JP2009227810A - シクロオレフィンコポリマーおよびフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】光学材料に好適なガラス転移点を有するシクロオレフィンコポリマーおよび生産性、表面性状の良好なフィルムを提供する。
【解決手段】エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィン化合物から選ばれる少なくとも1種の非シクロオレフィンモノマー(A)と、特定構造のノルボルネン系化合物(B)との付加共重合により得られるシクロオレフィンコポリマーであって、数平均分子量が50000〜1000000であり、かつノルボルネン系化合物(B)に由来する繰り返し単位が前記コポリマー中の55〜80モル%であることを特徴とするシクロオレフィンコポリマーおよび該コポリマーを用いてなるフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、シクロオレフィンコポリマーおよび液晶表示装置などに用いられるフィルムに関するものである。
ノルボルネン系化合物は、ナフサをクラッキングしたあとのC4〜C5留分に含まれるシクロペンタジエンとオレフィンから一段階で製造できる化合物であることから、大量製造がみこまれ、工業的な応用が求められていた。近年、このノルボルネンを主鎖に導入した種々の重合体が開発された。これらは、従来のポリオレフィンに比べ、百数十度のガラス転移点(Tg)という高耐熱性をしめすことから、種々の光学材料に用いられている。とくに、エチレンとノルボルネンを付加重合させるシクロオレフィンコポリマーは、耐熱性耐久性が求められる液晶ディスプレイの位相差フィルムに好適に用いられる(例えば、特許文献1参照)。
一方で、エチレンとノルボルネンからなるシクロオレフィンコポリマーは、他材料との密着性が悪いことが指摘される。このため、プラスチックや金属あるいは液晶ディスプレイの偏光板中の偏光子への密着性をもたせるため、このシクロオレフィンコポリマーにエステルなどの極性基を導入する極性基含有シクロオレフィンコポリマーの検討がなされている。しかしながら、Tgが光学材料に必要なレベルに達しないという問題が生じている。これは、主に重合体の分子構造に起因する。
前期遷移金属錯体を触媒に用いる重合では、極性基含有ノルボルネンの導入量は高いが、分子量が高い重合体が得られない。例えば、チタン系の触媒では、5−カルボキシメチル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンの導入量は90モル%あるものの、重合体の質量平均分子量は3万程度である。その結果、ガラス転移点(Tg)は110℃程度にとどまっている(特許文献2の実施例3、4参照)。
後期遷移金属錯体を触媒に用いる重合では、分子量が比較的高いものが得られるが、極性基含有ノルボルネンの導入量は低い。例えば、パラジウム系の触媒では、重合体の質量平均分子量は10万弱まで伸びるが、5−ノルボルネン−2−イルアセテートの導入量は35%程度である(特許文献3の実施例4参照)。後に、この触媒の学術的な検証が行われ、エチレンと重合する場合、極性基含有ノルボルネンの導入率は50%以下であることが示唆されている(非特許文献1参照)。これらの重合体のTgの記載はないが、本発明の比較例から120℃程度が限界となる(本発明の比較例参照)。
一方、メチルアクリレートとノルボルネンとのラジカル重合でも、ノルボルネン含率のコントロールが困難であり、分子量が高くならない。例えば、特許文献4の実施例1では、質量平均分子量が1万未満であり、Tgが110℃程度である。
エチレンを導入しない、すなわち極性基含有ノルボルネン付加重合体は、分子量が十分高いものが得られているが、Tgが250℃を超えるため、成形加工がしにくい。また、フィルムの延伸が困難となる(特許文献5参照)。
したがって、極性基を導入したシクロオレフィンコポリマーは、分子量とノルボルネンユニットの導入率のコントロールが困難で、光学材料に好適な140〜200℃のTgを達成した重合体が得られていない。
特開2007−010863号公報 特許第3719308号公報 特表2002−521534号公報 特開2007−186546号公報 特表2005−521785号公報 オルガノメタリックス2007年26巻210ページ
本発明の目的は、光学材料に好適なガラス転移点を有するシクロオレフィンコポリマーおよび該コポリマーを用いてなる、生産性、表面性状の良好なフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく、鋭意検討した結果、ノルボルネン系化合物ユニットを55〜80モル%、数平均分子量を50000以上とすることで、光学材料に好適な高いTgを有するシクロオレフィンコポリマーが得られることを見出した。さらに、このようなシクロオレフィンコポリマーをフィルムとした場合、そのフィルム生産における重要な因子である剥ぎ取り性が良好で、製膜したフィルムの面状は鮮やかであった。すなわち、液流延製膜に極めて適した素材であることを見出し、本発明に至った。
上記課題を解決するための手段は以下の通りである。
1. エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィン化合物から選ばれる少なくとも1種の非シクロオレフィンモノマー(A)と、下記一般式(1)で表される少なくとも1種のノルボルネン系化合物(B)との付加共重合により得られるシクロオレフィンコポリマーであって、数平均分子量が50000〜1000000であり、かつノルボルネン系化合物(B)に由来する繰り返し単位が前記コポリマー中の55〜80モル%であるシクロオレフィンコポリマー。
Figure 2009227810
(一般式(1)中、R、R、R、Rは、それぞれ独立に水素原子または−L−OC(O)−R’’、−L−C(O)OR’’、−L−OR’’、−L−OC(O)OR’’、−L−C(O)R’’、−L−O−L−O−R’’および−L−CNよりなる群から選ばれる官能性置換基であり、ここでLは単結合または2価の連結基であり、R’’は水素原子または直鎖状または分岐鎖状の炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、RとRはそれらが結合している環員炭素原子と一緒になって無水物またはジカルボキシイミド基を形成することができる。ただし、R〜Rの少なくとも1つは前記官能性置換基である。)
2. 前記一般式(1)において、官能性置換基が−L−OC(O)−R’’または−L−C(O)OR’’である上記1記載のシクロオレフィンコポリマー。
3. 前記Lが単結合または置換もしくは無置換メチレンである上記1または2記載のシクロオレフィンコポリマー。
4. 前記R’’がCHである上記1〜3のいずれかに記載のシクロオレフィンコポリマー。
5. 前記非シクロオレフィンモノマー(A)がエチレンである上記1〜4のいずれかに記載のシクロオレフィンコポリマー。
6. 上記1〜5のいずれかに記載のシクロオレフィンコポリマーからなるフィルム。
本発明によれば、光学材料に好適なガラス転移点を有するシクロオレフィンコポリマーおよび該コポリマーを用いてなる、生産性、表面性状の良好なフィルムを提供することができる。
なお、本発明でいう光学材料に好適なガラス転移点とは、例えば130〜200℃、好ましくは140〜200℃、さらに好ましくは140〜190℃である。
以下、本発明を詳細に説明する。
