JP2009233998A - 多層構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A1)アミノカルボン酸化合物及び/又は(A2)ラクタム化合物、(B)トリブロックポリエーテルジアミン化合物、並びに(C)ジカルボン酸化合物を重合して得られるポリエーテルポリアミドエラストマー(層)と熱可塑性ポリウレタンとを積層してなる多層構造体を提供することである。
【選択図】なし
Description
例えば、特許文献1には、接地部、意匠部、ベース部からなるアウトソールにおいて、前記ベース部の接地部側にはラバーが配置され、接着面側はポリアミドエラストマーが配置され、ラバーと熱可塑性エラストマーとが溶融一体化して接合された構造を有するアウトソールが開示されている。特許文献2には、ポリアミド系エラストマーを、加熱下で、熱可塑性ポリウレタンと接触させて得られる複合体が開示されている。しかしながら、これらの複合体の中には、接着強度が充分高いとは言い難いものもある。
H2N−R1−COOH (1)
[但し、R1は、炭化水素鎖を含む連結基を表わす。]
HOOC−(R3)m−COOH (4)
[但し、R3は、炭化水素鎖を含む連結基を表わし、mは0又は1である。]
本発明に用いられるポリエーテルポリアミドエラストマーは、ポリアミド形成性モノマー[即ち、アミノカルボン酸化合物(A1)及び/又はラクタム化合物(A2)]、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物(B)(Yはポリオキシブチレンである)、及びジカルボン酸(C)を重合して得られるポリエーテルポリアミドエラストマーである。
次に、アミノカルボン酸化合物(A1)及びラクタム化合物(A2)について説明する。
本発明に使用するアミノカルボン酸化合物(A1)は、下記式(1)で表される化合物である。
H2N−R1−COOH (1)
本発明に使用するXYX型トリブロックポリエーテルジアミン(B)は、下記式(3)で表される化合物であり、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコールなどの両末端にプロピレンオキシドを付加することによりポリプロピレングリコールとした後、このポリプロピレングリコールの末端にアンモニアなどを反応させることによって製造されるポリエーテルジアミンなどを用いることができる。
本発明に使用するジカルボン酸化合物(C)は、下記式(4)で表される化合物である。
HOOC−(R3)m−COOH (4)
ここで、R3は、炭化水素鎖を含む連結基を表わし、炭素数1〜20の脂肪族、脂環族若しくは芳香族の炭化水素基又は炭素数1〜20のアルキレン基であることが好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜15の上記炭化水素基又は炭素数1〜15のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数2〜12の上記炭化水素基又は炭素数2〜12のアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数4〜10の上記炭化水素基又は炭素数4〜10のアルキレン基を示すものである。また、mは0又は1を示す。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造方法として、一例を挙げると、ポリアミド形成性モノマー、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン及びジカルボン酸の三成分を、加圧及び/又は常圧下で溶融重合し、必要に応じさらに減圧下で溶融重合する工程からなる方法を用いることができ、さらにポリアミド形成性モノマー、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン及びジカルボン酸の三成分を同時に、加圧及び/又は常圧下で溶融重合し、必要に応じさらに減圧下で溶融重合する工程からなる方法を用いることができる。なお、ポリアミド形成性モノマーとジカルボン酸の二成分を先に重合させ、ついで、XYX型トリブロックポリエーテルジアミンを重合させる方法も利用できる。
これらの使用量は、最終的に得られるエラストマーの相対粘度が1.2〜2.0(0.5質量/容量%メタクレゾール溶液、25℃)の範囲になるように適宜添加することが好ましい。
本発明で使用する熱可塑性ポリウレタン樹脂としては、特に制限なく、公知のものを使用することができる。
縮合系ポリエステルポリオールは、ジカルボン酸とジオールの1種又は2種以上用いることにより得られるポリエステルジオールが好ましく用いられる。
(c)層において、ポリウレタンは、ポリエステルジオール及び/又はポリエーテルジオールをソフトセグメントとする熱可塑性ポリウレタンを好ましく用いることができる。
ジイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、m−又はp−フェニレンジイソシアネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどを用いることができ、これらのポリイソシアネートの1種または2種以上を用いることができる。それらのうちでも4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく用いられる。
