JP2009228215A - 合成床版と主桁の取り合い構造及び取り合い方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】主桁上に設置された鋼骨格の設置高さを調整することができ、且つ主桁の上フランジ端部と鋼骨格の底鋼板の端縁との間の隙間を、鋼骨格の設置後にシール部材によってシールできるようにする。
【解決手段】合成床版の下面を形成し且つハンチ部を有する底鋼板と底鋼板上に固定した補強部材とを有する鋼骨格が主桁の上フランジ上に設置され、上フランジの端部と底鋼板の端縁との間にシール部材を配置する合成床版と主桁の取り合い構造であって、鋼骨格1の設置高さを調整可能に主桁4の上フランジ5上に支持する調整支持手段53と、上フランジ5上に設置した鋼骨格1の底鋼板2の端縁2aが上フランジ5の端部5aに対して上下に重なることなく横方向に離間した隙間50と、上フランジ5の端部5aと底鋼板2の端縁2aとの間の隙間50に押付力を保持して配置されるシール部材64とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は合成床版と主桁の取り合い構造及び取り合い方法に関するものである。
橋梁や高架道路を構成する床版として、スタッド等の合成結合部材が立設された鋼底板の上側に鉄筋を配置して所定厚さのRCコンクリート層を形成することにより、基板部材とコンクリート層が強度合成されて構成される鋼コンクリート合成床版(以下合成床版と称す)が知られている。
又、近年では、道路幅の長支間に対応するために、鋼底板の上面に橋軸と直交する方向(道路幅方向)に延びるT形鋼或いはC形鋼等からなる補強部材を橋軸方向に並べて固定した鋼骨格を用いることが提案されている(特許文献1、2等参照)。
合成床版は、通常、工場において橋軸方向に分割されたユニットパネル状の鋼骨格を製作し、製作した鋼骨格を配設現場に搬送して主桁上に並設配置した後、各鋼骨格を結合手段によって結合すると共に鉄筋を配筋し、底鋼板を型枠として鋼骨格にコンクリートを打設し一体とする工法によって施工される。
そして、合成床版と主桁との結合は、主桁の上フランジに植設されたスタッドジベルが合成床版のコンクリート層に没入することで行うようにしている。
このように、鋼骨格と主桁はコンクリートを打設することで一体化しているため、特許文献1の場合を図12に示すように、底鋼板2と補強部材3で構成される鋼骨格1は、主桁4の上フランジ5の上部位置に、前記底鋼板2を有しない開口部6を有している。そして、前記鋼骨格1を主桁4上に設置する際には、前記開口部6を利用して、上フランジ5上にH形鋼、或いは鋼板を複数積層してなる支持部材7を配置し、該支持部材7上に補強部材3を設置することで該鋼骨格1の荷重を主桁4に支持している。8は合成床版と主桁4とを結合するための上フランジ5上に植設したスタッドジベルである。尚、特許文献1の場合を示す図12では平板状の底鋼板2の端縁2aが、上フランジ5の端部5a上に所要幅でラップするように配置されているが、特許文献2の場合を示す図13では、底鋼板2は補強部材3から徐々に離反して主桁4に向けて下り勾配で傾斜したハンチ部2Hを有しており、該ハンチ部2Hの下端が上フランジ5の上面と平行になるように水平に曲げられてその水平の端縁2aが上フランジ5の端部5a上に所要の幅でラップするようになっている。図13中、9は添接板、10はテンションボルトであり、主桁4の長手方向端部の上フランジ5同士を添接板9で挟み複数のテンションボルト10で締め付けることにより主桁4を長手方向に連結している。
図12、図13に示した鋼骨格1にコンクリートを打設する際は、主桁4の上フランジ5の端部5aと底鋼板2の端縁2aとのラップ部の隙間11からコンクリートが漏出しないようにシールする必要があり、このために従来は、前記ラップ部の隙間11にシール材12を設置することによりシールを行っている。
即ち、従来では、主桁4の上フランジ5の両端部5a上に沿ってスポンジゴム等のシール材12を配置しておき、その後鋼骨格1を主桁4上に設置するが、この時、底鋼板2の端縁2aがシール材12に当接してシール材12を変形させるように設置することでシール材12を潰してシールを行うようにした取り合い構造が一般的に採用されていた。
