JP2009231632A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体基板を含む被処理基板の表面に流体を吹き付ける工程と、前記流体を吹き付ける工程の後、前記被処理基板の表面に保護層を形成する工程と、前記保護層をエネルギービームにより選択的に除去する工程と、前記被処理基板における、前記保護膜が選択的に除去された領域に対して、除去加工を行う工程と、を具備する。
【選択図】図8G
Description
かかる半導体基板11に対して、ダイシング処理を施すあたり、先ず当該半導体基板11上の多層配線構造部12を覆って、表面保護テープ13を被覆する。(図1B参照)
次いで、前記半導体基板11を、その裏面を上(露出面)として研削装置101に装着し、当該半導体基板11の裏面を研削する。(図1C参照)
研削装置101にあっては、軸101Cの回りで回転する研削ヘッド101Aに研削砥石101Bが配設されており、当該砥石101Bにより半導体基板11の裏面は研削される。
しかる後、前記保護テープ13を除去する。
そして、当該半導体基板11の表面に、純水により任意の濃度に希釈されたポリビニルアルコール液14Aを滴下する。(図1H参照)
しかる後、回転テーブル102Bを回転させて、半導体基板11の表面に在るポリビニルアルコール液14Aを遠心力により拡げ、図2A,図2Bに示すように半導体基板11上を一様な厚さをもって覆うポリビニルアルコール(PVA)膜14を形成する。(図1I参照)
なお、図2Aは、当該PVA膜14で覆われた半導体基板11の平面を、図2Bは図2A中、線A−A'に沿った断面を示す。
この工程では、スクライブ領域11Sにおいて生じるPVA膜14の昇華により、異物が堆積するが、かかる異物は半導体素子上のPVA膜14上に被着し、前記多層配線構造部12に直接に接することはない。
しかる後、前記半導体基板11に対し、そのスクライブ領域11Sに沿って、ダイシングブレード105によりダイシング処理を施す。(図1K参照)
これにより、前記半導体基板11は、個々の半導体素子(半導体チップ)に分割される。
かかる構造に対し、前記レーザービーム103がスクライブ領域11Sに照射される。(図3B参照)
かかるレーザーの照射により、スクライブ領域11Sにおける多層配線構造部12は、その上を覆うPVA膜14共々除去される。この時、レーザー照射により、昇華物11Xが発生する。(図3C参照)
かかる昇華物11Xが再凝集して、異物11Yを生じることがあるが、かかる異物11Yは、PVA膜14上に付着し、多層配線構造部12に接することはない。(図3D参照)
しかる後、前記PVA層14を水洗により除去することにより、異物11Yも当該PVA層14と共に除去される。(図3E参照)
かかる図5Aは、前記図4Aにおける線B−B’ に沿う断面を示す。
この為、当該多層配線構造部12は選択的に除去され、更に当該多層配線構造部12の下に位置する半導体基板11の表面部が除去される。(図5C参照)
かかる多層配線構造部12、半導体基板11の除去に伴い発生した昇華物11Xは、再凝集して、半導体素子領域上を覆うPVA膜14上に、異物11Yとして付着する。この時、当該異物11Yは、薄いPVA膜14を貫通してパッシベーション膜12Aに付着してしまう場合もある。(図5D参照)
このように、多層配線構造部12に付着した異物11Yは、PVA膜14を水洗により除去しても、パッシベーション膜12Aに付着したまま残ってしまう。
なお、図6Aは半導体基板11の平面を、図6Bは図6A中、線C−C’に沿った断面を示す。
従って、かかる領域に対して前述の如き異物11Yが付着した場合には、当該異物11YがPVA膜14を突き破ってポリイミド層などの下層に付着し、PVA膜14を除去しても異物11Yが残ってしまう状態を生じる。
このように接着剤13Xの一部が段差部12Pに残留すると、その後のポリビニルアルコール液の回転塗布工程において、ポリビニルアルコール液が濡れない不具合が生じ、生成されるPVA膜14の膜厚が減少してしまう。
(発明の実施形態)
本発明の実施形態における、被処理半導体基板21を図7Aに示す。
当該表面保護テープ27としては、例えば、ToyoADEC社より商品名F−90MWとして販売されているテープを適用することができる。
当該研削装置131にあっては、軸131Cの回りで回転する研削ヘッド131Aに研削砥石131Bが装着されており、当該砥石131Bにより半導体基板21の裏面は研削される。
かかる背面研削は、被処理半導体基板21の厚さが、所定の値、例えば600μmの厚さに至るまで実行される。(図8D参照)
そして、当該半導体基板21の厚さが所定の値に達すると当該研削処理は終了し、前記表面保護テープ27は除去される。(図8E参照)
次いで、前記半導体基板21は、その半導体素子形成面を上にして、且つダイシングテープ132Tを介して、スピンコーティング装置132の回転テーブル132S上に装着される。
(図8F参照)
本発明にあっては、かかる状態において、回転テーブル132Sを100〜2000rpm、好ましくは500rpmで回転させつつ、ノズル32Aから、前記半導体基板21に対して
純水、または純水と空気の混合流体、あるいは純水で希釈したポリビニルアルコールを、0.01〜0.5MPa、好ましくは0.05MPaの圧力をもって、10〜3000ml/分、好ましくは300ml/分の流量により、ジェット32Bの形態をもって噴射し、当該半導体基板21上を洗浄する。(図8G参照)
