JP2009240955A - プレート式触媒層反応器を清掃する方法 - Google Patents

プレート式触媒層反応器を清掃する方法 Download PDF

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公克 神野
Shinji Isotani
真治 磯谷
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Abstract

【課題】複数の伝熱プレートを備えたプレート式触媒層反応器の、隣り合う2枚の伝熱プレートに挟まれた空間に充填された使用済みの触媒を抜き出した後に、伝熱プレートをプレート式触媒層反応器に固定した状態で、触媒が接触していた側の伝熱プレート表面を効率よく清掃する方法を提供すること。
【解決手段】複数の伝熱プレートを備えたプレート式触媒層反応器の、隣り合う2枚の伝熱プレートに挟まれた空間に充填された使用済みの触媒を抜き出した後に、伝熱プレートをプレート式触媒層反応器に固定した状態で、突起を備えた治具を用いて触媒が接触していた側の伝熱プレート表面を清掃することを特徴とする、プレート式触媒層反応器の伝熱プレートの清掃方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、伝熱プレートを備えたプレート式触媒層反応器の、伝熱プレートを清掃する方法に関する。
現在、接触気相酸化反応を利用し、不飽和脂肪酸等の反応物を製造する製造方法においては、工業的及び実用的な見地から、管式熱交換器形状の多管式反応器が用いられている。
この多管式反応器を用いて、長期間安定して目的生成物を製造するためには、反応器が備える反応管への触媒の均一な充填が必須である。反応管に触媒を均一に充填するためには、触媒に接触する反応菅内面の状態が多数の管にわたって均一であることが必要となる。
この反応管内面の均一性は、未使用の反応器であれば特に問題が生じない。しかしながら、一度反応に使用し、使用済みの触媒を抜き出した後の反応管には、触媒の微粉、及び反応副生成物等が付着しており、上記反応管内面の均一性が損なわれていることが多い。上記反応管内面の均一性が損なわれている場合、触媒の再充填において、充填された触媒層の均一性に問題を生じ、結果、再充填後の反応物の製造において問題を生じることがある。従って、上記触媒の再充填前に、反応管内面を洗浄及び乾燥することが提案されている(特許文献1)。
一方、近年、上記多管式反応器が抱える問題点を解決するため、接触気相酸化反応を利用した不飽和脂肪酸等の製造に、伝熱プレートを備えたプレート式触媒層反応器を用いることが提案されている(例えば、特許文献2及び特許文献3)。
しかしながら、上記伝熱プレートを備えたプレート式触媒層反応器の伝熱プレートを清掃する方法についての知見はない。
特開2006−159197号公報 特開2004−167448号公報 特開2004−202430号公報
上記特開2004−202430号公報に記載されたプレート型触媒層反応器で用いられる伝熱プレートは、凸凹が多い形状をしている。特に、触媒が保持される隣り合う2枚の伝熱プレートに挟まれた空間は、隣り合う2枚の伝熱プレートの波板凸面部と凹面部とを対面させ所定間隔が形成された構造をとる。従って、一度反応に使用し、使用済みの触媒を抜き出した後の、触媒に接触していた側の伝熱プレート表面には、触媒の微粉、及び反応副生成物等が付着しており、伝熱プレート表面の粗さが変化するなど伝熱プレート表面の均一性が損なわれていることが多い。上記伝熱プレート表面の均一性が損なわれている場合、触媒の再充填において、伝熱プレートの上方から粒状の触媒を投入した場合、触媒が落下中にせり合って、伝熱プレート間にブリッジと呼ばれる架橋を生じやすい。当該ブリッジを生じると、該伝熱プレート間に形成された触媒層が不均一な状態になり、反応生成物の収率低下等の問題を生じることがある。
