JP2009234659A - 密封栓、密封容器、及び凍結乾燥方法 - Google Patents

密封栓、密封容器、及び凍結乾燥方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内容物を取り出す際の異物混入や、内容物の保管に供される前に吸湿機能が損なわれてしまうのを有効に回避した上で、吸湿による品質の低下が懸念される内容物を乾燥した状態のまま保管するための密封栓、そのような密封栓を備えた密封容器、及びこれらを好適に利用して実施される凍結乾燥方法を提供する。
【解決手段】貫通孔21aが穿設された基板21と、基板21から筒状に垂下する側壁部22と、側壁部22の内側面に保持される吸湿剤40と、基板21の天面側に取り付けられて貫通孔21aを閉塞する第一のシール部材30と、側壁部22の先端側に取り付けられて側壁部22の先端開口部を閉塞する第二のシール部材31とを備える密封栓20によって容器本体10の開口部を封止するにあたり、容器本体10内に穿孔部材15を取り付けておき、封止に際して、穿孔部材15によって第二のシール部材31に通気孔31aが穿設されるようにする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、吸湿による品質の低下が懸念される内容物を乾燥した状態のまま保管するための密封栓、そのような密封栓を備えた密封容器、及びこれらを好適に利用して実施される凍結乾燥方法に関する。
吸湿による品質の低下が懸念される医薬品などを内容物とし、これを乾燥した状態のまま保管するための容器として、例えば、特許文献1には、穿刺可能な領域を有するエラストマークロージャーで密封され、このクロージャーの少なくとも一部が、乾燥剤ポリマーから製造された感湿性物質用容器が開示されている。
特開2005−218862号公報
このような特許文献1の容器にあっては、内容物を取り出す際に、クロージャーの穿刺可能な領域とされた部分に注射針を刺すことになり、注射針の周囲が弾力的に密封される。これにより、内容物を複数回に分けて取り出す場合であっても、密封された状態を維持することができるという利点がある。
しかしながら、内容物を一回で使い切ってしまうような場合には、そのような必要はない。むしろ、注射針を刺したときに、注射針のヒール部でクロージャーの一部が削り取られて、異物(コア)となって内容物に混入してしまうことの方が問題になってくる。このような異物混入の問題は、特許文献1の容器に限らず、穿刺可能なエラストマー製の栓で封止された、一般にバイアル(vial)と称されるこの種の医薬品用容器において従前から指摘されており、医療過誤を防止する観点から異物混入のおそれがある従来品に代わるものが望まれていた。
また、この種の容器に保管される内容物を乾燥するための手段としては、凍結乾燥によって水分を除去して乾燥させることが考えられる。この場合、容器中で内容物を凍結乾燥し、そのまま密封して保管できれば、移し替えの必要もなく簡便である。このため、保管の対象となる内容物を溶質として含む水溶液を凍結し、減圧下に処理して水分を昇華させるという一連の凍結乾燥工程を、容器中で行うのに好適な形態であることも望まれる。
また、特許文献1に開示された、一部が乾燥剤ポリマーから製造されたクロージャーは、容器を密封する前に通常の環境下にそのまま放置されるようなことがあると、乾燥剤ポリマーが空気中の水分を吸収して、本来の吸湿機能が損なわれてしまうことになる。このため、製造後は、水分不透過性の容器に保管するなどして使用に備えなければならず、これを怠ると使用に耐えられなくなってしまうおそれがある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、内容物を取り出す際の異物混入や、内容物の保管に供される前に吸湿機能が損なわれてしまうのを有効に回避した上で、吸湿による品質の低下が懸念される内容物を乾燥した状態のまま保管するための密封栓、そのような密封栓を備えた密封容器、及びこれらを好適に利用して実施される凍結乾燥方法の提供を目的とする。