かかる噴射により、これまでの工程において半導体基板11上の多層配線構造部26に付着していた異物、接着剤の残渣は洗浄除去される。この時、当該半導体基板21は回転していることから、かかる回転によって生ずる遠心力によっても、当該異物、接着剤の残渣の除去が助長される。
次いで、当該スピンコーティング装置32の回転テーブル132Sの回転を停止し、かかる状態において、前記ノズル32Aまたは他のノズル32Cから、半導体基板21のほぼ中央部に対し、濃度10〜500g/cm3のポリビニルアルコール水溶液28Aを滴下する。(図8I参照)
しかる後、前記回転テーブル132Sを、半導体基板21ともども、100〜2000rpm、好ましくは500rpmで回転させ、前記ポリビニルアルコール液28Aを半導体基板21の外周方向に拡張する。
次いで、スクライブ領域21S上におけるPVA膜28に対し、レーザービーム133を選択的に照射し、当該スクライブ領域21Sにおける当該PVA膜28ならびにその下に位置する多層配線構造部26を選択的に除去する。(図8K参照)
レーザーとして、例えばYVO4レーザーを適用することができ、レーザーパワーは、例えば0.3〜4.0Wの範囲に設定される。
しかる後、前記半導体基板21を、ダイシング装置134のテーブル134Sに、ダイシングテープ134Tを介して装着し、ダイシングブレード134Aを用い、当該半導体基板21をスクライブ領域21Sにおいて、スクライブ線に沿って切断し、個々の半導体素子に分離・個片化する。(図8M参照)
このような工程を有する本発明の実施の態様にあっては、半導体基板21上への表面保護層28の形成に先立って、当該半導体基板21上へ流体32Bを吹き付けることにより、多層配線構造部26上に存在して表面保護層28の一様な膜厚での形成を阻害する異物を、吹き飛ばすことにより、あるいは流体32Bにより前記異物を部分的に溶解することにより、除去する。
なお、図10Bは、図10AにおけるA−A’ に沿う断面である。当該線A−A’は、半導体基板21におけるスクライブラインに対応している。
そして、前記スクライブ領域21Sに対しレーザービーム133が選択的に照射される。(図11B参照)
かかるレーザービーム133の照射により、スクライブ領域21Sにおける多層配線構造部26がPVA膜28と共に除去される。(図11C参照)
この時、レーザー照射により、昇華物21Xが発生し、かかる昇華物21Xが再凝集して、少なくともスクライブ領域21Sの周囲におけるPVA膜28上に異物21Yを生じる場合がある。(図11D参照)
しかしながら、当該スクライブ領域21Sの周囲を含むPVA膜28は、前述の如く、略均一の厚さをもって被着されている。
この様な製造工程を採ることにより、従来の製造方法に比して、製造歩留りを大きく改善することができる。
(付記1)
半導体基板を含む被処理基板の表面に流体を吹き付ける工程と、
前記流体を吹き付ける工程の後、前記被処理基板の表面に保護層を形成する工程と、
前記保護層をエネルギービームにより選択的に除去する工程と、
次いで、前記保護層を除去する工程と、
前記被処理基板における、前記保護膜が選択的に除去された領域に対して、除去加工を行う工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記2)
前記被処理基板は、前記半導体基板の表面に形成される回路層を含み、
前記保護層を選択的に除去する工程では、前記回路層も除去することを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記3)
前記エネルギービームによる前記保護層の選択的な除去後に、前記被処理基板の表面に残留する前記保護層を除去する工程を含むことを特徴とする付記1又は2記載の半導体装置の製造方法。
(付記4)
前記流体を吹き付ける工程は、前記被処理基板の表面に水のジェットを当てることにより実行されることを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記5)
前記流体を吹き付ける工程は、前記被処理基板の表面に水と空気の混合物のジェットを当てることにより実行されることを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記6)
前記流体を吹き付ける工程は、前記被処理基板の表面に前記保護層と同じ材料を、前記保護層を塗布する工程における濃度よりも希釈して、ジェットの形で当てることにより実行されることを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記7)
前記保護層を塗布する工程は、前記被処理基板の表面に前記流体が残留した状態で実行されることを特徴とする付記1乃至6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記8)
前記エネルギービームによる前記保護層の選択的な除去は、前記被処理基板に形成されたスクライブ領域に対して行われることを特徴とする付記1乃至7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記9)