本発明の課題は、複数の伝熱プレートを備えたプレート式触媒層反応器の、隣り合う2枚の伝熱プレートに挟まれた空間に充填された使用済みの触媒を抜き出した後に、伝熱プレートをプレート式触媒層反応器に固定した状態で、触媒が接触していた側の伝熱プレート表面を効率よく清掃する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行い、複数の伝熱プレートを備えたプレート式触媒層反応器の、隣り合う2枚の伝熱プレートに挟まれた空間に充填された使用済みの触媒を抜き出した後に、伝熱プレートをプレート式触媒層反応器に固定した状態で、触媒に接触していた側の伝熱プレート表面を効率よく清掃するための治具に着目し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1] 複数の伝熱プレートを備えたプレート式触媒層反応器の、隣り合う2枚の伝熱プレートに挟まれた空間に充填された使用済みの触媒を抜き出した後に、前記伝熱プレートを前記プレート式触媒層反応器に固定した状態で、突起を備えた治具を用いて前記触媒が接触していた側の伝熱プレート表面を清掃することを特徴とする、プレート式触媒層反応器の伝熱プレートの清掃方法。
[2] 前記伝熱プレートは、円弧、楕円弧或いは矩形に賦形された波板の2枚を対面させ、当該両波板の凸面部を互いに接合して複数の熱媒体流路が形成された伝熱プレートであり、前記隣り合う2枚の伝熱プレートに挟まれた空間は、隣り合う2枚の伝熱プレートの波板凸面部と波板凹面部とを対面させ所定間隔になるように形成された空間であり、前記突起を備えた治具の突起が、前記波板凸面部に接触し、汚れを掻き取ることを特徴とする、[1]に記載の清掃方法。
本発明の好ましい態様によれば、複数の伝熱プレートを備えたプレート式触媒層反応器の、隣り合う2枚の伝熱プレートに挟まれた空間に充填された使用済みの触媒を抜き出した後に、伝熱プレートをプレート式触媒層反応器に固定した状態で、触媒に接触していた側の伝熱プレート表面を効率よく清掃する方法が提供できる。
本発明の清掃方法は、複数の伝熱プレートを備えたプレート式触媒層反応器の、隣り合う2枚の伝熱プレートに挟まれた空間に充填された使用済みの触媒を抜き出した後に、伝熱プレートをプレート式触媒層反応器に固定した状態で、突起を備えた治具を用いて触媒が接触していた側の伝熱プレート表面を清掃することを特徴とする。
また、本発明において、上記伝熱プレートは、円弧、楕円弧或いは矩形に賦形された波板の2枚を対面させ、当該両波板の凸面部を互いに接合して複数の熱媒体流路が形成された伝熱プレートであり、上記隣り合う2枚の伝熱プレートに挟まれた空間は、隣り合う2枚の伝熱プレートの波板凸面部と波板凹面部とを対面させ所定間隔になるように形成された空間であり、上記突起を備えた治具の突起が、上記波板凸面部に接触し、汚れを掻き取ることが好ましい。
本発明の清掃方法(以下単に本発明の方法ともいう)に適用できるプレート式触媒層反応器としては、円弧、楕円弧或いは矩形に賦形された波板の2枚を対面させ、当該両波板の凸面部を互いに接合して複数の熱媒体流路を形成した伝熱プレートを、複数配列してなりかつ隣り合った伝熱プレートの波板凸面部と凹面部とが対面して所定間隔の触媒層を形成した反応器が好適に例示できる。
該プレート式触媒層反応器の例を、図1〜図5に基づいて具体的に説明する
図1において、(1)は2枚の波板を対面させて形成された伝熱プレートであり、(2)は当該伝熱プレート(1)の内側に形成された複数の熱媒体流路であり、また(3)は隣り合う2枚の伝熱プレート(1)に挟まれた空間である。該空間に触媒が充填され触媒層が形成される。反応原料ガスは反応ガス入口(4)より供給され、触媒層を通過し、反応によって目的生成物が生産された後、反応ガス出口(5)よりプレート式触媒層反応器の外に排出される。当該反応原料ガスの流れ方向に制限はないが、通常、下降流か、或い
は上昇流に設定される。
