JP2009236471A - 熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被加熱物の熱処理に伴って発生する生成ガスが冷却されて発生する昇華物による熱処理室内の汚染や、昇華物の漏出を抑制可能な熱処理装置の提供を目的とする。
【解決手段】熱処理装置1は、熱処理室12と、分離槽25と、排気系統26と、給気系統27と、送風機構部30と、を備えている。排気系統26および給気系統27は、それぞれ別系統とされており、独立的に分離槽25に接続されている。熱処理装置1は、送風機構部30のブロワ45を作動させることにより、排気系統26および給気系統27を介して分離槽25に空気を導入して旋回流を発生させ、排気系統26の高温空気と給気系統27の低温空気とを混合することによって、前記高温空気を冷却し、前記高温空気に含まれている生成ガスを昇華させて昇華物を回収することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱処理装置に関するものであり、特に熱処理により発生する生成ガスが昇華して発生する昇華物を確実に補足可能なものに関する。
従来より、下記特許文献1に開示されているような熱処理装置が液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)やプラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display)、有機ELディスプレイ等のようなフラットパネルディスプレイ(FPD:Flat Panel display)の製作に使用されている。熱処理装置は、予めガラス板等の基板(被加熱物)に対して特定の溶液を塗布して加熱乾燥させたものを熱処理室内に収容し、熱処理室内に導入される所定の温度の熱風に晒して熱処理(焼成)する装置である。
特許第2971771号公報
上記したような基板の熱処理を行うと、熱処理室内において基板の表面に塗布されていた溶液が気化する等して生成ガスが発生していた。このようにして発生した生成ガスが基板の出し入れのために流入した外気などによって冷却されると、生成ガス中に含まれている成分が固化し、いわゆる昇華物が発生していた。昇華物は、粒子状やタール状になっており、熱処理室内を汚染して被加熱物の品質を低下させてしまったり、被加熱物の出し入れ等に伴って熱処理装置の外部に漏出してしまい、熱処理装置が設置されている室内を汚染する等の問題があった。
そこで、本発明は、被加熱物の熱処理に伴って発生する生成ガスが冷却されて発生する昇華物による熱処理室内の汚染や、昇華物の漏出を抑制可能な熱処理装置の提供を目的とする。
上記した課題を解決すべく提供される本発明の熱処理装置は、被加熱物を収容して加熱可能な熱処理室と、当該熱処理室内に存在する気体を排気可能な排気系統と、当該排気系統を介して前記熱処理室から排出された気体が導入される分離槽と、当該分離槽に対して外気を導入可能な給気系統と、前記分離槽の内側に存在する気体を前記分離槽の外側に導出可能な導出手段と、当該導出手段により分離槽の外側に導出された気体を前記熱処理室に導入する導入系統と、を備えており、前記排気系統および給気系統が、それぞれ別系統で分離槽に対して接続されており、排気系統を介して熱処理室から排気される気体と、給気系統を介して供給される外気とが分離槽内で合流して混合され、前記分離槽の内周面に沿って流れる旋回流を形成することを特徴としている(請求項1)。
本発明の熱処理装置は、被加熱物を加熱するために高温になっている熱処理室から気体を排出するための排気系統と、外気導入用の給気系統とがそれぞれ別系統とされ、分離槽に接続されている。そのため、熱処理室から排出された気体は、排気系統の中途で外気と混合されることなく高温のまま分離槽に導入され、給気系統を介して導入された低温の外気と分離槽において混合され、冷却されることとなる。よって、本発明の熱処理装置では、熱処理室内から取り出された気体に上述した昇華物が発生する原因となる成分が含まれていたとしても、これが熱処理室内や排気系統を構成する配管等の内側で固化したり付着するのを防止することができる。従って、本発明の熱処理装置によれば、熱処理室内や排気系統内において昇華物が付着したり、熱処理装置の外部に昇華物が漏洩するのを確実に防止することができる。
また、本発明の熱処理装置では、分離槽内に導入された気体により、前記分離槽の内周面に沿って流れる旋回流が形成されるため、固化して旋回流に乗って流れている昇華物と、気体とが分離される。分離槽の内側における旋回に伴い、遠心力の影響により昇華物と分離された気体は、導出手段により導出され、分離槽から排出される。その一方で、気体と分離された昇華物は、分離槽内で回収される。そのため、本発明の熱処理装置では、分離槽内において固化して発生した昇華物を確実に回収し、外部に漏洩するのを防止できる。
さらに、本発明の熱処理装置では、上記したように昇華物と分離され、清浄化された気体が導出手段によって導出され、分離槽から排出される。このようにして分離槽から排出された気体は、導入系統を介して熱処理室に導入され、被加熱物の熱処理のために再利用される。また、上述したようにして導入系統を介して熱処理室に戻される気体は、給気系統を介して導入された外気との混合により、昇華物が発生する程度まで低温になっているが、外気に比べると高温である。そのため、本発明の熱処理装置では、導入手段を介して比較的高温状態にある気体を熱処理室に供給して被加熱物の熱処理を行うことができ、熱処理のために熱処理室を高温に維持するのに要するエネルギーを最小限に抑制することができる。また、このような構成とすれば、本発明の熱処理装置では、熱処理室において出入りする気体の温度差を最小限に抑制できるため、熱処理室内の温度を容易に安定化することができる。
