JP2009240014A - 電動機 - Google Patents
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Abstract
【課題】オイルポンプ仕事を低減することができ、電動機の応答性を向上することができる電動機を提供する。
【解決手段】磁極が周方向に向くように着磁される複数の外周側永久磁石25Aを有する外周側回転子21と、外周側回転子21と同軸線上に設けられ、磁極が径方向に向くように着磁される複数の内周側永久磁石25Bを有する内周側回転子22と、を備え、最強め界磁位相の状態の外周側永久磁石25Aの磁極中心OCに対して、内周側永久磁石25Bの磁極中心ICが第2突き当て面E2から離れる方向にずれるように設定され、最弱め界磁位相の状態の外周側永久磁石25Aの磁極中心OCに対して、内周側永久磁石25Bの磁極中心ICが第1突き当て面E1に近くなる方向にずれるように設定され、電動機10の停止時に、外周側回転子21及び内周側回転子22を強め界磁位相の状態にする制御手段を有する。
【選択図】図5
【解決手段】磁極が周方向に向くように着磁される複数の外周側永久磁石25Aを有する外周側回転子21と、外周側回転子21と同軸線上に設けられ、磁極が径方向に向くように着磁される複数の内周側永久磁石25Bを有する内周側回転子22と、を備え、最強め界磁位相の状態の外周側永久磁石25Aの磁極中心OCに対して、内周側永久磁石25Bの磁極中心ICが第2突き当て面E2から離れる方向にずれるように設定され、最弱め界磁位相の状態の外周側永久磁石25Aの磁極中心OCに対して、内周側永久磁石25Bの磁極中心ICが第1突き当て面E1に近くなる方向にずれるように設定され、電動機10の停止時に、外周側回転子21及び内周側回転子22を強め界磁位相の状態にする制御手段を有する。
【選択図】図5
Description
本発明は、回転子に設けられる永久磁石の界磁特性を変更できるようにした電動機に関する。
従来の電動機として、複数の永久磁石を有する回転子と、回転子を囲むように回転子と同心円状に設けられる固定子と、を備え、回転子は、電動機の回転軸の周囲に同心円状に設けられる第1及び第2回転子を有し、回転子に電動機の回転速度に応じて、第1及び第2回転子の位相差を制御する弱め界磁制御装置を設けるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の他の電動機として、極性が異なる内周側永久磁石部が周方向に沿って交互に配置される内周側回転子及び極性が異なる外周側永久磁石部が周方向に沿って交互に配置される外周側回転子の互いの回転軸線が同軸に配置され、少なくとも内周側回転子及び外周側回転子のいずれか一方を回転軸線周りに回動させることによって内周側回転子と外周側回転子との間の相対的な位相を変更可能な回動手段を備え、回動手段は、内周側回転子と外周側回転子との間の相対的な位相の可変幅が、電気角で180°未満の範囲内に設定されるものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
ところで、上記特許文献1に記載の電動機では、第1回転子及び第2回転子の位相をずらして電動機の特性を可変するものが説明されているが、第1回転子及び第2回転子を駆動する具体的な駆動機構が説明されておらず、実際に駆動する場合、駆動のための付帯機構が必要になる。
また、上記特許文献2に記載の電動機では、油圧が落ちた時点で原点復帰できるメリットがある反面、合成磁束が最も弱くなる状態でも相対トルクに打ち勝つ油圧が必要であり、チェックバルブ構造を採用してもオイルの漏洩分のオイルポンプ仕事が常に必要であった。
また、上記特許文献2に記載の電動機は、外周側永久磁石及び内周側永久磁石が、着磁方向が径方向に向くように配置されるため、合成磁束が最も強くなる状態で安定する電動機であるが、外周側永久磁石が、その着磁方向が周方向に向くように配置され、内周側永久磁石が、その着磁方向が径方向に向くように配置される電動機の場合、合成磁束が最も弱くなる状態で安定するため、外周側永久磁石及び内周側永久磁石を強め界磁位相に維持するには、オイルポンプ仕事が常に必要であった。
