JP2009227856A - 高分子化合物、および該化合物を含有する有機電界発光素子 - Google Patents

高分子化合物、および該化合物を含有する有機電界発光素子 Download PDF

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Shinya Aoki
伸也 青木
Yoshiyuki Toya
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Abstract

【課題】有機電界発光素子に好適な高分子化合物、および該化合物を使用した有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】高分子鎖中に芳香族の炭素―炭素連結によって構成される繰り返し単位を少なくとも一つ有する高分子化合物で、該繰り返し単位は1つ以上の芳香族基が連結した単位と該単位に結合した下記の(a)及び/又は(b)の基からなる高分子化合物。(a):α―置換ビニリデン基を有し、該α―置換基は2個の芳香族基で置換されたアミノ基であり(2個の芳香族基は互いに結合して環を形成してもよい)、ビニリデン炭素は2個の2価芳香族基に結合している(2個の2価芳香族基は互いに結合して環を形成してもよい)。(b):3級アミノ基を有し、α―位が2個の芳香族基で置換されたビニル基(2個の芳香族基は互いに結合して環を形成してもよい)および2個の2価芳香族基と結合している(2個の2価芳香族基は互いに結合して環を形成してもよい)。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な高分子化合物、および該化合物を含有する有機電界発光素子に関する。
近年、有機化合物を用いた機能材料の研究開発が盛んに実施されている。最近では、素子の構成材料に有機化合物を用いた有機電界発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子:有機EL素子)の開発が精力的に進められている。
有機電界発光素子は発光性有機化合物を含む薄膜を、陽極と陰極間に挟持した構造を有し、該薄膜に電子および正孔(ホール)を注入して、再結合させることにより励起子(エキシントン)を生成させ、この励起子が失活する際に放出される光を利用して発光する素子である。有機電界発光素子は、数V〜数十V程度の直流の低電圧で発光が可能であり、また、発光性有機化合物の種類を選択することにより、種々の色(例えば、赤色、青色、緑色)の発光が可能である。このような特徴を有する有機電界発光素子は種々の発光素子、表示素子などへの応用が期待されている。
有機電界発光素子では、電極間に発光層単独、またはそれに積層して正孔輸送層や電子輸送層が用いられている。正孔輸送層に用いられる正孔輸送材料、電子輸送層に用いられる電子輸送材料は電荷輸送材料と呼ばれている。電荷輸送性材料としては、中性状態において電子または正孔のいずれか、あるいは両方について電荷受容可能であること、電荷輸送能力が高いこと、成膜しやすいこと等が求められる。また、均一な薄膜として用いられるので、薄膜の膜質がアモルファス状態で安定であることも重要である。
電荷輸送性材料の薄膜作製方法には、低分子化合物を用いて膜厚が1μm以下の薄膜を形成する場合には、真空蒸着法を用いることが一般的であるが、高価な蒸着装置が必要となる上、生産効率が高くなく、基板の大面積化も困難である上、低分子化合物を単独で用いた場合には、薄膜の機械的強度や熱的安定性などが劣る。そのために、最近では、印刷法によるパターニングが可能という特徴から、大画面TVパネルやフレキシブルシートディスプレイに有利な材料として、発光性有機化合物として共役系発光高分子を用いた有機電界発光素子(高分子有機電界発光素子:高分子有機EL素子)の開発が精力的に進められている。
本発明者らも、主鎖にチオフェン誘導体を含有する新規な高分子化合物を開発し、既に提案している(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−316224号公報
高分子有機EL素子は、上記した利点がある反面、低分子化合物を用いた有機EL素子に比べて発光効率が低いという課題がある。高分子有機EL素子の発光効率が低い要因として、高分子化合物の電荷輸送能が低分子化合物に比較して低いことが挙げられる。すなわち、低分子化合物を用いた有機EL素子の場合、電荷輸送層は単一の材料で構成されており、分子間距離が小さいため分子間の電荷の移動が起こりやすいのに対し、高分子化合物の場合には、高純度化が低分子化合物に比べて困難であるために残存不純物が電荷移動のトラップとなる可能性があり、また重合時に構造欠陥が生じるために電荷移動に対して不利に作用することになり、電荷移動が起こりにくくなると考えられる。
また、高分子化合物を用いた有機電界発光素子は、効率および寿命の点でさらなる向上が望まれていた。
本発明の目的は、有機電界発光素子に適した新規な高分子化合物、および該化合物を含有する有機電界発光素子を提供することである。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、特定の構造を有する高分子化合物が高い電荷輸送能を有し、均質な薄膜形成を行うことが可能であり、該化合物を使用することにより高効率および長寿命の有機電界発光素子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の[1]〜[8]を提供するものである。
[1]一般式(1)で表される繰り返し単位を高分子鎖中に少なくとも一つ有する高分子化合物。
Figure 2009227856
[式中、Arは置換または未置換の二価の芳香族基を表す。nは1以上の整数を表し、nが2以上の整数の場合にはArは互いに異なっていてもよい。Yは式(a−1)および/または(a−2)に示される基を示す。式(a―1)中のAr、Arおよび式(a―2)中のAr、Arは互いに同一であっても異なっていてもよい置換または未置換の一価の芳香族基を示す。また、式(a−1)中のAr、Arおよび式(a―2)中のAr、Ar8は互いに結合して環を形成してもよい。式(a―1)中のAr、Arおよび式(a―2)中のAr、Arは互いに同一であっても異なっていてもよい置換または未置換の二価の芳香族基を示す。また、式(a−1)中のAr、Arおよび式(a―2)中のAr、Arは互いに結合して環を形成してもよい。]
Figure 2009227856
Figure 2009227856
[2]一般式(1)において、ArおよびAr〜Arが、芳香族基を構成する芳香環の炭素数が6〜30の二価の炭素環式芳香族基または芳香族基を構成する芳香環の炭素数が2〜30の二価の複素環式芳香族基である[1]記載の高分子化合物。
[3] 一対の電極間に、[1]〜[2]のいずれかに記載の高分子化合物を少なくとも一種含有する層を、少なくとも一層挟持してなる有機電界発光素子。
[4]前記高分子化合物を含有する層が、電荷注入輸送層である[3]記載の有機電界発光素子。
[5]電荷注入輸送層が正孔注入輸送層である[4]記載の有機電界発光素子。
[6]前記高分子化合物を含有する層が、発光層である[3]記載の有機電界発光素子。
[7]一対の電極間に発光層として、該高分子化合物以外の発光機能を有する化合物を含有する層を有する[3]〜[6]のいずれかに記載の有機電界発光素子。
[8]一対の電極間に電子注入輸送層として、該高分子化合物以外の電子注入輸送機能を有する化合物を含有する層を有する[3]〜[7]のいずれかに記載の有機電界発光素子。
本発明により、高い電荷輸送能を有し、均質な薄膜形成を行うことが可能であり、有機電界発光素子に適した高分子化合物、および高効率、長寿命の有機電界発光素子を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の高分子化合物は、一般式(1)で表される繰り返し単位を高分子鎖中に少なくとも一つ有する高分子化合物である。
一般式(1):
Figure 2009227856
[式中、Arは置換または未置換の二価の芳香族基を表す。nは1以上の整数を表し、nが2以上の整数の場合にはArは互いに異なっていてもよい。Yは式(a−1)および/または(a−2)に示される基を示す。式(a―1)中のAr、Arおよび式(a―2)中のAr、Ar8は互いに同一であっても異なっていてもよい置換または未置換の一価の芳香族基を示す。また、式(a−1)中のAr、Arおよび式(a―2)中のAr、Arは互いに結合して環を形成してもよい。式(a―1)中のAr、Arおよび式(a―2)中のAr、Arは互いに同一であっても異なっていてもよい置換または未置換の二価の芳香族基を示す。また、式(a−1)中のAr、Arおよび式(a―2)中のAr、Arは互いに結合して環を形成してもよい。]
Figure 2009227856
Figure 2009227856
一般式(1)において、Arは、置換または未置換の二価の芳香族基を表し、二価の炭素環式芳香族基あるいは二価の複素環式芳香族基が包含される。
炭素環式芳香族基は、芳香族環を構成する原子が全て炭素原子である環式化合物からなる芳香族基である。本発明では炭素環式芳香族基を構成する芳香環を炭素環式芳香族環とする。炭素環式芳香族環は、五員環あるいは六員環から構成される。好ましくは1〜5個の芳香族環が縮合して構成されており、より好ましくは1〜4個の芳香族環が縮合して構成されている。
炭素環式芳香族環を構成する炭素数は6〜60が好ましく、炭素数が6〜30がより好ましい。
このような炭素環式芳香族環の具体的例示として、ペンタレン環、フェナレン環、トリフェニレン環、ペリレン環、インデン環、アズレン環、フェナントレン環、ピレン環、ピセン環などの縮合多環式芳香族環、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ナフタセン環、ペンタセン環などのアセン形芳香族環が挙げられる。
次に、一般式(1)におけるArは多環系であっても良い。具体的には、一般式(2)に示すような、複数の環系が単結合1本ずつで一次元的に連結された多環系である。ここで、mは0〜2の整数である。また、mの好ましい範囲は0または1であり、より好ましい範囲は0である。
Figure 2009227856
一般式(1)において、Arは、二価の芳香族基としては、芳香環がアルキレン基で連結された二価の芳香族基も包含される。アルキレン基は、無置換であっても置換されていてもよい。置換または未置換のアルキレン基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキレン基である。