上記した本発明の熱処理装置は、導入系統の中途に、フィルタが設けられていることが望ましい(請求項2)。
かかる構成とすれば、分離槽から導出手段により導出され、分離槽から排出された気中にごく僅かな昇華物が混入していたとしても、これを確実にフィルタで捕捉することができる。従って、本発明の熱処理装置では、昇華物が導入系統を介して熱処理室に流入するのを確実に防止することができる。
また、本発明の熱処理装置では、フィルタが導入系統の中途に設けられており、分離槽よりも気体の流れ方向下流側に存在している。そのため、フィルタを通過する気体は、分離槽において昇華物が回収された後のものであり、その分清浄化されている。従って、本発明の熱処理装置は、フィルタが昇華物で目詰まりしにくく、フィルタのメンテナンスを最小限に抑制することができる。
上記した本発明の熱処理装置は、排気系統の末端部、並びに、給気系統の末端部のうち、少なくとも一方が、分離槽の内側において、分離槽の内周面に対して交差する方向に突出しているものであってもよい(請求項3)。
本発明の熱処理装置では、分離槽の内側に、排気系統や給気系統の末端部が分離槽の内周面に対して交差する方向に突出して形成された突出部分があり、分離槽内に空気等が流入する際に圧損が生じたり、気流が乱流状態になって旋回流の勢いが低下するのを防止することができる。そのため、本発明の熱処理装置では、排気系統や給気系統を介して分離槽内に導入された気流が、分離槽内に形成されている旋回流に吸い込まれる。従って、本発明の熱処理装置では、排気系統を介して熱処理室から導入された気体と、給気系統を介して供給された外気とが十分混合され、昇華物を確実に回収することができる。
また、同様の知見に基づけば、上記した本発明の熱処理装置は、分離槽の内周面に沿って流れる気流に渦流を形成可能な渦流発生手段が、分離槽の内側に設けられたものであってもよい(請求項4)。
かかる構成とした場合は、排気系統や給気系統を介して導入された気体に渦流発生手段で渦流を形成し、分離槽内における気体の攪拌がさらに促進される。また、渦流の発生により、昇華物と気体との分離がより一層される。従って、上記したような渦流発生手段を設けることとすれば、昇華物の回収効率をより一層向上させることができる。なお、本発明では、渦流発生手段として、例えばボルテックスジェネレータのように、誘導抗力によって渦流を発生させる方式のものを採用することができる。
上記した本発明の熱処理装置は、排気系統、並びに、給気系統のうち、少なくとも一方が、分離槽内において下方に向けて気流が発生するように気体あるいは外気を導入可能なものであることが好ましい(請求項5)。
かかる構成とした場合、微細な粒子状の昇華物のように旋回により作用する遠心力が小さく、気流と分離して回収しにくいものについても、分離槽の下方側に向かう気流により付勢され、下方に向けて移動する。そのため、本発明の熱処理装置では、微細な昇華物についても、確実に回収することができる。
上記した本発明の熱処理装置は、分離槽の内周面の一部又は全部に、昇華物の付着を防止するための加工が施されていることが望ましい(請求項6)。
かかる構成とした場合、分離槽内で気体と分離された昇華物が分離槽の内周面において付着しにくく、昇華物を容易に回収することができる。なお、昇華物の付着を防止するための加工としては、フッ素樹脂加工や、鏡面加工、研磨加工、メッキ処理などの表面処理を施す方策を採用することが可能である。また、これらの加工に代わって、フッ素樹脂で形成された部材や、鏡面加工、研磨加工、メッキ処理などの表面処理を施したシートやフィルムなどの部材を分離槽内に設置するといったような加工を昇華物の付着を防止するための加工として採用することも可能である。前記したフッ素樹脂加工する方策としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等により表面コーティングを施したり、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等からなる樹脂フィルムを別途貼付する等の方策を採用することができる。また、分離槽の内周面を鏡面加工する方策としては、国際公開第2004/024985号パンフレットに開示されている無電解メッキ方法によりメッキを施したり、分離槽の内周面を研磨する等、適宜の方策を採用することができる。
上述した本発明の熱処理装置は、排気系統を介して供給された気体と給気系統を介して供給された気体とが混合されて形成された混合気の温度が、気中に含まれている所定の物質の固化温度以下であって、当該固化温度よりも所定温度だけ低温の温度範囲内に調整されていることが望ましい(請求項7)。
本発明の熱処理装置では、排気系統を介して供給された気体と、給気系統を介して供給された気体とが混合されて形成された混合気の温度が、気中に含まれている所定の物質が固化して昇華物になる固化温度以下とされている。そのため、本発明の熱処理装置では、分離槽において昇華物を確実に回収することができる。その一方で、本発明の熱処理装置では、前記した混合気の温度が固化温度以下であって、当該固化温度よりも所定温度だけ低温の温度範囲内に調整されている。そのため、分離槽から熱処理室に戻る気体の温度は、熱処理室の内部雰囲気温度に対して過度に低温とならない。そのため、本発明の熱処理装置では、熱処理室に気体が戻ることにより熱処理室内の温度が不安定になるのを防止できる。また、本発明の熱処理装置では、熱処理室内を所定の温度に調整するのに要するエネルギーを最小限に抑制することも可能である。
