JP2009232494A - 回転電機の回転子とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転中の回転子1の引出線16の作動応力を確実に低減し、引出線16が破断することなく寿命の向上を図った回転電機の回転子とその製造方法の提供。
【解決手段】引出線16の基端部が規制部29を経由して第1係止部17の第1溝部31に挿着され、引出線16の中間部は、基端部まで延在する絶縁チューブ25に被覆された状態で、当接部34に当接しながら第2係止部18に向かう。その後、この中間部を絶縁チューブ25とともに扇状部32の自由端部36を経由して径方向内側に引き回し、第2溝部33へ内側からスリット開放側に挿し込むとともに、絶縁チューブ25を押し潰しつつ外側に押し、くびれ部35に挿着して、軸方向に敷設する。そして、コア肩部24と離間させて径方向内側に折り曲げる。引出線16を挿着、固定して後、さらに、樹脂による含浸材の適量充填により、引出線16と絶縁チューブ25、および絶縁ボビン5との確実な接着を得る。
【選択図】図3

Description

本発明は、回転電機の回転子とその製造方法に関し、特に車両用交流発電機のように、回転子の回転子鉄心が対をなすランデル型ポールコアからなる回転電機に適用して好適な回転電機の回転子とその製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来から、車両用交流発電機の回転子は、回転子鉄心(ポールコア)としてランデル型ポールコアを用いており、このランデル型ポールコアの複数個を対向して組合せ、形成される中空部に絶縁ボビンを介して巻装される界磁コイルを嵌着し、シャフトをその軸心に圧入固着させた構造となっている。
回転子を構成する界磁コイルが巻装される絶縁ボビンは、界磁コイルが巻回される巻胴部と、巻胴部の両端から径方向外側に伸びるフランジ部とを有している。この一方のフランジ部には、界磁コイルの回り止め、および巻き始め側および巻き終り側の引出線を固定(係止)する突起部が設けられており、引出線のゆるみの発生を防ぐようになっている。
そして、この突起部には、引出線を巻き付けて係止する構造、あるいは、切欠き部を設けて差し込んで係止する構造など組付け作業性の向上を図ったものが種々提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。
図11は、従来例1として、特許文献1に開示される回転子の要部の構造を示し、(a)は部分半断面図であり、(b)はX視の拡大斜視図である。
図11(a)に示すように、回転子100は、シャフト101に嵌着されるランデル型ポールコア102を対向して組付け、内部に形成される中空部に絶縁ボビン103を介して巻装される界磁コイル104を備える周知のものである。絶縁ボビン103は、界磁コイル104が巻回される円筒状の巻胴部105と、巻胴部105の両端から径方向外側に伸びるフランジ部106を有し、フランジ部106には界磁コイル104の巻き始めおよび巻き終りの引出線107を巻き付けられる径方向および軸方向に突出する突起部108が対向して1対設けられている。
図11(b)に示すように、それぞれの突起部108は、第1のポールコア102の爪部間谷部のV溝状に切り欠かれた根元部109に係合されている。突起部108には、断面がEの字形の巻付け部110が一体で設けられている。この巻付け部110には、巻き終りの引出線107の基端部が巻付けられている。そして、引出線107は、係止溝111に嵌着されて根元部109の壁面に沿って軸方向に伸び、さらに、径方向に折れ曲がって根元部109から、端面に形成される溝部112内に装着され、径方向に伸びている。そして、引出線107の先端部はスリップリングに通電するターミナルに巻付けられる。また、引出線107の中間部には絶縁チューブ113が被覆され、さらに、絶縁チューブ113は、溝部112と根元部109に接着剤114で接着されている。
上記構成の車両用交流発電機では、運転中において、回転子100は磁気を励起させ回転するが、ポールコア102に生じる磁気がステータコアと引き合う(磁気吸引力)ため、ポールコア102に振動が生じ、ポールコア102と絶縁ボビン103との間で軸方向に離間、密着を繰返す結果、ポールコア102の根元部109および肩部115からターミナルに延在する引出線107は、肩部115と根元部109との間で、繰返し引張応力および遠心力を受ける。
さらに、引出線107が、引出線107を係止溝111に固定する第1係止部と、根元部109に接着材114にて固定する第2係止部と、および溝部112に接着材114にて固定する第3係止部とでそれぞれ拘束されるため、ポールコア102の肩部115(または、接着部)より突起部108の第1係止部に至る2点間で引張力が集中して作用し、接着による拘束のない場合に比べて引出線107の歪み率が高くなることから、断線が起こりやすいという問題がある。
また、絶縁チューブ113を突起部108の第1係止部まで伸ばして引出線107にかかる応力を分散させた場合(特許文献1の実施例4参照)、樹脂含浸の設備能力や表面の清浄度の変動から、付着する領域や接着強度にばらつきが生じやすく、最悪の場合には、絶縁チューブ113はポールコア102とのみ接着され、絶縁ボビン103とは接着されない場合があって、開示されるような効果を奏しないこともある。
また、図12は、従来例2として、特許文献2に開示される回転子の要部を示す部分的な拡大斜視図であり、(a)は絶縁チューブを係止部まで挿着したとき、(b)は絶縁チューブを巻線端面まで挿着したときを示す。図13は係止部の詳細構造を示したもので、(a)は正面図であり、(b)は立面図であり、(c)は側面図である。
従来例2では、図12、13に示すように、界磁コイル104の引出線107は、フランジ部106の端面に沿って界磁コイル104の巻回方向に対して逆方向に向わせる第1係止部121と、さらに径方向内側に向わせるよう誘導する第2係止部122とから形成される。引出線107は、界磁コイル104の巻回部から第1係止部121を経由して鋭角に折り曲げられ(係止され)て径方向に敷設されており、さらに第2係止部122を経由して軸方向に敷設されている。そして、絶縁チューブ113は第2係止部122まで配設されて、さらに樹脂含浸(接着材)114によりフランジ部106と一体構造の第2係止部122に接着されている。
従って、構造が簡単となり、単に引出線107を掛け止めすることにより固定できるので、作業性に優れ、また、界磁コイル104の引出線107を、遠心力に対して十分な強度を確保しながら固定することができるので、遠心力による破断を防止でき、さらに、引出線107をフランジ部106で樹脂含浸114により固着するので、確実に引出線107を固定でき、引出線107のゆるみおよび遠心力による破断を防止できるとしている。
しかしながら、上記構成の場合であっても、さらに、絶縁チューブ113を界磁コイル104のコイル巻線の巻回部端面に至るまで延在させ樹脂含浸により固着する領域を広げる場合であっても(特許文献3の実施例4、図12(b)参照)、巻回部端面には、樹脂含浸により、巻線の導線同士と絶縁ボビンのフランジ部106とは接着されているが、樹脂含浸前の絶縁チューブ113の挿着時の巻回部外周との挿着領域が不安定となることがあり、その結果、樹脂含浸によって接着しても、絶縁チューブ113の接着強度が不安定となり、設計上の寸法値や必要強度を維持できずに引出線107の破断を引き起こす懸念がある。
特開2001−37180号公報 特開2002−335661号公報 特開2000−125528号公報
それで、簡単に引出線が掛け止めでき、引出線の敷設方向を自在に配設可能とする係止部と、引出線に被覆する絶縁チューブを引出線の基端部まで延在させ、係止部に引出線とともに挿着保持し、引出線に掛かる応力を分散して、さらに、係止部と絶縁ボビンとの間に樹脂含浸等の接着剤が適量充填されて、絶縁ボビンと確実な固着が確保できる係止部を有する係止構造の提供が重要な課題となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、運転中の回転子の引出線の作動応力を確実に低減し、引出線が破断することなく寿命の向上を図った回転電機の回転子とその製造方法を提供することを目的とする。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の手段によれば、シャフトに圧入固着されるランデル型ポールコアと、ポールコアに絶縁ボビンを介して巻装される界磁コイルとを備えた回転電機の回転子において、絶縁ボビンは、界磁コイルが巻回される円筒状の巻胴部と、巻胴部の両端から径方向外側に伸びるフランジ部とを有し、フランジ部には、界磁コイルの巻き始め側および巻き終り側の引出線を、フランジ部の端面に沿って、界磁コイルの巻回方向に対して逆方向に、かつ、径方向内側に向かわせる第1係止部と、第1係止部には、引出線を係止する第1の溝部が、径方向外側から内側に向けて形成されており、界磁コイルの巻回方向に対して逆方向に、かつ、径方向内側に向かう引出線をフランジ部の端面に対して軸方向に向かわせる第2係止部と、第2係止部には、引出線を係止する第2の溝部が、径方向内側から外側に向けて、かつ、くびれ部を有して形成されており、引出線は、界磁コイルの巻回部から第1係止部を経由して巻回方向に対して逆方向に、かつ、径方向に敷設され、さらに、第2係止部を経由して軸方向に敷設されており、第2係止部における引出線の固定において、引出線がくびれ部に径方向内側から外側に向けて挿着され、係止されていることを特徴としている。
