JP2009234058A - 剥離フィルム及び積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルム基材の少なくとも片面に剥離層が形成された剥離フィルムにおいて、剥離フィルムの剥離特性を発現しつつ長期保管安定性に優れ、異物欠陥検査が容易で、且つ、印刷層を設けた場合に意匠性にも優れた剥離フィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】基材フィルムの少なくとも片面にアンカーコート層、剥離層を順に備える剥離フィルムにおいて、前記剥離層の屈折率が前記フィルム基材の屈折率よりも小さく、前記剥離層の屈折率と前記フィルム基材の屈折率差が0.04以上0.27以下の範囲内であり、且つ、前記剥離層の光学膜厚が113nm以上225nm以下の範囲内であり、且つ、前記アンカー層の屈折率が前記基材フィルムの屈折率の95%以上105%以下の範囲内であることを特徴とする剥離フィルムとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルム基材の少なくとも一方の面にアンカー層、剥離層をこの順で備える剥離フィルムに関し、さらに詳しくは液晶偏光板やプラズマディスプレイパネル(PDP)、有機ELなどの表示部材用の剥離フィルムや貼付型外用薬などの医療用の剥離フィルムに関するものである。
従来、フィルム基材の少なくとも一方の表面に剥離層を設けた剥離フィルムはセラミックグリーンシートなどの工程用フィルム、粘着ラベル、粘着フィルム、液晶偏光板,PDP、有機ELなどの粘着付き光学表示構成部材のセパレータフィルム、貼付型外用薬など医療用フィルムのセパレータフィルムとして広く使用されている。プラスチックフィルムの少なくとも片面にシリコーン樹脂からなる剥離層が塗布形成された構造を有している。
特開平11−3008897号公報 特開平9−156060号公報 特開平7−3215号公報 特開平9−156060号公報
近年、液晶ディスプレイなどの大型化や高精細化にともない、異物や外観特性に関して要求品質がより厳しくなってきており、粘着付偏光板や位相差フィルムなどの光学部材の保護フィルムに剥離シートを用いる場合にあっては、剥離フィルム上に異物が少ないこと、異物がないことが要求される。光学部材上に異物が存在する場合には表示不良が発生することがある。
また、貼付型外用薬などの医療用のシートに剥離フィルムを貼りあわせる場合であっても、同様に、剥離フィルム上に異物が少ないこと、異物がないことが要求される。さらには、粘着ラベル、粘着フィルム等の粘着層に剥離フィルムを貼り合わせる場合にも、剥離フィルム上に異物が少ないこと、異物がないことが要求される。
剥離フィルムの異物や欠陥検査は、基材に剥離層を塗布後加熱硬化させる工程の後、カメ等を用いた画像解析による検査装置による異物検査や検査員による目視検査としておこなわれ、インラインあるいはオフラインにて実施される。また、場合によっては、製品に剥離フィルム貼った状態で検査されることもある。
この検査において、検査装置で異物検査をおこなう際に正常に検査できないといった問題が発生することがあった。また、人による目視検査の場合に、検査員が検査酔いを起こしたり、目が疲れやすく作業効率が低下したりするなど問題が発生することがあった。
また、剥離フィルムにあっては、透明基材の反対面もしくは基材と剥離層との間に印刷層を設け、表示性や意匠性を付与する場合があり、特に医療用フィルムの場合、医薬品名や注意事項、ロゴマークなど表示するために印刷層を設ける場合がある。このとき、表示が読みづらくまた意匠性も著しく低下するといった問題が発生することがあった。
一方、剥離フィルムにあっては、フィルム基材と剥離層の密着性を向上させるためにアンカー層が設けられる。アンカー層を設けることにより製造後の長期保管安定性を付与することができる。特に、医療用途で剥離フィルムを用いる場合にあっては、医薬成分などによる経時劣化抑制のためにも剥離層と基材の間にアンカー層を設けることが好ましい。
しかしながら、剥離フィルムにアンカー層を設けた場合には、フィルム基材にアンカー層を設けず直接剥離層を設けた剥離フィルムと比較して、異物欠陥検査が更に困難となることがあった。また、剥離フィルムにアンカー層を設けた場合には、フィルム基材にアンカー層を設けず直接剥離層を設けた剥離フィルムと比較して、印刷層を設けた際の剥離フィルムの意匠性が更に低下することがあった。
そこで、本発明にあっては、フィルム基材の少なくとも片面に剥離層が形成された剥離フィルムにおいて、剥離フィルムの剥離特性を発現しつつ長期保管安定性に優れ、異物欠陥検査が容易で、且つ、印刷層を設けた場合に意匠性にも優れた剥離フィルムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明としては、基材フィルムの少なくとも片面にアンカーコート層、剥離層を順に備える剥離フィルムにおいて、前記剥離層の屈折率が前記フィルム基材の屈折率よりも小さく、前記剥離層の屈折率と前記フィルム基材の屈折率差が0.04以上0.27以下の範囲内であり、且つ、前記剥離層の光学膜厚が113nm以上225nm以下の範囲内であり、且つ、前記アンカー層の屈折率が前記基材フィルムの屈折率の95%以上105%以下の範囲内であることを特徴とする剥離フィルムとした。
また、請求項2に係る発明としては、前記剥離層が湿式成膜法により形成されていることを特徴とする請求項1記載の剥離フィルムとした。
