JP2009228894A - 高負荷伝動ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】ブロックがセンターベルトに対して左右方向に傾かないようにしており、ベルト走行中のブロックの斜行が発生するのを防止することができ、よって、それに起因して起こる動力伝達効率の低下や、ベルト振動の発生、騒音の発生といった問題を解消し、ベルトの寿命も延長することができる高負荷伝動ベルトを提供する。
【解決手段】ブロック2の両側面に上下ビーム11、12とピラー13によって囲まれたセンターベルト3を挿入する溝を有するブロック2とからなる高負荷伝動ベルトであり、ブロック2の前後面のいずれか一方に凸部8を形成すると共に他方の面に凹部9を形成して、隣り合うブロック2同士で前記凸部8と凹部9が嵌合するようなしており、この凹凸嵌合によってブロック2がセンターベルト3に対して傾いて走行する斜行を防止してなる。
【選択図】図4

Description

本発明は、センターベルトの長手方向に所定ピッチでブロックを固定した高負荷伝動ベルトに関し、詳しくは走行時におけるブロックのセンターベルトに対する傾きが生じるのを防止し、ブロックが斜行することによりベルトに振動が発生したり騒音が生じたりするのを抑えることができる高負荷伝動ベルトに関する。
ベルト式無段変速装置に使用するベルトは、プーリのV溝幅を変えることによってプーリに巻きかかる有効径を変化させ変速比を調節するような変速プーリに巻きかけて使用するものであり、プーリからの側圧が大きくなるのでベルトは大きな側圧に耐えるものでなくてはならない。また、無段変速の用途以外にも耐えうるようなベルトを用いる必要がある。
そのようなベルトとして使用されるものの中に、センターベルトにブロックを固定してベルト幅方向の強度を高めた引張伝動式の高負荷伝動ベルトがあり、具体的な構成としては、両側面に溝を有するブロックに、心線をゴムなどのエラストマー中に埋設したセンターベルトを、前記ブロックの溝に嵌合装着したようなベルトが挙げられる。
ブロックの要求品質としては、上記のように摩擦伝動において高負荷の伝動を目的としているために、曲げ疲労性、耐摩耗性、耐熱性、剛性、耐衝撃性などの性質をバランスよく保有する必要がある。
また、高トルクを伝達するベルトであることからセンターベルトにかかる負担も大きい。センターベルトの切断はベルトの故障としては致命的であり、車などの動力を駆動するベルトであればベルトの切断はすなわち車の停止につながってしまう。更にはこれらの性能と同時にベルト走行時に発生する騒音を小さなものにする必要がある。
特許文献2にはブロックの金属補強部材(インサート)が軟質ゴム部材を介して連結されているベルトが開示されている。軟質ゴム部材を介して連結することによって、ベルト走行時のブロックの揺動を防止することができるといったものである。
特開昭63−34372号公報 実願昭61−51090号(実開昭62−162434号)のマイクロフィルム
このような高負荷伝動ベルトに発生する問題点の一つとして、ブロックがセンターベルトに対して傾いた状態になって走行する斜行が挙げられる。図8は走行前のベルトの平面模式図であり、図9はベルト走行後の斜行が発生したところを示すベルトの平面模式図である。斜行が発生すると動力の伝達効率が低下したり、騒音の原因となったり、振動が発生したりしてベルトが早期に寿命に達してしまう原因にもなっていた。
そこで本発明では、ブロックがセンターベルトに対して傾く現象を阻止し、伝達効率が高く、騒音や振動も少ない長寿命な高負荷伝動ベルトの提供を目的とする。
上記のような目的を達成するために本発明の請求項1では、エラストマー中に心線を埋設したセンターベルトと、上ビームと下ビームをピラーによって連結しており、ブロックの両側面に上下ビームとピラーによって囲まれたセンターベルトを挿入する溝を有するブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、ブロックの前後面のいずれか一方に凸部を形成すると共に他方の面に凹部を形成して、隣り合うブロック同士で前記凸部と凹部が嵌合するようなしており、この凹凸嵌合によってブロックがセンターベルトに対して傾いて走行する斜行を防止してなることを特徴とする。