特開2004−19386号公報 特開2000−297410号公報
しかし、図12、図13に示すような取り合い構造においては、主桁4の上フランジ5の端部5a上にシール材12を設置する作業は、鋼骨格1を主桁4上に設置する前に行う必要があり、よって、作業員は周囲に何もない状態の狭い主桁4上での高所作業を余儀なくされるという問題を有していた。又、高所作業のために効率的な作業ができないと共に、前記シール材12は比較的高価であり、よって、シール材12設置のための施工コストが増加するという問題を有していた。
又、鋼骨格1は仕上がり精度のバラツキを有しており、且つ温度によって曲がり或いは捻じれ等の変形を生じるが、従来の取り合い構造においては、鋼骨格1を主桁4上に設置した後は鋼骨格1の高さ調整を行うことができず、そのために、合成床版の出来上がり精度が低下するという問題を有していた。又、前記したように鋼骨格1の仕上がり精度のバラツキや、温度による変形等によって前記隙間11の間隔が種々変化し、このために底鋼板2の端縁2aがシール材12を圧縮する圧下力にバラツキが生じ、特に隙間11が予定より大きくなった場合には、コンクリート圧によってシール材12が隙間11から押し出されて外れることが考えられ、シール性が著しく低下したり、或いはシールが期待できなくなるといった問題があった。
従って、従来は前記した隙間11の間隔が一定の数値内に収まるように鋼骨格1の製作精度を高めることが行われているが、このために鋼骨格1の製造に時間が掛って製造コストが増加する問題があり、又、このように鋼骨格1の製作精度を高めても前記したような鋼骨格1の温度による曲がり或いは捻じれ等の変形、及び主桁4の仕上がり精度のバラツキには対応できないという問題がある。
更に、前記鋼骨格1は温度の変化によって例えば1日のうちに長さが100mm前後も伸縮する場合がある。従ってこの場合には、シール材12上に設置された底鋼板2の端縁は50mm前後も移動することになり、この底鋼板2の移動によってシール材12の変形や位置ずれ、或いは破損を生じることが考えられ、確実なシールを行わせる上で問題を有していた。
又、従来は、主桁4上に鋼骨格1を設置する作業に先行してシール材12を設置する必要があるために、シール材12を設置してから鋼骨格1を設置し、更にコンクリートを打設するまでには長い日数を要する場合が多く、従ってこの間に雨が降ると、前記シール材12で囲まれた上フランジ5上に雨水がたまり、この雨水は除去できないため、従来は雑巾などに染み込ませる等の方法で除去しているが、非常に手数と時間を要するという問題を有していた。
更に、図13に示したように、主桁4の端部同士は上フランジ5を添接板9で挟んで複数のテンションボルト10により締め付けて連結する構成としているため、従来は、主桁4の連結部の上フランジ5上にも前記シール材12を配置するためのスペースを確保する必要があり、このために添接板9及びテンションボルト10の配置に制限を受けて主桁4の強度設計が不利になるという問題があった。
本発明は、上述した実情に鑑みてなしたもので、主桁上に設置された鋼骨格の設置高さを調整することができ、且つ主桁の上フランジ端部と鋼骨格の底鋼板の端縁との間の隙間を、鋼骨格の設置後にシール部材によってシールできるようにした合成床版と主桁の取り合い構造及び取り合い方法を提供することを目的としている。
本発明は、合成床版の下面を形成し且つハンチ部を有する底鋼板と該底鋼板上に固定した補強部材とを有する鋼骨格が主桁の上フランジ上に設置された合成床版と主桁の取り合い構造であって、
前記鋼骨格の設置高さを調整可能に主桁の上フランジ上に支持する調整支持手段と、
前記上フランジ上に設置した鋼骨格の底鋼板の端縁が上フランジの端部に対して上下に重なることなく横方向に離間した隙間と、
前記上フランジの端部と前記底鋼板の端縁との間の隙間をシールするシール部材と、
を有することを特徴とする合成床版と主桁の取り合い構造、に係るものである。
