JP2004099057A - 内容物未充填包装容器、充填方法及び充填装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】予め酸素吸収性物質が含有されていても、内容物を充填する製品の製造業者が酸素吸収性能を発現させる必要がない内容物未充填包装容器を得る。
【解決手段】内容物未充填包装容器は、酸素バリア性包装材で構成された内容物未充填の包装容器であって、酸素吸収性物質が、酸素吸収性能が発現した状態で且つ容器内酸素を吸収可能な形態で、酸素バリア性包装材と一体化されているとともに、該包装容器が密封されており、且つ開封および開封後の再密封が可能に形成されていることを特徴とする。酸素吸収性物質は自力反応型の酸素吸収性物質であることが好ましい。内容物未充填包装容器としては、シール層を有する包装袋または蓋材を有する包装容器を用いることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】内容物未充填包装容器は、酸素バリア性包装材で構成された内容物未充填の包装容器であって、酸素吸収性物質が、酸素吸収性能が発現した状態で且つ容器内酸素を吸収可能な形態で、酸素バリア性包装材と一体化されているとともに、該包装容器が密封されており、且つ開封および開封後の再密封が可能に形成されていることを特徴とする。酸素吸収性物質は自力反応型の酸素吸収性物質であることが好ましい。内容物未充填包装容器としては、シール層を有する包装袋または蓋材を有する包装容器を用いることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内容物未充填包装容器、充填方法及び充填装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、包装袋や包装容器などの各種包装容器内の内容物の劣化等を防止するために、例えば、酸素吸収性物質を内包する小袋(いわゆる「脱酸素剤」又は「酸素吸収剤」)が用いられている。しかし、内容物が食品や菓子など飲食物の場合、単に小袋状の脱酸素剤を包装容器中に投入しただけでは、消費者が脱酸素剤を誤食する危険性があるため、小袋状の脱酸素剤を包装袋、包装容器の本体やその蓋などの内面に粘着剤等を用いて貼付することが提案されている。しかし、いずれにせよ、小袋状の脱酸素剤を用いる方法では、内容物の充填前後又はその途中で、小袋状の脱酸素剤を包装容器内に投入する又は貼付する作業が必要であり、そのため、投入し忘れたり、複数個投入したりする等の投入ミスが生じる可能性がある。さらには、内容物が液体の場合は、小袋状の脱酸素剤中の酸素吸収性物質の溶出等の危険性があるので、使用することができないという問題がある。
【0003】
一方、包装袋や包装容器などの各種包装容器として酸素吸収性物質を含有する層を有するものが提案されており、例えば、酸素透過性で且つ非通気性の熱接着性樹脂からなるシール層、および酸素吸収物質を混合した接着剤層を備えた酸素吸収能を有する包装材料が開示されており、前記酸素吸収物質としては水をトリガーとして反応を開始するものが好適に用いられている(特許文献1参照)。また、少なくとも、光により活性化される固体触媒とラジカル捕捉剤とを含有する組成物から成り、紫外線を照射することにより酸素吸収性能が発現する酸素吸収剤を、熱可塑性樹脂中に分散させて成る酸素吸収性樹脂組成物の層を備えている包装材料が提案されている(特許文献2参照)。このような包装材料による包装容器では、包装容器の内面も外気にさらされるので、包装容器内に内容物を充填して密封するまでの間に酸素吸収性が消失しないように、酸素吸収性物質として、その酸素吸収性能を発現させるためのトリガー(例えば、水や光など)を必要とするものが用いられている。しかし、例えば、水をトリガーとする場合、内容物中の水分をトリガーとして利用することができるが、内容物としては水分を含んでいることが必要となり、内容物に制限が生じる。また、光をトリガーとする場合、内容物の充填の際に又はその前後で光(紫外線など)を照射することが必要となり、通常、包装容器中に内容物を充填して製品を製造する業者が、光を照射して酸素吸収性物質の酸素吸収性能を発現させている。
【0004】
なお、前記酸素吸収物質を混合した接着剤層を備えた酸素吸収能を有する包装材料では、酸素吸収物質は接着剤層中に含有されているため、この酸素吸収物質としては、実際には、接着剤層の接着性能を阻害しないように、その種類、使用量、使用態様(例えば、粉末や担持体に吸着された態様、マイクロカプセル中に内包された態様など)などに制限が生じている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−190960号公報
【特許文献2】
特開2000−316547号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、包装容器中に予め酸素吸収性物質が含有されていても、内容物が充填された製品を製造する業者が、酸素吸収性物質の酸素吸収性能を発現させる必要がない内容物未充填包装容器、充填方法及び充填装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、さらに、液状、固形状のいずれの状態の内容物であっても充填可能な内容物未充填包装容器、充填方法及び充填装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、さらに、酸素吸収性物質を、その種類にかかわらず用いることができる内容物未充填包装容器、充填方法及び充填装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、酸素バリア性包装材で構成された内容物未充填の包装容器として、酸素吸収性物質を、酸素吸収性能が発現した状態で且つ容器内酸素を吸収可能な形態で、酸素バリア性包装材と一体化し、さらに、該包装容器を密封するとともに、開封および開封後の再密封が可能な構成の包装容器とすると、該包装容器に内容物が充填された製品を製造する業者が、酸素吸収性物質の酸素吸収性能を発現させる必要がなく、しかも、内容物が液状であっても固形状であっても用いることができ、さらに、酸素吸収性物質として、酸素吸収性能の発現に際して水や光などのトリガーを必要とする酸素吸収性物質であっても、トリガーを必要としない酸素吸収性物質であっても用いることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、酸素バリア性包装材で構成された内容物未充填の包装容器であって、酸素吸収性物質が、酸素吸収性能が発現した状態で且つ容器内酸素を吸収可能な形態で、酸素バリア性包装材と一体化されているとともに、該包装容器が密封されており、且つ開封および開封後の再密封が可能に形成されていることを特徴とする内容物未充填包装容器を提供する。
【0009】
前記酸素吸収性物質としては、自力反応型の酸素吸収性物質を好適に用いることができる。
【0010】
また、本発明は、水蒸気バリア性包装材で構成された内容物未充填の包装容器であって、吸湿性物質が、吸湿性能が発現した状態で且つ容器内水蒸気を吸収可能な形態で、水蒸気バリア性包装材と一体化されているとともに、該包装容器が密封されており、且つ開封および開封後の再密封が可能に形成されていることを特徴とする内容物未充填包装容器を提供する。
【0011】
前記内容物未充填包装容器は、シール層を有する包装袋または蓋材を有する包装容器であってもよい。
【0012】
本発明は、また、前記内容物未充填包装容器に内容物を充填する充填方法であって、前記内容物未充填包装容器を開封させて内容物を充填した後に、再密封することを特徴とする充填方法を提供する。本発明は、さらにまた、前記内容物未充填包装容器に内容物を充填する充填装置であって、前記内容物未充填包装容器を開封する開封手段と、開封された内容物未充填包装容器に内容物を充填する充填手段と、内容物が充填された内容物未充填包装容器を再密封する密封手段とを有することを特徴とする充填装置を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一部材又は部位については同一の符号を付している場合がある。
[内容物未充填包装容器]
図1は本発明の内容物未充填包装容器の一例を示す概略断面図である。図1において、内容物未充填包装容器としてのシール層を有する内容物未充填包装袋(単に「内容物未充填包装袋」と称する場合がある)1は、スタンディングパウチの形態を有しており、シール部6cでシール層5を利用してシールされて密封されている。内容物未充填包装袋1の底部6aはガゼット部であり、外面から内面へ、酸素バリア性包装材による酸素バリア性層2、酸素透過性層4の順で形成された層構成を有しており、酸素バリア性層2と酸素透過性層4との間に酸素吸収性能が発現している状態の酸素吸収性物質3が含有されている。なお、酸素透過性層4は内容物未充填包装袋1の内側に露出した形態となっている。また、内容物未充填包装袋1の側部6bは、外面から内面へ、酸素バリア性包装材による酸素バリア性層2、シール層5の順で形成された層構成を有している。
【0014】
図2は本発明の内容物未充填包装容器の他の例を示す概略断面図である。具体的には、図2において、(a)は内容物未充填包装容器の全体像を示す概略断面図であり、(b)は側部61bの要部の概略拡大図であり、(c)は口部61cと酸素バリア性蓋材7との要部の概略拡大図である。図2において、内容物未充填包装容器としての蓋材を有する内容物未充填包装容器(「蓋材付き内容物未充填包装容器」と称する場合がある)11は、容器本体11aと酸素バリア性蓋材7とにより構成されており、前記酸素バリア性蓋材7により容器本体11aの口部61cで密封されている。蓋材付き内容物未充填包装容器11の底部61aおよび側部61bでは、外面から内面へ、酸素バリア性包装材による酸素バリア性層21、酸素透過性層41の順で形成された層構成を有しており、酸素バリア性層21と酸素透過性層41との間に酸素吸収性能が発現している状態の酸素吸収性物質31が含有されている。
