JP2009234686A - 自動給送装置、記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 自動給送装置において、被記録材への記録を実行していないときに給送ローラの外周面の変形や劣化が生じて被記録材への記録実行時に給送不良の原因となる虞を低減させる。
【解決手段】 給送ローラ32の回転軸31を逆回転方向Bへ回転させて給送ローラ32を逆回転方向Cへ回転させると、その給送案内面108に先端近傍が飛び出た状態の記録紙P2が給送用カセット1内へ引き戻されていく。揺動体33は、符号Dで示した方向へ揺動していくと、給送ローラ32の逆回転方向Cへの回転により符号Fで示した方向へ引き戻されている記録紙P2に揺動規制部38が係合し、その引き戻し中の記録紙P2によって、符号Dで示した方向への揺動が係止される。
【選択図】図5

Description

本発明は、給送ローラの外周面に押圧された被記録材を給送ローラの回転により記録装置内へ給送する自動給送装置及び該自動給送装置を備えた記録装置に関する。
インクジェットプリンタ等の記録装置に搭載され、記録装置内の記録実行手段へ向けて記録紙等の被記録材を一ずつ自動給送する自動給送装置が公知である。この自動給送装置は、給送用カセットや給送用トレイ等に積重された被記録材を底面側から押動して給送ローラの外周面に押圧するホッパ等の押圧手段を有し、給送ローラの外周面に押圧された被記録材を給送ローラの回転により記録装置内へ給送する構成を有しているのが一般的である。また、自動給送装置は、給送ローラの回転により被記録材が給送される際に複数の被記録材が重なった状態で給送(重送)されてしまうことを防止するための分離手段を備えているのが通常である。
この分離手段は、給送ローラの外周面に分離面を押圧し、給送ローラと分離面とで被記録材を挟持したときに、給送ローラの外周面と被記録材との接触面に生ずる摩擦力より小さく被記録材同士の接触面に生ずる摩擦力より大きい摩擦力が分離面と被記録材との接触面に作用するように、分離面の摩擦係数及び押圧力等が設定されて構成されている。このような構成の分離手段においては、給送ローラの外周面と分離面との間に一の被記録材が挟持された状態では、給送ローラの外周面と当該被記録材との接触面の摩擦力により当該被記録材が給送ローラの回転に伴って給送される。他方、給送ローラの外周面と分離面との間に二以上の被記録材が挟持された状態では、給送ローラの外周面に接している被記録材が給送ローラの回転により給送されるとともに、分離面と被記録材との接触面の摩擦力によって他の被記録材が係止されて重送が防止される。
このような分離手段の分離面を構成するものとしては、例えば、所定の摩擦抵抗面を有する分離パッドが公知である他、所定の従動回転抵抗をもって軸支されたリタードローラが公知である(例えば、特許文献1を参照)。
特開2006−89221号公報
給送ローラの外周面に押圧された被記録材を給送ローラの回転により記録装置内へ給送する自動給送装置は、一般的に、給送ローラの外周面が合成ゴム等のゴム材で形成されている。したがって、給送ローラの外周面に分離パッドやリタードローラ等の分離手段の分離面が押圧された状態では、その押圧力によって、給送ローラの外周面と分離面との当接面で給送ローラの外周面のゴム材が押しつぶされるように変形した状態となる。そのため、その状態のまま長期間放置しておくと、給送ローラの外周面のゴム材が変形したまま元に戻らなくなってしまい、それによって、給送ローラの外周面と分離面との狭圧力が不安定になって給送不良が生じ易くなる虞があった。
また、合成ゴム等のゴム材は、時間の経過とともに表面から極微量のオイルがにじみ出るいわゆるオイルブリードと呼ばれる現象が生じる場合がある。そのため、例えば、被記録材を給送用カセット内や給送用トレイ上に載置したまま長期間放置しておくと、給送ローラの外周面と接している被記録材に、給送ローラの外周面を構成しているゴム材からにじみ出たオイルが付着してしまう可能性がある。そして、記録面にオイルが付着した状態の被記録材は、給送後に記録装置内で記録が実行されたときに、そのオイルが付着した部分でインクが浸透せずに弾かれてしまう。それによって、記録画質が低下するとともに、その部分のインクが乾燥し切らないまま排出されて、ユーザの手や所有物にインクが付着してしまう虞が生ずる。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、給送ローラの外周面に押圧された被記録材を給送ローラの回転により記録装置内へ給送する自動給送装置において、被記録材への記録を実行していないときに給送ローラの外周面の変形や劣化が生じて被記録材への記録実行時に給送不良の原因となる虞を低減させることにある。
また、本発明の課題は、給送ローラの外周面に押圧された被記録材を給送ローラの回転により記録装置内へ給送する自動給送装置において、被記録材への記録を実行していないときに、給送ローラの外周面を構成しているゴム材等からにじみ出たオイル等が被記録材に付着して汚れてしまうことを未然に防止することにある。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、給送ローラの外周面に押圧された被記録材を前記給送ローラの回転により記録装置内へ給送する自動給送装置において、所定の揺動抵抗が付与されて前記給送ローラの回転軸に揺動可能に軸支され、前記給送ローラを逆回転させることにより、前記給送ローラの外周面とその近傍に在る被記録材との間に進入しながら当該被記録材と係合して当該被記録材を離間方向へ変位させる揺動位置まで揺動し、前記給送ローラを正回転させることにより、前記給送ローラの外周面とその近傍にある被記録材との間から退避する揺動位置まで揺動する揺動体と、前記揺動体に一体に設けられ、給送経路にある被記録材と係合して前記揺動体の揺動を規制可能な揺動規制部と、を備えている、ことを特徴とした自動給送装置である。尚、給送ローラの回転方向は、給送ローラの外周面に押圧された被記録材を記録装置内へ給送しているときの回転方向を正回転とし、以下、同様である。