前記エネルギービームによる前記保護層の選択的な除去後に、前記被処理基板を前記スクライブ領域においてダイシングする工程を含むことを特徴とする付記8に記載の半導体装置の製造方法。
(付記10)
前記保護層は、ポリビニルアルコール膜であり、
前記保護層を塗布する工程は、前記ポリビニルアルコール膜の材料をスピンコーティングすることにより実行されることを特徴とする付記1乃至9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記11)
前記エネルギービームは、レーザービームであることを特徴とする付記1乃至10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記12)
前記被処理基板の表面に残留する前記保護層を除去する工程は、前記流体を吹き付ける工程を実行する装置と同一の装置中において実行されることを特徴とする付記3に記載の半導体装置の製造方法。
(付記13)
前記被処理基板の表面に残留する前記保護膜を除去する工程は、前記保護膜に流体を吹き付けることにより実行されることを特徴とする付記3に記載の半導体装置の製造方法。
(付記14)
前記保護膜に吹き付ける流体は、前記保護膜の形成前に前記被処理基板の表面に吹き付けた流体と同一の流体であることを特徴とする付記13に記載の半導体装置の製造方法。
(付記15)
前記保護層を選択的に除去する工程では、前記半導体基板を露出させることを特徴とする付記2に記載の半導体装置の製造方法。
11S,21S スクライブライン
11X,21X 昇華物
11Y,21Y,14Z 異物
12,26 多層配線構造部
12A,23,24,25 パッシベーション膜
12P 多層配線構造部が形成する段差部
13,27 保護テープ
13X 接着剤残渣
14,28 ポリビニルアルコール膜(保護層)
14A,28A ポリビニルアルコール
14X 欠陥
21A,21B 半導体素子領域
21I 素子分離領域
21a,21b,21c,21d LDD領域
21e,21g ソース拡散領域
21f,21h ドレイン拡散領域
21G,21H ゲート電極
22A〜22C 層間絶縁膜
22a〜22c 配線層
23P パッド電極
26P パッシベーション構造
32A ノズル
32B,32B’ 流体ジェット
101 研削装置
101A 研削ヘッド
101B 研削砥石
102,132 スピンコーティング装置
102A ダイシングテープ
103,133 レーザービーム
104 水ジェット
105,134A ダイシングブレード
134 ダイシング装置
Claims (10)
- 半導体基板を含む被処理基板の表面に流体を吹き付ける工程と、
前記流体を吹き付ける工程の後、前記被処理基板の表面に保護層を形成する工程と、
前記保護層をエネルギービームにより選択的に除去する工程と、
前記被処理基板における、前記保護膜が選択的に除去された領域に対して、除去加工を行う工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記被処理基板は、前記半導体基板の表面に形成される回路層を含み、
前記保護層を選択的に除去する工程では、前記回路層も除去することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記エネルギービームによる前記保護層の選択的な除去後に、前記被処理基板の表面から前記保護層を除去する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法。
- 前記流体を吹き付ける工程は、前記被処理基板の表面に水のジェットを当てることにより実行されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記流体を吹き付ける工程は、前記被処理基板の表面に水と空気の混合物のジェットを当てることにより実行されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記流体を吹き付ける工程は、前記被処理基板の表面に前記保護層と同じ材料を、前記保護層を塗布する工程における濃度よりも希釈して、ジェットの形で当てることにより実行されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記保護層を塗布する工程は、前記被処理基板の表面に前記流体が残留した状態で実行されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記エネルギービームによる前記保護層の選択的な除去は、前記被処理基板に形成されたスクライブ領域に対して行われることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記エネルギービームによる前記保護層の選択的な除去後に、前記被処理基板を前記スクライブ領域においてダイシングする工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記保護層は、ポリビニルアルコール膜であり、
前記保護層を塗布する工程は、前記ポリビニルアルコール膜の材料をスピンコーティングすることにより実行されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
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