JP2009236426A - 浮遊物除去装置とこれを用いた追焚き機能付き給湯機 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体中の浮遊物を狭いスペース内で効率よく集めて除去することができる浮遊物除去装置を得ること。
【解決手段】配管(戻り管60b)内を流れる液体(浴水150a)から浮遊物Sを除去する浮遊物除去装置70Aを構成するにあたり、配管での流れの向きをクランク状に変更する流れ変更管路71を配管の途中経路に設け、流れ変更管路の終端部に接続されて、流れ変更管路での流れの略延長上に延在する滞留部72を設け、滞留部の上部には、途中経路に排出弁が設けられた排出管路を接続する。
【選択図】 図2−1

Description

本発明は、液体中を浮遊する浮遊物を除去する浮遊物除去装置および浴槽内の浴水を追焚きする機能を備えた追焚き機能付き給湯機に関する。
浮遊物を含む液体を微細な気泡と接触させることにより、洗浄剤を用いずに被洗浄物を洗浄する洗浄装置が工業分野で開発されている。例えば、特許文献1に記載された洗浄装置では、水を主体とした洗浄水と、ハンガーにより載置された被洗浄物とを洗浄槽中に収容し、微細な気泡を洗浄水中に発生させるための複数のエジェクタを該洗浄槽中に設け、エジェクタで洗浄水中に発生させた微細な気泡により被洗浄物を洗浄する。洗浄槽にはオーバーフロー管が設けられ、オーバーフロー管は回収槽に接続されている。洗浄槽で微細な気泡と共に浮上した油脂や微小な塵などの浮遊物は、洗浄水と一緒にオーバーフロー管に流入して回収槽に排出され、該回収槽で洗浄水と分離される。
特開2007−136275号公報
特許文献1に記載された洗浄装置におけるように、洗浄により生じた浮遊物を洗浄水から分離するにあたって当該浮遊物を洗浄水と一緒に洗浄槽からオーバーフローさせようとすると、比較的多量の洗浄水が必要となる。勿論、回収槽で浮遊物を分離した後の洗浄水を再利用することも可能であるが、そのためには洗浄槽と回収槽とを設置することができるスペースが必要となる。これらの理由から、特許文献1に記載された洗浄装置での浮遊物の除去方法は、その適用範囲が限られる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、浮遊物を含んだ液体に他の液体を添加することなく当該液体中の浮遊物を狭いスペース内で効率よく集めて除去することができる浮遊物除去装置とこれを用いた追焚き機能付き給湯機を得ることを目的とする。
上記の目的を達成する本発明の浮遊物除去装置は、配管内を流れる液体から液体中の浮遊物を除去する浮遊物除去装置であって、配管の途中経路に設けられて、配管での流れの向きを略クランク状に変更する流れ変更管路と、流れ変更管路での流れの略延長上に延在して流れ変更管路の終端部に接続され、液体が下部から流入し、滞留する滞留部と、滞留部に滞留した液体を滞留部の上部側から排出する排出管路と、排出管路に設けられ、滞留部から排出管路に流れる液体の流量を調整する排出弁と、を備えることを特徴とする。
上記の目的を達成する本発明の追焚き機能付き給湯機は、熱源器で沸き上げられた湯を貯留する貯湯タンクと、浴槽内の浴水を取水して浴槽に戻す追焚き用循環管路と、貯湯タンクに貯留された湯を熱源として用いて追焚き用循環管路内の浴水を加熱する追焚き用熱交換器と、を備えた追焚き機能付き給湯機において、追焚き用循環管路に設けられて追焚き用循環管路内を流れる浴水に微小泡を生じさせる微小泡発生機と、追焚き用循環管路に接続された上記本発明の浮遊物除去装置とを有することを特徴とする。