揺動体は、所定の揺動抵抗が付与されて給送ローラの回転軸に揺動可能に軸支されているので、給送ローラを回転させることによって、その回転方向へ揺動させることができるとともに、その回転を停止させれば、その揺動位置で停止させることができる。給送ローラの正回転により、揺動体は、給送ローラの外周面とその近傍にある被記録材との間から退避する揺動位置まで揺動する。それによって、揺動体に妨げられることなく、給送ローラの正回転による被記録材の給送動作を行うことができる。
他方、被記録材を記録装置内へ給送した後、給送ローラを逆回転させると、その給送ローラの逆回転によって、給送される被記録材から分離手段等により分離された他の被記録材を元の載置位置へ向けて引き戻すことができる。このとき、揺動体は、所定の揺動抵抗が付与されて給送ローラの回転軸に揺動可能に軸支されているので、給送ローラが逆回転することによって、給送ローラの逆回転方向と同じ方向へ揺動することになる。そして、揺動体は、給送ローラの外周面と元の載置位置へ引き戻した被記録材との間に進入しながら当該被記録材と係合し、当該被記録材を離間方向へ変位させる揺動位置まで揺動する。
すなわち、被記録材への記録が終了した後、給送ローラを逆回転させることによって、給送される被記録材から分離手段等により分離された他の被記録材を元の載置位置へ向けて引き戻すことができるとともに、給送ローラの外周面と元の載置位置へ引き戻した被記録材とを離間させることができる。また、給送ローラの外周面と被記録材との間には、揺動体が進入して介在した状態となるので、給送ローラの外周面に対する被記録材の離間状態を確実に保持することができる。
したがって、本発明の第1の態様に記載の自動給送装置によれば、被記録材への記録を実行していないときに、給送ローラの外周面を構成しているゴム材等からにじみ出たオイル等が被記録材に付着して汚れてしまうことをより確実に防止することができるという作用効果が得られる。
そして、揺動体には、給送経路にある被記録材と係合して揺動体の揺動を規制可能な揺動規制部が一体に設けられている。そのため、揺動体は、給送ローラの逆回転方向と同じ方向へ揺動していくと、給送ローラの逆回転により引き戻されている被記録材に揺動規制部が係合し、その引き戻し中の被記録材によって揺動が係止される。また、揺動体は、引き戻し中の被記録材の先端が揺動規制部を通過して係合しない状態になると、再び給送ローラの逆回転方向と同じ方向へ揺動していくことになる。
それによって、本発明の第1の態様に記載の自動給送装置は、給送される被記録材から分離手段等により分離された他の被記録材を元の載置位置へ向けて引き戻す過程において、被記録材を引き戻している途中で揺動体が給送ローラの外周面とその被記録材との間に進入して、その被記録材を引き戻すことができなくなってしまうことを未然に防止することができるという作用効果が得られる。この作用効果は、特に表面の摩擦係数が大きい被記録材を本発明に係る自動給送装置で給送する場合において顕著になる。
本発明の第2の態様は、給送ローラの外周面に押圧された被記録材を前記給送ローラの回転により記録装置内へ給送する自動給送装置において、前記給送ローラの外周面に分離面を押圧し、前記給送ローラと前記分離面とで被記録材を挟持したときに、前記給送ローラの外周面と被記録材との接触面に生ずる摩擦力より小さく被記録材同士の接触面に生ずる摩擦力より大きい摩擦力が前記分離面と被記録材との接触面に作用する分離手段と、所定の揺動抵抗が付与されて前記給送ローラの回転軸に揺動可能に軸支され、前記給送ローラを逆回転させることにより、前記給送ローラの外周面と前記分離面とが当接する領域に進入しながら前記分離手段と係合して前記分離面を離間方向へ変位させる揺動位置まで揺動し、前記給送ローラを正回転させることにより、前記給送ローラの外周面と前記分離面とが当接する領域から退避する揺動位置まで揺動する揺動体と、前記揺動体に一体に設けられ、給送経路にある被記録材と係合して前記揺動体の揺動を規制可能な揺動規制部と、を備えている、ことを特徴とした自動給送装置である。
被記録材を記録装置内へ給送した後、給送ローラを逆回転させると、その給送ローラの逆回転によって、給送される被記録材から分離手段等により分離された他の被記録材を元の載置位置へ向けて引き戻すことができる。このとき、揺動体は、所定の揺動抵抗が付与されて給送ローラの回転軸に揺動可能に軸支されているので、給送ローラが逆回転することによって、給送ローラの逆回転方向と同じ方向へ揺動することになる。そして、揺動体は、給送ローラの外周面と分離面とが当接する領域に進入しながら分離手段と係合し、分離手段の分離面を離間方向へ変位させる揺動位置まで揺動する。
すなわち、被記録材への記録が終了した後、給送ローラを逆回転させることにより、給送される被記録材から分離手段により分離された他の被記録材を元の載置位置へ向けて引き戻すことができるとともに、給送ローラの外周面から分離手段の分離面を離間させることができる。また、給送ローラの外周面と分離手段の分離面との間には、揺動体が進入して介在した状態となるので、給送ローラの外周面と分離手段の分離面との離間状態を確実に保持することができる。
したがって、本発明の第2の態様に記載の自動給送装置によれば、被記録材への記録を実行していないときに、給送ローラの外周面と分離面との当接面で給送ローラの外周面のゴム材等が押しつぶされるように変形したまま長期間放置されて、その変形が元に戻らなくなってしまうという事態をより確実に防止することができるという作用効果が得られる。
そして、揺動体には、給送経路にある被記録材と係合して揺動体の揺動を規制可能な揺動規制部が一体に設けられている。そのため、揺動体は、給送ローラの逆回転方向と同じ方向へ揺動していくと、給送ローラの逆回転により引き戻されている被記録材に揺動規制部が係合し、その引き戻し中の被記録材によって揺動が係止される。また、揺動体は、引き戻し中の被記録材の先端が揺動規制部を通過して係合しない状態になると、再び給送ローラの逆回転方向と同じ方向へ揺動していくことになる。
