JP2009237156A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】潜像形成手段と、結晶性ポリエステルを含むトナーにより潜像を現像する現像手段と、トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、定着手段と、を有し、下記〔1〜3〕を満たす画像形成装置。
〔1〕結晶性ポリエステルはセバシン酸または1,10−デカンジカルボン酸と1,6−ヘキサンジオールまたは1,9−ノナンジオールとを合成。融点が67〜75℃。
〔2〕トナーは結晶性ポリエステルを3〜9質量%含有。
〔3〕定着画像のDSC測定1回目の昇温スペクトルの極小値におけるベースラインから極小値までのスペクトル強度をM1p、DSC測定2回目の昇温スペクトルの極小値におけるベースラインから極小値までのスペクトル強度をM2pとした場合、1.5×M1p≦M2p≦5×M1p、50≦M2p≦150
【選択図】なし
Description
また、結着樹脂としては、低温定着性と保管性との観点からポリエステルが好適に用いられる。近年では、重合トナーなど製造性の観点からスチレンアクリル系共重合樹脂が用いられているが、高光沢性画像を得るためには、ポリエステルの方が適した溶融物性を有している。
特に印刷用途では、印刷物に目印として栞(しおり)を挟んで保存する場合があり、局所的に高い荷重が加わるため、画像劣化が促進されやすくなる。特に、金属製の栞を用いる場合、栞自体が非常に硬いため画像への影響が大きく、例えば1ヶ月以上等の長期間高い荷重が加わると、栞の部分だけ画像の光沢が変化してしまうという問題が生じる。
そのため、優れた画像保存性を実現する観点から、画像強度に優れた画像を形成することができる画像形成装置が求められていた。
即ち、請求項1に係る発明は、
像保持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像を少なくとも結晶性ポリエステルを含むトナーを含有する現像剤によりトナー像に現像する現像手段と、得られたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、転写されたトナー像を定着手段により記録媒体に定着する定着手段と、を有し、且つ下記〔条件1〕〜〔条件3〕を満たすことを特徴とする画像形成装置である。
〔条件1〕
前記結晶性ポリエステルは、酸成分としてHOOC−(CH2)8−COOHおよびHOOC−(CH2)10−COOHから選ばれる少なくとも1種と、アルコール成分としてHO−(CH2)6−OHおよびHO−(CH2)9−OHから選ばれる少なくとも1種と、を用いて反応させたポリエステル樹脂であり、且つ示差走査熱量測定による融点が67℃以上75℃以下である。
〔条件2〕
前記トナーは、結着樹脂として前記結晶性ポリエステルを3質量%以上9質量%以下含有する。
〔条件3〕
形成された定着画像について測定されたDSCスペクトルにおいて、DSC測定1回目の昇温スペクトルが57℃以上73℃以下の範囲に極小値M1を有し、M1におけるベースラインから極小値までのスペクトル強度(深さ)の絶対値をM1pとし、また、DSC測定2回目の昇温スペクトルが57℃以上73℃以下の範囲に極小値M2を有し、M2におけるベースラインから極小値までのスペクトル強度(深さ)の絶対値をM2pとしたとき、前記M1pとM2pとが下記式(1)および式(2)の関係を満たす。
式(1) 1.5×M1p≦M2p≦5×M1p
式(2) 50(mW/g)≦M2p≦150(mW/g)
前記トナー中におけるジルコニウム元素の含有量が0.001質量%以上1.0質量%以下であり、前記定着手段が、少なくとも加熱部材と加圧部材とを有し、前記加熱部材が、前記加圧部材との接触領域において下側を形成する配置であると共に、前記記録媒体が定着された画像面を下向きにして排出されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
前記定着手段が少なくとも加熱部材を有し、該加熱部材の定着の際の温度が190℃以上240℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置である。
前記トナーが少なくとも離型剤を含有し、前記結晶性ポリエステルの融点をTc(℃)と、前記離型剤の融点をTw(℃)と、した場合に、下記式(3)を満たし、前記トナー中における結晶性ポリエステルの含有量をAcと、離型剤の含有量をAwと、した場合に、下記式(4)を満たすことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置である。
式(3) Tc−10≦Tw≦Tc+30
式(4) Aw×0.4≦Ac≦Aw×0.9
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像を少なくとも結晶性ポリエステルを含むトナーを含有する現像剤によりトナー像に現像する現像手段と、得られたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、転写されたトナー像を定着手段により記録媒体に定着する定着手段と、を有し、且つ下記条件[1]〜条件[3]を満たすことを特徴とする。