【0015】
このように、本発明の内容物未充填包装容器は、酸素バリア性包装材による酸素バリア性層と、該酸素バリア性層の内面側に少なくとも部分的に且つ包装容器の内側に露出した形態で設けられた酸素透過性層とを有しているとともに、酸素吸収性物質が前記酸素バリア性層と前記酸素透過性層との間に含有されることにより酸素バリア性層と一体化されており、該酸素吸収性物質は酸素吸収性能が発現した状態を有し且つ容器内酸素を吸収可能な形態を有している。また、内容物未充填包装容器として、例えば、内容物未充填包装袋については該包装袋の側部に設けられているシール層により、一方、蓋材付き内容物未充填包装容器については酸素バリア性蓋材により、内容物の充填前に予め密封することができる。さらに、開封させて内容物を充填した後は、例えば、内容物未充填包装袋については前記シール層を利用して、一方、蓋材付き内容物未充填包装容器については前記酸素バリア性蓋材を利用して、再密封可能な構成とすることができる。なお、開封した後、別の酸素バリア性蓋材によって再密封してもよい。
【0016】
このように、本発明の内容物未充填包装容器は、酸素吸収性物質が酸素吸収性能を発現している状態で且つ容器内酸素を吸収可能な形態で、酸素バリア性包装材と一体化されているので、酸素吸収性物質がトリガーを必要とするものであっても、内容物を前記内容物未充填包装容器内に充填して製品を製造する業者は、酸素吸収性物質の酸素吸収性能を発現させる必要がない。もちろん、小袋状の脱酸素剤を投入する必要もなく、そのため、投入し忘れ等の投入ミスが生じない。しかも、酸素吸収性物質は酸素バリア性包装材と一体化されているので、内容物が食品や菓子などの飲食物である場合、小袋状の脱酸素剤のように、消費者が誤って食べる危険性もない。
【0017】
特に、酸素吸収性物質は、すでに酸素吸収性能が発現している状態となっているので、酸素吸収性能の発現に際して水や光などのトリガーを必要とする酸素吸収性物質であっても、トリガーを必要としない酸素吸収性物質(自力反応型の酸素吸収性物質)であっても、その種類にかかわらず用いることができる。例えば、酸素吸収性能の発現に際してトリガーを必要とする酸素吸収性物質の場合、内容物未充填包装容器を形成する際の密封時又はその前後で、各種トリガー(水、光など)により酸素吸収性物質の酸素吸収性能を発現させることができる。
【0018】
また、酸素吸収性物質は酸素透過性層により被覆された形態で酸素バリア性包装材と一体化することができるので、酸素透過性層を適宜選択することにより、酸素吸収性物質の溶出等による内容物への混入を防止することができる。そのため、内容物未充填包装容器中に充填する内容物としては特に制限がなく、液状のものであっても、固形状のものであっても用いることができる。
【0019】
しかも、内容物未充填包装容器は、密封され且つ酸素バリア性包装材により内部への酸素の透過が防止されているので、内容物を充填するまでの保管又は保存が容易で、例えば、空気雰囲気中で保管することができる。なお、予め酸素吸収性能が発現されている酸素吸収性物質は、保管中に、密封された際の内容物未充填包装容器中に存在する酸素と、酸素バリア性包装材を通る微量の酸素との量に相当する分だけ酸素吸収性能が減少するので、内容物未充填包装容器の内容積から存在しうる酸素の量を算出して、酸素吸収性物質の使用量を調整することにより、内容物の充填時における酸素吸収性物質の酸素吸収性能の能力を調整することができる。
【0020】
図1で示される内容物未充填包装袋1は、内容物未充填包装袋の構造を容易に説明するために、その内部に空気等の気体成分が存在している状態で図示されているが、この空気等の気体成分(特に、酸素成分)は減少させたり取り除いたりすることができる。なお、内容物未充填包装容器袋1の内部に気体成分を存在させた状態で密封する場合や、蓋材付き内容物未充填包装容器11を用いる場合では、窒素置換等により、内部の酸素の割合を減少させることが好ましい。
【0021】
図1の酸素バリア性層2は、酸素バリア性包装材により形成され、内容物未充填包装容器の外部から内部への酸素の透過を防止する等のために用いられている。酸素バリア性層2は、例えば、内容物未充填包装袋の全面的に設けることができる。酸素バリア性包装材としては、酸素の透過を防止することができる酸素バリア性基材であれば特に制限されない。酸素バリア性包装材としては、例えば、酸素バリア性樹脂によるフィルム、酸素バリア性樹脂を各種基材にコーティングした酸素バリア性樹脂コーティング層含有基材、金属系化合物(例えば、アルミニウム等の金属単体や合金など)による金属箔、金属系化合物(例えば、アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなど)を各種基材に蒸着させた金属蒸着層含有基材などが挙げられ、酸素バリア性樹脂によるフィルムが好適である。酸素バリア性包装材は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。また、酸素バリア性層は、酸素バリア性樹脂等の外面側にポリエチレンテレフタレート等のフィルムを積層して用いるとよい。
【0022】
図2の酸素バリア性層21は、蓋材付き内容物未充填包装容器の容器本体の全面的に設けることができる。容器本体に用いる酸素バリア性包装材としては、前記と同様のものを用いることができ、酸素バリア性樹脂によるフィルムが好ましい。
【0023】
前記酸素バリア性樹脂としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド系樹脂[例えば、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6/6,6共重合体、メタキシリレンアジパミド(MXD6)など]、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコールなどの酸素バリア性を有する熱可塑性樹脂を好適に用いることができる。酸素バリア性樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0024】
酸素バリア性包装材の厚みは、特に制限されない。内容物未充填包装袋の場合、酸素バリア性包装材の厚みは、例えば、5μm以上(例えば、5〜25μm、好ましくは7〜15μm)程度の範囲から選択することができる。また、蓋材付き内容物未充填包装容器の場合、酸素バリア性包装材の厚みは、例えば、5μm以上(例えば、5〜30μm、好ましくは7〜20μm)程度の範囲から選択することができる。酸素バリア性包装材の厚みが薄すぎると酸素バリア性が低下する。
【0025】
なお、図1で示されるように、内容物未充填包装容器が側部と底部などの複数の部位から構成されている場合、各酸素バリア性包装材はそれぞれ同一の素材から形成されていてもよく、異なる素材から形成されていてもよい。
【0026】
本発明では、酸素吸収性物質は、酸素吸収性能が発現した状態で且つ容器内酸素を吸収可能な形態で、酸素バリア性包装材と一体化されていれば、その構成は特に制限されない。酸素吸収性物質が前記条件で酸素バリア性包装材と一体化された構成としては、例えば、酸素バリア性包装材と、酸素透過性基材との間に形成されている層(例えば、接着剤層や熱可塑性樹脂層など)中に酸素吸収性物質が含有されている構成、接着等により酸素バリア性包装材に接着されている袋状の酸素透過性材に、酸素吸収性物質が内包されている構成などが挙げられるが、図1や図2で示されるように、単に、酸素バリア性包装材と、酸素透過性材との間に含有されている構成が好適である。なお、酸素吸収性物質の酸素バリア性包装材との一体化に際しては、酸素バリア性包装材の内面側に部分的又は全面的に一体化した構成とすることができる。
【0027】
図1や図2の酸素透過性層(4,41)は、酸素バリア性層との間に含有されている酸素吸収性物質を保持するとともに、内容物未充填包装容器の内部の酸素を透過させて酸素吸収性物質に吸収させる等のために用いられている。酸素透過性層は酸素吸収性物質を被覆する部位に少なくとも設けることができる。酸素透過性層は、酸素を透過することができる酸素吸収性基材により形成することができる。なお、酸素吸収性基材としては、酸素吸収性物質を透過させず保持することができるものが好ましい。酸素透過性基材としては、例えば、酸素透過性を有する樹脂(「酸素透過性樹脂」と称する場合がある)等が挙げられる。酸素透過性基材は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。酸素透過性基材としては、酸素透過性樹脂によるフィルムを好適に用いることができる。
【0028】
前記酸素透過性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、ポリメチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマーなどのオレフィン系樹脂を好適に用いることができる。酸素透過性樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0029】
酸素透過性基材の厚みは、特に制限されず、内容物未充填包装袋の場合は、例えば、20〜100μm(好ましくは30〜80μm)程度であり、蓋材付き内容物未充填包装容器の容器本体の場合は、例えば、30〜500μm程度である。酸素透過性基材の厚みが薄すぎると、酸素吸収性物質の保持性が低下し、一方、厚すぎると酸素透過性が低下する。