それによって、本発明の第2の態様に記載の自動給送装置は、給送される被記録材から分離手段により分離された他の被記録材を元の載置位置へ向けて引き戻す過程において、被記録材を引き戻している途中で揺動体が給送ローラの外周面と分離手段の分離面との間に進入して、その被記録材が揺動体と分離手段の分離面とで挟持された状態になって引き戻すことできなくなってしまうことを未然に防止することができるという作用効果が得られる。この作用効果は、特に表面の摩擦係数が大きい被記録材を本発明に係る自動給送装置で給送する場合において顕著になる。
本発明の第3の態様は、前述した第2の態様に記載の自動給送装置において、前記揺動体は、前記給送ローラを逆回転させることにより、前記給送ローラの外周面とその近傍に在る被記録材との間に進入しながら当該被記録材と係合して当該被記録材を離間方向へ変位させる揺動位置まで揺動し、前記給送ローラを正回転させることにより、前記給送ローラの外周面とその近傍にある被記録材との間から退避する揺動位置まで揺動する、ことを特徴とした自動給送装置である。
本発明の第3の態様に記載の自動給送装置によれば、前述した第2の態様に記載の発明による作用効果に加えて、前述した第1の態様に記載の発明による作用効果を得ることができる。
本発明の第4の態様は、給送ローラの外周面に押圧された被記録材を前記給送ローラの回転により記録装置内へ給送する自動給送装置において、所定の回転抵抗が付与されて軸支されるリタードローラを前記給送ローラの外周面に押圧し、前記給送ローラと前記リタードローラとで被記録材を挟持したときに、前記給送ローラの外周面と被記録材との接触面に生ずる摩擦力より小さく被記録材同士の接触面に生ずる摩擦力より大きい摩擦力が前記リタードローラと被記録材との接触面に作用する分離手段と、所定の揺動抵抗が付与されて前記リタードローラに揺動可能に支持され、前記給送ローラを逆回転させることにより、前記給送ローラの外周面とその近傍に在る被記録材との間に進入しながら当該被記録材と係合して当該被記録材を離間方向へ変位させる揺動位置まで揺動し、前記給送ローラを正回転させることにより、前記給送ローラの外周面とその近傍にある被記録材との間から退避する揺動位置まで揺動する揺動体と、前記揺動体に一体に設けられ、給送経路にある被記録材と係合して前記揺動体の揺動を規制可能な揺動規制部と、を備えている、ことを特徴とした自動給送装置である。
揺動体は、所定の揺動抵抗が付与されてリタードローラに揺動可能に支持されているので、給送ローラを回転させれば、それに従動してリタードローラが回転し、その回転方向へ揺動させることができる。また、その給送ローラの回転を停止させれば、リタードローラの従動回転も停止するので、そのときの揺動位置で停止させることができる。そして、給送ローラの正回転により、揺動体は、給送ローラの外周面とその近傍にある被記録材との間から退避する揺動位置まで揺動する。それによって、揺動体に妨げられることなく、給送ローラの正回転による被記録材の給送動作を行うことができる。
他方、被記録材を記録装置内へ給送した後、給送ローラを逆回転させると、その給送ローラの逆回転によって、給送される被記録材から分離手段等により分離された他の被記録材を元の載置位置へ向けて引き戻すことができる。このとき、揺動体は、所定の揺動抵抗が付与されてリタードローラに揺動可能に支持されているので、給送ローラの逆回転に従動してリタードローラが回転することによって、給送ローラの逆回転方向と同じ方向へ揺動することになる。そして、揺動体は、給送ローラの外周面と元の載置位置へ引き戻した被記録材との間に進入しながら当該被記録材と係合し、当該被記録材を離間方向へ変位させる揺動位置まで揺動する。
すなわち、被記録材への記録が終了した後、給送ローラを逆回転させることにより、給送される被記録材から分離手段により分離された他の被記録材を元の載置位置へ向けて引き戻すことができるとともに、給送ローラの外周面と元の載置位置へ引き戻した被記録材とを離間させることができる。また、給送ローラの外周面と被記録材との間には、揺動体が進入して介在した状態となるので、給送ローラの外周面に対する被記録材の離間状態を確実に保持することができる。
したがって、本発明の第4の態様に記載の自動給送装置によれば、被記録材への記録を実行していないときに、給送ローラの外周面を構成しているゴム材等からにじみ出たオイル等が被記録材に付着して汚れてしまうことをより確実に防止することができるという作用効果が得られる。
そして、揺動体には、給送経路にある被記録材と係合して揺動体の揺動を規制可能な揺動規制部が一体に設けられている。そのため、揺動体は、給送ローラの逆回転方向と同じ方向へ揺動していくと、給送ローラの逆回転により引き戻されている被記録材に揺動規制部が係合し、その引き戻し中の被記録材によって揺動が係止される。また、揺動体は、引き戻し中の被記録材の先端が揺動規制部を通過して係合しない状態になると、再び給送ローラの逆回転方向と同じ方向へ揺動していくことになる。
それによって、本発明の第4の態様に記載の自動給送装置は、給送される被記録材から分離手段により分離された他の被記録材を元の載置位置へ向けて引き戻す過程において、引き戻している途中の被記録材の裏側に揺動体が進入して、その被記録材を給送ローラの外周面から離間させることができない状態になってしまうことを未然に防止することができるという作用効果が得られる。
本発明の第5の態様は、前述した第1〜第4の態様のいずれかに記載の自動給送装置において、前記揺動規制部は、給送経路にある被記録材と係合する部分に、回転自在に軸支される回転体が設けられている、ことを特徴とした自動給送装置である。
このように、回転自在に軸支される回転体を揺動規制部に設けることによって、引き戻し中の被記録材と揺動規制部とが係合したときに、その被記録材に傷等が付いてしまう虞を低減させることができる。