一般にシクロオレフィンコポリマーとは、エチレンなどの非シクロオレフィンモノマーとノルボルネンなどのシクロオレフィンモノマーを付加共重合させたポリマーのことを意味する。本発明のシクロオレフィンコポリマーは、エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィン化合物から選ばれる少なくとも1種の非シクロオレフィンモノマー(A)と少なくとも1種のノルボルネン系化合物(B)とを付加共重合させて得られる。
以下に(A)、(B)を説明する。
[非シクロオレフィンモノマー(A)]
非シクロオレフィンモノマー(A)は、エチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィン化合物である。ここで炭素数3〜20のα−オレフィン化合物としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンのような炭素原子数3〜20の直鎖状α−オレフィンや、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテンのような炭素原子数4〜20の分岐状α−オレフィンなどが挙げられる。これらの中では、炭素原子数が2のエチレンや、炭素原子数が3又は4の直鎖状α−オレフィンであるプロピレン又は1−ブテンが、本発明のコポリマーをフィルム状に成形した際の柔軟性の点で好ましく、特にエチレンが同様の理由で好ましい。上記のエチレン及びα−オレフィンは、それぞれ単独で用いても、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
[ノルボルネン系化合物(B)]
ノルボルネン系化合物(B)は、以下の一般式(1)で表される。
Figure 2009227810
(一般式(1)中、R、R、R、Rは、それぞれ独立に水素原子または−L−OC(O)−R’’、−L−C(O)OR’’、−L−OR’’、−L−OC(O)OR’’、−L−C(O)R’’、−L−O−L−O−R’’および−L−CNよりなる群から選ばれる官能性置換基であり、ここでLは単結合または2価の連結基であり、R’’は水素原子または直鎖状または分岐鎖状の炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、RとRはそれらが結合している環員炭素原子と一緒になって無水物またはジカルボキシイミド基を形成することができる。ただし、R〜Rの少なくとも1つは前記官能性置換基である。)
ノルボルネン系化合物(B)は、シクロペンタジエンとオレフィンとのディールスアルダー反応で得られる。本発明では、製造原料の観点から、シクロペンタジエンと1置換オレフィンとのディールスアルダー反応生成物、すなわち一般式(1)でR〜Rのうち、3つが水素で残りの一つが前述の官能性置換基であることが好ましい。
官能性置換基は、同様の観点から、汎用の置換オレフィンの官能基に由来することが好ましい。したがって、エステル基、アシル基、水酸基、などがさらに好ましく、エステル基、アシル基が最も好ましい。さらに具体的には、−L−OC(O)−R’’、−L−C(O)OR’’が好ましく、−L−OC(O)−CH、−L−C(O)OCHがさらに好ましく、これらのうちでLが単結合かCHCHかCHであるものがもっとも好ましい。
ノルボルネン系化合物(B)は以下の化合物が具体的にあげられるが、これに限定されない。
Figure 2009227810
これらのノルボルネン系化合物(B)は、それぞれ単独で用いても、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
[シクロオレフィンコポリマー]
本発明のシクロオレフィンコポリマーは、少なくとも1種の非シクロオレフィンモノマー(A)に由来する繰り返し単位と一般式(1)で表される少なくとも1種のノルボルネン系化合物(B)に由来する繰り返し単位とからなる付加共重合体である。ノルボルネン系化合物(B)に由来する繰り返し単位は、55〜80モル%から構成される。55モル%未満であるとTgが120℃未満と低く、80モル%を超えるとTgが200℃超と高すぎる。その好ましいモル分率は、官能性置換基の種類に依存するが、柔軟性と耐熱性を考慮すると、55〜75モル%がさらに好ましく、55〜70モル%が最も好ましい。
本発明では、上記のノルボルネン系化合物(B)の他に、別なノルボルネン系化合物を含んでいてもよい。具体的には、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−ナフチル−2−ノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどあげられるが、これらに限定されない。
シクロオレフィンモノマー(A)は、シクロオレフィンコポリマー中、55〜80モル%を占めるのが好ましく、55〜75モル%がさらに好ましい。
本発明のシクロオレフィンコポリマーにおける共重合形式は、本発明の効果を妨げない範囲であれば、ランダム形式、ブロック形式のいずれでも差し支えない。
本発明のシクロオレフィンコポリマーは、例えば、有機金属錯体を触媒として、共重合することにより、製造できる。有機金属錯体としては、TiやZrのような前期遷移金属錯体、とくにこれらのメタロセン系錯体、NiやPdのような後期遷移金属錯体などがあげられる。さらにこれらに助触媒などを作用させるとよい。
その際、非シクロオレフィンモノマー(A)とノルボルネン系化合物の投入量、重合温度や重合時間などの重合条件を適宜変更することで、共重合組成や分子量等の異なる共重合体を得ることができる。この共重合体は、本発明の効果を阻害しない範囲で、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、抗菌剤、防曇剤、可塑剤などの各種添加剤を含んでいてもよい。
既存の手法で得られたシクロオレフィンコポリマーの官能基を変換する手法をとってもよい。たとえば、エチリデンノルボルネンとエチレンの共重合体を得た後に、残存する二重結合をハイドロボレーション等の官能基変換することができる。また、クロロメチルノルボルネンとエチレンの共重合体を得た後に、酢酸塩と反応させる手法もある。
本発明のシクロオレフィンコポリマーはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、テトラヒドロフラン溶媒、ポリスチレン換算)による分子量の測定による、数平均分子量(Mn)を、通常5万〜100万、好ましくは5万〜50万、さらに好ましくは5万〜20万とし、質量平均分子量(Mw)を、通常10万〜200万、好ましくは10万〜100万、さらに好ましくは5万〜50万とするのが望ましい。また、分子量分布を、通常Mw/Mnが1.05〜10.0、好ましくは、1.1〜7.0、さらに好ましくは、1.1〜5.0とするのが望ましい。ここで、Mnが50000未満であると、得られたシクロオレフィンコポリマーを用いた成形物の強度が著しく低下する場合がある。一方、Mnが100万を超えると、シクロオレフィンコポリマーの溶融粘度あるいは溶液粘度が高くなりすぎて、得られたシクロオレフィンコポリマーの成形品を得ることが困難になる場合がある。
<添加物>
このような本発明で用いられるシクロオレフィンコポリマーには、透明性・耐熱性を損なわない範囲で公知の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム質重合体、有機微粒子、無機微粒子などを配合しても良い。また、シクロオレフィンコポリマーには、酸化防止剤等の添加剤などを添加しても良く、かかる酸化防止剤等の添加剤としては、たとえば次の化合物が挙げられる。
