスを含ませることで、転写後にはハードコート層14が最表面層となるが、極めて過酷な環境での使用、長期間にわたる使用、及び/又は多数回の繰り返し使用などでも、溶剤、機械的な摩擦、及び摩耗から被転写体に設けられた画像を保護し、傷付きにくく耐久性に優れる。(2)蛍光層15はメラミン系樹脂を用いた離型層13と界面を接しているので、蛍光層15と離型層13との間で剥離し、安定した剥離性を有するので、転写時にはバリなどの発生も極めて少なくさせることができる。(3)蛍光層15へはフィラーとしてマイクロシリカ又はポリエチレンワックスを含ませ、かつ、接着層19へはフィラーとしてマイクロシリカを含ませて、転写する全部の層へフィラーを混入させているので、カードなどの媒体(被転写体101)へ転写する際の箔キレをよくさせて、(2)の安定した剥離性とともに、転写性を向上させることができる。
(希土類錯体)蛍光発光性の希土類錯体とは、蛍光発光する光学活性希土類錯体で、光学活性部位を持つ希土類錯体のことをいい、光学活性部位を持つ配位子が配位している希土類錯体か、もしくは希土類錯体の正四角反柱型の配位構造の、希土類金属原子周辺の絶対配置に関して存在する2種の立体異性体(Δ体、Λ体)のうち、一方が過剰に含まれている状態の希土類錯体をいう。このような構造の希土類錯体は、発光特性に優れ、半値幅の狭いシャープな発光スペクトルを示すものである。特に、希土類イオンLn3+がEu3+、Tb3+、Yb3+、Nd3+、Er3+、Sm3+、Dy3+、Ce3+、のいずれかである希土類錯体は弱い励起光でも強い発光をする強発光性の希土類錯体であり、好ましく用いられる。例えば、一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)などがある。また、希土類錯体には<−Cn2n+1(nは1〜22の整数)>基を含むことが耐熱性や安定性の点で好ましい。具体的には、ルミシス(登録商標、総販売元:セントラルテクノ社製、製造元:株式会社日生化学工業所)R−600、G−900、YB−1200などが例示できる。詳しくは、WO2005/044770号公報、特開2006−249075号公報、特開2005−97240号公報、に記載されている。
Figure 2009241405
Figure 2009241405
(式中、Dは重水素原子、ハロゲン原子又は水素原子を含まないC1〜C22の脂肪族基を示す)
Figure 2009241405
(式中、XはC−RまたはNを表し、Rは水素原子または置換基を表す)
Figure 2009241405
(蛍光層の形成)蛍光層15の形成は、上記の電離放射線硬化性樹脂、蛍光発光性の希土類錯体、必要に応じてシリコーンやマイクロシリカ又はポリエチレンワックス、光重合開始剤、可塑剤、安定剤、界面活性剤等を加え、溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、ダイコートなどの公知のコーティング方法で塗布し乾燥して、電離放射線で反応(硬化)させればよい。
発光効率のよい希土類錯体を用いることで、バインダ樹脂である電離放射線硬化性樹脂樹脂に含有させる蛍光発光性の希土類錯体の割合は質量基準で、0.01〜10%程度、好ましくは0.1〜5%である。この範囲未満では蛍光発光の強度が小さく、この範囲を超えても蛍光発光の強度は充分過ぎて、高コストとなってしまう。
(波長領域)さらに、バインダ樹脂である電離放射線硬化性樹脂としては、前記樹脂系のうち、蛍光発光性の希土類錯体の吸収波長領域、及び蛍光発光波長領域に吸収がないか、吸収が小さいものが好ましい。蛍光発光性の希土類錯体の吸収波長領域に吸収があると、電離放射線硬化性樹脂へ電離放射線を照射して反応(硬化)させて蛍光層15を形成する際に、希土類錯体が電離放射線の1部を吸収してしまい、反応(硬化)不良をきたし耐久性不足となったり、又は多大な照射量を要して高コストとなってしまうのである。この点で、前記のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂系が好ましく、該樹脂系は波長250nm以下の紫外領域の照射でも硬化させることができる。また、蛍光発光性の希土類錯体の蛍光発光波長領域に吸収があると、蛍光層15/接着層19が転写された媒体へ、蛍光発光させるとために、例えば紫外線を照射した際に、電離放射線硬化樹脂が紫外線の1部を吸収してしまい、発光不良をきたし蛍光潜像の輝度不足となったり、又は多大な照射量を必要として蛍光発光装置の高出力によって大型化、高コストとなってしまうのである。なお、硬化前の電離放射線硬化性樹脂と硬化後の電離放射線硬化樹脂の吸収波長領域は同様である。