本発明の第6の態様は、被記録材の記録面への記録実行手段と、前述した第1〜第5の態様のいずれかに記載の自動給送装置とを備えた記録装置である。
本発明の第6の態様に記載の記録装置によれば、被記録材の記録面への記録実行手段と自動給送装置とを備えた記録装置において、前述した第1〜第5の態様のいずれかに記載の発明による作用効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、本発明は以下説明する実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
<インクジェットプリンタの概略構成>
まず、本発明に係る「記録装置」の一例であるインクジェットプリンタ50の概略構成について、図1を参照しながら説明する。
図1は、インクジェットプリンタの外観を示す斜視図である。
「記録装置」の一例であるインクジェットプリンタ100は、持ち運びが可能な比較的コンパクトなタイプのプリンタである。インクジェットプリンタ100は、プリンタ本体3の後部寄りの上部開口5に設けられているカセットガイド8に、自動給送装置2を構成する給送用カセット1が前下がり傾斜姿勢で着脱自在に装着できる構成を有している。尚、給送用カセット1を備えた自動給送装置2は、あくまでも一例であり、公知の給送用トレイ等を備えた自動給送装置であっても本発明の実施は可能である。
給送用カセット1は、後端面13、左側面14、右側面15、上面16、前端面及び底面(図示せず)が一体成形により形成されたカセット本体10内に、「被記録材」の一例である記録紙Pが複数積重された状態で格納可能な構成を有している。上面16には、カセット本体10内の記録紙Pの有無や残量を確認するための視認窓となる角穴状の窓部161、162が設けられている。カセット本体10内の前記底面には、カセット本体10内に収容される記録紙Pを支えるホッパ(図示せず)が配設されている。
ホッパは、軸211を揺動軸として揺動可能に配設されており、その揺動により記録紙Pを下から押し上げることができるようになっている。また、上面16に設けられた開口部(図示せず)には、前後方向にスライドして開口部を開閉可能にシャッタ12が取り付けられている。そして、シャッタ12と対向する位置には、給送ローラ32が配設されている。したがって、ホッパに載置された記録紙Pは、シャッタ12が開いて開口部が給送ローラ32に臨んでいる状態でホッパを上方へ揺動させることによって、給送ローラ32に向けて押し上げられることになる。
このカセット本体10内の記録紙Pは、記録紙Pの給送時に、ホッパの押し上げ動作によって上方へ押し上げられ、カセット本体10の開口部に臨んで位置する給送ローラ32の外周面に押圧される。つまり、ホッパは、カセット本体10内の所定の載置面に載置した記録紙Pを給送ローラ32の外周面に常時押圧する押圧手段として機能する。また、給送ローラ32は、モータ41の駆動回転が歯車列42を介して伝達されて回転する回転軸31に配設されており、記録紙Pの給送時には、モータ41の駆動回転により給送方向Yへ駆動回転する(以下、正回転という。)。
すなわち、自動給送装置2は、記録紙Pへの記録実行時に、ホッパと給送ローラ32とによる挟圧送り作用によって、カセット本体10内の記録紙Pが最上位側から順次引き出され、給送案内面108を経由してインクジェットプリンタ100内へ1枚ずつ自動給送される構成を有している。そして、給送動作後にカセット本体10から先端が飛び出た他の記録紙Pは、公知の紙戻しレバー7によって、カセット本体10内に押し戻される。
給送ローラ32の給送方向Yの下流側には、上下の搬送用従動ローラと搬送用駆動ローラの対によって構成される図示しない公知の搬送用ローラが設けられている。その搬送用ローラによって給送方向Yと同一方向である記録紙搬送方向へ搬送される記録紙Pは、「記録実行手段」の記録実行ポジションへ導かれる。そして、記録実行ポジションの上方には、記録紙Pに液体の一例であるインクを噴射して直接記録を実行する図示しない記録ヘッドが位置している。一方、記録実行ポジションの下方には、記録紙Pの下面を支えている図示しないプラテンが設けられており、そのプラテンは、記録品質に重要に関係する被記録材と記録ヘッド間のギャップを規定する役割を担っている。
記録ヘッドは、前記の記録紙搬送方向と直交する方向Xに往復動する図示しないキャリッジの下面に搭載されている。キャリッジは、記録紙搬送方向と直交する方向Xに架け渡された図示しないキャリッジガイド軸によって案内され、同方向Xに張設された図示しない無端ベルトからの駆動力を受けて、記録紙搬送方向と直交する方向Xへ往復動可能に構成されている。また、記録実行ポジションの記録紙搬送方向の下流には、従動ローラと駆動ローラの対によって構成されている図示しない排出用ローラが設けられている。そして、排出用ローラによって排出された記録紙Pは、図示しない排出用スタッカの載置面上に排出される。
<本発明に係る自動給送装置の第1実施例>
つづいて、本発明に係る自動給送装置2の第1実施例について、図2〜図8を参照しながら説明する。
図2は、本発明に係る自動給送装置2の要部斜視図である。図3は、本発明に係る自動給送装置2の要部側面図であり、記録紙Pを自動給送している状態を図示したものである。
本発明に係る自動給送装置2は、給送ローラ32の外周面に押圧された記録紙Pを給送ローラ32の正回転によりインクジェットプリンタ100内へ給送する構成を有している。給送ローラ32は、外周面が合成ゴム等のゴム材で形成されている。給送ローラ32は、前記のモータ41の駆動回転により正回転方向A又はその逆回転方向へ回転可能に配設された回転軸31に一体に配設されている。すなわち、給送ローラ32は、モータ41の駆動回転により正回転方向A又はその逆回転方向へ回転可能に配設されている。