これにより、回転子が回転中の遠心力により引出線が飛び出すのを防ぐことできる。さらに、遠心力や繰返しの引張応力による引出線の破断を防止することができる。
〔請求項2の手段〕
請求項2に記載の手段によれば、引出線には、引出線を被覆する絶縁チューブが引出線の基端部まで挿入され、絶縁チューブは、引出線とともに第2係止部のくびれ部に挿着され、くびれ部は、くびれ部に引出線を挿着した状態で、引出線を被覆する絶縁チューブの外径より小さく、引出線の外径と絶縁チューブのチューブ厚みの2倍とを加えた寸法値と同じかそれ以上のくびれ幅を設けたことを特徴としている。
これにより、絶縁チューブをくびれ幅方向に潰して挿入すれば容易に第2係止部に挿入でき、自動化も可能となる。また、工程や工場間の搬送中にズレたり外れたりするのを防止できる。
〔請求項3の手段〕
請求項3に記載の手段によれば、第1係止部と第2係止部との間を径方向に敷設される引出線が、第1係止部と第2係止部との間で絶縁ボビンのボビン壁部の内側と接触するように、ボビン壁部の内側に凸状の当接部を設けたことを特徴としている。
これにより、絶縁ボビンとの接触面積を増やし、樹脂含浸後の絶縁ボビンと絶縁チューブとの接着力が向上できる。
〔請求項4の手段〕
請求項4に記載の手段によれば、第1係止部と第2係止部との軸方向の間隔は、引出線と絶縁チューブとが径方向に引き回されて敷設されることができる間隙を備えるように位置決めされることを特徴としている。
これにより、引出線を第2係止部に挿着し易くなる。
〔請求項5の手段〕
請求項5に記載の手段によれば、第1係止部における引出線を係止する第1の溝部が、径方向外側から内側に向けて形成されており、第1の溝部は、引出線は挿通するが、絶縁チューブは挿通せずに、絶縁チューブの軸方向および径方向への移動を規制するように溝幅を設けたことを特徴としている。
これにより、絶縁チューブが工程や工場間の搬送中にズレ落ちるのを防止できる。
〔請求項6の手段〕
請求項6に記載の手段によれば、第2係止部は、引出線がポールコアの爪部間谷部のV溝壁面より内径側に位置し、V溝壁面との間で、樹脂含浸加工がなされた後、含浸材の充填はされず、互いに離間して敷設されていることを特徴としている。
これにより、確実に、ポールコアのV溝壁面に対し、浮いた状態となる引出線の領域をポールコアの肩部と絶縁ボビンの第2係止部との間に確保でき、絶縁ボビンと引出線は樹脂含浸によって一体となっていても、絶縁ボビンの剛性によって振動伝播を抑えることができるので、よって、引出線の断線や繰返し応力による疲労破断を防止する。
〔請求項7の手段〕
請求項7に記載の手段によれば、シャフトに圧入固着されるランデル型ポールコアと、
ポールコアに絶縁ボビンを介して巻装される界磁コイルとを備えた回転電機の回転子において、絶縁ボビンは、界磁コイルが巻回される円筒状の巻胴部と、巻胴部の両端から径方向外側に伸びるフランジ部とを有し、フランジ部には、界磁コイルの引出線を、フランジ部の端面に沿って、径方向、ならびに軸方向コイル外側向きに向わせる第1係止部と、第1係止部には、引出線を挿着するスリット開放部が、内側から外側に向かう第1溝部を有して形成されており、第1係止部と所定の間隔を有して配設される第2係止部と、第2係止部には、引出線に被覆する絶縁チューブを径方向ならびに周方向に挿着する第2溝部を有して形成されており、引出線は、界磁コイルの巻回部から巻回方向に敷設され、径方向ならびに軸方向に向かって第1係止部のスリット開放部の第1溝部に挿着され、つづく第2係止部の第2溝部に挿着されて、絶縁チューブとともに軸方向に敷設されることを特徴としている。
これにより、従来では引出線のみの挿着か絶縁チューブ外周を挿着することにより引出線の位置規制を行っていたが、これを各部材が独立して規制されることができるため、絶縁チューブの慣性力が引出線に作用することが抑制され、引出線に作用する応力を低減することができる。
〔請求項8の手段〕
請求項8に記載の手段によれば、引出線を、フランジ部の端面に沿って、巻回部の巻回方向に向かわせ、かつ、フランジ部のボビン内径方向および軸方向外側に向かわせる第1規制部と、引出線を、巻回部の内径方向および巻回周方向に向かわせ、かつ、引出位置を規制する第2規制部とによって引き出し方向が規制されることを特徴としている。
これにより、引出線がゆるみを生じることなく、かつ、最短距離を介する係止部への引き回しが可能となり、確実な係止が可能となる。
〔請求項9の手段〕
請求項9に記載の手段によれば、第1溝部は、絶縁チューブのチューブ径より小さな溝幅を有し、引出線を挿通して挿着するが、絶縁チューブは挿通して挿着せずに、絶縁チューブの軸方向への移動および位置を規制するよう設けられたことを特徴としている。
これにより、製造組立時に、絶縁チューブの軸方向位置が安定し、引出線の断線に対する耐久性、および絶縁性に影響する絶縁チューブ位置について設計上の狙い値を管理し易くなる。
〔請求項10の手段〕
請求項10に記載の手段によれば、第1溝部および第2溝部は、引出線がV溝壁面より径方向外側に離間するよう配置されることを特徴としている。
これにより、絶縁ボビン係止部近傍において、径方向に壁面と確実に離間でき、絶縁ボビンと壁面間にある絶縁チューブおよび引出線が、短いスパンでポールコア振動による繰返し引張り変位を受け大きな引張歪みとなるのを防ぐことができる。
〔請求項11の手段〕
請求項11に記載の手段によれば、第2溝部の溝幅は、絶縁チューブと引出線が挿着されたとき、引出線径と絶縁チューブ厚みの2倍とを加えた寸法値と同じであることを特徴としている。
これにより、絶縁チューブと引出線は第2溝部に過不足なく確実に挿着、固定できる。
〔請求項12の手段〕
請求項12に記載の手段によれば、第2溝部の溝幅は、絶縁チューブと引出線が挿着されたとき、絶縁チューブ外径と同じか小さく、引出線径と絶縁チューブ厚みの2倍とを加えた寸法値より大きいことを特徴としている。
これにより、絶縁チューブと絶縁ボビンとの固定力を向上でき、ポールコア振動により引出線に作用する引張応力を効果的に分散できる。
〔請求項13の手段〕
請求項13に記載の手段によれば、第1係止部と第2係止部との間に、軸方向に所定の間隙を形成して空間部を設け、空間部には樹脂含浸の接着材が充填されることを特徴としている。
これにより、樹脂含浸の塗布時は液状であるが、3方向が閉塞され流れ出しが従来に比べ抑制されるので、空間内の含浸量を効果的に増やすことができ、絶縁チューブの接着強度に係る設計自由度を高めることが可能となる。
〔請求項14の手段〕
請求項14に記載の手段によれば、第1溝部または第2溝部は、界磁コイルの巻回部の周方向において巻き終り引出線側または巻回部の径方向内径側、もしくはその双方側を含む方向に開放されたスリット開放部が形成され、引出線が、第1溝部または第2溝部のいずれかのスリット開放部に挿着されることを特徴としている。
これにより、引出線をそれぞれの溝部に挿着する際に、引出線を巻回部の周方向から軸方向に略直角および径方向に曲げるのみで済み、従来のように周方向に2度折り返す略S字状の曲げ加工に比べ、組立が簡単になり、加工工数が低減してコストダウンが可能となる。
〔請求項15の手段〕
請求項15に記載の手段によれば、第1溝部または第2溝部のスリット開放部は、スリット開放側よりスリット閉塞側に向って、狭まり状テーパ断面を有することを特徴としている。
これにより、引出線および絶縁チューブの挿着後、振動等で外れることが確実に防止できる。
〔請求項16の手段〕
請求項16に記載の手段によれば、第1規制部は、巻回部の周方向において、第1係止部のコイル巻線周方向位置に対し、コイル巻線に沿って巻き終り引出線の基端部側と反対側であるコイル巻線上を延在する側に位置することを特徴としている。
これにより、コイル巻線周方向から延在する引出線を巻回部軸方向に曲げる曲げ半径を従来より大きくすることができ、曲げ加工による塑性伸びを低減し、引出線の強度低下することを防ぐとともに、絶縁ボビン壁面と引出線の接触領域を低減することができ、コイル巻線周方向と第1係止部との間の規制を緩和して、ポールコアのV溝からの振動の伝達を抑制して繰返しの引張歪みを低減することができる。
〔請求項17の手段〕
請求項17に記載の手段によれば、第1係止部または第2係止部とV溝壁面との間に絶縁ボビンと連接されるボビン壁部が形成され、ボビン壁部とV溝壁面とが当接していることを特徴としている。
これにより、ボビン係止部が樹脂含浸による接着もしくは摩擦によりポールコアの振動に追従しての移動(変位)ができるので、延在する引出線における係止部とポールコアの肩部との間の距離の変動が抑制され、この領域の引出線には引張応力の発生が低下して引出線の断線が防止できる。
