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吸熱反応を行うプロセス
本発明は、発熱反応を促進させる触媒を含有する触媒管を備えた反応装置内で吸熱反応を行うプロセスに関する。
特許文献1には、吸熱平衡反応の一例である、アルカンの接触脱水素化プロセスが記載されている。この文献には、触媒を含有する触媒管が、これらの管の間に配置されたバーナにより加熱されるプロセスが開示されている。継続的に高い選択率および転化率を達成するのに、バーナにより発せられる熱を制御することにより、これらの管の長手方向に沿った温度分布を所望のようにしなければならないと記載されている。しかしながら、このことを実際にどのように行うべきかについては具体的な開示はない。さらに、触媒管の極めて近傍でバーナを使用することにより、ホットスポットを生じるかもしれない触媒管の放熱が生じ、高価な高温耐性のパイプ材が必要になり、触媒を頻繁に再生する必要があり、触媒管の目詰まりの原因となるかもしれない局部的なコークスの形成が生じてしまう。局部的な高温に関連するさらに別に問題に関して、さらに望ましくない副反応が生じ得る。
独国特許出願公開第10229661−A号明細書
本発明の課題は、反応管に沿って好ましい温度分布を生成して、局部的なホットスポットを避ける、吸熱平衡反応を行うプロセスを提供することにある。
この課題は、そのプロセスが、触媒管内に収容された触媒を、入口端から出口端まで通路を通過する供給物流に接触させる工程、触媒管の外面を、初期加熱温度を有し、供給物流と並流で流れる加熱媒体の流れに接触させて、対流によりその外面を加熱する工程、および触媒管と接触した後に加熱媒体の少なくとも一部を、初期加熱温度より高い出発温度を有する新たな加熱媒体の流れと混合して、初期加熱温度を有する並流する加熱媒体を形成する工程を有してなるという点で、本発明により達成される。
加熱媒体の部分的再循環と組み合わされた触媒管の対流加熱を使用することにより、ステンレス鋼などの一般的でそれほど高価ではない材料を触媒管に使用できるように、最高レベル未満の初期加熱温度を保証できる。本発明のプロセスにより、加熱媒体の流速および初期加熱温度を独立して制御することができ、よって、触媒管に沿った温度分布を非常に正確に制御することができる。さらに、触媒管に沿った最適な軸方向温度分布を達成できるように、触媒管の寸法と共に、その流速および初期加熱温度を選択することができる。
触媒管内に収容された触媒は、入口端から出口端までその管を通過する供給物流に接触させられる。触媒管内を移動するときに、この供給物流は、所望の生成物に転化される。
供給物流が、各触媒管の入口端で臨界の圧力降下にさらされることが好ましい。これにより、供給物流が異なる管を異なる流速で通ることが避けられる。いくつかの管内で流速小さいと、ことによると触媒の劣化をまねく望ましくない高温まで、それらの管内の温度が高くなり、それらの管内で望ましくない副反応が生じてしまう。コークスの形成が、これら望ましくない副反応の1つであり、それにより流速がさらに減少し、最終的に、その管が目詰まりしてしまう。
本発明によるプロセスにおいて適用できる触媒は、実質的に粒状触媒であり、この触媒は管内に固定床として存在することが好ましい。
以下において、反応装置の管は垂直に延在し、供給物と加熱媒体の並流の流れは、底部または入口と示される管の下部から、頂部または出口と称される管の上部まで上向き方向に流れる。流れを下向き方向に並流で流して本発明のプロセスを実施することや、管が水平に延在するかまたは水平面とある角度で延在した反応装置を適用することも可能である。
加熱媒体の初期加熱温度は、触媒管に進入する供給物の温度よりも著しく高い。加熱媒体のエンタルピーは、供給物の吸熱反応により消費される熱を補い、管内の供給物/生成物の混合物を加熱するのに十分である。加熱媒体と管の内容物との間の温度差が、この熱交換の推進力である。この差は管に沿って入口から出口へと減少し、よって、伝熱率は入口から出口へと減少する。未転化の供給物の残りの量も入口から出口へと減少するので、補償熱はそれほど必要ない。加熱媒体の流速および初期加熱温度は、管の内容物の温度が底部から頂部へと管に沿って減少しないように選択されることが好ましく、温度が管に沿って連続的に上昇するように選択されることがより好ましい。加熱媒体の流速および初期加熱温度は、出口端での管の壁および管の内容物の温度が、供給物または生成物の分解、コークスの形成、および他の望ましくない副反応が生じるかもしれない温度よりも低いままであるように選択される。
本発明によるプロセスにおいて、管の入口での反応は、未転化の供給物の量が最多に存在するために、高速で行われる。加熱媒体の高い初期加熱温度は、消費された熱を補い、管の内容物の温度を上昇させることさえある。管の長手方向に沿って継続的にさらに加熱するために、反応は、増加する平衡転化に密接にしたがい、出口端での供給物の転化率が高くなる。触媒が実際に耐えられる最高温度が、完全な転化に到達する上での主な制限要因である。本発明のプロセスにおいて、供給物の大部分は比較的低い温度で既に転化されており、反応の選択率は高いようである。
初期加熱温度および流速を適切に選択することによっても、管の壁の温度がその長さの大半の部分に亘りほぼ一定である状況を達成できる。
