JP2009235895A - 安全錠用キー及び錠シリンダー - Google Patents

Abstract

【課題】 安全錠用キーは逆方向共用性であり、そして高い複製阻止性を有することである。
【解決手段】 少なくとも１つの回転子制御面が回転子の前方側の端部に配置され、これがシャフトの後方側の端部に設けられてシャフトの上側面及び／又は下側面から陥凹している第２シャフト制御面と係合し、このシャフトの面をよぎって突出する突起がシャフトの後方側の端部に固定されこれが回転子の前側の対応する第１陥凹部に係合し、第１陥凹部はキー溝の側面に対して垂直な側面を有し、それら複数の安全錠用キーの各突起は鎖錠態様の数を多くするため寸法や形状が異なり、回転子の回転子制御面は異なった長さの第２陥凹部により形成されるか、シャフトの後方端部のところに設けられた第２シャフト制御面の異なった形状や異なった寸法に対応して異なった位置に形成される。
【選択図】 図４ａ−４ｄ

Description

本発明は安全錠用キー及び錠シリンダーに関し、その際この錠シリンダーは固定子と、前方及び後方の各端部を有する回転子と、及びキー溝とを備え、そしてその安全錠用キーはシャフトを有し、これが各タンブラーの正しい位置決めのために多数の制御表面を備えており、そして前方及び後方の各端部を有している。本発明は更に、そのような安全錠用キー及び錠シリンダーを含む錠装置並びに安全安全錠用キーに関する。

上述の類の安全錠用キー及び錠シリンダーは多くの実施態様で公知になっている。高価な各種設備のための安全錠用キーの場合にはこれを比較的簡単なボール盤やフライス盤でたやすく複製できないことが重要である。複製に対して高度に安全な安全錠用キーは本出願人のヨーロッパ特許公報ＥＰ０６２１３８４Ｂ１に従って達成することができ、これによれば、その安全錠用キーのシャフトに、ピンとして形成されてそのシャフトの中に支承されている或る制限要素が設けられている。その安全錠用キーの中で或る追加的なタンブラーとこの制御要素が正しく位置合わせできる。このようなキーは通常的な費用では複製することができない。似たような制御要素を有するいわゆる歯付キーがヨーロッパ特許公報ＥＰ０８０２２８９より公知になっている。このキーの場合にも比較的高い対複製安全性が保証されている。

上述した安全錠用キーの場合の欠点は前述の制御要素の組み込み及び錠シリンダーの中の各追加的なタンブラーにより生ずる費用である。これらの制御要素はまた総合化技術に不都合な影響を与えることもある。

ヨーロッパ特許公報ＥＰ０６２１３８４Ｂ１ ヨーロッパ特許公報ＥＰ０８０２２８９

本発明の課題は、高い対複製安全性がもたらされるにもかかわらず比較的低費用で製造することのできる安全錠用キーを提供することである。

この課題は本文頭書にあげた類の安全錠用キーにおいて、回転子の前方端部が延長されていて少なくとも１つの追加的制御表面を有しており、これを、シャフトの後方端部に設けられた追加的制御表面と共動させるようにすることによって解決された。本発明に従うキーにおいては、回転子の前方延長端部及びキーシャフトの後方端部が各追加的制御表面を作り出すのに用いられる。これらの制御表面は特にその回転子の延びた前方端部における陥凹形成、中でもスリットによって低費用でつくることができる。安全錠用キーにはそれら制御表面を、切り抜き、中でもキーシャフトの肩部の切断により特に低費用で作り出すことができる。この安全錠用キーはキーシャフトの中にいくつかの穿孔を有する回しキー、或いは例えば歯付キーやカムキーのような他の安全錠用キーであってもよい。

本発明に従う安全錠用キーの本質的な利点は、このものが逆方向共用性であることである。本発明に従う安全錠用キー及び錠シリンダーは現にすでに存在している装置の中に問題なく組み込むことできる。そのようにして補充した装置においては既存の錠シリンダーにも、本発明の錠シリンダーにも用いられる共用キーが可能である。しかしながら既存の安全錠用キーはその対応する新しい錠シリンダーを開錠することはできない。これによって全ての既存の錠装置を拡張することができ、そして高価値化することができる。シャフトの後方端部のところの追加的な制御表面は、追加的で通常は存在しない工具や特別な素材を必要とするために、複製に比較的高い煩労を条件付ける。

また、本発明のもう一つの利点は、装置の見積もりが簡単になることである。更に、このような装置の適応性ガ高められ、そして置き換えに影響を与えないようなグル−プを簡単に構成することができる。本発明によって総合化能率は本質的に高められ、そして各グループごとの仕分けは簡単になる。