前記結晶性ポリエステルは、酸成分としてHOOC−(CH2)8−COOHおよびHOOC−(CH2)10−COOHから選ばれる少なくとも1種と、アルコール成分としてHO−(CH2)6−OHおよびHO−(CH2)9−OHから選ばれる少なくとも1種と、を用いて反応させたポリエステル樹脂であり、且つ示差走査熱量測定による融点が67℃以上75℃以下である。
前記トナーは、結着樹脂として前記結晶性ポリエステルを3質量%以上9質量%以下含有する。
形成された定着画像について測定されたDSCスペクトルにおいて、DSC測定1回目の昇温スペクトルが57℃以上73℃以下の範囲に極小値M1を有し、M1におけるベースラインから極小値までのスペクトル強度(深さ)の絶対値をM1pとし、
また、DSC測定2回目の昇温スペクトルが57℃以上73℃以下の範囲に極小値M2を有し、M2におけるベースラインから極小値までのスペクトル強度(深さ)の絶対値をM2pとしたとき、
前記M1pとM2pとが下記式(1)および式(2)の関係を満たす。
式(1) 1.5×M1p≦M2p≦5×M1p
式(2) 50(mW/g)≦M2p≦150(mW/g)
本実施形態に係る画像形成装置は、上記式(1)および式(2)を満たしていることから、トナー中に含有される結晶性ポリエステルの結晶化が良好に促進された画像が形成される。
まず、本実施形態に係る画像形成装置を用い、画像グロス60以上(グロスメーターGM−26D(村上色彩技術研究所(株)社製)を用いてサンプルへの入射光角度を75度とする条件にて測定された画像グロス)の定着画像をC2紙(富士ゼロックス社製)上に形成し、該定着画像を用紙から削り取る。
次いで、示差走査熱量計(DSC)にてASTMD3418−8に準拠した示差走査熱量測定を行う。示差走査熱量測定は、自動接線処理システムを備えた示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)を用いて、液体窒素冷却装置を併用し、サンプル量は8mg以上10mg以下、測定温度範囲10℃以上150℃以下とする。まず1回目の測定として、昇温速度毎分10℃で昇温し、150℃到達後5分間保持した後、液体窒素冷却装置にて降温速度毎分−10℃で10℃まで冷却し5分間保持する。その後2回目の測定として、1回目と同条件にて150℃まで昇温する。このとき、1回目および2回目の昇温で得られたスペクトルをそれぞれ1回目の昇温スペクトル、2回目の昇温スペクトルと定義する。
1回目の昇温スペクトルおよび2回目の昇温スペクトルのぞれぞれを20℃での吸熱量が0となるようにスペクトル全体をシフトさせ、ベースラインのズレを補正する。また、測定されたスペクトルを測定に用いたサンプル量で割り、単位質量当たりのスペクトル強度を算出し、サンプル量によるスペクトル強度のズレを補正する。
このようにして補正されたスペクトルを用い、1回目の昇温スペクトルにおいて、57℃以上73℃以下の範囲にある極小値(複数の極小値を有する場合は、スペクトル強度の絶対値が最大のものを極小値とする)を「極小値M1」とし、その極小値M1におけるスペクトル強度をM1pとする。同様に、2回目の昇温スペクトルにおいて、57℃以上73℃以下にある極小値(複数の極小値を有する場合は、スペクトル強度の絶対値が最大のものを極小値とする)を「極小値M2」とし、その極小値M2におけるスペクトル強度をM2pと定義する。
本明細書に記載の数値は、上記の方法によって算出したものである。
まず、トナーをメチルエチルケトン(MEK)に常温(20℃以上25℃以下)で溶解させる。これは、例えばトナー中に結晶性ポリエステルと非晶性樹脂とが含まれる場合、常温ではMEK中にほとんど非晶性樹脂のみが溶解するからである。したがって、MEK可溶分中には非晶性樹脂が含まれることとなるため、前記溶解後、遠心分離により分離した上澄み液をから非晶性樹脂が得られ、一方遠心分離後の固形分を65℃で60分間加熱してTHFに溶解しこれを60℃でガラスろ過器でろ過することにより、ろ過分から結晶性ポリエステルが得られる。尚、該操作でろ過中に温度が下がると結晶性ポリエステルが析出してしまうため、温度が下がらないように手早く、且つ保温した状態で操作する。こうして得られた結晶性ポリエステルの量を測定することにより含有量が求められる。
本明細書に記載の数値は、上記の方法によって算出したものである。
[1]トナー中におけるジルコニウム元素の含有および定着手段の態様
前記トナー中におけるジルコニウム元素の含有量を0.001質量%以上1.0質量%以下に制御し、また定着手段を、少なくとも加熱部材と加圧部材とを有し、該加熱部材が、前記加圧部材との接触領域において下側を形成する配置とすると共に、記録媒体が定着された画像面を下向きにして排出される態様とすることが好ましい。
本明細書に記載の数値は、上記の方法によって算出したものである。
前記定着手段における加熱部材の定着の際の温度を190℃以上240℃以下とすることが好ましい。
画像に与えられる熱量を良好な範囲とすることができると共に、定着手段としての定着装置内の温度を良好な範囲に制御でき、結晶性ポリエステルの結晶化を良好に促進させる。尚、上記加熱部材の温度は、さらに195℃以上230℃以下とすることが好ましい。
前記トナーが少なくとも離型剤を含有し、結晶性ポリエステルの融点をTc(℃)、前記離型剤の融点をTw(℃)とした場合に、下記式(3)を満たし、且つ前記トナー中における結晶性ポリエステルの含有量をAc、離型剤の含有量をAwとした場合に、下記式(4)を満たすことが好ましい。
