JP5445350B2 - 反応器及びその反応器を用いて行なう反応物の製造方法 - Google Patents
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Description
図3および下記<水素添加実験>に示す実験装置でHAEの水添実験を行い、その温度分布より反応条件下での発熱量を求める。算出式は以下の式(2)で表され、得られた発熱量は式(1)の反応熱(ΔH)とみなすことができる。
上記反応方程式(1)の反応の実験室規模での実験は、図3に示す実験装置30を用いて行った。この実験装置30は、内径19mm×高さ600mm(触媒充填層高さ300mm)に形成された円筒状のステンレス反応器本体33(厚み3mm)と、反応器本体33の触媒充填層36を加熱するように反応器本体33の外側に設けられた電気加熱炉35と、反応器本体33の内側に挿入され、反応器本体33の触媒充填層36の中心温度を計測するための熱電対を挿脱可能な熱電対鞘管40とを備えたものを用いた。
前記<水素添加実験>に示した装置を用い、水添反応を起こさないモデル流体としてHAEの代わりに1,5−ペンタンジオール(以下、PDL)を用い、これを触媒充填層とは異なる高い温度に加温して供給することで仮想的な発熱状態を作り、その定常状態における触媒充填層と外壁の温度分布を2.5cm間隔で測定・解析することでUを求めた。具体的には、25MPaの水素加圧下、はじめ触媒充填層を200℃に温度調節しておき、そこへ230℃に昇温したPDLと水素を所定量フィードした。実験により得られた温度分布データを表1に示す。なお、触媒あたりの液供給負荷[g/mL_触媒/hr]条件は分布1で1.0、分布2で2.0であり、GHSV[mL_ガス/mL_触媒/hr]は分布1、2とも500である。
計算にはPDLの比熱として0.80[cal/g/K]、水素の比熱として3.5[cal/g/K]を用いた。Uは、触媒充填層を2.5cmの区間に分割しそれぞれ算出した(ただし、温度が安定状態になる直前までの区間)。計算式は、以下の式(4)の通りであり、Q(放熱)は各区間のPDLと水素の温度低下分の熱量として、「流量×比熱×2.5cm区間の温度変化」より計算した。なお、PDLと水素と触媒充填層の温度は触媒充填層のどの位置でも熱平衡に到達しており、3者は全て同じ温度と仮定した。各区間のUの合計値を区間数で割ることで平均値を算出し、この値をその実験条件でのUとした。表1、分布1の触媒層の0〜15cmの区間の温度データを解析した結果U=76[kJ/m2/hr/K]と求められ、表1、分布2の触媒層の0〜17.5cmの区間の温度データを解析した結果U=108[kJ/m2/hr/K]と求められた。
前記<水素添加実験>に示す装置を用いてHAEの水素添加実験を行い、定常状態の触媒充填層と外壁の温度分布を2.5cm間隔で測定・解析することで反応熱量を求めた。実験条件は、水素圧25MPa、反応開始温度(触媒充填層直近の温度):200℃、触媒あたりの液供給負荷は1.39[g/mL_触媒/hr]、GHSVは500である。実験により得られた温度分布データを分布3として表2に示す。
計算には、HAEの比熱:0.538[cal/g/K]、水添液の比熱:0.757[cal/g/K]を用いた。U値として、前記<Uの算出方法>で算出した触媒あたりの液供給負荷が1.0(表1、分布1)と2.0(表1、分布2)の値より触媒あたりの液供給負荷1.39相当の按分値:89[kJ/m2/hr/K]を算出しこれを用いた。上記式(2)において、Q1は触媒充填層の入り口と出口におけるプロセス流体(液体及びガス)の温度差より計算した。Q2については2.5cmの各区間ごとに放熱量を求め、それらを全部足し合わせることで求めた。この結果、Q1=298[J/g],Q2=227[J/g]となり、この反応条件での反応熱(ΔH)は525[J/g]と計算された。
まず、本実施例において使用した市販の流体解析ソフトウエアのCFD解析による解析データの精度について、実際の水素添加実験により得られたデータ(反応率)と、CFD解析により得られたデータ(解析反応率)とを比較することにより、検証した。実験条件を下表3に示す。
次に、市販の流体解析ソフトウエアを用いて、CFD解析による実験検証シミュレーションを実施した。解析条件は、下記表4の通りである。
実験検証シミュレーションにおける解析反応率の計算の条件は、以下の通りである。