酸化防止剤:
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジエチルフェニルメタン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−(β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]、2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイトが挙げられる。
紫外線吸収剤:
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−ベンゾトリアゾール−2−イル4,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,2’−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]〕などが挙げられる。これらの添加剤の添加量は、シクロオレフィンコポリマー100質量部に対して、通常、0.01〜5質量部、好ましくは0.05〜4質量部である。さらに、加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加することもできる。
[シクロオレフィンコポリマーフィルム]
本発明のシクロオレフィンコポリマーフィルムは、上記シクロオレフィンコポリマーから成り、溶液製膜(溶剤キャスト法)もしくは溶融製膜により製造される。製造されたフィルムは、レターデーションを発現させるため、延伸されることが好ましい。
溶剤キャスト法としては、たとえば、上述した本発明に係るシクロオレフィンコポリマーを溶媒に溶解又は分散させて適度の濃度の液にし、適当なキャリヤー上に注ぐか又は塗布し、これを乾燥した後、キャリヤーから剥離させる方法が挙げられる。
本発明に係るシクロオレフィンコポリマーを溶媒に溶解又は分散させる際には、該樹脂の濃度を、通常は0.1〜90質量%、好ましくは1〜50質量%、さらに好ましくは10〜35質量%にする。該樹脂の濃度を上記未満にすると、フィルムの厚みを確保することが困難になる、また、溶媒蒸発にともなう発泡等によりフィルムの表面平滑性が得にくくなる等の問題が生じる。一方、上記を超えた濃度にすると溶液粘度が高くなりすぎて得られるフィルムの厚みや表面が均一になりにくくなるために好ましくない。
また、室温での上記溶液の粘度は、通常は1〜1,000,000(mPa・s)、好ましくは10〜100,000(mPa・s)、さらに好ましくは100〜100,000(mPa・s)、特に好ましくは1,000〜10,000(mPa・s)である。
ここで使用する溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノール等のセロソルブ系溶媒、ジアセトンアルコール、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、エチルシクロヘキサノン、1,2−ジメチルシクロヘキサン等のケトン系溶媒、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル系溶媒、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン含有溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、1−ペンタノール、1−ブタノール等のアルコール系溶媒を挙げることができる。
また、上記以外でも、SP値(溶解度パラメーター)が通常10〜30(MPa1/2)、好ましくは10〜25(MPa1/2)、さらに好ましくは15〜25(MPa1/2)、特に好ましくは15〜20(MPa1/2)の範囲の溶媒を使用すれば、表面均一性と光学特性の良好なフィルムを得ることができる。
上記溶媒は単独であるいは2種以上併用して使用することができる。溶媒を2種以上併用する場合には、混合物としてのSP値の範囲を上記範囲内とすることが好ましい。このとき、混合物としてのSP値は、その質量比から求めることができ、例えば二種の混合物の場合は、各溶媒の質量分率をW1,W2、また、SP値をSP1,SP2とすると混合溶媒のSP値は下記式:
SP値=W1・SP1+W2・SP2
により計算した値として求めることができる。
上記の混合溶媒を使用する際、本発明に係るシクロオレフィンコポリマーの良溶媒と貧溶媒とを組み合わせると、光拡散機能を有するフィルムを得ることができる。具体的には、樹脂、良溶媒及び貧溶媒のSP値をそれぞれ(SP値:樹脂)、(SP値:良溶媒)及び(SP値:貧溶媒)と規定すると、(SP値:樹脂)と(SP値:良溶媒)の差が好ましくは7以下、さらに好ましくは5以下、特に好ましくは3以下の範囲であり、かつ、(SP値:樹脂)と(SP値:貧溶媒)の差が好ましくは7以上、さらに好ましくは8以上、特に好ましくは9以上であり、(SP値:良溶媒)と(SP値:貧溶媒)の差が好ましくは3以上、さらに好ましくは5以上、さらに好ましくは7以上とすることにより、得られるフィルムに光拡散機能を付与することができる。
なお、貧溶媒の混合溶媒中にしめる割合は、好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、特に好ましくは15質量%以下、最も好ましくは10質量%以下である。また、貧溶媒の沸点と良溶媒の沸点の差は好ましくは1℃以上、さらに好ましくは5℃以上、特に好ましくは10℃以上、最も好ましくは20℃以上であり、特に貧溶媒の沸点が良溶媒の沸点より高いことが好ましい。
樹脂溶液の調製において、シクロオレフィンコポリマーを溶媒で溶解する場合の温度は、室温でも高温でもよい。十分に撹拌することにより均一な溶液が得られる。なお、必要に応じて着色する場合には、溶液に染料、顔料等の着色剤を適宜添加することもできる。
また、フィルムの表面平滑性を向上させるためにレベリング剤を添加してもよい。一般的なレベリング剤であれば何れも使用できるが、たとえば、フッ素系ノニオン界面活性剤、特殊アクリル樹脂系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤などが使用できる。
本発明のフィルムを溶剤キャスト法により製造する方法としては、上記溶液をダイスやコーターを使用して金属ドラム、スチールベルト、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム、ポリテトラフルオロエチレン製ベルトなどの基材の上に塗布して塗膜を形成し、その後溶剤を乾燥・除去して基材よりフィルムを剥離する方法が一般に挙げられる。また、スプレー、ハケ、ロールスピンコート、ディッピングなどの手段を用いて,樹脂溶液を基材に塗布し、その後溶剤を乾燥・除去して基材よりフィルムを剥離することにより製造することもできる。なお、塗布の繰り返しにより厚みや表面平滑性等を制御してもよい。
また、基材としてポリエステルフィルムを使用する場合には、表面処理されたフィルムを使用してもよい。表面処理の方法としては、一般的に行われている親水化処理方法、例えばアクリル系樹脂やスルホン酸塩基含有樹脂をコーティングやラミネートにより積層する方法、あるいは、コロナ放電処理等によりフィルム表面の親水性を向上させる方法等が挙げられる。