また、熱媒体は伝熱プレート(1)の内側に形成された複数の熱媒体流路(2)に供給され、反応原料ガスの流れ方向に対して十字流の方向に流される。供給された熱媒体は、伝熱プレート(1)を通して、発熱反応の場合は触媒層を冷却し、一方、吸熱反応の場合は触媒層を加熱した後にプレート式触媒層反応器の外に排出される。
図2〜図5によって上記伝熱プレート(1)の構成を更に詳しく説明する。
図2において、(1)は2枚の波板(11)を接合して形成された伝熱プレート(1)である。該波の形状は円弧の一部で構成されているが、特に限定されず、製作の都合や反応原料ガスの流動を考慮して決定することができる。また、波の高さ(H)と波の周期(L)も特に制限はないが、高さ(H)は5〜50mm、周期(L)は10〜100mmが適当であるが、触媒層内での反応に伴う反応熱とそれを除熱或いは加熱する熱媒体の流量から決定される。
図3〜図5[図3は図1のIII部の拡大図であり、図4は図1のIV部の拡大図であり図5は図1のV部の拡大図である]はそれぞれ反応原料ガスの入口近傍部分、中間部及び反応原料ガスの出口近傍の伝熱プレート(1)の形状を示す。
該伝熱プレート(1)は、円弧、楕円弧或いは矩形に賦形された波板(11)の2枚を対面させ、その波板(11)の凸面部(a)を互いに接合して複数の熱媒体流路(2)が形成されたものである。そして、隣り合う2枚の伝熱プレート(1)の波板凸面部(a)と波板凹面部(b)とを所定間隔で対面させて空間(3)が形成される。
ここで、図中のS1、S2、及びS3は、上記隣り合う2枚の伝熱プレート(1)に挟まれた空間(3)の最小間隔を示す。該S1、S2、及びS3は波板(11)に賦形される円弧、楕円弧或いは矩形の形状を適宜変えることにより変化させることができる。また、図3〜図5において、最小間隔は、S1<S2<S3に設定されている。
上記S1は5〜20mm、S2は10〜30mm、S3は15〜50mm程度に設定されることが一般的である。好ましくは、S1は10〜15mm、S2は15〜20mm、S3は20〜40mmが選定される。
図1において、配列された隣り合う伝熱プレート(1)の間隔は、反応ガス入口(4)の位置における間隔(P1)と反応ガス出口(5)の位置における間隔(P2)とは同寸法である。即ち、隣り合う伝熱プレート(1)は互いに平行に複数配列して配置されている。該伝熱プレート(1)の薄板の板厚には、2mm以下、好適には1mm以下の鋼板が用いられる。
伝熱プレート(1)の反応ガス流れ方向の長さは通常2メートル(m)以下で、2m以上の時は2枚のプレートを接合するか、組み合わせて用いることもできる。
伝熱プレート(1)の反応ガスの流れ方向と直角の方向(図1では紙面に直角方向の奥行き)の長さは特に制限はなく、通常3から15mが用いられる。好ましくは6から10mである。
また、伝熱プレート(1)の反応ガスの流れ方向と直角の方向には、隣り合う2枚の伝熱プレート(1)の間に、各伝熱プレート(1)と直交するように仕切り板を設置することができる。該仕切り板は、触媒の充填性、反応器のメンテナンス性を考慮して、設置間隔が適宜選択される。該設置間隔は20〜1000ミリメートルであることが好ましい。
伝熱プレート(1)は図3〜図5に示した配置と同様に積層され、積層される枚数には制限は無い。実際的には、反応に必要な触媒量から決定されるが、数十枚から数百枚である。
また、目的物の生産量のために必要なプレート式触媒層反応器全体の触媒充填量は、用いる触媒の反応速度や反応原料ガス中の原料成分濃度などによって決定され、それぞれのプレート式触媒層反応器によって異なる。
本発明の方法に用いられる触媒の形状としては、直径が3〜15ミリメートル(mm)の球形状、最長径が3〜15mmのペレット形状、円外径が3〜15mm、高さが3〜15mmの円柱形状、または円柱の中心に穴の開いたリング形状であって、円外径が3〜15mm、円内径が1〜3mm、高さが3〜15mmの形状のものが一般的である。