アルキレン基としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基がより好ましい。
アルキレン基上の置換基としては、アルキル基、芳香族基またはアラルキル基が挙げられる。
アルキレン基上のアルキル基とは、置換または未置換の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基である。具体例としては、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、2−エチルブチル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、n−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−プロピルペンチル基、n−ノニル基、2,2−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチル−4−ヘプチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、1−エチルオクチル基、n−ドデシル基、1−メチルデシル基、n−トリデシル基、1−ヘキシルヘプチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、1−ヘキシルオクチル基、n−ヘキサデシル基、
シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、(1−イソプロピルシクロヘキシル)メチル基、(2−イソプロピルシクロヘキシル)エチル基、シクロペンチル基、2−エチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、ボルネル基、イソボルネル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルナンメチル基、1−ビシクロ〔2.2.2〕オクチル基、1−アダマンチル基、3−ノルアダマンチル基、1−アダマンチルメチル基、シクロブチル基、1−メチルシクロペンチル基、4−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、2,3−ジメチルシクロヘキシ
ル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、3,4−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,4,6−トリメチルシクロヘキシル基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル基、2,6−ジイソプロピルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、3−tert−ブチルシクロヘキシル基、4−フェニルシクロヘキシル基、2−フェニルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、シクロテトラデシル基などを挙げることができる。
アルキレン基上の芳香族基とは、置換または未置換の炭素環式芳香族基または複素環式芳香族基が包含される。置換または未置換の炭素環式芳香族基としては、環を構成する炭素数が6〜30のものが好ましい。置換または未置換の複素環式芳香族基としては、環を構成する炭素数が3〜30のものが好ましい。
芳香族基の具体的例示としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、15−アセナフチレニル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基、インデニル基、アズレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ピレニル基、ペリレニル基などの炭素環式芳香族基、4−キノリル基、2−キノリル基、4−ピリジル基、3−ピリジル基、2−ピリジル基、2−ピリミジル基、4−ピリミジル基、5−ピリミジル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−ピラジニル基、3−フリル基、2−フリル基、2−ベンゾフリル基、4−ジベンゾフラニル基、2−ジベンゾフラニル基、3−チエニル基、2−チエニル基、ジベンゾチオフェン−4−イル基、ジベンゾチオフェン−2−イル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、カルバゾール−3−イル基などの複素環式芳香族基を挙げることができる。
これら炭素環式芳香族基または複素環式芳香族基上の置換基としては、上記の芳香族基の具体的例示と同様ものが挙げられる。
アルキレン基上のアラルキル基とは、置換または未置換の炭素数7〜20のアラルキル基が好ましい。アラルキル基の具体例としては、後述するD'のアラルキル基として示すものを挙げることができる。
置換または未置換のアルキレン基の具体例としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、1,1−シクロプロピレン基、1,2−シクロプロピレン基、1,1−シクロブチレン基、1,1−シクロペンチレン基、1,2−シクロペンチレン基、1,1−シクロへキシレン基、1,2−シクロへキシレン基、1,3−シクロへキシレン基、3−メチル−1,1−シクロへキシレン基、3,3,5−トリメチル−1,1−シクロへキシレン基、オクタヒドロ−4,7−メタノ−5H−インデン−5,5−イレン基、1,1−シクロへプチレン基、1,1−ジフェニルメチレン基、1,1−ジベンジルメチレン基などを挙げることができる。
一般式(1)において、Arが複素環式芳香族基の場合を説明する。
複素環式芳香族基は、芳香族環を構成する原子が2種またはそれ以上の元素である環式化合物からなる芳香族基である。本発明では複素環式芳香族基を構成する芳香環を複素環式芳香族環とする。2種以上の元素の原子としては炭素原子、酸素原子、リン原子、硫黄原子、窒素原子などが挙げられる。好ましくは2〜5種の元素の原子で構成されており、より好ましくは2〜4種の元素の原子で構成されている。なお、炭素原子以外の原子をヘテロ原子と記載する。
複素環式芳香族環は、五員環あるいは六員環から構成される。好ましくは1〜4個の芳香族環が縮合して構成されており、より好ましくは1〜3個の芳香族環が縮合して構成されている。
複素環式芳香族環に含有される炭素数は2〜60が好ましく、炭素数が2〜30がより好ましい。
さらに好ましい複素環式芳香族環の具体的例示として記載する。
まず、一般式(3)に示すヘテロ原子1個を含む五員環が挙げられる。一般式(3)において、Z=Oのフラン環、Z=Sのチオフェン環、Z=NHのピロール環が挙げられる。これらの中で好ましくはチオフェン環、フラン環であり、より好ましくはチオフェン環である。
Figure 2009227856
また、一般式(3)にベンゼン環が縮合した一般式(4)が挙げられる。一般式(4)において、Z=NHのインドール環、Z=Oのベンゾフラン環、Z=Sのベンゾチオフェン環が挙げられる。これらの中で好ましくは、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環であり、より好ましくはベンゾチオフェン環である。
Figure 2009227856
また、一般式(3)のZ=Sのチオフェン環に芳香環が縮合した一般式(5)が挙げられる。これらの中で好ましくは、イソチアナフテン環、チエノチアジアゾール環、チエノ[3,2−b]チオフェン環であり、より好ましくはチエノ[3,2−b]チオフェン環である。
Figure 2009227856
次に、一般式(6)に示すヘテロ原子2個を含む五員環が挙げられる。一般式(6)において、Z=Oのオキサゾール環、Z=Sのチアゾール環、Z=NHのイミダゾール環が挙げられる。また、Z=Oのイソオキサゾール環、Z=Sのイソチアゾール環、Z=NHのピラゾール環が挙げられる。これらの中で好ましくはオキサゾール環、チアゾール環であり、より好ましくはチアゾール環である。
Figure 2009227856
また、一般式(6)の五員環にベンゼン環が縮合した一般式(7)が挙げられる。一般式(7)において、Z=Oのベンゾオキサゾール環、Z=Sのベンゾチアゾール環、Z=NHのベンゾイミダゾール環が挙げられる。また、一般式(7)において、Z=Oのベンゾイソオキサゾール環、Z=Sのベンゾイソチアゾール環、Z=NHのベンゾピラゾール環が挙げられる。これらの中で好ましくはベンゾチアゾール環、ベンゾイソチアゾール環であり、より好ましくはベンゾチアゾール環である。
Figure 2009227856
ヘテロ原子3個以上含む五員環として、n−トリアゾール環、s−トリアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、1,3,5−オキサジアゾール環、1,2,5−オキサジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,5−チアジアゾール環、1,2,5−チアジアゾール環、テトラゾール環が挙げられる。これらの中で好ましいのは、1,3,5−オキサジアゾール環、1,3,5−チアジアゾール環であり、より好ましいのは1,3,5−チアジアゾール環である。
ヘテロ原子1個含有する六員環として、ピリジン環が挙げられる。さらに、ピリジン環にベンゼン環が縮合したキノリン環、イソキノリン環を挙げられる。
次に、ヘテロ原子2個含有する六員環として、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環が挙げられる。また、これらの六員環にベンゼン環が縮合したベンゾ[d]ピリダジン環、ベンゾ[c]ピリダジン環、キナゾリン環、キノキサリン環が挙げられる。
さらに、ヘテロ原子3個含有する六員環として、トリアジン環が挙げられる。
また、一般式(1)における複素環式芳香族基であるArは多環系であっても良い。具体的には、一般式(8)に示すような、複数の環系が単結合1本ずつで一次元的に連結された多環系である。ここで、Zは酸素原子または硫黄原子を表す。また、mは0〜2の整数を表す。これらの中で好ましくは、Zが硫黄原子である。また、mの好ましい範囲は0または1であり、より好ましい範囲は0である。
Figure 2009227856