〔請求項18の手段〕
請求項18に記載の手段によれば、第2規制部は、絶縁ボビンの内径側にボビン壁面から突出した、円弧状断面をもつ凸状形状で、引出線におけるコイル巻線周方向から軸方向に向って円弧状外周面と外接または近接するように設けられたことを特徴としている。
これにより、引出線は第1規制部とに挟まれて係止できるので、ズレの生じない安定した固定が可能となる。
〔請求項19の手段〕
請求項19に記載の手段によれば、引出線は、第1規制部に内接し、さらに、第2規制部に外接して曲げられ、第1規制部および第2規制部に挟まれて、第1係止部に向って軸方向に敷設されることを特徴としている。
これにより、第1規制部および第2規制部に挟まれて係止できるので、ズレの生じない安定した固定が可能となる。
〔請求項20の手段〕
請求項20に記載の手段によれば、第2規制部は、絶縁ボビンの径方向外側に向うにつれ、あるいは周方向の反巻回方向(反引出線延在方向)に向うにつれ、軸方向の部材厚みが薄くなるテーパ状に形成されること特徴としている。
これにより、テーパ形状により引出線を第1係止部に挿着するときに第2規制部との係合代が増加し、摩擦力が増加してズレが生じ難くなる。
〔請求項21の手段〕
請求項21に記載の手段によれば、引出線の前記第1規制部による曲げ起点から第1係止部の周方向の先端角部を結ぶ仮想線と、これに平行な第2規制部の周方向の先端角部を起点とする仮想線を、略径方向内側に向って投影した場合の投影面上の間隔は、引出線径より大きく設定されたことを特徴としている。
これにより、第2規制部は樹脂含浸の接着前の引出線のコイル巻線周方向から軸方向へ曲げられた曲げ部が自重でずれないように固定することができ、引出線の形状を設計上理想的な設定で、安定的に製造でき、品質を安定させることができる。また、設備や人手で引出線の位置を維持する必要がないので、低コストで容易に品質の安定を図ることができる。
〔請求項22の手段〕
請求項22に記載の手段によれば、第2溝部の巻回部内径側の壁面の径方向位置は、ポールコアの肩部における引出線の接触位置と第1溝部の内径側の壁面の径方向位置とを結ぶ仮想線上と同じか、あるいは、より外径側に設けられたことを特徴としている。
これにより、ポールコアのV溝の壁面に樹脂含浸の接着剤が塗布された場合に、引出線がこの壁面に接近し過ぎるとポールコアと引出線とが接着固定され、絶縁ボビンの各係止部との非拘束領域が減少して、短いスパンでの振動加振となって引張歪みが増加して断線しやすくなるが、本手段では、ポールコアの肩部から絶縁ボビンに向う引出線の延在方向仰角が増えて、肩部での引出線および絶縁チューブの接着領域を減少できるので、長いスパンが確保でき断線を防ぐことが可能となる。
〔請求項23の手段〕
請求項23に記載の手段によれば、第1係止部には、引出線を係止するスリット開放部が、内側から外側に向かう第1溝部を有して形成され、かつ、第1溝部に平行に、軸方向の反フランジ部側に突出する第1突起部を有して形成されており、第2係止部には、第1係止部と所定の間隔を有して配設され、第1突起部と対向し、所定の間隔を有して第2突起部が形成され、引出線に被覆する絶縁チューブを径方向ならびに周方向に係止する第2溝部を有して形成されており、引出線は、界磁コイルの巻回部から巻回方向に向い、第1規制部を経由して径方向ならびに軸方向に向かい、第1係止部のスリット開放部の第1溝部に係止され、つづく第1突起部および第2突起部の間に形成される第2溝部に係止されて、絶縁チューブとともに軸方向に敷設されることを特徴としている。
これにより、請求項7の手段に記載されると同様な作用効果を奏する。
〔請求項24の手段〕
請求項24に記載の手段によれば、第2溝部の溝幅は、絶縁チューブと引出線が挿通されたとき、絶縁チューブ外径と同じか小さく、引出線径と絶縁チューブ厚みの2倍とを加えた寸法値より大きいことを特徴としている。
これにより、絶縁チューブと絶縁ボビンの固定力を向上でき、ポールコア振動により引出線に作用する引張応力を効果的に分散できる。
〔請求項25の手段〕
請求項25に記載の手段によれば、第1溝部および第2溝部には、樹脂含浸の接着材が充填されることを特徴としている。
これにより、樹脂含浸の液状の接着剤の流れ出しが特定方向のみ抑制されるので、絶縁チューブの接着強度に係る設計自由度を高めることが可能となる。
〔請求項26の手段〕
請求項26に記載の手段によれば、シャフトに圧入固着されるランデル型ポールコアと、ポールコアに絶縁ボビンを介して巻装される界磁コイルとを備えた回転電機の回転子の製造方法において、巻き始めの引出線を、絶縁ボビンの巻き始め側ボビン規制部に係止し、絶縁ボビンの巻胴部に巻線を巻回後、巻線の周方向に延在する巻き終りの引出線を、巻き終り側の第1規制部および第2規制部に係止し、各引出線を絶縁ボビンの軸方向に曲げるコイル巻線工程と、コイル巻線工程の後に、各引出線に絶縁チューブを絶縁ボビンの軸方向フランジ部側に移送させ被覆し、各引出線を絶縁チューブとともに把持した状態で、第1係止部および第2係止部に向けて動かし、各係止部に形成された各溝部に各引出線と絶縁チューブとを挿着させる絶縁チューブ組立工程とを採用することを特徴としている。
これにより、絶縁チューブを引出線に被着する際に、引出線の位置が絶縁ボビンによって規制できるので、設備や人手によらず容易に挿着が可能となる。
〔請求項27の手段〕
請求項27に記載の手段によれば、絶縁チューブの上端側もしくは第1係止部嵌着領域外側近傍を把持して、各引出線と絶縁チューブとを各係止部に挿着させることを特徴としている。
これにより、絶縁チューブをより容易に係止部に挿着できる。
〔請求項28の手段〕
請求項28に記載の手段によれば、絶縁チューブを各係止部に潰してスリット奥部に挿着させるため、把持型によって把持されて、径方向内側より外側に押し込み挿着することを特徴としている。
これにより、絶縁チューブをより容易に係止部に挿着できる。
〔請求項29の手段〕
請求項29に記載の手段によれば、絶縁チューブを各係止部に潰してスリット奥部に挿着させるため、予め外力によって潰した後、外力を維持しながら絶縁チューブを各係止部に挿着することを特徴としている。
これにより、絶縁チューブをより容易に係止部に挿着できる。
この発明の最良の実施形態を、図に示す実施例1とともに説明する。
〔実施例1の構成〕
本発明の実施例1は、回転電機の回転子として車両用交流発電機に適用する場合について説明する。
図1ないし図3は、本発明の実施例1を示したもので、図1は、車両用交流発電機の回転子を示し、(a)は軸方向断面図であり、(b)は要部の拡大断面図である。図2は、回転子の係止構造を示し、(a)は引出線未挿着の拡大斜視図であり、(b)は引出線挿着後の拡大斜視図である。図3は、引出線挿着後の係止構造の樹脂含浸前および樹脂含浸後の詳細図であり、(a)は正面図であり、(b)は立面図であり、(c)は側面図である。
回転子1は、図示しない車両用交流発電機のフレームに回転可能に軸支されて、車両に搭載された内燃機関(エンジン)によって回転駆動され、発電のための界磁子として作動するものである。この回転子1は、図1に示すように、シャフト2と、このシャフト2に圧入固着される対をなすランデル型のポールコア3、4と、これらポールコア3、4に絶縁ボビン5を介して巻装される界磁コイル6と、ポールコア3、4の軸方向端面に固定される冷却ファン7、8とから構成される。
それぞれのポールコア3、4は同形であり、シャフト2と同軸に配置されるボス部9と、このボス部9の一方の軸方向端面から径方向に放射状に伸びるディスク部10と、このディスク部10の外周部分から軸方向に伸びる爪状磁極を形成する爪部11とを有している。また、隣接する爪部11の間、つまり、爪部間谷部には、V字状の溝(V溝)12がディスク部10に形成されている。1対のポールコア3、4は互いに対向され、複数の爪部11を交互に噛み合わせた状態で組立てられ、ポールコア3、4のボス部9とディスク部10と爪部11とで囲まれた中空部に、上述した絶縁ボビン5に巻回された界磁コイル6が収容されている。
絶縁ボビン5は、図1(b)に示すように、界磁コイル6が巻回される円筒状の巻胴部13と、この巻胴部13の軸方向両端から径方向外側に伸びる2つのフランジ部14とを有している。一方のフランジ部14の径方向外周側には対向する2箇所の位置に径方向および軸方向に突出する突起部15が設けられており、この突起部15には、引出線16を係止する第1および第2係止部17、18からなる1式の係止構造(後記する)が形成されており、巻き始め側および巻き終り側の引出線16に対して、軸対称に2式の係止構造が形成される。
界磁コイル6の巻き始め側および巻き終り側の引出線16は、その基端部を上述した第1および第2係止部17、18に係止された後、さらに引き出され、その中間部および終端部が、一方のポールコア3の端面に沿って径方向に放射状に配設される溝部19内に敷設されている。なお、本実施例では、界磁コイルの巻き始め側と巻き終り側の引出線16は、シャフト2を中心として軸対称の位置から敷設され、巻き始め側および巻き終り側の引出線16をそれぞれ係止する係止構造は略同様となっている。