この安全錠用キーがそのシャフトの後方端部に、回転子の前方端部のところの或る制御表面と共動する側方へ突出した少なくとも一つの部分を有するときは特に高い安全性が得られる。そのような突出部分の一つは例えば、複製が困難であるけれどもその制作に大きな追加的費用を要しないカムである。このカムは錠装置において閉止性を高めるために種々の形状及び寸法で作ることができる。
その他の有利な諸特徴は特許請求の範囲の各従属請求項、明細書の以下の記載及び添付の図面より明らかである。
本発明のいくつかの実施例を以下において添付の図面の参照のもとに更に詳細に記述する。

本発明に従う安全錠用キーの立体的描写を図式的に示す。 本発明に従う錠シリンダーのいくつかの回転子の立体的外観を図式的に示す。 本発明に従う錠シリンダーの図式的正面図であるが、その際図３ｂないし３ｆでは固定子が省略されている。 本発明の別の態様の安全錠用キーの図式的説明図である。 本発明に従う錠シリンダーの別の態様のものの図式的説明図である。 マスターキーの外観を図式的に示す。 本発明の別の態様の錠シリンダーの正面を図式的に示す。 本発明の更に別の態様の錠シリンダーの正面を図式的に示す。 本発明の更に別の態様の錠シリンダーの正面を図式的に示す。 本発明の錠シリンダー半体と部分的に差し込まれたキーとの図式的側面図を示す。 本発明の錠シリンダー半体を示すが、ここではキーは除かれている。

図１ａは安全錠用キーを示すが、これはシャフト６及び把持部１４を有している。そのキー１はいわゆる板キー又は回しキーである。けれどもこのキーは歯付キー又はカムキーであることもできる。シャフト６は公知の態様で制御穿孔７を有しており、これらは通常、そのシャフト６の広幅側ならびに狭幅側に加工形成されている。これらの制御穿孔７は、対応する錠シリンダー２の、ここには図示されていない公知のタンブラーの正しい位置決めに用いられるが、その際、これは図３ａによれば固定子３及び回転子２４を有している。

キー１のシャフト６は前方側端部６ａ及び後方側端部６ｂを有している。前方側端部６ａによってキー１は通常の態様で回転子２４のキー溝５の中に挿入される。シャフト６のキー溝５の中への挿入によって上述した各タンブラーが正しい位置に位置決めされる。これによって回転子２４は拘束解除され、そしてキー１の把持部１４により錠の操作のために回すことができる。

そのシャフト６はその後方側端部６ｂのところに追加的ないくつかの制御表面９を有し、これらは側方へ突出している各肩部１５並びに切り抜き部１３によってこれらの肩部１５の中に形成されている。これらの制御表面９は図２に示されている回転子４の対応する制御表面８と共動する。制御表面８は切り抜き部１０によって形成されており、これは回転子４の延びた前方端部４ａの中へ切り込み形成されている。各制御穿孔７は、制御表面９が制御表面８に当接したときに対応する各タンブラーが閉錠高さにあるように配置される。切り抜き部１０は、例えば切削工具を用いて形成することができる。キー溝５について、その切り抜き部１０は図２ａに見られるように側方へ位置ずれされている。対応的に、図１のキー１では各制御表面９が同様に側方へ位置ずれされている。各制御表面９は回し錠の場合には互いに回転対称である。シャフト６がキー溝５の中へ挿入されたときに肩部１５の１つ又は他のものがそれぞれスリット１０の中へ、１つの制御表面９がその制御表面８に当接するまで嵌め込まれる。制御表面８はここでは安全錠キー１のための当接面を形成している。

図１ｂに従うキーの場合には、いくつかの制御表面９’が存在しており、これらはそれぞれ、２つの側方切り抜き部１３’によって形成されているが、これらは中でも切削形成されたものである。各制御表面９’はそのキー１’の面に関して中央に設けられている。対応する回転子４’は図２ｂに示されている。切り抜き部１０’は、見られるようにキー溝５に対して中央に設けられており、そして制御表面８’を形成している。この切り抜き部１０’は側方及び前方へ開放したスリットである。

図１ｃに従うキー１”の場合には、各制御表面９”はいくつかの切り抜き部１３”によって形成されている。対応する回転子４”は図２ｃに示されている。切り抜き部１０”も同様に側方へ位置ずれされているけれども、図２ａとは別な方向へ位置ずれされている。スリット１０”によって制御表面８”が形成されている。各スリット１０、１０’及び１０”並びに対応する切り抜き部１３、１３’及び１３”は別な態様で形成されてもよい。中間段差も可能である。さらに、スリット１０、１０’、１０”は必ずしも貫通してまっすぐでなければならないことはない。