また、一般式(1)におけるArは一般式(9)で示すような構造であっても良い。具体的例示としては、Z=NHのカルバゾール環、Z=Oのジベンゾフラン環、Z=Sのジベンゾチオフェン環、Z=CHのフルオレン環、Z=COのフルオレノン環、Z=SOのジベンゾチオフェンスルフォン環が挙げられる。Z=NHのインデノカルバゾール環、Z=Oのベンゾビスベンゾフラン環、Z=Sのベンゾビスベンゾチオフェン環、Z=CHのインデノフルオレン環、Z=COのインデノフルオレンジオン環が挙げられる。これらの中で、好ましくはジベンゾチオフェン環、フルオレン環、フルオレノン環、インデノカルバゾール環、ベンゾビスベンゾチオフェン環、インデノフルオレン環であり、より好ましくはジベンゾチオフェン環、フルオレン環、インデノカルバゾール環、ベンゾビスベンゾチオフェン環、インデノフルオレン環である。
Figure 2009227856
また、Arに相当する芳香族基は置換基を有していても良く、具体的にはアリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、一置換アミノ基、二置換アミノ基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、カルボキシアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基、エステル化されていてもよいカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホ基、ホスホリル基、シアノ基などの他、一般式(1'a)〜(3'a):
−(O)L'−D' (1'a)
−O(C=O)−D' (2'a)
−(C=O)O−D' (3'a)
[式中、D'は置換または未置換の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基、置換または未置換の一価の芳香族基、置換または未置換のアラルキル基を示し、L'は0または1を示す]
などが挙げることができる。なお、これらの置換基の置換位置については特に限定されない。
アリール基は一価の芳香族基を表し、具体的例示としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、15−アセナフチレニル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基、インデニル基、アズレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ピレニル基、ペリレニル基などの炭素環式芳香族基、4−キノリル基、2−キノリル基、4−ピリジル基、3−ピリジル基、2−ピリジル基、2−ピリミジル基、4−ピリミジル基、5−ピリミジル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−ピラジニル基、3−フリル基、2−フリル基、2−ベンゾフリル基、4−ジベンゾフラニル基、2−ジベンゾフラニル基、3−チエニル基、2−チエニル基、ジベンゾチオフェン−4−イル基、ジベンゾチオフェン−2−イル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、カルバゾール−3−イル基などの複素環式芳香族基を挙げることができる
アリールオキシ基は、一価の芳香族基がエーテル結合で連結した構造を有しており、芳香族基としては上記で具体的に例示したものを挙げることができる。
アリールチオ基は、一価の芳香族基がチオエーテル結合で連結した構造を有しており、芳香族基としては上記で具体的に例示したものを挙げることができる。
アルキル基としては直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれでもよく、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
アルキルオキシ基としては直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれでもよく、炭素数1〜20のアルキルオキシ基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキルオキシ基がより好ましい。具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれでもよく、炭素数1〜20のアルキルチオ基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキルチオ基がより好ましい。具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基等が挙げられる。
ヒドロキシアルキル基は水酸基がアルキル基に置換した構造を有しており、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基がより好ましい。具体例としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
アルコキシアルキル基はアルコキシル基がアルキル基に置換した構造を有しており、炭素数1〜20のアルコキシアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルコキシアルキル基がより好ましい。具体例としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ブトキシメチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、2−メトキシエチル基等が挙げられる。アルコキシル基のアルキル基上における置換位置には特に限定はなく、アルキル基の中間または末端等、アルキル鎖のいずれの炭素原子上にあってもよい。
一置換アミノ基および二置換アミノ基はアルキル基および/またはアリール基がアミノ基に置換した構造を有している。アルキル基が置換している場合には炭素数1〜20のアルキルアミノ基が好ましく、炭素数1〜10のアルキルアミノ基がより好ましい。アリール基が置換している場合には炭素数1〜40のアリールアミノ基が好ましく、炭素数1〜20のアリールアミノ基がより好ましい。具体例としては、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−(1−ナフチル)アミノ基、N−(2−ナフチル)アミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、9H−カルバゾール−9−イル基等が挙げられる。一置換アミノ基および二置換アミノ基の中では、二置換アミノ基がより好ましい。
ハロゲン化アルキル基はハロゲン原子がアルキル基に置換した構造を有しており、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基が好ましく、炭素数1〜10のハロゲン化アルキルがより好ましい。具体的には、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、2-フルオロエチル基、2-クロロエチル基等が挙げられる。ハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子のいずれでもよいが、フッ素原子または塩素原子が好ましい。ハロゲン原子の数についても特に限定はないが1個以上で、例えばペルフルオロアルキル基の様に全ての水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。
アルコキシカルボニルアルキル基は、炭素数1〜20のアルコキシカルボニルアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルコキシカルボニルアルキル基がより好ましい。具体的には、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、メトキシカルボニルプロピル基等が挙げられる。
カルボキシアルキル基はカルボキシル基がアルキル基に置換した構造を有しており、炭素数1〜20のカルボキシアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のカルボキシアルキル基がより好ましい。具体的には、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。好ましくはフッ素原子または塩素原子である。
一般式(1'a)〜(3'a)におけるD'の置換または未置換の直鎖、分岐または環状のアルキル基としては、炭素数が1〜20のアルキル基が好ましい。これらアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、2−エチルブチル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、n−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−プロピルペンチル基、2,2−ジメチルヘキシル基、2,6−ジメチル−4−ヘキシル基、3,5,5−トリメチルペンチル基、
シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロペンチル基、2−エチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルナンメチル基、
シクロブチル基、1−メチルシクロペンチル基、4−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、3,4−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、
メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−ブトキシメチル基、n−ヘキシルオキシメチル基、(2−エチルブチルオキシ)メチル基、n−オクチルオキシメチル基、n−デシルオキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−n−プロポキシエチル基、2−iso−プロポキシエチル基、2−n−ブトキシエチル基、2−n−ペンチルオキシエチル基、2−n−ヘキシルオキシエチル基、2−(2'−エチルブチルオキシ)エチル基、2−n−ヘプチルオキシエチル基、2−n−オクチルオキシエチル基、2−(2'−エチルヘキシルオキシ)エチル基、2−シクロヘキシルオキシエチル基、2−メトキシプロピル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−n−プロポキシプロピル基、3−iso−プロポキシプロピル基、3−(n−ブトキシ)プロピル基、3−(n−ペンチルオキシ)プロピル基、3−(n−ヘキチルオキシ)プロピル基、3−(2'−エチルブトキシ)プロピル基、3−(n−オクチルオキシ)プロピル基、3−(2'−エチルヘキシルオキシ)プロピル基、3−シクロヘキシルオキシプロピル基、4−メトキシブチル基、4−エトキシブチル基、4−n−プロポキシブチル基、4−iso−プロポキシブチル基、4−n−ブトキシブチル基、4−n−ヘキシルオキシブチル基、4−n−オクチルオキシブチル基、5−メトキシペンチル基、