また、請求項3に係る発明としては、前記フィルム基材の前記剥離層が設けられていない側の面に印刷層を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の剥離フィルムとした。
また、請求項4に係る発明としては、請求項1乃至3のいずれかに記載の剥離フィルムと基体を備え、前記剥離フィルムの剥離層表面と前記基体表面が接触していることを特徴とする積層体とした。
上記構成の剥離フィルムとすることにより、フィルム基材と剥離層の密着性に優れ、長期保管安定性に優れ、異物欠陥検査が容易で、且つ、印刷層を設けた場合に意匠性にも優れた剥離フィルムとすることができた。
以下、本発明の剥離フィルムについて説明する。
図1に本発明の剥離フィルムの説明断面図を示した。本発明の剥離フィルム1にあっては、フィルム基材11の少なくとも一方の面にアンカー層12、剥離層13を順に備えることを特徴とする。このとき、剥離層13は剥離フィルムの最外層に設けられる。
本発明の剥離フィルムにあってはアンカー層を備えることにより、フィルム基材と剥離層の密着性を向上させることができ、長期保管安定性に優れる剥離フィルムとすることができる。アンカー層を設けずフィルム基材上に剥離層を直接設けた場合には、フィルム基材と剥離層の密着が十分でなく、剥離層が欠落するといった問題が発生する。
フィルム基材にアンカー層、剥離層を順に備える剥離フィルムにあっては、フィルム基材に直接剥離層を備える剥離フィルムと比較して、剥離層とアンカー層の光学干渉によって色ムラと色味が発現しやすい。本発明者らは、剥離層を光学干渉による反射防止層として機能させ、アンカー層とフィルム基材の屈折率を近づけてアンカー層を剥離フィルムの光学特性に影響の少ない層とすることにより、剥離フィルムの色ムラ、色味を小さくすることができた。そして、剥離フィルムの色ムラ、色味を小さくすることにより、異物欠陥検査が容易で、且つ、印刷層を設けた場合に意匠性にも優れた剥離フィルムとすることができることを見出した。
すなわち、本発明の剥離フィルムにあっては、剥離層の屈折率がフィルム基材の屈折率よりも小さく、剥離層の屈折率とフィルム基材の屈折率差が0.04以上0.27以下の範囲内であり、且つ、剥離層の光学膜厚が113nm以上225nm以下の範囲内であり、且つ、アンカー層の屈折率が前記基材フィルムの屈折率の95%以上105%以下の範囲内であることを特徴とする。
剥離層がフィルム基材の屈折率より0.04以上0.27以下の範囲内で小さい屈折率を有するようにし、さらに、剥離層の光学膜厚を113nm以上225nm以下の範囲内とすることにより、剥離層を反射防止層として機能させることができる。一方で、アンカー層の屈折率を基材フィルムの屈折率の95%以上105%以下の範囲内とすることによりアンカー層の光学干渉によって発生する色ムラ、色味を抑制することができる。
本発明の剥離フィルムにあっては、剥離層の屈折率を前記フィルム基材の屈折率よりも0.04以上0.27以下小さくすることにより剥離層を反射防止層として機能させることができる。剥離層の屈折率を前記フィルム基材の屈折率よりも小さくすることにより、剥離フィルムの剥離層は反射防止層として機能することができ、剥離フィルム表面の反射光の度合いを小さくし、剥離フィルムの色ムラ、色味を使用者にとって認識されにくいものとすることができる。そして、剥離層とフィルム基材の屈折率差を0.04以上とすることにより高い反射防止性能を有する剥離フィルムとすることができる。剥離層とフィルム基材の屈折率差は大きいほど反射防止性能の高い剥離フィルムとすることができるが、屈折率差が0.27を超える場合にあっては高い反射防止性能を有するものの、色ムラ、色味の少ない剥離フィルムとすることができなくなる。
本発明の剥離フィルムにあっては、剥離層形成材料としてシリコーン系材料を好適に用いることができる。また、フィルム基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルムを好適に用いることができる。剥離層形成材料としてシリコーン系材料を用い、フィルム基材としてポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルムを用いた場合には、剥離層の屈折率を前記フィルム基材の屈折率よりも小さくし剥離層の屈折率とフィルム基材の屈折率差が0.04以上0.27以下の範囲とすることができる。
本発明にあっては、λ=450nmとしたときに剥離層の光学膜厚がλ/4付近からλ/2となるように設計される。具体的には、光学膜厚を113nm以上225nm以下の範囲内とし剥離層を光学干渉による反射防止層として機能させる。剥離層の光学膜厚が225nmを超える場合にあっては、剥離層の反射防止機能が十分でなく、剥離フィルムの色ムラ、色味が認識されやすくなってしまう。また、剥離層の光学膜厚が113nmに満たない場合であっては、剥離層の反射防止機能が十分でなく剥離フィルムの色ムラ、色味が認識されやすくなってしまう。さらに、剥離層の光学膜厚が113nmに満たない場合であっては、剥離層の本来の機能である剥離性能が十分に発揮されないことがある。
また、本発明にあっては、アンカー層の屈折率をフィルム基材の屈折率に近づけることにより、アンカー層の光学干渉によって発生する色ムラ、色味を抑制することができる。アンカー層の屈折率がフィルム基材の屈折率の95%を下回る場合、もしくはフィルム基材の屈折率の105%を上回る場合にあっては、アンカー層の光学干渉によって発生する色ムラ、色味が発生してしまう。