供給物を、触媒に接触させる前に、触媒が活性であるのに必要な最少温度まで予熱することが好ましい。この温度により、反応が入口端で既に高速で開始し、その速度は、それより高い入口温度の場合よりも、望ましくない副反応の生じる虞が少ない状態で、制御温度での平衡までの距離により推進される。上方に移動するにつれて、形成された次第に増える量の生成物と供給物が徐々に混ざり、供給物の温度および触媒の温度は、加熱媒体との熱交換により上昇し、この温度上昇は、上昇する温度により増加する平衡転化率に反応がしたがうことが分かる程度までさえ、反応速度に有利に働き、全体の転化率が最適になる。
このプロセスの転化効率は、底部から頂部までの触媒管に少なくとも2種類の異なる触媒の層が充填されている場合、増加させることさえでき、ここで、底部に最も近い触媒は、比較的高い活性のために選択される一方で、比較的低い温度耐性または比較的低レベルの別の温度依存性の触媒特性が受け入れられるのに対して、頂部に最も近い触媒は、比較的高温耐性であるまたは比較的高いレベルの別の温度依存性の触媒特性のために選択される一方で、比較的低い活性が受け入れられることが分かった。3種類以上の触媒層が使用される場合、その活性が底部から頂部へとある程度、減少することが必然的に受け入れられれば、その層の温度耐性または別の温度依存性の触媒特性のレベルが、底部から頂部に増加する。これにより、管に沿った制御された温度分布を最適に使用することができ、可能性のある最高の転化率と、ことによると選択率も得られる。比較的とは、隣接する層に対して、ここに用いられる。
管に亘る制御された温度範囲により、感熱性触媒を本発明によるプロセスに適用することができる。本発明によるプロセス全体により、長期に亘る高い触媒活性が実現される。
転化率、選択率および触媒の使用寿命を改善するために、供給物流を、不活性ガス、例えば、二酸化炭素、窒素または蒸気で希釈してもよく、蒸気が好ましい。希釈する場合、希釈比は、管内で行われる反応に依存し、実際には、供給物1モル当たり0.1または2から12モルの不活性ガスの範囲に及ぶ。
例えば、使用する触媒が不活性ガスに適合しない場合、不活性ガスの代わりに、供給物1モル当たり0.01から1モルのH2を加えることも可能である。
管に沿って流れる加熱媒体が、熱を管の壁に伝達し、この管は、次に、その熱を触媒と供給物に伝達する。この加熱媒体流が管の頂部に到達したときに、初期加熱温度からそれより低い温度まで冷却されている。後に説明するように、加熱媒体にまだ存在する熱エネルギーの一部は、蒸気を生成するために、または他のプロセスの熱統合目的のために使用することができ、これにより、加熱媒体はさらに冷却される。冷却された加熱媒体の少なくとも一部は、加熱媒体の初期加熱温度を制御するために、再循環される。これは、新たに生成された加熱媒体、例えば、バーナの燃焼排ガスまたは新たな蒸気と混合することにより行うことができる。この新たな媒体は、一般に、初期加熱温度よりも高い温度を有する。これを、触媒管と接触したことにより冷却されている、制御された量の加熱媒体と混合することにより、また必要に応じて、例えば、蒸気を生成するために、さらに別の熱交換により、所望の初期加熱温度を有する新たな並流加熱媒体が形成される。
新たな加熱媒体をバーナによって生成すべき場合に適用できる、所望の初期加熱温度を達成する別の様式は、再循環される冷却された加熱媒体をバーナに通して、これを、燃焼により生成して直ぐの燃焼排ガスと混合することである。
新たな加熱媒体は蒸気であって差し支えないが、新たな加熱媒体が、バーナ、例えば、ガスバーナまたはオイルバーナからの燃焼排ガスからなることが好ましい。そのようなバーナにより生成される燃焼排ガスの量は容易に制御することができ、このことによって、触媒管に再度接触させるための所望の初期加熱温度および流速を有する加熱媒体を得るために、再循環される冷却された加熱媒体に対する新たな加熱媒体の比において融通性が可能になる。
本発明によるプロセスによって、管の全長に沿った温度を、触媒劣化や望ましくない副反応が生じるかもしれない最高温度と、反応を許容速度で行うのに必要な最低温度との間に維持することが可能になる。
本発明によるプロセスにおいて、バーナからの高温ガスの量およびそれより冷たい循環される使用済み加熱媒体の量は、独立して制御できる。これにより、加熱媒体の流速と初期加熱温度両方の独立した大きな融通性が得られ、触媒管の長手方向に沿った熱交換分布を幅広い範囲に亘り制御することが可能になる。公知のプロセスでは、燃料ガスと燃焼空気との比が、唯一の制御パラメータである。空気の量の変動は、燃料ガスを燃焼するのに必要な酸素の最少量により制限されるので、これにより、流速と温度において限られた変動しか可能にならない。
本発明によるプロセスにおいて、バーナを触媒管に対して適切に配置すること、バーナの火炎の間にスクリーンを配置すること、放射に曝露されるスポットにおいて触媒管を断熱すること、またはこれらの対処の組合せにより、バーナによる触媒管の放射加熱は可能にならない。その結果、触媒管の加熱は、対流加熱によってのみ行われる。
反応装置内の管は、特許文献1から公知のように、従来の改質装置のパイプであって差し支えない。そのようなパイプは、本発明によるプロセスにおける触媒管として適用でき、放射加熱とそれに関連する問題が避けられる。しかしながら、それらのパイプには、触媒体積と熱伝達特性において重大な二律背反がある。望ましくない半径方向の温度勾配を避けるために、その直径は比較的小さいべきである。これにより、所望の触媒体積を得るために、多数のパイプが必要になる。また、触媒の交換も退屈な過程である。