また、上記した合成磁束が最も弱くなる状態で安定する電動機の場合、電動機始動後、外周側永久磁石及び内周側永久磁石を強め界磁位相に制御するまでに時間が必要であり、特に、位相変更手段が油圧で行われる場合は、低温時などに応答性が低下する可能性があった。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、オイルポンプ仕事を低減することができ、電動機の応答性を向上することができる電動機を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、磁極が周方向に向くように着磁され周方向に所定間隔で極性が交互に異なるように配置される複数の外周側永久磁石(例えば、実施の形態での外周側永久磁石25A)を有する外周側回転子(例えば、実施の形態での外周側回転子21)と、外周側回転子と同軸線上に設けられ、磁極が径方向に向くように着磁され周方向に極性が交互に異なるように順次配置される複数の内周側永久磁石(例えば、実施の形態での内周側永久磁石25B)を有する内周側回転子(例えば、実施の形態での内周側回転子22)と、外周側回転子と内周側回転子の少なくとも一方を回動させることで、外周側回転子と内周側回転子との相対位相を変更し合成磁束を変化させる位相変更手段(例えば、実施の形態での位相変更手段13)と、を備える電動機において、合成磁束が所定以下の弱め状態で位相変更手段の回動を規制する第1の突き当て位置(例えば、実施の形態での第1突き当て面E1)を、外周側永久磁石及び内周側永久磁石による相対トルクが第1の所定値になる位相に設定し、合成磁束が所定以上の強め状態で位相変更手段の回動を規制する第2の突き当て位置(例えば、実施の形態での第2突き当て面E2)を、第1の突き当て位置に対して相対トルクの向きが逆方向に発生し、相対トルクが第2の所定値になる位相に設定し、電動機の停止時に、外周側回転子及び内周側回転子を合成磁束が強くなる状態の相対位相にする制御手段を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、位相変更手段を第2の突き当て位置で回動を規制して回転した状態において、内周側回転子のイナーシャによる力と外周側永久磁石及び内周側永久磁石の引き付け力とが同一方向となることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、外周側永久磁石の磁極中心に対して、内周側永久磁石の磁極中心がずれており、合成磁束が最も強くなる状態の外周側永久磁石の磁極中心に対して、内周側永久磁石の磁極中心は第2の突き当て位置から離れる方向にずれており、合成磁束が最も弱くなる状態の外周側永久磁石の磁極中心に対して、内周側永久磁石の磁極中心は一致、もしくは第1の突き当て位置に近くなる方向にずれること特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明の構成に加えて、外周側永久磁石の磁極中心に対して、内周側永久磁石の磁極中心がずれており、外周側回転子と内周側回転子との相対位相を変更することによって合成磁束を変化させる際に、合成磁束が最も強くなる状態の相対位相を電気角度0degとすると、合成磁束が最も強くなる状態の外周側永久磁石の磁極中心に対して、内周側永久磁石の磁極中心は第2の突き当て位置から離れる方向に電気角度にて3deg〜20degずれており、合成磁束が最も弱くなる状態の外周側永久磁石の磁極中心に対して、内周側永久磁石の磁極中心は一致、もしくは第1の突き当て位置に近くなる方向に電気角度にて0deg〜20degずれること特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、位相変更手段は、外周側回転子に固定されるベーンと、内周側回転子に固定される仕切壁と、ベーンと仕切壁との間に形成される作動室と、を備え、作動室に流体が給排されることにより、外周側回転子と内周側回転子との相対位相が変更され、仕切壁の基部に突き当て面が設けられることを特徴とする。
請求項1に記載の電動機によれば、外周側回転子及び内周側回転子を合成磁束が強くなる状態の相対位相に、外周側永久磁石及び内周側永久磁石の磁力のみで保持可能であるため、低速走行時などの高トルク領域でのオイルポンプ仕事を低減することができる。また、外周側回転子及び内周側回転子を合成磁束が弱くなる状態の相対位相に、外周側永久磁石及び内周側永久磁石の磁力のみで保持可能であるため、高速走行時などの低トルク領域でのオイルポンプ仕事を低減することができる。さらに、電動機停止時に、外周側回転子及び内周側回転子を合成磁束が強くなる状態の相対位相に制御するため、電動機始動後すぐに最大トルクが発生可能となり、電動機の応答性を向上することができる。