鎖伸長剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス−(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、キシリレングリコールなどのジオール類;ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジンおよびその誘導体、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなどのジアミン類;アミノエチルアルコール、アミノプロピルアルコールなどのアミノアルコール類などが挙げられ、これらを1種または2種以上用いることができる。これらのなかでも、炭素数2〜10の脂肪族ジオールを用いるのが好ましく、1,4−ブタンジオールを用いるのがより好ましい。
本発明の多層構造体は、上記ポリエーテルポリアミドエラストマーのシートと上記熱可塑性ポリウレタン樹脂シートとを積層した積層体である。
また、積層体の層数は2層以上であるが、積層体における全体の層数は特に制限されず、いずれでもよい。積層体製造装置の機構から判断して、好ましくは7層以下、さらに好ましくは2層〜5層である。
カルボキシ基及びその塩、酸無水物基、エポキシ基としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸及びこれらカルボン酸の金属塩(Na、Zn、K、Ca、Mg)、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水フマル酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジル等が挙げられる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーのシートと熱可塑性ポリウレタン樹脂のシートとは、熱プレス成形や射出成形によって積層することができ、必要に応じて加圧してもよく、減圧雰囲気下で加圧成形してもよい。
成形温度としては、120〜250℃の範囲が好ましく、130〜230℃の範囲がさらに好ましく、130〜220℃の範囲が特に好ましい。
基材層は、X層及びY層のポリマーを除く、他のポリマー材料から得られるフィルム、シート、膜及び成形物など;天然・合成繊維、ガラス・セラミックスなどを原料とする無機繊維から得られる織物、編物、組み物及び不織布など;ガラス、金属、セラミックス、塗膜、紙など;皮革などを用いることができる。
接着層は、公知の各接着成分、接着性を有するシートやフィルムなどを用いることができ、本発明の特性を損なわないものを用いることが好ましい。
(1)相対粘度(ηr)(0.5質量/容量%メタクレゾール溶液、25℃)
試薬特級品のm−クレゾールを溶媒として、5g/dm3の濃度で、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した。
重合物約1gに40ミリリットルのベンジルアルコールを加え、窒素ガス雰囲気で加熱溶解し、得られた試料溶液に指示薬としてフェノールフタレインを加えて、N/20水酸化カリウム−エタノール溶液で滴定した。
重合物約1gを40ミリリットルのフェノール/メタノール混合溶媒(容量比:9/1)に溶解し、得られた試料溶液に指示薬としてチモールブルーを加えて、N/20塩酸で滴定した。
10mMのCF3COONaを含むヘキサフルオロイソプロパノールを溶媒とし,カラムとしてShodex HFIP−LGと2本のHFIP−806Mを取り付けた東ソー株式会社製HLC−802Aを用いて測定した.試料濃度,測定温度,流速,流圧および注入量はそれぞれ0.2wt/vol%,40℃,0.8ml/分,31kgf/cm2および500μlである。
ASTM D−1238に準拠して、200℃における2160gの荷重で測定した。10分間にストランド状に押出される樹脂の重量を測定することにより求めた。
ゼロせん断粘度は溶融状態における動的粘弾性測定により得られる.溶融状態(200℃)における動的粘弾性測定は、直径25mm、コーン角0.1ラジアンのコーン・プレートを装着したTA株式会社製のARESを用いて行った。ゼロせん断粘度は測定角周波数に依存しない複素粘度の絶対値から決定した。
Tm及びTcは、株式会社島津製作所製示差走査熱量計DSC−50を用いて窒素雰囲気下で測定した。室温から230℃まで10℃/minの速度で昇温し(昇温ファーストランと呼ぶ)、230℃で10分保持したのち、−100℃まで10℃/minの速度で降温し(降温ファーストランと呼ぶ)、次に230℃まで10℃/minの速度で昇温した(昇温セカンドランと呼ぶ)。得られたDSCチャートから降温ファーストランの発熱ピーク温度をTc、昇温セカンドランの吸熱ピーク温度をTmとした。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの組成は、重トリフロロ酢酸を溶媒として、4質量%の濃度で、日本電子株式会社製JNM−EX400WB型FT−NMRを用いて、室温で測定したプロトンNMRスペクトルから各成分の組成を求めた。
ASTM D2240に準拠してショアDを測定した。射出成形により成形した厚さ6mmのシートを用いて測定した。測定は、温度23℃で行った。
(i)引張り試験(引張り降伏点強さ及び引張り破断伸び):ASTM D638に記載のTypeIの試験片をASTM D638準拠して測定した。
(ii)曲げ試験(曲げ弾性率及び曲げ強度):試験片寸法6.35mm×12.7mm×127mmの試験片を用いてASTM D790に準拠して測定した。
(iii)衝撃強さ(アイゾットノッチ付):試験片寸法12.7mm×12.7mm×63.5mmの試験片を用いてASTM D256に準拠し、23℃で測定した。
(iv)荷重たわみ温度:試験片寸法6.35mm×12.7mm×127mmの試験片を用いてASTM D648に準拠し、荷重0.45MPaで測定した。