なお、本発明にあっては剥離層が湿式成膜法により形成される。湿式成膜法を用いて剥離層を形成する場合にはある程度の面内での膜厚バラツキが発生してしまう。そして、剥離層の膜厚に面内バラツキは色ムラの原因となる。しかしながら、本発明の剥離フィルムにあっては、湿式成膜法で剥離層を形成した剥離フィルムにおいて、色ムラの無い剥離フィルムとすることができる。
本発明の剥離フィルムにあっては、剥離層がフィルム基材の屈折率より0.04以上0.27以下の範囲内で小さい屈折率を有するようにし、さらに、剥離層の光学膜厚を113nm以上225nm以下の範囲内とし、さらに、アンカー層の屈折率が前記基材フィルムの屈折率の95%以上105%以下の範囲内とすることにより、剥離層を備える側の剥離フィルム表面の視感平均反射率を0.5%以上2.5%以下の範囲内とすることができる。さらには、剥離層を備える側の剥離フィルム表面の分光反射率曲線を波長400nm以上800nm以下の範囲内において極大値を持たない分光反射率曲線、もしくは極大値の最大高さRmaxが1%以下の分光反射率曲線とすることができる。さらには、剥離層を備える側の剥離フィルムのL*a*b*における反射色相が−8≦a*≦8、−16≦b*≦8の両式を満たすことができる。
図2に本発明の剥離フィルムの分光反射率曲線(モデル)の説明図を示した。
本発明における剥離層を備える側の剥離フィルム表面の分光反射率曲線は、目的とする剥離層が設けられていない側のフィルム基材表面に艶消し黒色塗料を塗布したうえで、分光光度計により測定される。本発明の剥離フィルムの分光反射率曲線は、光源の入射角度が剥離フィルム表面に対しての垂直方向から5度に設定され、光源としてC光源を用い、2度視野の条件下で求められる。本発明の剥離フィルムの視感平均反射率は、可視光の各波長の反射率を比視感度により校正し、平均した反射率の値である。このとき、比視感度は明所視標準比視感度が用いられる。本発明の剥離フィルムの反射色相は得られた分光反射率曲線から求めることができる。
本発明の剥離フィルムにあっては、剥離層を備える側の剥離フィルム表面の視感平均反射率が0.5%以上2.5%以下であることにより、剥離フィルムの反射光を低減させることができ、異物欠陥検査が容易で、且つ、印刷層を設けた場合に意匠性にも優れた剥離フィルムとすることができる。
剥離フィルムの視感平均反射率が2.5%を超える場合にあっては、剥離フィルム表面で反射する反射光の度合いが大きくなることにより、異物欠陥検査時に反射光によって異物確認が困難になり、また、剥離フィルム自身の意匠性が低下する。剥離フィルムの視感平均反射率はその値が小さいほど、剥離フィルム表面で反射する反射光の度合いを小さくすることができる。本発明の剥離フィルムは、視感反射率が2.5%以下の剥離フィルムとすることにより剥離フィルム表面で反射する反射光の度合いが小さい剥離フィルムとすることができ、剥離フィルムの色味、色ムラを抑制することができる。
しかしながら、視感平均反射率が0.5%より低い場合には分光反射率曲線の極小値が極端に低下することとなり、これに伴い、分光反射率曲線が急峻な変化を伴うことになる。分光反射率曲線が急峻に変化する剥離フィルムにあっては、湿式成膜法で形成される剥離層に膜厚変動が生じた際に発生する分光反射率曲線の変化が大きなものとなる。したがって、湿式成膜法によって形成される剥離層の膜厚変動による色味の変化が大きな剥離フィルム、色ムラのある剥離フィルムとなってしまう。
また、本発明の剥離フィルムにあっては、剥離層を備える側の剥離フィルム表面の分光反射率曲線を波長400nm以上800nm以下の範囲内において極大値を持たない分光反射率曲線、もしくは極大値の最大高さRmaxが1%以下の分光反射率曲線とし、分光反射率曲線を非常に緩やかに変化する曲線とすることにより、色味の少ない剥離フィルムとすることができ、また、形成される剥離層の微小な膜厚の変動によって発生する色ムラが認識されにくい剥離フィルムとすることができる。
図3に本発明の剥離フィルムの分光反射率曲線(モデル)の説明図を示した。図3(a)には、本発明の剥離フィルムの剥離層を備える側の剥離フィルム表面の分光反射率曲線のうち、波長400nm以上800nm以下の範囲内において極大値を持たない分光反射率曲線(モデル)を示した。極大値を持たない分光反射率曲線としては、単調増加の分光反射率曲線、単調減少の分光反射率曲線、極小値を1つ有するU字型の分光反射率曲線が挙げられる。図3(b)には、本発明の剥離フィルムの剥離層を備える側の剥離フィルム表面の分光反射率曲線のうち、極大値の最大高さRmaxが1%以下の分光反射率曲線(モデル)を示した。極大値の高さRは、該当する極大値に隣接する2つの極小値の分光反射率を直線で結び、該直線をゼロ線とし、該直線からの高さのことである。図3(b)にあっては、極大値は5点あり、それぞれについて極大値の高さR1、R2、R3、R4、R5が求められる。そして、極大値の最大高さRmaxは、そのうち最も大きい極大値の高さのことである。図3にあっては、R1>R2>R3>R4>R5の関係式を満たすことにより、R1がRmaxとなる。このときRmaxであるR1を1%以下とすることにより色ムラ、色味の少ない剥離フィルムとすることができる。
繰り返しになるが、本発明の剥離フィルムにあっては、剥離層を備える側の剥離フィルム表面の分光反射率曲線を波長400nm以上800nm以下の範囲内において極大値を持たない分光反射率曲線、もしくは極大値の最大高さRmaxが1%以下の分光反射率曲線とし、分光反射率曲線を非常に緩やかに変化する曲線とすることができる。