本発明に係る密封栓は、乾燥させた内容物が収容される容器本体の開口部を封止するとともに、前記内容物の乾燥状態を維持する吸湿機能を有する密封栓であって、貫通孔が穿設された基板と、前記基板から筒状に垂下する側壁部と、前記側壁部の内側面に保持される吸湿剤と、前記基板の天面側に取り付けられて、前記貫通孔を閉塞する第一のシール部材と、前記側壁部の先端側に取り付けられて、前記側壁部の先端開口部を閉塞する第二のシール部材とを備える構成としてある。
また、本発明に係る密封容器は、乾燥させた内容物が収容される容器本体と、前記容器本体の開口部を封止する密封栓とを有する密封容器であって、前記密封栓が、貫通孔が穿設された基板と、前記基板から筒状に垂下する側壁部と、前記側壁部の内側面に保持される吸湿剤と、前記基板の天面側に取り付けられて、前記貫通孔を閉塞する第一のシール部材と、前記側壁部の先端側に取り付けられて、前記側壁部の先端開口部を閉塞する第二のシール部材とを備えるとともに、前記容器本体には、前記容器本体内の所定の高さ位置に穿孔部材が取り付けられており、封止に際して、前記穿孔部材によって前記第二のシール部材に通気孔が穿設されるようにした構成としてある。
また、本発明に係る凍結乾燥方法は、内部に穿孔部材が取り付けられた容器本体に、対象物質を溶質として含む水溶液を注入する工程、貫通孔が穿設された基板と、前記基板から筒状に垂下する側壁部と、前記側壁部の内側面に保持される吸湿剤と、前記基板の天面側に取り付けられて、前記貫通孔を閉塞する第一のシール部材と、前記側壁部の先端側に取り付けられて、前記側壁部の先端開口部を閉塞する第二のシール部材とを備え、打栓による封止が可能とされた密封栓を、前記第二のシール部材が前記穿孔部材に当接して前記容器本体に対して浮き上がった状態となるように、前記容器本体の開口部に挿入する工程、前記水溶液を凍結させる工程、減圧下に処理して凍結した水分を昇華させる工程、前記密封栓を打栓して、前記容器本体の開口部を封止する工程を有する方法としてある。
以上のような本発明によれば、吸湿による品質の低下が懸念される内容物を乾燥した状態のまま保管できることに加え、かかる内容物を容器から取り出す際の異物混入や、内容物の保管に供される前に吸湿機能が損なわれてしまうのを有効に回避することができる。また、一連の凍結乾燥工程を容器中で支障なく行うことができるため、内容物を移し替えることなく、容器中で内容物を凍結乾燥して、そのまま密封して保管することも可能である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[密封栓及び密封容器]
まず、本発明に係る密封栓及び密封容器の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る密封栓の実施形態を示す概略斜視図であり、図2及び図3は、本発明に係る密封容器の実施形態を示す概略縦断面図である。
これらの図に示す例において、密封容器1は、容器本体10と、容器本体10の開口部を封止して容器内を密封する密封栓20とを備えている。図2は、封止に先だって容器本体10の開口部に密封栓20を挿入した状態を示し、図3は、容器本体10の開口部を密封栓20で封止した状態を示しており、これらの状態において一致する容器本体10と密封栓20の軸心を図中一点破線で示している。また、図2及び図3に示す密封栓20の断面は、図1のA−A断面に相当する。
容器本体10は、有底筒状に成形され、円筒状とされた胴部11と、胴部11の一方の端部を閉じる底部12とを有している。底部12によって閉じられた側とは反対側の端部は開口部となっており、その周縁に沿って容器外方にほぼ水平(容器本体1の軸方向に直交する方向)に張り出すフランジ部13が形成されている。
また、容器本体10内の所定の高さ位置には、容器本体10の内側面に周方向に沿って形成された段部14に支持されて、穿孔部材15が取り付けられている。穿孔部材15は、環状の基板15aと、この基板15aから先細り状に立ち上がる穿孔部15bとを有しており、図示する例では、軸対称に対向する二つの穿孔部15bを基板15aの内周側に設けてある。