本発明の浮遊物除去装置では、流れ変更管路内の液体の流れから逸れた液体溜まりを滞留部で生じさせるので、配管内を流れる液体中の浮遊物を当該滞留部内に集めることができる。また、滞留部内に集められた浮遊物は、排出弁を開にすることで排出管路へ排出することができる。これらの結果として、本発明の浮遊物除去装置によれば、浮遊物を含んだ液体に他の液体を添加することなく当該液体中の浮遊物を狭いスペース内で効率よく集めて除去することが可能になる。
また、本発明の追焚き機能付き給湯機は、追焚き用循環管路に本発明の浮遊物除去装置が接続されているので、微小泡発生機を用いて追焚き用循環管路内を洗浄したときに該追焚き用循環管路内の浴水に生じる浮遊物を当該浮遊物除去装置により除去することが可能となる。
以下、本発明の浮遊物除去装置および追焚き機能付き給湯機それぞれの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施の形態に限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の追焚き機能付き給湯機の一例を示す概略図である。同図に示す追焚き機能付き給湯機120は、市水等の低温水を熱源器で湯に沸き上げて所望箇所に給湯する機能と、浴槽150で用いられた浴水150aを追い焚きする機能とを有するものであり、当該追焚き機能付き給湯機120は、ヒートポンプユニット10と給湯ユニット100とを備えている。以下、追焚き機能付き給湯機120の各構成要素について説明する。
上記のヒートポンプユニット10は、冷媒を圧縮する圧縮機1と、沸上げ用熱交換器3と、膨張弁5と、蒸発器7と、これらを環状に接続する循環配管9とによって構成された冷凍サイクルシステムを有し、熱源器として機能する。ヒートポンプユニット10の冷凍サイクルシステムでは、冷媒が圧縮機1で圧縮されて高温、高圧となった後に沸上げ用熱交換器3で放熱し、膨張弁5で減圧され、蒸発器7で吸熱してガス状態となって圧縮機1に吸入される。この冷凍サイクルシステムは、ユニットケースUC1に納められている。なお、ヒートポンプユニット10は、二酸化炭素を冷媒として用いており、圧縮機1で圧縮されて臨界圧を超える状態で運転を行う。
一方、給湯ユニット100は、貯湯タンク20、給水管路30、沸上げ用循環管路40、熱源用循環管路50、追焚き用循環管路60、追焚き用熱交換器65、微小泡発生機66、本発明の浮遊物除去装置70A、給湯管路80、圧力逃がし弁85、制御装置90、およびユニットケースUC2を有している。
上記の貯湯タンク20は、給水管路30から供給される水を貯留すると共にヒートポンプユニット10で沸き上げられた湯を貯留するものであり、常に満水状態に保たれる。追焚き機能付き給湯機120の使用時には、貯湯タンク20内に温度成層が形成される。
給水管路30は市水等の低温水を貯湯タンク20、給湯管路80中の第1,第2湯水混合弁81a,81b、第1給湯栓160、および第2給湯栓165に供給する管路であり、第1〜5給水管路部30a〜30eと水圧を所定値以下にする減圧弁25とを含んでいる。第1給水管路部30aは水道等の水源(図示せず)と減圧弁25とを繋ぎ、第2給水管路部30bは減圧弁25と貯湯タンク20の下部とを繋ぎ、第3給水管路部30cは減圧弁25と第1,第2湯水混合弁81a,81bとを繋ぐ。また、第4給水管路部30dは第1給水管路部30aから分岐して該第1給水管路部30aと第1給湯栓160とを繋ぎ、第5給水管路部30eは第1給水管路部30aから分岐して該第1給水管路部30aと第2給湯栓165とを繋ぐ。