本発明における触媒の粒径とは、触媒の形状が上記球形状の場合はその直径を、ペレット形状の場合はその最長径を、円柱形状またはリング形状の場合は、円外径または高さのうち長い方の長さをいう。
上記ペレット形状の最長径とは、2枚の平行面でペレットを挟んだときの2面の距離であって、ペレットをあらゆる角度に動かしたときに最大となる距離をいう。
本発明の方法においては、上記伝熱プレートをプレート式触媒層反応器に固定した状態で、突起を備えた治具を用いて触媒が接触していた側の伝熱プレート表面を清掃することを特徴とする。
上記伝熱プレートが、円弧、楕円弧或いは矩形に賦形された波板の2枚を対面させ、当該両波板の凸面部を互いに接合して複数の熱媒体流路が形成された伝熱プレートであり、上記隣り合う2枚の伝熱プレートに挟まれた空間が、隣り合う2枚の伝熱プレートの波板凸面部と波板凹面部とを対面させ所定間隔になるように形成された空間である場合、特に、上記波板凸面部(図3〜5における(a)部分であって、触媒が接触していた面)に触媒の微粉、及び反応副生成物等が付着し、伝熱プレート表面の粗さが変化するなど伝熱プレート表面の均一性が損なわれていることが多かった。この場合、突起を備えた治具の突起を、上記波板凸面部に接触させ、触媒の微粉、及び反応副生成物等の汚れを掻き取ることが効果的な清掃方法である。
上記突起を備えた治具としては、当該突起を備えた治具の突起が、上記波板凸面部に接触し、汚れを掻き取ることが可能なものであれば特に限定されない。
本発明の方法に使用するのに好適な突起を備えた治具を例示する。
図6は、本発明の方法に好適に使用できる突起を備えた治具の概略図を示す。当該治具は、支持体(7)に突起(8)を備えてなる。当該突起(8)は伝熱プレート(1)の波板凸面部に接触可能な長さで、かつ、各突起(8)が同一平面上に存在するように支持体(7)に固定されている。図6の場合、まず、支持体(7)が間隔(P1)の中点と間隔(P2)の中点を結ぶ線上に、該治具の突起(8)のそれぞれの先端が反応ガスの流れ方向と直角の方向(図6では紙面に直角方向)になるように、挿入される。次いで、支持体(7)を、突起(8)が上記波板凸面部に接触するように回転させて、突起(8)の先端を上記波板凸面部に接触させ汚れを掻き取ることになる。
支持体(7)の長さは伝熱プレートの反応ガスの流れ方向の長さより長いほうが、清掃操作の観点から好ましい。また支持体(7)の材質及び形状は、支持体(7)と突起(8)の合計の重さに耐え、かつ上記清掃操作に於いて操作に支障をきたさない剛性を有していれば、特に限定されない。支持体(7)の材質としては、伝熱プレートと同じ材質の鋼板が好適に例示され、形状としては、丸棒、角棒等が好適に例示される。
上記突起(8)の材質としては、上記清掃操作に於いて操作に支障をきたさない剛性を有していれば、特に限定されないが、伝熱プレートと同じ材質のもの、硬度が伝熱プレートより低いものが使用できる。伝熱プレートに傷を与えないようにするためには、硬度が伝熱プレートより低いものがより好ましい。また、突起(8)の形状は、波板凹面部(b)に接触可能な長さの丸棒、角棒等が好ましく、その先端は上記波板凸面部の最奥部まで接触可能なように、尖った形状をなしていることがより好ましい。さらに、支持体(7)に設置される突起(8)の数は、伝熱プレートに存在する上記波板凸面部の数と同数としても良いし、それより少なくても構わないが、伝熱プレートに存在する上記波板凸面部の
数と同数とすると、清掃がより効率的であるため好ましい。
上記突起を備えた治具を用いて触媒が接触していた側の伝熱プレート表面を清掃する場合、上記伝熱プレートをプレート式触媒層反応器に固定した状態で清掃することが可能となる。即ち、本発明の方法は、重量の大きい伝熱プレートをプレート式触媒層反応器から外すことなく清掃を行うことが可能となるため、効率的であり、安全上も優れた方法である。また、本発明の方法で清掃した伝熱プレートは、伝熱プレートの上方から粒状の触媒を再充填した場合であっても、触媒が落下中にせり合って、伝熱プレート間にブリッジと呼ばれる架橋を生じることなく均一な触媒層を形成することが可能である。