(1)流体は、水素ガスと原料HAE液の二相流であるが、ここでは均相系として計算し、その物性は質量分率で按分した。(2)反応層内の触媒充填層の有効熱伝導度Kerは、軸方向や半径方向の位置によらず触媒充填層の全領域で同一とした。(3)反応器内温度は、触媒・液体・水素ガス全て同一と仮定した。(4)有効熱伝導度Kerの計算値は、流体と触媒充填層とから、周知の算出方法、例えば「化学工学論文集 第2巻 第1号 第53〜59頁 ((社)化学工学会 1976年発行)」などに記載されている方法により推算した。(5)使用物性データとして、密度・粘度・単体の熱伝導度・比熱の4つの物性は、HAEについては、HDLのASPEN推算値で代用し、水素ガスについては、「流体の熱物性値集 第94頁 (日本機械学会 1983年8月発行)」に記載されている実測物性(該当温度の物性が無い場合は外挿等により推算)を使用し、220〜260℃の平均を用いた。ここで、ASPEN推算値とは、ASPEN TECHNOLOGY 社製プロセスシミュレータ「ASPEN PLUS V7.1」を用いた推算値である。
次に、市販の流体解析ソフトウエアを用いて、CFD解析によるシミュレーションを実施し、反応器本体に伝熱板を設けた場合と設けない場合との触媒充填層内の温度分布、及び反応器本体に設けられる伝熱板の最適な触媒充填層の容積に対する表面積を求めた。
反応器内径0.42m×高さ12.7mのCFD解析を、上述した<実験検証シミュレーション>と同様の方法において実施した。図6(a)は、解析モデル図であり、図6(b)は、実施例1の場合の図6(a)のC−C´線に沿った断面図、図6(c)は、比較例1の場合の図6(a)のC−C´線に沿った断面図、図6(d)は、比較例2の場合の図6(a)のC−C´線に沿った断面図である。
また、これ以外の条件は、表3〜6と同じ条件を用いた。
本反応における好ましい反応温度範囲の上限値は次に示す実験により求めた。内容積100mLオートクレーブにHAE40g、前記<水素添加実験>で使用したものと同じ銅系触媒を4g仕込み、水素圧25MPa、攪拌回転数750rpm、所定温度で2hr反応させた。各反応温度で反応させた時の反応液のHDL濃度を図10に示す。図10より、温度が250℃を超えると分解反応によりHDL濃度が低下してしまうことがわかる。本反応の反応温度は250℃を超えないことが好ましいと考えられる。
Claims (6)
- 固体触媒に灌液流条件下にて気体及び液体を接触させ、反応原料液の重量あたりの反応熱が450〜600[J/g_反応原料液]となる気液固触媒反応を実施するトリクルベッド式反応の際に使用する反応器であって、
固体触媒を充填する円筒状の反応器本体と、
該反応器本体の内壁面に接し、かつ前記反応器本体の中心軸に対して実質的に平行に設けられた伝熱板とを備え、
前記反応器本体の固体触媒が充填される領域における、前記中心軸に垂直に交わる任意の異なる二つの断面の間の反応器区分において、前記伝熱板の表面積が、該反応器区分の容積に対し8.0〜100[m2/m3]となるように設けられ、
前記伝熱板は、熱伝導率が10[W/(m・K)]以上の材料から形成されている
ことを特徴とする反応器。 - 前記伝熱板の、前記反応器区分の容積に対する表面積が8.0〜30.0[m2/m3]となるように設けられていることを特徴とする請求項1記載の反応器。
- 前記伝熱板が、熱伝導率が15[W/(m・K)]以上の材料から形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の反応器。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の反応器を用いて、反応器に供給する反応原料液の重量あたりの反応熱を450〜600[J/g_反応原料液]に調整して、トリクルベッド式反応を実施することによって製造することを特徴とする反応物の製造方法。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の反応器を用いて、エステル基の水素化をトリクルベッド式で実施し、アルコール類を得ることを特徴とする反応物の製造方法。
- エステル基が6−ヒドロキシヘキサン酸エステルに含まれるエステル基であり、得られるアルコール類が1,6−ヘキサンジオールであることを特徴とする請求項5記載の反応物の製造方法。
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