また、上記溶液を塗布する基材、例えば金属ドラム、スチールベルト、ポリエステルフィルム等の表面にサンドマット処理やエンボス処理を施したものを使用すると、フィルムの表面に上記処理による凹凸が転写して、本発明の光拡散機能を有するフィルムを製造することができる。
上記のようにして光拡散機能を付与する場合は、低波長から高波長までの光の透過率を安定して維持する特性から、一定の大きさで凹凸を付けることが好ましい。この時の凹凸の形状については、凹凸を付ける手法に左右されるために特に制約は無いが、通常は表面粗さ(中心線平均粗さ:Ra)が0.001〜100μm、好ましくは0.005〜10μm、さらに好ましくは0.01〜1μm、特に好ましくは0.05〜1μmである。Raの値が0.001μm未満あるいは100μmを超えると、良好な光拡散機能が期待できにくい。なお、フレネルレンズのようなレンズ機能を付与する場合は、Raの値が100μmを超えることがあってもよい。
さらに、シクロオレフィンコポリマーの溶液に該樹脂と非相溶の樹脂やフィラーを添加し均一化したものをキャストする方法でも、本発明の光拡散機能を有するフィルムを製造することができる。
具体的には、上記非相溶の樹脂を添加する場合には、シクロオレフィンコポリマーとの屈折率差が通常は0.00001以上、好ましくは0.0001以上、さらに好ましくは0.001以上、特に好ましくは0.01以上の樹脂を選択して使用し、また、溶液に混合した後にキャストして乾燥した後に得られるフィルム中の前記相溶性を有しない樹脂の数平均の粒子径範囲が通常は0.01〜1,000μm、好ましくは0.05〜500μm、さらに好ましくは0.1〜100μm、特に好ましくは0.5〜50μmの範囲にすることで、低波長から高波長における光拡散効果を発揮することができる。上記屈折率差が0.00001未満であったり、また、上記粒子径が0.01μm未満であると良好な光拡散機能を付与するのが困難であり、一方、上記粒子径が1,000μmを超えた場合には光線透過率が著しく低下したり、フィルムの厚み精度や表面性に悪影響を及ぼすことがあるために好ましくない。
また、上記非相溶の樹脂の添加量は、要求される光拡散の性能により変化するが、本発明に係るシクロオレフィンコポリマー100質量部に対し、通常は0.001〜100質量部、好ましくは0.01〜70質量部、さらに好ましくは0.1〜50質量部、特に好ましくは1〜25質量部である。添加量が0.001質量部未満であると、良好な光拡散機能が期待できにくい。また、添加量が100質量部以上になると光線透過率が著しく低下するために好ましくない。
一方、フィラーとしては市販の無機フィラーや熱硬化性樹脂の硬化物を微細化した有機フィラー等を任意に使用することもできる。また、その粒子径及び添加量は、上記非相溶の樹脂を添加する場合と同様である。
上記シクロオレフィンコポリマーと非相溶の樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン、ポリビニルベンゼン、ポリアミドあるいはポリイミドなどを挙げることができる。また、上記フィラーとしては、例えば、金、銀等の金属、SiO、TiO、ZnO、Al等の金属酸化物、ガラス、石英などの粒子を挙げることができる。
上記溶剤キャスト法の乾燥(溶剤除去)工程については、特に制限はなく一般的に用いられる方法、例えば多数のローラーを介して乾燥炉中を通過させる方法等で実施できるが、乾燥工程において溶媒の蒸発に伴い気泡が発生すると、フィルムの特性を著しく低下させるので、これを避けるために、乾燥工程を2段以上の複数工程とし、各工程での温度あるいは風量を制御することが好ましい。
また、フィルム中の残留溶媒量は、通常は10質量%以下、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下である。ここで、残留溶媒量が10質量%以上であると、実際に該フィルムを使用したときに経時による寸法変化が大きくなり好ましくない。また、残留溶媒によりTgが低くなり、耐熱性も低下することから好ましくない。
なお、後述する延伸工程を好適に行うためには、上記残留溶媒量を上記範囲内で適宜調節する必要がある場合がある。具体的には、延伸配向時の位相差を安定して均一に発現させるために、残留溶媒量を通常は10〜0.1質量%、好ましくは5〜0.1質量%、さらに好ましくは1〜0.1質量%にすることがある。溶媒を微量残留させることで、延伸加工が容易になる、あるいは位相差の制御が容易になる場合がある。
本発明のフィルムの厚さは、通常は0.1〜3,000μm、好ましくは0.1〜1,000μm、さらに好ましくは1〜500μm、最も好ましくは5〜300μmである。0.1μm未満の厚みの場合実質的にハンドリングが困難となる。一方、3,000μm以上の場合、ロール状に巻き取ることが困難になる。
本発明のフィルムの厚み分布は、通常は平均値に対して±20%以内、好ましくは±10%以内、さらに好ましくは±5%以内、特に好ましくは±3%以内である。また、1cmあたりの厚みの変動は、通常は10%以下、好ましくは5%以下、さらに好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下であることが望ましい。かかる厚み制御を実施することにより、均質なフィルムとすることができるとともに、延伸配向した際の透過光の位相差ムラを防ぐことができる。
溶融製膜(押出成形法)としては、押出機により、樹脂を溶融し、ギアポンプにより定量供給し、これを金属フィルターでろ過により不純物を除去して、ダイにてフィルム形状に賦型し、引き取り機を用いてフィルムを冷却し、巻き取り機を用いて巻き取る方法が一般的に使用される。
押出成形に使用される押出機としては、単軸、二軸、遊星式、コニーダー、バンバリーミキサータイプなど、いずれを用いても良いが、好ましくは単軸押出機が用いられる。また、押出機のスクリュウ形状としては、ベント型、先端ダルメージ型、ダブルフライト型、フルフライト型などがあり、圧縮タイプとしては、緩圧縮タイプ、急圧縮タイプなどがあるが、フルフライト型緩圧縮タイプが好ましい。
計量に使用するギアポンプに関しては、ギアの間で下流側より戻される樹脂が、系内に入る内部潤滑方式と、外部に排出される外部潤滑方式があるが、熱安定性が良好でない熱可塑性シクロオレフィンコポリマーの場合には、外部潤滑方式が好ましい。ギアポンプのギア歯の切り方は、軸に対して、平行な方向よりも、ヘリカルタイプの方が、計量の安定化の点から好ましい。
異物のろ過に使用するフィルターに関しては、リーフディスクタイプ、キャンドルフィルタータイプ、リーフタイプ、スクリーンメッシュなどが挙げられるが、比較的滞留時間分布が小さく、ろ過面積を大きくすることが可能な、リーフディスクタイプのものが好ましい。フィルターエレメントとしては、金属繊維焼結タイプ、金属粉末焼結タイプ、金属繊維/粉末積層タイプなどが挙げられる。
フィルターのセンターポールの形状には、外流タイプ、六角柱内部流動タイプ、円柱内部流動タイプなどが挙げられるが、滞留部が小さい形状であれば、いずれの形状を選択することも可能であるが、好ましくは、外流タイプである。
溶融されたシクロオレフィンコポリマーは、ダイから吐出され、冷却ドラムに密着固化されて目的とするフィルムに成形される。ダイ形状に関しては、ダイ内部の樹脂流動を均一にすることが必須であり、フィルムの厚みの均一性を保つためには、ダイ出口近傍でのダイ内部の圧力分布が幅方向で一定であることが必須である。また、幅方向での樹脂の流量がほぼ一定であり、ダイの出口での流量の微調整をリップ開度により調整可能な範囲で一定であることが厚みの均一性を得るために必須用件である。上記、条件を満たすためにはマニホールド形状は、コートハンガータイプが好ましく、ストレートマニホールド、フィッシュテールタイプなどは、幅方向での流量分布などが発生しやすくなるために好ましくない。