請求項2に記載の電動機によれば、外周側永久磁石及び内周側永久磁石の引き付け力が小さかったとしても、電動機回転時に外周側回転子及び内周側回転子の位相ずれが発生しない。これにより、乗り越し角度を小さくすることができ、乗り越し状態にて最大トルクとほぼ同等のトルクを確保することができるので、電動機の応答性を向上することができる。
請求項3に記載の電動機によれば、外周側回転子及び内周側回転子を合成磁束が強くなる状態の相対位相に、外周側永久磁石及び内周側永久磁石の磁力のみで保持可能であるため、低速走行時などの高トルク領域でのオイルポンプ仕事を低減することができる。また、外周側回転子及び内周側回転子を合成磁束が弱くなる状態の相対位相に、外周側永久磁石及び内周側永久磁石の磁力のみで保持可能であるため、高速走行時などの低トルク領域でのオイルポンプ仕事を低減することができる。さらに、電動機停止時に、外周側回転子及び内周側回転子を合成磁束が強くなる状態の相対位相に制御するため、電動機始動後すぐに最大トルクが発生可能となり、電動機の応答性を向上することができる。
請求項4に記載の電動機によれば、外周側回転子及び内周側回転子を合成磁束が強くなる状態の相対位相に、外周側永久磁石及び内周側永久磁石の磁力のみで保持可能であるため、低速走行時などの高トルク領域でのオイルポンプ仕事を低減することができる。また、外周側回転子及び内周側回転子を合成磁束が弱くなる状態の相対位相に、外周側永久磁石及び内周側永久磁石の磁力のみで保持可能であるため、高速走行時などの低トルク領域でのオイルポンプ仕事を低減することができる。さらに、電動機停止時に、外周側回転子及び内周側回転子を合成磁束が強くなる状態の相対位相に制御するため、電動機始動後すぐに最大トルクが発生可能となり、電動機の応答性を向上することができる。
以下、本発明に係る電動機の一実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
本実施形態の電動機10は、図1〜図4に示すように、円環状の固定子11の内周側に回転子ユニット20が配置されるインナロータ型のブラシレスDCモータであり、例えば、ハイブリッド車両や電動車両等の走行駆動源として用いられる。固定子11は複数相の固定子巻線11aを有し、回転子ユニット20は軸芯部に回転軸12を有している。この電動機10を車両の走行駆動源として用いる場合、電動機10の回転力はトランスミッション(図示せず)を介して車輪の駆動軸(図示せず)に伝達される。この場合、電動機10を車両の減速時に発電機として機能させれば、発電電力を回生エネルギーとして蓄電器に回収することができる。また、ハイブリッド車両においては、電動機10の回転軸12をさらに内燃機関のクランクシャフト(図示せず)に連結することにより、内燃機関による発電にも利用することができる。
回転子ユニット20は、円環状の外周側回転子21と、この外周側回転子21の内側に同軸上に配置される円環状の内周側回転子22と、を備え、外周側回転子21と内周側回転子22が設定角度の範囲で相対回動可能とされている。
外周側回転子21と内周側回転子22は、回転子本体である円環状のヨーク23,24が、例えば、複数の電磁鋼板を回転軸12に沿う方向に積層してなる積層鋼板によって形成される。各ヨーク23,24には、軸方向に貫通するように形成される複数の磁石装着スロット23a,24aが周方向に所定間隔(本実施形態では22.5°)で配置される。
各磁石装着スロット23a,24aには、厚み方向に磁化された平板状の外周側永久磁石25Aと内周側永久磁石25Bがそれぞれ装着される。そして、本実施形態では、図5に示すように、外周側永久磁石25Aは、着磁方向(厚み方向)が周方向に向くように配置され、内周側永久磁石25Bは、着磁方向(厚み方向)が径方向に向くように配置される。従って、隣接する外周側永久磁石25A,25Aと内周側永久磁石25Bとが略コの字状に配置される。
また、外周側永久磁石25Aと内周側永久磁石25Bは同数(本実施形態では8極対)設けられており、図5に示すように、外周側回転子21上において周方向に隣接する外周側永久磁石25Aは磁極(極性)が交互に異なるように配置され、内周側回転子22上において周方向に隣接する内周側永久磁石25Bも磁極(極性)が交互に異なるように配置される。