【0030】
図1や図2の酸素吸収性物質(3,31)としては、特に制限されず、有機系の酸素吸収性物質、無機系の酸素吸収性物質のいずれであってもよい。酸素吸収性物質は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0031】
有機系の酸素吸収性物質としては、例えば、アスコルビン酸又はその誘導体、トコフェロール(α−トコフェロール、β−トコフェロールなど)又はその誘導体、脂肪酸などを用いることができる。なお、反応促進剤を併用することができる。
【0032】
また、有機系の酸素吸収性物質としては、多価フェノールを骨格内に有する高分子化合物(例えば、多価フェノール含有フェノール・アルデヒド系樹脂など)や、樹脂自体が酸素吸収性を有するもの[例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等の共役ジエン系ポリマー;ポリプロピレン、エチレン−一酸化炭素共重合体等のオレフィン系ポリマー;ポリアミド6、ポリアミド12、メタキシリレンアジパミド(MXD6)等のポリアミド系ポリマーなど]などの酸化性を有する樹脂などを用いることができる。なお、該酸化性を有する樹脂を用いる場合、コバルト、ロジウムや銅等の遷移金属を含む有機酸塩類などの酸化触媒や、ベンゾフェノン、アセトフェノン、クロロケトン類等の光増感剤を併用することができる。
【0033】
さらにまた、有機系の酸素吸収性物質として、公知乃至慣用の酵素系酸素吸収性物質を用いることができる。
【0034】
無機系の酸素吸収性物質としては、還元性を有する金属単体(例えば、還元性鉄、還元性亜鉛、還元性錫など)、還元性金属化合物(例えば、炭化鉄、ケイ素鉄、水酸化鉄(II)、鉄カルボニル系錯体等の還元性鉄系化合物など)、金属低位酸化物(例えば、酸化鉄(II)、四酸化鉄(III)鉄(II)等の鉄系低位酸化物など)などが挙げられる。
【0035】
酸素吸収性物質としては、自力反応型の酸素吸収性物質であってもよく、トリガーにより酸素吸収性能が発現される酸素吸収性物質(例えば、水分依存型の酸素吸収性物質や、紫外線等の光により酸素吸収性能が発現される酸素吸収性物質など)であってもよい。例えば、水分依存型の酸素吸収性物質の場合、酸素吸収性物質を水溶液状態で用いることもできる。具体的には、水分依存型の酸素吸収性物質としてのアスコルビン酸は、アスコルビン酸水溶液として用いることができ、前記アスコルビン酸水溶液のアスコルビン酸の濃度としては、例えば、5〜25重量%(好ましくは5〜15重量%)程度の範囲から選択することができる。なお、アスコルビン酸水溶液中では、アスコルビン酸は、中和されていることが好ましい。アスコルビン酸の中和に際しては、水酸化アンモニウムなどの各種塩基性化合物等を用いることができる。また、アスコルビン酸水溶液は、樹脂等の微粉末に含浸させた状態で用いることもできる。
【0036】
酸素吸収性物質の使用態様は、特に制限されず、酸素吸収性物質の種類などに応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂中に添加し、フィルム状に成形したり、液状、固形状、他の物質に担持されている態様、マイクロカプセル中に内包されている態様などが挙げられる。
【0037】
また、酸素吸収性物質の使用量としては、特に制限されず、酸素吸収性物質の種類、内容物未充填包装容器の内容量、目的とする酸素吸収量などに応じて適宜選択することができる。
【0038】
(シール層)
図1で示される内容物未充填包装袋において、シール層5は、袋状の形態になるように所定部位をシールするために用いられている。シール層は、ヒートシール性を有する樹脂(「ヒートシール性樹脂」と称する場合がある)により形成されていることが好ましい。該ヒートシール性樹脂は、ヒートシール可能な(熱融着可能な)樹脂であれば特に限定されない。ヒートシール性樹脂の代表的な例としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。このシール層を形成するためのポリオレフィン系樹脂は、前記酸素透過性層を形成するためのポリオレフィン系樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
【0039】
従って、内容物未充填包装袋では、ポリオレフィン系樹脂を用いて酸素透過性層とシール層と形成することができるので、酸素透過性層上にシール層が形成されていなくても、酸素透過性層によるシール性を利用してヒートシールすることができ、例えば、スタンディングパウチの形態の内容物未充填包装袋における底部の酸素透過性層と、側部のシール層とをヒートシールすることができる。
【0040】
シール層の厚みは、例えば、10〜100μm(好ましくは40〜80μm)程度の範囲から選択することができる。シール層は、例えば、押出しラミネーション、ドライラミネーションなどの公知乃至慣用の積層方法を用いて形成することができる。
【0041】
なお、シール層は公知乃至慣用の粘着剤等により形成することもできる。
【0042】
図2で示される蓋材付き内容物未充填包装容器において、酸素バリア性蓋材7は、酸素バリア性を有する蓋材であれば特に制限されない。酸素バリア性蓋材としては、例えば、酸素バリア性樹脂により形成することができ、具体的には、酸素バリア性樹脂を射出成形等の公知乃至慣用の成形方法により成形された蓋材や、酸素バリア性樹脂を各種基材にコーティングした酸素バリア性樹脂コーティング層を有する基材からなる蓋材などが挙げられる。このような酸素バリア性樹脂としては、前記酸素バリア性層を形成する酸素バリア性樹脂と同様のものが挙げられる。また、アルミニウム等の金属を成形した蓋材であってもよい。
【0043】
なお、酸素バリア性蓋材は、内容物を充填するまでの間のみ使用されるものであってもよく、また、内容物を充填した後の最終的な製品でも使用可能なものであってもよい。また、図2で示されているようなスクリューキャップに限らず、容器本体の口部にヒートシールにより密封する形態のラミネートフィルムからなるシール蓋でも良い。
【0044】
また、酸素バリア性蓋材としては、酸素吸収性物質が、酸素吸収性能が発現した状態で且つ容器内酸素を吸収可能な形態で、酸素バリア性蓋材と一体化されているものを用いることも可能である。
【0045】
本発明では、内容物未充填包装容器は、前記構成を有し且つ本発明の作用・効果を阻害しなければ、さらに他の層(例えば、他の積層フィルムや樹脂層、オーバーコート層、アンカーコート層、プライマーコート層など)を有していてもよい。
【0046】
本発明では、酸素バリア性包装材の素材としてポリアミド系樹脂やエチレン−ビニルアルコール共重合体などの酸素バリア性樹脂を用い、且つ酸素吸収性物質として有機系の酸素吸収性物質を用いることにより、非金属系の材料のみからなる内容物未充填包装容器を作製することができる。従って、この場合は、内容物が充填された内容物未充填包装容器について、金属探知検査により、金属類の混入を検査することが可能となり、内容物未充填包装容器に食品等の内容物が充填された製品の安全性を高めることができる。
【0047】
本発明の内容物未充填包装容器は、各種形態の包装容器(例えば、シール層を有する包装袋や、蓋材を有する包装容器など)として利用することができる。シール層を有する包装袋としては、例えば、底部又は側部にガゼット部を有するパウチ類(スタンディングパウチ類など)、1枚の包装フィルムを半分に折り三方をシールした包装形態(三方シール形態)のパウチ類、2枚の包装フィルムを合わせて四方をシールした包装形態(四方シール形態)のパウチ類などが挙げられる。蓋材を有する包装容器としては、例えば、蓋付きチューブ容器、蓋付きカップ、蓋付きボトルなどが挙げられる。また、容器本体をブロー成形等で成形し、口部上方を熱融着により密閉することにより、別体の蓋を用いることなく一体成形された密閉部分で密封することが可能な形態の容器であっても良い。
【0048】
内容物未充填包装容器の作製方法としては、特に制限されず、公知乃至慣用の方法を利用して作製することができる。内容物未充填包装容器が、図1に示されるようなスタンディングパウチの形態を有する包装袋である場合、例えば、外面から内面へ、酸素バリア性層、酸素透過性層の層構成を有し、且つ該両層の間に酸素吸収性物質を含有しているガゼット部用積層体と、外面から内面へ、酸素バリア性層、シール層の層構成を有する側部用積層体とを、スタンディングパウチの形態となるように配置して、ガゼット部用積層体と側部用積層体とが合わせられた部位と、側部用積層体の上部のシール部位とを、シールすることにより密封して作製することができる。なお、必要に応じて、密封する前に、包装袋内を吸引したりや窒素置換したりすることができる。
【0049】
また、内容物未充填包装容器が、図2に示されるような蓋付き包装容器である場合、例えば、外側から内側にポリエチレン系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、酸素吸収性物質含有のポリエチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂をこの順に積層させた状態で筒状に溶融押出しし、成形型内でエアーを吹込みブロー成形して、容器本体を作製し、酸素バリア性蓋材により蓋をして密封することにより、作製することができる。なお、必要に応じて、密封する前に、包装容器内を窒素置換することができる。
【0050】
前述では、酸素吸収性物質が酸素バリア性包装材と一体化された形態の内容物未充填包装容器を説明したが、本発明では、酸素吸収性物質に代えて、吸湿性物質を用いるとともに、酸素バリア性包装材に代えて、水蒸気バリア性包装材(防湿性包装材)を用いて、内容物未充填包装容器を作製することができる。このような内容物未充填包装容器は、吸湿性物質によって、容器内が乾燥又は調湿された状態又は形態の防湿性又は調湿性容器として利用できる。