式(3) Tc−10≦Tw≦Tc+30
式(4) Aw×0.5≦Ac≦Aw×1.2
式(4’) Aw×0.5≦Ac≦Aw×0.8
前述の結晶性ポリエステルを取り出す際の操作において、ろ過残分は、トナーから非晶性樹脂および結晶性ポリエステルが取り除かれた成分である。このろ過残分には、溶剤不要の離型剤の他に、顔料及び外添剤の一部が含まれる。該ろ過残分を減圧乾燥して溶剤分を除去した後、120℃に加熱すると、溶融した離型剤中に不融分が分散した状態になる。加熱状態で96時間放置することにより、不融分が沈降するので、沈降分を含まないように注意しながら上澄みを採取することで、離型剤が取り出される。
しかし、上記方法によっても、離型剤の一部が不融分とともに残ってしまうため、すべてを取り出すことが出来ない。そこで、前述の方法で取り出した、非晶性樹脂および結晶性ポリエステル量から、トナー中に含まれる非晶性樹脂および結晶性樹脂量を算出し、その量比に対して、取り出した離型剤を、3質量%、6質量%、9質量%、12質量%および15質量%加えた樹脂組成物をそれぞれ作製し、この樹脂組成物のDSCスペクトルを測定し、それぞれの2回目の昇温スペクトルのスペクトル強度から離型剤の添加量に対するスペクトル強度の検量線を作製する。実際のトナーのDSCスペクトルから得られた離型剤のスペクトル強度から、前記検量線を用いて離型剤の量が算出される。
本明細書に記載の数値は、上記の方法によって算出したものである。
本実施形態の画像形成装置は、潜像形成工程、現像工程、転写工程、定着工程等を実施するための各手段(潜像形成手段、現像手段、転写手段、定着手段)を含むものであるが、これらの各手段は、各種類のトナー毎に別個に設けられてもよく、共通の1つないし2つ程度の手段を設けてもよい。各手段を共通して一本化するか各種類のトナー毎に各々別個に設けるかは、装置の小型化、画像形成速度の確保、画質等を考慮して選択することができる。
例えば、高速な画像形成を行う場合には、各種類のトナー(現像剤)に対応した画像形成ユニットを備えたいわゆるタンデム方式の画像形成装置とすることができ、小型の装置を実現したい場合には、各種類のトナー(現像剤)を現像するための現像器を1つの現像装置に備えたいわゆるロータリー現像方式を採用した画像形成装置とすることもできる。
画像信号形成装置としては、トナー像を記録媒体表面の所望の位置に形成し得る信号を形成できる限り、従来公知のいずれの手段を使うこともできる。
光学系6では、各色成分ごとにレーザーダイオード5が発光し、有機感光体(像保持体)8表面に、各色成分ごとの像様の光Xが照射される。一方、有機感光体8は、矢印A方向に回転しながら、まず、表面が帯電器7により帯電されたのち、既述の光学系6による露光が行われ、現像器(現像手段)9〜12による現像に供される。
芯金24を形成する材料としては、一般に剛性に優れた鉄、ステンレス、熱伝導性に優れたアルミニウム等が使用されるが、他の金属等を使用してもよい。
表面樹脂チューブ層26の樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)および四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体等が挙げられる。これらの中では、PFAが好ましい。尚、芯金24との密着性を向上させる為にチューブ内面にプライマー処理等を施すことができる。表面樹脂チューブ層26の厚さは5μm以上50μm以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは10μm以上40μm以下である。
加熱源22としては、例えばコルツランプ、セラミックヒーター等が挙げられ、温度センサーにより検知された加熱部材20の外周表面温度に基づき加熱状態を制御する電気回路に接続された加熱源22が用いられる。上記温度センサーは、例えば熱電対、サーミスタ等の感熱抵抗素子が挙げられる。尚、加熱部材20の表面温度(定着の際の温度)は、前述の通り190℃以上240℃以下に制御することが好ましい。
(トナー)
本実施形態に係るトナーにおいては、前述の通り、少なくとも結晶性ポリエステルを含むと共に、下記〔条件1〕および〔条件2〕を満たすトナーを用いることを要件とする。
〔条件1〕
前記結晶性ポリエステルは、酸成分としてHOOC−(CH2)8−COOHおよびHOOC−(CH2)10−COOHから選ばれる少なくとも1種と、アルコール成分としてHO−(CH2)6−OHおよびHO−(CH2)9−OHから選ばれる少なくとも1種と、を用いて反応させたポリエステル樹脂であり、且つ示差走査熱量測定による融点が67℃以上75℃以下である。
〔条件2〕
前記トナーは、結着樹脂として前記結晶性ポリエステルを3質量%以上9質量%以下含有する。
式(3) Tc−10≦Tw≦Tc+30
式(4) Aw×0.5≦Ac≦Aw×1.2
本実施形態において、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂を指す。また、吸熱ピークは、トナーとしたときに、40℃以上50℃以下の幅を有するピークを示す場合がある。前記結晶性ポリエステルに関しては、結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が5質量%以下であれば、この共重合体も結晶性ポリエステルと呼ぶ。