上記合成床版と主桁の取り合い構造において、調整支持手段が、補強部材に係合可能な係合部と、該係合部に螺合して主桁の上フランジ上面との間隔を調整可能な調整ボルトとを有することは好ましい。
又、上記合成床版と主桁の取り合い構造において、底鋼板のハンチ部が荷重によって変形するのを防止するための荷重受手段を有することは好ましい。
又、上記合成床版と主桁の取り合い構造において、シール部材は、平板部と、該平板部の両幅端部から同方向に折り曲って立ち上がる立ち上がり部と、該立ち上り部の端縁から互いに接近するように折り曲げられた左右の爪部とを有して可撓性材料により概略C字形に形成され、且つ前記左右の爪部の一方には、前記爪部と間隔を隔てて補助爪部を有した咥え部が備えてあり、前記概略C字形のシール部材の内外側を反転させて概略U字形とし、咥え部は底鋼板の端縁に嵌合し、他方の爪部は上フランジの端部上面に当接させて配置することにより、シール部材の曲げに対する復元力により底鋼板の端縁と上フランジの端部とに圧着されるようにしていることは好ましい。
本発明は、合成床版の下面を形成し且つハンチ部を有する底鋼板と該底鋼板上に固定した補強部材とを有する鋼骨格が主桁の上フランジ上に設置された合成床版と主桁の取り合い方法であって、
鋼骨格の下部に調整支持手段を取り付けて鋼骨格を主桁上に設置し、調整支持手段により鋼骨格の高さを調整した後、前記主桁の上フランジの端部と前記底鋼板の端縁との間にシール部材を配置することを特徴とする合成床版と主桁の取り合い方法、に係るものである。
上記合成床版と主桁の取り合い方法において、前記シール部材は、平板部と、該平板部の両幅端部から同方向に折り曲って立ち上がる立ち上がり部と、該立ち上り部の端縁から互いに接近するように折り曲げられた左右の爪部とを有して可撓性材料により概略C字形に形成され、且つ前記左右の爪部の一方には、前記爪部と間隔を隔てて補助爪部を有した咥え部が備えてあり、前記概略C字形のシール部材の内外側を反転させて概略U字形とし、咥え部は底鋼板の端縁に嵌合し、他方の爪部は上フランジの端部上面に当接させて配置することにより、シール部材の曲げに対する復元力により底鋼板の端縁と上フランジの端部とに圧着させてシールすることは好ましい。
本発明の合成床版と主桁の取り合い構造及び取り合い方法によれば、調整支持手段を備えた鋼骨格を主桁の上フランジ上に対して高さ調整可能に支持し、且つ上フランジ上に設置した底鋼板の端縁が上フランジの端部に対して上下に重なることなく横方向に離間した隙間を有し、該隙間に上フランジの端部と底鋼板の端縁とに押付力を保持してシールを行うシール部材を配置したので、主桁上に設置した鋼骨格の高さを調整支持手段で任意に調整することにより、合成床版の出来上がり精度を著しく高めることができる効果を有する。
底鋼板の端縁が上フランジの端部に対して上下に重なることなく横方向に離間する隙間を設けて該隙間にシール部材を配置したので、従来のようにシール材を潰すことでシールするものとは異なり、主桁上に鋼骨格を設置した後にシール部材を設置できるため、作業者は上フランジ上及び底鋼板上において安全にシール部材の設置作業を行える効果を有する。
シール部材は、底鋼板の端縁に嵌合可能な咥え部を有する概略C字形を有しており、概略C字形のシール部材の内外側を反転させて概略U字形とし、概略U字形としたシール部材の咥え部は底鋼板の端縁に嵌合し、他方の爪部は上フランジの端部上面に当接させて配置するようにしたので、シール部材は曲げに対する復元力によって上フランジの端部上面と底鋼板の端縁とに押し付けられ、この押付力によって隙間を確実にシールできるという効果を有する。
シール部材は、押出成形等により安価に製造できる効果を有する。
シール部材は、復元力により上フランジの端部と底鋼板の端縁とを押し拡げる力を有して上フランジの端部と底鋼板の端縁とに係止されるため、シール部材は流体の圧力に対して大きな抵抗力を保持する効果を有する。