また、シャフト2の一方端近傍には、図1(a)に示すように、2つのスリップリング20、21が設けられている。これらのスリップリング20、21は、1対の接続ターミナル22、23に接続されている。そして、これらの1対の接続ターミナル22、23には、ポールコア3の端面に沿って径方向に放射状に配設される溝部19内に敷設されたそれぞれの引出線16の終端部が接合によって接続されている。これにより、界磁コイル6はそれぞれの引出線16によって、スリップリング20、21とそれぞれ導通する。
また、冷却ファン7、8は、ポールコア3、4の軸方向の両端面に溶接等によって固定され、回転子1の回転に伴い車両用交流発電機の固定子等(図示せず)を冷却する冷却風を発生する。なお、一方のポールコア3の端面に形成される引出線16を収容して径方向に配設される溝部19は、この冷却ファン7と干渉することなく、冷却ファン7に設けた切欠き部と一致して、常に、溝部19がポールコア3の端部側に開放されるよう配設されている。
ここで、本実施例に採用する絶縁ボビン5の突起部15に設けた引出線16を係止する係止構造について、図2および図3に基づいて、以下に詳細に説明する。本実施例では、主に、巻き終り側の引出線16を係止する係止構造について説明する。
図2および図3に示すように、絶縁ボビン5の一方のフランジ部14には、ポールコア3の爪部間谷部のV溝壁面27に沿って当接し、軸方向に所定の高さに突出する略V字状のボビン壁部28と、径方向外側に所定の長さに突出する矩形状断面を有する規制部29とが形成され、この規制部29は、略V字状のボビン壁部28の内側より突出する扇状部30と一体構造をなし、扇状部30の径方向外側端にはスリット状の第1溝部31を有した第1係止部17が形成される。
ここで、第1溝部31は、径方向外側にスリット開放側が、径方向内側にスリット閉塞側が形成され、その溝幅は引出線16の外径より大きく、引出線16に被覆する絶縁チューブ25のチューブ外径より小さく形成されて、引出線16は挿通するが、絶縁チューブ25は挿通せずに、絶縁チューブ25の軸方向および径方向の移動が規制できるようになっている。
さらに、略V字状のボビン壁部28には、内側より突出し、第1係止部17と所定の間隙を有して扇状部32が形成され、扇状部32には径方向内側から径方向外側に向かう引出線16を挿通するスリット状の第2溝部33を有した第2係止部18が形成される。そして、第1係止部17と第2係止部18との間隙には、引出線16と引出線16に被覆する絶縁チューブ25とともに引き回すに足る間隔を維持するとともに、滑らかな引き回しをガイドし、当接する接触面を増やす部分円弧状もしくは凸状の当接部34が形成される。
ここで、第2溝部33は、径方向内側にスリット開放側が、径方向外側にスリット閉塞側が形成され、その溝幅は引出線16に被覆する絶縁チューブ25のチューブ外径より大きく形成されており、さらに、第2溝部33の長手方向の中間部にはくびれ部35が形成されている。そして、くびれ部35は、くびれ部35に引出線16および絶縁チューブ25を挿着した状態で、絶縁チューブ25の外径より小さく、引出線16の外径と絶縁チューブ厚みの2倍とを加えた寸法値と同じかそれ以上のくびれ幅を形成している。また、くびれ部35に引出線16および絶縁チューブ25を挿着した状態で、引出線16がポールコア3の爪部間谷部のV溝壁面27より内径側に位置するように形成され、そのV溝壁面27との間で、樹脂含浸等による接着がされないよう十分な間隙を保持するようになっている。
また、上述の係止構造に引出線16の引き回しおよび係止が容易に実施できるように、具体的には、第2係止部18への係止を簡単にするために、略V字状のボビン壁部28の片方には、扇状部32と扇状部30との略中間位置まで切り取る切欠きが加工され、よって、第2係止部18を構成する扇状部32はボビン壁部28の片方とは接続されず分離して、自由端部36を形成する。そして、この自由端部36の内側に第2溝部33のスリット開放側が形成されているため、引出線16の引き回しはこの自由端部36とボビン壁部28の切欠き部との間の開口部を経由して(沿って)容易に挿着できるようになっている。また、同様に、自由端部36の角部にはR(アール)面取りが加工され、引出線16の引き回しが容易にできるようになっている。
次に、引出線16を上述の係止構造へ挿通して固定する組付方法を図3および図4に基づいて説明する。図4は、ボビン係止部への引出線の挿通工程を第1ステップから第5ステップで示した組付工程図である。
本実施例では、引出線16をボビン係止部に挿通する挿通方法として、まず、巻き始め側および巻き終り側の引出線16を引き出し、絶縁ボビン5にコイル巻線を巻回し、各引出線16を規制部29に挿通してボビン軸方向に曲げるコイル巻線工程と、次に、各引出線16に絶縁チューブ25を挿入(被覆)し、各引出線16を絶縁チューブ25とともに把持した状態で第2溝部33に挿通させる絶縁チューブ組立(ボビン係止部挿通)工程と、さらに、樹脂からなる含浸材によりコイル巻線同士並びに引出線16と絶縁ボビン5とを接着固定する樹脂含浸工程とからなる。
そして、本実施例では、絶縁チューブ組立工程が、上述するようにくびれ部を有する溝部からなる係止構造を採用したことにより、簡単、かつ、確実な係止および固定ができる特徴を有し、併せて、この係止構造により、含浸材の不要領域への流動防止と必要領域の適量保持を可能として、良好な含浸接着をなすことができる特徴を有している。
コイル巻線工程は、巻き始め側の引出線16を所定の長さだけ引き出しつつフランジ部14の一方の規制部29に挿通させ、巻胴部13に図示しない巻線装置等を使用してコイル巻線を巻回し、巻回部を製作する。そして、巻き終り側の引出線16を所定の長さだけ引き出しつつ他方の規制部29に挿通させ、界磁コイル6を製作する。このコイル巻線工程では、各引出線16が規制部29に挿通させて後、コイル巻線を巻回するので、引出線16の引き出し基端部にはゆるみ等が生じることなく巻回できることが特徴である。
次の絶縁チューブ組立工程は、図4に示すように、巻胴部13に巻回された界磁コイル6の巻き終り側から伸びる引出線16の先端部を把持し、引出線16の基端部を、規制部29を起点に曲げて、第1係止部17の第1溝部31に引出線16が軸方向外側から内側に、かつ、軸方向に挿通する。そして、引出線16に絶縁チューブ25を軸方向ボビン側に移送させて挿入(被覆)する(第1ステップ、図4−S1参照)。
そして、規制部29を起点に曲げられて第1係止部17に軸方向に係止される引出線16と被覆された絶縁チューブ25の先端部を把持したまま、界磁コイル6の巻回方向に対して逆方向に、かつ、径方向内側に引き回す(第2ステップ、図4−S2参照)。
そして、引出線16と絶縁チューブ25の先端部を把持したまま、扇状部32の自由端部36の開口部に沿って、かつ、当接部34と当接しながら第2溝部33のスリット開放側へ引き回す(第3ステップ、図4−S3参照)。
そして、第2溝部33のスリット開放側に向かわせた引出線16の中間部と絶縁チューブ25とともに押し子37またはチャック38等の把持型によってくびれ部35に絶縁チューブ25を潰すようにして挿し込み、第2溝部33のスリット閉塞側に挿通させる(第4ステップ、図4−S4参照)。
そして、引出線16と絶縁チューブ25の先端部を把持したまま、軸方向に引き起こしボビン壁部28と所定の間隔に離間して引出線16の中間部と絶縁チューブ25とを軸方向に敷設して、ボビン係止部挿通工程が終了する(第5ステップ、図4−S5参照)。
そして、ボビン係止部挿通工程を終了した引出線16は、その中間部が、ポールコア3の肩部24近傍にて径方向内側に折り曲げられ、ポールコア3の軸方向端面に形成される径方向に向かう溝部19内に敷設され、そして、その終端部が軸方向に向かって接続ターミナル22に接続される。
なお、界磁コイル6の巻き始め側の引出線16の引き回しおよびその挿通方法については、その係止構造が巻き終り側の引出線16と略同様であることから、詳細な説明を省略するが、上述する略同様な係止構造に対し、引出線16の基端部と中間部および終端部が同様に引き回しおよび挿通されて、他方の接続ターミナル23に向かい、この接続ターミナル23に溶接等によって接合される。
そして、次の工程として、上述した手順に従って敷設された引出線16に沿って、樹脂からなる含浸材40が塗布されて、これにより、引出線16と絶縁ボビン5とを接着する樹脂含浸工程が、その後に採用される。この樹脂含浸工程は、従来と略同様な工程であることから、詳細な説明は省略するが、本実施例では、上述したように、引出線16を係止する係止構造を、従来とは異なる構成としたことにより、樹脂による含浸材40の塗布もしくは流動を規制する部位と、逆に、適量の含浸材が常時確保可能とする部位を設けることが可能となって、含浸材40による良好な接着が得られることが特徴である。
図3の樹脂含浸後の係止構造の詳細図に示すように、引出線16および引出線16に被覆する絶縁チューブ25とフランジ部14との間に適量の含浸材40が充填されて、これらの間の接着が行われる。この接着により、フランジ部14とボビン壁部28に沿って敷設された引出線16が動くことを確実に防止できる。また、含浸材40の充填を回避して、一切の接着固定のない引出線16の肩部24へ軸方向に敷設した中間部は、逆に、ポールコア3の振動を吸収でき、引張応力の増加を抑制することができる。