また、上記のフィルムの厚み分布を均一にするためには、ダイ出口での温度分布を幅方向において一定にすることが重要であり、温度分布は好ましくは±1℃以下であり、さらに好ましくは±0.5℃以下である。±1℃を超えて幅方向に温度ムラが生じていると、樹脂の溶融粘度差が生じ、厚みムラ、応力分布ムラなどが生じるため、延伸操作を実施する過程において、位相差ムラが発生しやすくなり好ましくない。
さらに、ダイ出口のリップ開き量(以下、「リップギャップ」という。)は、通常、0.05〜1mmであり、好ましくは0.3〜0.8mmであり、さらに好ましくは0.35〜0.7mmである。リップギャップが0.05mm未満であると、ダイ内部の樹脂圧力が高くなり過ぎて、樹脂がダイのリップ以外の場所から樹脂漏れを起こしやすくなるため好ましくない。一方、リップギャップが1mmを超えると、ダイの樹脂圧力が上がりにくくなるため、フィルムの幅方向の厚みの均一性が悪くなり好ましくない。
ダイから押出されたフィルムを密着固化させる方法としては、ニップロール方式、静電印加方式、エアーナイフ方式、バキュームチャンバー方式、カレンダー方式などが挙げられ、フィルムの厚さ、用途に従って、適切な方式が選択される。
ダイから押出されたフィルムを固化するための冷却ロール表面についても、押出機シリンダー、ダイスの内面などと同様に、各種の表面処理が行われることが好ましい。押出機(シリンダー・スクリューなど)、ダイスの材質としては、SCM系の鋼鉄、SUSなどのステンレス材などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、押出機シリンダー、ダイスの内面ならびに押出機スクリュー表面には、クロム、ニッケル、チタンなどのメッキが施されたもの、PVD(Physical Vapor Deposition)法などにより、TiN、TiAlN、TiCN、CrN、DLC(ダイアモンド状カーボン)などの被膜が形成されたもの、WCなどのタングステン系物質、サーメットなどのセラミックが溶射されたもの、表面が窒化処理されたものなどを用いることが好ましい。このような表面処理は、樹脂との摩擦係数が小さいため、均一な樹脂の溶融状態が得られる点で好ましい。
本発明のフィルムを溶融押出により製造する際の樹脂温度(押出機シリンダー温度)としては、通常、200〜350℃、好ましくは220〜320℃である。樹脂温度が200℃未満では、樹脂を均一に溶融させることができず、一方、350℃を超えると、溶融時に樹脂が熱劣化して表面性に優れた高品質なフィルムの製造が困難になる。
また、溶融押出時のせん断速度としては、通常、1〜500(1/sec)、好ましくは2〜350(1/sec)、より好ましくは5〜200(1/sec)である。押出時のせん断速度が1(1/sec)未満では、樹脂を均一に溶融させることができないため厚み斑が小さい押出フィルムを得ることができず、一方、500(1/sec)を超えると、せん断力が大きすぎて樹脂および添加物が分解・劣化し、押出フィルムの表面に発泡、ダイライン、付着物などの欠陥が生じてしまうことがある。
溶融押出により得られた本発明のフィルムの厚みは、通常、10〜800μm、好ましくは、20〜500μm、より好ましくは40〜500μmである。10μm未満の厚みの場合、機械的強度不足などにより延伸加工などの後加工する場合に難があることがあり、一方、800μmを超える厚みの場合、厚みや表面性などが均一なフィルムを製造することが難しいばかりか、得られたフィルムを巻き取ることが困難になることがある。
原反フィルムの厚み分布は、通常、平均値に対して±5%以内、好ましくは±3%以内、より好ましくは±1%以内である。厚み分布が±5%を超えると、延伸処理を行って位相差フィルムとした場合に位相差ムラが発生しやすくなることがある。
[位相差フィルム]
本発明のフィルムは、透過光に位相差を与えるフィルム(以下、「位相差フィルム」という)であることが好ましい。本発明に係る位相差フィルムは、上記方法によって得た本発明のフィルムをさらに延伸加工することにより得ることができ、具体的には、公知の一軸延伸法、二軸延伸法、Z軸延伸法により製造することができる。すなわち、テンター法による横一軸延伸法、ロール間圧縮延伸法、円周の速度の異なるロールを利用する縦一軸延伸法等あるいは横一軸と縦一軸を組み合わせた二軸延伸法、インフレーション法による延伸法等を用いることができる。
一軸延伸法の場合、延伸速度は通常は1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、さらに好ましくは100〜1,000%/分である。二軸延伸法の場合、同時2方向に延伸を行う場合や一軸延伸後に最初の延伸方向と異なる方向に延伸処理する場合がある。この時、屈折率楕円体の形状を制御するための2つの延伸軸の交わり角度は、所望する特性により決定されるため特に限定はされないが、通常は120〜60度の範囲である。また、延伸速度は各延伸方向で同じであってもよく、異なっていてもよく、通常は1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、さらに好ましくは100〜1,000%/分であり、特に好ましくは100〜500%/分である。
延伸加工温度は、特に限定されるものではないが、本発明で用いられるシクロオレフィンコポリマーのガラス転移温度Tgを基準として、通常はTg±30℃、好ましくはTg±15℃、さらに好ましくはTg−5〜Tg+15℃の範囲である。前記範囲内とすることで、位相差ムラの発生を抑えることが可能となり、また、屈折率楕円体の制御が容易になることから好ましい。
延伸倍率は、所望する特性により決定されるため特に限定はされないが、通常はは1.01〜10倍、好ましくは1.03〜5倍、さらに好ましくは1.03〜3倍である。延伸倍率が10倍以上の場合、位相差の制御が困難になる場合がある。
延伸したフィルムは、そのまま冷却してもよいが、Tg−20℃〜Tgの温度雰囲気下に少なくとも10秒以上、好ましくは30秒〜60分間、さらに好ましくは1分〜60分間保持してヒートセットすることが好ましい。これにより、透過光の位相差の経時変化が少なく安定した位相差フィルムが得られる。
延伸加工を施さない本発明のフィルムの加熱による寸法収縮率は、100℃における加熱を500時間行った場合に、通常5%以下、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下である。
また、本発明の位相差フィルムの加熱による寸法収縮率は、100℃における加熱を500時間行った場合に、通常10%以下、好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。
寸法収縮率を上記範囲内にするためには、本発明中の特定単量体の選択やその他の共重合性単量体の選択に加え、キャスト方法や延伸方法の条件を調整することも有力な手段である。