沸上げ用循環管路40は、貯湯タンク20の下部から水を取水して貯湯タンク20の上部から該貯湯タンク20に戻す管路であり、往き管40a,戻り管40b、沸上げ用送水ポンプ35、第1三方弁41a,第2三方弁41b、バイパス配管42を含んでいる。往き管40aは貯湯タンク20の下部と沸上げ用熱交換器3とを繋ぎ、戻り管40bは沸上げ用熱交換器3と貯湯タンク20の上部とを繋ぐ。往き管40aの途中経路には第1三方弁41aと、第1三方弁41aの下流側に接続された沸上げ用送水ポンプ35とが設けられ、戻り管40bの途中経路には、第2三方弁41bが設けられ、第1三方弁41aと第2三方弁41bとが互いに接続されている。第1三方弁41aおよび第2三方弁41bの各々は制御装置90により動作制御される電動式の三方弁である。
熱源用循環管路50は、貯湯タンク20の上部から湯を取水して貯湯タンク20の下部から該貯湯タンク20に戻す管路であり、往き管50a,戻り管50b、および熱源用送水ポンプ45を含んでいる。往き管50aは貯湯タンク20の上部と追焚き用熱交換器65の上部とを繋ぎ、戻り管50bは追焚き用熱交換器65の下部と貯湯タンク20の下部とを繋ぐ。熱源用送水ポンプ45は、戻り管50bの途中経路に設けられている。
追焚き用循環管路60は、浴槽150の側部から浴水150aを取水して浴槽150の側部から該浴槽150に戻す管路であり、往き管60a,戻り管60b、および追焚き用送水ポンプ55を含んでいる。往き管60aは、浴槽150の側部に設けられた浴槽アダプタ151と追焚き用熱交換器65の下部にある浴槽側入口(図示せず)とを繋ぎ、戻り管50bは、追焚き用熱交換器65の上部にある浴槽側出口(図示せず)と浴槽アダプタ151とを繋ぐ。往き管60aと戻り管50bとは、浴槽アダプタ151で連通する。追焚き用送水ポンプ55は往き管60aの途中経路に設けられている。
追焚き用熱交換器65は、複数の伝熱プレートが当該追焚き用熱交換器65での高さ方向に積層されたプレート式熱交換器であり、熱源用循環管路50を流れる湯と追焚き用循環管路60を流れる浴水150aとの間で熱交換を行って浴水150aを加温する。
微小泡発生機66は、往き管60aの途中のうち、追焚き用送水ポンプ55の吐出側に設けられ、往き管60a内の浴水150aに微小泡を生じさせる装置である。微小泡発生機66は、エジェクタ本体部66aと、エジェクタ本体部66a内に空気を供給するガス導入管66bと、ガス導入管66bでのエジェクタ本体部66a側に設けられて浴水150aの逆流を防止する逆止弁66cと、ガス導入管66bでのガス導入口側に設けられた電磁弁66dとを有している。微小泡発生機66は、制御装置90に接続されており、制御装置90により電磁弁66dが開に動作制御されるとエジェクタ本体部66aが作動して、該エジェクタ本体部66aにより往き管60aの浴水150a中に多数の微小泡が生成される。制御装置90による制御の下に電磁弁66dが閉になるとエジェクタ本体部66aが停止する。
浮遊物除去装置70Aは、戻り管60bの途中経路に設けられ、追焚き用循環管路60を流れる浴水150a中の浮遊物を除去する。浮遊物除去装置70Aの詳細については後述する。
給湯管路80は、貯湯タンク20に貯留された湯を浴槽150、第1給湯栓160、または第2給湯栓165に供給するものであり、第1〜3給湯管路部80a〜80c、第1湯水混合弁81a、および第2湯水混合弁81bを含んでいる。
第1給湯管路部80aにおける貯湯タンク20側の端部は熱源用循環管路50の往き管50aと共用される第1共用管路部CLになっており、当該第1給湯管路部80aでの下流側端部は2つの流路に分岐して一方が第1湯水混合弁81aに、他方が第2湯水混合弁81bにそれぞれ接続されている。また、第2給湯管路部80bは、第1湯水混合弁81aと追焚き用循環管路60での戻り管60bとを繋いでおり、追焚き用循環管路60は給湯管路80の一部となっている。第1給湯管路部80a、第1湯水混合弁81a、第2給湯管路部80b、および追焚き用循環管路60により、貯湯タンク20内の湯を浴槽150に給湯する浴槽用給湯管路BL1が構成されている。従って、浴槽用給湯管路BL1は追焚き用循環管路60を含む。