〔実施例1の効果〕
このように、本実施例では、引出線16の基端部が規制部29を経由して巻回方向とは逆方向に、かつ、径方向に向かう第1係止部17の第1溝部31に挿着され、その後、この引出線16の中間部は、基端部まで延在する絶縁チューブ25に被覆された状態で、当接部34に当接しながら径方向に第2係止部18に向かう。そして、その後、この引出線16の中間部を絶縁チューブ25とともに扇状部32の自由端部36の開口部を経由して径方向内側に引き回し、第2溝部へ内側からスリット開放側に挿し込むとともに、絶縁チューブ25を押し潰しつつ外側に押し、くびれ部35に挿着して、軸方向に敷設する。そして、その後、この引出線16の中間部をV溝壁面27と離間させてポールコア3の肩部24に当接し、肩部24から径方向に配設された溝部19内に敷設して、引出線16の終端部を接続ターミナル22、23に接続する。そして、引出線16を挿着、固定して後、さらに、樹脂による含浸により、界磁コイル6の巻線同士、引出線16と絶縁チューブ25、および絶縁チューブ25と絶縁ボビン5とを接着し、確実に固定するようにした。
従って、これにより、引出線16の引き回しおよび係止が簡単、かつ、確実となり、引出線16のゆるみの発生を防止でき、また、回転子1が回転中の遠心力により引出線16が飛び出すのを防ぐことができる。さらに、遠心力や繰返しの引張応力による引出線16の破断を防止することができる。
また、絶縁チューブ25の被覆を引出線16の引き出し側(基端部側)に延在させ、引出線16とともに係止して、さらに、樹脂による含浸材の適量充填によって接着固定できるので、製造組付時において、絶縁チューブ25が工程や工場間の搬送中にズレ落ちるのを防止でき、組付けの自動化も容易となる。また、樹脂含浸との相互作用により強度部材としての利用が促進でき、引出線16に掛かる応力を分散させることができる。
〔実施例2の構成〕
図5および図6は本発明の他の実施例を示したもので、図5は回転子の係止構造を示し、(a)は引出線未挿着の拡大斜視図であり、(b)は引出線挿着後の拡大斜視図である。図6は、回転子の係止構造の樹脂含浸前および樹脂含浸後の詳細図であり、(a)は正面図であり、(b)は立面図であり、(c)は側面図である。
本実施例では、実施例1で採用した引出線16の係止構造として、引出線16の基端部の引き出し方向を規制する規制部、および、引出線16の中間部を挿着保持する第1、第2係止部の形状が主に異なり、他に大きく異なるところはない。従って、同一構成部分および実質的に同一機能を示す構成要素については実施例1と同一符号を付して説明する。
絶縁ボビン5の一方のフランジ部14には、図5および図6に示すように、ポールコア3の爪部間谷部のV溝壁面27に沿って当接し、軸方向に所定の高さに突出する略V字状のボビン壁部28と、ボビン壁部28の内側から所定の長さに突出し、径方向外側に向かうにつれ、また、周方向の反巻回方向に向かうにつれ軸方向の部材厚みが薄くなるテーパ状断面を有する第2規制部51と、第2規制部51と対向してボビン壁部28の内側から径方向外側に所定の長さに突出する略矩形状断面を有する第1規制部52が形成される。この第1規制部52は、同様に、ボビン壁部28の内側より突出する扇状部30と一体構造をなし、扇状部30の径方向内側にはスリット状の第1溝部53を有して第1係止部17が形成されている。
ここで、互いに対向して配設される第1規制部52と第2規制部51は、第1規制部52が第2規制部51よりも巻回方向に引き出された引出線16の基端部側に位置し、第2規制部が引出線16の先端部側に位置するように配置される。また、図6(b)に示すように、引出線16の基端部が曲げられる最初の曲げ起点Aから第1係止部17の扇状部30の周方向角部Bを結ぶ仮想線L1と、これに平行で第2規制部51の径方向外側および周方向の反巻回方向側に突出する角部Cを起点とする仮想線L2とを略径方向内側に向かって投影した場合の間隔Dは、少なくとも引出線16の外径より大きくなるように互いの間隔を有して配置される。これにより、引出線16を引き回して第1係止部17に挿通するときに、引出線16が直線状のまま移動および挿通ができるので、挿着が容易となる。
また、第1係止部17において、第1溝部53は、径方向内側もしくは周方向の巻回方向側にスリット開放側が、径方向外側にスリット閉塞側が形成され、その溝幅は、スリット開放側よりスリット閉塞側が狭まるように形成され、また、引出線16の外径より大きく、引出線16に被覆する絶縁チューブ25のチューブ外径より小さく形成されて、引出線16は挿通するが、絶縁チューブ25は挿通せずに、絶縁チューブ25の軸方向および径方向の移動が規制できるようになっている。これにより、引出線16の引き回し、および挿通を簡単にして、組立を容易にする。
さらに、ボビン壁部28には、内側より径方向外側ならびに周方向に突出し、第1係止部17と所定の間隙を有して扇状部32、39が形成され、扇状部32には径方向内側から径方向外側に向かって引き回される引出線16を所定の位置に係止する切欠き状の第2溝部54を有した第2係止部18が形成される。また、扇状部39は、突起状に突出して引出線16を挿着する際の円滑な挿着をガイドする機能を有している。
ここで、第2溝部54は第1溝部53とともに、各溝部54、53に係止される引出線16がボビン壁部28より径方向外側に離間して配置できるよう設けられ、また、第1係止部17と第2係止部18との間に、軸方向に所定の間隙を有する空間部を形成して、この空間部に樹脂含浸の適量の接着材が充填されるようにしている。これにより、引出線16と絶縁チューブ25との引き回しを容易にするとともに、径方向外側への飛び出しを規制する。
また、第2溝部54の溝幅は、絶縁チューブ25と引出線16とが挿通されたとき、引出線16の外径と絶縁チューブ25のチューブ厚みの2倍を加えた寸法値と同じか大きく、または、絶縁チューブ25のチューブ外径と同じかそれより小さい寸法値に設けられている。
なお、第2溝部54は、径方向内側および周方向の巻回方向側に開放する略半円状に切欠いた係止構造であるが、これに限ることなく、第1溝部53と同様に、スリット状に形成されてもよく、このとき、第1溝部53と同様に、径方向内側および周方向の巻回方向側にスリット開放側が、径方向外側にスリット閉塞側が形成されてもよい。また、このとき、第2溝部54の溝幅は、第1溝部53と同様に、スリット開放側よりスリット閉塞側が狭まるように形成されてもよい。
そして、上述した第2溝部54の径方向内側の引出線16を係止する溝壁面の径方向位置は、図6(c)に示すように、フランジ部14の内径位置より距離R2だけ離間しており、また、第1溝部53の径方向内側の引出線16を係止する溝壁面の径方向位置は、同様に、フランジ部14の内径位置より距離R1だけ離間しており、第2溝部54の径方向位置(R2)は、ポールコア3の肩部24における引出線16との接触位置Eを起点とする第1溝部53の径方向内側の引出線16を係止する溝壁面位置(R1)と結ぶ仮想線L3より径方向外側に位置するように設定される。これにより、ポールコア3の肩部24から第2溝部54に向かって延在する引出線16の延在方向仰角θを大きく設定でき、従って、ポールコア3の肩部24の引出線16との含浸材による接着領域の減少が可能となる。
また、上述の係止構造に引出線16の引き回しおよび係止が容易に実施できるように、具体的には、第1係止部17への係止を簡単にするために、略V字状のボビン壁部28の片方には、扇状部30と第2規制部51との略中間位置まで切り取る切欠きが加工され、よって、第1係止部17を構成する扇状部30はボビン壁部28の片方とは接続されず分離して、自由端部36を形成する。そして、この自由端部36の内側に第1溝部53のスリット開放側が形成されているため、引出線16の引き回しはこの自由端部36とボビン壁部28の切欠き部との間の開口部を経由して(沿って)容易に挿着できるようになっている。また、同様に、自由端部36の角部にはR(アール)面取りが加工され、引出線16の引き回しが容易にできるようになっている。
次に、引出線16を上述の係止構造へ挿通して固定する組付方法を図6および図7に基づいて説明する。図7は、ボビン係止部への引出線の挿通工程を第1ステップから第4ステップで示した組付工程図である。
本実施例では、引出線16をボビン係止部に挿通する挿通方法として、まず、巻き始め側および巻き終り側の引出線16を引き出し、絶縁ボビン5にコイル巻線を巻回し、各引出線16を各規制部51、52に挿通してボビン軸方向に曲げるコイル巻線工程と、引出線16を各係止部17、18に挿通させる絶縁チューブ組立(ボビン係止部挿通)工程後に、樹脂からなる含浸材によりコイル巻線同士並びに引出線16と絶縁ボビン5とを接着固定する樹脂含浸工程は実施例1と変わるところはない。変わるのは、上述するように含浸材40の充填可能なポケット状の一方向開放部を形成する第1、第2係止部17、18およびボビン壁部28の配列構造からなる係止構造を採用したことによる引出線16を各係止部17、18に挿通させる絶縁チューブ組立(ボビン係止部挿通)工程である。本実施例では組立方法として、重点的にボビン係止部挿通工程について、以下に説明する。
