JP2009236351A - 空調制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】就寝者の個体差に依らず、就寝者が安眠できるような就寝環境を実現できる空調制御システムを提供する。
【解決手段】1回の睡眠時間を複数に分割し、各分割された時間ごとに寝床上の就寝者の睡眠の質を睡眠質導出手段(50)によって導出すると共に、寝室の空調状態を空調状態検出手段(26,27)によって検出する。データベース構築手段(43)は、導出した睡眠質と、検出した空調状態を関連付けたデータベースを構築する。このデータベースから各分割された時間ごとに空調機(10)の目標温湿度を求め、寝室の温湿度が目標温湿度に近づくように空調機(10)を制御する。
【選択図】図4

Description

本発明は、寝室の空調制御に関し、特に就寝者に対して快適な空調を行うための対策に係るものである。
従来より、寝室の空調制御を行う空調制御システムとしては、寝床に複数の温度センサを設け、この温度センサに基づいて空調機(空調手段)の制御を行うものが知られている。
例えば特許文献1の空調制御システムでは、寝床の両側部に亘って複数の温度センサを配列し、寝床の複数点の温度を検出するようにしている。そして、各温度センサの検出温度より、寝床の温度分布を導出し、この温度分布から就寝者の就寝位置や、寝床の平均温度を求める。空調制御システムは、以上のようにして得た就寝者の周囲環境の状況に基づいて、空調機の空調能力を制御する。これにより、特許文献1の空調制御システムでは、快適な就寝環境を実現するようにしている。
特開2006−29669号公報 特開2005−296117号公報
ところが、特許文献1のような空調機の制御では寝床の温度のみから空調機を制御しており、これでは就寝者が快適に睡眠しているかどうかは不明な場合がある。つまり、予め設定された快適な温度は、多くの人の平均的データであるため個体差により就寝者が感じる快適温度は異なっているのが現状である。そして、快適な睡眠は睡眠の深さや深い睡眠の長さなど睡眠の質によって計るべきものであり、温度を測っても睡眠の質は厳密な意味では計れていないためである。従って、上記の空調制御を行っても、個体差により就寝者が暑さや寒さを感じてしまったり睡眠の質が良くなかったりして、中途覚醒したり、睡眠が浅くなったりする虞がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、就寝者の個体差に依らず、就寝者が安眠できるような就寝環境を実現できる空調制御システムを提供することである。
第1の発明は、寝室の空気調和を行う空調手段(10)の空調能力を制御する空調制御システムを前提としている。そして、この空調制御システムは、寝床上の就寝者の睡眠の質を導出する睡眠質導出手段(50)と、上記睡眠質導出手段(50)で導出した就寝者の睡眠質に基づいて上記空調手段(10)の空調能力を制御する空調制御手段(45)と、寝室の空調状態を検出する空調状態検出手段(26,27)と、上記空調状態検出手段(26,27)で検出した空調状態と、上記睡眠質導出手段(50)で導出した就寝者の睡眠質とを関連付けたデータベースを構築するデータベース構築手段(43)と、上記データベース構築手段(43)で構築されたデータベースに基づいて、寝室の最適な空調状態を求める最適空調状態導出手段(44)とを備え、上記最適空調状態導出手段(44)は、1回の睡眠時間を複数に分割し、各分割された時間ごとにそれぞれ上記最適な空調状態を求め、上記空調制御手段(45)は、寝室の空調状態が上記最適空調状態導出手段(44)で求めた最適空調状態に近づくように上記空調手段(10)の空調能力を制御することを特徴とするものである。ここで、上記「睡眠質」とは、寝具上での就寝者の睡眠の状況を示すものであり、例えば睡眠しているか、覚醒しているか、REM睡眠であるか、深い眠りであるか、浅い眠りであるか、寝床に入ってから速やかに眠りに付いたか、目が覚めてから直ぐに寝床から出たか等、就寝者の睡眠に関する情報を意味するものである。また、上記「空調状態」とは、空調手段(10)によって空調される寝室内の空気の状態であり、具体的には、空気の温度及び湿度のいずれか一方又は両方を意味する。また、ここでいう湿度は、絶対湿度であっても相対湿度であっても良い。
第1の発明では、睡眠質導出手段(50)が就寝者の睡眠の質を導出する。空調制御手段(45)は、睡眠質導出手段(50)が導出した睡眠質に基づいて空調手段(10)の空調能力を制御する。これにより、寝室では、就寝者の睡眠質を考慮した空気調和がなされる。従って、例えば睡眠質導出手段(50)で導出した睡眠の質が悪い状態である場合には、これを改善するように空調手段(10)の空調能力を変化させることで、就寝者の就寝環境が良好となる。また、例えば睡眠質導出手段(50)で導出した睡眠の質が良い状態である場合には、空調手段(10)の空調能力を維持させることで、就寝者の就寝環境も良好に保たれる。
また、上記睡眠質は、個体差に応じて変化する指標である。従って、睡眠質導出手段(50)によって導出した睡眠質に基づいて空調手段(10)の空調能力を制御することで、このような個体差を加味した空調制御が行われる。その結果、就寝者に応じた最適な就寝環境を得ることができる。
そして、空調状態検出手段(26,27)が寝室の空調状態を検出する。また、睡眠質導出手段(50)は、就寝者の睡眠質を導出する。そして、データベース構築手段(43)は、このようにして得られた空調状態と睡眠質とを関連付けたデータベースを構築する。ここで、就寝者の睡眠質は、就寝環境、つまり寝室の空調状態に依存するものであり、睡眠質と空調状態との間には所定の関係が成立する。従って、このようなデータベースを構築することで、就寝者の睡眠質を良好とするための最適な就寝環境(即ち、空調状態)を把握できる。最適空調状態導出手段(44)は、このようなデータベースに基づいて、就寝者の睡眠質を最適とするための最適空調状態を求める。そして、空調制御手段(45)は、寝室の空調状態が、上記最適空調状態に近づくように空調手段(10)を制御する。その結果、就寝者の就寝環境が良好に保たれる。
また、上記データベース構築手段(43)で構築されたデータベースでの睡眠質と空調状態との関係は、就寝者の個体差を考慮したものである。従って、このデータベースに基づいて算出された最適空調状態を目標として空調能力を制御することで、このような個体差を加味した空調制御が行われる。その結果、就寝者に応じた最適な就寝環境を得ることができる。
さらに、1回の睡眠時間を複数に分割し、各分割された時間ごとにそれぞれ最適な空調状態を求める。その結果、睡眠中に少しずつ変化していく最適空調状態に対応できるようになり、就寝者の就寝環境が良好に保たれる。
第2の発明は、第1の発明の空調制御システムにおいて、上記空調状態検出手段(26,27)は、寝室の温度及び湿度の双方を上記空調状態として検出するように構成され、上記最適空調状態導出手段(44)は、上記データベース構築手段(43)のデータベースに基づいて、寝室の最適な温湿度を求めるように構成され、上記空調制御手段(45)は、寝室の温湿度が上記最適温湿度に近づくように上記空調手段(10)の空調能力を制御することを特徴とするものである。