シール部材は、底鋼板の端縁が上フランジの端部に対して上下に重なることなく横方向に離間した隙間に内外側を反転させて設置し、曲げに対する復元力により上フランジの端部と底鋼板の端縁とに押し付けてシールするようにしているので、上フランジの端部に対して底鋼板の端縁が上下・左右、及び隙間が増減する方向に変化しても、常に安定したシールを保持できる効果を有する。更に、このようにシール部材は隙間の変化に追随し、底鋼板の端縁の形状精度に影響されることなく常に高いシール効果を発揮できるため、鋼骨格の製作精度を軽減することができ、よって鋼骨格の製造コストを低減できる効果を有する。
シール部材は、主桁上に鋼骨格を設置した後の任意の時期に設置できるので、コンクリートの打設の直前にシール部材を設置することにより、シール部材の設置前に雨が降っても上フランジ上に雨水が溜まる問題を防止できる効果を有する。又、シール部材の設置直後に雨が降った場合にも、シール部材に孔を開けて雨水を排出し、その後、孔をコーキング等で塞ぐことでシール効果を保持できる効果を有する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明における合成床版と主桁の取り合い構造の一例を示す正面図、図2は図1の平面図であり、主桁4の上フランジ5上に設置して合成床版を形成するための鋼骨格1は、合成床版の下面を形成する底鋼板2と該底鋼板2上に固定したC形鋼からなる補強部材3とを有しており、更に前記底鋼板2には、補強部材3の下面から徐々に離反して主桁4に向けて下り勾配で傾斜したハンチ部2Hを有している。
そして、鋼骨格1は、主桁4の上フランジ5上に設置した際に、前記底鋼板2のハンチ部2Hの端縁2aが上フランジ5の端部5aに対して上下に重なることなく横方向に離間した隙間50を形成するようにしている。
又、前記鋼骨格1には、底鋼板2のハンチ部2Hの端縁2a上面とC形鋼からなる補強部材3のウェブ3aの背面との間に、L字型の補強板51を溶接により固定して、前記ハンチ部2Hがコンクリートの打設による荷重によって変形するのを防止するための荷重受手段52を備えている。
又、鋼骨格1には、該鋼骨格1を上フランジ5上に設置する際に、主桁4の上フランジ5上に当接して鋼骨格1の設置高さを調節できるようにした調整支持手段53を、補強部材3に対して取り付け可能に備えている。
図3、図4は調整支持手段53の一例を示すもので、この調整支持手段53は、図5に示すように形成した板部材54を凹形に曲げた凹状部55と、該凹状部55の両上端から互いに離反するよう外側に曲げられた鍔部56,57と、夫々の鍔部56,57の同側の一端に直角に立ち上がるように曲げられた係止部58と、夫々の鍔部56,57の同側の他端に直角よりも小さい鋭角になるように上側に曲げられた掴み部59とを有して前記補強部材3の下フランジ3bに係合可能な係合部60を備えている。更に、係合部60における凹状部55の底面には、該底面に貫通形成したネジ孔61に螺合し下端に頭部62を備えた調整ボルト63を備えている。図4の形態では2本の調整ボルト63を備えた場合を例示しているが、調整ボルトを備える数は任意であり、1本の調整ボルトを備えるようにしても良い。上記した係合部60は、図5に示したように形成された板部材54を破線位置で折り曲げ加工することで製造でき、簡単な構成であるため安価に製造できる。
前記調整支持手段53は、図6に示すように掴み部59をC形鋼からなる補強部材3の下フランジ3bに嵌合させて調整支持手段53を矢印で示すように時計方向に回転させると、係止部58が補強部材3のウェブ3aの背面に当接し、調整支持手段53は補強部材3に吊り下げられた状態で容易に取り付けられる。
更に、前記底鋼板2の端縁2aと上フランジ5の端部5aとの隙間50には、該隙間50をシールするための図7に示すシール部材64を備えている。シール部材64は、図7に示す如く、平板部65と、該平板部65の両幅端部から同方向に折れ曲って立ち上がる立ち上がり部66,67と、該立ち上り部66,67の端縁(図7では上縁)から互いに接近する方向に折れ曲がり且つ内側(図7では下側)へ湾曲した左右の爪部68,69とを有して概略C字形に形成されている。このシール部材64は、ゴム系又は樹脂系の可撓性材料によって形成することができ、従ってシール部材64は押出成形等により安価に製造することができる。