給湯管路80における第3給湯管路部80cの上流端は第2湯水混合弁81bに接続され、当該第3給湯管路部80cでの下流側端部は2つの流路に分岐して一方が第1給湯栓160に、他方が第2給湯栓165にそれぞれ接続されている。なお、給水管路30での第3給水管路部30cの下流側端部は2つの管路に分岐して一方が上述の第1湯水混合弁81aに、他方が上述の第2湯水混合弁81bにそれぞれ接続されている。
圧力逃がし弁85は、貯湯タンク20の頂部に配管83を介して接続されて、貯湯タンク20の内圧過上昇を防ぐ。制御装置90は、操作パネル95からユーザにより入力された沸上げ開始時刻、沸上げ温度、湯張り湯量、給湯温度等の情報に基づいてヒートポンプユニット10、減圧弁25、沸上げ用送水ポンプ35、熱源用送水ポンプ45、追焚き用送水ポンプ55、微小泡発生機66、および第1湯水混合弁81a、第2湯水混合弁81bの動作を制御する。第1湯水混合弁81aおよび第2湯水混合弁81bの各々は、電動式の混合弁である。操作パネル95は、制御装置90に有線接続または無線接続されて、制御装置90に対する入力装置として用いられる。
給湯ユニット100を構成する上述の給水管路30、沸上げ用循環管路40、追焚き用循環管路60、給湯管路80、および操作パネル95を除いた残りの構成部材は、ユニットケースUC2に納められている。給水管路30、沸上げ用循環管路40、追焚き用循環管路60、および給湯管路80の各々は、その一部がユニットケースUC2の外部にまで延在しており、操作パネル95はユニットケースUC2の外部に設置されている。
次に動作について説明する。追焚き機能付き給湯機120では、制御装置90による制御の下にヒートポンプユニット10および沸上げ用送水ポンプ35が動作して、沸上げ運転が行われる。沸上げ運転の開始から一定の期間は、沸上げ用熱交換器3で沸き上げられた湯の全量が戻り管40bの途中から第2三方弁41b、バイパス配管42、および第1三方弁41aを介して往き管40aに戻るように第1三方弁41a,第2三方弁41bの動作を制御する。また、戻り管40bでの第2三方弁41bの上流側に配置した温度センサ(図示せず)により検知される戻り管40b内の湯の温度が条件値以上になると、沸上げ用熱交換器3で沸き上げられた湯の全量が戻り管40bを流れて貯湯タンク20に戻るように、制御装置90は、第1三方弁41a,第2三方弁41bの動作を制御する。
制御装置90による制御の下に第1湯水混合弁81aが動作して、貯湯タンク20内の湯が所定の湯温に調整されて浴槽150に所定量給湯される。また、ユーザが第1給湯栓160または第2給湯栓165を開にすると、制御装置90により第2湯水混合弁81bの動作が制御され、貯湯タンク20内の湯が所定の湯温に調整されて当該第1給湯栓160または第2給湯栓165から給湯される。
そして、制御装置90による制御の下に熱源用送水ポンプ45および追焚き用送水ポンプ55が動作して、追焚き運転が行われる。このとき、貯湯タンク20の上部から取水された湯が熱源用循環管路50を流れて貯湯タンク20の下部から該貯湯タンク20に戻される一方で、浴槽150から取水された浴水150aが追焚き用循環管路60を流れて浴槽150に戻される。熱源用循環管路50を流れる湯と追焚き用循環管路60を流れる浴水150aとの間で追焚き用熱交換器65により熱交換が行われ、浴水150aが追焚きされる。なお、図1においては、各循環管路40,50,60での水または湯が流れる方向を実線の矢印で示している。