5−エトキシペンチル基、5−n−エトキシペンチル基、6−エトキシヘキシル基、6−イソプロポキシヘキシル基、6−n−ブトキシヘキシル基、6−n−ヘキシルオキシヘキシル基、4−メトキシシクロヘキシル基、7−エトキシヘプチル基、7−イソプロポキシヘプチル基、8−メトキシオクチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−(2'−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2'−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2'−n−ブトキシエトキシ)エチル基、3−(2'−エトキシエトキシ)プロピル基、2−アリルオキシエチル基、2−(4'−ペンテニルオキシ)エチル基、3−アリルオキシプロピル基、3−(2'−ヘキセニルオキシ)プロピル基、3−(2'−ヘプテニルオキシ)プロピル基、3−(1'−シクロヘキセニルオキシ)プロピル基、4−アリルオキシブチル基、ベンジルオキシメチル基、2−ベンジルオキシエチル基、2−フェネチルオキシエチル基、2−(4'−メチルベンジルオキシ)エチル基、2−(2'−メチルベンジルオキシ)エチル基、2−(4'−フルオロベンジルオキシ)エチル基、2−(4'−クロロベンジルオキシ)エチル基、3−ベンジルオキシプロピル基、3−(4'−メトキシベンジルオキシ)プロピル基、4−ベンジルオキシブチル基、2−(ベンジルオキシメトキシ)エチル基、2−(4'−メチルベンジルオキシメトキシ)エチル基、フェニルオキシメチル基、4−メチルフェニルオキシメチル基、3−メチルフェニルオキシメチル基、2−メチルフェニルオキシメチル基、4−メトキシフェニルオキシメチル基、4−フルオロフェニルオキシメチル基、4−クロロフェニルオキシメチル基、2−クロロフェニルオキシメチル基、2−フェニルオキシエチル基、2−(4'−メチルフェニルオキシ)エチル基、2−(4'−エチルフェニルオキシ)エチル基、2−(4'−メトキシフェニルオキシ)エチル基、2−(4'−クロロフェニルオキシ)エチル基、2−(4'−ブロモフェニルオキシ)エチル基、2−(1'−ナフチルオキシ)エチル基、2−(2'−ナフチルオキシ)エチル基、3−フェニルオキシプロピル基、3−(2'−ナフチルオキシ)プロピル基、4−フェニルオキシブチル基、4−(2'−エチルフェニルオキシ)ブチル基、5−(4'−tert−ブチルフェニルオキシ)ペンチル基、6−(2'−クロロフェニルオキシ)ヘキシル基、8−フェニルオキシオクチル基、2−(2'−フェニルオキシエトキシ)エチル基、3−(2'−フェニルオキシエトキシ)プロピル基、4−(2'−フェニルオキシエトキシ)ブチル基、n−ブチルチオメチル基、n−ヘキシルチオメチル基、2−メチルチオエチル基、2−エチルチオエチル基、2−n−ブチルチオエチル基、2−n−ヘキシルチオエチル基、2−n−オクチルチオエチル基、2−n−デシルチオエチル基、3−メチルチオプロピル基、3−エチルチオプロピル基、3−n−ブチルチオプロピル基、4−エチルチオブチル基、4−n−プロピルチオブチル基、4−n−ブチルチオブチル基、5−エチルチオペンチル基、6−メチルチオヘキシル基、6−エチルチオヘキシル基、6−n−ブチルチオヘキシル基、8−メチルチオオクチル基、2−(2'−メトキシエチルチオ)エチル基、4−(3'−エトキシプロピルチオ)ブチル基、2−(2'−エチルチオエチルチオ)エチル基、2−アリルチオエチル基、2−ベンジルチオエチル基、3−(4'−メチルベンジルチオ)プロピル基、4−ベンジルチオブチル基、2−(2'−ベンジルオキシエチルチオ)エチル基、3−(3'−ベンジルチオプロピルチオ)プロピル基、2−フェニルチオエチル基、2−(4'−メトキシフェニルチオ)エチル基、2−(2'−フェニルオキシエチルチオ)エチル基、3−(2'−フェニルチオエチルチオ)プロピル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基、6−ヒドロキシヘキシル基、5−ヒドロキシヘプチル基、8−ヒドロキシオクチル基、2−ヒドロキシシクロヘキシル基などを挙げることができる。
一般式(1'a)〜(3'a)におけるD'の芳香族基は、一価の芳香族炭化水素基あるいは一価の芳香族複素環基が包含される。これらの基は、置換されていても未置換であってもよい。これらの基が置換または未置換の芳香族炭化水素基の場合、該基の環を構成する炭素数は6〜12が好ましい。一方、これらの基が置換または未置換の芳香族複素環基である場合、該基の環を構成する炭素数は4〜12が好ましい。
D'の芳香族基の具体的例示としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、15−アセナフチレニル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基、インデニル基、アズレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ピレニル基、ペリレニル基などの炭素環式芳香族基、4−キノリル基、2−キノリル基、4−ピリジル基、3−ピリジル基、2−ピリジル基、2−ピリミジル基、4−ピリミジル基、5−ピリミジル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−ピラジニル基、3−フリル基、2−フリル基、2−ベンゾフリル基、4−ジベンゾフラニル基、2−ジベンゾフラニル基、3−チエニル基、2−チエニル基、ジベンゾチオフェン−4−イル基、ジベンゾチオフェン−2−イル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、カルバゾール−3−イル基などの複素環式芳香族基を挙げることができる。
一般式(1'a)〜(3'a)におけるD'の芳香族基上の置換基としては、例えば、スルホ基、カルボキシル基、ホスホリル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子および直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられる。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
また、直鎖、分岐または環状のアルキル基は、置換されていても未置換であってもよい。アルキル基としては、炭素数1〜16のものが好ましく、炭素数1〜8のものがより好ましい。置換または未置換の直鎖、分岐または環状のアルキル基の具体例としては、D'のアルキル基として示したものを挙げることができる。
一般式(1'a)〜(3'a)におけるD'の置換または未置換のアラルキル基としては炭素数7〜20のアラルキル基が好ましい。これらアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α−エチルベンジル基、フェネチル基、α−メチルフェネチル基、β−メチルフェネチル基、α,α−ジメチルベンジル基、α,α−ジメチルフェネチル基、4−メチルフェネチル基、4−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、2−メチルベンジル基、4−エチルベンジル基、2−エチルベンジル基、4−イソプロピルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、2−tert−ブチルベンジル基、4−tert−ペンチルベンジル基、4−シクロヘキシルベンジル基、4−n−オクチルベンジル基、4−tert−オクチルベンジル基、4−アリルベンジル基、4−ベンジルベンジル基、4−フェネチルベンジル基、4−フェニルベンジル基、4−(4'−メチルフェニル)ベンジル基、4−メトキシベンジル基、2−メトキシベンジル基、2−エトキシベンジル基、4−n−ブトキシベンジル基、4−n−ヘプチルオキシベンジル基、4−n−デシルオキシベンジル基、4−n−テトラデシルオキシベンジル基、4−n−ヘプタデシルオキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、4−メトキシメチルベンジル基、4−イソブトキシメチルベンジル基、4−アリルオキシベンジル基、4−ビニルオキシメチルベンジル基、4−ベンジルオキシベンジル基、4−フェネチルオキシベンジル基、4−フェニルオキシベンジル基、3−フェニルオキシベンジル基、4−ヒドロキシベンジル基、3−ヒドロキシベンジル基、2−ヒドロキシベンジル基、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル基、4−フルオロベンジル基、2−フルオロベンジル基、4−クロロベンジル基、3−クロロベンジル基、2−クロロベンジル基、3,4−ジクロロベンジル基、ジフェニルメチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基などを挙げることができる。
一般式(a―1)中のAr、Arおよび式(a―2)中のAr、Ar8は互いに同一であっても異なっていてもよい置換または未置換の一価の芳香族基を示す。一価の芳香族基には一価の炭素環式芳香族基あるいは一価の複素環式芳香族基が包含される。一価の炭素環式芳香族基あるいは一価の複素環式芳香族基の具体的例示は、上記のArの具体的例示を挙げることができる。また、式(a−1)中のAr、Arおよび式(a―2)中のAr、Arは互いに結合して環を形成してもよい。
式(a―1)中のAr、Arおよび式(a―2)中のAr、Arは互いに同一であっても異なっていてもよい置換または未置換の二価の芳香族基を示す。二価の芳香族基には二価の炭素環式芳香族基あるいは二価の複素環式芳香族基が包含される。二価の炭素環式芳香族基あるいは二価の複素環式芳香族基の具体的例示は、上記のArの具体的例示を挙げることができる。また、式(a−1)中のAr、Arおよび式(a―2)中のAr、Arは互いに結合して環を形成してもよい。