請求項2では、隣り合うブロックの前後面に形成する凸部および凹部は、ブロックの幅方向の中心線とブロック高さ方向においてセンターベルトの心線が位置する高さを結ぶ線とが交わる中心点に対して回転可能に嵌合してなる請求項1記載の高負荷伝動ベルトとしている。
請求項3は、凸部と凹部との嵌合代は、0.3mm〜1.5mmの範囲である請求項1〜2のいずれかに記載の高負荷伝動ベルトとしている。
請求項4は、凸部および凹部のブロック上の位置は、ベルト幅方向の中央から少なくとも3mm以上離れた部位に位置している請求項1〜3のいずれかに記載の高負荷伝動ベルトとしている。
請求項5では、凸部を形成する樹脂は、摩擦係数が0.2以下の樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の高負荷伝動ベルトとしている。
請求項6では、凸部を形成する樹脂が、ポリアミド樹脂に摩擦低減材を5〜20質量%配合してなる樹脂組成物である請求項5記載の高負荷伝動ベルトとしている。
請求項1によれば、センターベルトに装着したブロックを前後面にて凹凸嵌合させることによって、ブロックがセンターベルトに対して左右方向に傾かないようにしており、ベルト走行中のブロックの斜行が発生するのを防止することができる。よって、それに起因して起こる動力伝達効率の低下や、ベルト振動の発生、騒音の発生といった問題を解消し、ベルトの寿命も延長することができる。
請求項2では、隣り合うブロック同士で斜行を防止するための凸部および凹部による嵌合をしているが、ベルトの捩れる方向へのブロックが回転する動きをブロック同士の嵌合で妨げないようにしていることから、変速プーリからの側面からの圧力によってベルトの捩れる方向への力が加わっても、ブロック同士が回転する動きをすることで吸収することができ、ベルトの走行のスムーズさを保つことができる。
請求項3では、凸部と凹部の嵌合代を0.3mm〜1.5mmの範囲と設定しており、ベルトがプーリに巻きかかって屈曲する際に、隣り合うブロック同士の嵌合が外れにくく屈曲をなって阻害することもなく、且つ、プーリ以外の箇所においてはブロックがセンターベルトに対して傾きを発生しない程度に十分に嵌合することができる。
請求項4では、凹凸はブロックの中央から一定の距離離れた箇所に配置しているので、ブロックの傾きが発生するのを、より確実に防止することができるものである。
請求項5では凸部を形成する樹脂の摩擦係数を0.2以下としており、隣り合うブロックとの凹部との嵌合を繰り返しても両者の摩耗を抑えることができ、隣り合うブロック同士で長期にわたって動きを規制することができるので、ベルトの斜行の問題も抑えることができて長寿命化にもつながる。
請求項6では、凸部を形成する樹脂をポリアミド樹脂に摩擦低減剤を配合したものとしており、摩耗が発生しにくくより長期に摩耗を抑えることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明を具体的に説明する。
図1は本発明に係わる高負荷伝動ベルト1の例を示す斜視概要図であり、図2は高負荷伝動ベルトの側面図、図3はブロック2の正面図である。本発明の高負荷伝動ベルト1は、エラストマー4内に心線5をスパイラル状に埋設してなる二本のセンターベルト3a、3bと、このセンターベルト3、3に係止固定されている複数のブロック2とから構成されている。このブロック2の両側面2a、2bは、プーリのV溝と係合して動力を伝達する傾斜面となっている。駆動プーリに係合したブロックは駆動プーリから動力を受け取って、係止固定されているセンターベルトを介して従動プーリに係合しているブロックを引っ張り、従動プーリを回転させることによって動力を伝えている。
ブロック2は図1に示すように、上ビーム11および下ビーム12と上下ビーム11、12を中央にて連結するピラー13からなっており、両側面2、2には一対のセンターベルトを嵌合する溝14、15が形成されている。また、溝14、15の上面16および下面17にはセンターベルト3の上面に設けた凹条部18と下面に設けた凹条部19に嵌合する凸条部20、21を突設している。
ブロックの上下方向の中央より下部分の前後面には傾斜がつけられており、ベルトがプーリに巻きかかったときにブロック同士が接触せずに屈曲できるようになっている。