【0051】
なお、吸湿性物質としては、特に制限されず、公知の吸湿性物質(例えば、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸コバルト、シリカゲル、ゼオライト等の無機系吸湿性物質や、これらを含有した樹脂組成物など)を適宜選択して使用することができる。また、水蒸気バリア性包装材(防湿性包装材)としては、特に制限されないが、包装袋の場合は、アルミニウム等の金属箔、酸化ケイ素の蒸着フィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニリデンコーティングフィルムなどを好適に用いることができ、ボトル等の成形容器の場合は、高密度ポリエチレンやポリプロピレンなどを好適に用いることができる。
【0052】
このような防湿性又は調湿性容器としては、例えば、水蒸気バリア性層と、該水蒸気バリア性層の内面側に少なくとも部分的に且つ容器の内側に露出した形態で設けられた水蒸気透過性層とを有しているとともに、吸湿性物質が前記水蒸気バリア性層と水蒸気透過性層との間に含有されることにより水蒸気バリア性層と一体化されており、該吸湿性物質は吸湿性能が発現した状態を有し且つ容器内水蒸気を吸収可能な形態の容器が挙げられる。なお、この場合の内面側に設ける水蒸気透過性層としては、水蒸気バリア性層に比べて水蒸気透過性が高いものを使用する。
【0053】
本発明の内容物未充填包装容器に充填する内容物(被包装物)としては、特に制限されず、液状物、半液状物、固形状物などのいずれの形態を有するものであってもよい。内容物としては、例えば、食品、菓子、飲料、医薬品、化粧品などが挙げられる。
【0054】
本発明では、前記内容物未充填包装容器の内部に内容物を充填する方法としては、特に制限されず、従来の充填方法を利用することができるが、内容物を充填する前に、内容物未充填包装容器を開封することが必要である。具体的には、例えば、内容物未充填包装容器が図1で示される内容物未充填包装袋である場合、図3で示されるような方法により内容物を充填することができる。図3は本発明の内容物未充填包装容器を用いた充填方法の一例を示す概略図であり、(a)は図1と同様の内容物未充填包装容器を示し、(b)は(a)の内容物未充填包装容器を開封させて、内容物を充填する例を示し、(c)は内容物を充填した後に、再密封する例を示している。図3では、内容物未充填包装容器を開封させて、内容物を充填した後に、再密封することにより、内容物を内容物未充填包装容器に充填して密封している。このように、本発明の内容物未充填包装容器を用いた充填方法は、従来の充填方法に、内容物を充填する工程の前に内容物未充填包装容器を開封させるという簡単な工程が加わっただけである。
【0055】
従って、内容物を内容物未充填包装容器の内部に充填する装置としては、例えば、前記内容物未充填包装容器を開封する開封手段と、開封された内容物未充填包装容器に内容物を充填する充填手段と、内容物が充填された内容物未充填包装容器を再密封する密封手段とを有する充填装置が挙げられる。前記開封手段としては、特に制限されず、密封した密封方法などに応じて適宜選択することができ、例えば、カッター等の切断機による開封手段や、蓋材を取り外す蓋材取り外し機による開封手段などを用いることができる。また、充填手段としては、充填する内容物の種類などに応じて適宜選択することができ、例えば、公知乃至慣用の充填機などによる充填手段を用いることができる。さらにまた、密封手段としては、内容物未充填包装容器などに応じて適宜選択することができ、例えば、熱シール等の熱シール機による密封手段や、蓋材を取り付ける蓋材取り付け機による密封手段などを用いることができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明の内容物未充填包装容器によれば、酸素吸収性物質が、酸素吸収性能が発現した状態で且つ容器内酸素を吸収可能な形態で、酸素バリア性包装材と一体化されているので、内容物が充填された製品を製造する業者が、酸素吸収性物質を内容物未充填包装容器内に入れる必要がなく、投入し忘れ等の投入ミスが生じない。また、酸素吸収性物質がその酸素吸収性能の発現に際してトリガーを必要とするものであっても、酸素吸収性能が発現した状態で用いられているので、内容物が充填された製品を製造する業者が、酸素吸収性物質の酸素吸収性能を発現させる必要がない。しかも、酸素吸収性物質は酸素バリア性包装材と一体化されているので、内容物が飲食物である場合、小袋状の脱酸素剤のように、消費者が誤って食べる危険性がない。
【0057】
また、酸素吸収性物質は酸素透過性層により被覆された形態で酸素バリア性包装材と一体化することができるので、内容物としては、液状、固形状のいずれの状態のものであっても充填可能である。
【0058】
さらに、酸素吸収性物質は、すでに酸素吸収性能が発現している状態となっているので、酸素吸収性能の発現に際して水や光などのトリガーを必要とする酸素吸収性物質、トリガーを必要としない酸素吸収性物質のいずれであっても、その種類にかかわらず用いることができる。
【0059】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
二軸延伸ポリアミド系樹脂フィルム(厚み15μm)、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(厚み15μm)、およびプロピレン−エチレン共重合体の未延伸フィルム(厚み30μm)をこの順でドライラミネート法によって積層した積層フィルムと、プロピレン−エチレン共重合体の未延伸フィルム(厚み50μm)とを、3方シールして袋状のシートを作製した後、該袋状のシートに、開口部から濃度:23重量%の中和したアスコルビン酸水溶液を25g入れた後、残る1方をシールして、スタンディングパウチの底部(ガゼット部)となるフィルム積層体を作製した。
【0060】
また、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、ドライラミネート法により、ポリエステルウレタン系の二液反応型接着剤を用いて、エチレン−ビニルアルコール共重合体層(厚み15μm)、二軸延伸ポリアミド系樹脂フィルム(厚み15μm)を順次積層し、その後、プロピレン−エチレン共重合体の未延伸フィルムをドライラミネート法により積層して、ヒートシール層(厚み50μm)を形成して、スタンディングパウチの側部に利用するフィルム積層体を作製した。
【0061】
前記側部に利用するフィルム積層体2枚をヒートシール層同士が接触するように重ね合わせ、シール層の端部と、2つ折りにした前記底部となるフィルム積層体のシール層の端部とが5mmの幅で接触するように、側部となるフィルム積層体と底部となるフィルム積層体とを重ね合わせて、シールし、(内部に微量の空気が入っている状態で)さらに開口している上部をシールして、密封されたスタンディングパウチ(内容積:約200ml)を作製した。このスタンディングパウチを内容物未充填包装袋Aと称する。
【0062】
前記内容物未充填包装袋Aを30日間保存した後、開封して、スタンディングパウチ内部の酸素濃度を測定したところ、0.05%以下であった。
【0063】
また、前記内容物未充填包装袋Aを30日間保存した後、開封し、すぐに、市販のハムを入れ、さらにすぐに、上部をシールして密封させて、ハムが充填されたスタンディングパウチを作製した。このハム充填スタンディングパウチを30日間保存した後、開封してハムを取り出したところ、ハムはほとんど劣化しておらず、充填前の新鮮さを保持していた。なお、ハムを取り出す直前のスタンディングパウチ内の酸素濃度を測定したところ、0.05%以下であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内容物未充填包装容器の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の内容物未充填包装容器の他の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の内容物未充填包装容器を用いた充填方法の一例を示す概略図であり、(a)は図1と同様の内容物未充填包装容器を示し、(b)は(a)の内容物未充填包装容器を開封させて、内容物を充填する例を示し、(c)は内容物を充填した後に、再密封する例を示している。
【符号の説明】
1 内容物未充填包装袋
11 蓋材付き内容物未充填包装容器
11a 容器本体
2 酸素バリア性層
21 酸素バリア性層
3 酸素吸収性能が発現している酸素吸収性物質
31 酸素吸収性能が発現している酸素吸収性物質
4 酸素透過性層
41 酸素透過性層
5 シール層
6a 内容物未充填包装袋1の底部
6b 内容物未充填包装袋1の側部
6c シール部
61a 蓋材付き内容物未充填包装容器11の底部
61b 蓋材付き内容物未充填包装容器11の側部
61c 容器本体の口部
7 酸素バリア性を有する蓋材(酸素バリア性蓋材)
8 内容物
【発明の属する技術分野】