また、本発明の剥離フィルムにあっては、剥離層を備える側の表面の剥離フィルム1のL*a*b*表色系における反射色相が−8≦a≦8、−16≦b≦8の両式を満たす剥離フィルムとすることができ、色味の少ない剥離フィルムとすることができる。
剥離フィルムの反射色相を上記範囲内とすることにより、色味のない剥離フィルムとすることができる。L表色系においては、a、bそれぞれの値を0近傍とすることにより、剥離フィルムを無色とすることができる。しかしながら、本発明の剥離フィルムにおいて、反射色相の色分布の設計中心値はa=0、b=−4である。本発明にあっては、反射色相の色分布の設計中心値をa=0、b=−4とすることにより、設計中心を青色とし、色ムラが確認されにくいだけでなく、色相が異なり色味を認識されにくく、検査が容易であり、意匠性の高い剥離フィルムとすることができる。bが8を超えると黄色領域となり、設計中心の青色とは色相が異なり観察者にとって色味が認識されやすくなる、またbが−16未満では青系の反射色であるが色強度が強く、色味が目立ちやすくなる。aが8を超える場合にあっては赤色が強くなる。また、aが−8を下回る場合には、緑色が強くなる。
フィルム基材にアンカー層、剥離層を順に備える剥離フィルムにあっては、フィルム基材に直接剥離層を備える剥離層と比較して、剥離層とアンカー層の光学干渉によって色ムラと色味が発現しやすい。本発明では、剥離層を光学干渉による反射防止層として機能させ、アンカー層を剥離フィルムの屈折率に近づけてアンカー層を光学特性に影響の少ない層とすることにより、剥離フィルムの色ムラ、色味を小さくすることができた。
本発明の剥離フィルムにあっては、他の機能層を設けることができる。他の機能層は、剥離層が設けられていない側の面や、剥離層とフィルム基材の間に設けることができる。ただし、剥離層とアンカー層で発現する剥離フィルムの光学特性を維持するために、機能層は剥離層が設けられていない側の面に設けられることが好ましい。機能層としては、例えば、印刷層を設けることができる。
図4に本発明の別の態様の剥離フィルムの説明断面図を示した。本発明の剥離フィルム1にあっては、フィルム基材11の少なくとも一方の面にアンカー層12、剥離層13を順に備えることを特徴とする。このとき、剥離層13は剥離フィルムの最外層に設けられる。また、フィルム基材11の剥離層13が設けられていない側の面に印刷層14を備える。本発明の剥離フィルムは色ムラや色味の発生が抑えられており、印刷層による剥離フィルムの意匠性を低下させることがなく、好適に印刷層を設けることができる。
図4に本発明の積層体の断面説明図を示した。本発明の積層体は剥離フィルムの剥離層表面1と基体2の一方の面が接触してなる基体2の表面はその粘着性を維持するため、もしくは、基体表面に異物が付着することを防ぐために剥離フィルム1の剥離層と貼り合わされる。
基体としては、粘着テープ及び粘着シートや、液晶偏光板やプラズマディスプレイパネル(PDP)、有機ELなどの表示部材、貼付型外用薬などの医療用シート及び医療用フィルム等を用いることができる。本発明の剥離シートは、基体の粘着性を維持するための保護フィルム、基体表面に異物が付着することを防ぐための保護フィルムとして用いることができる。
次に、本発明の剥離フィルムの製造方法について説明する。
本発明の剥離フィルムに用いられる、フィルム基材としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステル系フィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、セロファンフィルム等のセルロース系フィルム、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系フィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム等のアクリル系フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリカーボネートフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム等の有機高分子からなるものが用いることができる。中でも、加工安定性、耐熱性、密着性の点からポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルムを好適に用いることができる。
また、これらのフィルム基材は積層構造であっても構わない。また、フィルム基材は、必要に応じて酸化防止剤、染料、顔料などを添加することができる。また、予め印刷層が形成されているフィルム基材を用いてもよい。
フィルム基材には、アンカー層が形成される。本発明の剥離フィルムにあってアンカー層は、塗液であるアンカー層形成用材料をフィルム基材上に塗布することにより形成される。
本発明おけるアンカー層形成材料としては、エポキシ系、ポリエステルウレタン系、アクリルウレタン系、シランカップリング剤系、チタンキレート系などのキレート化合物などプラスチックフィルムのプライマーとして用いられているものを適宜選択できる。具体例としては大日精化工業社製のセイカダインPETプライマー、大日本インキ製のG588グロス、東洋モートン社製BLS−PC50、東洋紡社製のバイロンUR1350 UR3200などのポリエステル系やアクリル系などの樹脂単独あるいはイソシアネート硬化剤と組み合わせたものを用いることができる。また、シランカップリング剤として東レダウコーニング社製BY24−846(B、C、Eの3液系)、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシトリメトキシシランとアルミキレート混合プライマーを例示することができ、チタンキレート系のアンカー層形成材料としてはマツモトファインケミカル社オルガチックスTC−100などを例示することができる。
