JP2009227831A - メタクリル樹脂板及びその製造方法 - Google Patents

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智裕 水本
Hiroshi Koyama
浩士 小山
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Abstract

【課題】見る角度によって色調が変化するという意匠性により優れたメタクリル樹脂板及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】メタクリル酸メチルを主体とする単量体が重合してなる重合体(A)、発色性複合短繊維(B)、及び着色成分(C)を含有するメタクリル樹脂板であって、メタクリル樹脂板の一方面におけるJIS Z8722に定める反射色のx値及びy値と、その反対面におけるJIS Z8722に定める反射色のx値及びy値とが、下記式(I)を満たすことを特徴とするメタクリル樹脂板。
0.0020≦{(一方面のx値−反対面のx値)+(一方面のy値−反対面のy値)0.5≦0.1000 (I)
【選択図】なし

Description

本発明は、メタクリル樹脂板及びその製造方法に関する。
メタクリル樹脂板は、その透明性、耐候性、硬度の点から、例えば、携帯電話、テレビ、PCモニターのような電子機器の外枠といった部材等に用いられる。かかる部材は、これを用いて作製される完成品の需要を喚起すべく、高い意匠性が要望されている。
一方、かかる部材として、例えば、特開平11−241223号公報(特許文献1)や、特開2006−281522号公報(特許文献2)では、プラスティック製の基材表面に発色性複合短繊維がコーティングされ、見る角度によって色調が変化するという意匠性が付与された発色性構造体が提案されている。
特開平11−241224号公報 特開2006−281522号公報
しかしながら、上記方法により得られる構造体においても、かかる意匠性の点で必ずしも満足のいくものとはいえなかった。
そこで、本発明の目的は、見る角度によって色調が変化するという意匠性により優れたメタクリル樹脂板を提供することにある。
かかる状況の下、本発明者らは鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、メタクリル酸メチルを主体とする単量体が重合してなる重合体(A)、発色性複合短繊維(B)、及び着色成分(C)を含有するメタクリル樹脂板であって、メタクリル樹脂板の一方面におけるJIS Z8722に定める反射色のx値及びy値と、その反対面におけるJIS Z8722に定める反射色のx値及びy値とが、下記式(I)を満たすことを特徴とするメタクリル樹脂板を提供するものである。
0.0020≦{(一方面のx値−反対面のx値)+(一方面のy値−反対面のy値)0.5≦0.1000 (I)
本発明によれば、見る角度によって色調が変化するという意匠性により優れたメタクリル樹脂板を製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のメタクリル樹脂板は、メタクリル酸メチルを主体とする単量体が重合してなる重合体(A)、発色性複合短繊維(B)、及び着色成分(C)を含有する。
上記重合体(A)は、メタクリル酸メチルを主体とする単量体が重合したものである。かかる単量体(以下、単に単量体(D)ということがある。)は、メタクリル酸メチルのみからなるものであってもよいし、メタクリル酸メチルとメタクリル酸メチル以外の他の単量体とからなるものであってもよいが、メタクリル酸メチル以外の他の単量体をも含む場合には、メタクリル酸メチルの含有量は50質量%以上、好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。メタクリル酸メチル以外の他の単量体をも含む場合、それらは1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
メタクリル酸メチル以外の他の単量体としては、メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体であれば、特に制限はなく、一分子内にラジカル重合可能な二重結合を1つ有する単官能単量体であってもよいし、一分子内にラジカル重合可能な二重結合を2つ以上有する多官能単量体であってもよい。