(蛍光層の厚味)蛍光層15の厚さは、通常、1〜5μm程度であるが、本発明では、極めて過酷な環境での使用、使用期限がなかったり、長期にわたる使用、及び/又は多数回の繰り返し使用などでも、溶剤や機械的な摩擦及び摩耗、特に引掻きから画像を保護し、傷付きにくい耐久性を付与するために、蛍光層15の厚みで5μm以上で、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは15μm以上とする。上限は特に限定されないが、価格や箔切れ性から25μm以下程度である。蛍光層15の厚味が5μm以上で、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは15μm以上であるようにすることで耐久性が高まり、極めて過酷な環境での使用、使用期限がなかったり、長期にわたる使用、及び/又は多数回の繰り返し使用などでも、化学的機械的な外力から画像を保護できる転写箔が得られる。
転写する層である蛍光層15/接着層19の総厚さが厚いとバリが発生したり、箔切れが悪く転写速度低下などの転写性が著しく低下するが、転写する層の全部にフィラー成分を含ませると、剥離性もよく、箔切れ性もよくすることができるので、容易に転写することができる。
(接着層)接着層19としては、公知の加熱されると溶融または軟化して接着効果を発揮する感熱接着剤が適用でき、具体的には、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。該接着層19には、マイクロシリカなどのフィラーを含むことが、箔切れ性の点で好ましい。また、接着層19の樹脂としては、95℃程度の低温で溶融接着し、60℃程度になると固化して接着する融点が60〜95℃ものが好ましい。融点が上記範囲未満であると、被転写体との接着性が不十分であり、形成された画像を使用する温度が制限される。また、融点が上記範囲を越えるとサーマルヘッドによる加熱では転写性が不十分となり、又、ハードコート層の箔切れ性が低下し、バリなどが発生し易い。
好ましい接着層19としては、熱接着性ポリエステル系樹脂とマイクロシリカとを含有し、前記熱接着性ポリエステル系樹脂と前記マイクロシリカとの割合が質量基準でポリエステル系樹脂:マイクロシリカ=90〜94:6〜10である。マイクロシリカの含有割合がが上記範囲未満では箔キレ性が悪く、上記範囲を越えると透明性が低下し画像が見えにくくなる。
該材料樹脂を溶剤に溶解または分散させて、適宜顔料などの添加剤を添加して、公知のロールコーティング、グラビアコーティング、コンマコーティングなどの方法で塗布し乾燥させて、厚さ1〜30μmの層を得る。
(転写)このようにして得られた本発明の転写箔10を用いて、被転写体へ少なくとも蛍光層15/接着層19を転写する。なお、転写時には離型層13と蛍光層15との間で剥離するが、若干離型層13の1部が蛍光層15へ移行する場合もあるが、本発明の範囲内である。転写は、被転写体への転写する方法で、公知の転写法でよく、例えば、熱刻印によるホットスタンプ(箔押)、熱ロールによる全面又はストライプ転写、サーマルヘッド(感熱印画ヘッド)によるサーマルプリンタ(熱転写プリンタともいう)などの公知の方法が適用できる。スポット状、文字、数字、イラストなどの任意の形状を転写してもよい。異なる任意の形状である顔写真などの可変情報を連続操作できたり、オンデマンドで印画できるサーマルプリンタが好ましい。このように、カードなどの媒体(被転写体)へ箔切れがよく容易に転写することができる。
(被転写体)被転写体101としては、特に限定されず、例えば天燃繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、転写時の熱で変形しないプラスチックフイルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布あるいは染料受容性のある媒体等いずれのものでもよく、用途によって、適宜選択すればよい。また、被転写体101の媒体はその少なくとも1部が、画像、着色、印刷、その他の加飾が施されていてもよい。
(耐久性)本発明の転写箔10を用いることで、被転写体の最表面は蛍光層15からなり、別途保護層を設けなくても、耐擦傷性や耐溶剤性などの耐久性に優れる。最表面となった蛍光層15の鉛筆硬度試験は、JIS−K5400に準拠して測定し、H以上の硬度が好ましい。また、蛍光層15のスクラッチ強度は、表面の充分な耐摩擦性の点から、サファイア150g以上、好ましくは200g以上である。なお、スクラッチ強度の測定方法は、23℃、55%RHの条件下で24時間調湿した試料に対して、耐摩耗性試験機(HEIDON−18)を用い、0.8mmφサファイア針を直角にあてがい、サファイア針に掛かる荷重を0gから200gまで徐々に増加させ、60cm/minで試料表面を摺動して移動させながら、表面に傷が付き始める時の荷重の測定を行った。荷重が大きいほど良好であることを表す。多数回の繰り返し使用でも、媒体の表面と保護し、機械的化学的な損傷から長期間にわたって保護できるので、極めて過酷な環境で使用されるガソリンスタンドカードや工事現場カード、及び、使用期限がなかったり、長期にわたる入退室カードやポイントカード、金融機関などの多数のセキュリティ管理された部屋への入退室を繰り返す入退室カードなどにも好適に使用することができる。