また、一般式(1)で表される繰り返し単位を高分子鎖中に少なくとも一つ有する高分子化合物の数平均分子量は、特に限定するものではないが、ポリスチレン換算で、1000〜1000000であり、好ましくは3000〜500000である。より好ましくは、4000〜200000である。
また、一般式(1)で表される繰り返し単位を高分子鎖中に少なくとも一つ有する高分子化合物は、末端官能基を置換または未置換の芳香族炭化水素基、二置換アミノ基、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルキル基を有するアルキルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基などで置換することによる末端処理をされていても構わない。
本発明の一般式(1)で表される高分子化合物の具体例としては、例えば、以下に例示するが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
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次に、本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を高分子鎖中に少なくとも一つ有する高分子化合物の製造方法について説明する。
一般式(1)で表される繰り返し単位を高分子鎖中に少なくとも一つ有する高分子化合物は、例えば、一般式(10):
(HO)B−Ar−B(OH)(10)
(式中、Arは一般式(1)の通り。)
で表される芳香族ホウ素化合物と一般式(11−a)、(11−b):
Figure 2009227856
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(式中、Qはハロゲン原子を示し、Ar〜Arは前記の通り。)
で表されるハロゲン化芳香族化合物を遷移金属触媒の存在下でカップリング反応(Suzukiカップリング)により重合させることにより製造することができる。
Qのハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
本発明の、Ar、Ar〜Arの置換基の少なくとも一つがスルホ基である高分子化合物は、例えば、一般式(1)で表される繰り返し単位を高分子鎖中に少なくとも一つ有する高分子化合物をスルホン化することにより製造することができる。
スルホン化に用いるスルホン化剤としては、硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄、三酸化硫黄錯体、クロロ硫酸、フルオロ硫酸、アミド硫酸などが挙げられ、使用するスルホン化剤の量は特に限定されない。
三酸化硫黄錯体としては、エーテル類、アミン類、スルフィド類などのルイス酸との錯体で、N,N−ジメチルホルムアミド・三酸化硫黄錯体、ジオキサン・三酸化硫黄錯体、ピリジン・三酸化硫黄錯体、トリエチルアミン・三酸化硫黄錯体、トリメチルアミン・三酸化硫黄錯体などが挙げられる。
反応は、無溶媒または溶媒中で行うことができる。反応に用いる溶媒としては、反応に影響しない溶媒であれば特に限定されるものではないが、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタンなどの塩素化有機溶媒;液体二酸化硫黄、二硫化炭素、酢酸、無水酢酸;酢酸エチルなどのエステル類;ジエチルエーテルなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロメタン、ニトロベンゼン、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドンなどを挙げることができる。
反応温度は、−20度〜150度(セルシウス温度を表す。以下、同じ。)の範囲から選択すればよく、反応時間は、数分〜96時間である。また、クロロ硫酸によりスルホニルクロリドを合成し、これを加水分解して得ることもできる。
本発明の高分子化合物の単離方法は特に限定されない。生成物が反応溶媒から析出した場合は、濾取もしくは遠心分離することによって単離が可能であり、反応溶媒に溶解している場合は、減圧下、溶媒を溜去する方法や適当な溶媒を加えて析出させ、濾取もしくは遠心分離する方法が採用可能である。
反応生成物が硫酸塩を形成している場合には、ろ過後、水洗することで過剰のスルホン化剤を除去し、得られた硫酸塩を塩基で中和処理することにより硫酸を除去することができる。塩基としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属などの水酸化物やイオン交換樹脂などを用いることが可能である。
本発明の高分子化合物について、精製を必要とする場合は、常法としてよく知られている方法が採用可能であり、例えば、再結晶法、再沈殿法、カラムクロマトグラフィー法、溶媒による洗浄(スラッジ)、活性炭などを用いた吸着処理、イオン交換樹脂処理、イオン交換膜、透析膜、逆浸透膜、限外濾過膜などを用いた処理方法などを挙げることができる。
次に本発明の有機電界発光素子について説明する。
本発明の有機電界発光素子は、一対の電極間に、本発明のスルホ基含有高分子化合物あるいはその中間体高分子化合物を少なくとも一種含有する層を、少なくとも一層挟持してなるものである。有機電界発光素子は、通常一対の電極間に少なくとも1種の発光成分を含有する発光層を、少なくとも一層挟持してなるものである。発光層に使用する化合物の正孔注入および正孔輸送、電子注入および電子輸送の各機能レベルを考慮し、所望に応じて、正孔注入成分を含有する正孔注入輸送層および/または電子注入成分を含有する電子注入輸送層を設けることもできる。
例えば、発光層に使用する化合物の、正孔注入機能、正孔輸送機能および/または電子注入機能、電子輸送機能が良好な場合には、発光層が正孔注入輸送層および/または電子注入輸送層を兼ねた型の素子構成として、一層型の素子構成とすることができる。また、発光層が、正孔注入機能および/または正孔輸送機能に乏しい場合には、発光層の陽極側に正孔注入輸送層を設けた二層型の素子構成とすることができ、発光層が、電子注入機能および/または電子輸送機能に乏しい場合には、発光層の陰極側に電子注入輸送層を設けた二層型の素子構成とすることができる。さらには、発光層を正孔注入輸送層と電子注入輸送層で挟み込んだ構成の三層型の素子構成とすることも可能である。
また、正孔注入輸送層、電子注入輸送層および発光層のそれぞれの層は、一層構造であっても多層構造であってもよく、正孔注入輸送層および電子注入輸送層は、それぞれの層において、注入機能を有する層と輸送機能を有する層を別々に設けて構成することもできる。
本発明の有機電界発光素子において、本発明の高分子化合物は、電荷注入輸送層および/または発光層の構成成分として使用することが好ましく、電荷注入輸送層としては正孔注入輸送層および電子注入輸送層が挙げられるが、特に正孔注入輸送層であることがより好ましい。
本発明の有機電界発光素子において、本発明の高分子化合物は、単独で使用してもよく、また複数併用してもよい。
本発明の有機電界発光素子の構成としては、特に限定されるものではないが、例えば、(EL−1)陽極2/正孔注入輸送層3/発光層4/電子注入輸送層5/陰極6型素子(図1)、(EL−2)陽極2/正孔注入輸送層3/発光層4/陰極6型素子(図2)、(EL−3)陽極2/発光層4/電子注入輸送層5/陰極6型素子(図3)、(EL−4)陽極2/発光層4/陰極6型素子(図4)、などを挙げることができる。さらには、複数の正孔注入輸送層を積層した形の(EL−5)陽極2/正孔注入輸送層3/第二の正孔注入輸送層3"/発光層4/電子注入輸送層5/陰極6型素子(図5)とすることもできる。また、(EL−4)の型の素子構成としては、発光層4として発光成分を一層形態で一対の電極間に挟持させた型の素子、(EL−6)発光層4として正孔注入輸送成分3a、発光成分4aおよび電子注入成分5aを混合させた一層形態で一対の電極間に挟持させた型の素子(図6)、(EL−7)発光層4として正孔注入輸送成分3aおよび発光成分4aを混合させた一層形態で一対の電極間に挟持させた型の素子(図7)、(EL−8)発光層4として発光成分4aおよび電子注入成分5aを混合させた一層形態で一対の電極間に挟持させた型の素子(図8)のいずれであってもよい。
本発明の有機電界発光素子は、これらの素子構成に限定されるものではなく、それぞれの型の素子において、正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層を複数設けることも可能である。また、それぞれの型の素子において、正孔注入輸送層を発光層との間に、正孔注入輸送成分と発光成分の混合層および/または発光層と電子注入輸送層との間に、発光成分と電子注入輸送成分の混合層を設けることもできる。
好ましい有機電界発光素子の構成は、(EL−1)型素子、(EL−2)型素子、(EL−5)型素子、(EL−6)型素子または(EL−7)型素子であり、より好ましくは、(EL−1)型素子、(EL−2)型素子または(EL−5)型素子である。
以下、本発明の有機電界発光素子の構成要素に関し、詳細に説明する。なお、例として図1に示す(EL−1)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極型素子を取り上げて説明する。
図1において、1は基板、2は陽極、3は正孔注入輸送層、4は発光層、5は電子注入輸送層、6は陰極、7は電源を示す。
本発明の有機電界発光素子は基板1に支持されていることが好ましく、基板としては、特に限定されるものではないが、透明ないし半透明である基板が好ましく、材質としては、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどのガラスおよびポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの透明性高分子が挙げられる。また、半透明プラスチックシート、石英、透明セラミックスあるいはこれらを組み合わせた複合シートからなる基板を使用することもできる。さらに、基板に、例えば、カラーフィルター膜、色変換膜、誘電体反射膜を組み合わせて、発光色をコントロールすることもできる。