また、本発明によると、ブロックの前後面のいずれか一方に凸部を形成すると共に他方の面に凹部を形成して、隣り合うブロック同士で前記凸部と凹部が嵌合するようなしている。ブロック2をセンターベルト3に嵌合装着して、ブロック2にプーリからの側圧を受け持たせ、センターベルト3に張力を受け持たせ、両者の嵌合により動力の互いに受け渡しを行うようなベルトの場合、ブロック2とセンターベルト3との嵌合状態が緩んでガタツキを発生すると、本来ベルト幅方向に一致して配置されているブロックが、ベルトの走行中に進行方向に対して横方向に傾いて走行する斜行が発生する。斜行が発生しても動力の伝達は行われるが、伝動効率の低下や、騒音の発生の原因となり少なからず寿命にも影響するといった問題であった。
本発明では、前記のようにブロックの前後面に凸部と凹部を設けることを特徴としており、図1及び図2の例では上ビーム11の両端部付近にそれぞれ凸部8と凹部9が設けられている。これらの嵌合により、前後隣り合うブロック同士のズレが防止される。隣り合うブロック同士のズレを抑制することによって、ブロックの傾きの発生も防止することができる。よって、ベルト走行中におけるブロックが斜行するのを抑えることができ、それに起因する伝動効率の低下や騒音の発生といった問題をなくすことができる。
この凹凸嵌合はブロックがセンターベルトに対して傾いて走行する斜行を防止するためのものであり、そのためには凸部8と凹部9が嵌合する嵌合代(嵌合している部分の長さ)が0.3mm〜1.5mmの範囲であることが好ましい。嵌合代が0.3mm未満であると、ベルト走行中のブロックの動きによって嵌合が外れてしまうこともあり、ブロック同士のズレの抑制が効かなくなってしまい、逆に嵌合代が1.5mmを超えるとブロック同士の間の動きが抑制されすぎて、ベルトがプーリに巻きかかって屈曲する際の動きの阻害となるので好ましくない。
また、これら凸部8と凹部9を設ける位置は、ブロック2の幅方向中央から3mm以上は離れた位置とすることが好ましい。ブロックがセンターベルトに対して傾く挙動はブロックの中央を中心として回転方向に傾くので、ブロックの中央付近は比較的ブロックの動きの少ない部位であるが、凸部8と凹部9が中央に位置していると凹凸間のガタツキがわずかなものであってもその影響を大きく受けて、ブロックの傾きが大きくなる。よって、ブロックの傾きがその傾きができるだけ生じないようにするためには、凸部8と凹部9はブロック中央から離れた位置に設けることが好ましい。ブロック上の凸部8と凹部9の位置が中央からの距離が3mm未満であると、ブロックの傾きが大きくなってしまう。
本発明のようにブロック2を装着したベルト1で、ブロック2とセンターベルト3の嵌合に緩みが生じ、例えば、ブロック2の左右でプーリとの間の動力伝達にわずかな差が生じたり、ブロック2の重量バランスのわずかなズレ等が原因で、ベルト走行中にブロックがベルト幅方向に対して傾く力が働いたとしても、上記のような凸部8と凹部9との嵌合によりブロックが斜行するのを防止することができ、ベルト走行中の振動や騒音の発生を抑え、寿命の長いベルトとすることができる。
図4は、ブロックの別の例を示す平面図及び正面図であり、この例ではブロック2の上ビーム11と下ビーム12にブロック2重量軽減のための肉抜き部Sが設けられており、上ビーム11前面の肉抜き部Sの両端に凸部8が配置され、後面の肉抜き部Sを凹部9として使用した形態となっている。また、センターピラ13の中央前面に突起Tが設けられていると共に、後面の同位置に同形状の窪み(図示しない)が設けられて両者が前後のブロック同士で嵌合する構造となっており、これらはブロックを整列させる目的で設けたものであるが、ブロックの中央位置に配置されていることから本発明で目的とする斜行の防止にはあまり効果的ではなく、本発明の特徴部分ではない。
図5は、ブロックの更に別の例を示す平面図及び正面図であり、この例でもブロック2の上ビーム11と下ビーム12にブロック2重量軽減のための肉抜き部Sが設けられているが、該肉抜き部Sの外側において、ブロックの前面には矩形で上ビーム11の上面までつながる凸部8が設けられており、後面には上ビーム11の上面に開口する同矩形の凹部9が設けられ、前後のブロック2同士で両者が嵌合するようになっている。