メタクリル酸メチル以外の他の単量体として用いることのできる単官能単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートのような、アクリル酸と脂肪族アルコール、芳香族アルコール又は脂環族アルコールとのエステル;プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートのような、メタクリル酸と脂肪族アルコール、芳香族アルコール又は脂環族アルコールとのエステル;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートのような、アクリル酸とヒドロキシアルコールとのエステル;ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートのような、メタクリル酸とヒドロキシアルコールとのエステル;アクリル酸、メタクリル酸のような不飽和酸;スチレン、α−メチルスチレンのようなスチレン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルのような不飽和ニトリル;無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドのようなマレイン酸誘導体;酢酸ビニルのようなカルボン酸ビニル;等が挙げられる。
メタクリル酸メチル以外の他の単量体として用いることのできる多官能単量体としては、例えば、アリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等が挙げられる。
発色性複合短繊維(B)は、屈折率の異なる2種類の層状重合体が交互に重なり合った多層積層構造を有する短繊維である。このような多層積層構造を有する短繊維を上記重合体(A)に包含させ、メタクリル樹脂板の縦方向及び横方向に良好に分散させることにより、該メタクリル樹脂板は、見る角度によって、様々な色調に見え、優れた意匠性や装飾性を有するものとなる。ここでいう屈折率の異なる2種類の層状重合体としては、屈折率の高い層状の重合体と屈折率の低い層状の重合体を交互に重ねあわせたものであり、これらの屈折率差の大きいものが好ましい。高屈折率の重合体は、通常屈折率が約1.59〜1.63程度のものであり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートの如きポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリスチレン類、ポリフェニレンサルファイド類等が挙げられる。中でも、ポリエステル類が好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。低屈折率の重合体は、通常屈折率が約1.40〜1.53程度のものであり、例えば、ナイロン−6の如きナイロン類、ポリメタクリル酸メチルやフッ素系ポリメタクリル酸メチルの如きポリメタクリル酸エステル類、ポリメチルペンテン類等が挙げられる。中でも、ナイロン類が好ましく、ナイロン−6がより好ましい。かかる層状重合体の厚さは約0.07〜0.1μm程度であり、かかる厚みを制御することにより、紫色、青色、緑色、赤色等の色調を制御することができる。屈折率の異なる2種類の層状重合体の重量割合は、高屈折率の重合体:低屈折率の重合体=90:10〜10:90(重量比)の範囲で適宜選択することができ、好ましくは高屈折率の重合体:低屈折率の重合体=90:10〜80:20(重量比)の範囲であるのがよい。発色性複合短繊維(B)の長さは通常50〜3000μm程度であり、そのガラス転移点は通常40〜150℃程度であり、その溶融温度は通常160〜280℃程度である。発色性複合短繊維(B)の具体例としては、赤色系では、帝人ファイバー株式会社製の「モルフォトーン(登録商標)RM100C1000」、「モルフォトーン(登録商標)RM100C3000」が挙げられ、青色系では、帝人ファイバー株式会社製の「モルフォトーン(登録商標)BM100C150」、「モルフォトーン(登録商標)BM100C300」、「モルフォトーン(登録商標)BM100C600」、「モルフォトーン(登録商標)BM100C1000」、「モルフォトーン(登録商標)BM100C3000」が挙げられ、緑色系では、帝人ファイバー株式会社製の「モルフォトーン(登録商標)GM100C1000」、「モルフォトーン(登録商標)GM100C3000」が挙げられ、紫色系では、「モルフォトーン(登録商標)VM100C75」等が挙げられる。
本発明のメタクリル樹脂板における発色性複合短繊維(B)の重量は、特に制限はないが、好ましくはメタクリル樹脂板100重量部に対して0.01〜2.0重量部であり、より好ましくは0.05〜1.0重量部である。