絶縁チューブ組立工程は、図7に示すように、巻胴部13に巻回された界磁コイル6の巻き終り側から伸びる引出線16の先端部を把持し、引出線16の基端部を、第1規制部52の曲げ起点Aに当接して曲げ、直線状に把持したまま第1係止部17の扇状部30の自由端部36に至るよう径方向内側に移動させる(第1ステップ、図7−S1参照)。
そして、第1規制部52を起点に曲げられて扇状部30の自由端部に至るよう移動された引出線16を、扇状部30の自由端部36に沿わせて直線状に把持したまま径方向内側、かつ軸方向外側に移動させ、そのまま第1溝部53のスリット開放側まで移動させる。このとき、第1規制部52と第2規制部51との径方向の投影間隔Dが引出線16の外径より大きく配置されるので、引出線16は直線状を維持したまま、扇状部30の自由端部36に案内されて容易に引き回しができる(第2ステップ、図7−S2参照)。
そして、スリット開放側に移動した引出線16を直線状のまま、第1溝部53のスリット閉塞部まで移動するように挿通させる(第3ステップ、図7−S3参照)。
そして、スリット閉塞部まで移動し、軸方向外側に向かう引出線16に絶縁チューブ25を被覆して、絶縁チューブ25を軸方向内側に移送させ、第2溝部54の内壁面に当接させながら第1係止部17の第1溝部53まで挿入する(第4ステップ、図7−S4参照)。
そして、絶縁チューブ25は引出線16に挿入されるとともに、第1および第2係止部17、18とボビン壁部28との間に確実に固定され、ボビン係止部挿通工程が終了する。
そして、ボビン係止部挿通工程を終了した引出線16は、図6(c)に示すように、その中間部が、ポールコア3の肩部24近傍にて径方向内側に折り曲げられ、ポールコア3の軸方向端面に形成される径方向に向かう溝部19内に敷設され、そして、その終端部が軸方向に向かって接続ターミナル22に接続される。
なお、界磁コイル6の巻き始め側の引出線16の引き回しおよびその挿通方法については、その係止構造が巻き終り側の引出線16と略同様であることから、詳細な説明を省略するが、上述する略同様な係止構造に対し、引出線16の基端部と中間部および終端部が同様に引き回しおよび挿通されて、他方の接続ターミナル23に向かい、この接続ターミナル23に溶接等によって接合される。
そして、次工程として、実施例1と同様な樹脂含浸工程が実施される。実施例1と同様なことから詳細な説明は省略するが、本実施例では、上述したように、引出線16を係止する係止構造を、含浸材40の充填可能なポケット状の一方向開放部を形成する第1、第2係止部17、18およびボビン壁部28の配列構造としたことにより、樹脂による含浸材40の塗布もしくは流動を規制する部位と、逆に、適量の含浸材が常時確保可能とする部位を設けることが可能となって、含浸材40による良好な接着が得られることが特徴である。
図6の樹脂含浸後の係止構造の詳細図に示すように、引出線16および引出線16に被覆する絶縁チューブ25とフランジ部14との間に適量の含浸材40が充填されて、これらの間の接着が行われる。この接着により、フランジ部14とボビン壁部28に沿って敷設された引出線16が動くことを確実に防止できる。また、含浸材40の充填を回避もしくは減少して、引出線16の中間部がポールコア3の肩部24へ接着固定されるのを回避したので、ポールコア3の振動を吸収し易くなり、引張応力の増加を抑制することができる。
〔実施例2の効果〕
本実施例と実施例1とは、主に、係止構造の規制部および係止部の形状が異なるのみで、それにより組立される回転子1の構造および機能が大きく変わるところはない。よって、実施例1と同じ作用・効果を奏する。また、本実施例では、構造が簡単になったので組付けが容易となり、また、引出線16を直線状のまま引き回せ、しかも引き回し方向が径方向および軸方向と一定しており、従って、引出線16および絶縁チューブ25の組付け精度が向上し、ばらつきのない安定した組付強度が保持できる。
〔実施例3の構成〕
図8および図9は本発明の他の実施例を示したもので、図8は回転子の係止構造を示し、(a)は引出線未挿着の拡大斜視図であり、(b)は引出線挿着後の拡大斜視図である。図9は、回転子の係止構造の樹脂含浸前および樹脂含浸後の詳細図であり、(a)は正面図であり、(b)は立面図であり、(c)は側面図である。
本実施例では、実施例2で採用した引出線16の係止構造として、引出線16の中間部を挿着保持する第2係止部の形状が主に異なる。よって、同一構成部分および実質的に同一機能を示す構成要素については実施例2と同一符号を付して説明する。
絶縁ボビン5の一方のフランジ部14には、図8および図9に示すように、ポールコア3の爪部間谷部のV溝壁面27に沿って当接し、軸方向に所定の高さに突出する略V字状のボビン壁部28と、ボビン壁部28の内側から所定の長さに突出し、径方向外側に向かうにつれ、また、周方向の反巻回方向に向かうにつれ軸方向の部材厚みが薄くなるテーパ状断面を有する第2規制部51と、第2規制部51と対向してボビン壁部28の内側から径方向外側に所定の長さに突出する略矩形状断面を有する第1規制部52が形成される。この第1規制部52は、同様に、ボビン壁部28の内側より突出する扇状部30と一体構造をなし、扇状部30の径方向内側にはスリット状の第1溝部53を有して第1係止部17が形成されている。
ここで、互いに対向して配設される第1規制部52と第2規制部51の配設位置および相対間隔は、第1規制部52の最初の曲げ起点にて引出線16が曲げられ、つづいて引出線16が第1規制部52と第2規制部51との径方向の投影間隔内で直線状のまま移動が容易にできるように配置されるのは、実施例2と同様であり、変わるところはない。
また、第1溝部53は、径方向内側もしくは周方向の巻回方向側にスリット開放側が、径方向外側にスリット閉塞側が形成され、その溝幅は、スリット開放側よりスリット閉塞側が狭まるように形成され、また、引出線16の外径より大きく、引出線16に被覆する絶縁チューブ25のチューブ外径より小さく形成されて、引出線16は挿通するが、絶縁チューブ25は挿通せずに、絶縁チューブ25の軸方向および径方向の移動が規制できるようになっている。
また、実施例2と異なる構成として、扇状部30には、第1溝部53の位置より周方向の巻回方向側の位置に、第1溝部53と略平行に、かつ、軸方向外側に突出する第1突起部61が形成されている。第1突起部61は、その断面が台形状に軸方向外側に向けて先細りの側面を形成する所定の長さを有する角柱状部材であり、扇状部30と一体構造となっている。
さらに、ボビン壁部28には、内側より径方向外側ならびに周方向に突出した扇状部39と、第1突起部61と対向し、第1突起部61および扇状部30と所定の間隔を有して第2突起部62が形成されている。第2突起部62は、所定の厚みを有した板状部材であり、その長さは対向する第1突起部61と略同等であり、対向する側面は、部分円弧状の当接面が設けられている。そして、この対向する両側面でもって案内溝を形成する第2溝部64を構成し、この第2溝部64への引出線16および絶縁チューブ25を挿通固定する第2係止部18が構成される。
従って、第2溝部64の溝幅は、絶縁チューブ25と引出線16とが挿通されたとき、引出線16の外径と絶縁チューブ25のチューブ厚みの2倍を加えた寸法値と同じか大きく、または、絶縁チューブ25のチューブ外径と同じかそれより小さい寸法値に設けられている。
次に、引出線16を上述の係止構造へ挿通して固定する組付方法を図9および図10に基づいて説明する。図10は、ボビン係止部への引出線の挿通工程を第1ステップから第4ステップで示した組付工程図である。
本実施例では、ボビン係止部挿通工程について、図10に基づいて簡単に説明する。
ボビン係止部挿通工程は、図10に示すように、巻胴部13に巻回された界磁コイル6の巻き終り側から伸びる引出線16の先端部を把持し、引出線16の基端部を、第1規制部52の曲げ起点に当接して曲げ、直線状に把持したまま第1係止部17の扇状部30の自由端部36に至るよう径方向内側に移動させる。そして、引出線16に絶縁チューブ25を軸方向ボビン側に移送させて挿入(被覆)する(第1ステップ、図10−S1参照)。
そして、第1規制部52を起点に曲げられて扇状部30の自由端部36に至るよう移動された引出線16と絶縁チューブ25の中間部、つまり、第1係止部への挿通部分近傍を把持して、絶縁チューブ25を潰しながら、扇状部30の自由端部36に沿わせて直線状を維持して径方向内側かつ軸方向外側に移動させ、そのまま第1溝部53のスリット開放側まで移動させる。このとき、第1規制部52と第2規制部51との径方向の投影間隔が引出線16の外径より大きく配置されるので、引出線16は直線状を維持したまま、扇状部30の自由端部36に案内されて容易に引き回しができる(第2ステップ、図10−S2参照)。