「分離手段」を構成するリタードローラ36は、ローラ本体361の外周面のうち、給送ローラ32の外周面と対面する領域が合成ゴム等のゴム材で形成されている。また、リタードローラ36は、ローラ本体361が一定の回転抵抗が付与された状態で、従動回転可能にローラ軸35に軸支されている。ローラ軸35は、長孔109に沿って変位可能に配設されており、捻りコイルばね351によって、給送ローラ32へ向けて付勢されている。それによって、リタードローラ36は、「分離面」となるリタードローラ36の外周面が給送ローラ32の外周面に当接して押圧された状態となるとともに、給送ローラ32から離間する方向へ変位可能な状態で配設される。
給送ローラ32の外周面とリタードローラ36の外周面とで記録紙Pを挟持したときには、給送ローラ32の外周面と記録紙Pとの接触面に生ずる摩擦力より小さく記録紙P同士の接触面に生ずる摩擦力より大きい摩擦力が、リタードローラ36の外周面と記録紙Pとの接触面に作用する。例えば、給送ローラ32の外周面とリタードローラ36の外周面との間に1枚の記録紙P1が挟持された状態では、給送ローラ32の外周面と記録紙P1との接触面の摩擦力により記録紙P1が給送ローラ32の回転に伴って給送される。他方、給送ローラ32の外周面とリタードローラ36の外周面との間に2枚以上の記録紙Pが挟持された状態では、給送ローラ32の外周面に接している記録紙P1が給送ローラ32の回転により給送されるとともに、リタードローラ36の外周面と記録紙Pとの接触面の摩擦力によって他の記録紙Pが係止されて重送が防止される。
尚、「分離手段」は、特にリタードローラ36に限定されるものではなく、公知の分離パッド等、上述したような記録紙Pの分離機能を発揮し得るものであれば、どのような態様であっても本発明の実施は可能であることは言うまでもない。
給送ローラ32の給送方向Yの上流側には、カセット本体10の前端面で記録紙Pの先端が当接する当接面106が構成されている。当接面106に先端が当接している記録紙Pは、前記のホッパ(図示せず)によって、給送ローラ32の外周面に当接して押圧される。この当接面106より給送方向Yの下流側には、給送方向Yへ記録紙Pを案内する「給送経路」としての給送案内面108が図示の如く構成されている。自動給送装置2の給送方向Yの下流側には、前記の搬送用従動ローラ55と搬送用駆動ローラ54とが配設されており、さらに、その下流側には、前記のプラテン51が配設されている。フレーム107は、インクジェットプリンタ100の本体フレーム構造の一部を構成するように配設されており、給送ローラ32の給送方向Yの下流側近傍に配設されている。
揺動体33は、揺動位置規制面34と係合する係止端331、給送ローラ32の外周面の一部を覆う保護カバー部332を有している。また、保護カバー部332の外周面の両側部には、図示の如く凸状にリブ335が形成されている。このリブ335の外周面形状は、図示の如く給送ローラ32の外周面より内側となる領域と給送ローラ32の外周面より外側となる領域とを有している。すなわち、リブ335は、給送ローラ32の外周面とリブ335の外周面とが略一致する部分334の近傍を始点として、図示の如く給送ローラ32の外周面に対して内側から外側へ向けて揺動中心からの距離が正回転方向Aへ連続的に長くなっていく外周面を有する形状となっている。
そして、揺動体33は、給送ローラ32の回転軸31に揺動可能に軸支されており、回転軸31に固設されたばね押さえ37との間に縮設されたコイルばね39によって所定の揺動抵抗が付与されている。したがって、揺動体33は、給送ローラ32を回転させることによって、その回転方向へ揺動させることができるとともに、その回転を停止させれば、その揺動位置で停止させることができる。また、揺動体33は、回転軸31が正回転方向Aへ回転中であっても、係止端331がフレーム107に設けられた揺動位置規制面34に当接した時点で、その正回転方向Aへの揺動位置が規制されて揺動位置が維持された状態となる。
さらに、揺動体33には、給送案内面108にある記録紙Pと係合して揺動体33の揺動を規制可能な揺動規制部38が揺動体33に一体に設けられている。より具体的には、揺動規制部38は、揺動体33の両側部に設けられたリブ335に延設されており、給送ローラ32の外周面より外側となる領域に突設されている。さらに、揺動規制部38は、給送案内面108にある記録紙Pと係合する部分に、回転体381が回転自在に軸支されている。この揺動規制部38については、後述する。
引き続き、図2及び図3を参照しながら、本発明に係る自動給送装置2で記録紙Pを自動給送しているときの揺動体33の動作について説明する。
給送ローラ32の外周面に押圧された記録紙P1をインクジェットプリンタ100内へ給送しているときは、給送ローラ32の回転軸31が正回転方向Aへ回転し、それによって、給送ローラ32も正回転方向Aへ回転する。したがって、揺動体33は、その回転軸31の正回転方向Aへの回転により、係止端331が揺動位置規制面34に当接する位置まで揺動して停止した状態となる(符号A1)。
この状態において、揺動体33は、図示の如く、給送ローラ32の外周面と給送ローラ32の外周面に押圧されている記録紙Pとの間から退避した状態となるとともに、かつ給送ローラ32の外周面とリタードローラ36の外周面とが当接する領域からも退避した状態となる。それによって、自動給送装置2は、給送ローラ32の正回転方向Aへの回転による記録紙P1の給送動作及び給送ローラ32の外周面に押圧されたリタードローラ36による記録紙Pの分離動作を、揺動体33に妨げられることなく行うことができる。
つづいて、図4〜図8を参照しながら、記録紙P1を給送した後の揺動体33の動作について説明する。
図4は、本発明に係る自動給送装置2の要部側面図であり、給送ローラ32の逆回転方向への回転を開始した状態を図示したものである。
記録紙Pの給送動作時には、リタードローラ36によって分離された記録紙P2の先端近傍が、給送ローラ32とリタードローラ36とで挟持された状態で給送案内面108に飛び出た状態になる場合がある。この場合、給送ローラ32の回転軸31を逆回転方向Bへ回転させて給送ローラ32を逆回転方向Cへ回転させると、その給送案内面108に先端近傍が飛び出た状態の記録紙P2が給送用カセット1内へ引き戻されていく(符号F)。このとき、回転軸31の逆回転方向Bへの回転によって、揺動体33は、符号Dで示した方向(逆回転方向Cと同じ方向)へ揺動していく。