着色成分(C)としては、メタクリル樹脂板中に均一に分散してこれを着色する従来公知の染料や顔料が挙げられる。例えば、染料としては、アントラキノン系化合物、フタロシアニン系化合物、ペリノン系化合物、ジオキサジン系化合物、ベンゾフラン系化合物、チオフェンモノアゾ系化合物、シアニン系化合物、ジインモニウム系化合物等が挙げられる。アントラキノン系化合物の具体例としては、三菱化学社製の「ダイアレジン(登録商標)ブラックB」、「ダイアレジン(登録商標)ブルーN」、「ダイアレジン(登録商標)レッドK」、住化ケムテックス社製の「スミプラスト(登録商標)ブラックH3B」、「スミプラスト(登録商標)レッドHFG」、「スミプラスト(登録商標)バイオレットRR」、有本化学工業社製の「プラストレッド8320」、ランクセス社製の「マクロレックス(登録商標)レッド5BFG」、「マクロレックス(登録商標)バイオレット3RFG」、「マクロレックス(登録商標)グリーン5BFG」等が挙げられ、フタロシアニン系化合物の具体例としては、大日本インキ化学工業社製の「ファンストゲンブルーRRFG」、BASFジャパン社製の「ヘリオゲングリーンK−8730」等が挙げられ、ペリノン系化合物の具体例としては、三菱化学社製の「ダイアレジン(登録商標)オレンジHS」「ダイアレジン(登録商標)レッドHS」、「ダイアレジン(登録商標)レッドA」、ランクセス社製の「マクロレックス(登録商標)オレンジ3G Gran」、「マクロレックス(登録商標)レッドEG Gran」、住化ケムテックス社製の「スミプラスト(登録商標)レッドH3G」等が挙げられる。中でも、黒色系の着色成分が好ましい。
また、顔料としては、群青、雲母、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、チタンイエロー、架橋ポリスチレン粒子、シリコン粒子等が挙げられる。その具体例としては、第一化成社製の「群青♯1500」、メルクジャパン社製の「イリオジン(登録商標)7219 ウルトラライラック」、「イリオジン(登録商標)153 フラッシュパール」、三菱化学社製の「カーボンブラックMCF88」、山陽色素社製の「ファインコール カーボンブラックN−29」、「ファインコール ブラウンTG834」、ランクセス社製の「バイフェロックス(登録商標)110M」、日本化学工業社製の「AD硫酸バリウム」、根本特殊化学社製の「ルミパールDSN−30」等が挙げられる。中でも、黒色系の着色成分が好ましい。
本発明のメタクリル樹脂板における着色成分(C)の重量は、特に制限はないが、好ましくはメタクリル樹脂板100重量部に対して0.01〜1.0重量部である。
本発明のメタクリル樹脂板は、一方の面においては発色性複合短繊維(B)を視認することができ、その反対の面においては発色性複合短繊維(B)を視認することができないという構成を有する。これは、着色成分(C)が該樹脂板中に均一に分散し、かつ該樹脂板の厚さ方向において、発色性複合短繊維(B)が、これを視認できる面側に偏在しているためである。そして、本発明のメタクリル樹脂板は、発色性複合短繊維(B)を視認できる面側において、該短繊維(B)がメタクリル樹脂板の縦方向及び横方向に良好に分散しているため、見る角度を変えることにより色調も変化して見えるという優れた意匠性を有するものとなる。
本発明のメタクリル樹脂板の一方面におけるJIS Z8722に定める反射色のx値及びy値と、その反対面におけるJIS Z8722に定める反射色のx値及びy値とは、下記式(I)を満たすものとなる。
0.0020≦{(一方面のx値−反対面のx値)+(一方面のy値−反対面のy値)0.5≦0.1000 (I)
本発明のメタクリル樹脂板では、発色性複合短繊維(B)を視認できる面においては、該短繊維(B)に応じた波長の光が吸収される一方、発色性複合短繊維(B)を視認できない面においては、該短繊維(B)による光の吸収はないため、JIS Z8722に定める反射色のx値及びy値はそれぞれの面で相違し、上述した式(I)を満たすものとなる。着色成分(C)として黒色系の着色成分を使用した場合、発色性複合短繊維(B)を視認できる面におけるJIS Z8722に定める反射色のx値は通常0.2400〜0.3600、y値は通常0.2500〜0.3500となり、一方、発色性複合短繊維(B)を視認できない面におけるJIS Z8722に定める反射色のx値は通常0.3000〜0.3200、y値は通常0.3100〜0.3200となる。尚、式(I)で算出される値が高いほど鮮やかに見えるので、式(I)で示す数値範囲内で高い値になるようにするのが好ましい。
次に、本発明のメタクリル樹脂板の製造方法について説明する。本発明のメタクリル樹脂板は、上述したメタクリル酸メチルを主体とする単量体(単量体(D))、発色性複合短繊維(B)、及び着色成分(C)の混合物を注型重合させることにより製造する。かかる混合物中では、発色性複合短繊維(B)が良好に分散するため、この混合物を注型重合させることにより、発色性複合短繊維(B)は上記単量体(D)が重合してなる重合体(A)に包含され、メタクリル樹脂板の縦方向及び横方向に良好に分散することとなり、その結果、見る角度によって色調が変化するという意匠性に優れたメタクリル樹脂板を得ることができる。また、このように上記混合物を注型重合させるため、発色性複合短繊維(B)はそれ自身の重さにより、得られるメタクリル樹脂板の厚さ方向において一方の面側(下側)に偏在することとなる。