陽極2としては、仕事関数の比較的大きい金属、合金または導電性化合物を電極材料として使用することが好ましい。陽極に使用する電極材料としては、例えば、金、白金、銀、銅、コバルト、ニッケル、パラジウム、バナジウム、タングステン、酸化インジウム(In23)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛、ITO(インジウム・チン・オキサイド:Indium Tin Oxide)、ポリチオフェン、ポリピロールなどを挙げることができる。これらの電極材料は単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
陽極は、これらの電極材料を、例えば、蒸着法、スパッタリング法などの方法により、基板の上に形成することができる。また、陽極は一層構造であってもよく、あるいは多層構造であってもよい。陽極のシート電気抵抗は、好ましくは、数百Ω以下、より好ましくは、5〜50Ω程度に設定する。陽極の厚みは使用する電極材料の材質にもよるが、一般に、5〜1000nm程度、より好ましくは、10〜500nm程度に設定する。
正孔注入輸送層3は、陽極からの正孔(ホール)の注入を容易にする機能、および注入された正孔を輸送する機能を有する化合物を含有する層である。
本発明の電界発光素子の正孔注入輸送層は、本発明の高分子化合物および/または他の正孔注入輸送機能を有する化合物(例えば、フタロシアニン誘導体、トリアリールアミン誘導体、トリアリールメタン誘導体、オキサゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールなど)を少なくとも1種使用して形成することができる。正孔注入輸送機能を有する化合物は、単独で使用してもよく、または複数併用してもよい。
本発明の有機電界発光素子は、好ましくは、正孔注入輸送層に本発明の高分子化合物を含有する。本発明の有機電界発光素子において、使用することができる他の正孔注入輸送機能を有する化合物としては、トリアリールアミン誘導体(例えば、4,4'−ビス〔N−フェニル−N−(4"−メチルフェニル)アミノ〕−1,1'−ビフェニル、4,4'−ビス〔N−フェニル−N−(3"−メチルフェニル)アミノ〕−1,1'−ビフェニル、4,4'−ビス〔N−フェニル−N−(3"−メトキシフェニル)アミノ〕−1,1'−ビフェニル、4,4'−ビス〔N−フェニル−N−(1"−ナフチル)アミノ〕−1,1'−ビフェニル、3,3'−ジメチル−4,4'−ビス〔N−フェニル−N−(3"−メチルフェニル)アミノ〕−1,1'−ビフェニル、1,1−ビス〔4'−[N,N−ジ(4"−メチルフェニル)アミノ]フェニル〕シクロヘキサン、9,10−ビス〔N−(4'−メチルフェニル)−N−(4"−n−ブチルフェニル)アミノ〕フェナントレン、3,8−ビス(N,N−ジフェニルアミノ)−6−フェニルフェナントリジン、4−メチル−N,N−ビス〔4",4"'−ビス[N',N'−ジ(4−メチルフェニル)アミノ]ビフェニル−4−イル〕アニリン、N,N'−ビス〔4−(ジフェニルアミノ)フェニル〕−N,N'−ジフェニル−1,3−ジアミノベンゼン、N,N'−ビス〔4−(ジフェニルアミノ)フェニル〕−N,N'−ジフェニル−1,4−ジアミノベンゼン、5,5"−ビス〔4−(ビス[4−メチルフェニル]アミノ)フェニル−2,2':5',2"−ターチオフェン、1,3,5−トリス(ジフェニルアミノ)ベンゼン、4,4',4"−トリス(9H−カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン、4,4',4"−トリス〔N,N−ビス(4"'−tert−ブチルビフェニル−4""−イル)アミノ〕トリフェニルアミン、1,3,5−トリス〔N−(4'−ジフェニルアミノ)ベンゼン〕など)、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体がより好ましい。
本発明の高分子化合物と他の正孔注入輸送機能を有する化合物を併用する場合、正孔注入輸送層中に占めるこれらの高分子化合物の含有量は、好ましくは、0.1質量%以上、より好ましくは、0.5〜99.9質量%、さらに好ましくは3〜97質量%である。
また、本発明の高分子化合物と他の正孔注入輸送機能を有する化合物を併用する場合、本発明の高分子化合物からなる層と他の正孔注入輸送機能を有する化合物からなる層を積層しても良い。
また、正孔注入輸送層において、正孔注入輸送機能を有する化合物と電子受容性化合物を併用しても良い。電子受容性化合物としては、特開平11−283750号公報に記載のTBPAH(トリス(4−ブロモフェニル)アルミニウムヘキサクロロアンチモネート)のほか、FeCl、特開2003−31365号公報に記載のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランなどのホウ素化合物類、などのルイス酸が挙げられる。電子受容性化合物を併用する場合、電子受容性化合物の含有量は、正孔注入輸送層に対して、0.1〜50質量%の範囲であることが好ましい。
発光層4は、正孔および電子の注入機能、それらの輸送機能、正孔と電子の再結合により励起子を生成させる機能を有する化合物を含有する層である。
発光層は、本発明の高分子化合物および/または他の発光機能を有する化合物を少なくとも一種用いて形成することができる。
他の発光機能を有する化合物としては、例えば、アクリドン誘導体、キナクリドン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、多環芳香族化合物〔例えば、ルブレン、アントラセン、テトラセン、ピレン、ペリレン、クリセン、デカサイクレン、コロネン、テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、9,10−ジフェニルアントラセン、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1,4−ビス(9'−エチニルアントセニル)ベンゼン、4,4'−ビス(9"−エチニルアントラセニル)ビフェニル、ジベンゾ[f,f]ジインデノ[1,2,3−cd:1',2',3'−lm]ペリレン誘導体〕、トリアリールアミン誘導体(例えば、正孔注入輸送機能を有する化合物として前述した化合物を挙げることができる)、有機金属錯体〔例えば、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(10−ベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム、2−(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾールの亜鉛塩、4−ヒドロキシアクリジンの亜鉛塩、3−ヒドロキシフラボンの亜鉛塩、5−ヒドロキシフラボンのベリリウム塩、5−ヒドロキシフラボンのアルミニウム塩〕、スチルベン誘導体〔例えば、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン、4,4'−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル、4,4'−ビス[(1,1,2−トリフェニル)エテニル]ビフェニル〕、クマリン誘導体(例えば、クマリン1、クマリン6、クマリン7、クマリン30、クマリン106、クマリン138、クマリン151、クマリン152、クマリン153、クマリン307、クマリン311、クマリン314、クマリン334、クマリン338、クマリン343、クマリン500)、ピラン誘導体(例えば、DCM1、DCM2)、オキサゾン誘導体(例えば、ナイルレッド)、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ピラジン誘導体、ケイ皮酸エステル誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリフェニレンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリビフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリターフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリナフチレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体などを挙げることができる。特に、アクリドン誘導体、キナクリドン誘導体、多環芳香族化合物、トリアリールアミン誘導体、有機金属錯体およびスチルベン誘導体が好ましく、多環芳香族化合物、有機金属錯体がより好ましい。
本発明の有機電界発光素子は、発光層に本発明の高分子化合物を含有していることが好ましい。また、さらに、この一対の電極間には、発光層として、該高分子化合物以外の発光機能を有する化合物を含有する層が含まれてもよい。
本発明の高分子化合物と他の発光機能を有する化合物を併用する場合、発光層中に占めるこれらの高分子化合物の割合は、好ましくは、0.001〜99.999質量%に調節する。
また、発光層は、J.Appl.Phys.,65、3610(1989)、特開平5−214332号公報に記載のように、ホスト化合物とゲスト化合物(ドーパント)から形成することも可能である。
本発明の高分子化合物は、発光層のホスト化合物として使用することもでき、またゲスト化合物として使用することも可能である。本発明の高分子化合物をホスト化合物として発光層を形成する場合、ゲスト化合物としては、例えば、前記の他の発光機能を有する化合物を挙げることができ、中でも多環芳香族化合物は好ましい。
本発明の高分子化合物をホスト化合物として発光層を形成する場合、ホスト化合物に対して、ゲスト化合物は、好ましくは、0.001から40質量%、より好ましくは、0.01〜30質量%、さらに好ましくは0.1〜20質量%使用する。発光層は、本発明の高分子化合物をホスト材料として、他の発光機能を有する化合物を少なくとも1種ゲスト材料として使用して形成することができる。
本発明の有機電界発光素子は、好ましくは、発光層に本発明の高分子化合物をホスト材料として含有する。
本発明の高分子化合物をホスト材料として、他の発光機能を有する化合物と併用する場合、発光層中に占める本発明の高分子化合物は、好ましくは、40.0〜99.9質量%であり、より好ましくは、60.0〜99.9質量%である。
ゲスト材料の使用量は、本発明の高分子化合物に対して0.001〜40質量%、好ましくは、0.01〜30質量%、より好ましくは、0.1〜20質量%である。また、ゲスト材料は、単独で使用してもよく、複数併用してもよい。