公知の管状反応装置に関連するこれらと他の問題は、以下に記載するようなパネル式反応装置を適用することによって、本発明によるプロセスの好ましい実施の形態において解決されることが分かった。
本発明によるプロセスは、吸熱反応を行うのに適している。このプロセスにより実施できる、好ましい結果が得られるこの種の反応の例としては、吸熱平衡反応、例えば、C2〜C8アルカンのオレフィン(例えば、エチレン、プロピレンおよびイソブチレン)への脱水素化、C2〜C8アルカンおよびオレフィンの混合物のジオレフィン(例えば、ブタジエンおよびイソプレン)への脱水素化、エチルベンゼンからスチレンへの脱水素化、アルコールからアルデヒドへの非酸化性脱水素化(例えば、メタノールからホルムアルデヒドへ、およびエタノールからアセトアルデヒドへ)、およびC2〜C8カルボン酸のそれらの分子内無水物への脱水素化、並びに不可逆反応、例えば、高級オレフィンの低級オレフィンへの接触分解が挙げられる。
本発明によるプロセスによって実施するのに非常に適していると実証されている反応は、1つ以上の飽和炭素結合を有する炭化水素、特に、エタン、プロパン、(イソ)ブタン、(イソ)ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、およびオクタン、並びにエチルベンゼンのようなC2〜C8アルカンの脱水素反応である。これらの反応は、高い反応温度で高い転化率で行われる。許容される最高反応温度は、高温で分解するまたは活性を失うかもしれない触媒により制限される。実際には、約500から750℃の温度が適用され、それゆえ、反応管の全長に沿った加熱媒体による連続的な熱供給から最も恩恵を受ける。利用できる触媒が許す場合には、高温を使用して差し支えない。
本発明によるプロセスを実施するには、反応装置に特別な要件が課せられる。それゆえ、本発明はさらに、吸熱平衡反応プロセスを実施するための反応装置であって、熱生成手段を含む熱生成セクションを備え、この熱生成セクションは、反応セクションの入口端と連通しており、この反応セクションは、触媒管を収容し、ヘッドスペースセクションと連通した出口端を有し、この触媒管は、熱生成手段による熱放射から遮られ、さらにヘッドスペースセクションを熱生成セクションに接続する再循環セクションを備えた反応装置に関する。
この反応装置は、熱生成セクションを備えている。このセクションにおいて、必要とされる熱を触媒管に供給するための加熱媒体流が調製される。熱生成手段は、燃焼排ガスを生成するために、1つ以上のバーナを備えてもよい。これらの手段は、適切な温度の蒸気のための入口であってもよい。さらにこのセクションは、再循環セクションへの接続部として、再循環される使用済み加熱媒体のための入口を収容している。
再循環される加熱媒体の入口は、バーナまたは蒸気の入口から下流の位置で熱生成セクションに接続できる。この入口は、新たな燃焼排ガスと直ちに混ざるほどバーナに密接に接続しても差し支えない。
熱生成手段は、下流の反応セクションの入口端と連通している。ここで、連通とは、加熱媒体流のために開いている接続部があることを意味する。これと同時に、触媒管は、熱生成手段による放射加熱から遮られる。触媒管の放射加熱により、避けるべき局所的なホットスポットが生じるかもしれない。この遮断を達成するために、バーナの火炎から触媒管に光学的に閉じられた経路を提供してもよい。このために、熱生成セクションおよび反応セクションは、ある角度で、好ましくは90°曲げられた状態で配置されてもよく、または熱生成セクションと反応セクションとの間に邪魔板が存在し、加熱媒体のための経路を残すが、バーナからの放射のための触媒管への真っ直ぐな光学的経路は遮断してもよい。触媒管の放射加熱を避けるための別の様式は、バーナの火炎に面する触媒管の部分を断熱することである。
反応装置は、反応セクションをさらに備えている。この反応セクションは、反応装置内で行うべき吸熱反応を促進できる触媒粒子を充填すべき反応管を収容している。反応管は、一般に、反応装置の縦軸に平行に、かつ一般に、実質的に垂直方向に延在する。
そのような反応管の公知の概念は、一束の平行なパイプを備えた、公知の多管式反応装置である。各パイプは、供給物流を提供する供給物ライン、およびさらなる処理のために反応装置から、形成された生成物を取り出すための生成物ラインに個々に接続されている。
反応セクションは、例えば、邪魔板の形態にある、触媒管に沿って加熱媒体の所望の流動パターンを形成するための手段をさらに備えてもよい。
本発明による反応装置は、熱生成セクションに接続され連通した入口端を有し、そこを通って、加熱媒体が、触媒管を加熱するために反応セクションに進入できる。この反応セクションは、触媒管を過ぎて上流にある、入口端とは反対に位置し、反応セクションをヘッドスペースセクションに接続する出口端も有する。
このヘッドスペースセクションは、使用済みの加熱媒体、すなわち、反応セクションを通過し、そこを出た後の加熱媒体を収集するように設計されている。ヘッドスペースセクションは、例えば、蒸気を生成するため、または供給物を予熱するために、使用済みの加熱媒体から熱をさらに取り出すための熱交換設備を含んでもよい。