また、上述した混合物を注型重合するにあたり、上記単量体(D)として、単量体の一部が重合した部分重合体を用いると、混合物中に発色性複合短繊維(B)が良好に分散されるため好ましい。かかる部分重合体における単量体の重量は、単量体及び重合体の合計100重量部に対して、通常2.5〜7.0重量部、好ましくは2.5〜5.0重量部である。また、かかる部分重合体における重合体の粘度平均分子量は、特に制限はないが、操作性の点から100万以上であるのが好ましい。尚、かかる粘度平均分子量は、下式(1)で求めることができる。
lnM={ln[η]−ln(4.8×10-5)}/0.8 (1)
(式中、Mは粘度平均分子量を表し、[η]はJIS Z8803に準拠してウベローデ粘度計により測定した極限粘度を表す。)
上述した部分重合体を使用する場合、その粘度は通常100〜800cP(センチポアズ)であり、発色性複合短繊維(B)の分散性の観点から、100〜600cP(センチポアズ)が好ましい。尚、上記部分重合体の粘度は、JIS K7117−2に準拠して、E型粘度計により測定することができる。
かくして得られる混合物を注型重合させることにより、所望のメタクリル樹脂板を製造することができる。注型重合は、従来公知の方法により行うことができ、例えば、ガスケットと該ガスケットを介して対向する2枚の平板とからなる鋳型内で重合反応させることにより行うことができる。ガスケットには、軟質塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、クロロプレン樹脂、ネオプレン樹脂、ニトリル樹脂、フッ素樹脂の如き材質のものを使用することができる。また、平板としては、SUS製のものや、ガラス製のものを使用することができる。
前記注型重合は、例えば、混合物にラジカル開始剤を加えた後、前記鋳型内に注入し、次いで該鋳型を加熱することにより行うことができる。ラジカル開始剤としては、例えば、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンテン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2−シアノ−2−プロピラゾホルムアミド、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシ−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4メトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)のようなアゾ化合物;ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドのようなジアシルパーオキサイド系またはジアルキルパーオキサイド系開始剤;t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシアセテート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレートのようなパーオキシエステル系開始剤;t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートのようなパーカーボネイト系開始剤;1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ヘキシルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンのようなパーオキシケタール系開始剤;等が挙げられる。重合開始剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
ラジカル開始剤の使用量は、通常、上記単量体(D)100重量部に対して、0.01〜5重量部程度である。
重合温度は、通常50℃〜90℃であり、重合に要する時間は、通常1〜10時間である。さらに、重合後、重合を完結させる目的で、必要に応じて、90℃〜120℃程度に昇温してもよい。このように発色性複合短繊維(B)の溶融温度よりも低い温度で重合反応を行い、あわせて板状に成形することにより、発色性複合短繊維(B)を融解させることなく、その多層構造を良好に維持したままそれを包含するメタクリル樹脂板を製造することができるため、かかるメタクリル樹脂板は、良好な意匠性を有することができるのである。
かくして、発色性複合短繊維(B)が良好に分散し、見る角度によって色調が変化するという意匠性に優れたメタクリル樹脂板を製造することができる。尚、かかるメタクリル樹脂板は、これに分散している発色性複合短繊維(B)の多層構造を維持しうる温度範囲内において、加熱して他の形状等に成形することができる。また、必要に応じて、離型剤、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤等の各種添加剤を、本発明を損なわない範囲で配合してもよい。
かかるメタクリル樹脂板は、例えば、携帯電話、テレビ、PCモニターのような電子機器の外枠といった部材等に用いることができる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例によって限定されるものではない。