そして、本実施形態では、隣接する外周側永久磁石25Aの対向N極(またはS極)間の磁極中心OCと、内周側永久磁石25Bの同極つまりN極(またはS極)の磁極中心ICとが同一線上に重なるように、外周側回転子21と内周側回転子22の相対位相を調整したとき、回転子ユニット20全体の合成磁束が最も強くなる「最強め界磁位相」の状態となる。また、隣接する外周側永久磁石25Aの対向N極(またはS極)間の磁極中心OCと、内周側永久磁石25Bの異極つまりS極(またはN極)の磁極中心ICとが同一線上に重なるように、外周側回転子21と内周側回転子22の相対位相を調整したとき、回転子ユニット20全体の合成磁束が最も弱くなる「最弱め界磁位相」の状態となる。
また、回転子ユニット20は、外周側回転子21と内周側回転子22を相対回動させるための回動機構30を備える。この回動機構30は、両回転子21,22の相対位相を任意に変更するための位相変更手段13を構成するものであり、非圧縮性の作動流体である作動液の圧力によって駆動される。位相変更手段13は、上記した回動機構30と、この回動機構30に対する作動液の給排を制御する液圧制御装置(図示せず)と、を主要な要素として構成される。
回動機構30は、図1〜図3に示すように、回転軸12の外周に一体回転可能にスプライン嵌合されるベーンロータ31と、ベーンロータ31の外周側に相対回動可能に配置される環状ハウジング32と、を備える。
ベーンロータ31は、図1に示すように、環状ハウジング32及び内周側回転子22の軸方向両端面を跨ぐ円板状の一対の第1ドライブプレート14A,14B、及び環状ハウジング32の軸方向両端部の開口を閉塞する円板状の一対の第2ドライブプレート15A,15Bを介して外周側回転子21に連結される。従って、外周側回転子21、第1ドライブプレート14A,14B、第2ドライブプレート15A,15B、ベーンロータ31、及び回転軸12が一体的に連結されるので、外周側回転子21の駆動力が第1ドライブプレート14A,14B及びベーンロータ31を介して回転軸12に伝達される。
また、本実施形態では、第1ドライブプレート14A,14B、第2ドライブプレート15A,15B、及びベーンロータ31は、ボルト16により一体的に連結され、第1ドライブプレート14A,14B、及び外周側回転子21はトルク伝達ピン17によりトルク伝達可能に連結される。
トルク伝達ピン17は、図1及び図5に示すように、外周側回転子21のヨーク23の外周側永久磁石25A間の周方向中央部にそれぞれ(22.5°間隔で)形成される長穴形状の貫通穴18のうちの均等間隔(90°間隔)に位置する4箇所の貫通穴18にそれぞれ挿通され、その両端部が第1ドライブプレート14A,14Bの内側面に形成されるピン保持穴19に挿入又は圧入される。
なお、図中の符号26は、外周側回転子21と第1ドライブプレート14Aとの間に介装されるロストモーション用の皿バネで、符号27は、第1ドライブプレート14A,14B、第2ドライブプレート15A,15B、及びベーンロータ31の位置決めを行う位置決めピンである。
環状ハウジング32は、図1及び図4に示すように、その外周面に、内周側回転子22と、内周側回転子22を軸方向に挟むように配置され、磁石装着スロット24aから内周側永久磁石25Bが抜け出ることを防止する一対の端面板33,33と、環状ハウジング32の軸方向端部に形成される鍔部32aとの間に内周側回転子22及び一対の端面板33,33を挟み込むカラー34と、が一体的に嵌合固定される。従って、環状ハウジング32及び内周側回転子22が一体化される。
また、ベーンロータ31は、回転軸12にスプライン嵌合される円筒状のボス部35の外周に、径方向外側に突出する複数のベーン36が周方向等間隔で設けられる。環状ハウジング32は、内周面に周方向等間隔に複数の凹部37が設けられ、これら各凹部37にベーンロータ31の対応するベーン36が収容配置される。各凹部37は、ベーン36の先端部の回転軌道にほぼ合致する円弧面を有する底壁38と、隣接する凹部37同士を画成する仕切壁39と、によって構成され、ベーンロータ31と環状ハウジング32の相対回動時に、ベーン36が一方の仕切壁39と他方の仕切壁39の間を移動する。