以下、結晶性樹脂として結晶性ポリエステルを例に挙げて説明する。尚、前述の通り、本実施形態においては前記〔条件1〕を満たす結晶性ポリエステルを用いることを要件とする。
前記〔条件1〕に示す通り、前記酸由来構成成分となるための酸成分としてHOOC−(CH2)8−COOHおよびHOOC−(CH2)10−COOHから選ばれる少なくとも1種が用いられる。尚、これらの成分は、上記結晶性ポリエステルの反応に用いられる全酸成分の内、少なくとも50モル%以上用いることが好ましく、更には80モル%以上用いることがより好ましい。
前記〔条件1〕に示す通り、前記アルコール由来構成成分となるためのアルコール成分としてHO−(CH2)6−OHおよびHO−(CH2)9−OHから選ばれる少なくとも1種が用いられる。尚、これらの成分は、上記結晶性ポリエステル中の反応に用いられる全アルコール成分の内、少なくとも50モル%以上用いることが好ましく、更には80モル%以上用いることがより好ましい。
非晶性樹脂としては、従来のトナー用非結晶性樹脂がそのまま適用できる。例えばポリスチレンやスチレンブタジエン系ポリマー、スチレンアクリル系ポリマー、ポリエステル等が挙げられるが、その限りではない。これら非晶性樹脂は、ウレタン、ウレア、エポキシ等の変性を行ってもよい。ただし、本実施形態においては前述の結晶性ポリエステルを用いるため、加熱時にこれと相溶することを考慮すると、非晶性樹脂も非晶性ポリエステルであることが望ましい。
これらのモノマー成分の具体例としては、2価のカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸、ドデセニルコハク酸、等の二塩基酸、およびこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸などが挙げられる。3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、およびこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調整等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。
非晶性ポリエステルの重量平均分子量は、10000以上40000以下の範囲であることが望ましく、20000以上30000以下の範囲であることがより望ましい。
トナー中におけるジルコニウム元素の含有量を0.001質量%以上1.0質量%以下に制御することが好ましい。尚、トナー中に添加するジルコニウム化合物としては、例えば、ジルコニア粉末等が挙げられ、中でも粒径300nm以下のジルコニア粉末が特に好ましい。
前記離型剤は、一般に離型性を向上させる目的で使用される。
前記離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化温度を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル等のエステル系ワックスなどが挙げられる。これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
尚、前述の結晶性ポリエステルの融点との関係において前記式(3)を満たすよう離型剤の種類を選択することが好ましい。また、結晶性ポリエステルの含有量との関係において前記式(4)を満たすよう添加量を制御することが好ましい。
本実施形態におけるトナーには、上記の他に着色剤等のその他の成分が用いられる。
着色剤としては、特に制限はなく、公知の着色剤が挙げられ、目的に応じて選択することができる。着色剤を1種単独で用いてもよいし、同系統の着色剤を2種以上混合して用いてもよい。また異系統の着色剤を2種以上混合して用いてもよい。さらに、これらの着色剤を表面処理して用いてもよい。
黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等を挙げることができる。黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエローNCG等を挙げることができる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーンG 等を挙げることができる。白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等をあげることができる。体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等を挙げることができる。
また、染料としては、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料、例えば、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー等を挙げることができる。
なお、前記着色剤の種類を選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等の各色トナーが得られる。
上記無機粒子は、一般にトナーの流動性を向上させる目的で使用される。該無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の粒子が挙げられる。これらの中でも、シリカ粒子が好ましく、疎水化処理されたシリカ粒子が特に好ましい。