図6は、ブロックの更に別の例を示す平面図及び正面図であり、この例でもブロック2の上ビーム11と下ビーム12にブロック2重量軽減のための肉抜き部Sが設けられているが、該肉抜き部Sの外側において、上ビーム11の最も側端位置の前面に凸部8および後面に凹部9が設けられており、やはり前後のブロック2同士で両者が嵌合するようになっている。
また、有効径を変化させることによって駆動軸と従動軸との変速比を調整する変速プーリに、ベルトを巻きかけて走行させた場合に、可動プーリ片からの押圧で走行中のベルトに捩れる方向の力が発生したり、ベルトのアライメントがずれる方向への力が発生したりすることがある。その際に隣り合うブロックの相対的な動きが完全に規制された状態であると、ブロックに前記のような力が働いても吸収することができない。するとベルトのスムーズな走行の妨げとなって動力伝達効率を低下させたり、騒音を発生させたり、場合によってはブロックの破損やセンターベルトの切断等の故障につながってしまう可能性がある。
そこで本発明の請求項2において、隣り合うブロックの前後面に形成する凸部および凹部は、ブロックの幅方向の中心線とブロック高さ方向においてセンターベルトの心線が位置する高さを結ぶ線とが交わる中心点に対して回転可能に嵌合してなることを特徴としており、このような構成を採ることによって変速プーリからの側面からの圧力によってベルトの捩れる方向への力が加わっても、ブロック同士が回転する動きをすることで吸収することができ、ベルトの走行のスムーズさを保つことができる。
図7は、更にブロックの別の例を示す平面図及び正面図であり、この例ではブロック2の前面にブロックの幅方向の中心線とブロック高さ方向におけるセンターベルトの心線が位置する高さを結ぶ線とが交わる点を中心とする円弧で形成された凸部8を設けており、背面には同様に円弧状の溝からなる凹部9を設けており、該凸部8と凹部9が嵌合してもブロック同士の回転方向の相対的な動きを規制しないようにしている。そうすることで上記のようなベルトが捩れる方向に加わった力を吸収することができる。
このように凸部8および凹部9の形状や配置方法については様々な形態を採ることが可能であり、以上の例では上ビーム11に設けているが、下ビーム12に設けてもよい。但し、下ビームは屈曲性を高めるために中央より下部に掛けて板厚が除減(テーパ状)しているため、下ビームに凹凸を設けた場合には嵌合の度合いが低くなり、斜行抑制の効果が低減される恐れがある理由から、凸部8および凹部9は下ビームよりも上ビーム11に設けるほうが、より好ましい形態ということができる。
ブロック2は図8に示すように樹脂材31中にインサート材32が埋設されたものであるが、インサート材32は、ブロック2の耐側圧性や曲げ剛性を持たせる部分となるインサート材であり、素材としてはアルミ合金、セラミックス、セラミックスとアルミニウムとの複合材料、炭素繊維強化樹脂や鉄などの素材が挙げられる。
耐側圧性や曲げ剛性を持たせるという面では金属材料が好ましく、金属材料の中ではアルミ合金の弾性率が7000kgf/mmで比重が2.8であるのに対し、鉄は弾性率が22000kgf/mmで比重が7.8であり、強度的には鉄を用いるほうが高いといえるが、高速で回転するベルトにとって、ベルト重量は寿命に大きく影響を与えるため軽量化の面で有利なアルミ合金を用いることが好ましい。ただし、耐側圧性や曲げ剛性を持たせるという面では金属材料が優れており、インサート材32の所定箇所に樹脂材31を被覆したブロック2を用いることが好ましい。
樹脂材31を所定の箇所に配置する場合、ブロック2の大きさよりもひと回り小さい金属材料からなるインサート材32を用いてそのほぼ全面を樹脂材31で被覆したものを用いると、部分的に樹脂材31を被覆配置したものに比べて、樹脂材の剥離などの問題が発生しにくいので好ましい形態ということができる。ただし、全面といっても製造工程の上で樹脂材31を被覆する際にインサート材32を固定する部材が接触しているところは、インサート材32が露出する箇所が発生することになるが、その程度のインサート材32の露出は、実質的に全面を樹脂材で被覆している形態に含まれるといってよいものである。