このような穿孔部材15は、基板15aの外径を適宜調整することにより、段部14に支持された状態で、容器本体10の内側面に圧着固定されるようにすることができるが、その具体的な取り付け手段は特に限定されない。接着剤などを利用して、容器本体10の内側面に接着固定するようにしてもよい。ただし、この場合であっても、段部14に支持された状態で取り付けられるようにするのが好ましく、これによって、穿孔部材15の高さ方向(軸方向)の位置ずれを防止することができる。
なお、容器本体10内に穿孔部材15を取り付けるに際して、その高さ位置は、密封栓20との相対的な位置関係に基づいて決定されるが、これについては、穿孔部材15の機能とともに後述する。
密封栓20は、円板状の基板21と、基板21から円筒状に垂下する側壁部22とを有している。基板21のほぼ中央には、貫通孔21aが円形状に穿設されており、側壁部22は、この貫通孔21aと同軸状に垂下している。そして、容器本体10の開口部を密封栓20で封止したときに、側壁部22よりも外周側に位置する基板21の下面21bが、容器本体10の開口部に形成されたフランジ部13の天面13aに面接するようになっている。
容器本体10の開口部を封止するにあたり、密封栓20の側壁部22は、容器本体10内に胴部11と同軸状に挿入される。このとき、容器本体10の開口部の内径に応じて、側壁部22の基板21側近傍に位置する基部22aの外径を設定し、例えば、側壁部22の基部22aの外径を容器本体10の開口部の内径よりも若干大きくするか、又は両者の径をほぼ一致させるようにすることで、打栓による封止が可能となる。
特に、側壁部22の基部22aの外径を容器本体10の開口部の内径よりも若干大きくする場合には、打栓強度を低減させるために、側壁部22の基部22aの外側面と、容器本体10の開口部の内側面の一方又は両方を、テーパー形状にすることも可能である。また、基部22aやフランジ部13にOリングなどを用いて密封することも可能である。
また、打栓による封止に加えて、又は打栓による封止に代えて、密封栓20の基板21の下面21bと、容器本体10のフランジ部13の天面13aとを、ヒートシールによって溶融接着することも可能である。さらには、ゴム性シーリング剤などを塗布し、アルミ製キャップなどでかしめることもできる。
また、側壁部22の基部22aを除く主部22bの外径は、容器本体10の内径よりも小さくなるように、側壁部22の基部22aの外径に対して相対的に小径としてあり、基部22aと主部22bとの境界には、密封栓20の軸方向に直交する段面22cが形成されている。
以上のような容器本体10、密封栓20のそれぞれは、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂,ナイロン等のポリアミド系樹脂,ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂などの種々の熱可塑性樹脂を用いて、射出成形などの適当な成形手段によって所定の形状に成形することができる。外部から容器内への水分の透過を避けるためには、透湿性の低い樹脂材料を適宜選択するのが好ましく、容器内への水分の透過をより有効に避けることができるように、必要に応じて多層構成とすることも可能である。選択した樹脂材料の透湿性にもよるが、その平均肉厚は、成形性や、取り扱いなども考慮して、0.3〜5mm程度とするのが好ましい。また、打栓により容器本体10の開口部を密封栓20で封止することを考慮すると、密封栓20は、嵌合性に優れたポリオレフィン系樹脂を用いて成形するのが好ましい。
なお、容器本体10内に取り付ける穿孔部材15は、容器本体10や密封栓20と同様の樹脂材料を使用して成形することができるが、穿孔部材15そのものの透湿性は特に問題にならない。したがって、容器本体10や密封栓20とは、異なる種類の樹脂材料を使用して成形してもよい。ただし、容器本体10内に圧着固定することを考慮すると、密封栓20と同様に、嵌合性に優れたポリオレフィン系樹脂を用いて成形するのが好ましい。