図5は、本発明に係る自動給送装置2の要部側面図であり、引き戻し中の記録紙P2に揺動規制部38が係合して揺動体33の揺動が規制されている状態を図示したものである。
揺動体33には、給送案内面108にある記録紙Pと係合して揺動体33の揺動を規制可能な揺動規制部38が一体に設けられている。そのため、揺動体33は、符号Dで示した方向へ揺動していくと、図示の如く、給送ローラ32の逆回転方向Cへの回転により符号Fで示した方向へ引き戻されている記録紙P2に揺動規制部38が係合し、その引き戻し中の記録紙P2によって、符号Dで示した方向への揺動が係止される。
尚、揺動規制部38は、図示の如く、給送案内面108にある記録紙P2と係合する部分に回転体381が回転自在に軸支されているのが好ましい。それによって、引き戻し中の記録紙P2と揺動規制部38とが係合したときに、回転体381が従動回転することによって、その記録紙P2に傷等が付いてしまう虞を低減させることができる。
図6は、本発明に係る自動給送装置2の要部側面図であり、引き戻し中の記録紙P2の先端が揺動規制部38を通過した後の状態を図示したものである。
給送ローラ32を逆回転方向Cへさらに回転させると、給送案内面108にある記録紙P2は、さらに符号Fで示した方向へ引き戻されていく。そして、揺動体33は、引き戻し中の記録紙P2の先端が揺動規制部38を通過して係合しない状態になると、再び符号Dで示した方向へ揺動していくことになる。また、給送案内面108には、揺動規制部38に対応する部分に、揺動規制部38が通過するための切り欠き部(図示せず)が設けられている。それによって、揺動規制部38は、リタードローラ36の横を通過しながら、さらに符号Dで示した方向へ揺動していくことができる。
図7は、本発明に係る自動給送装置2の要部側面図であり、揺動体33のリブ335でリタードローラ36が退避方向へ変位する状態を図示したものである。
給送ローラ32を逆回転方向Cへさらに回転させると、揺動体33もさらに符号Dで示した方向へ揺動していく。すると、揺動体33は、給送ローラ32の外周面とリタードローラ36の外周面とが当接する領域に進入しながら、リブ335がリタードローラ36のローラ本体361に当接し、リタードローラ36を給送ローラ32の外周面から離間させる方向(符号Eで示した方向)へ押動して変位させる。それによって、給送ローラ32の外周面からリタードローラ36の外周面を離間させ、給送ローラ32の外周面にリタードローラ36の外周面が接しない状態とすることができる。
したがって、記録紙Pへの記録を実行していないときに、給送ローラ32の外周面に対するリタードローラ36の押圧力によって、給送ローラ32の外周面とリタードローラ36の外周面との当接面で給送ローラ32の外周面のゴム材等が押しつぶされるように変形したまま長期間放置され、その変形が元に戻らなくなってしまうという事態を未然に防止することができる。
また、リタードローラ36は、揺動体33のリブ335がゴム材で形成された外周面には当接せず、その外側のローラ本体361にのみ当接した状態で、リブ335によって離間方向へ押動されて変位する。すなわち、揺動体33は、ゴム材で形成されたリタードローラ36の外周面に対して非接触で係合し、リタードローラ36を離間方向へ押動する構成を有している。したがって、給送ローラ32の外周面からリタードローラ36を離間方向へ変位させたときに、揺動体33がリタードローラ36の外周面に当接していない状態にすることができる。
それによって、記録紙Pへの記録を実行していないときに、揺動体33がリタードローラ36の外周面に当接してリタードローラ36の外周面のゴム材等が押しつぶされるように変形したまま長期間放置されて、その変形が元に戻らなくなってしまうという事態を未然に防止することができる。したがって、記録紙Pへの記録実行時に、リタードローラ36の外周面の変形や劣化による給送不良が生ずる虞を低減させることができる。
図8は、本発明に係る自動給送装置2の要部側面図であり、揺動体33のリブ335で給送ローラ32の外周面に押圧されている記録紙Pが離間方向へ変位する状態を図示したものである。
給送ローラ32を逆回転方向Cへさらに回転させていくと、揺動体33もさらに符号Dで示した方向へ揺動していく。すると、揺動体33は、記録紙P2が押圧されている給送ローラ32の外周面とその記録紙Pとの間に進入しながら、リブ335が当該記録紙Pに当接し、図示の如く当該記録紙Pを給送ローラ32の外周面から離間させる方向へ押動して変位させる。それによって、給送ローラ32の外周面に押圧されている記録紙P2を給送ローラ32の外周面から離間させ、給送ローラ32の外周面に給送用カセット1内の記録紙Pが接しない状態とすることができる。
さらに、この状態において揺動規制部38は、記録紙Pがリタードローラ36の外周面に接した状態になることを防止するとともに、記録紙Pが給送案内面108と揺動体33との間の僅かな隙間に進入してしまうことを防止するシャッタとしても機能する。
以上説明したように、本発明に係る自動給送装置2によれば、記録紙Pへの記録を実行していないときに、給送ローラ32の外周面に対するリタードローラ36の押圧力によって、給送ローラ32とリタードローラ36との当接面で給送ローラ32の外周面のゴム材等が押しつぶされるように変形したまま長期間放置され、その変形が元に戻らなくなってしまうという事態を未然に防止することができる。
また、本発明に係る自動給送装置2によれば、記録紙Pへの記録を実行していないときに、給送ローラ32の外周面に押圧されている記録紙Pを給送ローラ32の外周面から離間させ、給送ローラ32の外周面に給送用カセット1内の記録紙Pが接しない状態とすることができる。したがって、記録紙Pへの記録を実行していないときに、給送ローラ32の外周面を構成しているゴム材等からにじみ出たオイル等が記録紙Pに付着して汚れてしまうことを未然に防止することができる。