制御装置90は、例えば追焚き運転が行われる毎に、微小泡発生機66を動作させて、往き管60a内の浴水150a中に微小泡を生じさせ、微小泡を含んだ浴水150aを往き管60a内、追焚き用熱交換器65内、戻り管60b内、浴槽150内で浴槽150内の浴槽アダプタ151を介して循環させる。微小泡を含んだ浴水150aを循環させることにより、浴槽150内、往き管60a内、追焚き用熱交換器65内、戻り管60b内に付着し、堆積した皮脂などの汚れ成分に浴水150a中の微小泡が吸着する。微小泡が吸着した汚れ成分は、微小泡の浮力により浴水150a中を浮遊する浮遊物となって浴水150aの流れに乗って移動する。
上述した構成を有する追焚き機能付き給湯機120は、本発明の浮遊物除去装置70Aを有している点に特徴を有しているので、以下、図2−1を参照して浮遊物除去装置70Aについて説明する。
図2−1は、本発明の浮遊物除去装置の一例を示す断面図である。図2−1に示す浮遊物除去装置70Aは、流れ変更管路71と、滞留部72と、排出管路73Aと、ドレンパン74と、排出弁75とを含み構成される。
流れ変更管路71は、戻り管60bの途中経路に設けられ、戻り管60bでの流れの向きを略クランク状に変更する管路である。戻り管60bは、流れ変更管路71で上流側流路Uと下流側流路Dとに分けられる。流れ変更管路71の一端は上流側流路Uに接続され、流れ変更管路71の他端は下流側流路Dに接続されている。上流側流路Uおよび下流側流路Dは略水平方向に配設されており、流れ変更管路71は略鉛直方向に設けられている。従って、浴水150aは、上流側流路Uで略水平方向に流れ、流れ変更管路71内で略鉛直上方に流れ方向が変更され、下流側流路Dで再び略水平方向に流れる。
滞留部72は、流れ変更管路71での流れの略延長上に延在する導入管部72aにより流れ変更管路71の終端部に接続されている。浴水150aが流れ変更管路71から下流側流路Dに流入する過程でその一部が流れから逸れて、導入管部72aに流入する。導入管部72aに流入した浴水150aは、滞留部72の下部から該滞留部72に流入し、排出管路73Aに設けられた排出弁75が閉であるときには当該滞留部72に滞留する。図2−1においては、戻り管60b内および導入管部72a内での浴水150aの流れの向きを実線の矢印で示している。
排水管路73Aは、滞留部72の上部に接続されて該滞留部72内の浴水150aを排出する配管である。この排出管路73Aは、滞留部72の上部から略鉛直上方に向かった後に水平方向に向きを変え、最後に略鉛直下方に向きを変えている。排出管路73Aの排出口の下方には、排出管路73Aから排出される浴水150aを受けるドレンパン74が配置されている。
排出弁75は、排水管路73Aの途中経路に設けられている。排出弁75は、閉から開に切り替えることにより滞留部72から排出管路73Aへ流れる浴水150aの流量を調整する電動弁である。排出弁75は、制御装置90(図1参照)に接続されており、制御装置90により動作制御される。排出弁75は、制御装置90から受けた開度調整の信号に応じて弁開度を調節する。
上述した構成を有する浮遊物除去装置70Aは、追焚き機能付き給湯機120(図1参照)が例えば追焚き運転時に微小泡発生機66を動作させて浴槽150内、往き管60a内、追焚き用熱交換器65内、戻り管60b内の汚れの除去を行っている最中に、制御装置90の制御の下に動作して、浴水150a中の浮遊物を除去する。図2−2は、図2−1に示した浮遊物除去装置による浮遊物除去プロセスの一例を示す断面図であり、図2−3は、図2−1に示した浮遊物除去装置による浮遊物除去プロセスの他の例を示す断面図である。なお、図2−2および図2−3に示した構成要素のうちで図2−1に示した構成要素と共通するものについては、図2−1で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図2−2に示すように、浮遊物除去装置70Aによって浴水150a中の浮遊物Sを除去するにあたっては、まず、浴水150a中の浮遊物Sを滞留部72に集めて濃縮する。導入管部72aが流れ変更管路71の略鉛直上方に接続されているので、流れ変更管路71内の流れに乗って浴水150a中の浮遊物Sが滞留部72に流入しやすい。滞留部72に浴水150aが流入すると、浴水150a中の微小泡がはじけて滞留部72の上部側に空気溜まりが形成される一方で、微小泡の浮力により浮遊物Sが浴水150aの水面近傍に集まり、互いに凝集して蓄積し、濃縮される。この間、排出弁75は閉に維持される。