上記のようにして延伸したフィルムは、延伸により分子が配向し透過光に位相差を与えるようになるが、この位相差は、延伸倍率、延伸温度あるいはフィルムの厚さ等により制御することができる。例えば、延伸前のフィルムの厚さが同じである場合、延伸倍率が大きいフィルムほど透過光の位相差の絶対値が大きくなる傾向があるので、延伸倍率を変更することによって所望の位相差を透過光に与える位相差フィルムを得ることができる。一方、延伸倍率が同じである場合、延伸前のフィルムの厚さが厚いほど透過光の位相差の絶対値が大きくなる傾向があるので、延伸前のフィルムの厚さを変更することによって所望の位相差を透過光に与える位相差フィルムを得ることができる。また、上記延伸加工温度範囲においては、延伸温度が低いほど透過光の位相差の絶対値が大きくなる傾向があるので、延伸温度を変更することによって所望の位相差を透過光に与える位相差フィルムを得ることができる。
上記のように延伸して得た位相差フィルムが透過光に与える位相差の値は、その用途により決定されるものであり特に限定はされないが、液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス表示素子あるいはレーザー光学系の波長板に使用する場合は、通常は1〜10,000nm、好ましくは10〜2,000nm、さらに好ましくは15〜1,000nmである。
また、位相差フィルムを透過した光の位相差は均一性が高いことが好ましく、波長550nmにおける位相差のバラツキは、通常±20%以下であり、好ましくは10%以下、さらに好ましくは±5%以下である。すなわち、波長550nmにおける位相差は、通常平均値に対して±20%以下であり、好ましくは10%以下、さらに好ましくは±5%以下の範囲内にある。位相差のバラツキが±20%を超えると、液晶表示素子等に用いた場合、色ムラ等が発生し、ディスプレイ本体の性能が悪化する場合がある。
本発明のフィルムの好ましい光学特性は、フィルムの用途により異なる。以下に、フィルムの厚みを80μmとして換算した、面内レターデーション(Re)および厚さ方向レターデーション(Rth)の、各用途における好ましい範囲を示す。なお、値は波長590nmでの測定値を示す。
偏光板保護膜として使用する場合:Reは、0nm≦Re≦5nmが好ましく、0nm≦Re≦3nmがさらに好ましい。Rthは、0nm≦Rth≦50nmが好ましく、0nm≦Rth≦35nmがさらに好ましく、0nm≦Rth≦10nmが特に好ましい。
位相差フィルムとして使用する場合:位相差フィルムの種類によってReやRthの範囲は異なり、多様なニーズがあるが、0nm≦Re≦100nm、0nm≦Rth≦400nmであることが好ましい。TNモードなら0nm≦Re≦20nm、40nm≦Rth≦80nm、VAモードなら20nm≦Re≦80nm、80nm≦Rth≦400nmがより好ましく、特にVAモードで好ましい範囲は、30nm≦Re≦75nm、120nm≦Rth≦250nmであり、一枚の位相差膜で補償する場合は、50nm≦Re≦75nm、180nm≦Rth≦250nm、2枚の位相差膜で補償する場合は、30nm≦Re≦50nm、80nm≦Rth≦140nmである。これらはVAモードの補償膜として黒表示時のカラーシフト、コントラストの視野角依存性の点で好ましい態様である。
本明細書において、Reλ、Rthλは各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。ReλはKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定するかできる。
測定されるフィルムが1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRthλは算出される。
Rthλは前記Reλを、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基に、以下の式(1)および式(2)よりRthを算出することもできる。
Figure 2009227810
注記:
上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を表す。
式(1)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnxおよびnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚である。
Figure 2009227810
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRthλは算出される。
Rthλは前記Reλを、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンコポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)がさらに算出される。
さらに、本発明に係る位相差フィルムは、波長450nmにおけるレターデーションRe450 と波長590nmにおけるレターデーションRe590 の比で表される波長分散係数α(=Re450/Re590)が1.0〜0.5、好ましくは0.8〜0.6、さらに好ましくは0.75〜0.65の範囲にあることが望ましい。
このReλ/λの値を、400〜800nmの全波長領域で、その平均値に対して±30%以内、好ましくは±20%以内、さらに好ましくは±10%以内に制御すると、たとえば、当該波長領域全てにおいて位相差が1/4λあるいは1/2λであるような広帯域のλ板を得ることができる。すなわち、上記Reλ/λの値が、400〜800nmの全波長領域で、0.17〜0.33、好ましくは0.20〜0.30、さらに好ましくは0.23〜0.28である場合、当該波長領域全域で、円偏光と直線偏光とを相互変換する1/4λ板としての機能を有することになり、また、同様に上記Reλ/λの値が、0.35〜0.65、好ましくは0.45〜0.60、さらに好ましくは0.45〜0.55である場合、当該波長領域全域で、直線偏光の偏光面を90度回転させる1/2λ板としての機能を有することになり、非常に有用である。
本発明の位相差フィルムは単独でまたは透明基板等に貼り合わせて、位相差フィルムまた位相差板として用いることができる。また、上記位相差フィルムまたは位相差板を他のフィルム、シート、基板に積層して使用することができる。積層する場合には、粘着剤や接着剤を用いることができる。これらの粘着剤、接着剤としては、透明性に優れたものが好ましく、具体例としては天然ゴム、合成ゴム、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、ポリビニルエーテル、アクリル系、変性ポリオレフィン系、及びこれらにイソシアナートなどの硬化剤を添加した硬化型粘着剤、ポリウレタン系樹脂溶液とポリイソシアナート系樹脂溶液を混合するドライラミネート用接着剤、合成ゴム系接着剤、エポキシ系接着剤などが挙げられる。
また、上記の位相差フィルム及び位相差板は、他のフィルムシート、基板などとの積層の作業性を向上させるために、あらかじめ、粘着剤層、又は接着剤層を積層することができる。積層する場合には、粘着剤や接着剤としては前述のような粘着剤あるいは接着剤を用いることができる。
[透明導電層を有するフィルム]
本発明のフィルムは、その少なくとも片面に透明導電層を積層した、透明導電層を有するフィルムであることも好ましい。透明導電層を形成するための材料としては、Sn、In、Ti、Pb、Au、Pt、Ag等の金属、またはそれらの酸化物が一般的に使用され、金属単体からなる層を基板上に形成したときは、必要に応じてその後酸化することもできる。当初から酸化物層として付着形成させる方法もあるが、最初は金属単体または低級酸化物の形態で被膜を形成し、しかるのち、加熱酸化、陽極酸化あるいは液相酸化等の酸化処理を施して透明化することもできる。これらの透明導電層は、他の透明導電層を有するシート、フィルムなどを接着したり、プラズマ重合法、スパッタリング法、真空蒸着法、メッキ、イオンプレーティング法、スプレー法、電解析出法などによって本発明のフィルム上に直接形成される。これらの透明導電膜の厚さは、所望する特性により決定され特に限定はされないが、通常は10〜10,000オングストローム、好ましくは50〜5,000オングストロームである。