本発明は、内容物未充填包装容器、充填方法及び充填装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、包装袋や包装容器などの各種包装容器内の内容物の劣化等を防止するために、例えば、酸素吸収性物質を内包する小袋(いわゆる「脱酸素剤」又は「酸素吸収剤」)が用いられている。しかし、内容物が食品や菓子など飲食物の場合、単に小袋状の脱酸素剤を包装容器中に投入しただけでは、消費者が脱酸素剤を誤食する危険性があるため、小袋状の脱酸素剤を包装袋、包装容器の本体やその蓋などの内面に粘着剤等を用いて貼付することが提案されている。しかし、いずれにせよ、小袋状の脱酸素剤を用いる方法では、内容物の充填前後又はその途中で、小袋状の脱酸素剤を包装容器内に投入する又は貼付する作業が必要であり、そのため、投入し忘れたり、複数個投入したりする等の投入ミスが生じる可能性がある。さらには、内容物が液体の場合は、小袋状の脱酸素剤中の酸素吸収性物質の溶出等の危険性があるので、使用することができないという問題がある。
【0003】
一方、包装袋や包装容器などの各種包装容器として酸素吸収性物質を含有する層を有するものが提案されており、例えば、酸素透過性で且つ非通気性の熱接着性樹脂からなるシール層、および酸素吸収物質を混合した接着剤層を備えた酸素吸収能を有する包装材料が開示されており、前記酸素吸収物質としては水をトリガーとして反応を開始するものが好適に用いられている(特許文献1参照)。また、少なくとも、光により活性化される固体触媒とラジカル捕捉剤とを含有する組成物から成り、紫外線を照射することにより酸素吸収性能が発現する酸素吸収剤を、熱可塑性樹脂中に分散させて成る酸素吸収性樹脂組成物の層を備えている包装材料が提案されている(特許文献2参照)。このような包装材料による包装容器では、包装容器の内面も外気にさらされるので、包装容器内に内容物を充填して密封するまでの間に酸素吸収性が消失しないように、酸素吸収性物質として、その酸素吸収性能を発現させるためのトリガー(例えば、水や光など)を必要とするものが用いられている。しかし、例えば、水をトリガーとする場合、内容物中の水分をトリガーとして利用することができるが、内容物としては水分を含んでいることが必要となり、内容物に制限が生じる。また、光をトリガーとする場合、内容物の充填の際に又はその前後で光(紫外線など)を照射することが必要となり、通常、包装容器中に内容物を充填して製品を製造する業者が、光を照射して酸素吸収性物質の酸素吸収性能を発現させている。
【0004】
なお、前記酸素吸収物質を混合した接着剤層を備えた酸素吸収能を有する包装材料では、酸素吸収物質は接着剤層中に含有されているため、この酸素吸収物質としては、実際には、接着剤層の接着性能を阻害しないように、その種類、使用量、使用態様(例えば、粉末や担持体に吸着された態様、マイクロカプセル中に内包された態様など)などに制限が生じている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−190960号公報
【特許文献2】
特開2000−316547号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、包装容器中に予め酸素吸収性物質が含有されていても、内容物が充填された製品を製造する業者が、酸素吸収性物質の酸素吸収性能を発現させる必要がない内容物未充填包装容器、充填方法及び充填装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、さらに、液状、固形状のいずれの状態の内容物であっても充填可能な内容物未充填包装容器、充填方法及び充填装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、さらに、酸素吸収性物質を、その種類にかかわらず用いることができる内容物未充填包装容器、充填方法及び充填装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、酸素バリア性包装材で構成された内容物未充填の包装容器として、酸素吸収性物質を、酸素吸収性能が発現した状態で且つ容器内酸素を吸収可能な形態で、酸素バリア性包装材と一体化し、さらに、該包装容器を密封するとともに、開封および開封後の再密封が可能な構成の包装容器とすると、該包装容器に内容物が充填された製品を製造する業者が、酸素吸収性物質の酸素吸収性能を発現させる必要がなく、しかも、内容物が液状であっても固形状であっても用いることができ、さらに、酸素吸収性物質として、酸素吸収性能の発現に際して水や光などのトリガーを必要とする酸素吸収性物質であっても、トリガーを必要としない酸素吸収性物質であっても用いることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、酸素バリア性包装材で構成された内容物未充填の包装容器であって、酸素吸収性物質が、酸素吸収性能が発現した状態で且つ容器内酸素を吸収可能な形態で、酸素バリア性包装材と一体化されているとともに、該包装容器が密封されており、且つ開封および開封後の再密封が可能に形成されていることを特徴とする内容物未充填包装容器を提供する。
【0009】
前記酸素吸収性物質としては、自力反応型の酸素吸収性物質を好適に用いることができる。
【0010】
また、本発明は、水蒸気バリア性包装材で構成された内容物未充填の包装容器であって、吸湿性物質が、吸湿性能が発現した状態で且つ容器内水蒸気を吸収可能な形態で、水蒸気バリア性包装材と一体化されているとともに、該包装容器が密封されており、且つ開封および開封後の再密封が可能に形成されていることを特徴とする内容物未充填包装容器を提供する。
【0011】
前記内容物未充填包装容器は、シール層を有する包装袋または蓋材を有する包装容器であってもよい。
【0012】
本発明は、また、前記内容物未充填包装容器に内容物を充填する充填方法であって、前記内容物未充填包装容器を開封させて内容物を充填した後に、再密封することを特徴とする充填方法を提供する。本発明は、さらにまた、前記内容物未充填包装容器に内容物を充填する充填装置であって、前記内容物未充填包装容器を開封する開封手段と、開封された内容物未充填包装容器に内容物を充填する充填手段と、内容物が充填された内容物未充填包装容器を再密封する密封手段とを有することを特徴とする充填装置を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一部材又は部位については同一の符号を付している場合がある。
[内容物未充填包装容器]
図1は本発明の内容物未充填包装容器の一例を示す概略断面図である。図1において、内容物未充填包装容器としてのシール層を有する内容物未充填包装袋(単に「内容物未充填包装袋」と称する場合がある)1は、スタンディングパウチの形態を有しており、シール部6cでシール層5を利用してシールされて密封されている。内容物未充填包装袋1の底部6aはガゼット部であり、外面から内面へ、酸素バリア性包装材による酸素バリア性層2、酸素透過性層4の順で形成された層構成を有しており、酸素バリア性層2と酸素透過性層4との間に酸素吸収性能が発現している状態の酸素吸収性物質3が含有されている。なお、酸素透過性層4は内容物未充填包装袋1の内側に露出した形態となっている。また、内容物未充填包装袋1の側部6bは、外面から内面へ、酸素バリア性包装材による酸素バリア性層2、シール層5の順で形成された層構成を有している。
【0014】
図2は本発明の内容物未充填包装容器の他の例を示す概略断面図である。具体的には、図2において、(a)は内容物未充填包装容器の全体像を示す概略断面図であり、(b)は側部61bの要部の概略拡大図であり、(c)は口部61cと酸素バリア性蓋材7との要部の概略拡大図である。図2において、内容物未充填包装容器としての蓋材を有する内容物未充填包装容器(「蓋材付き内容物未充填包装容器」と称する場合がある)11は、容器本体11aと酸素バリア性蓋材7とにより構成されており、前記酸素バリア性蓋材7により容器本体11aの口部61cで密封されている。蓋材付き内容物未充填包装容器11の底部61aおよび側部61bでは、外面から内面へ、酸素バリア性包装材による酸素バリア性層21、酸素透過性層41の順で形成された層構成を有しており、酸素バリア性層21と酸素透過性層41との間に酸素吸収性能が発現している状態の酸素吸収性物質31が含有されている。
【0015】
このように、本発明の内容物未充填包装容器は、酸素バリア性包装材による酸素バリア性層と、該酸素バリア性層の内面側に少なくとも部分的に且つ包装容器の内側に露出した形態で設けられた酸素透過性層とを有しているとともに、酸素吸収性物質が前記酸素バリア性層と前記酸素透過性層との間に含有されることにより酸素バリア性層と一体化されており、該酸素吸収性物質は酸素吸収性能が発現した状態を有し且つ容器内酸素を吸収可能な形態を有している。また、内容物未充填包装容器として、例えば、内容物未充填包装袋については該包装袋の側部に設けられているシール層により、一方、蓋材付き内容物未充填包装容器については酸素バリア性蓋材により、内容物の充填前に予め密封することができる。さらに、開封させて内容物を充填した後は、例えば、内容物未充填包装袋については前記シール層を利用して、一方、蓋材付き内容物未充填包装容器については前記酸素バリア性蓋材を利用して、再密封可能な構成とすることができる。なお、開封した後、別の酸素バリア性蓋材によって再密封してもよい。
【0016】
このように、本発明の内容物未充填包装容器は、酸素吸収性物質が酸素吸収性能を発現している状態で且つ容器内酸素を吸収可能な形態で、酸素バリア性包装材と一体化されているので、酸素吸収性物質がトリガーを必要とするものであっても、内容物を前記内容物未充填包装容器内に充填して製品を製造する業者は、酸素吸収性物質の酸素吸収性能を発現させる必要がない。もちろん、小袋状の脱酸素剤を投入する必要もなく、そのため、投入し忘れ等の投入ミスが生じない。しかも、酸素吸収性物質は酸素バリア性包装材と一体化されているので、内容物が食品や菓子などの飲食物である場合、小袋状の脱酸素剤のように、消費者が誤って食べる危険性もない。
【0017】