微小泡発生機66を動作させてから所定時間が経過すると、図2−3に示すように、制御装置90の制御の下に排出弁75が閉から開にされて、同図中に実線の矢印で示すように、滞留部72内の浴水150aおよび滞留部72内に蓄積し、濃縮された浮遊物Sが排出管路73Aに排出される。滞留部72内から排出管路73Aに排出された浴水150aおよび浮遊物Sは、ドレンパン74に収容される。排出弁75を閉から開にして一定時間が経過すると、制御装置90の制御の下に排出弁75が開から閉にされる。浮遊物除去装置70Aは、微小泡発生機66が動作している間、制御装置90の制御の下に図2−2、図2−3に示した浮遊物除去プロセスを繰り返し行う。浴水150a(浮遊物Sを除く)の損失を抑えて浮遊物Sを効率よく排出するという観点から、図2−3に示したプロセスで排出弁75を開にしておく時間は短時間とすることが好ましい。
このようにして浴水150a中の浮遊物Sを除去する浮遊物除去装置70Aでは、浴水150aに他の液体を添加することなく当該浴水150a中の浮遊物Sを狭いスペース内で効率よく集めて除去することが可能である。浴水150aに凝集剤などを添加することなく浴水150a中の浮遊物Sを除去することができるため、凝集剤の薬品代などの費用もかからず、浴水150aの水質が変化することもない。
また、追焚き機能付き給湯機120では、追焚き運転時に微小泡発生機66および浮遊物除去装置70Aを動作させることで、浴槽150や往き管60aや戻り管60bや追焚き用熱交換器65内を清浄に保ちやすくなるので、入浴者への浮遊物Sの再付着を抑制することができるようになると共に運転負荷を抑えやすくなる。運転負荷を抑えやすくなる結果として、製品の長寿命化を図ることができる。また、追焚き用熱交換器65内に浮遊物Sが付着するによる当該追焚き用熱交換器65の熱効率の低下を抑制することができるため、省エネルギー化を図ることもできる。
実施の形態2.
図3は、本発明の浮遊物除去装置の他の例を示す概略図である。同図に示す浮遊物除去装置70Bは追焚き機能付き給湯機の追焚き用循環管路60に接続されたものであり、図2−3に示した排出管路73Aに代えてフィルタ76を有する排出管路73Bを備えている点を除き、図2−3に示した微小泡発生機70Aと同様の構成を有している。図3に示した構成要素のうちで図2−3に示した構成要素と共通するものについては、図2−3で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
浮遊物除去装置70Bの排出弁75は、図2−3に示した浮遊物除去装置70Aと同様に、追焚き機能付き給湯機120(図1参照)が有する制御装置90(図1参照)により動作制御される。フィルタ76は、排出管路73Bの途中経路に設けられており、上記の制御装置90の制御の下に排出弁75が閉から開にされ、滞留部72内で浮遊物Sが濃縮された浴水150aが排出管路73Bに排出された際に、浮遊物Sを捕集する。従って、浮遊物除去装置70Bでは、滞留部72から排出管路73Bに排出された浴水150a中の浮遊物Sを残渣として回収可能である。また、ドレンパン74に収容した浴水150aは、浮遊物Sが除去されているため、追焚き用循環管路の戻り管60bに戻すことも可能である。
実施の形態3.
