JP2009232299A - 静磁波発振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い周波数のマイクロ波を発振させることができる小型の静磁波発振装置を得る。
【解決手段】底6と銅板9との間の空隙には、下部磁極7を巻回する形態で、第2の粗調整用電磁コイル12が形成される。すなわち、この静磁波発振装置においては、静磁波素子1から見て、粗調整用電磁コイル10と第2の粗調整用電磁コイル12の2個の電磁コイルが、磁界の方向において両側に各々設けられている。このうち、第2の粗調整用電磁コイル12は、銅板9(支持板)に接して設けられる。第2の粗調整用電磁コイル12は粗調整用電磁コイル10と同じ向きに巻かれ、粗調整用電磁コイル10と電気的に直列あるいは並列に接続される。これによって発生する磁界は、粗調整用電磁コイル10と同方向であり、この磁界を強くすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、静磁波素子と、この静磁波素子に静磁波を励起するための磁界印加手段を備える静磁波発振装置に関する。
近年、例えば放送伝送用移動端末には、複数のマイクロ波帯の周波数が使用されている。日本において放送事業者に対して認可され、用いられている周波数は、例えば3.4〜3.6GHz、6.87〜7.125GHz、10.25〜10.45GHz、12.95〜13.25GHzの周波数帯域である。更にこれらのそれぞれの帯域の中で細かいチャンネルが設定されており、利用者は、このチャンネル毎に伝送等の処理を行っている。
従って、伝送等を行うためにマイクロ波を発振させるマイクロ波発振装置においては、上記の広い周波数帯域のマイクロ波を発振できることが好ましく、例えばVCO(Voltage Controlled Oscillator)のように、電圧の設定により、広範囲で発振周波数が選択できるものが好ましく用いられている。こうした発振器においては、切り替えられて使用され、隣接するチャンネルとの混信が生じないように、あるいは各チャンネルにおける伝送品質を確保するために、その位相雑音特性が良好であることが要求される。こうした要求を満たす発振器として、静磁波発振装置が広く用いられている。
静磁波発振装置には、GGG(ガドリニウム・ガリウム・ガーネット)非磁性単結晶基板上に、フェリ磁性体であるYIG(イットリウム・鉄・ガーネット)薄膜を液相エピタキシャル成長させた構造の静磁波素子が用いられている。この素子においては、強い磁界が印加された場合のYIG薄膜中の磁気スピンの共鳴が利用され、発振されるマイクロ波の周波数はこの共鳴周波数となる。この共鳴周波数は印加された磁界の強度によって決定され、その発振帯域は2〜3オクターブにもわたる広さとなるため、前記の用途には特に好ましく用いられる。
これを用いた発振装置の基本的構成は、例えば特許文献1〜3に記載されている。図2は、従来から用いられている静磁波発振装置の構造を示す断面図である。図において、上記の構造の静磁波素子31は、円柱形の永久磁石32によって発生した磁界51(破線)中に置かれる。永久磁石32中には、図中の上下方向に残留磁場が存在している。なお、図2は、円柱形の永久磁石32の高さ方向が図中の上下方向となった断面を示している。
永久磁石32の一方の極(図中下側の極)には上部磁極33が接続される。永久磁石32の他方の極(図中上側の極)側には、蓋34が接続される。蓋34は、平板状の部分と、その中心を中心とした同心円状の円筒状の部分とから構成され、この円筒状の部分に永久磁石32における他方の極側が埋め込まれている。平板状の部分の両側には外部ヨーク35の一端(上端)が接続される。外部ヨーク35の他端(下端)は図中下側で底36に接続され、平板状の底36の中心部には下部磁極37が接続される。上部磁極33、蓋34、外部ヨーク35、底36、下部磁極37はいずれも軟磁性体で構成されるため、その内部を磁界が通過する。下部磁極37と上部磁極33との間の空隙52(図中矢印で示された間隔)には静磁波素子1を搭載した発振回路基板38が設置される。この構成により、永久磁石32、蓋34、外部ヨーク35、底36、下部磁極37、上部磁極33の間に磁気回路が形成され、永久磁石32で発生した磁界を空隙52において集中させ、静磁波素子31に均一で強い磁界を印加することができる。