このヘッドスペースセクションは、再循環セクションへの接続部を少なくとも1つ有する。この再循環セクションは、ヘッドスペースセクションを熱生成セクションに接続する。この再循環セクションは、熱生成セクションの入口に供給すべき使用済みの加熱媒体の量と温度を制御するための手段を備えてもよい。
ヘッドスペースセクションは、反応装置の熱生成セクションに再循環されない使用済みの加熱媒体のための出口をさらに備えてもよい。この出口は、使用済みの加熱媒体中にまだ残っている熱エネルギーをさらに獲得するための設備に接続することができる。
熱生成手段が少なくとも1つのバーナであることが好ましい。次いで、燃焼排ガスの加熱媒体の温度は、燃焼排ガスを、それより冷たい再循環される使用済みの加熱媒体と混合すること、または発生した燃焼排ガスが直ちに希釈され冷却されるほどバーナの火炎の極めて近傍に、再循環される使用済みの加熱媒体を供給することのいずれかによって、制御される。後者の場合には、燃焼排ガスの加熱媒体のNOx含有量が減少されるかもしれない。
新たな燃焼排ガスに対する再循環される加熱媒体の比は、所望の温度および流速を有する加熱媒体が得られるように選択される。実際には、90%〜10%から10%〜90%の比が適用される。
反応装置は、供給物を触媒管に分配し、形成された生成物を触媒管から回収するための手段をさらに備えてもよい。反応装置は、反応装置における局部的な高温または低温領域を避けるために、加熱媒体を反応管に均一に分配するための手段も備えてもよい。
反応装置は、外部供給物ラインに接続された、供給物流を反応管に供給するための手段、および生成物ラインに接続された、反応管からの供給物と形成された生成物との混合流を搬送するための手段も備えている。
好ましい実施の形態において、生成物ラインと供給物ラインは、供給物流と、それより高温の生成物流との間の熱交換のための熱交換器に接続されている。この構成には、供給物流の温度が安全範囲にあり、コークスの形成と他の望ましくない副反応が避けられるという利点がある。
本発明による反応装置は、触媒管として機能する通路を備えた反応装置パネルを備えることが好ましい。
この場合、反応装置は供給物ラインと生成物ラインをさらに備え、反応セクションは反応装置パネルを収容し、各反応装置パネルは、供給物ヘッダ、生成物ヘッダおよび隣接通路を備え、各通路は、入口端から出口端まで延在する長さを有し、それらの入口端は、供給物ヘッダに開いて直接接続され、出口端は、生成物ヘッダに開いて直接接続されており、供給物ヘッダは供給物ラインへの接続部を少なくとも1つ有し、生成物ヘッダは生成物ラインへの接続部を少なくとも1つ有しており、供給物ヘッダおよび生成物ヘッダの少なくとも一方の一部は取り外すことができ、通路端へのアクセスを与えている。
反応装置におけるパネルは、反応装置の反応セクションの入口端と出口端との間に配置され、別々に容易に交換することができ、これらのパネルにより、寸法の融通性が大きくなり、触媒管に沿って所望の温度分布を得るために加熱媒体を適用する上での融通性が大きくなる。
公知の多管式反応装置におけるような一束の単一パイプの代わりに、要求される反応容積は、多数の反応装置パネルから集積することができ、各パネルは、各単一パイプのためではなく、多数の通路のための1つの供給物入口と1つの供給物出口を有し、取扱い、メンテナンスおよび触媒の交換がより容易になっている。反応容積を増加させるには、供給物ラインと生成物ラインとに益々多くの単一管を接続する必要がなく、単に、より多くのまたは他のタイプのパネルを加えることによって、反応容積を増加させることができる。
反応装置通路は相互に接続されている。それゆえ、それらの通路は、曲げに対して高い剛性を有する単一体を形成し、1つのパネルを、頂部端で支えるだけで、反応装置に吊すことができる。
通路の入口端は、供給物ヘッダに直接接続され、直接開いており、このことは、供給物ヘッダからの反応体がそこを通って通路に進入できる開放接続部があり、通路の入口端がヘッダ内から見えることと理解されるであろう。それゆえ、直接とは、ピグテール、蛇腹、パイプなどの中間構造部材を含有せず、ボルト締めフランジおよび溶接のような直接接続手段のみと理解すべきである。
各触媒管の入口端に、この管に進入する供給物流に近臨界の圧力降下を課するのに適した流動制限手段が提供されることが好ましい。これにより、複数の通路が正確に同じ圧力降下を有さない場合でさえも、通路への一定な供給物流速が確保される。圧力降下の差は、相当な範囲内での触媒充填または装填における差のために生じるであろうし、コークスの蓄積によっても、動作中に生じるであろう。近臨界の圧力降下は、流速を臨界流速の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%にさせる圧力降下と定義される。
反応装置は、壁に最も近いパネルと他のパネルとの間の温度差を生じるであろう、反応装置の壁にパネルが直接曝露されることを避けるための遮蔽手段をさらに備えていてもよい。次に、この遮蔽手段は、他のパネルとは別々に温度制御することもできる。そのような遮蔽手段の例は、触媒を含有しないのではなく、触媒を含有し、内部冷却されるものなどのパネルである。
触媒通路を提供するための手段としてのパネルのさらなる詳細、仕様、代わりと好ましい実施の形態および利点が、その内容をここに引用する、同時係属出願である欧州特許出願第07013192.5号の優先権書類に基づく公報に開示されている。
供給物ヘッダおよび生成物ヘッダの少なくとも一方が全体としてまたは部分的に取り外しでき、通路端へのアクセスを与える。