そして、スリット開放側に移動した引出線16と絶縁チューブ25を引出線16は直線状のまま、絶縁チューブ25は溝幅まで潰しながらスリット閉塞部まで移動するように挿通させる(第3ステップ、図10−S3参照)。このとき、絶縁チューブ25は第1溝部53の溝幅が、引出線16の外径と絶縁チューブ25のチューブ厚みの2倍を加えた寸法値と同じか大きく、または、絶縁チューブ25のチューブ外径と同じかそれより小さい寸法値に設けられているので、適度の潰し量にて容易に挿通できるが、潰し量を大きくしなければ挿通しない場合には、別途、把持型を採用して挿通する工程であってもよい。
また、引出線16の外径が大きく絶縁チューブ25の潰し代が大きく取れない場合等では、挿通負荷が増え、組付けに困難を伴うとき、別途予め絶縁チューブ25を潰し加工した後、潰し状態を外力で維持しながら各溝部53、64に挿通してもよい(第4ステップ、図10−S4参照)。
そして、引出線16と絶縁チューブ25は、第1および第2係止部17、18とボビン壁部28との間に確実に固定され、ボビン係止部挿通工程が終了する。
そして、ボビン係止部挿通工程を終了した引出線16は、その中間部が、ポールコア3の肩部24近傍にて径方向内側に折り曲げられ、ポールコア3の軸方向端面に形成される径方向に向かう溝部19内に敷設され、そして、その終端部が軸方向に向かって接続ターミナル22に接続される。
そして、次工程として、実施例2と同様な樹脂含浸工程が実施される。
図9の樹脂含浸後の係止構造の詳細図に示すように、引出線16に被覆する絶縁チューブ25を扁平に潰して挿通するので、挿着がし易く、絶縁チューブ25の組付け位置が安定し、絶縁チューブ25とフランジ部14との間に適量の含浸材40が充填されて、これらの間の接着が適正に行われる。また、絶縁チューブ25を扁平状に挿着固定することで、扁平面に沿う接着材の充填は比較的多量となって、接着強度を高め、逆に、扁平面に直交する面に沿う接着材の充填は比較的少量となって、振動吸収効果が高めて樹脂含浸による接着効果を向上することができる。
〔実施例3の効果〕
本実施例と実施例2とは、係止構造の係止部の形状が異なるのみで、それにより組立される回転子1の構造および機能が大きく変わるところはない。よって、実施例2と同じ作用・効果を奏する。また、本実施例では、構造が簡単になったので組付けが容易となり、また、絶縁チューブ25を扁平に潰して挿通するので、挿着がし易く、また、絶縁チューブ25の組付け位置が安定し、樹脂含浸による接着効果が向上できる。
〔変形例〕
上記に述べた本発明の実施例は、いずれも、互いに同形で対をなすポールコア3、4の一方端面を対向させてシャフト2をその中心に挿通させたランデル形ポールコアについて採用したが、これに限ることなく対をなすポールコア3、4を2つ、シャフト2により串刺しに圧入するタンデム型ポールコアに採用してもよく、また、その他、対向させて複数の密着面を形成してなる回転子に採用してもよい。
車両用交流発電機の回転子を示し、(a)は軸方向断面図であり、(b)は要部の拡大断面図である(実施例1)。 回転子の係止構造を示し、(a)は引出線未挿着の拡大斜視図であり、(b)は引出線挿着後の拡大斜視図である(実施例1)。 引出線挿着後の係止構造の樹脂含浸前および樹脂含浸後の詳細図であり、(a)は正面図であり、(b)は立面図であり、(c)は側面図である(実施例1)。 ボビン係止部への引出線の挿通工程を示した組立工程図である(実施例1)。 回転子の係止構造を示し、(a)は引出線未挿着の拡大斜視図であり、(b)は引出線挿着後の拡大斜視図である(実施例2)。 引出線挿着後の係止構造の樹脂含浸前および樹脂含浸後の詳細図であり、(a)は正面図であり、(b)は立面図であり、(c)は側面図である(実施例2)。 ボビン係止部への引出線の挿通工程を示した組立工程図である(実施例2)。 回転子の係止構造を示し、(a)は引出線未挿着の拡大斜視図であり、(b)は引出線挿着後の拡大斜視図である(実施例3)。 引出線挿着後の係止構造の樹脂含浸前および樹脂含浸後の詳細図であり、(a)は正面図であり、(b)は立面図であり、(c)は側面図である(実施例3)。 ボビン係止部への引出線の挿通工程を示した組立工程図である(実施例3)。 回転子の要部の構造を示し、(a)は部分半断面図であり、(b)はX視の拡大斜視図である(従来例1)。 回転子の要部の部分的な拡大斜視図であり、(a)は絶縁チューブを係止部まで挿着したとき、(b)は絶縁チューブを巻線端面まで挿着したときを示す(従来例2)。 係止構造の詳細を示し、(a)は平面図であり、(b)は立面図であり、(c)は側面図である(従来例2)。
符号の説明
1 回転子
2 シャフト
3、4 ポールコア(回転子鉄心、ランデル型ポールコア)
5 絶縁ボビン
6 界磁コイル
13 巻胴部
14 フランジ部
16 引出線
17 第1係止部
18 第2係止部
25 絶縁チューブ
27 V溝壁面
28 ボビン壁部
31、53、 第1溝部
33、54、64 第2溝部
34 当接部
35 くびれ部
40 含浸材(接着材)
51 第2規制部
52 第1規制部
61 第1突起部
62 第2突起部
A 曲げ起点
D 投影面上の間隔

Claims (29)

  1. シャフトに圧入固着されるランデル型ポールコアと、
    前記ポールコアに絶縁ボビンを介して巻装される界磁コイルと、
    を備えた回転電機の回転子において、
    前記絶縁ボビンは、前記界磁コイルが巻回される円筒状の巻胴部と、
    前記巻胴部の両端から径方向外側に伸びるフランジ部とを有し、
    前記フランジ部には、前記界磁コイルの巻き始め側および巻き終り側の引出線を、前記フランジ部の端面に沿って、前記界磁コイルの巻回方向に対して逆方向に、かつ、径方向内側に向かわせる第1係止部と、
    前記第1係止部には、前記引出線を係止する第1の溝部が、径方向外側から内側に向けて形成されており、
    前記界磁コイルの巻回方向に対して逆方向に、かつ、径方向内側に向かう前記引出線を前記フランジ部の端面に対して軸方向に向かわせる第2係止部と、
    前記第2係止部には、前記引出線を係止する第2の溝部が、径方向内側から外側に向けて、かつ、くびれ部を有して形成されており、
    前記引出線は、前記界磁コイルの巻回部から前記第1係止部を経由して巻回方向に対して逆方向に、かつ、径方向に敷設され、さらに、前記第2係止部を経由して軸方向に敷設されており、前記第2係止部における前記引出線の固定において、前記引出線が前記くびれ部に径方向内側から外側に向けて挿着され、係止されていることを特徴とする回転電機の回転子。
  2. 請求項1に記載の回転電機の回転子において、
    前記引出線には、前記引出線を被覆する絶縁チューブが前記引出線の基端部まで挿入され、前記絶縁チューブは、前記引出線とともに前記第2係止部の前記くびれ部に挿着され、
    前記くびれ部は、前記くびれ部に前記引出線を挿着した状態で、前記引出線を被覆する前記絶縁チューブの外径より小さく、前記引出線の外径と前記絶縁チューブのチューブ厚みの2倍とを加えた寸法値と同じかそれ以上のくびれ幅を設けたことを特徴とする回転電機の回転子。
  3. 請求項1または2に記載の回転電機の回転子において、
    前記第1係止部と前記第2係止部との間に敷設される前記引出線が、前記第1係止部と前記第2係止部との間で前記絶縁ボビンのボビン壁部の内側と接触するように、前記ボビン壁部の内側に凸状の当接部を設けたことを特徴とする回転電機の回転子。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の回転電機の回転子において、
    前記第1係止部と前記第2係止部との軸方向の間隔は、前記引出線と前記絶縁チューブとが径方向に引き回されて敷設されることができる間隙を備えるように位置決めされることを特徴とする回転電機の回転子。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の回転電機の回転子において、
    前記第1係止部における前記引出線を係止する前記第1の溝部が、径方向外側から内側に向けて形成されており、
    前記第1の溝部は、前記引出線は挿通するが、前記絶縁チューブは挿通せずに、
    前記絶縁チューブの軸方向および径方向への移動を規制するように溝幅を設けたことを特徴とする回転電機の回転子。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の回転電機の回転子において、
    前記第2係止部は、前記引出線が前記ポールコアの爪部間谷部のV溝壁面より内径側に位置し、前記V溝壁面との間で、樹脂含浸加工がなされた後、含浸材の充填はされず、互いに離間して敷設されていることを特徴とする回転電機の回転子。
  7. シャフトに圧入固着されるランデル型ポールコアと、
    前記ポールコアに絶縁ボビンを介して巻装される界磁コイルと、
    を備えた回転電機の回転子において、
    前記絶縁ボビンは、前記界磁コイルが巻回される円筒状の巻胴部と、
    前記巻胴部の両端から径方向外側に伸びるフランジ部とを有し、
    前記フランジ部には、前記界磁コイルの引出線を、前記フランジ部の端面に沿って、径方向、ならびに軸方向コイル外側向きに向わせる第1係止部と、