また、蛍光層15は、蛍光発光性の希土類錯体による発光であり、耐熱性や耐光性などの耐久性にも優れる。蛍光層15は通常の可視光では観察できず、特定波長光の照射により可視光を発光するものが好ましく、光源としては紫外領域の波長が好ましく、紫外LED、ブラックライト、キセノンランプ、短波長半導体レーザーなど例示できる。
蛍光潜像は、全面ベタ状の蛍光層15の転写箔10を用いて、被転写体へ転写する際に、熱刻印によるホットスタンプ(箔押)、熱ロールによる全面又はストライプ転写、サーマルヘッド(感熱印画ヘッド)によるサーマルプリンタ(熱転写プリンタともいう)などの公知の方法に対応する金型、任意の形状に出力したデータをサーマルヘッドへ送って転写すればよい。金型やデータに応じた円形や星形などのスポット状、文字、数字、イラストなどが形成される。勿論、ベタ状に転写してもよい。
さらに、RGB発光する蛍光発光性の希土類錯体を用いた複数の蛍光層を用いて、複数色、フルカラー用などにも適用できる。例えば、ハードコート層/R発光蛍光層/G発光蛍光層/B発光蛍光層として、オフセット印刷やグラビア印刷することで、カラー化することで写真調にもできる。もし、蛍光層15に、潜像画像として所有者の顔写真を形成しておけば、悪意でなりすました人には判らず、利用時に可視化し当人と比較でき、直ちに所有者と異なることを発見することができる。例えば所有者名を潜像画像と該所有者と関連付けられた可視画像との両方に設けておけば、偽造媒体は可視画像しか偽造することができず、不可視な潜像画像は作成しておけないので、紫外線を照射しても発光しないので、可視化せず偽造であることを直ちに見抜け、セキュリティ性が向上できる。
蛍光層15に用いた蛍光発光性の希土類錯体の耐熱性は、約250°Cにも耐え、蛍光層15でも200℃環境下に1時間放置しても、発光輝度に著しい変化はなかった。
また、JIS−B−7753(サンシャインカーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験機)に準拠して測定した耐候性試験は、500時間の照射後における印刷物の色の変化を照射前と比較して目視で評価したが、500時間後でも著しい変化はなく、耐光性にも優れている。このように、蛍光発光性の希土類錯体によって、耐熱性、耐光性や耐候性などの耐久性に優れる蛍光層とすることができる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶媒を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
(実施例1)基材11として厚さ25μmのPETフィルムを用い、該基材11の一方の面へ、グラビアコート法で、TCM01メジューム(大日本インキ社製、メラミン樹脂商品名)塗工液を乾燥後2μmになるように塗布し乾燥して、180℃20秒間焼き付けて、離型層13を形成した。
該離型層13面へ、下記の蛍光層組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の塗布厚さが6μmになるように塗工し100℃で乾燥させた後に、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させて蛍光層15を形成した。
まず、「電離放射線硬化性樹脂組成物M」は以下の手順で、生成した。撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗及び温度計を取り付けた反応器に、酢酸エチル206.1g及びイソホロンジイソシアネートの三量体(HULS社製品、VESTANAT T1890、融点110℃)133.5gを仕込み、80℃に昇温して溶解させた。溶液中に空気を吹き込んだのち、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.38g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製品、ビスコート300)249.3g及びジブチル錫ジラウレート0.38gを仕込んだ。80℃で5時間反応させたのち酢酸エチル688.9gを添加して冷却した。該「電離放射線硬化性樹脂組成物M」と、造膜性樹脂(アクリル系オリゴマー)、希土類錯体、ポリエチレンワックス、光重合開始剤、及び溶媒を下記の組成で配合して蛍光層組成物を調製した。