部分的に取り外しできるヘッダは、取外し可能部品により閉じられた開口部を備えていてよい。この部品は、開放位置に至らすことのできるヘッダ縁にヒンジ留めされていても、開口部に接続でき、そこから取り外すことのできるゆるんだ部品であってもよい。この部品は、ヘッダに接続可能に気密かつ液密でなければならず、容易に取り外せることが好ましい。その接続は、取り外しできる部品をヘッダにボルト締めすることにより行ってもよいが、その部品は、ヘッダに溶接し、この部品を取り外すために、溶接線に沿って研削してもよい。
取り外しできる部品を取り外した後、開口部により、通路端へのアクセスが得られる。これにより、通路を空にし、洗浄し、再充填するのが容易になる。そのような開口部が、供給物ヘッダおよび生成物ヘッダの両方に存在することが好ましい。このことにより、パネルを同じ位置に維持したまま、一方のヘッダを通じて通路を空にし、このヘッダが他方のヘッダよりも低い位置にあるようにパネルを配置し、これらの通路を他方のヘッダを通して上から再充填することが可能になる。
開口部は、通路の端部に面するヘッダ壁に存在しても、通路の長手方向に垂直な壁に存在しても差し支えない。これらの2つの内の前者の実施の形態が、最も簡単なアクセスを提供するのに好ましい。
通路は、多くとも2列に配列することが好ましく、各列は、平らなまたは湾曲した面を画成し、それらの面は実質的に平行に延在する。それゆえ、パネルは、第1の寸法において薄いままであり、その容積に対して熱交換のための面積が大きい。通路が、パネルをその中に配置すべき反応装置筐体の形状に適合するように、一本の真っ直ぐなまたは曲がった列に配列されていることが好ましい。次いで、供給物ヘッダおよび生成物ヘッダが、通路の列の形状にしたがう。それゆえ、パネルは平らであり、反応装置内に適切な距離で平行に配列されたときに、通路は、パネル間の空間を流れる加熱媒体により容易にアクセスでき、その長さに亘り通路の正確な温度制御が可能になる。
パネルは、例えば、管、折り畳み板、接続具、シートなどの基本的な部材から、溶接、ボルト継ぎ手などの一般に公知の構造技法により、単純かつ安価で構成することができる。
本発明による反応装置が反応装置パネルを備えることが好ましく、その反応装置パネルは、第1対の実質的に平行な外縁および第1対の外縁を接続する第2対の外縁で隣接した第1と第2の平行な板から構成され、少なくとも第1の板が、平らな接続ストリップおよび入口端と出口端を有する通路凹部を交互に備え、これらのストップと凹部が第1対の外縁に対して垂直に延在し、これらの板が、少なくとも第2対の外縁および接続ストリップに沿って互いに接続されて、第1の板の通路凹部と第2の板の対向する部分とを結合して通路にし、前記パネルがさらに、供給物ヘッダ、生成物ヘッダおよび隣接する通路を備え、各通路が、入口端から出口端まで延在する長さを有し、これらの入口端が、供給物ヘッダに開いて直接接続され、これらの出口端が生成物ヘッダに開いて直接接続されており、供給物ヘッダが、供給物ラインへの接続部を少なくとも1つ有し、生成物ヘッダが、生成物ラインへの接続部を少なくとも1つ有し、供給物ヘッダと生成物ヘッダの内の少なくとも一方の一部が取外し可能であり、通路端へのアクセスを与えるものである。
これらの通路は、一方の板の通路凹部と他方の板の対向する部分との組合せとして存在する。この対向する部分は、その他方の板の通路凹部、平らなストリップまたは別の平らな部分であってもよい。
これらの通路は、通路の全長に亘り延在する空間が空になるのをできるだけ避けるような様式で触媒粒子が充填されることが意図されている。それゆえ、入口端で通路に進入する流体は、触媒と十分に接触せずに未反応のままで出口端に到達しないようにすることができる。通路の断面はどのような形状であってもよいが、上述した理由のために、通路の断面は、鋭角のない滑らかで規則的な形状を有することが好ましい。そのような形状の例は、円形、楕円形または角が丸められた多角形である。
パネルを形成する構造部材は、反応とプロセス条件およびこれらの部材が曝露される成分に適合した材料からなるべきである。化学反応条件下で使用するための公知の材料は、金属、合金およびセラミック材料である。当該技術分野において、保護被覆層を塗布することも知られている。当業者は、意図した用途に鑑みて適切な材料を選択することができるであろう。その材料が十分な熱伝導率を示すことが好ましい。
パネルの寸法は主に、通路の長さと数により決まる。これらの値は、反応の種類、生産能力、意図する触媒のサイズと種類に応じて、幅広く及んでよい。このパネルの優れた利点は、その組立式特性であるので、各パネルは、対応する多数のパネルと同じ生産能力を有する、同じ反応のための反応装置に必要な単一の多管式パイプ束よりも著しく小さいサイズのものであってよい。
通路の断面積は、触媒と反応の種類に依る。行われる反応の吸熱性が大きいほど、触媒床内の不均一な反応分布、特に半径方向の大きな温度勾配を避けるために、また触媒床から通路壁へのまたはその逆の十分な熱伝達を確実にするために、この断面積は小さくなければならない。実際には、この断面積は5および300cm2の間にある。この断面積が200、100またはさらには50cm2未満であることが好ましい。
通路の断面積よりも重要なことは、通路の断面の直線寸法が最小であることである。通路の断面の任意の地点から通路壁までの最短の直線距離は、多くとも3.5cmである。この距離が多くとも2.5cmであることがより好ましい。通路の形状は、円形、楕円形または鋭角のない他の滑らかで規則的な形状であってよい。