さらに、本発明に係る自動給送装置2は、揺動体33は、引き戻し中の記録紙P2に揺動規制部38が係合し、その引き戻し中の記録紙P2によって、逆回転方向Cと同じ方向への揺動が係止される。そして、揺動体33は、引き戻し中の記録紙P2の先端が揺動規制部38を通過して係合しない状態になると、再び給送ローラ32の逆回転方向Cと同じ方向へ揺動する。
それによって、リタードローラ36により分離された他の記録紙P2を給送用カセット1内へ向けて引き戻す過程において、記録紙P2を引き戻している途中で揺動体33が給送ローラ32の外周面とリタードローラ36の外周面との間に進入して、その記録紙P2が揺動体33とリタードローラ36の外周面とで挟持された状態になって引き戻すことができなくなってしまうことを未然に防止することができる。さらに、リタードローラ36により分離された他の記録紙P2を給送用カセット1内へ向けて引き戻す過程において、記録紙P2を引き戻している途中で揺動体33が給送ローラ32の外周面とその記録紙P2との間に進入して、その記録紙P2を引き戻すことができなくなってしまうことを未然に防止することができる。
<本発明に係る自動給送装置の第2実施例>
つづいて、本発明に係る自動給送装置2の第2実施例について、図9〜図11を参照しながら説明する。
図9〜図11は、第2実施例の自動給送装置2の要部側面図である。図9は、引き戻し中の記録紙P2に揺動規制部62が係合して揺動体61の揺動が規制されている状態を図示したものである。図10は、引き戻し中の記録紙P2の先端が揺動規制部62を通過した後の状態を図示したものである。図11は、揺動体61の揺動規制部62で給送ローラ32の外周面に押圧されている記録紙Pが離間方向へ変位する状態を図示したものである。
第2実施例の自動給送装置2は、給送ローラ32の回転軸31に揺動体は配設されておらず、リタードローラ36のローラ本体361に、揺動体61が所定の揺動抵抗を付与されて揺動可能に支持されている。揺動体61には、給送案内面108にある記録紙Pと係合して揺動体61の揺動を規制可能な揺動規制部62が一体に設けられている。また、揺動規制部62には、給送案内面108にある記録紙Pと係合する部分に、回転体63が回転自在に軸支されている。係止部64は、給送ローラ32を正回転方向へ回転させたときに、退避方向の揺動体61の揺動位置を規制する。尚、これ以外の構成については、第1実施例の自動給送装置2と同様であるため、説明は省略する。
揺動体61は、所定の揺動抵抗が付与されてリタードローラ36のローラ本体361に揺動可能に支持されている。したがって、給送ローラ32を回転させれば、それに従動してリタードローラ36が回転し、その回転方向へ揺動体61を揺動させることができる。また、その給送ローラ32の回転を停止させれば、リタードローラ36の従動回転も停止するので、そのときの揺動位置で揺動体61を停止させることができる。そして、給送ローラ32を正回転方向へ回転させることにより、揺動体61は、給送ローラ32の外周面とその近傍にある記録紙Pとの間から退避して、揺動規制部62が係止部64に当接する揺動位置まで揺動する。それによって、揺動体61に妨げられることなく、給送ローラ32による記録紙Pの給送動作を行うことができる。
給送後の記録紙Pへの記録実行後は、給送ローラ32を逆回転方向Cへ回転させると、その給送案内面108に先端近傍が飛び出た状態の記録紙P2が給送用カセット1内へ引き戻されていく(符号F)。また、給送ローラ32が逆回転方向Cへ回転することによって、リタードローラ36が符号Gで示した方向へ従動回転する。それによって、揺動体61は、同じ方向(符号Gで示した方向)へ揺動する。このとき、給送ローラ32の逆回転により引き戻されている記録紙P2に揺動規制部62が係合すると、揺動体61は、その引き戻し中の記録紙P2によって、符号Gで示した方向への揺動が係止される(図9)。また、給送案内面108にある記録紙P2は、揺動規制部62の回転体63と係合するので、その記録紙P2に傷等が付いてしまう虞を低減させることができる。
そして、給送ローラ32を逆回転方向Cへさらに回転させると、給送案内面108にある記録紙P2は、さらに符号Fで示した方向へ引き戻されていく。そして、揺動体61は、引き戻し中の記録紙P2の先端が揺動規制部62を通過して係合しない状態になると、再び符号Gで示した方向へ揺動していくことになる(図10)。
給送ローラ32を逆回転方向Cへさらに回転させていくと、揺動体61もさらに符号Gで示した方向へ揺動していく。すると、揺動体61の一部である揺動規制部62は、記録紙Pが押圧されている給送ローラ32の外周面とその記録紙Pとの間に進入しながら、当該記録紙Pに当接し、図示の如く当該記録紙Pを給送ローラ32の外周面から離間させる方向へ押動して変位させる。それによって、給送ローラ32の外周面に押圧されている記録紙Pを給送ローラ32の外周面から離間させ、給送ローラ32の外周面に給送用カセット1内の記録紙Pが接しない状態とすることができる(図11)。
さらに、この状態において揺動規制部62は、記録紙Pがリタードローラ36の外周面に接した状態になることを防止するとともに、記録紙Pが給送案内面108へ進入してしまうことを防止するシャッタとしても機能する。
このようにして、本発明に係る自動給送装置2の第2実施例は、第1実施例と同様に、記録紙Pへの記録を実行していないときに、給送ローラ32の外周面に押圧されている記録紙Pを給送ローラ32の外周面から離間させ、給送ローラ32の外周面に給送用カセット1内の記録紙Pが接しない状態とすることができる。したがって、記録紙Pへの記録を実行していないときに、給送ローラ32の外周面を構成しているゴム材等からにじみ出たオイル等が記録紙Pに付着して汚れてしまうことを未然に防止することができる。