前記帯電制御剤は、一般に帯電性を向上させる目的で使用される。帯電制御剤としては、例えば、サリチル酸金属塩、含金属アゾ化合物、ニグロシンや4級アンモニウム塩等が挙げられる。
尚、上記金属元素の含有量は、蛍光X線装置による、全元素分析から求められる。試料は、トナー6gを加圧成型器で荷重10t、加圧時間1分間で加圧成型し、島津製作所の蛍光X線(XRF−1500)を使用し、測定条件は管電圧40kV、管電流90mA、測定時間30分で測定することにより、元素組成比から求めることができる。本明細書に記載の数値は、上記方法により測定した値である。
本実施形態において、トナーはその表面が表面層によって覆われていることが好適である。表面層の膜厚は薄いことが望ましく、樹脂被覆層を用いた場合、具体的には、0.05μm以上0.5μm以下の範囲内であることが好ましい。また、粒子被覆層の場合、粒子径は0.5μm以下のものが望ましい。
また、樹脂の原料モノマーを吸着させてグラフト重合しながら樹脂被覆する、あるいは界面重合する、あるいは化学的に処理する方法でもよいが、トナーを作製する工程を簡略化できる方法が良い。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(5)
上記式(5)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。前記SF1は、主に顕微鏡画像または走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出することができる。すなわち、スライドガラス表面に散布したトナー粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式(5)によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
次に、前記トナーの製造方法について説明する。
トナーの製造方法としては、形状制御および樹脂被覆層形成が容易な凝集合一法が好ましい。凝集合一法とは、樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液、および分散した離型剤粒子分散液を混合する混合工程と、前記樹脂粒子、前記着色剤粒子、および前記離型剤粒子の凝集粒子分散液を形成する凝集工程と、前記樹脂粒子のガラス転移温度以上(あるいは結晶性ポリエステルの融点以上)の温度に加熱して融合・合一する融合・合一工程と、を有する製法である。
あるいは、高温中で溶剤に溶融した樹脂に徐々に水を滴下し、W/OエマルションからO/Wエマルションへ転相させることで水中に樹脂を粒子として分散させ、その後加熱または減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液を作成することができる。
樹脂粒子の大きさとしては、その平均粒子径(体積平均粒径)で0.01μm以上1.0μm以下の範囲が望ましく、0.03μm以上0.6μm以下がより望ましく、0.03μm以上0.4μm以下がさらに望ましい。なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定される。
次に、本実施形態における現像剤について説明する。
現像剤は、前記本実施形態におけるトナーを含有する以外は特に制限はなく、目的に応じて成分組成をとることができる。本実施形態における現像剤は、前記トナーを単独で用いると一成分系の現像剤となり、また、トナーとキャリアとを組み合わせて用いると二成分系の現像剤となる。
キャリアの具体例としては、以下の樹脂被覆キャリアが挙げられる。該キャリアの核体粒子としては、通常の鉄粉、フェライト、マグネタイト造型物などが挙げられ、その体積平均粒径は、30μm以上200μm以下程度の範囲である。
また、本実施形態に用いる現像剤においては、トナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて選択することができる。
・1,8−オクタンジカルボン酸 100部(モル基準)
・1,9−ノナンジオール 100部(モル基準)
上記成分を、攪拌機、温度計、コンデンサーおよび窒素ガス導入管を備えた反応容器に入れ、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、モノマー成分100質量部に対してチタンテトラブトキサイドを0.25質量部投入し、窒素ガス気流下170℃で10時間撹拌反応させた。さらに、温度を210℃に上げて、反応容器内を3kPaまで減圧し、減圧下で12時間攪拌反応させて、結晶性ポリエステルを得た。
得られた結晶性ポリエステル分散液(C8/C9)における結晶性ポリエステルは、重量平均分子量Mw=26000、数平均分子量Mn=11000、酸化AV=9.3mgKOH/g、融点Tc=71.5℃、体積平均粒径220nm、固形分20質量%であった。
・1,10−デカンジカルボン酸 100部(モル基準)
・1,9−ノナンジオール 100部(モル基準)
1,8−オクタンジカルボン酸および1,9−ノナンジオールの代わりに上記成分を用いた以外は、前記<結晶性ポリエステル分散液(C8/C9)の調製>に記載の方法によって結晶性ポリエステルを得、結晶性ポリエステル分散液(C10/C9)を調製した。