また、本発明の方法において、上記清掃方法に加えて、プレート式触媒層反応器の上(下)側から、高圧水(ジェット洗浄水)を用いて伝熱プレートを洗浄する方法、及び金属、プラスチック、又はセラミックなどの粒子を用いたブラストによる除去方法等を併用しても構わない。
本発明において、意図した清掃がなされていることを確認する方法としては、以下の方法が例示できる。
先ず、伝熱プレートがプレート式触媒層反応器に固定された状態で、隣り合う2枚の伝熱プレートに挟まれた空間に、ファイバースコープ等を挿入し、直接伝熱プレート表面を目視で確認する。次に、触媒を再充填し、充填された触媒の充填状態を確認する。すなわち、触媒の充填高さの理論値と実測値との比較(例えば理論値に対する実測値の誤差が10%以内)、及び、隣り合う2枚の仕切り板で区切られた各区画間での触媒の充填高さの比較(例えば各区画間の充填高さの差が充填高さの2%以内)によって確認する。
本発明の方法は、接触気相酸化反応に用いられるプレート式触媒層反応器であれば、特に制限なく適用することができる。このような接触気相酸化反応を利用したプロセスとしては、例えば、プロピレンの酸化によりアクロレイン、さらにはアクリル酸を製造する方法、イソブチレンの酸化によりメタクロレイン、さらにはメタクリル酸を製造する方法が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
本発明において用いられる、反応原料ガスの転化率、目的生成物の選択率、目的生成物の収率、及び反応原料ガスの負荷量の計算方法を下記に記す。
<1>反応原料ガス(プロピレン、アクロレイン等)の転化率[%] =
(反応器で他物質に転化した反応原料ガスのモル数)/(反応器に供給された反応原料ガスのモル数)×100
<2>目的生成物の選択率[%] =
(反応器出口における目的性生物のモル数)/(反応器で他物質に転化した反応原料ガスのモル数)×100
<3>目的生成物の収率[%] =
(反応器出口における目的性生物のモル数)/(反応器に供給された反応原料ガスのモル数)×100
<4>反応原料ガスの負荷量[NL/L・hr] =
(反応原料ガスの毎時供給量L[リットル][標準状態(0℃、101.325kPa)換算]/反応に供される触媒量L[リットル]
ここで、標準状態とは、温度0℃、101.325kPaにおかれた状態をいう。
プロピレンを分子状酸素により接触気相酸化し、アクリル酸を製造するに当たり、プロピレンからアクロレインおよびアクリル酸に転換する触媒として、Mo(12)Bi(5)Co(3)Ni(2)Fe(0.4)Na(0.4)B(0.2)K(0.08)Si(24)O(x)、の組成の金属酸化物粉末を調製し、これを成型して外径4mmφ、及び高さ3mmのリング形状の触媒を得た。ここで、O(x)の(x)は各金属酸化物の酸化状態によって定まる値である。
プレート式触媒層反応器は図1に示す構造のものを用いた。波形形状の薄いステンレスプレート(板厚1mm)を2枚接合して反応温度調節用の熱媒体流路を形成した。図2に示す波形形状の周期(L)、高さ(H)及び波数を表1に示す。
該接合された波形伝熱プレートに、上記触媒を充填して触媒層を形成した。触媒層は波形形状の仕様によって、表1に示すように、反応ガスの流れ方向の上流から第1反応帯域(図1におけるIII)、第2反応帯域(図1におけるIV)及び第3反応帯域(図1におけるV)に分割した。波形伝熱プレートは図1に示すように平行に設置し、その間隔(図1に示すP1及びP2)を26mmに調整した。伝熱プレートの幅は114mmであった。
Figure 2009240955
<比較例1>
上記プレート式触媒層反応器に、上記触媒を3.21L充填し、プロピレンの酸化反応を行った。熱媒体は綜研テクニクス(株)社製のNeoSK−OIL(登録商標)1400を用い、それぞれ温度を調節した後、第1反応帯域〜第3反応帯域の熱媒体流路へ供給した。熱媒体の供給量は熱媒体の流速が毎秒0.7m以上となるようにした。