本発明によれば、被加熱物の熱処理に伴って発生する生成ガスが冷却されて発生する昇華物による熱処理室内の汚染や、昇華物の漏出を抑制可能な熱処理装置を提供できる。
続いて、本発明の一実施形態に係る熱処理装置1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の位置関係については、特に断りのない限り、図示するように熱処理装置1を設置した状態を基準として説明する。
図1に示すように、熱処理装置1は、金属製で箱形の筐体を有する本体部2と、これに対して配管接続された昇華物回収部20とを有する。本体部2は、これを構成する筐体の下方側の部位に機器収容部3を有し、その上方に基板処理部5を有する。機器収容部3は、基板処理部5に電力を供給する電源装置(図示せず)や基板処理部5の動作を制御する制御装置(図示せず)等を内蔵している。
図1に示すように、基板処理部5は、内部に温度調整部11と、熱処理室12と
を有し、これらの境界部分にフィルタ13が配された構成とされている。また、基板処理部5は、外周をなす断熱壁15が断熱性能を有する材質により構成されている。温度調整部11は、加熱装置16と、送風機17とを備えている。加熱装置16は、電気ヒータなどによって構成されており、基板処理部5内に存在する空気を加熱可能とされている。また、送風機17は、加熱装置16で加熱された空気を、温度調整部11から熱処理室12に向けて送風可能とされている。そのため、加熱装置16および送風機17を作動させると、温度調整部11と熱処理室12との間で空気の循環流が起こり、熱処理室12から温度調整部11側に取り込まれた空気を加熱して熱処理室12に供給することができる。
熱処理室12は、熱処理の対象物(被加熱物)である基板を投入できる大きさの内部空間を有する。熱処理室12の内部には、温度調整部11において加熱された高温の空気がフィルタ13を通過することで清浄化された状態で流入する。そのため、熱処理室12に基板を配することにより、この基板を高温の空気に晒して焼成(熱処理)することができる。この際、基板の表面に塗布されていた溶液が気化等して生成ガスが熱処理室12内において発生する。
昇華物回収部20は、本体部2に対して配管接続されている。昇華物回収部20は、本体部2内に存在する空気を取り出し、この空気中に含まれている生成ガスの成分を昇華させ、昇華物として回収する部分である。昇華物回収部20は、分離槽25や送風機構部30(導出手段)を備えており、分離槽25に対して排気系統26や給気系統27、導入系統28をなす配管が接続された構成とされている。
図2に示すように、分離槽25は、配管接続部31と、サイクロン筒部32と、昇華物収容部33とを有する。配管接続部31は、円筒状の形状とされている。配管接続部31は、天面35が閉塞されており、天面35のほぼ中央部に筒状の吸引口36が設けられている。また、配管接続部31の周面には、排気導入口37と、外気導入口38とが設けられている。排気導入口37および外気導入口38は、それぞれ筒状であり、図3に示すように配管接続部31の内側に突出した突出部37a,38aを有する。突出部37a,38aは、それぞれ配管接続部31の内周面に沿って形成されている。
図2に示すように、サイクロン筒部32は、上端側および下端側に開口を有する円錐状の部材である。サイクロン筒部32の上端部は、配管接続部31の底面側とほぼ同一の開口径を有し、配管接続部31の底面側に対して気密状態となるように接続されている。サイクロン筒部32の内周面には、周方向に複数の渦流発生手段40が設けられている。渦流発生手段40は、従来公知のボルテックスジェネレータにより構成されている。渦流発生手段40は、サイクロン筒部32の内周面に沿って流れる気体が衝突することで、この気流をサイクロン筒部32の下方に向けて流れる渦流とすることができるものである。
昇華物収容部33は、サイクロン筒部32の下端部に接続された中空の箱体である。昇華物収容部33は、サイクロン筒部32との接続部分以外は閉塞されている。昇華物収容部33は、サイクロン筒部32側から落下してきた昇華物を溜めておく部分であり、必要に応じて開閉し、内部に溜まっている昇華物を排出できる。
上述した配管接続部31やサイクロン筒部32、昇華物収容部33の内周面は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)により表面コーティングを施したり、国際公開第2004/024985号パンフレットに開示されている無電解メッキ方法等によりメッキを施す等して表面処理されている。そのため、配管接続部31やサイクロン筒部32、昇華物収容部33の内周面は、摩擦係数が他の部位に比べて小さく、非接着性が高い。そのため、配管接続部31やサイクロン筒部32、昇華物収容部33の内周面には、昇華物が付着しにくい。
分離槽25は上述したような構造であり、配管接続部31の排気導入口37には、排気系統26をなす配管が接続されている。排気系統26は、上述した熱処理装置1の本体部2と分離槽25との間を接続する配管系統であり、本体部2に設けられた基板処理部5から排気された気体を分離槽25に向けて供給することができる。また、分離槽25の外気導入口38には、給気系統27を構成する配管が接続されている。給気系統27は、外気を分離槽25に対して供給するための配管系統であり、中途に給気弁41が設けられている。