・<蛍光層組成物>
「電離放射線硬化性樹脂組成物M」 25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
ルミシスR−600(セントラルテクノ社製、赤発光性の希土類錯体商品名)
0.3質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 0.6質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
次に、該蛍光層15面へ、下記組成のプライマ層組成物途工液によりグラビアコーティングにより、乾燥時0.5μmの厚さになるように塗布、乾燥した後に、45℃で24時間エージングして、プライマ層を形成した。
・<プライマ層組成物途工液>
ポリエステル樹脂 10部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10部
トルエン 40部
メチルエチルケトン 40部
次に、該プライマ面へ、下記の接着層組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が1μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、接着層19を形成した。
・<接着層組成物>
ポリエステル樹脂SP170(日本合成化学社製、商品名) 20質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 1.5質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 78.5質量部
以上のようにして、基材11/離型層13/蛍光層15/プライマ層/接着層19、の層構成からなる実施例1の転写箔10を得た。
(実施例2)蛍光層15として、下記の蛍光層組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例2の転写箔10を得た。
・<蛍光層組成物>
ユピマーUV・V3031(三菱化学社製、紫外線硬化性樹脂商品名) 25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
ルミシスG−900(セントラルテクノ社製、緑発光性の希土類錯体商品名)
0.3質量部
マイクロシリカ 1質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
(実施例3)蛍光層15の代わりに、下記のハードコート層組成物、及び赤発光性の蛍光層組成物、緑発光性の蛍光層組成物、青発光性の蛍光層組成物を用いた。
まず、透明なハードコート層組成物を用いて、グラビアリバースコーターで乾燥後の塗布厚さが6μmになるように塗工し100℃で乾燥させて、ハードコート層を形成した。
害ハードコート層面へ、赤発光性の蛍光層組成物、緑発光性の蛍光層組成物、青発光性の蛍光層組成物を用いて、グラビア印刷法で顔写真を印刷した後に、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させて蛍光層15を形成した。それ以外は実施例1と同様にして、実施例3の転写箔10を得た。
・<ハードコート層組成物>
MHX405ニス(ザ・インクテック(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)
25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 0.6質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
・<赤発光性の蛍光層組成物>
「電離放射線硬化性樹脂組成物M」 25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
ルミシスR−600(セントラルテクノ社製、赤発光性の希土類錯体商品名)
0.3質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 0.6質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
・<緑発光性の蛍光層組成物>
MHX405ニス(ザ・インクテック(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)
25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
ルミシスG−900(セントラルテクノ社製、緑発光性の希土類錯体商品名)