通路は、その内部で所望の流動が可能になるように、平らすぎる形状を有するべきではない。この目的のために、実際的な規則として、全ての最短の直線距離の内で最長のものは、固体触媒が用いられる場合には、少なくとも1cmであり、ガス状触媒が用いられる場合には、少なくとも2mmであることが好ましい。
通路の長さは、幅広い範囲内で様々であってよく、長さの上限は、潜在的に、通路の長さの両端の圧力降下により制限される。この圧力降下は、触媒床の種類と密度にも依る。適切な長さは0.5から10メートルに及ぶ。
パネルが2枚の平行板から構成されている場合には板の厚さである、通路の壁厚は、例えば、圧力差、重力または取付作業により、それに作用する機械的力に耐えるのに十分である。その厚さは、上限では、板が通常の技法により成形できるという要件により、2枚の平行板からなる本発明によるパネルについて、実際的に制限される。実際的な厚さは、0.5から5mmの範囲に及ぶ。
それに応じて、パネルの寸法は、構成部品の寸法の合計により決まる。一例として、通路の長さ方向におけるこの寸法は、通路の長さに、この方向における供給物ヘッダと生成物ヘッダの高さを加えたものと少なくとも等しい。また、通路の長さ方向に対して垂直な寸法であるパネルの厚さは、その方向における通路の直径に、通路の壁厚とその外面上にある任意の板の厚さを加えたものに少なくとも等しい。
このパネルは、例えば、セントラルヒーティングのラジエータパネルを製造するため、または自動車産業において、公知の技法により高い融通性で容易に構成できる。例えば、ホットプレス法により、金属板を所望の形状と断面に形成することにより、複雑な形状と断面を有する板を製造することが可能になる。液圧コールドプレス法として知られている、このパネルを構成するための別の適切なプロセスにおいて、2枚の平板を、縁の位置と、成形すべきパネルにおいて板を接続すべき他の全ての位置で互いに溶接し、溶接されていない部分を要求される通路とヘッダに膨らませるために、2枚の平板の間に液圧を印加する。触媒通路を提供するための手段としてのこれらのパネルのさらなる詳細、仕様、代わりと好ましい実施の形態および利点が、その内容をここに引用する、同時係属出願である欧州特許出願第07013192.5号の優先権書類に基づく公報に開示されている。
また、本発明による反応装置は、熱交換特性についても大きい融通性を提供する。パネルの相対的な位置と距離を自由に選択できるので、パネルと加熱媒体との間の予見される効果的な熱交換流が可能になる。それゆえ、本発明による反応装置には、パネルに沿って反応セクションにおける所望の加熱媒体流動パターンを形成するために、邪魔板は必要ないという利点がある。本発明による反応装置のさらに別の利点として、通路の施栓、漏れまたは他の出来事の場合に、製造が再開できる前に、それに関与したパネルのみしか、反応装置から取り出し、交換するか、または単に切り離す必要がない。製造が続けられている間、修理や触媒の交換は、パネルをオフラインにして行うことができる。単一の管の束を備えた公知の反応装置において、修理や触媒の交換が完了するまで、製造は停止される。
パネルを容易に取り外せるようにするために、反応セクションの上の反応装置の部分は、少なくとも部分的に、取り外せることが好ましい。
パネルから供給物ラインまでの接続は、パネルと供給物ラインへの接続との間の熱膨張差を吸収して、応力を最小にできるという意味で柔軟である。この柔軟性を達成するための構成部材は、当該技術分野において公知であり、例として、供給物ラインが、ピグテール管部品または蛇腹形状の接続部品を含むことが挙げられる。
パネルは通常、反応装置内で垂直に配置される。その結果、通路は実質的に垂直に延在し、ヘッダは実質的に水平に延在する。パネルは通常、互いから所定の距離で平行に配置される。この距離は、要求される熱伝達に予見される加熱媒体の流動状況に依存し、1mmmと3cmの間に及んでよい。それより長い距離も可能であるが、熱交換には効率が悪くなることが実証されており、また加熱媒体流がより多く必要になる。ここで意味するパネル間の距離は、あるパネルの通路から、隣接するパネルの対向する部分、通路またはストリップまでを測定した、2枚の隣接するパネル間の最短の垂直距離である。
パネルは、反応装置筐体の構成部材により支持されるが、それに固定されずに、反応装置内に取り付けることができる。反応装置の筐体は、内側の反応装置容積を環境から遮蔽する全ての構成部材であり、支配する反応条件および熱交換条件に調和するように適合された反応装置筐体の一般的な公知の性質を有する。特に、筐体は、少なくとも、熱生成セクション、反応セクションおよびヘッドスペースセクションを備えている。
パネルが、収縮または膨張時に、筐体に対して動けることが好ましい。このことにより、パネルと筐体との間の熱応力の発生が避けられる。
パネルがその高い方の端部でだけ支持されて吊られていることが好ましい。このことにより、パネルが熱膨張または収縮して、最小の応力しか生じず、パネルの、それゆえ、全体としての反応装置の稼働寿命が伸び、信頼性が向上する。
本発明はさらに、本発明によるプロセスを実施するための本発明による反応装置の使用に関する。