分離槽25の天面35に設けられた吸引口36には、導入系統28をなす配管が接続されている。導入系統28は、分離槽25内で昇華物と分離され清浄化された気体(空気)を熱処理装置1の本体部2側に戻して導入するための配管系統である。導入系統28の中途には、送風機構部30や、導入弁43、温度センサ44、差圧計55が設けられている。
送風機構部30は、昇華物回収部20と基板処理部5との間で気流を発生させるためのものであり、ブロワ45と、フィルタ46,47と、差圧計48とを備えている。ブロワ45は、従来公知のものと同様のものとされており、分離槽25側から空気を吸引して本体部2側に向けて排出することができる。また、フィルタ46は、ブロワ45やフィルタ47に対して導入系統28における気流の上流側に配されており、フィルタ47に供給される気体を予備的に清浄化するために配されている。フィルタ47は、従来公知のHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)やULPAフィルタ(Ultra Low Penetration Air Filter)等のような集塵能力の高いフィルタによって構成されている。そのため、分離槽25を通過してきた気体に、昇華物が含まれていたとしても、これをフィルタ46,47で捕捉することができる。差圧計48は、フィルタ46,47に対して導入系統28における気流の上流側と下流側との気圧の差を計測可能であり、フィルタ46,47の寿命測定用として利用されるものである。
導入弁43は、導入系統28の中途であって上記した送風機構部30よりも導入系統28における気流の下流側に配されている。導入系統28において、導入弁43と送風機構部30との間の部分には、末端部分が外気に向けて開放された分岐路50が接続されている。また、分岐路50の中途には、分岐弁51が設けられている。そのため、必要に応じて分岐弁51を開くと、導入系統28を流れている空気の一部又は全部を分岐路50を介して外気に向けて排出することができる。
差圧計55は、分離槽25側から本体部2側に戻る風量の制御用に設けられたものであり、上記した導入系統28の中途であって、分岐路50よりも気流の流れ方向下流側の位置に設けられている。導入系統28をなす配管において差圧計55が設けられた部分には、図示しないオリフィスが設けられている。差圧計55は、このオリフィスの上流側と下流側との圧力差を検知可能とされている。
熱処理装置1は、制御手段60を備えている。制御手段60は、プログラマブルロジックコントローラ(Programmable Logic Controller)等によって構成されている。制御手段60には、昇華物回収部20に設けられた給気弁41や導入弁43、分岐弁51、ブロワ45、温度センサ44、差圧計48,55等が電気的に接続されている。制御手段60から信号を出力することにより、給気弁41や導入弁43、分岐弁51の開閉や、ブロワ45の出力調整を行うことができる。また、制御手段60は、温度センサ44や差圧計48から入力される信号に基づき、送風機構部30における空気の温度を確認したり、フィルタ46,47の上流側と下流側との間の差圧からフィルタ46,47の寿命、すなわちフィルタ46,47の目詰まりの程度を確認することができる。さらに、制御手段60は、差圧計55から入力される信号に基づき、分離槽25側から本体部2側に戻る風量を制御することができる。
続いて、本実施形態の熱処理装置1の動作について、昇華物回収部20の動作を中心に説明する。熱処理装置1は、昇温モードや、生産モード、アイドリングモード等の複数の運転モードで運転することができる。昇温モードは、基板の熱処理に備えて基板処理部5に設けられた熱処理室12内を昇温する運転モードである。熱処理装置1が昇温モードで動作する場合は、温度調整部11に設けられた加熱装置16および送風機17が作動状態とされる。この際、昇華物回収部20に設けられた給気弁41や導入弁43、分岐弁51はいずれも閉止状態とされる。そのため、加熱装置16および送風機17が作動を開始すると、温度調整部11と熱処理室12との間で空気の循環流が発生し、徐々に熱処理室12内の雰囲気温度が上昇する。熱処理室12内の温度が基板の熱処理に適した所定の設定温度(本実施形態では約230〜250℃程度)になると、昇温モードが終了し、動作モードが生産モードあるいはアイドリングモードに切り替わる。
生産モードは、基板の熱処理を行う動作モードである。熱処理装置1が生産モードで運転する場合は、加熱装置16や送風機17の出力は、制御手段60により、熱処理室12内の雰囲気温度が上記した設定温度を維持するように調整される。これにより、熱処理室12内に高温に加熱された空気流が発生する。基板は、熱処理室12内を流れる高温の空気流にさらされ、熱処理(焼成)される。また、基板が熱処理されると、基板に塗布されていた溶剤などが気化し、生成ガスが発生する。
一方、熱処理装置1が生産モードで動作する場合は、基板処理部5内だけでなく、基板処理部5と昇華物回収部20との間においても空気の循環流が発生する。具体的には、熱処理装置1が生産モードで動作する場合は、導入系統28に設けられた導入弁43が開状態とされる。これにより、排気系統26および導入系統28を介して基板処理部5と分離槽25とが連通した状態になる。また、熱処理装置1が生産モードで動作する場合は、給気系統27に設けられた給気弁41が開状態とされ、分岐路50に設けられた分岐弁51が半開状態とされる。生産モードでは、この状態において送風機構部30に設けられたブロワ45が稼働する。これにより、基板処理部5と昇華物回収部20との間においても空気の循環流が発生すると共に、外気が分離槽25内に流入する。