特に、酸素吸収性物質は、すでに酸素吸収性能が発現している状態となっているので、酸素吸収性能の発現に際して水や光などのトリガーを必要とする酸素吸収性物質であっても、トリガーを必要としない酸素吸収性物質(自力反応型の酸素吸収性物質)であっても、その種類にかかわらず用いることができる。例えば、酸素吸収性能の発現に際してトリガーを必要とする酸素吸収性物質の場合、内容物未充填包装容器を形成する際の密封時又はその前後で、各種トリガー(水、光など)により酸素吸収性物質の酸素吸収性能を発現させることができる。
【0018】
また、酸素吸収性物質は酸素透過性層により被覆された形態で酸素バリア性包装材と一体化することができるので、酸素透過性層を適宜選択することにより、酸素吸収性物質の溶出等による内容物への混入を防止することができる。そのため、内容物未充填包装容器中に充填する内容物としては特に制限がなく、液状のものであっても、固形状のものであっても用いることができる。
【0019】
しかも、内容物未充填包装容器は、密封され且つ酸素バリア性包装材により内部への酸素の透過が防止されているので、内容物を充填するまでの保管又は保存が容易で、例えば、空気雰囲気中で保管することができる。なお、予め酸素吸収性能が発現されている酸素吸収性物質は、保管中に、密封された際の内容物未充填包装容器中に存在する酸素と、酸素バリア性包装材を通る微量の酸素との量に相当する分だけ酸素吸収性能が減少するので、内容物未充填包装容器の内容積から存在しうる酸素の量を算出して、酸素吸収性物質の使用量を調整することにより、内容物の充填時における酸素吸収性物質の酸素吸収性能の能力を調整することができる。
【0020】
図1で示される内容物未充填包装袋1は、内容物未充填包装袋の構造を容易に説明するために、その内部に空気等の気体成分が存在している状態で図示されているが、この空気等の気体成分(特に、酸素成分)は減少させたり取り除いたりすることができる。なお、内容物未充填包装容器袋1の内部に気体成分を存在させた状態で密封する場合や、蓋材付き内容物未充填包装容器11を用いる場合では、窒素置換等により、内部の酸素の割合を減少させることが好ましい。
【0021】
図1の酸素バリア性層2は、酸素バリア性包装材により形成され、内容物未充填包装容器の外部から内部への酸素の透過を防止する等のために用いられている。酸素バリア性層2は、例えば、内容物未充填包装袋の全面的に設けることができる。酸素バリア性包装材としては、酸素の透過を防止することができる酸素バリア性基材であれば特に制限されない。酸素バリア性包装材としては、例えば、酸素バリア性樹脂によるフィルム、酸素バリア性樹脂を各種基材にコーティングした酸素バリア性樹脂コーティング層含有基材、金属系化合物(例えば、アルミニウム等の金属単体や合金など)による金属箔、金属系化合物(例えば、アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなど)を各種基材に蒸着させた金属蒸着層含有基材などが挙げられ、酸素バリア性樹脂によるフィルムが好適である。酸素バリア性包装材は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。また、酸素バリア性層は、酸素バリア性樹脂等の外面側にポリエチレンテレフタレート等のフィルムを積層して用いるとよい。
【0022】
図2の酸素バリア性層21は、蓋材付き内容物未充填包装容器の容器本体の全面的に設けることができる。容器本体に用いる酸素バリア性包装材としては、前記と同様のものを用いることができ、酸素バリア性樹脂によるフィルムが好ましい。
【0023】
前記酸素バリア性樹脂としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド系樹脂[例えば、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6/6,6共重合体、メタキシリレンアジパミド(MXD6)など]、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコールなどの酸素バリア性を有する熱可塑性樹脂を好適に用いることができる。酸素バリア性樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0024】
酸素バリア性包装材の厚みは、特に制限されない。内容物未充填包装袋の場合、酸素バリア性包装材の厚みは、例えば、5μm以上(例えば、5〜25μm、好ましくは7〜15μm)程度の範囲から選択することができる。また、蓋材付き内容物未充填包装容器の場合、酸素バリア性包装材の厚みは、例えば、5μm以上(例えば、5〜30μm、好ましくは7〜20μm)程度の範囲から選択することができる。酸素バリア性包装材の厚みが薄すぎると酸素バリア性が低下する。
【0025】
なお、図1で示されるように、内容物未充填包装容器が側部と底部などの複数の部位から構成されている場合、各酸素バリア性包装材はそれぞれ同一の素材から形成されていてもよく、異なる素材から形成されていてもよい。
【0026】
本発明では、酸素吸収性物質は、酸素吸収性能が発現した状態で且つ容器内酸素を吸収可能な形態で、酸素バリア性包装材と一体化されていれば、その構成は特に制限されない。酸素吸収性物質が前記条件で酸素バリア性包装材と一体化された構成としては、例えば、酸素バリア性包装材と、酸素透過性基材との間に形成されている層(例えば、接着剤層や熱可塑性樹脂層など)中に酸素吸収性物質が含有されている構成、接着等により酸素バリア性包装材に接着されている袋状の酸素透過性材に、酸素吸収性物質が内包されている構成などが挙げられるが、図1や図2で示されるように、単に、酸素バリア性包装材と、酸素透過性材との間に含有されている構成が好適である。なお、酸素吸収性物質の酸素バリア性包装材との一体化に際しては、酸素バリア性包装材の内面側に部分的又は全面的に一体化した構成とすることができる。
【0027】
図1や図2の酸素透過性層(4,41)は、酸素バリア性層との間に含有されている酸素吸収性物質を保持するとともに、内容物未充填包装容器の内部の酸素を透過させて酸素吸収性物質に吸収させる等のために用いられている。酸素透過性層は酸素吸収性物質を被覆する部位に少なくとも設けることができる。酸素透過性層は、酸素を透過することができる酸素吸収性基材により形成することができる。なお、酸素吸収性基材としては、酸素吸収性物質を透過させず保持することができるものが好ましい。酸素透過性基材としては、例えば、酸素透過性を有する樹脂(「酸素透過性樹脂」と称する場合がある)等が挙げられる。酸素透過性基材は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。酸素透過性基材としては、酸素透過性樹脂によるフィルムを好適に用いることができる。
【0028】
前記酸素透過性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、ポリメチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマーなどのオレフィン系樹脂を好適に用いることができる。酸素透過性樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0029】
酸素透過性基材の厚みは、特に制限されず、内容物未充填包装袋の場合は、例えば、20〜100μm(好ましくは30〜80μm)程度であり、蓋材付き内容物未充填包装容器の容器本体の場合は、例えば、30〜500μm程度である。酸素透過性基材の厚みが薄すぎると、酸素吸収性物質の保持性が低下し、一方、厚すぎると酸素透過性が低下する。
【0030】
図1や図2の酸素吸収性物質(3,31)としては、特に制限されず、有機系の酸素吸収性物質、無機系の酸素吸収性物質のいずれであってもよい。酸素吸収性物質は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0031】
有機系の酸素吸収性物質としては、例えば、アスコルビン酸又はその誘導体、トコフェロール(α−トコフェロール、β−トコフェロールなど)又はその誘導体、脂肪酸などを用いることができる。なお、反応促進剤を併用することができる。
【0032】
また、有機系の酸素吸収性物質としては、多価フェノールを骨格内に有する高分子化合物(例えば、多価フェノール含有フェノール・アルデヒド系樹脂など)や、樹脂自体が酸素吸収性を有するもの[例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等の共役ジエン系ポリマー;ポリプロピレン、エチレン−一酸化炭素共重合体等のオレフィン系ポリマー;ポリアミド6、ポリアミド12、メタキシリレンアジパミド(MXD6)等のポリアミド系ポリマーなど]などの酸化性を有する樹脂などを用いることができる。なお、該酸化性を有する樹脂を用いる場合、コバルト、ロジウムや銅等の遷移金属を含む有機酸塩類などの酸化触媒や、ベンゾフェノン、アセトフェノン、クロロケトン類等の光増感剤を併用することができる。
【0033】
さらにまた、有機系の酸素吸収性物質として、公知乃至慣用の酵素系酸素吸収性物質を用いることができる。
【0034】
無機系の酸素吸収性物質としては、還元性を有する金属単体(例えば、還元性鉄、還元性亜鉛、還元性錫など)、還元性金属化合物(例えば、炭化鉄、ケイ素鉄、水酸化鉄(II)、鉄カルボニル系錯体等の還元性鉄系化合物など)、金属低位酸化物(例えば、酸化鉄(II)、四酸化鉄(III)鉄(II)等の鉄系低位酸化物など)などが挙げられる。
【0035】