また、アンカー層形成材料には、必要に応じて、溶媒が加えられる。溶媒を加えることにより、塗工適性を向上させることができる。溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類、水等の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。
また、アンカー層形成材料には、アンカー層の屈折率を基材フィルムの屈折率の95%以上105%以下の範囲内とするために必要に応じて屈折率調整材料を添加することができる。屈折率調整材料としては、アルミナ粒子、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子を用いることができる。金属酸化物粒子にあっては、剥離層の本来の特性である剥離性やフィルム基材と剥離層との密着性などその他特性を低下させることなく、剥離層の屈折率を調整種ルことができることから好ましく用いることができる。金属酸化物粒子は、アルミナ粒子、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子のほかに、酸化亜鉛、酸化錫等を用いることができるがこれらに限定されるものではない。なお、金属酸化物粒子の粒径としては、3nm以上200nm以下の範囲内であることが好ましい。金属酸化物粒子の粒径が200nmを上回る場合には、透過光が散乱するため、透明性が損なわれることがある。一方、金属酸化物粒子の粒径が3nmを下回る場合には、微粒子製造の上で手間が多く、塗液の安定性が低下することがある。
本発明のアンカー層形成材料は、塗布工程において湿式成膜法によりフィルム基材上に塗布され、アンカー層が形成される。このとき、必要に応じて、塗布工程後に溶媒を除去するための乾燥工程が設けられ、また、加熱工程、電離放射線照射工程が設けられる。塗布工程におけるアンカー層形成材料の塗布方法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーターを用いた塗布方法を用いることができる。
次に、アンカー層が形成されたフィルム基材上には剥離層が形成される。本発明の剥離フィルムにあって剥離層は、塗液である剥離層形成用材料をアンカー層が形成されたフィルム基材上に塗布することにより形成される。
本発明の剥離層形成用材料としては、フィルム基材との密着性、加工適性、剥離性能の点からシリコーン系材料を好適に用いることができる。シリコーン系材料としては、付加硬化型、UV硬化型などの硬化反応タイプの剥離フィルム用シリコーンコート材を用いることができる。具体的には東レ・ダウコーニング(株)製 SRX211、LTC750A、LTC760A、BY24−510、信越化学(株)製 KS774、KS847、KS5508、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製 TPR6700、TPR6702、TPR6710、TPR6721、TPR6500、荒川化学工業(株)製 UV―POLY200,UV−POLY201などを用いることができるが、これらは限定されるものではない。また、剥離層形成材料としては、フッ素系材料を用いることもできる。
また、剥離層形成材料にあっては、硬化タイプにあわせて、各種硬化触媒や光開始剤が用いられ、適宜添加される。例えば、剥離層形成材料として用シリコーンコート材を用いる場合には、東レ・ダウコーニング(株)製SRX212,NC−25,BY24−835など、信越化学(株)製 PL−50Tなど、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製 CM670、UV9380など、荒川化学工業(株)製UV―CATA211などを硬化触媒、光開始剤として用いることができる。
また、剥離層形成材料には、必要に応じて、溶媒が加えられる。溶媒を加えることにより、塗工適性を向上させることができる。溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。
また、塗液である剥離層形成用材料には添加剤として、表面調整剤、レベリング剤、密着性向上剤、光増感剤等を加えることもできる。
本発明の剥離層形成材料は、塗布工程において湿式成膜法によりアンカー層が形成されたフィルム基材上に塗布される。このとき、必要に応じて、塗布工程後に溶媒を除去するための乾燥工程が設けられ、硬化工程として電離放射線照射工程、加熱工程が設けられる。塗布工程における剥離層形成材料の塗布方法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーターを用いた塗布方法を用いることができる。
本発明に設けられる印刷層形成材料としては、公知のインクを用いることができる。多色刷りの場合は、複数のインクを用いることができる。印刷層の形成方法としては、凸版印刷法、グラビア印刷法(凹版印刷法)、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等の印刷法を用いることができる。