容器本体10や密封栓20に使用される樹脂材料につき、透湿性の低い樹脂材料のより具体的な例としては、環状オレフィン共重合体(COC)が挙げられる。環状オレフィン共重合体樹脂としては、オレフィンと環状オレフィンとの非晶乃至低結晶性の共重合体が好適に使用される。オレフィンとしては、エチレンが好適であるが、他に、プロピレン,1−ブテン,1−ペンテン,1−ヘキセン,1−オクテン,3−メチル1−ペンテン,1−デセン等の炭素数3乃至20のα−オレフィンが、単独或いはエチレンとの組合せで使用することができる。また、環状オレフィンとしては、エチレン系不飽和結合とビシクロ環とを有する脂環族炭化水素化合物、特に、ビシクロ[2、2、1]ヘプト−2−エン,テトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]−3−ドデセン等が好適であり、特に、エチレン−環状オレフィン共重合体が好適であるが、エチレン−環状オレフィン共重合体中の環状オレフィン含有量は10〜50モル%、特に、12〜45モル%であるのが好ましい。
さらに、上述した樹脂材料を用いて成形した後に、無機薄膜を被覆してもよい。無機薄膜としては、シリコン酸化物(SiOx)などが好ましく、公知のPVD法やCVD法で被覆することができる。
また、容器本体10や密封栓20に使用される樹脂材料には、ポリオキシエチレンアルキルアミン混合組成物,グリセリン脂肪酸エステル,直鎖脂肪酸飽和1価アルコールなどの帯電防止剤が配合されてもよい。
また、密封栓20に垂下して設けられた側壁部22の内側面には、吸湿剤40が保持されている。これによって、容器本体10に収容された内容物Mの乾燥状態を維持する吸湿機能が、密封栓20に付与される。
吸湿剤40は、低密度ポリエチレン(LDPE),線状低密度ポリエチレン(LLDPE),エチレン−アクリル酸共重合体(EAA),エチレン−アクリル酸エステル共重合体(EAE),エチレン−メタアクリル酸共重合体(EMAA)等のポリオレフィン系樹脂に、少なくともゼオライトなどの吸湿性素材を配合してなる樹脂材料を用いて所定の形状に成形することができる。例えば、図示するように、側壁部22と同軸の筒状に成形して、側壁部22の内側面に密着して保持されるようにすることができる。これにより、特別な保持手段を設けることなく、吸湿剤40を保持させることができる。また、側壁部22の内側面に密着して保持されるようにすることにより、吸湿剤40の外側面を側壁部22で保護することができ、吸湿剤40の内側面からの吸湿機能を優先的に発揮させることが可能である。
吸湿性素材として配合するゼオライトは、平均粒径が5〜70μmであるのが好ましい。70μmを超えると総表面積が小さくなり、所望の吸湿機能が得られ難くなってしまう傾向にある。一方、5μmに満たないと凝縮しやすく、径の大きい二次粒子が生じてしまい、かえって総表面積が小さくなってしまう傾向にある。また、ゼオライトの配合量は、0.1〜50重量%であるのが好ましい。50重量%を超えると、吸湿が大きすぎて発泡しやすくなってしまう傾向にある。一方、0.1重量%に満たないと、所望の吸湿機能が得られ難い傾向にある。
なお、吸湿剤40を形成する樹脂材料には、ゼオライトの他に、必要に応じて酸化防止剤、滑剤などの添加剤を適宜配合してもよい。
このような吸湿剤40によって密封栓20に吸湿機能を付与するにあたり、吸湿剤40の表面積は、容器本体10の開口部の開口面積よりも大きくなるようにするのが好ましい。これによって、密封栓20に付与される吸湿機能をより良好なものとすることができる。特に、吸湿剤40の表面積を大きくすることで、初期の吸湿速度を向上させることができ、これによって、内容物Mが吸湿してしまうよりも先に、吸湿剤40の吸湿機能を発揮させることが可能となる。
また、吸湿剤40の最大吸湿量は、吸湿剤40の厚みと表面積により決定され、用途に応じて、それぞれを自由に変更することが可能である。