更に、前記左右における一方の爪部68の内側には、該爪部68と間隔を隔てて立ち上がり部66から前記爪部68の中間位置に向かって接近する斜めの補助爪部70を設けることにより、前記底鋼板2の端縁2aに緊密に嵌合するようにした咥え部71を備えている。又、前記シール部材64の平板部65の両幅端部と立ち上がり部66,67の内側隅部にはノッチ72が形成してあり、又、前記爪部68,69の内面及び補助爪部70の前記爪部68に対向する面には突条73が形成されている。
上記したシール部材64は、図8に示すように爪部68,69が内側になるように巻取った状態で保管・運搬等を行うことができ、これによりシールに重要な爪部68,69を保護することができる。
した隙間50を形成するようにしている。
又、図1、図2では、ハンチ部2Hの端縁2a上面と補強部材3のウェブ3a背面との間に補強板51を固定した荷重受手段52の場合を示したが、これに代えて、図10、図11に示すように、上フランジ5上に植設されたスタッドジベル8に対して一端がボルト74により固定され、他端が前記ハンチ部2Hの端縁2a上面にボルト75により固定されるようにした補強板76を備えるようにした荷重受手段52を用いても良い。この場合の補強板76は、前記隙間50に対する前記シール部材64の設置の邪魔にならないように隙間50の上部を切り欠いた切欠部77を形成している。又、このようにハンチ部2Hの端縁2aの荷重を上フランジ5に支持させる構成は、図10、図11の形状に限定されることなく、種々の形状とすることができる。
次に、上記形態の作動を説明する。
工場等において、合成床版の下面を形成する底鋼板2の上側にC形鋼からなる補強部材3を固定することにより鋼骨格1を形成、更に、底鋼板2のハンチ部2Hの端縁2a上面と補強部材3のウェブ3a背面との間にL字型の補強板51を溶接固定して荷重受手段52を備える。
このようにして製作した鋼骨格1は配設現場に搬送して吊上げるが、この時、鋼骨格1が主桁4の上フランジ5上に設置される際に補強部材3が上フランジ5に対応する位置(ハンチ部2Hを有しない開口部位置)に、図3、図4に示した調整支持手段53を図6のように掴み部59を下フランジ3bに引き掛けるようにして補強部材3に取り付けておく。この状態で鋼骨格1を吊り上げて前記上フランジ5上に吊り降ろすと、鋼骨格1は調整支持手段53の調整ボルト63の下端が上フランジ5の上面に当接して上フランジ5上に支持され、この時、底鋼板2のハンチ部2Hの端縁2aは、上フランジ5の端部5aに対して上下に重なることなく横方向に離間した隙間50を形成する。
この状態で前記調整支持手段53の調整ボルト63の頭部62にスパナ等を嵌合させて調整ボルト63を回すことにより、鋼骨格1の高さ位置を調整することできる。このように鋼骨格1を主桁4上に設置した後に鋼骨格1の高さ位置を調整できるので、合成床版の出来上がり精度を著しく高めることができる。
続いて、図10、図11に示すように、隙間50にシール部材64を設置する。シール部材64は図7に破線矢印で示すように左右の爪部68,69を離反させる方向に平板部65を曲げることにより概略C字形のシール部材64の内外側を反転させて概略U字形とする。この時、平板部65の両幅端部と立ち上がり部66,67との内側隅部にノッチ72が形成してあるので、シール部材64の内外側を反転させて概略U字形とした際に、平板部65は均等な曲げ力を受けて円に近い形状に曲げられるようになる。
上記したように概略U字形としたシール部材64の咥え部71は、図9に示すように底鋼板2の端縁2aに嵌合させ、他方の爪部69は主桁4の上フランジ5の端部5a上に当接させると共に立ち上がり部67を上フランジ5の端部5aの側面5a'に当接させ、このようにして上側からの流体の圧力Pの作用に対して概略U字形を保持するように配置する。上記シール部材64の設置は、コンクリートを打設する作業の直前に行うことか好ましい。