上記したようにして排気系統26を介して基板処理部5内から分離槽25内に流入した生成ガスを含む空気は、分離槽25内において給気系統27を介して導入された外気と混合される。ここで、図3に示すように、本実施形態で採用されている分離槽25では、排気導入口37や外気導入口38が、配管接続部31の内周面の接線方向に沿って伸びている。そのため、排気系統26を介して分離槽25に導入される空気、並びに、給気系統27を介して導入される外気は、図2や図3に矢印で示すように、いずれも分離槽25内において内周面に沿って旋回しながら流れる。
また、上述したように、排気導入口37や外気導入口38は、分離槽25の配管接続部31の内側に向けて僅かに突出した突出部37a,38aを有する。突出部37a,38aは、排気導入口37や外気導入口38から分離槽25内に空気等が流入する際の圧損や、気流が乱流状態になり旋回流の勢いが低下するのを防止することを考慮して設けられている。そのため、排気導入口37や外気導入口38を介して供給された空気等は、分離槽25内に形成されている旋回流に吸い込まれる。
分離槽25内においてサイクロン筒部32の内周面に沿って流れる空気は、複数設けられた渦流発生手段40によって発生する誘導抗力により渦流となる。これにより、排気と外気とが攪拌されながら旋回流(サイクロン)が形成される。このようにして分離槽25内において基板処理部5から流入した生成ガスを含む高温の空気(排気)と、外気とが混合されると、これに含まれている生成ガスが固化する温度まで冷却され、昇華物が発生する。このようにして発生した昇華物は、これに作用する遠心力の影響により、重い粒子ほど旋回流の中心とは逆方向、すなわち分離槽25の内周面側に寄せられ、分離槽25内を旋回しながら落下し、サイクロン筒部32の下方に配された昇華物収容部33に回収される。また、昇華物のうち重量の軽いものは、ブロワ45の作動中はサイクロン筒部32内を空気と分離された状態で旋回し続け、ブロワ45が停止された後、下方に落下して昇華物収容部33に回収される。
上記したようにして昇華物と分離された清浄な空気は、分離槽25を形成する配管接続部31の天面35に設けられた吸引口36に接続された導入系統28を介して分離槽25の外側に吸引される。分離槽25から排出された空気は、導入系統28の中途に設けられた送風機構部30のフィルタ46,47を通過する。この際、分離槽25から排出された空気中に含まれている極微細な昇華物がフィルタ46,47によって捕捉され、空気がさらに清浄化された状態になる。このようにして清浄化された空気は、基板処理部5に戻される。
ここで、熱処理装置1が生産モードで動作する場合におけるブロワ45の出力や、給気弁41の開度は、導入系統28に設けられた差圧計55によって検知される差圧や、導入系統28に設けられた温度センサ44の検知温度に基づき、制御手段60によって制御される。具体的に説明すると、熱処理装置1が生産モードで動作する場合に、差圧計55によって検知される差圧が低下する場合は、基板処理部5に戻る風量が低下し、基板処理部5の換気量が低下してしまうこととなる。そこで、熱処理装置1では、差圧計55により差圧を確認し、これが所定の基準圧力を下回ることを条件としてブロワ45の出力を高めることとされている。
また、熱処理装置1が生産モードで動作している際に、基板処理部5に戻る空気の温度が、熱処理室12の設定温度よりも大幅に低い場合は、温度調整部11側から戻る空気を再加熱せねばならなかったり、熱処理室12内の雰囲気温度が不安定になるという問題が発生する。その一方で、導入系統28を介して基板処理部5に戻る空気の温度が、生成ガスが昇華し、昇華物が発生する温度よりも高いと、昇華物を十分回収することができない。そこで、温度センサ44の検知温度が生成ガスの昇華温度S(固化温度)を基準として所定の温度範囲を越えて高温である場合は、給気弁41の開度を大きくして昇華物の発生が促進される。一方、温度センサ44の検知温度が昇華温度Sを基準として設定される所定の温度範囲を下回る場合は、給気弁41の開度が小さくされ、基板処理部5に戻る空気の温度が必要以上に低下するのが防止される。本実施形態では、温度センサ44の検知温度が100℃〜180℃の温度範囲を外れるか否かが制御手段60により確認され、給気弁41の開度が調整される。
熱処理装置1は、上述した生産モードでの動作を一旦中断する場合や、昇温モードが完了してから生産モードに移るまでの間等においてアイドリングモードにより運転することにより、基板の熱処理を行わず熱処理室12を高温状態で維持することができる。熱処理装置1がアイドリングモードで動作する場合は、制御手段60により、加熱装置16や送風機17の出力が熱処理室12の雰囲気温度を維持するのに適した出力に調整される。また、アイドリングモードでは、給気系統27に設けられた給気弁41や、分岐路50に設けられた分岐弁51が閉止状態とされ、高温の空気が外気で冷却されたり、外部に漏洩するのが防止される。アイドリングモードでは、ブロワ45が作動状態とされる。これにより、基板処理部5に存在する高温の空気が排気系統26や導入系統28を構成する配管等を通過し、これらの配管等が冷却されてしまうのが防止される。