0.3質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 0.6質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
・<青発光性の蛍光層組成物>
MHX405ニス(ザ・インクテック(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)
25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
ルミシスYB−1200(セントラルテクノ社製、青発光性の希土類錯体商品名)
0.3質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 0.6質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
(比較例1)蛍光層15の蛍光層組成物として、下記の組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして、比較例1の転写箔を得た。
・<蛍光層組成物>
MHX405ニス(ザ・インクテック(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)
25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
蛍光増白剤 0.3質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 0.6質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
(評価試験)評価は被転写体へ転写し、転写性、転写後の表面の硬度、スクラッチ性、及び印画した画像の耐光性で評価した。
まず、被転写体101としてポリ塩化ビニール製のクレジットカード仕様のカードを用い、該被転写体101の表面へ、昇華型熱転写シート(大日本印刷(株)製、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラー標準リボン)を用いて、600dpiの熱転写プリンターで固有情報である顔写真及び氏名を印画し画像を形成した。
該画像面へ、FARGO製のカード用プリンタHDP820で、実施例及び比較例の転写箔10の接着層19面を重ねて、全面熱転写し基材を剥離し徐去して、偽造防止媒体100とした。
(評価結果)実施例1〜3及び比較例1では、転写時の剥離性もよく、箔切れ性もよく、正常に転写できた。
また、実施例1〜3及び比較例1の偽造防止媒体100面の鉛筆硬度試験を、JIS−K−5400に準拠して測定したところ、2H以上の硬度を有し、さらに、実施例1〜3の表面のスクラッチ強度はサファイア200g以上であり、充分な耐久性を有していた。このことは、蛍光層へ蛍光発光性の希土類錯体を含ませても、蛍光発光剤の吸収波長によって、電離放射線硬化性樹脂の硬化を阻害せず、充分に硬化できたことを示している。
また、耐光性に関しては偽造防止媒体100を用いて、JIS−B−7753(サンシャインカーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験機)に準拠して測定を行い、500時間の照射後における画像の色の変化を照射前と比較して目視で評価した。実施例1〜3のいずれの転写箔10を用いた偽造防止媒体100でも、著しい変化はなく良好な耐光性であった。このことは、蛍光層へ含ませる蛍光発光剤の材料を希土類錯体と限定することで、得られた耐光性であり、意匠性やセキュリティ性の向上を図らることができた。さらに、蛍光層へ波長365nmのブラックライトで紫外線を照射すると、蛍光発光した。
しかしながら、比較例1を用いた偽造防止媒体100では、退色が著しく、不良であった。
本発明の1実施例を示す転写箔の断面図である。 本発明の転写箔を用いて転写した本発明の偽造防止媒体である。
符号の説明
10:転写箔
11:基材
13:離型層
15:蛍光層
19:接着層
100:偽造防止媒体
101:被転写体

Claims (2)

  1. 基材と、該基材の一方の面へ少なくとも離型層、蛍光層及び接着層が設けてなる転写箔において、前記蛍光層がハードコート性の電離放射線硬化樹脂及び蛍光発光性の希土類錯体を含み、かつ、前記電離放射線硬化樹脂の吸収波長領域が蛍光発光性の希土類錯体の吸収波長領域と異なっていることを特徴とする転写箔。
  2. 請求項1に記載の転写箔を用いて、被転写体へ少なくとも蛍光層及び接着層が転写されてなることを特徴とする偽造防止媒体。
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