発振回路基板38には、例えばマイクロ波を伝送するマイクロストリップラインが構成され、その接地のために、中心部が空洞となったドーナツ形状の銅板39上に設置される。すなわち、銅板39は発振回路基板38を機械的に支持すると共に、その導電性によって発振回路基板38上のアース配線を接地させる役割を果たす。銅板39における空洞となった中心部には下部磁極37が配置されるため、発振回路基板38は中心部で下部磁極37、周辺部で銅板39に支持された形態となって固定される。ただし、銅板39は磁性をもたないため、磁力線は下部磁極37中を選択的に通過し、静磁波素子31に強い磁界を印加することができる。なお、発振回路基板38には電源を供給するための回路、配線や、発振信号を外部に取り出すための回路、配線等の構造が設けられるが、単純化するために、図においては省略している。
この静磁波素子31が発振する周波数は、これに印加される磁界の強さに依存する。この磁界の強さを可変とするため、この静磁波素子用発振装置においては、粗調整用電磁コイル40と微調整用電磁コイル41の2種類のコイルが用いられる。粗調整用電磁コイル40は蓋34の円筒状の部分及び永久磁石32を巻回し、微調整用電磁コイル41は永久磁石32を巻回する形態で形成され、図2は、これらのコイルの断面を示している。従って、これらによって形成される磁界は、永久磁石32の作る磁界と同一の方向となる。また、これらの電磁コイルにはそれぞれ直流電圧が印加され、その電流値を調整することによって、これらが発生する磁界の強さを調整することができる。この際、粗調整用電磁コイル40は微調整用電磁コイル41よりもより強い磁界を形成することができる構成であり、磁界の強さの粗調整は粗調整用電磁コイル40に流す電流で、微調整は微調整用電磁コイル40に流す電流を制御することによって行われる。これによって、静磁波素子31に印加される磁界の強さを制御することができ、発振周波数を変えることができる。
また、特許文献4においては、この磁界の強さを更に調整するために、図2の構造において、蓋34と外部ヨーク35との間隔を調整できる構成とした静磁波発振装置が記載されている。この構成によれば、上記の電磁コイルで調整できる範囲を超えた範囲で磁界の強さを調整することができる。すなわち、より広い帯域での周波数に対応することができる。
特開平7−212112号公報 特開平6−125221号公報 特開2001−274624号公報 特開2006−279155号公報
しかしながら、前記の構造の静磁波素子用発振装置においては、前記の放送伝送用移動端末に使用されるような波長の短いマイクロ波を発振させるためには、静磁波素子31には強い磁界を印加する必要がある。このためには、永久磁石32及び粗調整用電磁コイル40の発生する磁界を充分強くする必要がある。
永久磁石32の発生する磁界を強くするためには、その残留磁束密度を高くする事が必要である。このために、永久磁石32には、通常、希土類元素を使用したネオジム磁石やサマリウム−コバルト磁石が用いられる。しかしながら、これらの材料を用いた永久磁石であっても、充分な強さの磁界強度を得るためには、永久磁石のサイズを大きくすることが必要であった。例えば、図2における円柱形の永久磁石32を用いた場合、その半径を一定とした場合にはその高さ(図2中の上下方向の長さ)を大きくすることが必要になる。この場合、この静磁波発振装置自身が大きくなり、これを持ち運ぶことが困難な大きさとなる場合もあるため、これを放送伝送用移動端末等に用いることは困難である。
一方、粗調整用電磁コイル40の発生する磁界を強くするためには、その巻き数又は電流値を大きくすることが必要である。しかしながら、巻き数を大きくする場合には、やはり発振装置自身が大きくなる。また、電流値を大きくする場合には、大きな電源系が必要となるために、やはり小型の放送伝送用移動端末等には適さない。
従って、高い周波数を発振させることができる小型の静磁波発振装置を得ることは困難であった。
本発明は、斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の静磁波発振装置は、印加される磁界の強さに応じて共振周波数が変動する静磁波素子と、磁界を発生させる電磁コイルを具備し、前記共振周波数に応じた電磁波を発振する静磁波発振装置であって、前記静磁波素子を貫通する磁界の前記静磁波素子に対する上流側及び下流側に2個の電磁コイルがそれぞれ設けられ、前記2個の電磁コイルのうち一方の電磁コイルは、前記静磁波素子を搭載する発振回路基板を支持する支持板に隣接して設けられたことを特徴とする。