また、特に図示しないが、吸湿剤40に内容物Mが直接触れるのを避けるために、少なくとも吸湿剤40の側壁部22の内側面に対向する側とは反対側の面を、吸湿剤40の吸湿機能を阻害しない程度の透湿性を有する表面保護層41で覆うようにすることもできる。このような表面保護層41は、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE),線状低密度ポリエチレン(LLDPE),エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA),エチレン−アクリル酸共重合体(EAA),エチレン−アクリル酸エステル共重合体(EAE),アイオノマー,エチレン−メタアクリル酸共重合体(EMAA)等のポリオレフィン系樹脂を用いて、厚さ5〜50μm程度に積層形成するのが好ましい。さらに、表面保護層41に使用する樹脂材料には、ポリオキシエチレンアルキルアミン混合組成物,グリセリン脂肪酸エステル,直鎖脂肪酸飽和1価アルコールなどの帯電防止剤が配合されてもよい。
また、密封栓20の基板21には貫通孔21aが穿設されているところ、この貫通孔21aは、密封栓20の基板21の天面側に取り付けられる第一のシール部材30によって閉塞されている。さらに、密封栓20の基板21から垂下する側壁部22の先端側にも、同様のシール部材31が取り付けられており、この第二のシール部材31によって側壁部22の先端開口部が閉塞されている。シール部材30,31としては、透湿性が低く、かつ、ガスバリヤー性にも優れたアルミニウム箔などの金属箔が好ましく用いられる。
このようにすることで、側壁部22の内側面に保持させた吸湿剤40が、シール部材30,31によって外部の環境から隔絶されるようになっている。このため、密封栓20が、その保管に際して通常の環境下にそのまま放置されるようなことがあったとしても、吸湿剤40の本来の吸湿機能が損なわれてしまうのを有効に回避することができる。
そして、容器本体10内には、前述したような穿孔部材15が取り付けられており、容器本体10の開口部を密封栓20で封止する際に、図3に示すように、穿孔部材15の穿孔部15bによって、側壁部22の先端側に取り付けられたシール部材31に通気孔31aが穿設され、これによって吸湿剤40の吸湿機能が発揮されるようになる。
ここで、図示する例では、吸湿剤40の軸方向の長さが、側壁部22の軸方向の長さよりも短くなるようにして、吸湿剤40と穿孔部15bとの干渉を避けているが、穿孔部15bが吸湿剤40の内側面側に入り込むような寸法関係になっていれば、そのような必要は特にない。このような場合には、吸湿剤40の軸方向の長さと、側壁部22の軸方向の長さとを等しくしてもよい。また、穿孔部15bによって、密封栓20の側壁部22の先端側に取り付けられたシール部材31に通気孔31aを穿設したときに、吸湿機能を備えた密封栓20との通気性を向上させるために、穿孔部15b側面には通気用の溝を設けても良い。
穿孔部材15を容器本体10内に取り付ける位置は、密封栓20との相対的な位置関係に基づいて決定されるのは前述した通りであるが、穿孔部材15を取り付ける位置は、容器本体10の開口部を密封栓20で封止する際に、穿孔部材51の穿孔部15bによって、側壁部22の先端側に取り付けられたシール部材31に通気孔31aを穿設することができる位置に適宜設定すればよい。
さらに、穿孔部材15は、密封栓20の側壁部22を容器本体10の開口部に挿入したときに、図2に示すように、シール部材31が穿孔部材15の穿孔部15bの先端に当接することによって、側壁部22の段面22cが容器本体10のフランジ部13の天面13aよりも上位となるように、容器本体10に対して密封栓20が浮き上がった状態となるような位置に取り付けるのが好ましい。これによって、容器本体10と、密封栓20との間に形成される空隙Cを通じて、容器本体10内を外部に連通させることができるが、これについては後述する。
また、密封栓20によって容器本体10の開口部が封止された密封容器1は、例えば、図4に示すように、注射針のような先端が鋭利な中空の筒状部材60を突き刺すなどして、シール部材30を切り裂くことによって開封することができる。そして、図示するように、シール部材30,31を貫通して容器内に挿入された筒状部材60を介して、吸引などすることによって内容物Mを取り出すことができる。これにより、従来のエラストマー製の栓で封止されたバイアルにおいて問題視されていた、異物(栓の削り片)の混入を有効に回避することができる。