以上により、本発明の剥離フィルムは製造される。
以下、実施例を示す。なお、実施例における「モメンティブ製」とは「モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製」のことである。
(実施例1)
フィルム基材として厚さ75μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人製 メリネックスS)を用い、下記組成のアンカー層形成材料をバーコーターにて塗布し、塗布後、オーブンで140℃、30sec乾燥硬化させ、アンカー層を形成した。得られたアンカー層の膜厚は200nmであった。
<アンカー層形成材料(塗液)>
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 3重量部
オルガチックスTC−100(マツモトファインケミカル製) 2重量部
トルエン 500重量部
次に、アンカー層が形成されたフィルム基材に対し、下記組成の剥離層形成材料をバーコーターにて塗布し、塗布後、オーブンで140℃、1min乾燥硬化させ、剥離層を形成した。得られた剥離層の膜厚は100nmであった。
<剥離層形成材料(塗液)>
TPR6702(シリコーンコート材/モメンティブ製) 10重量部
CM670(硬化触媒/モメンティブ製) 0.1重量部
トルエン 60重量部
n−ヘキサン 30重量部
以上により、(実施例1)の剥離フィルムを作製した。
(実施例2)
フィルム基材として厚さ75μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人製 メリネックスS)を用い、下記組成のアンカー層形成材料をバーコーターにて塗布し、塗布後、オーブンで140℃、30sec乾燥硬化させ、アンカー層を形成した。得られたアンカー層の膜厚は1000nmであった。
<アンカー層形成材料(塗液)>
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 2.5重量部
オルガチックスTC−100(マツモトファインケミカル製) 2.5重量部
トルエン 500重量部
次に、アンカー層が形成されたフィルム基材に対し、下記組成の剥離層形成材料をバーコーターにて塗布し、塗布後、オーブンで140℃、1min乾燥硬化させ、剥離層を形成した。得られた剥離層の膜厚は100nmであった。
<剥離層形成材料(塗液)>
TPR6702(シリコーンコート材/モメンティブ製) 10重量部
CM670(硬化触媒/モメンティブ製) 0.1重量部
トルエン 60重量部
n−ヘキサン 30重量部
以上により、(実施例2)の剥離フィルムを作製した。
(実施例3)
フィルム基材として厚さ75μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人製 メリネックスS)を用い、下記組成のアンカー層形成材料をバーコーターにて塗布し、塗布後、オーブンで80℃、30sec乾燥硬化させ、アンカー層を形成した。得られたアンカー層の膜厚は2000nmであった。
<アンカー層形成材料(塗液)>
セイカダインPETプライマー
(大日精化工業製/固形分20wt%) 30重量部
ZrO微粒子分散体
(平均粒子径30nm、トルエン溶媒、固形分20wt%) 20重量部
トルエン 25重量部
メチルエチルケトン 25重量部
次に、アンカー層が形成されたフィルム基材に対し、下記組成の剥離層形成材料をバーコーターにて塗布し、塗布後、オーブンで140℃、1min乾燥硬化させ、剥離層を形成した。得られた剥離層の膜厚は100nmであった。
<剥離層形成材料(塗液)>
TPR6702(シリコーンコート材/モメンティブ製) 10重量部
CM670(硬化触媒/モメンティブ製) 0.1重量部
トルエン 60重量部
n−ヘキサン 30重量部
以上により、(実施例3)の剥離フィルムを作製した。
(実施例4)
フィルム基材として厚さ75μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人製 メリネックスS)を用い、下記組成のアンカー層形成材料をバーコーターにて塗布し、塗布後、オーブンで140℃、30sec乾燥硬化させ、アンカー層を形成した。得られたアンカー層の膜厚は1000nmであった。
<アンカー層形成材料(塗液)>
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 2.5重量部
オルガチックスTC−100(マツモトファインケミカル製) 2.5重量部
トルエン 500重量部
次に、アンカー層が形成されたフィルム基材に対し、下記組成の剥離層形成材料をバーコーターにて塗布し、塗布後、オーブンで100℃、1min乾燥硬化させ、さらに、コンベア式UV硬化装置にて積算露光量500mJ/cmで紫外線照射して剥離層を形成した。得られた剥離層の膜厚は98nmであった。
<剥離層形成材料(塗液)>
シリコリースUV POLY200(荒川化学工業(株)製) 4重量部
シリコリースUV CVATA211
(光開始剤/モメンティブ製) 0.2重量部
酢酸エチル 48重量部
n−ヘキサン 48重量部
以上により、(実施例4)の剥離フィルムを作製した。
(比較例1)