また、本実施形態では、図5及び図6に示すように、外周側永久磁石25A及び内周側永久磁石25Bの合成磁束が弱くなる方向にベーンロータ31と環状ハウジング32が相対回動した時のベーン36と仕切壁39との当接面を第1突き当て面(第1の突き当て位置)E1とする。外周側永久磁石25A及び内周側永久磁石25Bの合成磁束が強くなる方向にベーンロータ31と環状ハウジング32が相対回動した時のベーン36と仕切壁39との当接面を第2突き当て面(第2の突き当て位置)E2とする。
また、各ベーン36の先端部には、底壁38と軸方向に沿うように摺接するシール40aと、シール40aを底壁38に向けて押圧するスプリング40bと、によって構成されるシール部材40が設けられており、このシール部材40は、ベーン36と底壁38との間を液密にシールする。また、各仕切壁39の先端部には、ボス部35の外周面と軸方向に沿うように摺接するシール41aと、シール41aをボス部35の外周面に向けて押圧するスプリング41bと、によって構成されるシール部材41が設けられており、このシール部材41は、仕切壁39とボス部35の外周面との間を液密にシールする。
第2ドライブプレート15A、15Bは、環状ハウジング32の軸方向端面に摺動自在に密接し、環状ハウジング32の各凹部37の側方をそれぞれ閉塞する。従って、環状ハウジング32の各凹部37は、ベーンロータ31のボス部35と両側の第2ドライブプレート15A,15Bと共にそれぞれ独立した空間を形成し、この空間は、作動液が導入される導入空間となっている。各導入空間内は、ベーンロータ31の対応する各ベーン36によってそれぞれ2室に隔成され、一方の室が進角側作動室42とされ、他方の室が遅角側作動室43とされている。
進角側作動室42は、内部に導入された作動液の圧力によって内周側回転子22を外周側回転子21に対して進角方向に相対回動させ、遅角側作動室43は、内部に導入された作動液の圧力によって内周側回転子22を外周側回転子21に対して遅角方向に相対回動させる。この場合、「進角」とは、内周側回転子22を外周側回転子21に対して図2中の矢印Rで示す電動機10の主回転方向に進めることを言い、「遅角」とは、内周側回転子22を外周側回転子21に対して電動機10の主回転方向Rと逆側に進めることを言うものとする。
また、各進角側作動室42と遅角側作動室43に対する作動液の給排は回転軸12を通して行われるようになっている。具体的には、進角側作動室42は、回転軸12に形成される通路孔44aと、回転軸12の外周面に形成され、通路孔44aと接続される環状溝44bと、ベーンロータ31のボス部35に略径方向に形成される複数の導通孔44cと、を介して液圧制御装置に接続される。また、遅角側作動室43は、回転軸12に形成される通路孔45aと、回転軸12の外周面に形成され、通路孔45aと接続される環状溝45bと、ベーンロータ31のボス部35に略径方向に形成される複数の導通孔45cと、を介して液圧制御装置に接続される。
そして、本実施形態では、図5及び図7に示すように、上記した最強め界磁位相の状態を0degとすると、隣接する外周側永久磁石25Aの対向N極(またはS極)間の磁極中心OCに対して、内周側永久磁石25Bの同極つまりN極(またはS極)の磁極中心ICが第2突き当て面E2から離れる方向(図5の反時計方向)に電気角度にて20degずれるように、第2突き当て面E2の位相が設定されており、この状態の外周側回転子21及び内周側回転子22の相対位相を「強め界磁位相」とする。なお、この強め界磁位相の状態における、磁極中心OCに対する磁極中心ICの電気角度は、好ましくは3deg〜20degの範囲で任意に設定可能である。
また、本実施形態では、図6及び図7に示すように、上記した最弱め界磁位相の状態を0degとすると、隣接する外周側永久磁石25Aの対向N極(またはS極)間の磁極中心OCに対して、内周側永久磁石25Bの異極つまりS極(またはN極)の磁極中心ICが第1突き当て面E1に近くなる方向(図6の反時計方向)に電気角度にて20degずれるように、第1突き当て面E1の位相が設定されており、この状態の外周側回転子21及び内周側回転子22の相対位相を「弱め界磁位相」とする。なお、この弱め界磁位相の状態における、磁極中心OCに対する磁極中心ICの電気角度は、好ましくは0deg〜20degの範囲で任意に設定可能である。