ポリエーテルポリアミドエラストマー70部と熱可塑性ポリウレタン30部を200℃で溶融混練により調製したブレンド試料の内部に形成された熱可塑性ウレタン分散相粒子を透過型電子顕微鏡で撮影し、その写真から画像解析装置により数平均半径R(m単位)を評価し、ブレンド200℃、角周波数222s-1における溶融粘度η(Pas単位)を粘弾性測定装置を用いて測定し、分散相の体積分率をφとした時、下記の数式1の式より求めた(高分子論文集,63(2),103−112(2006)記載)。
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた容積約5リットルの反応容器に宇部興産株式会社製12−アミノドデカン酸(ADA)1733g、ABA型のトリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製XTJ−542、アミン価:1.95meq/g)674g及びアジピン酸(AA)93gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速200ml/分で供給しながら、190℃で2時間加熱し、次に1時間かけて230℃に昇温させ、さらに230℃で8時間重合を行い、重合物(PAE1)を得た。
得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであり、ηr=1.88、[COOH]=2.65×10−5eq/g、[NH2]=2.53×10−5eq/g、数平均分子量(Mn)=38600、Mw=66000,MFR=13.0,200℃におけるゼロせん断粘度=660Pas,Tm=165℃、Tc=128℃であった。ポリマー組成はPA12/XTJ−542/AA=72.3/25.5/2.2(質量%)(ただし、PA12、XTJ−542及びAAはポリマー中の各成分を表し、PA12はナイロン12単位を、XTJ−542はABA型トリブロックポリエーテルジアミン単位を、AAはアジピン酸単位をそれぞれ表す)であった。得られた重合物の硬度及び機械的物性は、以下のとおりである。
硬度:63,曲げ弾性率:258MPa,曲げ強度:12.9MPa,引張り降伏強度:16.0MPa,引張り破断伸び:300%以上,衝撃強さ:NB,荷重たわみ温度:85℃。
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた容積約5リットル反応容器に宇部興産株式会社製12−アミノドデカン酸(ADA)1250g、ABA型のトリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製XTJ−542、アミン価:1.95meq/g)1098g及びアジピン酸(AA)152gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速200ミリリットル/分で供給しながら、190℃で2時間加熱し、次に1時間かけて230℃に昇温し、さらに230℃で10時間重合を行い、重合物(PAE2)を得た。
得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであり、ηr=1.62、[COOH]=3.66×10−5eq/g、[NH2]=4.14×10−5eq/g、Mn=25600、Mw=65000,MFR=14.1,200℃におけるゼロせん断粘度=610Pas,Tm=151℃、Tc=108℃であった。ポリマー組成はPA12/XTJ−542/AA=50.7/44.2/5.1(質量%)(ただし、PA12、XTJ−542及びAAはポリマー中の各成分を表し、PA12はナイロン12単位を、XTJ−542はABA型トリブロックポリエーテルジアミン単位を、AAはアジピン酸単位をそれぞれ表す)であった。得られた重合物の硬度及び機械的物性は、以下のとおりである。
硬度:55,曲げ弾性率:155MPa,曲げ強度:8.5MPa,引張り降伏強度:11.0MPa,引張り破断伸び:300%以上,衝撃強さ:NB,荷重たわみ温度:67℃。
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた容積約5リットル反応容器に12−アミノドデカン酸(宇部興産株式会社製)2085g及びアジピン酸76gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを50ml/分で流しながら200℃で1時間加熱し、次に1時間かけて240℃とし、さらに240℃で4時間加熱し、重合を終了した。重合物の末端基濃度は、[COOH]=26.17×10−5eq/g、[NH2]=0eq/gであり、Mn)=3821の両末端カルボキシル基のナイロン12オリゴマー1986gを得た。
次いで、このオリゴマーにMn=989のポリテトラメチレングリコール514g及びテトラブチルチタネート8gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを200ミリリットル/分で流しながら200℃で3時間加熱し、続いて10分で約130Paまで減圧し、1時間重合を行った後、10Paまで減圧して1時間重合を行った。さらに20分かけて昇温し、240℃−約10Paで3時間重合を行い、重合物を(PAE3)を得た。
得られた重合物は白色柔軟で強靭なポリマーであり、ηr=2.07、Mw=109000,MFR=6.0,200℃におけるゼロせん断粘度=1420Pas,Tm=170.2℃、Tc=145.3℃であった。ポリマー組成は、PA12/PTMG/AA=77.5/20.4/2.1(質量%)(ただし、PA12、PTMG及びAAはポリマー中の各成分を表し、PA12はナイロン12単位を、PTMGはポリテトラメチレングリコール単位を、AAはアジピン酸単位をそれぞれ表す)であった。得られた重合物の硬度及び機械的物性は、以下のとおりである。