上記したように、本実施形態の熱処理装置1では、基板を加熱するために高温になっている熱処理室12から気体を排出するための排気系統26と、外気導入用の給気系統27とがそれぞれ別系統で設けられ、それぞれ独立的に分離槽25に接続されている。そのため、熱処理装置1が生産モードで動作している際に熱処理室12から排出された空気は、排気系統26の中途で外気と混合されることなく高温のまま分離槽25に導入され、分離槽25内で低温の外気と混合される。従って、熱処理装置1では、熱処理室12から分離槽25に流入した空気に、昇華物の発生原因となる生成ガスが含まれていたとしても、この生成ガスは分離槽25に入ってはじめて昇華し、昇華物として回収される。従って、熱処理装置1により基板の熱処理を行えば、熱処理室12内や排気系統26内において昇華物が付着したり、熱処理装置1の外部に昇華物が漏洩するのを確実に防止することができる。
熱処理装置1では、分離槽25内に導入された空気により、前記分離槽25の内周面に沿って流れる旋回流が形成され、昇華物に作用する遠心力の影響により、昇華物と空気とが分離される。これにより昇華物と分離され、清浄化された気体は、ブロワ45により吸引され、基板処理部5における熱処理に再利用される。そのため、熱処理装置1では、昇華物が回収された後の高温状態にある空気が殆ど排出されず、熱エネルギーを最大限有効利用することができる。また、本実施形態では、導入弁43の開度調整などにより、生産モードでの動作中に分離槽25側から基板処理部5に戻る空気の温度が、昇華温度Sよりも僅かに低い100℃〜180℃の温度範囲となるように調整されているため、生産モード中における熱処理室12内の雰囲気温度を安定化することができる。
なお、上記実施形態では、熱処理室12内の雰囲気温度の安定化などのために、温度センサ44の検知温度に基づいて導入弁43の開度調整を行う構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、このような動作制御を行わないこととしてもよい。また、熱処理装置1は、導入弁43の開度調整を行う代わりに、導入系統28に別途空気を加熱するための加熱手段を設け、当該加熱手段を適宜作動させることにより基板処理部5側に戻る空気の温度を調整することとしてもよい。
また、上記実施形態では、導入系統28の中途に温度センサ44を設け、この検知温度に基づいて導入弁43の開度調整を行うこととしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば分離槽25のサイクロン筒部32内に温度センサを設けたり、排気系統26や給気系統27のそれぞれに温度センサを設けるなどの構成とし、これらの温度センサの検知温度に基づいて導入弁43の開度調整を行ったり、本体部2側に戻る空気の温度調整のために別途設けた加熱手段等の動作制御を行ってもよい。
上記した熱処理装置1は、導入系統28の中途に設けられた送風機構部30に二つのフィルタ46,47が設けられているため、分離槽25から導入系統28に吸引された空気中にごく微細な昇華物が混入していたとしても、これを確実に捕捉し、昇華物が熱処理室12に流入するのを確実に防止することができる。なお、上記実施形態では、昇華物が誤って熱処理室12側に漏洩するのを防止すべく、フィルタ46,47を設けた例を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、フィルタ46,47のいずれか一方又は双方を省略した構成としてもよい。また、フィルタ46,47を設ける代わりに、静電気による吸着やその他の方法により昇華物の微細粒子を回収することが可能な微細粒子の回収手段を設けたり、当該回収手段をフィルタ46,47と併用する等してもよい。
上記した熱処理装置1では、フィルタ46,47が分離槽25よりも空気の流れ方向下流側に存在しており、分離槽25において昇華物の大半が回収された後の空気がフィルタ46,47を通過する。そのため、熱処理装置1では、フィルタ46,47が昇華物で目詰まりしにくく、フィルタ46,47のメンテナンスの頻度を最小限に抑制することができる。また、熱処理装置1では、フィルタ46,47が目詰まりしにくいため、これらが目詰まりすることにより熱処理室12の換気流量が不安定になるのを防止することができる。
上記したように、本実施形態では、排気系統26の末端部をなす排気導入口37の突出部37aや、給気系統27の末端部をなす外気導入口38の突出部38aが分離槽25の内側において、分離槽25の内周面に対して交差する方向に僅かに突出している。そのため、排気系統26や給気系統27を介して分離槽25内に導入される空気が、分離槽25内に形成されている旋回流に吸い込まれ、渦流となる。従って、上記したような構成とすれば、分離槽25内で基板処理部5側から導入された空気を外部から導入された外気により効率よく冷却し、昇華物を確実に回収することができる。
上記実施形態では、突出部37a,38aが分離槽25の内側に向けて突出した構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、いずれか一方又は双方が分離槽25の内側に向けて突出していない構成であってもよい。また、上記実施形態では、排気導入口37や外気導入口38の突出部37a,38aにより排気系統26や給気系統27の末端部分を形成し、これを分離槽25の内側に向けて突出させた構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、突出部37a,38aを設ける代わりに、排気系統26や給気系統27をなす配管を排気導入口37や外気導入口38に内挿し、これを分離槽25の内側に向けて突出させた構成としてもよい。