第2の発明では、空調状態検出手段(26,27)が寝室の温度と湿度とを検出する。また、睡眠質導出手段(50)は、就寝者の睡眠質を導出する。そして、データベース構築手段(43)は、検出された温湿度と導出された睡眠質とを関連付けたデータベースを構築する。ここで、就寝者の睡眠質は、寝室の温度と湿度との双方に依存するので、睡眠質と温湿度との間には所定の関係が成立する。従って、このようなデータベースを構築することで、就寝者の睡眠質を良好とするための最適な温湿度を把握できる。最適空調状態導出手段(44)は、このようなデータベースに基づいて、就寝者の睡眠質を最適とするための最適温湿度を求める。そして、空調制御手段(45)は、寝室の温湿度が、この最適温湿度に近づくように空調手段(10)を制御する。その結果、就寝者の就寝環境が良好に保たれる。
第3の発明は、第2の発明の空調制御システムにおいて、上記空調状態検出手段(26,27)は、寝床近傍の空調状態を検出するように構成されていることを特徴とするものである。
第3の発明では、空調状態検出手段(26,27)が就寝者の寝床近傍の空調状態を検出する。ここで、就寝者の寝床近傍の空調状態は、就寝者の睡眠質に最も影響を及ぼしやすい。従って、このようにして空調状態検出手段(26,27)で検出した空調状態と、就寝者の睡眠質との関係を利用して最適空調状態を求めて空調制御を行うことで、寝室の環境を一層良好な状態に制御することができる。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明の空調制御システムにおいて、上記睡眠質導出手段(50)で導出する上記睡眠質は、就寝者の睡眠時間、中途覚醒時間、REM睡眠時間、総睡眠時間のうちの少なくとも1つであることを特徴とするものである。なお、ここでいう「睡眠時間」とは、就寝者が寝具上で最初に入眠してから最終的に覚醒するまでの時間を表す指標である。また、「中途覚醒時間」とは、就寝者が寝具上で最初に入眠してから最終的に覚醒するまでの時間(即ち、上記「睡眠時間」)中において、就寝者が中途覚醒した時間の総和を表す指標である。更に、「REM睡眠時間」とは、就寝者の睡眠中において、REM睡眠状態であった時間の総和を表す指標であり、このREM睡眠とは、就寝者の急速眼球運動(rapid eye movement)が観察される睡眠である。また、「総睡眠時間」とは、就寝者が寝具上で最初に入眠してから最終的に覚醒するまでの時間(即ち、上記「睡眠時間)中において、就寝者が実質的に睡眠していた時間の総和を表す指標であり、「睡眠時間」から「中途覚醒時間」を差し引いたものである。
第4の発明では、空調状態検出手段(26,27)が寝室の空調状態を検出する。また、睡眠質導出手段(50)は、就寝者の睡眠質として、就寝者の睡眠時間、覚醒時間、REM睡眠時間、総睡眠時間のうちの少なくとも1つの指標を算出する。ここで、寝室の空調状態は、就寝者の睡眠時間、覚醒時間、REM睡眠時間、総睡眠時間に影響を及ぼす。具体的には、例えば寝室の温度が比較的高温であったり、比較的低温であったりすると、就寝者が不快感を覚えて就寝者の睡眠時間や総睡眠時間が短くなる、あるいは就寝者の中途覚醒時間が長くなる。従って、これらの睡眠質に基づいて寝室の空調能力を変化させることで、就寝者の就寝環境を最適な空調状態に制御することができる。
第5の発明は、第1乃至第4のいずれか1つの発明の空調制御システムにおいて、上記睡眠時間は前半、中盤、後半の3つに分割され、上記前半では、上記寝室の温度を単調に低下させること特徴とするものである。ここで単調とは、寝室の温度を時間で微分した値の符号が変化しないことを意味する。
第5の発明では、睡眠時間を3分割して、前半に寝室の温度を単調に低下させる。体温は入眠すると徐々に低下していくことが判明している。従って、睡眠前半に温度を単調に低下させることで、就寝者の就寝環境を、就寝者の生理現象に合致した一層最適な空調状態に制御することができる。
第6の発明は、第5の発明の空調制御システムにおいて、上記最適空調状態導出手段(44)は、上記前半おける温度の低下量を求めることを特徴とするものである。
第6の発明では、最適空調状態導出手段(44)が睡眠の前半における温度の低下量を求め導出する。最適な温度の低下量には個人差があるので、このように温度の低下量を求めることによって、就寝者の就寝環境を各個人に合った一層最適な空調状態に制御することができる。
第7の発明は、第5または第6の発明の空調制御システムにおいて、上記後半では、上記寝室の温度を単調に上昇させることを特徴とするものである。
第7の発明では、睡眠の後半に寝室の温度を単調に上昇させる。体温は睡眠後半から目覚めに向かって上昇していくことが判明している。従って睡眠後半において温度を単調に上昇させることで、就寝者の就寝環境を、就寝者の生理現象に合致した一層最適な空調状態に制御することができる。
第8の発明は、第7の発明の空調制御システムにおいて、上記最適空調状態導出手段(44)は、上記後半おける温度の上昇量を求めることを特徴とするものである。
第8の発明では最適空調状態導出手段(44)が睡眠の後半における温度の上昇量を求め導出する。最適な温度の上昇量には個人差があるので、このように温度の上昇量を求めることによって、就寝者の就寝環境を各個人に合った一層最適な空調状態に制御することができる。
本発明によれば、就寝者の睡眠質を導出し、この睡眠質に基づいて空調手段(10)の空調能力を制御するようにしているので、就寝者の個体差による睡眠質の違いを考慮しながら、就寝者の睡眠質を最適とするような寝室環境を得ることができる。
そして寝室の空調状態と、就寝者の睡眠質とを関連付けたデータベースを構築し、このデータベースに基づいて寝室の最適空調状態を求めるようにしている。従って、上記データベースにより、個体差に応じた最適な空調状態を確実に求めることができるので、就寝者に対して最適な寝室環境を得ることができる。
また、1回の睡眠時間を複数に分割し、各分割された時間ごとにそれぞれ最適な空調状態を求めるので、睡眠中に少しずつ変化していく最適空調状態に対応できるようになり、就寝者の就寝環境を良好に保つことができる
また、上記第2の発明では、就寝者の睡眠質に影響を及ぼす空気の温度及び湿度の双方を検出して該温湿度と睡眠質とを関連付けたデータベースを構築し、寝室の温湿度がこのデータベースで求めた最適温湿度となるように空調手段(10)を制御している。従って、寝室の温湿度環境が最適なものとなり、就寝者の睡眠質を大幅に改善することができる。
また、第3の発明では、空調状態検出手段(26,27)が、寝床近傍の空調状態を検出するようにしているので、就寝者の周りの温度や湿度を確実に最適なものとして就寝者の睡眠質を大幅に改善できる。
また、第4の発明では、就寝者の睡眠時間、中途覚醒時間、REM睡眠時間、総睡眠時間のうちの少なくとも1つを就寝者の睡眠質として用いるようにしている。従って、比較的単純な指標によって就寝者の睡眠質を容易に得ることができ、これらの睡眠質を改善するような空調制御を行うことができる。
更に、第5の発明では、3分割した睡眠時間の前半において寝室温度を単調に低下させることで、また第7の発明では、3分割した睡眠時間の後半において寝室温度を単調に上昇させることで、就寝者の就寝環境を、就寝者の生理現象に合致した一層最適な空調状態に制御することができる。