硬度:65,曲げ弾性率:311MPa,曲げ強度:14.2MPa,引張り降伏強度:17.4MPa,引張り破断伸び:300%以上,衝撃強さ:265J/m,荷重たわみ温度:87℃。
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた容積約5リットル反応容器に12−アミノドデカン酸(宇部興産株式会社製)1679g及びアジピン酸124gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを50ml/分で流しながら200℃で1時間加熱し、次に1時間かけて240℃とし、さらに240℃で4時間加熱し、重合を終了した。重合物の末端基濃度は、[COOH]=50.94×10−5eq/g、[NH2]=0eq/gであり、数平均分子量(Mn)=1963の両末端カルボキシル基のナイロン12オリゴマー1662gを得た。
次いで、このオリゴマーにMn=989のポリテトラメチレングリコール838g及びテトラブチルチタネート8gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを200ミリリットル/分で流しながら200℃で3時間加熱し、続いて10分で約130Paまで減圧し、1時間重合を行った後、10Paまで減圧して1時間重合を行った。さらに20分かけて昇温し、240℃−約10Paで3時間重合を行い。重合物(PAE4)を得た。
得られた重合物は白色柔軟で強靭なポリマーであり、ηr=2.04、Mw=120000,MFR=8.0,200℃におけるゼロせん断粘度=890Pas,Tm=165.3℃、Tc=140.1℃であった。ポリマー組成は、PA12/PTMG/AA=
62.8/33.5/3.7(質量%)(ただし、PA12、PTMG及びAAはポリマー中の各成分を表し、PA12はナイロン12単位を、PTMGはポリテトラメチレングリコール単位を、AAはアジピン酸単位をそれぞれ表す)であった。得られた重合物の硬度及び機械的物性は、以下のとおりである。
硬度:55,曲げ弾性率:168MPa,曲げ強度:8.7MPa,引張り降伏強度:11.6MPa,引張り破断伸び:300%以上,衝撃強さ:NB,荷重たわみ温度:67℃。
前記製造例で得られたPAE1〜4のペレットを射出成形し、物性測定用試料を得た。また、210℃で射出成形したポリエステルジオール系ポリウレタン(BASFジャパン社製,商品名:エラストランET690)ならびにポリエーテルジオール系ポリウレタン(BASFジャパン社製,商品名:エラストランET890)に対して、PAE1〜4をそれぞれ240℃で二色成形を行い、熱可塑性ウレタンとPAEとの積層体を作成し、剥離強さを測定した。
剥離強度は、オリエンテック株式会社製、テンシロン2500を用い、引張速度50mm/分で行った。結果を表2に示す。
Claims (9)
- 下記式(1)で表わされるアミノカルボン酸化合物(A1)及び/又は下記式(2)で表わされるラクタム化合物(A2)、下記式(3)で表わされるトリブロックポリエーテルジアミン化合物(B)、並びに下記式(4)で表わされるジカルボン酸化合物(C)を重合して得られるポリエーテルポリアミドエラストマーと熱可塑性ポリウレタンとを積層してなる多層構造体。
H2N−R1−COOH (1)
[但し、R1は、炭化水素鎖を含む連結基を表わす。]
HOOC−(R3)m−COOH (4)
[但し、R3は、炭化水素鎖を含む連結基を表わし、mは0又は1である。]
- ポリエーテルポリアミドエラストマーの200℃におけるゼロせん断粘度が700Pas以下であることを特徴とする請求項1記載の多層構造体。
- ポリエーテルポリアミドエラストマーの重量平均分子量が10万以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層構造体。
- ポリエーテルポリアミドエラストマーのASTM D−1238に準拠して,200℃における2160gの荷重で測定したMFRが10以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多層構造体。
- ポリエーテルポリアミドエラストマーのm−クレゾールを溶媒として5g/dm3濃度でオストワルド粘度計を用いて25℃で測定した相対粘度が2以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多層構造体。
- ポリエーテルポリアミドエラストマーの結晶化温度が138℃以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の多層構造体。
- 熱可塑性ポリウレタンが、ソフトセグメントとしてポリエステルジオールおよび/またはポリエーテルジオールおよび/またはポリカーボネートジオールおよび/またはポリカプロラクトンジオール単位を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の多層構造体。
- ポリエーテルポリアミドエラストマーと熱可塑性ポリウレタンとの200℃における界面張力が1×10−3N/m以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の多層構造体。
- ポリエーテルポリアミドエラストマーと熱可塑性ポリウレタンとが、ポリエーテルポリアミドエラストマー70部と熱可塑性ポリウレタン30部を200℃で溶融混練により調製したブレンド試料の内部に形成された熱可塑性ウレタン分散相粒子の数平均半径が100nm以下である関係を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の多層構造体.
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