図４ａは、シャフト６の一方の肩部１５のところに側方へ突出しているカム１２が配置されているキー２０を示す。図４ｂないし４ｄに従うキー２０’、２０”、２０''' においては上述の制御表面９、９’又は９”は上述の各機能を持って存在している。カム１２はグループ形成のためのもう一つの手段を構成している。各対応する錠シリンダー２は図３ａないし３ｃに示されている。図３ａに従う錠シリンダー２は固定子３の中に支承されている回転子２４を有している。

この回転子２４の延びた前方端部４ａの中にスリット１７が形成されており、これは図３ａに示すようにキー溝５に対して直角方向へ延びている。このスリット１７は、これがカム１２を受け入れることができるように形成されている。図４ｃに従うキー２０”は図３ｂに従う回転子２４’のために設けられている。ここではその切り抜き部１０’はキー溝５について右方向へ位置ずれされている。そのスリット１７は図３ａに従うそれに相当し、そしてここでは同様にカム１２を収容するための役目をする。

図４ｄに従うキー２０''' は図３ｃに従う回転子２４”のために設けられている。図４ｄに示したキー２０''' は回転子２４および２４’を操作するのには使えず、というのはその制御表面９”が中央部にあって、側方へ位置ずれされていないからである。図４ｃに従うキー２０”はこれもまた図３ｂに従う回転子２４’だけ操作することができる。同様なことはキー２０’にも当てはまる。しかしながら、ここで記述した３つの全ての安全錠用キーは図３ｄに従う回転子２４^v を備えたシリンダをも開錠する。

図５ａ及び図５ｂは、制御部のカム１２を有するけれども肩部を全く持たないキー２１を示す。しかしながら、このキー２１のシャフト６’はシャフト６の長さに相当する。このキー２１は回転子２４、２４’及び２４”の全てを操作することができ、というのはここではスリット１０、１０’及び１０”が排除的機能を全く持たないからである。従ってキー２１は図３ａないし３ｅに従う錠シリンダー２のための共通キーである。

図３ｄは、２０ないし２０''' の全てのキー、共通キー２１及びマスターキー２２によって操作することのできる回転子２４^v を示す。これは、キー溝５と同じ幅の広幅スリット１０''' によって保証されている。制御表面８はスリット１０''' の基部において同じ構造である。

図３ｅは、キー２１によって操作することができるけれども図４ａないし４ｄに従うキーによっては操作できない回転子２４''' を示す。そのキー溝５の全長にわたってこの回転子の延長部は中実であり、そしてそれに対応して、その肩部１５はキー回動のために必要な、所定位置に制御穿孔７を並ばせるのを阻止する。しかしながら、回転子２４''' はキー２１及びキー２２によって操作することができ、というのはこれらには肩部１５がないからである。

図６は、シャフト６" を有するマスターキー２２を示すが、この場合には側面部に狭いカム１２’が配置されている。このキー２２では肩部１５は存在していない。このマスターキー２２は、図３ａないし３ｅの全ての回転子及び図３ｆの回転子２４^Ivを操作することができる。この回転子２４^IVはスリット１７’を有するが、これは切り抜き部１７よりも本質的に狭く、そして例えば１．５ｍｍの幅を有する。

図７ａないし７ｆ、８ａないし８ｆ、９ａないし９ｈは、回転子４又は４’の前方端部の中の種々異なった切り抜き部２７、２７' 、２７" 、２７''' 、２７^IV、２８、２８' 、２８”、２９、２９’、２９”、３０、３０’、３０”、３０''' 、及び３１、３１' 、３１" 、３１''' によって形成されることのできる多数の錠構造を示す。対応する安全錠用キー１又は１’は対応する制御表面９又は１２を有しているが、これらはそれらの切り抜き部の制御表面と共動する。図７ｃには、断面でキー１’のキーシャフトが示されている。見られるように、ここではカム１２は切り抜き部２７の中に嵌合している。
回しキーの一つにおいて、図７ａ及び７ｃに示されているように、２つの切り抜き部２７が設けられている。

図１０及び１１は錠シリンダー半体３２を示すが、これは固定子３及び回転子を有している。見られるように、回転子４の前方端部４ａは固定子３から突出している。キー１はここでは歯付キーであり、タンブラー３３をこれに整合させることによって回転子４を回転可能にできる。

以上から明らかなように、本発明は、１群の錠や個別の錠を含む錠装置の構成を可能にする。既存の装置は対応する回転子とキーとによって完全に補充することができる。頂部４ａのところが延びた回転子を有し、そして上述の各制御面９又は１２を有するキーは比較的低価格で製造することができる。回転子４の延びは頂部４ａの中のスリット１７や切り抜き部１０は多様な態様に変化させることができる。同様に、各制御表面９又は肩部１５及びカム１２の多くの変形態様も可能である。