特に、本発明は、飽和炭化水素またはエチルベンゼンの、特に、C2〜C8アルカンの脱水素化反応のための、上述した構造の反応装置パネルを備えた本発明による反応装置の使用に関する。
本発明を以下の図面によりさらに説明する。
反応装置管としてパイプを収容した本発明による反応装置の第1の実施の形態の断面図 反応装置パネルを収容した本発明による反応装置の第2の実施の形態の断面図 反応装置パネルを収容した本発明による反応装置の第3の実施の形態の断面図 反応装置の長さに沿った加熱媒体、壁および供給物/生成物流の温度分布を示すグラフ 本発明による反応装置における触媒管内の平衡転化ラインおよび実際の転化ラインを示すグラフ
図1、2および3に、反応装置壁4を有する反応装置が示されている。この反応装置は、熱生成セクション6、入口端8から反応セクション10、出口端12から反応セクション10、ヘッドスペースセクション14および導管18と20および圧縮器22を備えた再循環セクション16を含む。
図1において、反応セクション10は、供給物ライン26に接続された反応セクションの入口端と、生成物ライン28に接続されたその反対の端に、反応装置管24を収容している。
図1、2および3において、熱生成セクション6は、反応セクション10に対して90°の角度に配置されている。この構成により、反応装置管が、熱生成手段30により生成される熱放射から遮蔽される。この実施の形態における熱生成手段30は、燃料入口32と燃焼空気入口34に接続されたバーナである。
ヘッドスペースセクション14は、外部熱回収セクション(図示せず)につながる使用済み加熱媒体の出口36に接続される。これは、再循環セクション16の導管18にも接続され、この導管は次に圧縮器22に接続されている。圧縮器22の出口は導管20により熱生成セクション6に接続され、ここで、再循環された加熱媒体が、生成された新たな加熱媒体と混合される。
図2において、物体40は、反応装置の壁4に固定された支持突起46の上に載っている生成物ヘッダ44により反応セクション10内に自由に吊り下げられている、表面から見た反応装置パネルである。供給物ヘッダ48は供給物ライン26に接続され、生成物ヘッダ44は生成物ライン28に接続されている。パネル40は触媒通路50を備えている。
導管20は、バーナ30の底部を通って熱生成セクション6に入り、再循環された使用済み加熱媒体を新たな加熱媒体と、その生成直後に混合することを可能にしている。具体的に述べない数は、図1におけるものと同じ意味を有する。
図3において、熱生成セクション6は、反応セクション10の垂直に下方に位置している。反応セクション10において、多数の反応装置パネル40が配置されているのが側面から分かる。反応装置パネル40の供給物ヘッダ48の底部は、バーナ30に面するパネルの部分を、ここでは小さなバーナのアレイであるそのバーナ30からの熱放射から遮るための断熱材料の層52で被覆されている。
具体的に述べられていない数は、図1におけるものと同じ意味を有する。
X軸が入口端(0)から出口端(1)までの相対的な反応装置の長さを示し、Y軸が℃で表された温度を示している、図4は、図3に記載された反応装置内の反応区域の入口端から出口端までの3つの温度分布を示しており、この反応装置内では、プロパンからプロピレンへの接触脱水素化反応が、実施例1に記載される条件下で行われる。
曲線70は、加熱媒体が反応セクションの入口側からその出口側まで流動するときに、熱を触媒通路に伝達するにつれて徐々に冷却されるときの、加熱媒体の温度分布を示している。曲線72は、触媒通路に沿って流動する加熱媒体から熱を吸収する触媒通路の壁についての対応する温度分布を示している。この曲線72は、加熱媒体からの熱の吸収と、触媒管内の供給物/生成物流への熱の伝達とから生じる温度上昇を示している。曲線74は、触媒通路の壁により伝達される熱および触媒通路内の吸熱反応により消費される熱から生じる、供給物/管の内容物自体についての対応する温度分布を示している。
壁の温度は、管の長さに亘り非常に穏やかな変動を示しており、これにより、反応装置の構造内における熱応力と機械的応力が防がれ、局部的ホットスポットが避けられる。
X軸が℃で表された温度を示し、Y軸が転化率を示している、図5において、線76は、プロパンのプロピレンへの脱水素化反応の平衡転化ラインである。曲線78は、上昇する供給物/転化流の温度(図4の曲線74参照)の関数としての、反応セクションの入口から出口までの触媒通路の長さに沿った実際の転化を示す。温度範囲の最初の四分の一において、転化は、存在する多量の未転化の供給物により主に促進され、最後の四分の一において、より高い温度が、主要な促進力である。全体の結果として、最高温度でほぼ平衡な転化が達成される。最高の転化は、望ましくない副反応の発生または触媒の劣化に鑑みて、最高の許容温度により制限される。
本発明を、以下の実施例により、それに制限せずに説明する。
実施例1:プロパンの脱水素化
反応装置パネルの触媒通路に、触媒としてアルミナ担体上のPt/Snが充填された、図3に示される反応装置において、プロパンをプロピレンに脱水素化した。
550℃の温度および0.25MPaの圧力を有する蒸気とプロパンの混合物(3.5モル/モルの蒸気対プロパンの比)を1.5m3プロパン/m3触媒・時のLHSVで反応装置パネルの供給物ヘッダに供給した。触媒管を通過した後、流出した供給物/生成物の混合物は、630℃の温度および0.15MPaの圧力を有した。加熱媒体を、1000℃の温度で反応セクションの入口端に供給した。反応セクションを通過した後、使用済み加熱媒体は715℃の温度を有した。