前記シール部材64は、主桁4上に鋼骨格1を設置した後に、底鋼板2の端縁2aと上フランジ5の端部5aとの間に設置するようにしているため、作業者は上フランジ5上及び底鋼板2上の安全な作業環境においてシール部材64を設置するこができ、よってシール部材64を能率的に設置することができる。
又、図1、図2に示したようにハンチ部2Hの端縁2a上面と補強部材3のウェブ3aの背面との間を補強板51で固定した荷重受手段52を設けた構成に代えて、図10、図11に示すように、上フランジ5上に植設されたスタッドジベル8と前記ハンチ部2Hの端縁2a上面との間に補強板76をボルト74,75で固定するようにした荷重受手段52を設ける場合は、主桁4上に対して鋼骨格1を設置した後に取り付けるようにする。
図9のように隙間50に設置したシール部材64は、概略U字形に反転されたことによって本来の概略C字形に戻ろうとする復元力を内在しているが、一端に備えた咥え部71が底鋼板2の端縁2aに嵌合して固定されているため、他端の爪部69を上フランジ5の端部5aの上面に強く押付ける力Fが発生し、これによってシール部材64は常に大きな密着力で底鋼板2の端縁2aと上フランジ5の端部5aとに圧着され、よって、隙間50を確実にシールするようになる。前記爪部69及び咥え部71のシール面には突条73が形成してあるので、シール性を更に高めることができる。
又、前記したようにシール部材64は復元力を有しているため、鋼骨格1の設計誤差や温度による変形等によって、図9に二点鎖線で示すように上フランジ5の端部5aに対して底鋼板2の端縁2aの位置が上下にずれたり、或いは近接・離反して隙間50の距離が変化しても、シール部材64は常に良好なシール性を保持することができる。
更に、前記したようにシール部材64は、底鋼板2の端縁2aと上フランジ5の端部5aとの間を押し拡げる方向の復元力を有して咥え部71と爪部69とにより底鋼板2の端縁2aと上フランジ5の端部5aとに係止されているため、シール部材64はコンクリートによる流体の圧力Pに対して大きな抵抗力を保持することができ、抜け落ちるような問題を生じることはない。
シール部材64は、底鋼板2の端縁2aが上フランジ5の端部5aに対して上下に重なることなく横方向に離間した隙間50に内外側を反転させて設置し、曲げに対する復元力により上フランジ5の端部5aと底鋼板2の端縁2aとに押し付けてシールするようにしているので、上フランジ5の端部5aに対して底鋼板2の端縁2aが上下・左右、及び隙間が増減する方向に変化しても、シール部材64の復元力による押付力によって常に安定したシールを保持できる効果を有する。更に、このようにシール部材64は隙間50の変化に追随し、底鋼板2の端縁2aの形状精度に影響されることなく常に高いシール効果を発揮できるため、鋼骨格1の製作精度を軽減することができ、よって鋼骨格1の製造コストを低減することができる。
シール部材64は、主桁4上に鋼骨格1を設置した後の任意の時期に設置できるので、コンクリートの打設の直前にシール部材64を設置することにより、シール部材64の設置前に雨が降っても上フランジ5上に雨水が溜まる問題を防止できる。又、シール部材64の設置直後に雨が降った場合には、シール部材64に孔を開けて雨水を排出し、その後、孔をコーキング等で塞ぐことでシール効果を保持できる。
上記したように、シール部材64を設置した後は、鋼骨格1にコンクリートを打設して合成床版を形成する。上記コンクリートの打設時には、前記ハンチ部2Hにコンクリートの荷重が作用することになるが、前記補強板51或いは補強板76からなる荷重受手段52を備えているので、ハンチ部2Hがコンクリートの荷重によって変形するようなことはない。
なお、本発明の合成床版と主桁の取り合い構造及び取り合い方法は、上述した実施の形態のみに特に限定されるものではなく、シール部材には図示した形態以外のものも採用し得ること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の合成床版と主桁の取り合い構造は、高架道路や橋梁などの様々な構築物に適用することができる。