また、本実施形態では、図5〜図7に示すように、第1突き当て面E1は、外周側回転子21及び内周側回転子22が上記した弱め界磁位相となる位相に配置されており、この時、外周側永久磁石25Aと内周側永久磁石25Bとの間には相対トルクT1(図7の160deg参照)が発生する。また、第2突き当て面E2は、外周側回転子21及び内周側回転子22が上記した強め界磁位相となる位相に配置されており、この時、外周側永久磁石25Aと内周側永久磁石25Bとの間には相対トルクT1と発生方向が逆方向の相対トルクT2(図7の−20deg参照)が発生する。
さらに、本実施形態では、図5に示すように、位相変更手段13のベーンロータ31及び環状ハウジング32を第2突き当て面E2で回動を規制して回転した状態において、内周側回転子22のイナーシャによる力P1と外周側永久磁石25A及び内周側永久磁石25Bの引き付け力P2とが同一方向となるように設定される。
このように構成された電動機10では、界磁特性を変更する場合、液圧制御装置による作動液の給排により、進角側作動室42と遅角側作動室43の一方に作動液を供給すると共に他方から作動液を排出する。そして、こうして作動液の給排が制御されると、ベーンロータ31と環状ハウジング32が相対的に回動し、それにともなって外周側回転子21と内周側回転子22の相対位相が操作される。
外周側回転子21と内周側回転子22の相対位相が操作されると、図5に示す強め界磁位相の状態と、図6に示す弱め界磁位相の状態の間で、固定子11に及ぼす磁界の強さが変化する。磁界の強さが変化すると、それに伴って誘起電圧定数が変化し、その結果、電動機10の特性が変更される。即ち、強め界磁によって誘起電圧定数が大きくなると、電動機10として運転可能な許容回転速度は低下するものの、出力可能な最大トルクは増大し、逆に、弱め界磁によって誘起電圧定数が小さくなると、電動機10として出力可能な最大トルクは減少するものの、運転可能な許容回転速度は上昇する。
また、本実施形態の電動機10では、図7に示すように、上記した最強め界磁位相においては、外周側永久磁石25Aと内周側永久磁石25Bとの間に相対トルクは発生しないが、不安定に釣り合った状態であるので、内周側回転子22には、最強め界磁位相(0deg)を境に合成磁束を弱めようとする方向の力が作用する。そして、本実施形態のように、第1突き当て面E1を上記した弱め界磁位相に設定することにより、内周側回転子22に弱め界磁位相の相対トルクT1が作用して、内周側回転子22を図2の時計方向に回動しようとするが、ベーン36と仕切壁39が第1突き当て面E1において当接するので、外周側回転子21と内周側回転子22の相対位相が両永久磁石25A,25Bの磁力のみで安定に保持される。また、本実施形態のように、第2突き当て面E2を上記した強め界磁位相に設定することにより、内周側回転子22に強め界磁位相の相対トルクT2が作用して、内周側回転子22を図2の反時計方向に回動しようとするが、ベーン36と仕切壁39が第2突き当て面E2において当接するので、外周側回転子21と内周側回転子22の相対位相が両永久磁石25A,25Bの磁力のみで安定に保持される。
また、本実施形態の電動機10は、不図示の駆動制御装置(制御手段)により制御されており、この制御手順は、図8に示すように、ステップS1では、車両の速度(車速)が0か否かを判断する。そして、車速が0の場合はステップS2に進み、車速が0でない場合は制御終了に進む。
ステップS2では、外周側回転子21及び内周側回転子22が強め界磁位相であるか否かを判断する。そして、強め界磁位相である場合は、システム停止許可フラグを実行して、電動機10を停止させて制御終了に進む。また、強め界磁位相でない場合は、タイマーを2秒にセットした後、外周側回転子21及び内周側回転子22が強め界磁位相となるように両回転子21,22の相対位相を変更させてステップS3に進む。
ステップS3では、ステップS2においてセットしたタイマーが0秒になったか否かを判断する。そして、タイマーが0秒である場合は、システム停止許可フラグを実行して、電動機10を停止させて制御終了に進む。また、タイマーが0秒でない場合は、再度、外周側回転子21及び内周側回転子22が強め界磁位相となるように両回転子21,22の相対位相を変更させる。なお、本実施形態では、タイマーは2秒にセットされているが、その秒数は任意に設定可能である。