上記実施形態で例示した分離槽25では、サイクロン筒部32の内周面に沿って流れる空気が渦流発生手段40によって発生する誘導抗力により渦流となり、排気と外気とが攪拌されながら旋回流(サイクロン)となる。これにより、分離槽25内における気体の攪拌がさらに促進されることとなり、より一層確実に生成ガスを昇華させ、昇華物を回収することができる。なお、渦流発生手段40は、分離槽25内において水平方向に渦流を発生させるものであってもよいが、空気と昇華物とを効率よく分離可能とすべく、渦流発生手段40は、若干、分離槽25の下方に向けて渦流を発生可能なように設けられていることが望ましい。
上記実施形態では、生成ガスの昇華の促進や、昇華物の分離効率の向上を図るべく、渦流発生手段40を設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、渦流発生手段40を設けない構成としてもよい。また、上記実施形態では、渦流発生手段40としてボルテックスジェネレータを採用した例を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば分離槽25の内側に向けて翼型の断面形状となるように突出した突起や突片を形成した構成としてもよい。
上記したように、熱処理装置1では、分離槽25を構成する配管接続部31やサイクロン筒部32、昇華物収容部33の内周面がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)による表面コーティングや、無電解メッキ方法等による表面処理により、摩擦係数が低く、非接着性であるため、分離槽25内で昇華物が発生しても、これが配管接続部31やサイクロン筒部32、昇華物収容部33の内周面に付着しにくく、昇華物を容易に回収することができる。なお、上記実施形態では、配管接続部31やサイクロン筒部32、昇華物収容部33の内周面の全てについて上述したような表面処理を施した例を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一部だけに上述したような表面処理を施したものや、上述したような表面処理を施していないものであってもよい。また、分離槽25の内周面をフッ素樹脂加工する方策は、ポリテトラフルオロエチレン (PTFE)等のフッ素樹脂を直接表面にコーティングする方策に限定されず、ポリテトラフルオロエチレン (PTFE)等からなる樹脂フィルムを別途貼付する等の方策を採用することができる。また、昇華物の付着を防止するための方策は、上述の表面コーティングや表面処理を施す方策に限定されず、分離槽25の内周面の鏡面加工によるものであってもよく、その場合は、分離槽の内周面を研磨する等、適宜の方策を採用することができる。
なお、上記実施形態では、昇華物の付着を防止するための加工を分離槽25の内周面にのみ設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば排気系統26から導入系統28に至る系統の一部又は全部に適宜、フッ素樹脂による表面処理のような昇華物の付着を防止するための加工を施すことも可能である。かかる構成によれば、分離槽25だけでなく、排気系統26から導入系統28に至る系統についても清掃を容易に行うことができる。
上記実施形態で示した熱処理装置1は、温度調整部11と熱処理室12とが隣接した位置関係にあったが、本発明はこれに限定されるものではなく、両者が互いに離れた位置関係にあってもよい。また、上記実施形態では、昇華物回収部20を本体部2の外部に設けた構成を例示したが、昇華物回収部20が本体部2の一部として構成されていてもよい。
上記実施形態において、分離槽25は、下方に向かうにつれて内径が縮径する円筒状ものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば内径が殆ど変化しない筒状のものであってもよい。また、分離槽25は、外観が略円筒状あるいはコーン状のものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば分離槽25の外装として断面形状四角形の箱体を有し、この内側に上記した分離槽25のような円筒形あるいはコーン状の筒体を収容したものであってもよい。すなわち、分離槽25は、その外観形状がいかなるものであってもよい。また、分離槽25は、内部において気流をスムーズに旋回させること等を考慮すると、少なくとも内周面が円筒状であったりコーン状のものであることが望ましいが、断面形状が多角形のものであってもよい。
上記実施形態において、排気導入口37や外気導入口38は、図4(a)に示すように断面形状が略円形の筒体によって形成されており、配管接続部31に対して点接触あるいは線接触していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図4(b)に示すように断面形状がほぼ矩形のものを採用してもよい。かかる構成とした場合は、排気導入口37や外気導入口38が配管接続部31に対して面接触することとなり、図4(a)のような構成とした場合よりも排気や外気がより一層配管接続部31の内周面に沿って流れやすくなる。