尚、以下の実施例における各種物性の測定方法および評価方法は以下のとおりである。
(1)粘度測定
JIS K7117−2に準拠して、E型粘度計(東京計器株式会社製、VISCONIC EMD)により測定した。
(2)メタクリル樹脂板の外観
目視で観察して、メタクリル樹脂板中における発色性複合短繊維(B)の濃度のムラがなく良好な意匠性を有しているものを○、若干濃度のムラがあるものの良好な意匠性を有している場合は△、濃度にムラがあり意匠性が損なわれているものを×と評価した。
(3)メタクリル樹脂板の一方面及びその反対面における反射色のx値及びy値の測定
JIS Z8722に基づいて、同時測光方式分光式差計(日本電色工業社製の「SQ−2000」)を用いて、メタクリル樹脂板の一方面及びその反対面におけるx値及びy値を求めた。尚、ここでいうx値及びy値は、XYZ表色系の色座標を意味する。
実施例1
メタクリル酸メチル100重量部に、2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.001重量部を加えた後、70℃に加熱して重合させて、粘度平均分子量が150万のポリメタクリル酸メチルを4重量%含むメタクリル酸メチル溶液を得た。次に、この溶液にメタクリル酸メチルを加えて希釈し、粘度平均分子量が150万のポリメタクリル酸メチルを3.2重量%含むメタクリル酸メチル溶液(粘度;200cP)を得た。この溶液99.2重量部、発色性複合短繊維(B)に相当する帝人ファイバー株式会社製の「モルフォトーン(登録商標)BM100C150」0.1重量部、カーボンブラック(山陽色素社製の「ファインコール カーボンブラックN−29」)0.7重量部を混合した後、2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.08重量部、シクロヘキサン−1−メチル−4−エチリデン0.01重量部、2−(2−(ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール0.01重量部を加え、脱気してメタクリル酸メチル系シロップを得た。
次に、塩化ビニル樹脂製ガスケットと、このガスケットにより2mmの間隔を空けて配置された2枚の平面上ガラス板により構成されたセルに、上記メタクリル酸メチル系シロップを注入し、次いで72℃で3時間、120℃で40分加熱し厚さ約2mmのメタクリル樹脂板を得た。このメタクリル樹脂板の評価結果を表1に示す。
実施例2〜3
実施例1で得られた粘度平均分子量が150万のポリメタクリル酸メチルを3.2重量%含むメタクリル酸メチル溶液の使用量を表1記載のとおりに変更し、また、発色性複合短繊維(B)に相当する帝人ファイバー株式会社製の「モルフォトーン(登録商標)BM100C150」の使用量を表1記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。このメタクリル樹脂板の評価結果を表1に示す。
Figure 2009227831
実施例4〜6
実施例1で得られた粘度平均分子量が150万のポリメタクリル酸メチルを3.2重量%含むメタクリル酸メチル溶液の使用量を表2記載のとおりに変更し、また、発色性複合短繊維(B)を帝人ファイバー株式会社製の「モルフォトーン(登録商標)BM100C300」へと変更し、さらにその使用量を表2記載のとおりとした以外は、実施例1と同様の操作を行った。このメタクリル樹脂板の評価結果を表2に示す。
Figure 2009227831
実施例7〜9
実施例1で得られた粘度平均分子量が150万のポリメタクリル酸メチルを3.2重量%含むメタクリル酸メチル溶液の使用量を表3記載のとおりに変更し、また、発色性複合短繊維(B)を帝人ファイバー株式会社製の「モルフォトーン(登録商標)BM100C600」へと変更し、さらにその使用量を表3記載のとおりとした以外は、実施例1と同様の操作を行った。このメタクリル樹脂板の評価結果を表3に示す。
Figure 2009227831
実施例10〜12
実施例1で得られた粘度平均分子量が150万のポリメタクリル酸メチルを3.2重量%含むメタクリル酸メチル溶液の使用量を表4記載のとおりに変更し、また、発色性複合短繊維(B)を帝人ファイバー株式会社製の「モルフォトーン(登録商標)BM100C1000」へと変更し、さらにその使用量を表4記載のとおりとした以外は、実施例1と同様の操作を行った。このメタクリル樹脂板の評価結果を表4に示す。
Figure 2009227831
実施例13〜15
実施例1で得られた粘度平均分子量が150万のポリメタクリル酸メチルを3.2重量%含むメタクリル酸メチル溶液の使用量を表5記載のとおりに変更し、また、発色性複合短繊維(B)を帝人ファイバー株式会社製の「モルフォトーン(登録商標)BM100C3000」へと変更し、さらにその使用量を表5記載のとおりとした以外は、実施例1と同様の操作を行った。このメタクリル樹脂板の評価結果を表5に示す。