ここで、図4は、密閉容器1から内容物Mを取り出す例を示す説明図である。密閉容器1から内容物Mを取り出すための具体的な態様としては、適当な溶媒に内容物Mを溶解させて吸引したりするなど、種々の態様が考えられる。
[凍結乾燥方法]
次に、上記したような密封容器1を好適に利用して実施される本発明に係る凍結乾燥方法の実施形態について説明する。
図5は、本発明に係る凍結乾燥方法の実施形態を示す工程図であり、図5中、凍結乾燥の過程で水分を含んだ状態で凍結された内容物を符号M(f)で示し、凍結した水分を昇華させて乾燥状態とした内容物を符号M(d)で示す。
本実施形態の凍結乾燥方法を実施するにあたっては、まず、密封容器1に保管しようとする内容物M(対象物質)を溶質として含む水溶液を用意し、これを容器本体10に注入する。次いで、容器本体10の開口部に密封栓20を挿入して、これらを減圧装置内に搬送し、所定の温度に冷却することによって、容器本体10に注入された水溶液を凍結させる。これにより内容物M(f)は、水分を含んだ状態で凍結される(図5(a)参照)。
次に、減圧下に処理して凍結した水分を昇華させる(図5(b)参照)。このとき、容器本体10の開口部に挿入された密封栓20は、前述したように、容器本体10に対して浮き上がったようになり、容器本体10と密封栓20との間に形成される空隙Cを通じて、容器本体10内が外部に連通した状態となっている。このため、昇華した水分の容器外への排出が妨げられることがない。
ここで、容器本体10の開口部に密封栓20を挿入する時期は、内容物Mを溶質として含む水溶液を凍結させた後であってもよく、凍結させた水分を昇華させる時点で、密封栓20が容器本体10の開口部に挿入されていれば、その時期は特に制限されない。
その後、窒素などの不活性ガスにより常圧に戻してから、密封栓20を打栓する。これによって、乾燥状態とされた容器内M(d)が容器内に密封され、これと同時に、穿孔部材15によってシール部材31に通気孔31aが穿設されて、ここで初めて吸湿剤40の吸湿機能が発揮される(図5(c)参照)。
このようにすることで、容器中で内容物Mを支障なく凍結乾燥し、そのまま密封して保管でき、凍結乾燥後に容器を移し替える必要もない。また、容器本体10の開口部を密封栓20で封止するまでは、吸湿剤40は外部の環境と隔絶されているため、内容物Mの保管に供される前に、その吸湿機能が損なわれてしまうこともない。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、前述した実施形態では、容器本体10の胴部11と、密封栓20に基板21から垂下して設けた側壁部22を円筒状としているが、これらは筒状である限り、角筒状であってもよい。
また、前述した実施形態では、穿孔部材15に設ける穿孔部15bは、軸対称に対向して二つとしたが、穿孔部15bを設ける数は任意である。ただし、シール部材31に穿設される通気孔の数が多くなると、シール部材31の断片が脱落して、内容物Mに混入しまうおそれがある。特に、図4に示すようにして内容物を取り出そうとする場合には、筒状部材60がシール部材31を貫通する際に、シール部材31の断片の脱落が生じることが考えられる。このため、穿孔部15bの具体的な形状や、穿孔部15bを設ける数は、内容物Mを取り出す際に使用することが想定される筒状部材60の口径などに応じて、シール部材31の断片の脱落が生じない程度に適宜設定するのが好ましい。
以上説明したように、本発明は、吸湿による品質の低下が懸念される内容物を保管する技術として、医薬品を内容物とする場合に限らず、食料品などの他の分野においても広く利用することができる。
本発明に係る密封栓の実施形態を示す概略斜視図である。 本発明に係る密封容器の実施形態を示す概略縦断面図である。 本発明に係る密封容器の実施形態を示す概略縦断面図である。 本発明に係る密封容器の実施形態において、内容物を取り出す例を示す説明図である。 本発明に係る凍結乾燥方法の実施形態を示す工程図である。