更に、第6の発明では、最適空調状態導出手段(44)が睡眠の前半における温度の低下量を求めることで、また第8の発明では、最適空調状態導出手段(44)が睡眠の後半における温度の上昇量を求めることで、就寝者の就寝環境を各個人に合った一層最適な空調状態に制御することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
実施形態1に係る空調制御システム(1)は、寝室(5)内に設置された空調機(10)を制御するものである。
図1に示すように、空調機(10)は、例えば壁掛け式のエアコンで構成されている。また、空調機(10)は、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えており、熱交換器(図示省略)内の冷媒により冷却又は加熱した空気を寝室(5)へ供給する。また、空調機(10)は、空気の湿度を調節するための調湿手段(図示省略)を備えている。調湿手段は、例えば空気の水分を吸脱着する吸着剤が担持されたデシカントロータや、空気へ向かって水分を噴霧する加湿器等で構成される。また、調湿手段は、上記熱交換器内の冷媒の温度を露点温度以下とすることで、空気中の水蒸気を凝縮させ該空気の除湿を行う構成としても良い。以上のように、空調機(10)は、空気を温調すると共に空気を調湿するように構成され、寝室(5)の空気調和を行う空調手段を構成している。
図1及び図2に示すように、上記空調制御システム(1)は、体動センサ(20)と温度センサ(26)と湿度センサ(27)と本体部(30)とを備えている。
体動センサ(20)は、寝室(5)のベッドや布団等の寝具(6)上の就寝者から生起する体動を検出するためのものである。つまり、体動センサ(20)は、就寝者の体動を体動信号として検知する体動検知手段を構成している。体動センサ(20)は、チューブ状の部材からなり、外部から加わる圧力を検知して本体部(30)へ伝えるように構成されている。即ち、体動センサ(20)は、就寝者の体動に伴う振動を圧力変動として検知するための感圧部(21)と、この圧力変動を本体部(30)に伝達するための圧力伝達部(22)とを備えている。
感圧部(21)は、細長で中空状のチューブによって構成されており、寝具(6)のマットや敷き布団等の下に敷設されている。また、圧力伝達部(22)も、感圧部(21)と同様、中空状のチューブによって構成されており、接続部(23)を介して感圧部(21)と連結している。また、感圧部(21)は、圧力伝達部(22)よりも大径に形成されている。就寝者が寝具(6)に横臥すると、就寝者の体動に伴う圧力・振動が感圧部(21)に伝達され、感圧部(21)の内圧が圧力伝達部(22)を伝わって本体部(30)の受圧部(31)に作用する。
上記受圧部(31)は、箱状の本体部(30)内に埋設されている。受圧部(31)は、圧力伝達部(22)における接続部(23)と反対側の端部が嵌合する取付部(32)を有している。取付部(32)は、略円環状に形成されて内方に向かって凹んだ凹部(32a)と、該凹部(32a)内に突設されて圧力伝達部(22)の端部に内嵌する凸部(32b)とを有している。凸部(32b)には、貫通穴(32c)が形成されており、感圧部(21)で発生した内圧は貫通穴(32c)を通じて受圧部(31)へ伝達される。
また、受圧部(31)は、その内部に受圧用センサ(33)を有している。受圧用センサ(33)は、マイクロフォンや圧力センサ等によって構成されている。受圧用センサ(33)は、感圧部(21)で発生した内圧を受け、この内圧を電圧に変化して本体部(30)内の回路ユニット(40)へ信号として出力するように構成されている。
上記温度センサ(26)及び湿度センサ(27)は、いずれも寝具(6)上に設けられている。温度センサ(26)は、寝床近傍の空気の温度を検出し、湿度センサ(27)は、寝床近傍の空気の湿度(相対湿度又は絶対湿度)を検出する。つまり、温度センサ(26)及び湿度センサ(27)は、寝室(5)の寝床近傍の空気状態を検出する空気状態検出手段を構成している。また、温度センサ(26)及び湿度センサ(27)は、リード線(28)を介して本体部(30)と接続している。温度センサ(26)及び湿度センサ(27)の検出信号は、リード線(28)を介して本体部(30)内の回路ユニット(40)へ出力される。
図3に示すように、回路ユニット(40)は、信号処理手段(41)、睡眠質導出手段(50)、記憶手段(42)、データベース構築手段(43)、最適制御目標値導出手段(44)、空調制御手段(45)、及び初期目標値設定手段(46)を備えている。
信号処理手段(41)は、体動センサ(20)から出力された体動信号を所定の信号に変調するものである。
睡眠質導出手段(50)は、上記信号処理手段(41)で変調された信号に基づいて、就寝者の睡眠の質を表す指標を導出するものである。睡眠質導出手段(50)は、離床判定手段(51)と睡眠/覚醒判定手段(52)と睡眠深さ判定手段(53)とREM睡眠判定手段(54)とを備えている。
上記離床判定手段(51)は、就寝者が寝具(6)に在床状態であるか、離床状態であるかを判定するものである。離床判定手段(51)による判定は、上記信号処理手段(41)で変調した体動信号と、所定の離床判定閾値との大小比較によって行われる。具体的に、体動信号が所定時間以上継続して離床判定閾値を上回る場合、就寝者から体動が生起しているとみなされるので、この場合には離床判定手段(51)が「在床」と判定する。一方、体動信号が離床判定閾値を下回る場合、就寝者から体動が生起していないとみなされるので、この場合には離床判定手段(51)が「離床」と判定する。
また、離床判定手段(51)は、「離床」状態から「在床」状態へ移行した時刻(即ち、入床時刻)と、「在床」状態から「離床」状態へ移行した時刻(即ち、離床時刻)をそれぞれ導出する。更に、離床判定手段(51)は、入床時刻から離床時刻までの間の時間を「総就床時間」として導出する。即ち、「総就床時間」は、就寝者が夜等に寝具に入床してから朝等に寝具から離床するまでの間の時間である。
上記睡眠/覚醒判定手段(52)は、就寝者が「在床」と判定されている状態において、就寝者が睡眠状態であるか、覚醒状態であるかを判定するものである。睡眠/覚醒判定手段(52)による判定は、上記信号処理手段(41)で変調した体動信号と、所定の睡眠判定閾値との大小比較によって行われる。具体的に、体動信号が所定時間以上継続して睡眠判定閾値を上回る場合には、在床中の就寝者が覚醒しており、就寝者から粗動が生起しているとみなされるので、この場合には睡眠/覚醒判定手段(52)が「覚醒」と判定する。一方、体動信号が睡眠判定閾値を下回る場合、在床中の就寝者が睡眠中であり、就寝者からは微体動のみが生起しているとみなされるので、この場合には睡眠/覚醒判定手段(52)が「睡眠」と判定する。
また、睡眠/覚醒判定手段(52)は、就寝者が「在床」と判定されている状態において、就寝者が入眠した時刻を入眠時刻として導出する。この入眠時刻は、就寝者が在床した後、初めて眠りについた時刻であり、睡眠中に一時的に目が覚めて(即ち、中途覚醒して)その後に眠りについた時刻とは異なるものである。この入眠時刻は、例えば就寝者が「在床」と判定された後に、就寝者の状態が初めて「覚醒」から「睡眠」へ移行し、この「睡眠状態」が所定時間以上継続した場合に、この「睡眠」へ移行した時刻が用いられる。
また、睡眠/覚醒判定手段(52)は、就寝者が「在床」と判定されている状態において、就寝者が目覚めた時刻を覚醒時刻として導出する。この覚醒時刻は、例えば朝などにおいて、就寝者が起床する直前に覚醒した時刻であり、睡眠中の一時的な中途覚醒の時刻とは異なるものである。この覚醒時刻は、例えば朝などに「在床」から「離床」へ移行した時刻の最も直前に「睡眠」から「覚醒」へ移行した時刻が用いられる。