本発明における合成床版と主桁の取り合い構造の一例を示す正面図である。 図1の平面図である。 調整支持手段の正面図である。 図3のIV−IV矢視図である。 調整支持手段を構成する板部材の平面図である。 調整支持手段を補強部材に取り付ける状態を示す側面図である。 シール部材の断面形状の一例を示す正面斜視図である。 図7のシール部材を巻き取って保管・運搬等を行う状態を示す斜視図である。 図7のシール部材を隙間に適用した状態の作用を示す正面図である。 図7のシール部材を隙間に設置して合成床版を形成する状態を示す正面図である。 図10の平面図である。 従来の鋼コンクリート合成床版におけるシール構造の一例を示す正面図である。 従来の鋼コンクリート合成床版におけるシール構造の他の例を示す正面図である。
符号の説明
1 鋼骨格
2 底鋼板
2H ハンチ部
2a 端縁
3 補強部材
4 主桁
5 上フランジ
5a 端部
50 隙間
52 荷重受手段
53 調整支持手段
60 係合部
63 調整ボルト
64 シール部材
65 平板部
66,67 立ち上がり部
68,69 爪部
70 補助爪部
71 咥え部

Claims (6)

  1. 合成床版の下面を形成し且つハンチ部を有する底鋼板と該底鋼板上に固定した補強部材とを有する鋼骨格が主桁の上フランジ上に設置された合成床版と主桁の取り合い構造であって、
    前記鋼骨格の設置高さを調整可能に主桁の上フランジ上に支持する調整支持手段と、
    前記上フランジ上に設置した鋼骨格の底鋼板の端縁が上フランジの端部に対して上下に重なることなく横方向に離間した隙間と、
    前記上フランジの端部と前記底鋼板の端縁との間の隙間をシールするシール部材と、
    を有することを特徴とする合成床版と主桁の取り合い構造。
  2. 調整支持手段は、補強部材に係合可能な係合部と、該係合部に螺合して主桁の上フランジ上面との間隔を調整可能な調整ボルトとを有する、請求項1に記載の合成床版と主桁の取り合い構造。
  3. 底鋼板のハンチ部が荷重によって変形するのを防止するための荷重受手段を有する、請求項1、又は2に記載の合成床版と主桁の取り合い構造。
  4. 前記シール部材は、平板部と、該平板部の両幅端部から同方向に折り曲って立ち上がる立ち上がり部と、該立ち上り部の端縁から互いに接近するように折り曲げられた左右の爪部とを有して可撓性材料により概略C字形に形成され、且つ前記左右の爪部の一方には、前記爪部と間隔を隔てて補助爪部を有した咥え部が備えてあり、前記概略C字形のシール部材の内外側を反転させて概略U字形とし、咥え部は底鋼板の端縁に嵌合し、他方の爪部は上フランジの端部上面に当接させて配置することにより、シール部材の曲げに対する復元力により底鋼板の端縁と上フランジの端部とに圧着されるようにした、請求項1〜3のいずれか1つに記載の合成床版と主桁の取り合い構造。
  5. 合成床版の下面を形成し且つハンチ部を有する底鋼板と該底鋼板上に固定した補強部材とを有する鋼骨格が主桁の上フランジ上に設置された合成床版と主桁の取り合い方法であって、
    鋼骨格の下部に調整支持手段を取り付けて鋼骨格を主桁上に設置し、調整支持手段により鋼骨格の高さを調整した後、前記主桁の上フランジの端部と前記底鋼板の端縁との間にシール部材を配置することを特徴とする合成床版と主桁の取り合い方法。
  6. 前記シール部材は、平板部と、該平板部の両幅端部から同方向に折り曲って立ち上がる立ち上がり部と、該立ち上り部の端縁から互いに接近するように折り曲げられた左右の爪部とを有して可撓性材料により概略C字形に形成され、且つ前記左右の爪部の一方には、前記爪部と間隔を隔てて補助爪部を有した咥え部が備えてあり、前記概略C字形のシール部材の内外側を反転させて概略U字形とし、咥え部は底鋼板の端縁に嵌合し、他方の爪部は上フランジの端部上面に当接させて配置することにより、シール部材の曲げに対する復元力により底鋼板の端縁と上フランジの端部とに圧着させてシールする請求項5に記載の合成床版と主桁の取り合い方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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