図4は、本発明の浮遊物除去装置の他の例を示す概略図である。同図に示す浮遊物除去装置70Cは追焚き機能付き給湯機120(図1参照)の追焚き用循環管路60に接続されたものであり、図2−3に示した排出管路73Aにヒータ77を備えている点を除き、図2−3に示した微小泡発生機70Aと同様の構成を有している。図4に示した構成要素のうちで図2−3に示した構成要素と共通するものについては、図2−3で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
浮遊物除去装置70Cの排出弁75は、図2−1に示した浮遊物除去装置70Aと同様に、追焚き機能付き給湯機120(図1参照)が有する制御装置90(図1参照)により動作制御される。ヒータ77は、排出管路73Aの途中経路に設けられ、上記の制御装置90により動作を制御されて、例えば排出弁75が閉から開にされるのに先だって排出管路73Aを加熱する。排出弁75が閉から開にされて滞留部72から排出管路73Aに排出された浴水150aおよび浮遊物Sは、排出管路73Aを流れる過程で加熱され、結果として水分が蒸発する。乾燥された浮遊物Sが水蒸気と共に排出管路73Aから排出され、ドレンパン74に収容される。
以上、本発明の浮遊物除去装置および追焚き機能付き給湯機について実施の形態を挙げて説明したが、前述のように、本発明は上述の形態に限定されるものではない。例えば、実施の形態1〜3で説明した浮遊物除去装置70A〜70C(図2−1、図3、および図4参照)では、流れ変更管路71が略鉛直方向に設けられているが、流れ変更管路71は配管(戻り管60b)での液体(浴水150a)の流れの向きを変更する方向に設けられていればよく、例えば略水平方向に設けられた戻り管60bと略直交する方向に略水平に設けられていてもよい。ただし、液体(浴水150a)中の浮遊物を効率的に滞留部72内に流入させるという観点からは、配管(戻り管60b)に略垂直に流れ変更管路71を配置した方が好ましい。
また、実施の形態1〜3で説明した浮遊物除去装置70A〜70Cでは、滞留部72が導入管部72aにより流れ変更管路71の終端部に接続されているが、導入管部72aを設けず直接流れ変更管路71の終端部に滞留部72を接続してもよい。また、滞留部72内で発生する対流を抑制して滞留部72内で効率的に浮遊物を堆積させるため、例えば滞留部72の下部に、流れ変更管路71から流入する液体(浴水150a)の流れに対向する緩衝プレートを設けても良い。
また、実施の形態1で説明した追焚き機能付き給湯機120(図1参照)では、追焚き運転時に微小泡発生機66を動作させて、戻り管60b内を流れる浮遊物Sを除去しているが、浮遊物除去装置70Aの動作は、戻り管60b内に浴水150aが流れている間に行えばよい。例えば、浴槽150内の浴水150aの排水時で、かつ追焚き用送水ポンプ55を動作させている間に行ってもよい。但し、浴槽150や往き管60aや戻り管60bや追焚き用熱交換器65内の汚れを除去し、除去した汚れを速やかに浮遊物除去装置70Aで排出するという観点からは、追焚き運転時で、かつ微小泡発生機66を動作させている時に、浮遊物除去装置70Aを動作させた方が好ましい。図3または図4に示した浮遊物除去装置70B,70Cについても同様である。
また、実施の形態1〜3で説明した浮遊物除去装置70A〜70Cでは、排出弁75の開閉動作を繰り返し行うことにより、滞留部72内で濃縮された浮遊物Sを排出管路73Aまたは排出管路73Bに排出しているが、本発明はこれに限定するものではない。例えば滞留部72内に浮遊物検出センサを設け、浮遊物検出センサによる浮遊物Sの検出量が条件値を超えたときのみ制御装置90(図1参照)による制御の下に排出弁75を開にして、滞留部72内で濃縮された浮遊物Sを滞留部72から除去してもよい。上記の浮遊物検出センサとしては、例えば、滞留部72内に形成された水面での光の反射量や、滞留部72内に形成された水面で反射した光の分光分布等から当該滞留部72での浮遊物Sの濃縮度合いを検出する光学式のものが用いられる。また、滞留部72に空気センサを設け、空気センサが所定の空気量を検知した際に排出弁75を閉から開にする制御を行ってもよい。
また、微小泡発生機66(図1参照)は、液体中に多数の微小泡を生じさせることができるものであればよく、その構造は適宜選定可能である。例えば、微小泡発生機66としてエジェクタを用いる場合、図1に示した逆止弁66cは、省略することも可能である。逆止弁がないエジェクタを用いる場合には、当該エジェクタが設けられている往き部60a(例えば図1参照)を浴水150aが流れているときに電磁弁66d(図1参照)を開けてエジェクタを動作させ、電磁弁66dを閉じてエジェクタの動作を終了させてから浴水150aの流れを停止させる。このようにエジェクタの動作時期を選定すると、ガス導入管66b内が常に負圧になるので、逆止弁66cが不要になる。勿論、誤操作を考慮した場合は、エジェクタに逆止弁を具備させることが望ましい。