睡眠/覚醒判定手段(52)は、次のようにして「睡眠時間」及び「中途覚醒時間」を導出する。まず、「睡眠時間」は、上記「入眠時刻」から「覚醒時刻」までの間の時間を求めることで導出される。つまり、「睡眠時間」は、就寝者が寝具上で最初に入眠してから最終的に覚醒するまでの時間を示すものである。また、「中途覚醒時間」は、「入眠時刻」から「覚醒時刻」までの間において、就寝者が「覚醒」と判定された時間の総和を求めることで導出される。つまり、「中途覚醒時間」は、上記「睡眠時間」中に就寝者が中途覚醒した時間の累積時間を示すものである。
上記睡眠深さ判定手段(53)は、就寝者が「睡眠」と判定されている状態において、就寝者の睡眠が深い睡眠(いわゆる徐波睡眠)状態であるか、浅い睡眠(いわゆる睡眠段階1)状態であるかを判定するものである。睡眠深さ判定手段(53)は、例えば就寝者が「睡眠」と判定された状態が所定時間(例えば30分)以上継続したものは、眠りが深いものとみなして「深い睡眠」と判定し、そうでない場合には、眠りが浅いものとみなして「浅い睡眠」と判定する。そして、睡眠深さ判定手段(53)は、上記入眠時刻から上記覚醒時刻までの間において、「深い睡眠」と判定された時間の合計を「徐波睡眠時間」として導出し、「浅い睡眠」と判定された時間の合計を「浅睡眠時間」として導出する。
上記REM睡眠判定手段(54)は、就寝者が「睡眠」と判定されている状態において、就寝者がREM(rapid eye movement)睡眠状態であるか否かを判定するものである。REM睡眠判定手段(54)による判定は、例えば体動信号から抽出された就寝者の心拍の信号に基づいて行われる。具体的には、例えば体動信号に心拍帯域のフィルタ(例えば1.4Hz±0.6Hz)をかけて、就寝者の心拍信号を抽出し、この心拍信号から就寝者の心拍数のばらつき(標準偏差)を求める。ここで、就寝者がREM睡眠状態である場合には、就寝者の心拍数のばらつきが大きくなるので、上記標準偏差が所定値以上となる場合には、就寝者が「REM睡眠」であると判定する。そして、REM睡眠判定手段(54)は、上記入眠時刻から上記覚醒時間までの間において、「REM睡眠」と判定された時間の合計を「REM睡眠時間」として導出する。
記憶手段(42)には、体動センサ(20)で検出した体動信号、上記温度センサ(26)で検出した寝床内の温度、上記湿度センサ(27)で検出した寝床内の湿度が時系列データとして時々刻々と記憶・蓄積されていく。また、記憶手段(42)には、上記睡眠質導出手段(50)で導出した就寝者の睡眠質も記憶される。具体的に、本実施形態では、この睡眠質として、上記「中途覚醒時間」、「徐波睡眠時間」、「浅睡眠時間」、及び「REM睡眠時間」が記憶手段(42)に記憶される。
上記データベース構築手段(43)は、記憶手段(42)に記憶されたデータに基づいて、寝室(5)の空調状態(温湿度状態)と、就寝者の睡眠質とを関連付けたデータベースを構築する。具体的に、データベース構築手段(43)は、例えば上記温度センサ(26)及び上記湿度センサ(27)で検出した寝床内の温湿度に関する時系列データに基づいて、就寝者が入眠してから目覚めるまでの間における寝床内の平均的な温湿度を求める。同時に、データベース構築手段(43)は、この期間内に対応する就寝者の「中途覚醒時間」、「徐波睡眠時間」、「浅睡眠時間」、及び「REM睡眠時間」を読み込んで、寝床の温湿度が睡眠質にどのような影響を及ぼすかを表すデータベースを構築していく。
上記最適制御目標値導出手段(44)は、上記データベース構築手段(43)で構築されたデータベースに基づいて、就寝者の睡眠質を改善させるための最適な空調状態(寝室や寝床内の温湿度)を算出する最適空調状態導出手段を構成している。具体的に、最適制御目標値導出手段(44)は、上記データベースに基づいて、空調機(10)の制御目標となる目標温度及び目標湿度を算出する。この算出には最急降下法を利用する。
具体的には、空調状態(温度および湿度の少なくとも一方)をXkとして該空調状態に対応する睡眠質をf(Xk)としたときに、最急降下法を用いた式1
Xk+1=Xk−α{(f(Xk)−f(Xk-1))/(Xk−Xk-1)}、αは更新係数 (式1)
によって上記最適な空調状態を求める。ここで、kはデータベースに蓄積された空調状態(例えば、上記の寝床内の平均的な温湿度)のデータの個数を表し、例えばk=cの場合は、本実施形態に係るシステムを特定の就寝者が利用してc回(c日)就寝していることを表す。また、f(Xk)は、空調状態がXkであるときの睡眠質を表すものであって、Xkを用いた式として既知である必要はなく、空調状態Xkとそれに対応する睡眠質とのデータベースのようなもので表されているものでもよい。なお、後述の初期目標値設定手段(46)により初回運転時の目標空調状態が設定されたら、k=0と設定される。このときX1が初期目標値設定手段(46)により設定されるわけであるが、X0が無いため式1からはX2を計算できないので、2回目の運転時には式1を適用しないでX2=X1としてf(X2)を測定し、3回目以降から式1を適用する。
最急降下法とは、目的の関数の勾配を求めてその勾配の逆方向に変数を更新することで関数の値を最大値あるいは最小値に導いていく方法であり、関数が最大値あるいは最小値を一つだけ持つ場合には傾き(勾配)のみしか見ないので簡便であり計算が速くおこなえる。睡眠質として利用できるものは、空調状態を変数としたときに最大値あるいは最小値を一つだけ持つ関数であると考えられるので(例えば図8〜11)、最急降下法が最適値を探索する方法として利用できる。
更新係数αはXkを更新する際にf(Xk)の勾配にかけ算する係数である。αが大きい値であるとXkは前回の値Xk-1から大きく変更されて更新されるので、Xkが最適な値から離れた値である場合には早く最適値に近づいていくが、最適値への収束は困難であり安定収束にはなりにくい。一方αが小さい値であると、Xkが最適値に近づくスピードは小さくなるが、最適値へ安定に収束して行きやすい。そこで本実施形態ではkが大きくなるに連れてαを小さい値に置換していくように設定している。これにより、設定される空調状態が最適空調状態から割合大きくずれていると考えられるkが小さい場合は、早めに最適空調状態に近づいていき、設定される空調状態が最適空調状態に割合近いところにあると考えられるkが大きい場合は、安定的に最適空調状態に近づいていく。ただし、kがある程度大きくなったらαは一定の値に収束することが好ましい。また、k=0のときにはαは初期値α1に設定されており、k>0のときのαはα1よりも小さい値に設定されている。即ち、k=0とは後述のように初回運転時の目標空調状態が設定されることであるので、この空調状態は最適空調状態から大きくずれている可能性が高く、αを大きな値である初期値α1に置換することで最適空調状態に早く近づくことができるようにしているのである。
さらに本実施形態では、1回の睡眠時間を複数に分割し、各分割された時間ごとにそれぞれ最適な空調状態を最適空調状態導出手段(44)が導出する。1回の睡眠の間に就寝者には体温の変化、REM睡眠とNONREM睡眠との周期的な出現が生じる。このような体温の変化、REM/NONREMの周期には個人差があるため、本実施形態のように就寝者の1回の睡眠時間を複数に分割して、分割された時間ごとにそれぞれ最適な空調状態を導出することにより各個人の一晩の睡眠を通しての最適な空調制御を行うことが可能となる。