以上説明したように、本実施形態の電動機10によれば、最強め界磁位相の状態の外周側永久磁石25Aの磁極中心OCに対して、内周側永久磁石25Bの磁極中心ICが第2突き当て面E2から離れる方向に電気角度にて20degずれるように設定されるため、外周側回転子21及び内周側回転子22を強め界磁位相の状態に両永久磁石25A,25Bの磁力のみで保持可能である。これにより、低速走行時などの高トルク領域でのオイルポンプ仕事を低減することができる。
また、本実施形態の電動機10によれば、最弱め界磁位相の状態の外周側永久磁石25Aの磁極中心OCに対して、内周側永久磁石25Bの磁極中心ICが第1突き当て面E1に近くなる方向に電気角度にて20degずれるように設定されるため、外周側回転子21及び内周側回転子22を弱め界磁位相の状態に両永久磁石25A,25Bの磁力のみで保持可能である。これにより、高速走行時などの低トルク領域でのオイルポンプ仕事を低減することができる。
また、本実施形態の電動機10によれば、電動機10の停止時に、外周側回転子21及び内周側回転子22を合成磁束が強くなる強め界磁位相の状態にする制御手段を有するため、電動機10の始動後すぐに最大トルクが発生可能となり、電動機10の応答性を向上することができる。
さらに、本実施形態の電動機10によれば、位相変更手段13を第2突き当て面E2で回動を規制して回転した状態において、内周側回転子22のイナーシャによる力P1と外周側永久磁石25A及び内周側永久磁石25Bの引き付け力P2とが同一方向となるため、外周側永久磁石25A及び内周側永久磁石25Bの引き付け力P2が小さかったとしても、電動機10の回転時に両回転子21,22の位相ずれが発生しない。これにより、乗り越し角度を小さくすることができ、乗り越し状態にて最大トルクとほぼ同等のトルクを確保することができるので、電動機10の応答性を向上することができる。
なお、本実施形態の変形例として、図9に示すように、隣接する外周側永久磁石25Aの対向N極(またはS極)間の磁極中心OCに対して、内周側永久磁石25Bの異極つまりS極(またはN極)の磁極中心ICが一致するように、第1突き当て面E1の位相を設定してもよい。即ち、外周側回転子21及び内周側回転子22の合成磁束が弱くなる状態の相対位相を上記した最弱め界磁位相とする。この場合、この最弱め界磁位相で外周側回転子21及び内周側回転子22が安定するので、外周側回転子21及び内周側回転子22の相対位相を両永久磁石25A,25Bの磁力のみで保持可能である。
なお、本発明は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、位相変更手段13が内周側回転子22を回動させることで、外周側回転子21と内周側回転子22との間の相対的な位相を変更可能としているが、外周側回転子21を回動させることで、これら回転子21,22との間の相対的な位相を変更可能としてもよい。
例えば、上記実施形態では、位相変更手段13が内周側回転子22を回動させることで、外周側回転子21と内周側回転子22との間の相対的な位相を変更可能としているが、外周側回転子21を回動させることで、これら回転子21,22との間の相対的な位相を変更可能としてもよい。
10 電動機
13 位相変更手段
20 回転子ユニット
21 外周側回転子
22 内周側回転子
25A 外周側永久磁石
25B 内周側永久磁石
30 回動機構
31 ベーンロータ
32 環状ハウジング
E1 第1突き当て面(第1の突き当て位置)
E2 第2突き当て面(第2の突き当て位置)
OC 外周側永久磁石の磁極中心
IC 内周側永久磁石の磁極中心
13 位相変更手段
20 回転子ユニット
21 外周側回転子
22 内周側回転子
25A 外周側永久磁石
25B 内周側永久磁石
30 回動機構
31 ベーンロータ
32 環状ハウジング
E1 第1突き当て面(第1の突き当て位置)
E2 第2突き当て面(第2の突き当て位置)
OC 外周側永久磁石の磁極中心
IC 内周側永久磁石の磁極中心
Claims (5)
- 磁極が周方向に向くように着磁され周方向に所定間隔で極性が交互に異なるように配置される複数の外周側永久磁石を有する外周側回転子と、
前記外周側回転子と同軸線上に設けられ、磁極が径方向に向くように着磁され周方向に極性が交互に異なるように順次配置される複数の内周側永久磁石を有する内周側回転子と、