本発明は以上のように構成されているので、高い周波数のマイクロ波を発振させることができる小型の静磁波発振装置を得ることができる。
以下、本発明について具体的な実施形態を示しながら説明する。ただし、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
図1は本発明の実施の形態に係る静磁波発振装置の構造を示す断面図である。図において、静磁波素子1は、円柱形の永久磁石2によって発生した磁界21(破線)中に置かれ、円柱形の高さ方向が図中の上下方向となった断面が示されている。永久磁石2中には、図中の上下方向に残留磁場が存在している。
永久磁石2の一方の極(図中下側の極)には上部磁極3が接続される。永久磁石2の他方の極(図中上側の極)側には、蓋4が接続される。蓋4は、平板状の部分と、その中心を中心とする円筒状の部分とから構成され、この円筒状の部分に永久磁石2が埋め込まれている。平板状の部分の両側には外部ヨーク5の一端(上端)が接続される。外部ヨーク5の他端(下端)は図中下側で底6に接続される。底6の中心部には下部磁極7が埋め込まれて形成される。下部磁極7と上部磁極3との間の空隙22(図中矢印で示された間隔)には静磁波素子1を搭載した発振回路基板8が設置される。上部磁極3、蓋4、外部ヨーク5、底6、下部磁極7はいずれも軟磁性体で構成されるため、これらの内部を磁界が通過する。この構成により、永久磁石2、蓋4、外部ヨーク5、底6、下部磁極7、上部磁極3の間に磁気回路が形成され、磁界を空隙22において集中させ、静磁波素子1に均一で強い磁界を印加することができる。
静磁波素子1は発振回路基板8上に搭載され、発振回路基板8は銅板(支持板)9上に固定されると同時に、発振回路基板8上のアース配線は銅板9によって接地される。静磁波素子1は、GGG(ガドリニウム・ガリウム・ガーネット)非磁性単結晶基板上に、フェリ磁性体であるYIG(イットリウム・鉄・ガーネット)薄膜を液相エピタキシャル成長させた構造である。この素子においては、強い磁界が印加された場合のYIG薄膜中の磁気スピンの共鳴周波数が、マイクロ波の発振周波数となる。従って、静磁波素子1に印加される磁界の強度を調整することによって、発振するマイクロ波の周波数が決定される。発振回路基板8には、例えばマイクロ波を伝送するマイクロストリップラインが構成される。なお、発振回路基板8には電源を供給するための回路、配線や、発振信号を外部に取り出すための回路、配線等の構造が設けられるが、単純化するために、図においては省略している。
静磁波素子1に印加される磁界の強さを可変とするため、この静磁波素子用発振装置においては、粗調整用電磁コイル10と微調整用電磁コイル11の2種類のコイルが用いられる。粗調整用電磁コイル10は蓋4の円筒状の部分及び永久磁石2を巻回し、微調整用電磁コイル11は永久磁石2を巻回する形態で粗調整用コイル10の内側に形成される。図1は、これらのコイルの断面を示している。従って、これらによって形成される磁界は、永久磁石2の作る磁界と同一の方向となる。これらの電磁コイルにはそれぞれ直流電圧が印加され、静磁波素子1を上下方向に貫通する方向の磁界を発生させる。また、これらの電流値を調整することによって、これらが発生する磁界の強さを調整することができる。粗調整用電磁コイル10の巻き数及び巻き径は微調整用電磁コイル11よりも大きく、粗調整用電磁コイル10によって発生する磁界を微調整用電磁コイル11によって発生する磁界よりも大きくすることができる。これらに印加する電圧、あるいはこれらに流す電流値を制御することによって、静磁波素子1に印加される磁界の強さを調整することができ、発振周波数を変えることができる。すなわち、粗調整用電磁コイル10の電流によって発振周波数の粗調整ができ、微調整用電磁コイル11の電流によって発振周波数の微調整ができる。また、永久磁石2の発生する磁界の極性と粗調整用電磁コイル10の発生する磁界の方向を同一とすることによって、静磁波素子1に印加される磁界の強度を高め、発振周波数を高めることができる。