次いで、プロピレンを9.5モル%、酸素15.1モル%、窒素67.4モル%及び水蒸気8.0モル%を含有する反応ガス混合物を、5,670リットル毎時[標準状態(温度0℃、101.325kPa)換算]の割合で、上記プレート式触媒層反応器の入口(第1反応帯域)から供給した。また、第1反応帯域、第2反応帯域、及び第3反応帯域の熱媒体流路へ供給された熱媒体の温度はそれぞれ340℃、330℃、及び330℃とした。上記プレート式触媒層反応器入口の圧力は0.108MPaG(メガパスカルゲージ)であった。
出口ガスをガスクロマトグラフィで分析したところ、プロピレンの転化率は97.0%、アクリル酸の収率は10.2%、アクロレインの収率は81.3%であった。
上記状態で運転を1ヶ月間継続した後、上記プレート式触媒層反応器の運転を停止(シャットダウン)した。反応器をシャットダウンした後、反応器の下部を解放し、幅5mmの鋼鉄線を挿入しながら、触媒の抜き出しを実施した。触媒の落下が無くなった後、反応器の下部から電気照明をかざし、反応器の下部から内部を観察し、触媒が全量排出されたことを確認した。
次いで、触媒の全量排出が確認された反応器の下部を閉止し、当該反応器へ未使用の上記触媒の充填を開始したが、触媒を0.1L充填したところで、反応器内部で閉塞を起こし、触媒の充填の継続が不可能となった。
<実施例1>
比較例1において、触媒の充填が不可能となった反応器について、再度反応器の下部を解放し、幅5mmの鋼鉄線を挿入しながら、比較例1で充填された触媒を抜き出した。
触媒の落下が無くなった後、図6に示す治具であって、突起の数が伝熱プレートに存在する波板の凸面部の数と同数のものを用いて、触媒が接触していた側の伝熱プレートの波板凸面部に当該突起の先端を接触させ汚れを掻き取った。結果、未使用の触媒とともに黒色物の付着した使用済みの触媒が回収された。
上記汚れが掻き取られた、2枚の伝熱プレートの間にファイバースコープを挿入し、固形物等の付着がないことを確認した後に、未使用の上記触媒を反応器に充填した。結果、触媒充填は問題なく終了し、充填された触媒量は、3.27Lであった。
本発明のプレート式触媒層反応器内に設置される伝熱プレートの縦断面図。 2枚の波板を接合して形成された伝熱プレートの拡大図。 図1のIII部の拡大図。 図1のIV部の拡大図。 図1のV部の拡大図。 本発明の方法に用いられる突起を備えた治具の例を説明するための図。
符号の説明
1 伝熱プレート
2 熱媒体流路
3 空間
4 反応ガス入口
5 反応ガス出口
7 支持体
8 突起
11 波板
a 波板の凸面部
b 波板の凹面部
1 反応ガス入口(4)の位置における間隔
2 反応ガス出口(5)の位置における間隔
L 波の周期
H 波の高さ
1、S2、S3 隣り合う2枚の伝熱プレートに挟まれた空間の最小間隔

Claims (2)

  1. 複数の伝熱プレートを備えたプレート式触媒層反応器の、隣り合う2枚の伝熱プレートに挟まれた空間に充填された使用済みの触媒を抜き出した後に、前記伝熱プレートを前記プレート式触媒層反応器に固定した状態で、突起を備えた治具を用いて前記触媒が接触していた側の伝熱プレート表面を清掃することを特徴とする、プレート式触媒層反応器の伝熱プレートの清掃方法。
  2. 前記伝熱プレートは、円弧、楕円弧或いは矩形に賦形された波板の2枚を対面させ、当該両波板の凸面部を互いに接合して複数の熱媒体流路が形成された伝熱プレートであり、
    前記隣り合う2枚の伝熱プレートに挟まれた空間は、隣り合う2枚の伝熱プレートの波板凸面部と波板凹面部とを対面させ所定間隔になるように形成された空間であり、
    前記突起を備えた治具の突起が、前記波板凸面部に接触し、汚れを掻き取ることを特徴とする、請求項1に記載の清掃方法。
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