得られた結晶性ポリエステル分散液(C10/C9)における結晶性ポリエステルは、重量平均分子量Mw=24500、数平均分子量Mn=10100、酸化AV=10.5mgKOH/g、融点Tc=73.8℃、体積平均粒径240nm、固形分20質量%であった。
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物 100部(モル基準)
(三洋化成工業(株)製、ニューポールBP−2P)
・テレフタル酸 70部(モル基準)
・ドデセニルコハク酸無水物 22部(モル基準)
・トリメリット酸無水物 3部(モル基準)
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器に、上記モノマーのうちトリメリット酸無水物以外のモノマーと、ジオクタン酸スズをモノマー成分100質量部に対して0.17質量部投入し、窒素ガス気流下、235℃で6時間反応させた。次いで190℃に降温して、上記トリメリット酸無水物を投入し1時間反応させた。さらに220℃まで4時間で昇温し、10kPaの圧力下で所望の分子量になるまで重合させ、淡黄色透明な非晶性ポリエステルを得た。次に、5Lのセパラブルフラスコに、樹脂を溶解し得る相当量の酢酸エチルとイソプロピルアルコールとの混合溶剤を投入した。これに上記非晶性ポリエステルを徐々に投入して、スリーワンモーターで攪拌を施し、溶解させて油相を得た。この攪拌されている油相に希アンモニア水溶液を適量滴下し、更にイオン交換水を滴下して転相乳化させ、更にエバポレータで減圧しながら脱溶剤を実施し、得られた分散液に、アニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンRK)を樹脂量に対して2質量%(有効成分として)を加えた後、硝酸を用いpHを3.0に調整して非晶性ポリエステル分散液を得た。
得られた非晶性ポリエステル分散液における非晶性ポリエステルは、ガラス転移点Tg=57℃、重量平均分子量Mw=53000、数平均分子量Mn=7800、軟化温度=120℃、酸価=14mgKOH/g、体積平均粒径150nm、固形分20質量%であった。
・東ソー(株)製ジルコニア粉末(TZ−3Y−E) 12質量部
・アニオン性界面活性剤 0.2質量部
(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、有効成分量:60重量%)
・イオン交換水 85質量部
上記成分をすべて投入した際に液面の高さが容器の高さの1/3程度になる大きさのステンレス容器に、イオン交換水とアニオン性界面活性剤とを入れ、充分に界面活性剤を溶解させた。その後、前記材料をすべて投入し、攪拌機を用いて濡れていない材料がなくなるまで攪拌するとともに、充分に脱泡させた。脱泡後にホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、5000rpmで10分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡した。脱泡後、再度ホモジナイザーを用いて、6000rpmで10分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡した。続けて、分散液を高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン社製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで分散した。分散は、総仕込み量と装置の処理能力とから換算して10パス相当行った。得られた分散液にイオン交換水を加えて、固形分濃度を5質量%に調整した。
分散液中の粒子の体積平均粒径D50は130nmであった。尚、該体積平均粒径D50はLSコールタ(ベックマンコールタ社製)にて5回測定した内の、最大値と最小値を除いた3回の測定値の平均値を用いた。
・離型剤 270質量部
(日本精鑞社製、商品名:FNP0115、融点Tw105.0℃)
・アニオン性界面活性剤 13.5質量部
(第一工業製薬社製、ネオゲンRK、有効成分量:60質量%)
(有効成分として、離型剤に対して3.0質量%)
・イオン交換水 721.6質量部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で95℃に加熱しながら分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザー)で分散処理し、離型剤分散液を得た。この分散液中の粒子の体積平均粒径D50は220nmであった。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度を20.0質量%に調整し、離型剤分散液(1)を得た。
離型剤として、「日本精鑞社製社製、商品名:FNP0090、融点Tw89.7℃」を用いたこと以外、離型剤分散液(1)の調製に記載の方法により離型剤分散液(2)を得た。
離型剤として、「日本精鑞社製社製、商品名:HNP3、融点Tw65.7℃」を用いたこと以外、離型剤分散液(1)の調製に記載の方法により離型剤分散液(3)を得た。
離型剤として、「日本精鑞社製社製、商品名:FNP0105、融点Tw101.1℃」を用いたこと以外、離型剤分散液(1)の調製に記載の方法により離型剤分散液(4)を得た。