底6の中心部には、下部磁極7が埋め込まれている。平板状の銅板9は、図1に示されるように、底6の端部と外部ヨーク5との間にその端部を挟まれた状態で固定される。銅板9は磁性をもたないためその内部を磁界が通過せず、この構成により、永久磁石2、蓋4、外部ヨーク5、底6、下部磁極7、上部磁極3の間に磁気回路が形成され、磁界を空隙22において集中させ、静磁波素子1に均一で強い磁界が印加される。また、銅板9は発振回路基板8を機械的に支持する支持板の役割を果たすと共に、その導電性によって発振回路基板8上のアース配線を接地させる役割を果たす。
ここで、底6と銅板9との間の空隙には、下部磁極7を巻回する形態で、第2の粗調整用電磁コイル12が形成される。すなわち、この静磁波発振装置においては、静磁波素子1を貫通する磁界の静磁波素子1に対する上流側及び下流側に、粗調整用電磁コイル10と第2の粗調整用電磁コイル12の2個の電磁コイルがそれぞれ設けられている。このうち、第2の粗調整用電磁コイル12は、銅板9(支持板)に隣接して設けられる。第2の粗調整用電磁コイル12は粗調整用電磁コイル10と同じ向きに巻かれ、粗調整用電磁コイル10と電気的に直列あるいは並列に接続される。これによって発生する磁界は、粗調整用電磁コイル10と同方向であり、この磁界を強くすることができる。
これらが電気的に直列に接続された場合には、第2の粗調整用電磁コイル12が無い場合と比べて、同じ電流値であればより強い磁界を静磁波素子1に印加することができる。すなわち、従来の静磁波発振装置と同じ動作電流で動作させた場合にはより高い周波数のマイクロ波を発振することができる。あるいは、より少ない動作電流で同じ周波数のマイクロ波を発振することができため、省電力化が図れる。
これらが並列に接続された場合には、同じ動作電圧で、より強い磁界を印加することができる。すなわち、従来の静磁波発振装置と同じ動作電圧で動作させた場合にはより高い周波数のマイクロ波を発振することができる。あるいは、より低い動作電圧で同じ周波数のマイクロ波を発振することができため、省電力化が図れる。
従って、粗調整用電磁コイル10の巻き数を増大させた場合と実質的に同じ効果が得られる。ただし、この構造においては、図2に示す従来構造の静磁波素子用発振装置と比べて、静磁波素子用発振装置自身の大きさは変わらない。これは、発振回路基板8を機械的に支持する銅板9を図2の構造よりも薄くすることによって生じた空隙に、第2の粗調整用電磁コイル12を設けたためである。
例えば、図2の構造においては、静磁波素子31の上側には大きな粗調整用電磁コイル40が設けられているために、粗調整用電磁コイル40の巻き数を増やす、あるいは新たにコイルを追加する場合には、この静磁波発振装置全体を図2中の上下方向に大きくせざるを得ない。
これに対し、図1の構造においては、銅板9を薄くすることによってできた空隙に第2の粗調整用電磁コイル12を設けたため、静磁波発振装置自身の大きさを大きくする必要がない。すなわち、2個の粗調整用電磁コイルを設け、一方の粗調整用電磁コイル(粗調整用電磁コイル10)と、他方の粗調整用電磁コイル(第2の粗調整用電磁コイル12)を、静磁波素子1から見て、磁界の方向において両側に各々設けたことによって、静磁波発振装置は図1において上下方向に大きくなることはない。また、銅板9は軟磁性体で構成されず、強度の充分な銅で構成されるため、薄い場合でも発振回路基板8を機械的に支持することができる。同様に、その電気抵抗率も低いため、発振回路基板8のアース配線を接地することができる。従って、銅板9の厚さは例えば1mm程度とすることができる。この銅板9とこの静磁波発振装置が収容される筐体との間に配線を接続することによって、アース配線の接地は容易に行われる。
粗調整用電磁コイル10、微調整用電磁コイル11、第2の粗調整用電磁コイル12はいずれも被覆銅線をそれぞれ上記の形態で巻回することによって容易に形成することができる。前記の通りこれらの電磁コイルには直流電圧が印加され、この電圧又は電流が制御されてこれらが生成する磁界の強度が制御される。このため、これらの電磁コイルの配線(被覆銅線)は、図1の構成の外部にある筐体の壁を介してその外部に取り出される。これらの配線は、外部の電流制御回路に接続され、その電流が制御されて使用される。この際、電流の制御だけでなく、例えば粗調整用電磁コイル10と第2の粗調整用電磁コイル12との接続方法を直列、並列、あるいは独立(接続せず)と設定できる構成とすることができる。これにより、磁界強度のよりきめ細かい制御が可能となる。