本発明の高分子化合物を、ゲスト材料として用いて発光層を形成する場合、ホスト材料としては、多環芳香族化合物、トリアリールアミン誘導体、有機金属錯体およびスチルベン誘導体が好ましく、多環芳香族化合物、有機金属錯体がより好ましい。
本発明の高分子化合物をゲスト材料として使用する場合、該化合物を、好ましくは、0.001〜40質量%、より好ましくは、0.01〜30質量%、さらに好ましくは、0.1〜20質量%使用する。
電子注入輸送層5は、陰極からの電子の注入を容易にする機能および/または注入された電子を輸送する機能を有する化合物を含有する層である。また、さらに、この一対の電極間には、電子注入輸送層として、該高分子化合物以外の電子注入輸送機能を有する化合物を含有する層が含まれてもよい。
電子注入輸送層に使用される電子注入機能を有する化合物としては、例えば、有機金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ペリレン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体などを挙げることができる。また、有機金属錯体としては、例えば、トリス(8−キノリノラート)アルミニウムなどの有機アルミニウム錯体、ビス(10−ベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウムなどの有機ベリリウム錯体、5−ヒドロキシフラボンのベリリウム塩、5−ヒドロキシフラボンのアルミニウム塩などを挙げることができる。好ましくは、有機アルミニウム錯体であり、より好ましくは、無置換または置換された8−キノリノラート配位子を有する有機アルミニウム錯体である。無置換または置換された8−キノリラート配位子を有する有機アルミニウム錯体としては、例えば、一般式(a)〜一般式(c)で表される化合物を挙げることができる。
(G)−Al (a)
(式中、Gは無置換または置換された8−キノリノラート配位子を表す。)
(G)−Al−O−M (b)
(式中、Gは前記の通り、O−Mはフェノラート配位子を表し、Mはフェニル基を有する
炭素数6〜24の炭化水素基を表す。)
(G)−Al−O−Al−(G) (c)
(式中、Gは前記の通り。)
無置換または置換された8−キノリノラート配位子を有する有機アルミニウム錯体の具体例としては、例えば、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(3,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(4,5−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(4,6−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(フェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−メチルフェノラー
ト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3−メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(4−メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,3−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,6−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3,4−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3,5−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,6−ジフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,4,6−トリフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,4,6−トリメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,4,5,6−テトラメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(2−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(3−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(3,5−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−4−エチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−4−エチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−4−メトキシ−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−4−メトキシ−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウムを挙げることができる。
電子注入機能を有する化合物は単独で使用してもよく、また複数併用してもよい。
陰極6としては、比較的仕事関数の小さい金属、合金または導電性化合物を電極材料として使用することが好ましい。陰極に使用する電極材料としては、例えば、リチウム、リチウム−インジウム合金、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、カルシウム、マグネシウム、マグネシウム−銀合金、マグネシム−インジウム合金、インジウム、ルテニウム、チタニウム、マンガン、イットリウム、アルミニウム、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−カルシウム合金、アルミニウム−マグネシウム合金、リチウムフルオライド、グラファイト薄を挙げることができる。これらの電極材料は単独で使用してもよく、
また複数併用してもよい。
陰極はこれらの電極材料を、例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオン蒸着法、イオンプレーティング法、クラスターイオンビーム法により電子注入輸送層の上に形成することができる。
また、陰極は一層構造であってもよく、多層構造であってもよい。陰極のシート電気抵抗は数百Ω以下とするのが好ましい。陰極の厚みは、使用する電極材料にもよるが、通常5〜1000nm、好ましくは、10〜500nmとする。本発明の有機電界発光素子の発光を効率よく取り出すために、陽極または陰極の少なくとも一方の電極は、透明ないし半透明であることが好ましく、一般に、発光光の透過率が70%以上となるように陽極または陰極の材料、厚みを設定することが好ましい。
また、本発明の有機電界発光素子は、正孔注入輸送層、発光層および電子注入輸送層の少なくとも一層中に、一重項酸素クエンチャーを含有していてもよい。一重項酸素クエンチャーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ルブレン、ニッケル錯体、ジフェニルイソベンゾフランが挙げられ、好ましくは、ルブレンである。
なお、本発明の高分子化合物は、電荷注入輸送材料や発光材料として用いることができるだけでなく、有機半導体材料、光学材料、あるいはドーピングにより導電性材料として用いることもできる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、各実施例中の分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算の数平均分子量を測定した。
(GPC分析条件)
装置:ゲル浸透クロマトグラフGPC 101(Shodex社製)
検出器:示差屈折率計
カラム:GPC K−806LX3(8.0mmI.D.×30cm、Shodex社製)
カラム温度:40度
溶媒:クロロホルム
注入量:100μl
流速 :1ml/min
標準物質:単分散ポリスチレン(Shodex社製)
成膜性評価は、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope,AFM)によって表面粗さを観察することで確認した。
(AFM測定条件)
装置:セイコーインスツルメンツ製 走査プローブ顕微鏡 SPI−3800N
分析条件:
測定モード DFM
カンチレバー SI−DF20
測定範囲 5μm×5μm
[実施例1]例示化合物番号[A−1]で表される高分子化合物の製造
窒素雰囲気下にて特開平11−43458に示されるハロゲン化エナミン化合物(式12)7.7g(18.5mmol)、4,4'−ビフェニルジボロン酸4.8g(20.0mmol)を、トルエン180gに溶解させ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム72.6mg(0.063mmol)を加えた。10分間室温にて攪拌したのち、20%テトラエチルアンモニウムヒドライド水溶液を72ml加えて、110℃に昇温して攪拌しながら18時間反応した。その後、ブロモベンゼン5.03g(31.97mmol)をトルエン18mLに溶解させて反応液中に加え、110℃で2時間攪拌した。その後、フェニルボロン酸3.95g(26.76mmol)を反応液中に加え、110℃で2時間攪拌した。50℃に冷却後有機層をメタノール/水(1/1)混合液3.5Lに滴下して1時間攪拌した。沈殿をろ過してメタノールおよびイオン交換水を用いて洗浄し、減圧乾燥した。その後、トルエン600mLに溶解し、シリカゲルカラム(シリカ量200mL)を通して精製した。精製後の溶液をメタノール2.5Lに滴下して1時間攪拌し、沈殿をろ過して減圧乾燥し、目的物を得た。得られた目的物の収量は6.7gであった。
目的物[A−1]のポリスチレン換算の重量平均分子量は、12000であった。
Figure 2009227856
[実施例2]例示化合物番号[A−18]で表される高分子化合物の製造
実施例1で4,4'−ビフェニルジボロン酸の代わりに4,4'−ジボロン酸−1,1'−ビナフチル8.24g(20.0mmol)を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行い、目的物を8.4g得た。
目的物[A−18]のポリスチレン換算の重量平均分子量は、10000であった。