・着色剤 200質量部
(キャボットジャパン株式会社製、商品名:リーガル330)
・アニオン性界面活性剤 33質量部
(第一工業製薬社製、ネオゲンRK、有効成分量:60質量%)
(有効成分として、着色剤に対して10.0質量%)
・イオン交換水 780質量部
上記成分をすべて投入した際に液面の高さが容器の高さの1/3程度になる大きさのステンレス容器に、イオン交換水とアニオン性界面活性剤とを入れ、充分に界面活性剤を溶解させた。その後、前記材料をすべて投入し、攪拌機を用いて濡れていない材料がなくなるまで攪拌するとともに、充分に脱泡させた。脱泡後にホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、5000rpmで10分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡した。脱泡後、再度ホモジナイザーを用いて、6000rpmで10分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡した。続けて、分散液を高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン社製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで分散した。分散は、総仕込み量と装置の処理能力とから換算して10パス相当行った。得られた分散液にイオン交換水を加えて、固形分濃度を15質量%に調整した。
分散液中の粒子の体積平均粒径D50は100nmであった。尚、該体積平均粒径D50はマイクロトラックUPA(日機装株式会社製)にて5回測定した内の、最大値と最小値を除いた3回の測定値の平均値を用いた。
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm) 500質量部
・トルエン 70質量部
・パーフルオロオクチルエチルメタクリレート/
メタクリレート共重合体(共重合比:15/85) 10質量部
・カーボンブラック(VXC72:キャボット社製) 1.0質量部
まず上記フェライト粒子を除く各成分を混合し、10分間サンドミルにて攪拌させ、カーボンブラックが分散した被覆液を調製した。次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、攪拌しながら60℃にて9.87×104Pa(−20mHg)まで減圧し30分混合した後、昇温/減圧させ90℃にて5.33×103Pa(−720mHg)で30分間攪拌乾燥させることによりキャリアを得た。
・結晶性ポリエステル分散液(C10/C9) 85質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液 630質量部
・ジルコニア分散液 0.55質量部
・離型剤分散液(2) 128質量部
・着色剤分散液 110質量部
・イオン交換水 220質量部
上記各成分を、温度計、pH計、攪拌機を具備した3リットルの反応容器に入れ、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、5000rpmで分散しながら、1.0質量%濃度の硫酸アンモニウム水溶液を75質量部添加して6分間分散した。その後、反応容器に、攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を調整しながら、0.05℃/分で昇温し10分ごとにマルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.0μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液350質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で90℃まで昇温し、90℃で保持した。15分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状および表面性を観察したところ、1.0時間目で粒子の合一が確認されたので、冷却水にて容器を30℃まで5分間で冷却した。
冷却後のスラリーを、目開き20μmのメッシュに通過させ粗大粉を除去した後、反応生成物をアスピレータで減圧ろ過し、イオン交換水で通水洗浄した。ろ液の伝導度が10mS以下となったところで、通水を停止し、固液分離した。分離されたケーキ状になった粒子を、40℃のオーブン中で24時間真空乾燥し、得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に対して、疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)1.0質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)0.8質量部とを加え、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分して、トナー(A1)を得た。得られたトナーは、体積平均粒径6.0μm、形状係数0.960(シスメックス株式会社製、FPIA−3000)、ジルコニウム元素の含有量は0.001質量%であった。