    前記第1係止部には、前記引出線を挿着するスリット開放部が、内側から外側に向かう第1溝部を有して形成されており、
    前記第1係止部と所定の間隔を有して配設される第2係止部と、
    前記第2係止部には、前記引出線に被覆する絶縁チューブを径方向ならびに周方向に挿着する第2溝部を有して形成されており、
    前記引出線は、前記界磁コイルの巻回部から巻回方向に敷設され、径方向ならびに軸方向に向かって前記第1係止部のスリット開放部の第1溝部に挿着され、つづく前記第2係止部の前記第2溝部に挿着されて、前記絶縁チューブとともに軸方向に敷設されることを特徴とする回転電機の回転子。
  8. 請求項7に記載の回転電機の回転子において、
    前記引出線を、前記フランジ部の端面に沿って、前記巻回部の巻回方向に向かわせ、かつ、前記フランジ部のボビン内径方向および軸方向外側に向かわせる第1規制部と、
    前記引出線を、前記巻回部の内径方向および巻回周方向に向かわせ、かつ、引出位置を規制する第2規制部とによって引き出し方向が規制されることを特徴とする回転電機の回転子。
  9. 請求項7または8に記載の回転電機の回転子において、
    前記第1溝部は、前記絶縁チューブのチューブ径より小さな溝幅を有し、前記引出線を挿通して挿着するが、前記絶縁チューブは挿通して挿着せずに、前記絶縁チューブの軸方向への移動および位置を規制するよう設けられたことを特徴とする回転電機の回転子。
  10. 請求項7ないし9に記載の回転電機の回転子において、
    前記第1溝部および前記第2溝部は、前記引出線が前記V溝壁面より径方向外側に離間するよう配置されることを特徴とする回転電機の回転子。
  11. 請求項7ないし10に記載の回転電機の回転子において、
    前記第2溝部の溝幅は、前記絶縁チューブと前記引出線が挿着されたとき、前記引出線径と前記絶縁チューブ厚みの2倍とを加えた寸法値と同じであることを特徴とする回転電機の回転子。
  12. 請求項7ないし10に記載の回転電機の回転子において、
    前記第2溝部の溝幅は、前記絶縁チューブと前記引出線が挿着されたとき、前記絶縁チューブ外径と同じか小さく、前記引出線径と前記絶縁チューブ厚みの2倍とを加えた寸法値より大きいことを特徴とする回転電機の回転子。
  13. 請求項7ないし12に記載の回転電機の回転子において、
    前記第1係止部と前記第2係止部との間に、軸方向に所定の間隙を形成して空間部を設け、前記空間部には樹脂含浸の接着材が充填されることを特徴とする回転電機の回転子。
  14. 請求項7ないし13に記載の回転電機の回転子において、
    前記第1溝部または前記第2溝部は、前記界磁コイルの前記巻回部の周方向において前記巻き終り引出線側または前記巻回部の径方向内径側、もしくはその双方側を含む方向に開放されたスリット開放部が形成され、
    前記引出線が、前記第1溝部または第2溝部のいずれかの前記スリット開放部に挿着されることを特徴とする回転電機の回転子。
  15. 請求項7ないし14に記載の回転電機の回転子において、
    前記第1溝部または前記第2溝部の前記スリット開放部は、スリット開放側よりスリット閉塞側に向って、狭まり状テーパ断面を有することを特徴とする回転電機の回転子。
  16. 請求項7ないし15に記載の回転電機の回転子において、
    前記第1規制部は、前記巻回部の周方向において、第1係止部の前記巻回部周方向位置に対し、前記コイル巻線に沿って前記巻き終り引出線の基端部側と反対側である前記コイル巻線上を延在する側に位置することを特徴とする回転電機の回転子。
  17. 請求項7ないし16に記載の回転電機の回転子において、
    前記第1係止部または前記第2係止部と前記V溝壁面との間に前記絶縁ボビンと連接されるボビン壁部が形成され、前記ボビン壁部と前記V溝壁面とが当接していることを特徴とする回転電機の回転子。
  18. 請求項7ないし17に記載の回転電機の回転子において、
    前記第2規制部は、前記絶縁ボビンの内径側に前記ボビン壁面から突出した、円弧状断面をもつ凸状形状で、前記引出線におけるコイル巻線周方向から軸方向に向って前記円弧状外周面と外接または近接するように設けられたことを特徴とする回転電機の回転子。
  19. 請求項7ないし18に記載の回転電機の回転子において、
    前記引出線は、前記第1規制部に内接し、さらに、前記第2規制部に外接して曲げられ、前記第1規制部および前記第2規制部に挟まれて、前記第1係止部に向って軸方向に敷設されることを特徴とする回転電機の回転子。
  20. 請求項7ないし19に記載の回転電機の回転子において、
    前記第2規制部は、前記絶縁ボビンの径方向外側に向うにつれ、あるいは周方向の反巻線巻回方向(反引出線延在方向)に向うにつれ、軸方向の部材厚みが薄くなるテーパ状に形成されること特徴とする回転電機の回転子。
  21. 請求項7ないし20に記載の回転電機の回転子において、
    前記引出線の前記第1規制部による曲げ起点から前記第1係止部の周方向の先端角部を結ぶ仮想線と、これに平行な前記第2規制部の周方向の先端角部を起点とする仮想線を、略径方向内側に向って投影した場合の投影面上の間隔は、前記引出線径より大きく設定されたことを特徴とする回転電機の回転子。
  22. 請求項7ないし21に記載の回転電機の回転子において、
    前記第2溝部の巻回部内径側の壁面の径方向位置は、前記ポールコアの前記肩部における前記引出線の接触位置と第1溝部の内径側の壁面の径方向位置とを結ぶ仮想線上と同じかより外径側に設けられたことを特徴とする回転電機の回転子。
  23. 請求項7または8に記載の回転電機の回転子において、
    前記第1係止部には、前記引出線を係止するスリット開放部が、内側から外側に向かう第1溝部を有して形成され、かつ、前記第1溝部に平行に、軸方向の反フランジ部側に突出する第1突起部を有して形成されており、
    前記第2係止部には、前記第1係止部と所定の間隔を有して配設され、
    前記第1突起部と対向し、所定の間隔を有して第2突起部が形成され、
    前記引出線に被覆する前記絶縁チューブを径方向ならびに周方向に係止する第2溝部を有して形成されており、
    前記引出線は、前記界磁コイルの巻回部から巻回方向に向い、前記第1規制部を経由して径方向ならびに軸方向に向かい、前記第1係止部のスリット開放部の第1溝部に係止され、つづく前記第1突起部および第2突起部の間に形成される前記第2溝部に係止されて、前記絶縁チューブとともに軸方向に敷設されることを特徴とする回転電機の回転子。
  24. 請求項23に記載の回転電機の回転子において、
    前記第2溝部の溝幅は、前記絶縁チューブと前記引出線が挿通されたとき、前記絶縁チューブ外径と同じか小さく、前記引出線径と前記絶縁チューブ厚みの2倍とを加えた寸法値より大きいことを特徴とする回転電機の回転子。
  25. 請求項23または24に記載の回転電機の回転子において、
    前記第1溝部および前記第2溝部には、樹脂含浸の前記接着材が充填されることを特徴とする回転電機の回転子。
  26. シャフトに圧入固着されるランデル型ポールコアと、
    前記ポールコアに絶縁ボビンを介して巻装される界磁コイルとを備えた回転電機の回転子の製造方法において、
    巻き始めの引出線を、絶縁ボビンの巻き始め側ボビン規制部に係止し、
    前記絶縁ボビンの巻胴部に巻線を巻回後、前記巻線の周方向に延在する巻き終りの引出線を、巻き終り側の第1規制部および第2規制部に係止し、前記各引出線を前記絶縁ボビンの軸方向に曲げるコイル巻線工程と、
    前記コイル巻線工程の後に、
    前記各引出線に絶縁チューブを前記絶縁ボビンの軸方向フランジ側に移送させて被覆し、
    前記各引出線を前記絶縁チューブとともに把持した状態で、第1係止部および第2係止部に向けて動かし、
    前記各係止部に形成された各溝部に前記各引出線と前記絶縁チューブとを挿着させる絶縁チューブ組立工程と、を採用することを特徴とする回転電機の回転子の製造方法。
  27. 請求項26に記載の回転電機の回転子の製造方法において、
    前記絶縁チューブの上端側もしくは第1係止部挿着領域外側近傍を把持して、前記各引出線と前記絶縁チューブとを前記各係止部に挿着させることを特徴とする回転電機の回転子の製造方法。
  28. 請求項26または27に記載の回転電機の回転子の製造方法において、
    前記絶縁チューブを前記各係止部に潰してスリット奥部に挿着させるため、把持型によって把持されて、径方向内側より外側に押し込み挿着することを特徴とする回転電機の回転子の製造方法。
  29. 請求項26または27に記載の回転電機の回転子の製造方法において、
    前記絶縁チューブを前記各係止部に潰して前記スリット奥部に挿着させるため、
    予め外力によって潰した後、前記外力を維持しながら前記絶縁チューブを前記各係止部に挿着することを特徴とする回転電機の回転子の製造方法。
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