具体的には、1回の睡眠時間を3分割して各分割された時間ごとに就寝者の睡眠質と空調状態とのデータベースそれぞれ別に作成し、上記の最急降下法を適用して各分割された時間ごとに最適な空調状態を導出する。睡眠時間の分割のやり方は特許文献2に記載されている方法が好ましい。例えば、入眠から2回目のREM睡眠状態が現れるまでを前半、起床予定時刻の前1時間を後半とし、その間を中盤とする。前半と中盤との制御の切換は、上記REM睡眠判定手段(54)の判定を利用する。中盤と後半との制御の切換は、起床時間を予め設定しておくことにより起床予定時刻の1時間前に行う。
上記空調制御手段(45)は、空調機(10)へ上記制御目標に関する信号を出力することで、寝床内の温湿度が上記目標温度及び目標湿度に近づくように空調機(10)の空調能力(温調能力及び調湿能力)を制御するものである。なお、この信号は、例えば電波信号となって空調機(10)へ無線で送られる。
上記初期目標値設定手段(46)は、空調制御システム(1)の初回運転時における空調機(10)の目標温度及び目標湿度が設定されるものである。つまり、空調制御システム(1)の最初の運転では、上記データベース構築手段(43)に未だ上記データベースが構築されていないので、最適制御目標値導出手段(44)は、空調機(10)の目標温度及び目標湿度を求めることができない。そこで、初期目標値設定手段(46)には、初回運転時の目標温度及び目標湿度が手入力によって設定され、この目標温度及び目標湿度が空調制御手段(45)によって空調機(10)へ送られる。同様に初回運転時の目標温度及び目標湿度が最適制御目標値導出手段(44)に送られ、更新係数αが初期値α1に置換される。なお、最初の運転には、就寝者が別の人に変わる場合というのも考えられる。
−空調制御システムの動作−
空調制御システム(1)による空調機(10)の動作について、図3及び図4を参照しながら更に詳細に説明する。
空調制御システム(1)では、就寝時において空調機(10)が連続的に運転される。就寝時における空調機(10)の初回の運転時には、上記初期目標値設定手段(46)に設定された目標温度及び目標湿度を制御目標として、空調機(10)が運転される。空調制御システム(1)では、就寝者が就寝してから翌朝目覚めるまでの期間(以下、就寝期間という)毎に、寝室(5)の空調状態と就寝者の睡眠質とが導出され、これらの空調状態と就寝者の睡眠質との関係がデータベース構築手段(43)によって構築・更新されていく。
具体的に、上記就寝期間中には、温度センサ(26)によって寝床内の温度が検出され、同時に湿度センサ(27)によって寝床内の湿度が検出される(ステップS1)。そして、記憶手段(42)には、これらの検出温度及び検出湿度が時々刻々と記憶されていく。また、この就寝期間中には、体動センサ(20)によって寝床内の就寝者の体動が検出される。そして、記憶手段(42)には、これらの体動信号が時々刻々と記憶されていく。また、睡眠質導出手段(50)は、この就寝期間中の体動信号に基づいて、該就寝期間中における就寝者の睡眠質、即ち「中途覚醒時間」、「徐波睡眠時間」、「浅睡眠時間」、及び「REM睡眠時間」を導出する(ステップS2)。
次いで、データベース構築手段(43)は、就寝期間を3分割して、同じ就寝期間の前半、中盤、後半のそれぞれにおける寝床内の温湿度と、就寝者の睡眠質とを関連付けたデータベースを構築する。具体的には、データベースには、就寝期間中の平均的な温度が例えば29℃であり、平均的な湿度が50%であったとき、この温湿度状態の就寝期間中での中途覚醒時間、徐波睡眠時間、浅睡眠時間、及びREM睡眠時間がそれぞれ何分であったかが、1組のデータとして蓄積される。つまり、データベース構築手段(43)は、所定の就寝期間の温湿度データと、同時期の就寝期間における睡眠質データとを1組のデータとし、この1組のデータを就寝期間毎にデータベースに付加するようにして更新していく(ステップS3)。
最適制御目標値導出手段(44)は、このようにして構築されたデータベースに基づき、上述の最急降下法の式を利用して、3分割した睡眠時間のそれぞれにおいて寝室(寝床内)の目標温度及び目標湿度を求める。つまり、最適制御目標値導出手段(44)は、各分割された時間においてデータベースに蓄積された睡眠質データのうち最も睡眠質が良好であるものを導出し、この睡眠質データに対応する温湿度データを目標温度及び目標湿度として導出する(ステップS4)。
次に、就寝者が次回の就寝を行う場合は、目標温度及び目標湿度を更新する(ステップS5)。即ち、上述の最急降下法の式において、kをk+1に置き換えて目標温度及び目標湿度を算出して更新するのである。
更に具体例を挙げて説明すると、例えば図5は、就寝期間毎の寝床内の温湿度と、同じ就寝期間での睡眠質との関係を表したグラフである。この例では、温度29℃相対湿度50%での就寝環境では、他の空気状態の就寝環境と比較して、中途覚醒時間及び浅睡眠時間が短く、REM睡眠時間及び徐波睡眠時間が長くなっている。つまり、図5の例においては、温度29℃相対湿度50%の空気状態において、就寝者が最も安眠しているとみなすことができ、この空気状態が就寝者に対して最適な空気状態となる。そこで、最適制御目標値導出手段(44)は、目標温度を29℃、目標湿度を50%として導出する。
次いで、空調制御手段(45)は、このようにして得た目標温度及び目標湿度を空調機(10)へ信号として出力する。その結果、空調機(10)の目標湿度及び目標温度が更新される。そして、次の就寝期間の空調機(10)の運転においては、寝床内の温湿度が更新後の目標温湿度(例えば29℃、50%)に近づくように空調機(10)の空調能力が調節される。その結果、寝床内の空気状態は、就寝者の睡眠質を改善させるような最適空調状態に維持されるので、就寝環境が良好に保たれることになる。
−実施形態1の効果−
本実施形態では、睡眠質導出手段(50)で導出した就寝者の睡眠質と、温度センサ(26)及び湿度センサ(27)で検出した寝室(5)の温湿度との関係をデータベース化し、このデータベースから最急降下法を利用して寝室(5)の最適温湿度(目標温湿度)を求めるようにしている。ここで、このようにして得られた温湿度及び睡眠質の関係は、就寝者の個体差によって変化するものであり、就寝者毎に異なるものである。従って、このデータベースに基づいて寝室(5)の目標温湿度を求めて空調機(10)を制御することで、就寝者の睡眠質を改善させるような最適な空調を行うことができ、個体差に依らず寝室環境を良好に維持することができる。
また、このデータベースに就寝者の睡眠質と寝室(5)の温湿度との関係を日々蓄積していくことで、個体差に応じたより最適な温湿度を把握することができる。従って、就寝者の睡眠質を日々改善していくような空調制御を行うことができる。そして最急降下法を利用しているので、最適な温湿度へ到達することができる。
更に、温度センサ(26)及び湿度センサ(27)によって寝床近傍の温湿度を検出しているので、寝床近傍の温湿度が最適温湿度となるように空調制御を行うことができる。従って、就寝者の周囲の温湿度を確実に最適に制御できるので、就寝者の睡眠質を確実に改善できる。