またブロック2としては樹脂材31のみからなっているものも使用できる。このようなインサート材32を埋設していないブロック2を用いた場合、インサート材32を埋設したブロックを用いたベルトよりも、軽量化が可能なので高回転で使用してもベルトに発生する遠心力が小さいという優位点があるが、自動二輪などの比較的軽負荷で高回転の用途に向いている。
樹脂材31としては、比較的摩擦係数の大きく耐摩耗性に優れ、センターベルト3a、3bを構成するエラストマー4と比べると剛性の高い、具体的には硬度90°JIS A以上の硬質ゴム、硬質ポリウレタン樹脂、液晶樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等のゴムや合成樹脂が用いられる。
これらの中でもブロックを効率よく製造するために射出成形法にて製造するには、ポリアミド樹脂のような熱可塑性樹脂を用いることになる。また低摩擦係数で耐摩耗性に優れ、剛性があるとともに曲げに対しても弾力性を有しており、簡単に破損してしまうことのない樹脂がよいということからすると、ポリアミド樹脂なかでもナイロン46が好ましいといえる。
また、これらの樹脂中に、綿糸、ポリアミド繊維やアラミド繊維等の化学繊維、ガラス繊維、金属繊維、カーボン繊維等からなる織布、フィラー、ウィスカ、シリカ、炭酸カルシウムなどの無機材料等を混入した強化樹脂からなる。
本発明では前述のようにブロックを形成する樹脂材中に繊維状の補強材やウィスカ状の補強材を配合することは可能であり、繊維状の補強材は15〜40重量%の範囲で配合する。15重量%未満であると補強効果が少なくブロックの耐摩耗性が十分でないなどの問題があり、40重量%を超えると樹脂への配合が困難になったり射出成形が困難になったりするなどの問題があるので好ましくない。
合成樹脂に配合する繊維状補強材としては、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維などを挙げることができる。その中でも前記のブロックを構成する樹脂で好ましい例であるナイロン46と炭素繊維を組み合わせて用いることによって炭素繊維がナイロン46の吸水性の欠点を改善し、剛性を大幅に向上させることができて、且つナイロン46の有する耐摩耗性、耐衝撃性、耐疲労性を生かすことができるものである。前記繊維状補強材として上記の有機繊維のほかにも酸化亜鉛ウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカなどの無機繊維を配合してもよい。
また、他にも二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素系樹脂から選ばれてなる少なくとも一つを混入することによってもブロック2の潤滑性を向上させることができる。フッ素系樹脂としては、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、ポリフッ化エチレンプロピレンエーテル(PFPE)、4フッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合体(PFEP)、ポリフッ化アルコキシエチレン(PFA)等が挙げられる。
また、ベルトの走行に伴って、凸部8と凹部9との間で嵌めたり抜いたりする動きが繰り返されるが、そのときに凸部8および凹部9との間の摩擦で摩耗が発生してしまい、両者の間でガタツキが生じると、徐々に斜行するようになり、凹凸嵌合により斜行を防止する効果が低下してくる。そこで、凸部8の摩擦係数を0.2以下とすることで、隣り合うブロック2の凹部9との間との抜き差しの動作を繰り返しても、凸部8および凹部9の摩耗を少なく抑えることができ、斜行の発生を防止する効果を永く維持することができる。しかし、ブロック2の側面であるプーリと接する面は、ベルトとプーリとの間でトルクを伝達する必要があるために、ある程度の摩擦係数を要する。そこで、凸部8の部分を他の部分と異なる樹脂組成物で形成することになる。そのために、ブロック2を製造する際に凸部以外のところを最初の樹脂組成物で成形してから、次に凸部8を別の樹脂組成物で成形するといった2色成形での成形を行うなどすることで、凸部8の部分だけが摩擦係数の低いブロック2を得ることができる。