そして、本発明に係る自動給送装置2の第2実施例は、揺動体61は、引き戻し中の記録紙P2に揺動規制部62が係合し、その引き戻し中の記録紙P2によって、符号Gで示した方向への揺動が係止される。そして、揺動体61は、引き戻し中の記録紙P2の先端が揺動規制部62を通過して係合しない状態になると、再び符号Gで示した方向へ揺動する。それによって、リタードローラ36により分離された他の記録紙P2を給送用カセット1内へ向けて引き戻す過程において、引き戻している途中の記録紙P2の裏側に揺動体61の一部である揺動規制部62が進入して、その記録紙P2を給送ローラ32の外周面から離間させることができない状態になってしまうことを未然に防止することができる。
インクジェットプリンタの外観を示す斜視図。 本発明に係る自動給送装置の要部斜視図(第1実施例)。 本発明に係る自動給送装置の要部側面図(第1実施例)。 給送ローラの逆回転を開始した状態を図示した要部側面図(第1実施例)。 揺動体の揺動が規制されている状態を図示した要部側面図(第1実施例)。 揺動体の揺動が規制されない状態を図示した要部側面図(第1実施例)。 リタードローラが退避する状態を図示した要部側面図(第1実施例)。 記録紙が離間方向へ変位する状態を図示した要部側面図(第1実施例)。 揺動体の揺動が規制されている状態を図示した要部側面図(第2実施例)。 揺動体の揺動が規制されない状態を図示した要部側面図(第2実施例)。 記録紙が離間方向へ変位する状態を図示した要部側面図(第2実施例)。
符号の説明
1 給送用カセット、2 自動給送装置、10 カセット本体、31 回転軸、32 給送ローラ、33、61 揺動体、34 揺動位置規制面、35 ローラ軸、36 リタードローラ、37 ばね押さえ、38、62 揺動規制部、39 コイルばね、63、381 回転体、100 インクジェットプリンタ、331 係止端、332 保護カバー部、335 リブ、Y 給送方向

Claims (6)

  1. 給送ローラの外周面に押圧された被記録材を前記給送ローラの回転により記録装置内へ給送する自動給送装置において、
    所定の揺動抵抗が付与されて前記給送ローラの回転軸に揺動可能に軸支され、前記給送ローラを逆回転させることにより、前記給送ローラの外周面とその近傍に在る被記録材との間に進入しながら当該被記録材と係合して当該被記録材を離間方向へ変位させる揺動位置まで揺動し、前記給送ローラを正回転させることにより、前記給送ローラの外周面とその近傍にある被記録材との間から退避する揺動位置まで揺動する揺動体と、
    前記揺動体に一体に設けられ、給送経路にある被記録材と係合して前記揺動体の揺動を規制可能な揺動規制部と、を備えている、ことを特徴とした自動給送装置。
  2. 給送ローラの外周面に押圧された被記録材を前記給送ローラの回転により記録装置内へ給送する自動給送装置において、
    前記給送ローラの外周面に分離面を押圧し、前記給送ローラと前記分離面とで被記録材を挟持したときに、前記給送ローラの外周面と被記録材との接触面に生ずる摩擦力より小さく被記録材同士の接触面に生ずる摩擦力より大きい摩擦力が前記分離面と被記録材との接触面に作用する分離手段と、
    所定の揺動抵抗が付与されて前記給送ローラの回転軸に揺動可能に軸支され、前記給送ローラを逆回転させることにより、前記給送ローラの外周面と前記分離面とが当接する領域に進入しながら前記分離手段と係合して前記分離面を離間方向へ変位させる揺動位置まで揺動し、前記給送ローラを正回転させることにより、前記給送ローラの外周面と前記分離面とが当接する領域から退避する揺動位置まで揺動する揺動体と、
    前記揺動体に一体に設けられ、給送経路にある被記録材と係合して前記揺動体の揺動を規制可能な揺動規制部と、を備えている、ことを特徴とした自動給送装置。
  3. 請求項2に記載の自動給送装置において、前記揺動体は、前記給送ローラを逆回転させることにより、前記給送ローラの外周面とその近傍に在る被記録材との間に進入しながら当該被記録材と係合して当該被記録材を離間方向へ変位させる揺動位置まで揺動し、前記給送ローラを正回転させることにより、前記給送ローラの外周面とその近傍にある被記録材との間から退避する揺動位置まで揺動する、ことを特徴とした自動給送装置。
  4. 給送ローラの外周面に押圧された被記録材を前記給送ローラの回転により記録装置内へ給送する自動給送装置において、
    所定の回転抵抗が付与されて軸支されるリタードローラを前記給送ローラの外周面に押圧し、前記給送ローラと前記リタードローラとで被記録材を挟持したときに、前記給送ローラの外周面と被記録材との接触面に生ずる摩擦力より小さく被記録材同士の接触面に生ずる摩擦力より大きい摩擦力が前記リタードローラと被記録材との接触面に作用する分離手段と、
    所定の揺動抵抗が付与されて前記リタードローラに揺動可能に支持され、前記給送ローラを逆回転させることにより、前記給送ローラの外周面とその近傍に在る被記録材との間に進入しながら当該被記録材と係合して当該被記録材を離間方向へ変位させる揺動位置まで揺動し、前記給送ローラを正回転させることにより、前記給送ローラの外周面とその近傍にある被記録材との間から退避する揺動位置まで揺動する揺動体と、
    前記揺動体に一体に設けられ、給送経路にある被記録材と係合して前記揺動体の揺動を規制可能な揺動規制部と、を備えている、ことを特徴とした自動給送装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動給送装置において、前記揺動規制部は、給送経路にある被記録材と係合する部分に、回転自在に軸支される回転体が設けられている、ことを特徴とした自動給送装置。
  6. 被記録材の記録面への記録実行手段と、請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動給送装置とを備えた記録装置。
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