浮遊物除去装置70A〜70Cは、実施の形態1〜3で説明したように追焚き機能付き給湯機の制御装置により動作制御してもよいし、専用の制御装置を設けてもよい。また、ユーザが手動で動作制御してもよい。ただし、追焚き用循環管路60内や追焚き用熱交換器65(図1参照)内の洗浄を忘れずに行うという観点からは、手動によりエジェクタの動作を制御するよりも制御装置により自動制御した方が好ましい。また、エジェクタに代えて他の微小泡発生機を用いてもよい。微小泡の発生には、エジェクタ以外の旋回液流式、スタティックミキサー式、ベンチュリ式、加圧溶解式、微細孔式、蒸気凝縮式等を適用してもよく、エジェクタを用いた場合と同様の効果が得られる。
本発明の追焚き機能付き給湯機の構成は、本発明の微小泡発生機を追焚き用循環管路に設ける以外、適宜選定可能である。本発明の微小泡発生機および追焚き機能付き給湯機については、上述した以外にも種々の変形、修飾、組合せ等が可能である。
本発明の浮遊物除去装置は流路、貯水槽、浴槽などの汚れを除去する際に発生する浮遊物の除去に用いることができる。また、本発明の追焚き機能付き給湯機は、浴槽への給湯機能および浴水の追焚き機能を備えた家庭用または業務用の給湯機として好適である。
本発明の追焚き機能付き給湯機の一例を示す概略図である。 本発明の浮遊物除去装置の一例を示す断面図である。 図2−1に示した浮遊物除去装置による浮遊物除去プロセスの一例を示す断面図である。 図2−1に示した浮遊物除去装置による浮遊物除去プロセスの他の例を示す断面図である。 本発明の浮遊物除去装置の他の例を示す概略図である。 本発明の浮遊物除去装置の更に他の例を示す概略図である。
符号の説明
10 ヒートポンプユニット
20 貯湯タンク
30 給水管路
40 沸上げ用循環管路
50 熱源用循環管路
55 追焚き用送水ポンプ
60 追焚き用循環管路
60a 往き管
60b 戻り管
65 追焚き用熱交換器
66 微小泡発生機
70A,70B,70C 浮遊物除去装置
71 流れ変更管路
72 滞留部
72a 導入管部
73A,73B 排出管路
74 ドレンパン
75 排出弁
76 フィルタ
77 ヒータ
80 給湯管路
85 圧力逃がし弁
90 制御装置
95 操作パネル
100 給湯ユニット
120 追焚き機能付き給湯機
150 浴槽
150a 浴水
160 第1給湯栓
165 第2給湯栓
S 浮遊物

Claims (5)

  1. 配管内を流れる液体から該液体中の浮遊物を除去する浮遊物除去装置であって、
    前記配管の途中経路に設けられて、前記配管での流れの向きを略クランク状に変更する流れ変更管路と、
    前記流れ変更管路での流れの略延長上に延在して前記流れ変更管路の終端部に接続され、前記液体が下部から流入し、滞留する滞留部と、
    前記滞留部に滞留した前記液体を前記滞留部の上部側から排出する排出管路と、
    前記排出管路に設けられ、前記滞留部から前記排出管路に流れる前記液体の流量を調整する排出弁と、
    を備えることを特徴とする浮遊物除去装置。
  2. 前記排出管路から排出された液体を受けるドレンパンを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の浮遊物除去装置。
  3. 前記排出管路に設けられ、前記液体中の前記浮遊物を捕集するフィルタを更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の浮遊物除去装置。
  4. 前記排出管路に設けられ、該排出管路を加熱するヒータを更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の浮遊物除去装置。
  5. 熱源器で沸き上げられた湯を貯留する貯湯タンクと、浴槽内の浴水を取水して前記浴槽に戻す追焚き用循環管路と、前記貯湯タンクに貯留された湯を熱源として用いて前記追焚き用循環管路内の浴水を加熱する追焚き用熱交換器と、を備えた追焚き機能付き給湯機において、
    前記追焚き用循環管路に設けられて該追焚き用循環管路内を流れる浴水に微小泡を生じさせる微小泡発生機と、
    前記追焚き用循環管路に接続された請求項1〜3のいずれか1つに記載の浮遊物除去装置と、
    を有することを特徴とする追焚き機能付き給湯機。
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