触媒通路の壁の温度は、入口端で565℃であり、出口端で635℃であった。
プロパンの転化率は72%であり、プロピレンへの選択率は89%であった。
10 反応セクション
14 ヘッドスペースセクション
16 再循環セクション
18,20 導管
22 圧縮器
24 反応装置管
26 供給物ライン
28 生成物ライン
30 熱生成手段
40 パネル
44 生成物ヘッダ
48 供給物ヘッダ
50 触媒通路

Claims (11)

  1. 吸熱反応を促進する触媒を収容した、触媒管を備えた反応装置内で吸熱反応を行うプロセスであって、
    a.前記触媒管内に収容された前記触媒を、入口端から出口端まで複数の通路を通過する供給物流に接触させるとともに、各通路の前記入口端で前記供給物流の流動を制限し、前記供給物流の流速を臨界流速の少なくとも50%以上にさせる圧力降下を各通路に与えて該各通路に同じ流速の前記供給物流を通すようにする工程
    b. 前記触媒管の外面を、初期加熱温度を有し、前記供給物流と並流で流れる加熱媒体の流れに接触させて、対流により前記外面を加熱する工程、および
    c. 前記触媒管と接触した後の、前記初期加熱温度より低い温度を有する前記加熱媒体の少なくとも一部を、前記初期加熱温度より高い出発温度を有する新たな加熱媒体の流れと混合して、前記初期加熱温度を有する並流する加熱媒体を形成する工程、
    を有してなるプロセス。
  2. 前記触媒管は、鉛直方向に延びるように配置され、
    前記供給物流は、前記触媒管の下端に配された該触媒管の入口端から、前記触媒管の上端に配された該触媒管の出口端まで、前記通路を下方から上方へ向けて通過し、前記加熱媒体は、前記供給物流と並流で下方から上方へ向けて流れることを特徴とする請求項1記載のプロセス。
  3. 前記新たな加熱媒体が、バーナからの燃焼排ガスであることを特徴とする請求項1または2記載のプロセス。
  4. 前記吸熱反応が脱水素化反応であることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載のプロセス。
  5. 前記脱水素化反応が炭化水素に行われることを特徴とする請求項4記載のプロセス。
  6. 熱生成手段を有する熱生成セクションを備えた、吸熱反応プロセスを行うための反応装置であって、前記熱生成セクションが、反応セクションの入口と連通し、該反応セクションが、触媒管を有し、ヘッドスペースセクションと連通した出口端を有し、前記触媒管が前記熱生成手段の熱放射から遮蔽されており、前記ヘッドスペースセクションを前記熱生成セクションに接続する再循環セクションをさらに備え、
    前記触媒管は、吸熱反応を促進する触媒を収容し、該触媒を前記触媒管の入口端から出口端まで複数の通路を通過する供給物流に接触させるためのものであり、
    前記反応セクションが、前記触媒管の外面を、初期加熱温度を有し前記供給物流と並流で流れる加熱媒体の流れに接触させて、対流により前記外面を加熱するものであり、
    前記熱生成セクションが、前記再循環セクションを通って供給される、前記触媒管と接触した後の、前記初期加熱温度より低い温度を有する前記加熱媒体の少なくとも一部を、前記初期加熱温度より高い出発温度を有する新たな加熱媒体の流れと混合して、前記初期加熱温度を有する並流する加熱媒体を形成するものであり、
    さらに、各通路の前記入口端に設けられた、前記供給物流の流動を制限する流動制限手段であって、前記入口端で前記供給物流の流動を制限し、各通路に入る前記供給物流の流速を臨界流速の少なくとも50%以上にさせる圧力降下を各通路に与えて該各通路に同じ流速の前記供給物流を通すようにするための流動制限手段を備えたことを特徴とする反応装置。
  7. 前記触媒管が鉛直方向に延びるように配置されたものであり、
    前記供給物流が、前記触媒管の下端に配された該触媒管の入口端から、前記触媒管の上端に配された該触媒管の出口端まで、前記通路を下方から上方へ向けて通過し、前記加熱媒体が、前記供給物流と並流で下方から上方へ向けて流れるように構成されていることを特徴とする請求項6記載の反応装置。
  8. 前記熱生成手段が少なくとも1つのバーナを含むことを特徴とする請求項6または7記載の反応装置。
  9. 供給物ラインおよび生成物ラインをさらに備え、前記反応セクションが反応装置パネルを含み、各反応装置パネルが、供給物ヘッダ、生成物ヘッダおよび隣接する通路を含み、各通路が、入口端から出口端まで延在する長さを有し、前記入口端が前記供給物ヘッダに開いて直接接続され、前記出口端が前記生成物ヘッダに開いて直接接続されており、前記供給物ヘッダが供給物ラインへの接続部を少なくとも1つ有し、前記生成物ヘッダが生成物ラインへの接続部を少なくとも1つ有し、前記供給物ヘッダおよび生成物ヘッダの少なくとも一方が取外しでき、前記通路の端部へのアクセスを与えることを特徴とする請求項6から8いずれか1項記載の反応装置。
  10. 請求項6から9いずれか1項記載の反応装置を使用して、請求項1から5いずれか1項記載のプロセスを実施する方法。
  11. 請求項6または9記載の反応装置を使用して、請求項4または5記載のプロセスを実施する方法。
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