上記実施形態において排気導入口37および外気導入口38は、互いに分離槽25の軸心を挟んで対象の位置関係にあり、対向する方向に排気や外気を導入可能なものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、例えば図5に示すように、排気導入口37および外気導入口38は、並列に配され、排気や外気を同一方向に導入可能なものであってもよい。また、排気導入口37および外気導入口38は、図6に示すように交差する方向(図示した例では直交方向)に排気や外気を導入可能なものとすることも可能である。なお、分離槽25に導入される排気と外気との流量バランスや、排気中に含まれる生成ガスの成分、生成ガスの濃度、昇華物の昇華温度S(固化温度)、外気温などの要因により昇華物が付着する場所が異なるため、これらを加味した上で排気導入口37および外気導入口38の配置について適宜選択することが望ましい。
また、上記実施形態において、排気導入口37や外気導入口38は、ほぼ水平方向に排気や外気を導入可能なものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、排気や外気を傾斜を付けて導入可能なものであってもよい。また、排気導入口37や外気導入口38は、上下方向に並べて配置されていてもよい。具体的には、例えば図7に示すように、排気導入口37を外気導入口38の上方に配し、排気導入口37を下方に傾斜させて配した構成とすることが可能である。かかる構成とした場合は、排気導入口37を介して導入された排気が、外気導入口38から水平方向に導入された外気に対し、排気及び外気の導入方向の延長線上で混合され、攪拌効率が向上する。また、下方に向けて排気を導入すると、分離槽25内において発生した大きな昇華物だけでなく、微細な粒子状の昇華物にも下方に向かう方向に外力が作用する。そのため、図7に示すような構成とすれば、微細な粒子状の昇華物の回収効率もより一層向上させることができる。
上記実施形態では、フィルタ46,47の双方をブロワ45に対して空気等の流れ方向上流側に配した構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、ブロワ45において発塵の可能性がある場合は、フィルタ47をブロワ45の下流側に配した構成としてもよい。また、ブロワ45において発塵が想定される場合は、ブロワ45の上流側に配されたフィルタ46,47に加えてブロワ45の下流側にも別途フィルタを配した構成としてもよい。
本発明の一実施形態にかかる熱処理装置を示す作動原理図である。 分離槽および送風機構部の構成を示す断面図である。 図2のA−A断面図である。 (a)は排気導入口あるいは外気導入口の配置を示す断面図であり、(b)は(a)の変形例を示す断面図である。 分離槽における排気導入口および外気導入口の位置関係の変形例を示す断面図である。 分離槽における排気導入口および外気導入口の位置関係の別の変形例を示す断面図である。 分離槽における排気導入口および外気導入口の位置関係のさらに別の変形例を示す断面図である。
符号の説明
1 熱処理装置
12 熱処理室
25 分離槽
26 排気系統
27 給気系統
30 送風機構部(導出手段)
37 排気導入口
38 外気導入口
37a,38a 突出部(末端部)
40 渦流発生手段
44 温度センサ
46,47 フィルタ
S 昇華温度(固化温度)

Claims (7)

  1. 被加熱物を収容して加熱可能な熱処理室と、
    当該熱処理室内に存在する気体を排気可能な排気系統と、
    当該排気系統を介して前記熱処理室から排出された気体が導入される分離槽と、
    当該分離槽に対して外気を導入可能な給気系統と、
    前記分離槽の内側に存在する気体を前記分離槽の外側に導出可能な導出手段と、
    当該導出手段により分離槽の外側に導出された気体を前記熱処理室に導入する導入系統と、を備えており、
    前記排気系統および給気系統が、それぞれ別系統で分離槽に対して接続されており、
    排気系統を介して熱処理室から排気される気体と、給気系統を介して供給される外気とが分離槽内で合流して混合され、前記分離槽の内周面に沿って流れる旋回流を形成することを特徴とする熱処理装置。
  2. 導入系統の中途に、フィルタが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。
  3. 排気系統の末端部、並びに、給気系統の末端部のうち、少なくとも一方が、分離槽の内側において、分離槽の内周面に対して交差する方向に突出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱処理装置。
  4. 分離槽の内周面に沿って流れる気流に渦流を形成可能な渦流発生手段が、分離槽の内側に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱処理装置。
  5. 排気系統、並びに、給気系統のうち、少なくとも一方が、分離槽内において下方に向けて気流が発生するように気体あるいは外気を導入可能なものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱処理装置。
  6. 分離槽の内周面の一部又は全部に、昇華物の付着を防止するための加工が施されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱処理装置。
  7. 排気系統を介して供給された気体と給気系統を介して供給された気体とが混合されて形成された混合気の温度が、気中に含まれている所定の物質の固化温度以下であって、当該固化温度よりも所定温度だけ低温の温度範囲内に調整されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の熱処理装置。
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