前記外周側回転子と前記内周側回転子の少なくとも一方を回動させることで、前記外周側回転子と前記内周側回転子との相対位相を変更し合成磁束を変化させる位相変更手段と、を備える電動機において、
前記合成磁束が所定以下の弱め状態で前記位相変更手段の回動を規制する第1の突き当て位置を、前記外周側永久磁石及び前記内周側永久磁石による相対トルクが第1の所定値になる位相に設定し、
前記合成磁束が所定以上の強め状態で前記位相変更手段の回動を規制する第2の突き当て位置を、前記第1の突き当て位置に対して前記相対トルクの向きが逆方向に発生し、前記相対トルクが第2の所定値になる位相に設定し、
前記電動機の停止時に、前記外周側回転子及び前記内周側回転子を合成磁束が強くなる状態の相対位相にする制御手段を有することを特徴とする電動機。 - 前記位相変更手段を前記第2の突き当て位置で回動を規制して回転した状態において、前記内周側回転子のイナーシャによる力と前記外周側永久磁石及び前記内周側永久磁石の引き付け力とが同一方向となることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
- 前記外周側永久磁石の磁極中心に対して、前記内周側永久磁石の磁極中心がずれており、
合成磁束が最も強くなる状態の前記外周側永久磁石の磁極中心に対して、前記内周側永久磁石の磁極中心は前記第2の突き当て位置から離れる方向にずれており、
合成磁束が最も弱くなる状態の前記外周側永久磁石の磁極中心に対して、前記内周側永久磁石の磁極中心は一致、もしくは前記第1の突き当て位置に近くなる方向にずれること特徴とする請求項1に記載の電動機。 - 前記外周側永久磁石の磁極中心に対して、前記内周側永久磁石の磁極中心がずれており、
前記外周側回転子と前記内周側回転子との相対位相を変更することによって合成磁束を変化させる際に、前記合成磁束が最も強くなる状態の相対位相を電気角度0degとすると、
合成磁束が最も強くなる状態の前記外周側永久磁石の磁極中心に対して、前記内周側永久磁石の磁極中心は前記第2の突き当て位置から離れる方向に電気角度にて3deg〜20degずれており、
合成磁束が最も弱くなる状態の前記外周側永久磁石の磁極中心に対して、前記内周側永久磁石の磁極中心は一致、もしくは前記第1の突き当て位置に近くなる方向に電気角度にて0deg〜20degずれること特徴とする請求項3に記載の電動機。 - 前記位相変更手段は、前記外周側回転子に固定されるベーンと、前記内周側回転子に固定される仕切壁と、前記ベーンと前記仕切壁との間に形成される作動室と、を備え、
前記作動室に流体が給排されることにより、前記外周側回転子と前記内周側回転子との相対位相が変更され、前記仕切壁の基部に突き当て面が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008080309A JP2009240014A (ja) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | 電動機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008080309A JP2009240014A (ja) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | 電動機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009240014A true JP2009240014A (ja) | 2009-10-15 |
Family
ID=41253303
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008080309A Withdrawn JP2009240014A (ja) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | 電動機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009240014A (ja) |
-
2008
- 2008-03-26 JP JP2008080309A patent/JP2009240014A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20110607 |