ジルコニウム元素の含有量が下記表1に記載の数値となるよう、ジルコニア分散液の添加量を調整した以外、上記実施例1に記載の方法によりトナー(A2)〜(A5)および(B1)〜(B3)を得た。更に現像剤(A2)〜(A5)および(B1)〜(B3)と、補給用現像剤(A2)〜(A5)および(B1)〜(B3)とを得た。
定着装置を外し、未定着像を作製できるように改造したDocuCentre505(富士ゼロックス社製)の現像装置に現像剤を、トナーカートリッジに補給用現像剤をそれぞれセットした。気温25℃、相対湿度60%の環境室にて、はじめにA3サイズのC2r紙(富士ゼロックスオフィスサプライ社製)を20枚通紙して、トナーを帯電させた。次に、用紙上の単色ベタ画像の現像トナー量を4.5g/m2に調整した。
放置後の画像面の、SUS板が接触していた画像面の画像光沢度を、長さ方向に5箇所、各3回ずつ測定し、光沢度の高いほうから5個および低いほうから5個のデータを削除したデータの平均値を画像光沢度とした。また、SUS板が接触していなかった画像面の6箇所についても、各3回ずつ光沢度を測定し、光沢度の高いほうから5個および低いほうから5個のデータを削除したデータの平均値を画像光沢度とした。この光沢度の差を、以下の基準により評価した。
○:光沢度差が3未満
△:光沢度差が3以上5未満
×:光沢度差が5以上
用いる結晶性ポリエステル、結晶性ポリエステルの含有量Ac、用いる離型剤、離型剤の含有量Awを下記表2に記載のものに変更した以外、実施例1に記載の方法によりトナー(A6)を得た。
用いる結晶性ポリエステル、結晶性ポリエステルの含有量Ac、用いる離型剤、離型剤の含有量Awを下記表2に記載のものに変更した以外、上記実施例6に記載の方法によりトナー(A7)〜(A11)および(B4)〜(B6)を得た。更に現像剤(A7)〜(A11)および(B4)〜(B6)と、補給用現像剤(A7)〜(A11)および(B4)〜(B6)とを得た。
2 照明
3 カラースキャナ
4 画像処理装置
5 レーザーダイオード
6 光学系
7 帯電器
8 有機感光体
9 イエロー現像器
10 マゼンタ現像器
11 シアン現像器
12 ブラック現像器
13 中間転写ベルト
14 転写コロトロン
15、16 転写ロール
17 記録媒体
19 搬送装置
20 加熱部材
22 加熱源
24 芯金
26 表面樹脂チューブ層
30 加圧部材
40 記録媒体反転手段
Claims (4)
- 像保持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像を少なくとも結晶性ポリエステルを含むトナーを含有する現像剤によりトナー像に現像する現像手段と、得られたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、転写されたトナー像を定着手段により記録媒体に定着する定着手段と、を有し、且つ下記〔条件1〕〜〔条件3〕を満たすことを特徴とする画像形成装置。
〔条件1〕
前記結晶性ポリエステルは、酸成分としてHOOC−(CH2)8−COOHおよびHOOC−(CH2)10−COOHから選ばれる少なくとも1種と、アルコール成分としてHO−(CH2)6−OHおよびHO−(CH2)9−OHから選ばれる少なくとも1種と、を用いて反応させたポリエステル樹脂であり、且つ示差走査熱量測定による融点が67℃以上75℃以下である。
〔条件2〕
前記トナーは、結着樹脂として前記結晶性ポリエステルを3質量%以上9質量%以下含有する。
〔条件3〕
形成された定着画像について測定されたDSCスペクトルにおいて、DSC測定1回目の昇温スペクトルが57℃以上73℃以下の範囲に極小値M1を有し、M1におけるベースラインから極小値までのスペクトル強度(深さ)の絶対値をM1pとし、
また、DSC測定2回目の昇温スペクトルが57℃以上73℃以下の範囲に極小値M2を有し、M2におけるベースラインから極小値までのスペクトル強度(深さ)の絶対値をM2pとしたとき、
前記M1pとM2pとが下記式(1)および式(2)の関係を満たす。
式(1) 1.5×M1p≦M2p≦5×M1p
式(2) 50(mW/g)≦M2p≦150(mW/g) - 前記トナー中におけるジルコニウム元素の含有量が0.001質量%以上1.0質量%以下であり、
前記定着手段が、少なくとも加熱部材と加圧部材とを有し、前記加熱部材が、前記加圧部材との接触領域において下側を形成する配置であると共に、前記記録媒体が定着された画像面を下向きにして排出されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記定着手段が少なくとも加熱部材を有し、該加熱部材の定着の際の温度が190℃以上240℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記トナーが少なくとも離型剤を含有し、
前記結晶性ポリエステルの融点をTc(℃)と、前記離型剤の融点をTw(℃)と、した場合に、下記式(3)を満たし、
前記トナー中における結晶性ポリエステルの含有量をAcと、離型剤の含有量をAwと、した場合に、下記式(4)を満たすことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置。
式(3) Tc−10≦Tw≦Tc+30
式(4) Aw×0.4≦Ac≦Aw×0.9
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