１、２０、２１、２２ 安全錠用キー
２ 錠シリンダー
３ 固定子
４、２４ 回転子
４ａ、４ｂ 端部
５ キー溝
６ シャフト
６ａ、６ｂ 端部
７ 制御表面
８、９、１２、１７ 追加的制御表面
１０、１３、３０、３１ 切り抜き部
１２ 部分又はカム
１５ 肩部

Claims (17)

1. 複数個の安全錠用キー及び錠シリンダーを有し、
   それら錠シリンダーはそれぞれが固定子と回転子とを有し、
   この回転子は少なくとも１つの回転子制御面と、前方側及び後方側の各端部と、及 び平行側面を有するキー溝とを有しており、
   その際上記回転子制御面の幅はキー溝の幅より小さく、
   そしてそれらの安全錠用キーはそれぞれがシャフトを有し、そしてこのシャフトは前 方側の端部と後方側の端部とを有し、またこのシャフトにはこのシャフトの上側面に いくつかの第１シャフト制御面が設けられていてこれらの制御面が回転子本体内に配 置されたいくつかのタンブラーを整合位置決めする、
   上記複数個の安全錠用キー及び錠シリンダーを有する錠装置において、
   上記少なくとも１つの回転子制御面が回転子の前方側の端部に配置されていて、これがシャフトの後方側の端部に設けられてシャフトの上側面及び／又は下側面から陥凹している第２シャフト制御面と係合し、
   その際このシャフトの面をよぎって突出する突起がこのシャフトの後方側の端部に固定されていてこれが回転子の前側の対応する第１陥凹部に係合し、その際この第１陥凹部はキー溝の側面に対して垂直な側面を有しており、
   またその際それら複数個の安全錠用キーの各突起は鎖錠態様の数を多くするために寸法や形状が異なっており、
   さらにその際各回転子の回転子制御面は異なった長さの第２陥凹部により形成されているか、又はシャフトの後方端部のところに設けられた第２シャフト制御面の異なった形状や異なった寸法に対応して異なった位置に形成されている、前記錠装置。
2. 回転子の前方側の端部が固定子の前端を超えて突出しており、そして前記突起に係合する回転子の第１陥凹部が、固定子の前端を超えて突出する上記回転子の前方側の端部の中に形成されている、請求項１に記載の錠装置のキー。
3. 回転子の前記少なくとも１つの回転子制御面が回転子の前方側の端部の中の第２陥凹部によって形成されている、請求項２に記載のキー。
4. 回転子の上記少なくとも１つの回転子制御面が回転子の中に設けられた第２陥凹部により形成されている、請求項１に記載の錠装置のキー。
5. 上記第２陥凹部がキー溝の方向に開放されている、請求項４に記載の錠装置。
6. 上記第２陥凹部がキー溝の中央部を通過しているか、又は側方へずれた位置でキー溝を通過している、請求項５に記載の錠装置。
7. 上記第２陥凹部が回転子の軸について半径方向へ延びており、そして前方端において回転子の側方へも開放されている、請求項４に記載の錠装置。
8. 回転子の第２陥凹部が０．５ないし３ｍｍの深さを有する、請求項３に記載の錠装置。
9. 回転子の第２陥凹部が約１ないし２ｍｍの深さを有する、請求項８に記載の錠装置。
10. キーシャフトの後方側の端部に設けられたそのキーの第２シャフト制御面が少なくとも１つの肩部により形成されている、請求項１に記載の錠装置。
11. キーシャフトの後方側の端部に設けられたそのキーの第２シャフト制御面が上記少なくとも１つの肩部の上の少なくとも１つの第３陥凹部により形成されている、請求項４に記載の錠装置。
12. 少なくとも２つの肩部がそれぞれ上記第３陥凹部を有している、請求項１１に記載の錠装置。
13. １つの回しキーとそのシャフトとが、各タンブラを整合配置させるための複数個の制御穴を有している、請求項１２に記載の錠装置。
14. 回転の前方側の端部の中の上記第２陥凹部が回転子の側面へ向かう方向へ閉じられている、請求項２に記載の錠装置。
15. 各タンブラーを整合位置決めするための複数個の第１制御面が設けられていて前方側及び後方側の各端部を有するキーシャフトを有し、その際このシャフトの後方側の端部に１つ以上の第２制御面が設けられており、またその際このシャフトの上にこのシャフトの面をよぎって突出し、そして回転子の対応する陥凹部の中へ挿入されることのできる突起が固定されており、さらにその際キーの上記第２制御面はキーシャフトの後方側の端部のところの少なくとも１つの肩部によって形成されている、請求項１に記載の錠装置のための安全錠用キー。
16. 上記肩部が少なくとも１つの陥凹部を有している、請求項１５に記載の安全錠用キー。
17. キーのシャフトの上に横方向へ配置されて上記突起を形成する側方突出部を有する、請求項１５に記載の安全錠用キー。

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