凸部8の部分に用いることができる樹脂組成物の例としては、ポリアミド4・6、ポリアミド6・6などの樹脂に対してカーボン繊維やガラス繊維を20〜40質量%配合し、更にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、高分子ポリエチレン、グラファイト、二硫化モリブデン等の摩擦低減剤を5〜20質量%程度配合したものを用いることができる。このような樹脂組成物を用いることで、凹凸嵌合しているところの摩擦は大幅に少なくすることができる。
センターベルト3a、3bのエラストマー4として使用されるものは、クロロプレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴムなどの単一材またはこれらを適宜ブレンドしたゴムあるいはポリウレタンゴム等が挙げられる。そして、心線5としてはポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、スチールワイヤ等から選ばれたロープが用いられる。また、ベルトの上下面にはカバー帆布6、7を設けてもよい。カバー帆布6、7の素材としてはポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維等を挙げることができる。
自動車やスクータなどの自動二輪車、そして農業機械などの駆動に用いる高負荷を伝達することができるベルトである。
本発明の高負荷伝動ベルトの要部断面斜視図である。 高負荷伝動ベルトの要部側面図である。 ブロックの正面図である。 ブロックに設ける凸部と凹部の形態を示す平面図及び正面図である。 凸部と凹部の形態の別の例を示す平面図及び正面図である。 凸部と凹部の形態の更に別の例を示す平面図及び正面図である。 凸部と凹部の形態の更に別の例を示す平面図及び正面図である。 インサート材を埋設したブロックの例を示す正面図である。 斜行が発生していない状態を示す、ベルトの平面模式図である。 斜行が発生した状態を示す、ベルトの平面模式図である。
符号の説明
1 高負荷伝動ベルト
2 ブロック
2a 側面
2b 側面
3a センターベルト
3b センターベルト
4 エラストマー
5 心線
6 カバー帆布
7 カバー帆布
8 凸部
9 凹部
11 上ビーム部
12 下ビーム部
13 センターピラ
14 嵌合溝
15 嵌合溝
16 上面
17 下面
18 凹条部
19 凹条部
20 凸条部
21 凸条部
31 樹脂材
32 インサート材
S 肉抜き部
T 突起

Claims (6)

  1. エラストマー中に心線を埋設したセンターベルトと、上ビームと下ビームをピラーによって連結しており、ブロックの両側面に上下ビームとピラーによって囲まれたセンターベルトを挿入する溝を有するブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、ブロックの前後面のいずれか一方に凸部を形成すると共に他方の面に凹部を形成して、隣り合うブロック同士で前記凸部と凹部が嵌合するようなしており、この凹凸嵌合によってブロックがセンターベルトに対して傾いて走行する斜行を防止してなることを特徴とする高負荷伝動ベルト。
  2. 隣り合うブロックの前後面に形成する凸部および凹部は、ブロックの幅方向の中心線とブロック高さ方向においてセンターベルトの心線が位置する高さを結ぶ線とが交わる中心点に対して回転可能に嵌合してなる請求項1記載の高負荷伝動ベルト。
  3. 凸部と凹部との嵌合代は、0.3mm〜1.5mmの範囲である請求項1〜2のいずれかに記載の高負荷伝動ベルト。
  4. 凸部および凹部のブロック上の位置は、ベルト幅方向の中央から少なくとも3mm以上離れた部位に位置している請求項1〜3のいずれかに記載の高負荷伝動ベルト。
  5. 凸部を形成する樹脂は、摩擦係数が0.2以下の樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の高負荷伝動ベルト。
  6. 凸部を形成する樹脂が、ポリアミド樹脂に摩擦低減材を5〜20質量%配合してなる樹脂組成物である請求項5記載の高負荷伝動ベルト。
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