そして、1回の睡眠時間を複数に分割し、各分割された時間ごとにそれぞれ最適な空調状態を最適空調状態導出手段(44)が導出して空調制御を行っているので、睡眠中に少しずつ変化していく最適空調状態に対応できるようになり、就寝者の就寝環境を良好に保つことができる。
(実施形態2)
実施形態2は、1回の睡眠時間を3分割して、その前半において寝室の温度を低下させ、後半において寝室の温度を上昇させる点が実施形態1と異なっており、その他の点は実施形態1とおなじであるので、実施形態1と異なっている点だけを以下に説明する。
本実施形態では、1回の睡眠時間の前半において寝室温度を単調に低下させていく。体温は入眠すると徐々に低下していって、目覚めに近づくと上昇していくことが判明している。前半における温度の単調低下は、この体温の変化に基づいた制御である。温度の低下量は、最適空調状態導出手段(44)が求めるが個々人によって差がある。従って、1〜3℃を例として挙げることができる。同じようにして、睡眠の後半において、寝室温度を単調に上昇させていく。温度の上昇量は同様に最適空調状態導出手段(44)が求め、それは0.5〜2℃を例として挙げることができる。
−実施形態2の効果−
本実施形態では実施形態1の効果に加えて、就寝者の就寝環境を就寝者の生理現象に合致した一層最適な空調状態に制御することができる。
(実施形態3)
実施形態3は、一つのシステムを複数の就寝者で利用できるように、各就寝者のデータをそれぞれデータベース構築手段(43)に格納するように構成している点が実施形態1と異なっており、その他の点は実施形態1とおなじであるので、実施形態1と異なっている点だけを以下に説明する。
本実施形態では、例えば就寝者がD,E,Fと3人いる場合に、各就寝者を本体部(30)の回路ユニット(40)に登録しておく。データベース構築手段(43)には、登録された各就寝者ごとのデータ格納部が設けられており、それぞれのデータ格納部に各自のデータが格納されている。例えば、ある日にDが本システムを利用して就寝するときには、Dのデータを使用するように本体部(30)を操作すると、その日はDのデータに従って温湿度が制御され、その日の睡眠質と温湿度がDのデータ格納部に収納される。その次の日にEが本システムを利用して就寝するときには、同様にしてEのデータによって温湿度が制御され、その日の睡眠質と温湿度がEのデータ格納部に収納される。Fが本システムを利用するときも同様である。
−実施形態3の効果−
本実施形態では実施形態1の効果に加えて、複数の就寝者が別々に本システムを使用する場合でも、各自のデータが保存されていてそれを利用できるので、制御を最初からやり直す必要が無く、いつでも各自に合った最適な温湿度となるように空調制御を行うことができ、複数人の就寝者の睡眠質を確実に改善できるという効果を奏する。
(実施形態4)
実施形態4は、空調機(10)が冷房を行うときと暖房を行うときとではデータを別々に管理して空調制御を行う点が実施形態1と異なっており、その他の点は実施形態1とおなじであるので、実施形態1と異なっている点だけを以下に説明する。
夏季と冬季では着衣や寝具形態が異なっており、外部の気温が異なるために人体の夏季と冬季との馴化の度合いも異なっている。従って最適な睡眠質を得られる温湿度も夏季と冬季とでは異なっており、暖房運転と冷房運転とではデータの格納部を別にしてそれぞれ別の制御を行う必要がある。本実施形態では、暖房運転時のデータ格納部と冷房運転時のデータ格納部とをデータベース構築手段(43)にそれぞれ別々に設けている。
−実施形態4の効果−
本実施形態では実施形態1の効果に加えて、年間を通して常に最適な温湿度となるように空調制御を行うことができ、一年中就寝者の睡眠質を確実に改善できるという効果を奏する。
−実施形態1〜4の変形例−
上記実施形態については、以下のような各変形例の構成としても良い。
〈睡眠質について〉
上記実施形態では、就寝者の睡眠質として「中途覚醒時間」、「徐波睡眠時間」、「浅睡眠時間」、及び「REM睡眠時間」を用いているが、これ以外の指標を睡眠質として用いても良い。具体的には、上述した就寝者の「睡眠時間」を用いても良いし、入眠時刻から目覚め時刻までの間で「中途覚醒」が発生した回数(「中途覚醒発生回数」)を用いても良い。また、就寝者が在床してから眠りにつくまでの間の時間(いわゆる「入眠潜時」や、就寝者が目覚めてから離床するまでの時間(いわゆる「離床潜時」を用いるようにしても良い。ここで、「入眠潜時」は、就寝者の寝付きの良さを表す指標であり、例えば就寝期間中の最初の上記入床時刻から入眠時刻までの間の時間を算出して得ることができる。また、「離床潜時」は、就寝者の目覚めの良さを表す指標であり、例えば上述した目覚め時刻からその後の離床時刻までの間の時間を算出して得ることができる。更に、入眠時刻から目覚め時刻までの間で就寝者が「睡眠」状態と連続的に判定される時間のうち最も長い時間(「安定睡眠時間」)を用いるようにしても良い。なお、これらの睡眠質は、上述した各睡眠質のうちのいずれか1つだけを用いるようにしても良いし、これらの睡眠質のうちのいずれかの組み合わせであっても良い。
〈最適空気状態の導出方法について〉
上記データベース構築手段(43)で構築されたデータベースに基づいて寝室(5)の目標温湿度(最適空気状態)を求める方法は、上記実施形態に限られない。具体的に、例えば上記実施形態では、「中途覚醒時間」等の時間長さをそのまま用いているが、例えば就寝者が入眠してから目覚めるまでの間の就寝期間の時間長さに対する各指標の時間長さの割合を用いて、上記最適空調状態を求めるようにしても良い。
また、例えば図6に示す変形例は、睡眠質を点数評価して最適空気状態を求めるものである。具体的に、この例では、上述した睡眠質として、「入眠潜伏時間」、「離床潜伏時間」、「中途覚醒発生回数」、「中途覚醒時間」、及び「安定睡眠時間」を用いている。この例では、図6の表す各評価方法に基づいて各睡眠質を点数化し、これらの点数の合計を就寝期間毎に算出する。そして、この合計値が最も高くなった就寝期間での寝室(5)の温湿度を最適温湿度として導出する。
上記実施形態の他の変形例について更に具体例を挙げて詳細に説明する。
〈変形例1〉
上記実施形態において、就寝者の「総睡眠時間」を就寝者の「総就床時間」で除した指標を上記睡眠質として用いても良い。具体的に、変形例1の睡眠質導出手段(50)は、信号処理手段(41)で変調された信号に基づいて、就寝者の「総睡眠時間」と「総就床時間」を導出する。「総睡眠時間」は、就寝者が入眠してから覚醒するまでの上記「睡眠時間」中に、就寝者が実質的に睡眠していた時間(中途覚醒を除いた時間)の総和を示すものである。つまり、「総睡眠時間」は、上記「睡眠時間」から「中途覚醒時間」を差し引いたものである。そして、睡眠質導出手段(50)は、この「総睡眠時間」を、対応する上記の「総就床時間」(入床時刻から離床時刻までの間の時間)で除した指標(以下、この指標を「睡眠効率」という)を算出する。
記憶手段(42)には、温度センサ(26)や湿度センサ(27)で検出した温湿度の時系列データと共に、上記「睡眠効率」が記憶・蓄積されていく。そして、データベース構築手段(43)は、記憶手段(42)に記憶されたデータに基づき、最急降下法を用いて、「睡眠効率」と室内の空調状態(温湿度状態)との関係についてのデータベースを構築する。