酸素吸収性物質としては、自力反応型の酸素吸収性物質であってもよく、トリガーにより酸素吸収性能が発現される酸素吸収性物質(例えば、水分依存型の酸素吸収性物質や、紫外線等の光により酸素吸収性能が発現される酸素吸収性物質など)であってもよい。例えば、水分依存型の酸素吸収性物質の場合、酸素吸収性物質を水溶液状態で用いることもできる。具体的には、水分依存型の酸素吸収性物質としてのアスコルビン酸は、アスコルビン酸水溶液として用いることができ、前記アスコルビン酸水溶液のアスコルビン酸の濃度としては、例えば、5〜25重量%(好ましくは5〜15重量%)程度の範囲から選択することができる。なお、アスコルビン酸水溶液中では、アスコルビン酸は、中和されていることが好ましい。アスコルビン酸の中和に際しては、水酸化アンモニウムなどの各種塩基性化合物等を用いることができる。また、アスコルビン酸水溶液は、樹脂等の微粉末に含浸させた状態で用いることもできる。
【0036】
酸素吸収性物質の使用態様は、特に制限されず、酸素吸収性物質の種類などに応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂中に添加し、フィルム状に成形したり、液状、固形状、他の物質に担持されている態様、マイクロカプセル中に内包されている態様などが挙げられる。
【0037】
また、酸素吸収性物質の使用量としては、特に制限されず、酸素吸収性物質の種類、内容物未充填包装容器の内容量、目的とする酸素吸収量などに応じて適宜選択することができる。
【0038】
(シール層)
図1で示される内容物未充填包装袋において、シール層5は、袋状の形態になるように所定部位をシールするために用いられている。シール層は、ヒートシール性を有する樹脂(「ヒートシール性樹脂」と称する場合がある)により形成されていることが好ましい。該ヒートシール性樹脂は、ヒートシール可能な(熱融着可能な)樹脂であれば特に限定されない。ヒートシール性樹脂の代表的な例としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。このシール層を形成するためのポリオレフィン系樹脂は、前記酸素透過性層を形成するためのポリオレフィン系樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
【0039】
従って、内容物未充填包装袋では、ポリオレフィン系樹脂を用いて酸素透過性層とシール層と形成することができるので、酸素透過性層上にシール層が形成されていなくても、酸素透過性層によるシール性を利用してヒートシールすることができ、例えば、スタンディングパウチの形態の内容物未充填包装袋における底部の酸素透過性層と、側部のシール層とをヒートシールすることができる。
【0040】
シール層の厚みは、例えば、10〜100μm(好ましくは40〜80μm)程度の範囲から選択することができる。シール層は、例えば、押出しラミネーション、ドライラミネーションなどの公知乃至慣用の積層方法を用いて形成することができる。
【0041】
なお、シール層は公知乃至慣用の粘着剤等により形成することもできる。
【0042】
図2で示される蓋材付き内容物未充填包装容器において、酸素バリア性蓋材7は、酸素バリア性を有する蓋材であれば特に制限されない。酸素バリア性蓋材としては、例えば、酸素バリア性樹脂により形成することができ、具体的には、酸素バリア性樹脂を射出成形等の公知乃至慣用の成形方法により成形された蓋材や、酸素バリア性樹脂を各種基材にコーティングした酸素バリア性樹脂コーティング層を有する基材からなる蓋材などが挙げられる。このような酸素バリア性樹脂としては、前記酸素バリア性層を形成する酸素バリア性樹脂と同様のものが挙げられる。また、アルミニウム等の金属を成形した蓋材であってもよい。
【0043】
なお、酸素バリア性蓋材は、内容物を充填するまでの間のみ使用されるものであってもよく、また、内容物を充填した後の最終的な製品でも使用可能なものであってもよい。また、図2で示されているようなスクリューキャップに限らず、容器本体の口部にヒートシールにより密封する形態のラミネートフィルムからなるシール蓋でも良い。
【0044】
また、酸素バリア性蓋材としては、酸素吸収性物質が、酸素吸収性能が発現した状態で且つ容器内酸素を吸収可能な形態で、酸素バリア性蓋材と一体化されているものを用いることも可能である。
【0045】
本発明では、内容物未充填包装容器は、前記構成を有し且つ本発明の作用・効果を阻害しなければ、さらに他の層(例えば、他の積層フィルムや樹脂層、オーバーコート層、アンカーコート層、プライマーコート層など)を有していてもよい。
【0046】
本発明では、酸素バリア性包装材の素材としてポリアミド系樹脂やエチレン−ビニルアルコール共重合体などの酸素バリア性樹脂を用い、且つ酸素吸収性物質として有機系の酸素吸収性物質を用いることにより、非金属系の材料のみからなる内容物未充填包装容器を作製することができる。従って、この場合は、内容物が充填された内容物未充填包装容器について、金属探知検査により、金属類の混入を検査することが可能となり、内容物未充填包装容器に食品等の内容物が充填された製品の安全性を高めることができる。
【0047】
本発明の内容物未充填包装容器は、各種形態の包装容器(例えば、シール層を有する包装袋や、蓋材を有する包装容器など)として利用することができる。シール層を有する包装袋としては、例えば、底部又は側部にガゼット部を有するパウチ類(スタンディングパウチ類など)、1枚の包装フィルムを半分に折り三方をシールした包装形態(三方シール形態)のパウチ類、2枚の包装フィルムを合わせて四方をシールした包装形態(四方シール形態)のパウチ類などが挙げられる。蓋材を有する包装容器としては、例えば、蓋付きチューブ容器、蓋付きカップ、蓋付きボトルなどが挙げられる。また、容器本体をブロー成形等で成形し、口部上方を熱融着により密閉することにより、別体の蓋を用いることなく一体成形された密閉部分で密封することが可能な形態の容器であっても良い。
【0048】
内容物未充填包装容器の作製方法としては、特に制限されず、公知乃至慣用の方法を利用して作製することができる。内容物未充填包装容器が、図1に示されるようなスタンディングパウチの形態を有する包装袋である場合、例えば、外面から内面へ、酸素バリア性層、酸素透過性層の層構成を有し、且つ該両層の間に酸素吸収性物質を含有しているガゼット部用積層体と、外面から内面へ、酸素バリア性層、シール層の層構成を有する側部用積層体とを、スタンディングパウチの形態となるように配置して、ガゼット部用積層体と側部用積層体とが合わせられた部位と、側部用積層体の上部のシール部位とを、シールすることにより密封して作製することができる。なお、必要に応じて、密封する前に、包装袋内を吸引したりや窒素置換したりすることができる。
【0049】
また、内容物未充填包装容器が、図2に示されるような蓋付き包装容器である場合、例えば、外側から内側にポリエチレン系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、酸素吸収性物質含有のポリエチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂をこの順に積層させた状態で筒状に溶融押出しし、成形型内でエアーを吹込みブロー成形して、容器本体を作製し、酸素バリア性蓋材により蓋をして密封することにより、作製することができる。なお、必要に応じて、密封する前に、包装容器内を窒素置換することができる。
【0050】
前述では、酸素吸収性物質が酸素バリア性包装材と一体化された形態の内容物未充填包装容器を説明したが、本発明では、酸素吸収性物質に代えて、吸湿性物質を用いるとともに、酸素バリア性包装材に代えて、水蒸気バリア性包装材(防湿性包装材)を用いて、内容物未充填包装容器を作製することができる。このような内容物未充填包装容器は、吸湿性物質によって、容器内が乾燥又は調湿された状態又は形態の防湿性又は調湿性容器として利用できる。
【0051】
なお、吸湿性物質としては、特に制限されず、公知の吸湿性物質(例えば、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸コバルト、シリカゲル、ゼオライト等の無機系吸湿性物質や、これらを含有した樹脂組成物など)を適宜選択して使用することができる。また、水蒸気バリア性包装材(防湿性包装材)としては、特に制限されないが、包装袋の場合は、アルミニウム等の金属箔、酸化ケイ素の蒸着フィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニリデンコーティングフィルムなどを好適に用いることができ、ボトル等の成形容器の場合は、高密度ポリエチレンやポリプロピレンなどを好適に用いることができる。
【0052】
このような防湿性又は調湿性容器としては、例えば、水蒸気バリア性層と、該水蒸気バリア性層の内面側に少なくとも部分的に且つ容器の内側に露出した形態で設けられた水蒸気透過性層とを有しているとともに、吸湿性物質が前記水蒸気バリア性層と水蒸気透過性層との間に含有されることにより水蒸気バリア性層と一体化されており、該吸湿性物質は吸湿性能が発現した状態を有し且つ容器内水蒸気を吸収可能な形態の容器が挙げられる。なお、この場合の内面側に設ける水蒸気透過性層としては、水蒸気バリア性層に比べて水蒸気透過性が高いものを使用する。
【0053】
本発明の内容物未充填包装容器に充填する内容物(被包装物)としては、特に制限されず、液状物、半液状物、固形状物などのいずれの形態を有するものであってもよい。内容物としては、例えば、食品、菓子、飲料、医薬品、化粧品などが挙げられる。
【0054】