本発明のフィルムに直接透明導電層を形成する場合、当該フィルムと透明導電層との間に必要に応じて接着層及びアンカーコート層を形成してもよい。この接着層としては、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリブタジエン、フェノール樹脂、ポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱樹脂を例示することができる。またアンカーコート層としては、エポキシジアクリレート、ウレタンジアクリレート、ポリエステルジアクリレート等のいわゆるアクリルプレポリマーなどを成分として含むものが用いられる。硬化の方法は公知の手法を用いることができ、例えばUV硬化や熱硬化などが用いられる。
透明導電層を有する本発明のフィルムは、偏光フィルムと組み合わせて、積層体とすることができる。透明導電層を有する本発明のフィルムと、偏光フィルムとの組合せ方法は、特に限定されず、偏光膜の両面に保護フィルムが積層されてなる偏光フィルムの少なくとも片面に、透明導電層を有する本発明のフィルムを、その透明導電性層形成面と反対側面上に適当な接着剤あるいは粘着剤を介して積層してもよいし、偏光膜の保護フィルムの代わりに、透明導電層を有する本発明のフィルムを使用し、その透明導電性層形成面と反対側面上に適当な接着剤あるいは粘着剤を介して偏光膜に積層してもよい。もちろん、透明導電層を有さない本発明のフィルムを、偏光フィルムの保護フィルムとして用いることも可能である。この場合、上述した本発明に係る位相差フィルムを保護フィルムとして用いると、保護フィルムが位相差フィルムとしての機能を有するため、偏光フィルムにあらためて位相差フィルムを貼り合わせる必要が無くなる利点がある。
また、透明導電層を有する本発明のフィルムには、必要に応じて酸素や水蒸気の透過を小さくする目的のために、ポリビニリデンクロリド、ポリビニルアルコール等のガスバリア性材料を、少なくともフィルムの一方の面に積層することもできる。さらにフィルムの耐傷性及び耐熱性を向上させる目的で、ガスバリア層の上にハードコート層が積層されていてもよい。ハードコート剤としては、有機シリコン系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などの有機ハードコート材料、又は二酸化ケイ素などの無機系ハードコート材料を用いることができる。このうち、有機シリコン系樹脂、アクリル樹脂などのハードコート材料が好ましい。有機シリコン系樹脂の中には、各種官能基を持ったものが使用されるが、エポキシ基を持ったものが好ましい。
[反射防止層を有するフィルム]
本発明のフィルムは、反射防止層を有するフィルムであることも好ましい。すなわち、本発明のフィルムには、少なくともその片面に反射防止層を積層することができる。反射防止層の形成方法としては、たとえば、フッ素系共重合体を含む組成物の溶液をバーコーターやグラビアコーターなどを用いてコーティングする方法がある。反射防止層の厚みは、通常は0.01〜50μm、好ましくは0.1〜30μm、さらに好ましくは0.5〜20μmである。0.01m未満であると反射防止効果が発揮できず、50μmを超えると塗膜の厚みにムラが生じやすくなり外観などが悪化する場合があり好ましくない。
また、反射防止層を有する本発明のフィルムには、公知のハードコート層や防汚層が積層されていてもよい。また、上記の透明導電層が積層されていてもよい。さらに、透過光に位相差を与える機能を有していてもよく、光拡散機能を有していてもよい。
反射防止層を有する本発明のフィルムは、上記のように複数の機能を有することにより、たとえば液晶表示素子に用いた場合、反射防止フィルムが位相差フィルム、光拡散フィルム、偏光板保護フィルムあるいは電極基板(透明導電層)の幾つかを兼用することとなり、従来よりもその部品点数を低減することが可能となる。
[フィルムの用途]
本発明のフィルムは、位相差フィルム、偏光板、偏光板保護フィルム、波長板、光拡散板、プリズムシート、反射防止フィルム、液晶やエレクトロルミネッセンス用途の表示素子基板、タッチパネル、導光板など、環状オレフィン系重合体の用途として公知の用途へ好適に適用可能である。具体的には、たとえば、携帯電話、ディジタル情報端末、ポケットベル、ナビゲーション、車載用液晶ディスプレイ、液晶モニター、調光パネル、OA機器用ディスプレイ、AV機器用ディスプレイ等の各種液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス表示素子あるいはタッチパネルなどに用いることができる。また、CD、CD−R、MD、MO、DVD等の光ディスクの記録・再生装置に使用される波長板としても有用である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
以下の実施例、比較例において、各種測定および評価は以下のように行った。
・ガラス転移温度:Tg 示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製、商品名:EXSTAR6000)を用いて、昇温速度を毎分20℃、窒素気流下で測定を行った。
・分子量および分子量分布: ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、東ソー株式会社製、商品名:HLC−8020/カラム4本:東ソー株式会社製、商品名:TSKguardcolumn SuperHZ−H、TSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ2000)を用い、テトラヒドロフラン(THF)溶媒を用い、ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。なお、Mnは数平均分子量を表す。
・重合体分子構造: 超伝導核磁気共鳴吸収装置(NMR、Bruker社製、商品名:AVANCE400)を用い、重メチレンクロライド中でHNMRを測定した。
・フィルムの作製および評価:ポリマーをそれぞれ以下の組成で混合した。
シクロオレフィンコポリマー 100質量部
メチレンクロライド/メタノール(92/8) 320質量部
微粒子(二酸化ケイ素:一時粒子サイズ15nm) 0.1質量部
これを加圧ろ過し、得られた透明ドープを、25℃、相対湿度60%の雰囲気下で、15℃に保温したステンレス板(SUS板)上に、ヨシミツ社製アプリケーターを用いて、流延製膜し(クリアランス700μm)、200秒を経過させ(剥離開始時間)、溶媒を蒸発させてSUS板上にフィルムを形成した後、幅2cmのウェブを200mm/秒の速度でSUS板から垂直に剥ぎ取る際の荷重をロードセルで測定した。この際、25℃、相対湿度60%の無風化の環境で実施した。得られた最大の剥ぎ取り荷重を求め、剥取荷重[gf/cm]で表した。また、この際にフィルムの残存溶剤量を、剥ぎ取り時のフィルムの質量と、そのフィルムを120℃にて3時間乾燥した後の質量から計算して求めた。