基材として厚さ75μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人製 メリネックスS)を用い、下記組成の剥離層形成材料をバーコーターにて塗布し、塗布後、オーブンで140℃、1min乾燥硬化させ、剥離層を形成した。得られた剥離層の膜厚は100nmであった。このとき、アンカー層は形成しなかった。
<剥離層形成材料(塗液)>
TPR6702(シリコーンコート材/モメンティブ製) 10重量部
CM670(硬化触媒/モメンティブ製) 0.1重量部
トルエン 60重量部
n−ヘキサン 30重量部
以上により、(比較例1)の剥離フィルムを作製した。
(比較例2)
基材として厚さ75μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人製 メリネックスS)を用い、下記組成のアンカー層形成材料をバーコーターにて塗布し、塗布後、オーブンで140℃、30sec乾燥硬化させ、アンカー層を形成した。得られたアンカー層の膜厚は2000nmであった。
<アンカー層形成材料(塗液)>
セイカダインPETプライマー
(大日精化工業製/固形分20wt%) 30重量部
ZrO微粒子分散体
(平均粒子径30nm、トルエン溶媒、固形分20wt%) 20重量部
トルエン 25重量部
メチルエチルケトン 25重量部
次に、アンカー層が形成されたフィルム基材に対し、下記組成の剥離層形成材料をバーコーターにて塗布し、塗布後、オーブンで140℃、1min乾燥硬化させ、剥離層を形成した。得られた剥離層の膜厚は319nmであった。
<剥離層形成材料(塗液)>
TPR6702(シリコーンコート材/モメンティブ製) 10重量部
CM670(硬化触媒/モメンティブ製) 0.1重量部
トルエン 60重量部
n−ヘキサン 30重量部
以上により、(比較例2)の剥離フィルムを作製した。
(比較例3)
フィルム基材として厚さ75μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人製 メリネックスS)を用い、下記組成のアンカー層形成材料をバーコーターにて塗布し、塗布後、オーブンで140℃、30sec乾燥硬化させ、アンカー層を形成した。得られたアンカー層の膜厚は100nmであった。
<アンカー層形成材料(塗液)>
BY24−846B(東レ・ダウコーニング製) 2重量部
BY24−846C(東レ・ダウコーニング製) 2重量部
BY24−846E(東レ・ダウコーニング製) 2重量部
トルエン 94重量部
次に、アンカー層が形成されたフィルム基材に対し、下記組成の剥離層形成材料をバーコーターにて塗布し、塗布後、オーブンで140℃、1min乾燥硬化させ、剥離層を形成した。得られた剥離層の膜厚は100nmであった。
<剥離層形成材料(塗液)>
LTC750A
(シリコーンコート材/東レ・ダウコーニング製) 10重量部
NC−25(硬化触媒/東レ・ダウコーニング製) 0.1重量部
トルエン 60重量部
n−ヘキサン 30重量部
以上により、(比較例3)の剥離フィルムを作製した。
(比較例4)
フィルム基材として厚さ75μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人製 メリネックスS)を用い、下記組成のアンカー層形成材料をバーコーターにて塗布し、塗布後、オーブンで80℃、1min乾燥硬化させ、アンカー層を形成した。得られたアンカー層の膜厚は2000nmであった。
<アンカー層形成材料(塗液)>
セイカダインPETプライマー
(大日精化工業製/固形分20wt%) 50重量部
トルエン 25重量部
メチルエチルケトン 25重量部
次に、アンカー層が形成されたフィルム基材に対し、下記組成の剥離層形成材料をバーコーターにて塗布し、塗布後、オーブンで140℃、1min乾燥硬化させ、剥離層を形成した。得られた剥離層の膜厚は100nmであった。
<剥離層形成材料(塗液)>
TPR6702(シリコーンコート材/モメンティブ製) 10重量部
CM670(硬化触媒/モメンティブ製) 0.1重量部
トルエン 60重量部
n−ヘキサン 30重量部
以上により、(比較例4)の剥離フィルムを作製した。
(実施例1)〜(実施例4)、および(比較例1)〜(比較例4)にて得られた剥離フィルムについて以下の評価を行った。
・分光反射率の測定
得られた剥離フィルムの剥離層形成面と反対側の面を黒色艶消しスプレーにより黒色に塗布した。スプレー塗布後、自動分光光度計(日立製作所製、U−4000)を用い、C光源、2度視野の条件下で、低屈折率層形成面について入射角5°における分光反射率を測定し、得られた反射率曲線から平均視感反射率(Y%)、色相(a、b)を算出した。
・剥離フィルムの色ムラの評価
得られた剥離フィルムの剥離層形成面と反対側の面を黒色艶消しスプレーにより黒色に塗布した。塗布後、剥離フィルムを目視で観察(蛍光灯スタンド直下30cm、天井蛍光灯下1.5m)し、色ムラの発生を観察した。評価基準を以下に示す。
二重丸印:スタンド直下でも色ムラが見えにくい
丸印 :スタンド直下ではやや色ムラあるが、天井下では色ムラが見えない
三角印 :天井下でも容易に色ムラが確認される
バツ印 :天井下でも色ムラがはっきりと確認される
・印刷した剥離フィルムの色ムラ及び意匠性の評価
得られた剥離フィルムの剥離層形成面と反対側の面に、東洋インキ製グラビアインキを用い白、藍、墨の3色ベタ印刷をおこない色見サンプルを作成し、色ムラ評価と同様に、剥離フィルムを目視で観察(蛍光灯スタンド直下30cm、天井蛍光灯下1.5m)し、色ムラの発生を観察した。評価基準を以下に示す。