Figure 2009227831
実施例16〜18
実施例1で得られた粘度平均分子量が150万のポリメタクリル酸メチルを3.2重量%含むメタクリル酸メチル溶液の使用量を表6記載のとおりに変更し、また、発色性複合短繊維(B)を帝人ファイバー株式会社製の「モルフォトーン(登録商標)VM100C75」へと変更し、さらにその使用量を表6記載のとおりとした以外は、実施例1と同様の操作を行った。このメタクリル樹脂板の評価結果を表6に示す。
Figure 2009227831
実施例19
メタクリル酸メチル100重量部に、2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.08重量部を加えた後、70℃に加熱して重合させて、粘度平均分子量が14万のポリメタクリル酸メチルを14.9重量%含むメタクリル酸メチル溶液(粘度;260cP)を得た。この溶液99.4重量部、発色性複合短繊維(B)に相当する帝人ファイバー株式会社社製の「モルフォトーン(登録商標)RM100C1000」0.5重量部、後述する黒色染料0.1重量部を混合した後、2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.08重量部、シクロヘキサン−1−メチル−4−エチリデン0.01重量部、2−(2−(ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール0.01重量部を加え、脱気してメタクリル酸メチル系シロップを得た。
黒色染料0.1重量部の組成は以下のとおりである。
日本化薬社製の「カヤセット K−R−A2G」0.017重量部、
三菱化学社製の「ダイヤレジン(登録商標) D−B−G」0.044重量部、
ランクセス社製の「マクロレックス(登録商標) M−Y−E2G」0.009重量部、
三菱化学社製の「ダイヤレジン(登録商標) D−B−C」0.017重量部、及び
丸菱油化社製の「M−85」0.013重量部の計0.1重量部。
次に、塩化ビニル樹脂製ガスケットと、このガスケットにより2mmの間隔を空けて配置された2枚の平面上ガラス板により構成されたセルに、上記メタクリル酸メチル系シロップを注入し、次いで72℃で3時間、120℃で40分加熱し厚さ約2mmのメタクリル樹脂板を得た。このメタクリル樹脂板の評価結果を表7に示す。
実施例20
発色性複合短繊維(B)として、帝人ファイバー株式会社製の「モルフォトーン(登録商標)RM100C3000」を用いた以外は、実施例19と同様の操作を行った。得られたメタクリル樹脂板の評価結果を表7に示す。
実施例21
発色性複合短繊維(B)として、帝人ファイバー株式会社製の「モルフォトーン(登録商標)GM100C1000」を用いた以外は、実施例19と同様の操作を行った。得られたメタクリル樹脂板の評価結果を表7に示す。
実施例22
発色性複合短繊維(B)として、帝人ファイバー株式会社製の「モルフォトーン(登録商標)GM100C3000」を用いた以外は、実施例19と同様の操作を行った。得られたメタクリル樹脂板の評価結果を表7に示す。
実施例23
発色性複合短繊維(B)として、帝人ファイバー株式会社製の「モルフォトーン(登録商標)BM100C1000」を用いた以外は、実施例19と同様の操作を行った。得られたメタクリル樹脂板の評価結果を表7に示す。
実施例24
発色性複合短繊維(B)として、帝人ファイバー株式会社製の「モルフォトーン(登録商標)BM100C3000」を用いた以外は、実施例19と同様の操作を行った。得られたメタクリル樹脂板の評価結果を表7に示す。
Figure 2009227831

Claims (4)

  1. メタクリル酸メチルを主体とする単量体が重合してなる重合体(A)、発色性複合短繊維(B)、及び着色成分(C)を含有するメタクリル樹脂板であって、
    メタクリル樹脂板の一方面におけるJIS Z8722に定める反射色のx値及びy値と、その反対面におけるJIS Z8722に定める反射色のx値及びy値とが、下記式(I)を満たすことを特徴とするメタクリル樹脂板。
    0.0020≦{(一方面のx値−反対面のx値)+(一方面のy値−反対面のy値)0.5≦0.1000 (I)
  2. 発色性複合短繊維(B)の重量が、メタクリル樹脂板100重量部に対して0.01〜2.0重量部である請求項1に記載のメタクリル樹脂板。
  3. 着色成分(C)が、黒色系の着色成分である請求項1又は2に記載のメタクリル樹脂板。
  4. メタクリル酸メチルを主体とする単量体、発色性複合短繊維(B)、及び着色成分(C)の混合物を注型重合させる請求項1〜3のいずれかに記載のメタクリル樹脂板の製造方法。
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