符号の説明
1 密封容器
10 容器本体
14 段部
15 穿孔部材
15a 基板
15b 穿孔部
20 密封栓
21 基板
21a 貫通孔
22 側壁部
22a 基部
30 シール部材(第一のシール部材)
31 シール部材(第二のシール部材)
31a 通気孔
40 乾燥剤
M 内容物

Claims (10)

  1. 乾燥させた内容物が収容される容器本体の開口部を封止するとともに、前記内容物の乾燥状態を維持する吸湿機能を有する密封栓であって、
    貫通孔が穿設された基板と、
    前記基板から筒状に垂下する側壁部と、
    前記側壁部の内側面に保持される吸湿剤と、
    前記基板の天面側に取り付けられて、前記貫通孔を閉塞する第一のシール部材と、
    前記側壁部の先端側に取り付けられて、前記側壁部の先端開口部を閉塞する第二のシール部材と
    を備えることを特徴とする密封栓。
  2. 打栓による封止が可能となるように、前記容器本体の開口部の内径に応じて、前記側壁部の前記基板側の基部の外径を設定した請求項1に記載の密封栓。
  3. 前記吸湿剤が、前記側壁部と同軸の筒状に成形されて、前記側壁部の内側面に密着して保持されるようにするとともに、
    前記吸湿剤の表面積が、前記容器本体の開口部の開口面積よりも大きくなるようにした請求項1又は2のいずれか1項に記載の密封栓。
  4. 少なくとも前記吸湿剤の前記側壁部の内側面に対向する側とは反対側の面を、透湿性の表面保護層で覆った請求項1〜3のいずれか1項に記載の密封栓。
  5. オレフィン系樹脂からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の密封栓。
  6. 前記吸湿剤が、少なくともとゼオライトを含有させたオレフィン系樹脂組成物からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の密封栓。
  7. 乾燥させた内容物が収容される容器本体と、前記容器本体の開口部を封止する密封栓とを有する密封容器であって、
    前記密封栓が、貫通孔が穿設された基板と、前記基板から筒状に垂下する側壁部と、前記側壁部の内側面に保持される吸湿剤と、前記基板の天面側に取り付けられて、前記貫通孔を閉塞する第一のシール部材と、前記側壁部の先端側に取り付けられて、前記側壁部の先端開口部を閉塞する第二のシール部材とを備えるとともに、
    前記容器本体には、前記容器本体内の所定の高さ位置に穿孔部材が取り付けられており、
    封止に際して、前記穿孔部材によって前記第二のシール部材に通気孔が穿設されるようにしたことを特徴とする密封容器。
  8. 前記穿孔部材が、環状の基板と、前記基板から先細り状に立ち上がる穿設部とを有している請求項7に記載の密封容器。
  9. 前記容器本体の内側面に周方向に沿って段部を形成し、前記段部に前記穿孔部材を支持させた請求項7又は8のいずれか1項に記載の密封容器。
  10. 内部に穿孔部材が取り付けられた容器本体に、対象物質を溶質として含む水溶液を注入する工程、
    貫通孔が穿設された基板と、前記基板から筒状に垂下する側壁部と、前記側壁部の内側面に保持される吸湿剤と、前記基板の天面側に取り付けられて、前記貫通孔を閉塞する第一のシール部材と、前記側壁部の先端側に取り付けられて、前記側壁部の先端開口部を閉塞する第二のシール部材とを備え、打栓による封止が可能とされた密封栓を、前記第二のシール部材が前記穿孔部材に当接して前記容器本体に対して浮き上がった状態となるように、前記容器本体の開口部に挿入する工程、
    前記水溶液を凍結させる工程、
    減圧下に処理して凍結した水分を昇華させる工程、
    前記密封栓を打栓して、前記容器本体の開口部を封止する工程
    を有することを特徴とする凍結乾燥方法。
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