二重丸印:スタンド直下でも色ムラが見えにくく、意匠性が極めて高い
丸印 :スタンド直下ではやや色ムラあるが、天井下では色ムラは確認できず、
意匠性が高い
三角印 :天井下でも容易に色ムラが確認され、意匠性は低い
バツ印 :天井下でも色ムラがはっきりと確認され、意匠性は極めて低い
・剥離力の測定
得られた剥離フィルムの剥離層形成面にポリエステル粘着テープ(日東電工製31B)を貼り、ガラス板にはさみ20g/cmの荷重で圧着、5時間放置した後、引っ張り試験機にて300mm/minの速度で180度剥離したときの抵抗値を測定(試験片25mm×100mm)。
・密着力の評価
得られた剥離フィルムを、温度40℃、湿度90%に維持された恒温恒湿装置内に4週間保管した。4週間保管後、剥離フィルムを恒温恒湿装置殻取り出し、指先で500gf/cmの荷重で20回摩耗するいわゆるラブオフ試験をおこなった。
評価基準を以下に示す。
丸印 : 外観変化がほとんど見られない
バツ印 : 剥離層が白くなるもしくは脱落する
(表1)に(実施例1)〜(実施例4)、および(比較例1)〜(比較例4)にて得られた剥離フィルムの評価結果を示す。
Figure 2009234058
(実施例1)〜(実施例4)の剥離フィルムは、剥離層を備える側の剥離フィルムの視感平均反射率が0.5%以上2.5%以下であり、且つ、剥離層を備える側の剥離フィルムの分光反射率曲線が波長400nm〜800nmの範囲内において極大値を有さず極小値を1つ有し、且つ、剥離層を備える側の剥離フィルムのL表色系における反射色相が−8≦a≦8、−16≦b≦8の両式を満たす剥離フィルムとすることができ、色ムラ、色味の小さい剥離フィルムとすることができた。また、(実施例1)〜(実施例4)の剥離フィルムは、アンカー層を備えることにより剥離層とフィルム基材の密着性に優れた剥離フィルムとすることができた。
また、裏面に白、藍、墨の3色ベタ印刷をおこなった(実施例1)〜(実施例4)及び(比較例1)〜(比較例4)の剥離フィルムについて、天井の蛍光灯を備える部屋で異物確認検査を目視によりおこなった。その結果、(実施例1)〜(実施例4)の剥離フィルムは異物を容易に確認することができた。一方、(比較例1)〜(比較例4)の剥離フィルムにあっては、異物を確認するために剥離フィルムと蛍光灯の角度を調節しながら剥離フィルム表面を凝視する必要があり、異物を容易に確認することはできなかった。すなわち、(実施例1)〜(実施例4)の剥離フィルムにあっては、色ムラがなく、異物検査が容易な剥離フィルムとすることができた。
本発明の剥離フィルムは、色ムラ、色味のない剥離フィルムを得ることができ、異物検査を容易たらしめ、異物付着による不良問題が重要視される光学ディスプレイなどの表示用部材製造における工程用剥離フィルムや医療医薬の剥離フィルム用途に好適である。また、本発明の剥離フィルムは剥離層とフィルム基材間で十分な密着性に優れ、医療医薬の剥離フィルム用途として好適に用いることができる。また、本発明の剥離フィルムに印刷層を設ける場合にも、剥離フィルムは剥離層表面の反射率が低く、色ムラ、色味がないので、対象となる粘着付製品の内容表示やデザイン、意匠性を損なうことがなく、表示性、意匠性の高い剥離フィルムを得ることができる。
図1は本発明の剥離フィルムの説明断面図である。 図2は本発明の剥離フィルムの分光反射率曲線(モデル)の説明図である。 図3は本発明の剥離フィルムの分光反射率曲線(モデル)の説明図である。 図4は本発明の剥離フィルムの別の態様の説明断面図である。 図5は本発明の積層体の断面説明図である。 図6は(実施例1)の剥離フィルムの分光反射率曲線である。 図7は(実施例2)の剥離フィルムの分光反射率曲線である。 図8は(実施例3)の剥離フィルムの分光反射率曲線である。 図9は(実施例4)の剥離フィルムの分光反射率曲線である。 図10は(比較例1)の剥離フィルムの分光反射率曲線である。 図11は(比較例2)の剥離フィルムの分光反射率曲線である。 図12は(比較例3)の剥離フィルムの分光反射率曲線である。 図13は(比較例4)の剥離フィルムの分光反射率曲線である。
符号の説明
1 剥離フィルム
11 フィルム基材
12 アンカー層
13 剥離層
14 印刷層
2 基体

Claims (4)

  1. 基材フィルムの少なくとも片面にアンカーコート層、剥離層を順に備える剥離フィルムにおいて、
    前記剥離層の屈折率が前記フィルム基材の屈折率よりも小さく、前記剥離層の屈折率と前記フィルム基材の屈折率差が0.04以上0.27以下の範囲内であり、且つ、
    前記剥離層の光学膜厚が113nm以上225nm以下の範囲内であり、且つ、
    前記アンカー層の屈折率が前記基材フィルムの屈折率の95%以上105%以下の範囲内である
    ことを特徴とする剥離フィルム。
  2. 前記剥離層が湿式成膜法により形成されていることを特徴とする請求項1記載の剥離フィルム。
  3. 前記フィルム基材の前記剥離層が設けられていない側の面に印刷層を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の剥離フィルム。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の剥離フィルムと基体を備え、前記剥離フィルムの剥離層表面と前記基体表面が接触していることを特徴とする積層体。
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