この際、前記の電磁コイルを構成する被覆銅線を筐体外部に取り出す際には、例えば被覆銅線をシリコンチューブで更に被覆し、筐体の開口部から外部に取り出すことができる。また、ハーメチックフィードスルーを介して外部に取り出すこともできる。
以上の構成により、この静磁波発振装置は、小型であり、かつ高い周波数を発振させることができる。
具体的には、静磁波素子1としてYIG/GGG素子を用い、永久磁石2としてネオジム磁石を用いた場合、断面7.1mm×4.5mmの銅線からなる1700ターンの粗調整用電磁コイル10に20mAの電流を流すことにより、発振周波数を250MHz大きくすることができる。これに対して、断面7.1mm×1.0mmの銅線からなる380ターンの第2の粗調整用電磁コイル12に20mAの電流を流すことにより、更に発振周波数を55MHz大きくすることができた。
なお、図1の構造においては、銅板9と底6との間の空隙に第2の粗調整用電磁コイル12のみを設けたが、更にこの空隙に、微調整用電磁コイル11と同様にしてもう一つの微調整用電磁コイルを設けることもできる。これにより、静磁波素子1に印加する磁界の強さを調整することがより容易となる。
逆に、微調整用電磁コイル11を設けず、磁界の調整を粗調整用電磁コイル10、第2の粗調整用電磁コイル12のみによって行う構成とすることもできる。また、永久磁石2を設けず、磁界を電磁コイルのみによって発生させる構成としてもよい。この場合には、永久磁石2の代わりに軟磁性体で構成されたヨーク部を設けることにより、磁気回路を形成することができ、この静磁波発振装置を更に小型化することができる。
また、図1においては、銅板9が外部ヨーク5と底6に挟まれて固定される構成としたが、これに限られるものではなく、第2の粗調整用電磁コイル12が空隙に設置できる構成であれば任意である。例えば、外部ヨーク5と底6、あるいは外部ヨーク5と蓋4とが一体化された構成であってもよい。
また、銅板9の代わりに、磁性をもたない他の金属材料で構成した支持板を用いることもできる。また、電気伝導性のない材料で支持板を構成することもでき、この場合には、例えばその表面に銅層を形成することによって、発振回路基板8のアース配線を設置することができる。
その他、永久磁石2、上部磁極3、下部磁極7の配置は、発振回路基板8上に搭載された静磁波素子1に均一で強い磁界を印加できる構成であれば、上記の構成は任意である。
以上の実施の形態の説明から明らかなように、本発明の静磁波装置は、印加される磁界の強さに応じて共振周波数が変動する静磁波素子と、磁界を発生させる電磁コイルを具備し、前記共振周波数に応じた電磁波を発振する静磁波発振装置であって、前記静磁波素子を貫通する磁界の前記静磁波素子に対する上流側及び下流側に2個の電磁コイルがそれぞれ設けられ、前記2個の電磁コイルのうち一方の電磁コイルは、前記静磁波素子を搭載する発振回路基板を支持する支持板に隣接して設けられた静磁波発振装置である。
また、この静磁波発振装置は、前記磁界と同一方向の磁界を発生させる永久磁石を具備することもできる。
また、この静磁波発振装置において、前記2個の電磁コイルに流れる電流が調整されることにより、前記静磁波発振装置が発振する電磁波の周波数が設定される。
また、この静磁波発振装置において、前記磁界と同一方向の磁界を発生させる微調整用電磁コイルを更に設けることもできる
本発明の実施の形態に係る静磁波発振装置の断面図である。 従来の静磁波発振装置の断面図である。
符号の説明
1、31 静磁波素子
2、32 永久磁石
3、33 上部磁極
4、34 蓋
5、35 外部ヨーク
6、36 底
7、37 下部磁極
8、38 発振回路基板
9、39 銅板
10、40 粗調整用電磁コイル
11、41 微調整用電磁コイル
12 第2の粗調整用電磁コイル
21、51 磁界
22、52 空隙

Claims (1)

  1. 印加される磁界の強さに応じて共振周波数が変動する静磁波素子と、磁界を発生させる電磁コイルを具備し、前記共振周波数に応じた電磁波を発振する静磁波発振装置であって、
    前記静磁波素子を貫通する磁界の前記静磁波素子に対する上流側及び下流側に2個の電磁コイルがそれぞれ設けられ、前記2個の電磁コイルのうち一方の電磁コイルは、前記静磁波素子を搭載する発振回路基板を支持する支持板に隣接して設けられたことを特徴とする静磁波発振装置。
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