本発明では、前記内容物未充填包装容器の内部に内容物を充填する方法としては、特に制限されず、従来の充填方法を利用することができるが、内容物を充填する前に、内容物未充填包装容器を開封することが必要である。具体的には、例えば、内容物未充填包装容器が図1で示される内容物未充填包装袋である場合、図3で示されるような方法により内容物を充填することができる。図3は本発明の内容物未充填包装容器を用いた充填方法の一例を示す概略図であり、(a)は図1と同様の内容物未充填包装容器を示し、(b)は(a)の内容物未充填包装容器を開封させて、内容物を充填する例を示し、(c)は内容物を充填した後に、再密封する例を示している。図3では、内容物未充填包装容器を開封させて、内容物を充填した後に、再密封することにより、内容物を内容物未充填包装容器に充填して密封している。このように、本発明の内容物未充填包装容器を用いた充填方法は、従来の充填方法に、内容物を充填する工程の前に内容物未充填包装容器を開封させるという簡単な工程が加わっただけである。
【0055】
従って、内容物を内容物未充填包装容器の内部に充填する装置としては、例えば、前記内容物未充填包装容器を開封する開封手段と、開封された内容物未充填包装容器に内容物を充填する充填手段と、内容物が充填された内容物未充填包装容器を再密封する密封手段とを有する充填装置が挙げられる。前記開封手段としては、特に制限されず、密封した密封方法などに応じて適宜選択することができ、例えば、カッター等の切断機による開封手段や、蓋材を取り外す蓋材取り外し機による開封手段などを用いることができる。また、充填手段としては、充填する内容物の種類などに応じて適宜選択することができ、例えば、公知乃至慣用の充填機などによる充填手段を用いることができる。さらにまた、密封手段としては、内容物未充填包装容器などに応じて適宜選択することができ、例えば、熱シール等の熱シール機による密封手段や、蓋材を取り付ける蓋材取り付け機による密封手段などを用いることができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明の内容物未充填包装容器によれば、酸素吸収性物質が、酸素吸収性能が発現した状態で且つ容器内酸素を吸収可能な形態で、酸素バリア性包装材と一体化されているので、内容物が充填された製品を製造する業者が、酸素吸収性物質を内容物未充填包装容器内に入れる必要がなく、投入し忘れ等の投入ミスが生じない。また、酸素吸収性物質がその酸素吸収性能の発現に際してトリガーを必要とするものであっても、酸素吸収性能が発現した状態で用いられているので、内容物が充填された製品を製造する業者が、酸素吸収性物質の酸素吸収性能を発現させる必要がない。しかも、酸素吸収性物質は酸素バリア性包装材と一体化されているので、内容物が飲食物である場合、小袋状の脱酸素剤のように、消費者が誤って食べる危険性がない。
【0057】
また、酸素吸収性物質は酸素透過性層により被覆された形態で酸素バリア性包装材と一体化することができるので、内容物としては、液状、固形状のいずれの状態のものであっても充填可能である。
【0058】
さらに、酸素吸収性物質は、すでに酸素吸収性能が発現している状態となっているので、酸素吸収性能の発現に際して水や光などのトリガーを必要とする酸素吸収性物質、トリガーを必要としない酸素吸収性物質のいずれであっても、その種類にかかわらず用いることができる。
【0059】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
二軸延伸ポリアミド系樹脂フィルム(厚み15μm)、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(厚み15μm)、およびプロピレン−エチレン共重合体の未延伸フィルム(厚み30μm)をこの順でドライラミネート法によって積層した積層フィルムと、プロピレン−エチレン共重合体の未延伸フィルム(厚み50μm)とを、3方シールして袋状のシートを作製した後、該袋状のシートに、開口部から濃度:23重量%の中和したアスコルビン酸水溶液を25g入れた後、残る1方をシールして、スタンディングパウチの底部(ガゼット部)となるフィルム積層体を作製した。
【0060】
また、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、ドライラミネート法により、ポリエステルウレタン系の二液反応型接着剤を用いて、エチレン−ビニルアルコール共重合体層(厚み15μm)、二軸延伸ポリアミド系樹脂フィルム(厚み15μm)を順次積層し、その後、プロピレン−エチレン共重合体の未延伸フィルムをドライラミネート法により積層して、ヒートシール層(厚み50μm)を形成して、スタンディングパウチの側部に利用するフィルム積層体を作製した。
【0061】
前記側部に利用するフィルム積層体2枚をヒートシール層同士が接触するように重ね合わせ、シール層の端部と、2つ折りにした前記底部となるフィルム積層体のシール層の端部とが5mmの幅で接触するように、側部となるフィルム積層体と底部となるフィルム積層体とを重ね合わせて、シールし、(内部に微量の空気が入っている状態で)さらに開口している上部をシールして、密封されたスタンディングパウチ(内容積:約200ml)を作製した。このスタンディングパウチを内容物未充填包装袋Aと称する。
【0062】
前記内容物未充填包装袋Aを30日間保存した後、開封して、スタンディングパウチ内部の酸素濃度を測定したところ、0.05%以下であった。
【0063】
また、前記内容物未充填包装袋Aを30日間保存した後、開封し、すぐに、市販のハムを入れ、さらにすぐに、上部をシールして密封させて、ハムが充填されたスタンディングパウチを作製した。このハム充填スタンディングパウチを30日間保存した後、開封してハムを取り出したところ、ハムはほとんど劣化しておらず、充填前の新鮮さを保持していた。なお、ハムを取り出す直前のスタンディングパウチ内の酸素濃度を測定したところ、0.05%以下であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内容物未充填包装容器の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の内容物未充填包装容器の他の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の内容物未充填包装容器を用いた充填方法の一例を示す概略図であり、(a)は図1と同様の内容物未充填包装容器を示し、(b)は(a)の内容物未充填包装容器を開封させて、内容物を充填する例を示し、(c)は内容物を充填した後に、再密封する例を示している。
【符号の説明】
1 内容物未充填包装袋
11 蓋材付き内容物未充填包装容器
11a 容器本体
2 酸素バリア性層
21 酸素バリア性層
3 酸素吸収性能が発現している酸素吸収性物質
31 酸素吸収性能が発現している酸素吸収性物質
4 酸素透過性層
41 酸素透過性層
5 シール層
6a 内容物未充填包装袋1の底部
6b 内容物未充填包装袋1の側部
6c シール部
61a 蓋材付き内容物未充填包装容器11の底部
61b 蓋材付き内容物未充填包装容器11の側部
61c 容器本体の口部
7 酸素バリア性を有する蓋材(酸素バリア性蓋材)
8 内容物
Claims (6)
- 酸素バリア性包装材で構成された内容物未充填の包装容器であって、酸素吸収性物質が、酸素吸収性能が発現した状態で且つ容器内酸素を吸収可能な形態で、酸素バリア性包装材と一体化されているとともに、該包装容器が密封されており、且つ開封および開封後の再密封が可能に形成されていることを特徴とする内容物未充填包装容器。
- 水蒸気バリア性包装材で構成された内容物未充填の包装容器であって、吸湿性物質が、吸湿性能が発現した状態で且つ容器内水蒸気を吸収可能な形態で、水蒸気バリア性包装材と一体化されているとともに、該包装容器が密封されており、且つ開封および開封後の再密封が可能に形成されていることを特徴とする内容物未充填包装容器。
- 酸素吸収性物質が、自力反応型の酸素吸収性物質である請求項1記載の内容物未充填包装容器。
- 内容物未充填包装容器が、シール層を有する包装袋または蓋材を有する包装容器である請求項1〜3の何れかの項に記載の内容物未充填包装容器。
- 請求項1〜4の何れかの項に記載の内容物未充填包装容器に内容物を充填する充填方法であって、前記内容物未充填包装容器を開封させて内容物を充填した後に、再密封することを特徴とする充填方法。
- 請求項1〜4の何れかの項に記載の内容物未充填包装容器に内容物を充填する充填装置であって、前記内容物未充填包装容器を開封する開封手段と、開封された内容物未充填包装容器に内容物を充填する充填手段と、内容物が充填された内容物未充填包装容器を再密封する密封手段とを有することを特徴とする充填装置。
Priority Applications (1)
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JP2002259951A JP2004099057A (ja) | 2002-09-05 | 2002-09-05 | 内容物未充填包装容器、充填方法及び充填装置 |
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Cited By (1)
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JP2011055932A (ja) * | 2009-09-08 | 2011-03-24 | Terumo Corp | 易酸化性物質を充填する為の容器 |
-
2002
- 2002-09-05 JP JP2002259951A patent/JP2004099057A/ja active Pending
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