図8は、温度センサ(26)で検出された温度(℃)と睡眠効率(%)との関係を示すデータの一例である。図8に示すように、寝床内の温度と「睡眠効率」とには、L1の実線で示すような一定の相関関係があることがわかる。そこで、最適制御目標値導出手段(44)は、このようなデータベースに基づいて、「睡眠効率」が最も高くなるような空調機(10)の目標温度及び目標湿度を算出する。そして、空調制御手段(45)は、寝床内の温度が上記目標温度に近づくように空調機(10)の空調能力を制御する。
以上のように、この変形例1では、「総就床時間」に対する「総睡眠時間」の割合となる「睡眠効率」を用いて、空調制御手段(45)の制御目標となる温度や湿度を求めるようにしている。このため、この変形例1では、就寝者の総就床時間が極端に短い場合や、極端に長い場合にも、その総就床時間において実質的にどれだけ睡眠できたかを評価することができる。即ち、この変形例1では、就寝者の「総就床時間」の長短に依らず、就寝者の睡眠質をより正確に求めることができる。従って、このような空調制御により、一層最適な寝室環境を得ることができる。
〈変形例2〉
上記実施形態において、就寝者の「中途覚醒時間」を就寝者の「総就床時間」で除した指標を上記睡眠質として用いても良い。具体的に、変形例2の睡眠質導出手段(50)は、信号処理手段(41)で変調された信号に基づいて、上述のように「中途覚醒時間」と「総就床時間」とを導出する。そして、睡眠質導出手段(50)は、この「中途覚醒時間」を、対応する「総就床時間」で除した指標(以下、この指標を「中途覚醒率I」という)を算出する。
記憶手段(42)には、温度センサ(26)や湿度センサ(27)で検出した温湿度の時系列データと共に、上記「中途覚醒率I」が記憶・蓄積されていく。そして、データベース構築手段(43)は、記憶手段(42)に記憶されたデータに基づき、最急降下法を用いて、「中途覚醒率I」と室内の空調状態(温湿度状態)との関係についてのデータベースを構築する。
図9は、温度センサ(26)で検出された温度(℃)と中途覚醒率I(%)との関係を示すデータの一例である。図9に示すように、寝床内の温度と「中途覚醒率I」とには、L2の実線で示すような一定の相関関係があることがわかる。そこで、最適制御目標値導出手段(44)は、このようなデータベースに基づいて、「中途覚醒率I」が最も低くなるような空調機(10)の目標温度及び目標湿度を算出する。そして、空調制御手段(45)は、寝床内の温度が上記目標温度に近づくように空調機(10)の空調能力を制御する。
以上のように、この変形例2では、「総就床時間」に対する「中途覚醒時間」の割合となる「中途覚醒率I」を用いて、空調制御手段(45)の制御目標となる温度や湿度を求めるようにしている。このため、この変形例2では、就寝者の総就床時間が極端に短い場合や、極端に長い場合にも、その総就床時間において実質的にどれだけ睡眠できなかったかを評価することができる。即ち、この変形例2についても、就寝者の「総就床時間」の長短に依らず、就寝者の睡眠質をより正確に求めることができる。従って、このような空調制御により、一層最適な寝室環境を得ることができる。
〈変形例3〉
上記実施形態において、就寝者の「中途覚醒時間」を就寝者の「睡眠時間」で除した指標を上記睡眠質として用いても良い。具体的に、変形例3の睡眠質導出手段(50)は、信号処理手段(41)で変調された信号に基づいて、「中途覚醒時間」と上記の「睡眠時間」(就寝者が入眠してから覚醒するまでの時間)を導出する。そして、睡眠質導出手段(50)は、この「中途覚醒時間」を、対応する「睡眠時間」で除した指標(以下、この指標を「中途覚醒率II」という)を算出する。
記憶手段(42)には、温度センサ(26)や湿度センサ(27)で検出した温湿度の時系列データと共に、上記「中途覚醒率II」が記憶・蓄積されていく。そして、データベース構築手段(43)は、記憶手段(42)に記憶されたデータに基づき、最急降下法を用いて、「中途覚醒率II」と室内の空調状態(温湿度状態)との関係についてのデータベースを構築する。
図10は、温度センサ(26)で検出された温度(℃)と中途覚醒率II(%)との関係を示すデータの一例である。図10に示すように、寝床内の温度と「中途覚醒率II」とには、L3の実線で示すような一定の相関関係があることがわかる。そこで、最適制御目標値導出手段(44)は、このようなデータベースに基づいて、「中途覚醒率II」が最も低くなるような空調機(10)の目標温度及び目標湿度を算出する。そして、空調制御手段(45)は、寝床内の温度が上記目標温度に近づくように空調機(10)の空調能力を制御する。
以上のように、この変形例3では、「睡眠時間」に対する「中途覚醒時間」の割合となる「中途覚醒率II」を用いて、空調制御手段(45)の制御目標となる温度や湿度を求めるようにしている。このため、この変形例3では、就寝者の睡眠時間が極端に短い場合や、極端に長い場合にも、その睡眠時間において実質的にどれだけ睡眠できなかったかを評価することができる。加えて、変形例3では、就寝者が寝具上で読書やテレビ鑑賞等をして睡眠してなかった場合にも、これを考慮して就寝者の睡眠質を評価することができる。従って、このような空調制御により、一層最適な寝室環境を得ることができる。
〈変形例4〉
上記実施形態において、就寝者の「中途覚醒時間」を就寝者の「総睡眠時間」で除した指標を上記睡眠質として用いても良い。具体的に、変形例4の睡眠質導出手段(50)は、信号処理手段(41)で変調された信号に基づいて、「中途覚醒時間」と上記の「総睡眠時間」(就寝者の実質的な睡眠時間)を導出する。そして、睡眠質導出手段(50)は、この「中途覚醒時間」を、対応する「総睡眠時間」で除した指標(以下、この指標を「中途覚醒率III」という)を算出する。
記憶手段(42)には、温度センサ(26)や湿度センサ(27)で検出した温湿度の時系列データと共に、上記「中途覚醒率III」が記憶・蓄積されていく。そして、データベース構築手段(43)は、記憶手段(42)に記憶されたデータに基づいて、「中途覚醒率III」と室内の空調状態(温湿度状態)との関係についてのデータベースを構築する。
図11は、温度センサ(26)で検出された温度(℃)と中途覚醒率III(%)との関係を示すデータの一例である。図11に示すように、寝床内の温度と「中途覚醒率III」との関係には、L4の実線で示すような一定の相関関係があることがわかる。そこで、最適制御目標値導出手段(44)は、このようなデータベースに基づき、最急降下法を用いて、「中途覚醒率III」が最も低くなるような空調機(10)の目標温度及び目標湿度を算出する。そして、空調制御手段(45)は、寝床内の温度が上記目標温度に近づくように空調機(10)の空調能力を制御する。
以上のように、この変形例4では、「総睡眠時間」に対する「中途覚醒時間」の割合となる「中途覚醒率III」を用いて、空調制御手段(45)の制御目標となる温度や湿度を求めるようにしている。このため、この変形例4では、就寝者の総睡眠時間が極端に短い場合や、極端に長い場合にも、その総睡眠時間において実質的にどれだけ睡眠できなかったかを評価することができる。加えて、変形例4においても、就寝者が寝具上で読書やテレビ鑑賞等をして睡眠してなかった場合にも、これを考慮して就寝者の睡眠質を評価することができる。従って、このような空調制御により、一層最適な寝室環境を得ることができる。