[実施例3]例示化合物番号[B−1]で表される高分子化合物の製造
窒素雰囲気下にて9−オクチルカルバゾール−3,6−ジボロン酸7.3g(20.0mmol)、特開平11−43458に示されるハロゲン化エナミン化合物(式1)7.7g(18.5mmol)を、トルエン200gに溶解させ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム72.6mg(0.063mmol)を加えた。10分間室温にて攪拌したのち、20%テトラエチルアンモニウムヒドライド水溶液を72ml加えて、110℃に昇温して攪拌しながら反応した。その後、実施例1と同様の処理を行い目的物を得た。得られた目的物の収量は6.4gであった。
目的物[B−1]のポリスチレン換算の重量平均分子量は、13000であった。
[実施例4]例示化合物番号[C−6]で表される高分子化合物の製造
ビス(4−ブロモフェニル)−2,2−ジフェニルビニルアミンの製造
ビス(4−ブロモフェニル)アミン51.03g,ジフェニルアセトアルデヒド31.66g,p−トルエンスルホン酸一水和物0.29gおよびトルエン150mLの混合物を窒素雰囲気下にて加熱し,副生した水をトルエンと共沸させ,系外に除去しながら4時間攪拌した。反応終了後,反応混合物を濃縮し,得られた固体にエタノール400mLを加え50℃にて10分間激しく攪拌した。固体を濾別し,トルエン/エタノール混合液より再結晶を行うことで,淡黄色結晶のビス(4−ブロモフェニル)−2,2−ジフェニルビニルアミン(式13)を68.61g得た(収率:89%)。
Figure 2009227856
例示化合物番号[C−6]で表される高分子化合物の製造
窒素雰囲気下にて9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジボロン酸(アルドリッチ(株)製)9.6g(20.0mmol)、ビス(4−ブロモフェニル)−2,2−ジフェニルビニルアミン6.3g(18.5mmol)を、トルエン200gに溶解させ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム72.6mg(0.063mmol)を加えた。10分間室温にて攪拌したのち、20%テトラエチルアンモニウムヒドライド水溶液を72ml加えて、110℃に昇温して攪拌しながら反応した。その後、実施例1と同様の処理を行い目的物を得た。得られた目的物の収量は7.1gであった。
目的物[C−6]のポリスチレン換算の重量平均分子量は、16000であった。
[実施例5]例示化合物番号[D−11]で表される高分子化合物の製造
窒素雰囲気下にて3,3'−ジヘキシル−2,2'−ビチエノ−5,5'−ジボロン酸8.4g(20.0mmol)、実施例4で製造したビス(4−ブロモフェニル)−2,2−ジフェニルビニルアミン6.3g(18.5mmol)を、トルエン200gに溶解させ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム72.6mg(0.063mmol)を加えた。10分間室温にて攪拌したのち、20%テトラエチルアンモニウムヒドライド水溶液を72ml加えて、110℃に昇温して攪拌しながら反応した。その後、実施例1と同様の処理を行い目的物を得た。得られた目的物の収量は8.6gであった。
目的物[D−11]のポリスチレン換算の重量平均分子量は、16000であった。
[実施例6]
パターン形成した厚さ150nmのITO透明電極を有するガラス基板(スパッター成膜品;シート抵抗15Ω)を、中性洗剤、セミコクリーン(フルウチ化学製)、超純水、アセトン、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。次いで、PEDOT/PSS(式14)をスピンコート法により65nmの厚みで成膜し、ホットプレート上で減圧乾燥(200℃、1時間)して、第一の正孔注入輸送層を形成した。次に、実施例1で合成した高分子化合物のトルエン溶液(1.5重量%)をスピンコート法により50nmの厚みで成膜し、ホットプレート上で窒素雰囲気下にて加熱処理を行い(180℃、1時間)、第二の正孔注入輸送層を形成した。
Figure 2009227856
次に、トルエンにて第二の正孔注入輸送層をリンス処理した後に、ポリフルオレン(式15)のキシレン溶液(1.2重量%)をスピンコート法により60nmの厚みで成膜し、ホットプレート上で減圧乾燥(140℃、30分)して、発光層を形成した。次に、ガラス基板を蒸着装置の基板ホルダーに固定し、発光層の上に、フッ化リチウム(LiF)を、モリブデンボートを用いて、蒸着速度0.2nm/秒で、0.5nmの膜厚で製膜した後、アルミニウム(Al)をタングステンボートにより加熱して、蒸着速度2.0nm/secで、膜厚100nmのアルミニウム層を形成して陰極を完成させた。以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。この有機電界発光素子においてITOを陽極、LiF/Alを陰極として、直流電圧を印加してガラス基板を通して発光を観察した。輝度はトプコン輝度計BM−8にて測定した。
Figure 2009227856
作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、乾燥雰囲気下、10mA/cmの定電流密度で連続駆動させた。初期には、5.0V、輝度168cd/cmの青色の発光が確認された。初期輝度500cd/cmから200時間の連続駆動を行ったところ、輝度の低下率は19%であった。結果を表1に示した。
[実施例7]〜[実施例10]
実施例6において、第二の正孔注入輸送層の形成に際して、実施例1で得られた高分子化合物を使用する代わりに、実施例2〜5で得られた高分子化合物を使用した以外は、実施例6に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作製した。さらに、実施例6と同様に該素子に直流電圧を印加し、該素子の特性を測定し、結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例6において、第二の正孔注入輸送層の形成に際して、実施例1で得られた高分子化合物を使用する代わりに、AmericanDyeSource社製高分子化合物ADS259BE(式16)を使用した以外は、実施例6に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作製した。さらに、実施例6と同様に該素子に直流電圧を印加し、該素子の特性を測定し、結果を表1に示した。
Figure 2009227856
[比較例2]
実施例6において、第二の正孔注入輸送層の形成に際して、実施例1で得られた高分子化合物を使用する代わりに、特開2006−316224号公報に記載の式(17)で表される繰り返し単位からなる高分子化合物を使用した以外は、実施例6に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作製した。さらに、実施例6と同様に該素子に直流電圧を印加し、該素子の特性を測定し、結果を表1に示した。
Figure 2009227856
Figure 2009227856
表1から明らかなように、本発明の高分子化合物を正孔注入輸送材料に用いた本発明の有機EL素子は、発光輝度が高く発光効率に優れ、さらに輝度低下率が低く素子寿命の点で優れていた。
本発明の高分子化合物を用いて得られる有機電界発光素子は、パネル型光源、各種の発光素子、表示素子、標識、センサーとして利用することができる。
有機電界発光素子の一例の断面概略図である。 有機電界発光素子の一例の断面概略図である。 有機電界発光素子の一例の断面概略図である。 有機電界発光素子の一例の断面概略図である。 有機電界発光素子の一例の断面概略図である。 有機電界発光素子の一例の断面概略図である。 有機電界発光素子の一例の断面概略図である。 有機電界発光素子の一例の断面概略図である。
符号の説明
1:基板
2:陽極
3:正孔注入輸送層
3":第二の正孔注入輸送層
3a:正孔注入輸送成分
4:発光層
4a:発光成分
5:電子注入輸送層
5a:電子注入輸送成分
6:陰極
7:電源

Claims (8)

  1. 一般式(1)で表される繰り返し単位を高分子鎖中に少なくとも一つ有する高分子化合物。
    Figure 2009227856

    [式中、Arは置換または未置換の二価の芳香族基を表す。nは1以上の整数を表し、nが2以上の整数の場合にはArは互いに異なっていてもよい。Yは式(a−1)および/または(a−2)に示される基を示す。式(a―1)中のAr、Arおよび式(a―2)中のAr、Ar8は互いに同一であっても異なっていてもよい置換または未置換の一価の芳香族基を示す。また、式(a−1)中のAr、Arおよび式(a―2)中のAr、Arは互いに結合して環を形成してもよい。式(a―1)中のAr、Arおよび式(a―2)中のAr、Arは互いに同一であっても異なっていてもよい置換または未置換の二価の芳香族基を示す。また、式(a−1)中のAr、Arおよび式(a―2)中のAr、Arは互いに結合して環を形成してもよい。]

    Figure 2009227856

    Figure 2009227856
  2. 一般式(1)において、ArおよびAr〜Arが、芳香族基を構成する芳香環の炭素数が6〜30の二価の炭素環式芳香族基または芳香族基を構成する芳香環の炭素数が2〜30の二価の複素環式芳香族基である請求項1記載の高分子化合物。
  3. 一対の電極間に、請求項1〜2のいずれかに記載の高分子化合物を少なくとも一種含有する層を、少なくとも一層挟持してなる有機電界発光素子。
  4. 前記高分子化合物を含有する層が、電荷注入輸送層である請求項3記載の有機電界発光素子。
  5. 電荷注入輸送層が正孔注入輸送層である請求項4記載の有機電界発光素子。
  6. 前記高分子化合物を含有する層が、発光層である請求項3記載の有機電界発光素子。
  7. 一対の電極間に発光層として、該高分子化合物以外の発光機能を有する化合物を含有する層を有する請求項3〜6のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  8. 一対の電極間に電子注入輸送層として、該高分子化合物以外の電子注入輸送機能を有する化合物を含有する層を有する請求項3〜7のいずれかに記載の有機電界発光素子。
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