なお、上記の各変形例においても、上述のように睡眠質を点数評価して最適空調状態を求めるようにしても良い。具体的には、例えば変形例1における「睡眠効率」の評価において、例えば「睡眠効率」が95%以上で6点、90%以上で5点又は4点、85%以上で3又は2点とし、これらの点数を考慮して最適空調状態(目標温度や目標湿度)を求めるようにしても良い。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、体動センサ(20)で検出した体動信号に基づいて、就寝者の睡眠質を導出するようにしている。しかしながら、例えば就寝者の脳波や眼球運動を測定したり、就寝者の呼吸や心拍を直接的に測定したりして、就寝者の睡眠質を導出するようにしても良い。
また、上記実施形態では、1回の睡眠時間の分割を3分割としているが、2分割としても良いし、4分割以上にしても良い。2分割のときは前半で温度を単調に低下させ、後半で温度を単調に上昇させるようにする。4分割以上にする場合は、3分割の温度制御に準じて、前半にあたるところは温度を低下させ、後半に当たるところは温度を上昇させるようにすればよい。
そして上記実施形態では、睡眠時間を3分割して、前・中・後半とも同じ種類の睡眠質を制御に用いているが、それぞれ異なる睡眠質を用いてもよい。例えば、前半では入眠潜時を用い、後半では離床潜時を用いても良い。
また、上記実施形態では、空調機(10)が寝室(5)の温調と調湿との双方を行うように構成されているが、この空調機(10)は寝室(5)の温調のみを行うものであっても良い。この場合には、寝室(5)の温度のみを温度センサ(26)で検出し、寝室(5)の温度と就寝者の睡眠質とを関連付けたデータベースをデータベース構築手段(43)で構築する。そして、このデータベースから空調機(10)の目標温度を導出し 寝室(5)の温度が該目標温度となるように空調機(10)の温調能力を制御するようにしても良い。図7に示すように、寝室(5)の温度と就寝者の睡眠質についても所定の関係が成立する。従って、このような関係から就寝者の睡眠質が最適となるような目標温度(例えば29℃)を導出して空調制御を行うことで、就寝者に対して最適な寝室環境を得ることができる。
更に、上記実施形態では、温度センサ(26)や湿度センサ(27)を寝具(6)の近傍に設けているが、各センサ(27,28)をこれ以外の箇所に配置して寝室(5)の温度や湿度を検出するようにしても良い。また、これらの温度センサ(26)や湿度センサ(27)として、空調機(10)に設けられたセンサを利用するようにしても良い。
また、上記実施形態では、空調機(10)を運転状態とした際の寝室(5)の温湿度と、就寝者の睡眠質との関係をデータベース化しているが、空調機(10)を停止した際の寝室(5)の温湿度と就寝者の睡眠質との関係もデータベースに付加していくようにしても良い。これにより、より広範囲の温湿度域について、寝室(5)の温湿度と就寝者の睡眠質との関係を得ることができ、より最適な目標温湿度を導出することができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、寝室の空調制御において、就寝者に対して快適な空調を行うための対策に関し有用である。
本発明の実施形態に係る空調制御システムの概略図である。 空調制御システムの本体部を拡大した斜視図である。 回路ユニットの構成を示すブロック図である。 空調制御システムの動作を示すフローチャートである。 寝室の温湿度と、就寝者の睡眠質との関係を示したグラフである。 変形例に係る空調制御システムについて、睡眠質の点数を評価する方法を説明するための表である。 寝室の温度と、就寝者の睡眠質との関係を示したグラフである。 変形例1に係る実施形態について、寝室の温度と睡眠質との関係を示すグラフである。 変形例2に係る実施形態について、寝室の温度と睡眠質との関係を示すグラフである。 変形例3に係る実施形態について、寝室の温度と睡眠質との関係を示すグラフである。 変形例4に係る実施形態について、寝室の温度と睡眠質との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 空調制御システム
5 寝室
6 寝具
10 空調機(空調機)
26 温度センサ(空調状態検出手段)
27 湿度センサ(空調状態検出手段)
43 データベース構築手段
44 最適制御目標値導出手段
45 空調制御手段
50 睡眠質導出手段

Claims (8)

  1. 寝室の空気調和を行う空調手段(10)の空調能力を制御する空調制御システムであって、
    寝床上の就寝者の睡眠の質を導出する睡眠質導出手段(50)と、
    上記睡眠質導出手段(50)で導出した就寝者の睡眠質に基づいて上記空調手段(10)の空調能力を制御する空調制御手段(45)と、
    寝室の空調状態を検出する空調状態検出手段(26,27)と、
    上記空調状態検出手段(26,27)で検出した空調状態と、上記睡眠質導出手段(50)で導出した就寝者の睡眠質とを関連付けたデータベースを構築するデータベース構築手段(43)と、
    上記データベース構築手段(43)で構築されたデータベースに基づいて、寝室の最適な空調状態を求める最適空調状態導出手段(44)とを備え、
    上記最適空調状態導出手段(44)は、1回の睡眠時間を複数に分割し、各分割された時間ごとにそれぞれ上記最適な空調状態を求め、
    上記空調制御手段(45)は、寝室の空調状態が上記最適空調状態導出手段(44)で求めた最適空調状態に近づくように上記空調手段(10)の空調能力を制御することを特徴とする空調制御システム。
  2. 請求項1において、
    上記空調状態検出手段(26,27)は、寝室の温度及び湿度の双方を上記空調状態として検出するように構成され、
    上記最適空調状態導出手段(44)は、上記データベース構築手段(43)のデータベースに基づいて、寝室の最適な温湿度を求めるように構成され、
    上記空調制御手段(45)は、寝室の温湿度が上記最適温湿度に近づくように上記空調手段(10)の空調能力を制御することを特徴とする空調制御システム。
  3. 請求項2において、
    上記空調状態検出手段(26,27)は、寝床近傍の空調状態を検出するように構成されていることを特徴とする空調制御システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
    上記睡眠質導出手段(50)で導出する上記睡眠質は、就寝者の睡眠時間、中途覚醒時間、REM睡眠時間、総睡眠時間のうちの少なくとも1つであることを特徴とする空調制御システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つにおいて、
    上記睡眠時間は前半、中盤、後半の3つに分割され、
    上記前半では、上記寝室の温度を単調に低下させることを特徴とする空調制御システム。
  6. 請求項5において、
    上記最適空調状態導出手段(44)は、上記前半おける温度の低下量を求めることを特徴とする空調制御システム。
  7. 請求項5または6において、
    上記後半では、上記寝室の温度を単調に上昇させることを特徴とする空調制御システム。
  8. 請求項7において、
    上記最適空調状態導出手段(44)は、上記後半おける温度の上昇量を求めることを特徴とする空調制御システム。
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