剥ぎ段ムラの有無は、剥ぎ取りフィルムの片面を、例えば黒インク等にてムラ無く均等に塗りつぶし、塗布した面とは反対側の面から透過光の反射像を、角度を変えて目視にて観察し、直線状のスジやムラが観察されるか否かで判断し、その評価をA〜Dで実施した。
A:剥ぎ段ムラは全く認められなかった。
B:剥ぎ段ムラが微かに認められたが実害はなかった。
C:剥ぎ段ムラが弱く認められ、問題が顕在するレベルである。
D:剥ぎ段ムラが全面に強く認められ、問題である。
フィルムを目視で観察し、その面状を以下の如く評価した。
A:フィルム表面は平滑である。
B:フィルム表面は平滑であるが、少し異物が見られる。
C:フィルム表面に弱い凹凸が見られ、異物の存在がはっきり観察される。
D:フィルムに凹凸が見られ、異物が多数見られる。
(比較例1:PC1の合成)
5−ノルボルネン−カルボクサアルデヒドM1(アルドリッチ社製)とメチルマグネシウムブロマイド(アルドリッチ社製)より、ジャーナルオブオーガニックケミストリー1976年41巻1229ページを参考にして、M2を合成した。
上記で得たM2 276.4g、ピリジン240mL、酢酸エチル400mLの混合物に、酢酸クロライド235.5g、を滴下し、室温で一晩反応した。反応混合物を水/酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。ろ液をエバポレーションし、残存した液体を減圧蒸留(100mmHg/102℃)した。無色透明のM3 320.1gを得た。ガスクロマトグラフィーによる純度は99.1%、endo/exo比率は75/25であった。
Figure 2009227810
1Lオートクレーブに、トルエン300mL、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(アルドリッチ社製)88mg、上記式Lの配位子(ケミカルコミュニケーション2002年964ページを参照に合成した)76mg、上記で得たM3 98gを密閉した。空隙をエチレンで置換し、エチレンで0.3MPaに加圧した。内部温度90℃とし、3時間反応させた。内部温度を室温に戻し、エチレンをパージした後、窒素バブリングを10分間行った。内容物をメタノール3L中へ落とし、再沈殿したところ、固体PC1 27.3gを得た。
得られたPC1を上記の各種測定を行った。Mw=166500、Mn=81400であった。HNMR測定したところ、アセチル基に結合した炭素のメチン水素と他ピークの比較より、エチレン由来ユニット/M3由来ユニットのモル比率は、54/46であった。Tgは102℃であった。フィルムの作成評価を上記のように行い、結果を表1に示した。
Figure 2009227810
(比較例2:PC2の合成)
M3 130.1gを反応容器に仕込み、トルエン5mLに溶解したパラジウムアセチルアセトナート(東京化成社製)31mgとトリシクロヘキシルフォスフィン(ストレム社製)32mg、塩化メチレン5mLに溶解したジメチルアニリニウム・テトラキスペンタフルオロフェニルボレート(ストレム社製)1660mgを反応容器に投入した。トルエン480mLを加え、加熱を開始し90℃で6時間300rpmで攪拌した。得られた反応溶液にトルエン1400mLを添加し、これにメタノール4Lを2時間かけて滴下した。沈殿をろ過し、メタノールで洗浄した。得られた重合体を110℃で6時間真空乾燥した。白色固体113gを得た。Mw、Mn、Tgの測定、フィルムの作成評価を上記のように行い、結果を表1に示した。
Figure 2009227810
(比較例3:PC3の合成)
M3を等モル量のノルボルネンカルボン酸メチル(東京化成社製を蒸留精製した:ガスクロマトグラフィーによる純度は99.5%、endo/exo比率は50/50)として、比較例1と同じ操作を行い、PC3を得た。HNMR測定で組成比率をもとめたところ、ノルボルネンカルボン酸メチル由来のユニットとエチレン由来のユニットのモル分率は46/54であった。Mw、Mn、Tgの測定、フィルムの作成評価を上記のように行い、結果を表1に示した。
Figure 2009227810
(比較例4:PC4の合成)
M3を等モル量のノルボルネンカルボン酸メチル(比較例3と同じロット)として、比較例2と同じ操作を行い、PC4を得た。Mw、Mn、Tgの測定、フィルムの作成評価を上記のように行い、結果を表1に示した。
Figure 2009227810
(比較例5:PC5の合成)
M3を等モル量のノルボルネンイルアセテート(アルドリッチ社製を蒸留精製した:ガスクロマトグラフィーによる純度は98.9%、endo/exo比率は80/20)として、比較例1と同じ操作を行い、PC5を得た。HNMR測定で組成比率をもとめたところ、ノルボルネンイルアセテート由来のユニットとエチレン由来のユニットのモル分率は46/54であった。Mw、Mn、Tgの測定、フィルムの作成評価を上記のように行い、結果を表1に示した。
Figure 2009227810
(比較例6:PC6の合成)
M3を等モル量のノルボルネンイルアセテート(比較例5とおなじロット)として、比較例2と同じ操作を行い、PC6を得た。Mw、Mn、Tgの測定、フィルムの作成評価を上記のように行い、結果を表1に示した。
Figure 2009227810
(比較例7:PC7の合成)
ジシクロペンタジエン(和光純薬社製)1094g、酢酸アリル(和光純薬社製)1772gとヒドロキノン(和光純薬社製)1gをオートクレーブに仕込み、空隙を窒素置換した。密閉系で内温180℃で9時間攪拌した(回転速度=300rpm)。残存物を精密蒸留に付して、無色透明なM4を得た。ガスクロマトグラフィーによる純度は99.9%、endo/exo比率は83/17であった。
Figure 2009227810
M3を等モル量のM4として、比較例1と同じ操作を行い、PC7を得た。HNMR測定で組成比率をもとめたところ、M4由来のユニットとエチレン由来のユニットのモル分率は43/57であった。Mw、Mn、Tgの測定、フィルムの作成評価を上記のように行い、結果を表1に示した。
Figure 2009227810
(比較例8:PC8の合成)
M3を等モル量のM4として、比較例2と同じ操作を行い、PC8を得た。Mw、Mn、Tgの測定、フィルムの作成評価を上記のように行い、結果を表1に示した。
Figure 2009227810
(実施例1:P1の合成)
下記錯体Cは、国際公開第01/19877号パンフレットとジャーナルオブオルガノメタリックケミストリー2001年621号267ページを参考にして、合成した。
Figure 2009227810
フラスコ内をアルゴンガスで置換した後、容器内にトルエン900mL、5−エチリデン−2−ノルボルネン(東京化成社製を単蒸留した)93g、MMAO−3A(東ソーファインケム社製)を100mLを添加して、凍結脱気した後、エチレン1気圧でフローし、30℃で10分間攪拌した。これとは別に、シュレンク中にて180mgの錯体Cをアルゴン雰囲気下トルエン25mLに溶解させた。この触媒溶液をフラスコに加えて重合を開始し、エチレンを1気圧でフローしたまま30℃で15分間重合した。その後、微量のメタノールを添加して反応を終了させた。該反応混合物を塩酸で酸性にした大量のメタノール中に放出して沈殿物を析出させ、濾別、洗浄後、乾燥して共重合体p1を98g得た。HNMR測定したところ、5ppm付近のエチリデン基ピークの積分値とその他のピークの積分値の比較より、5−エチリデン−2−ノルボルネン由来のユニット/エチレン由来のユニットのモル分率は、55/45と算出した。
このp1を、ポリマー2006年47巻520ページを参考に、ヒドロキシル化し、ポリマーp2を得た。HNMRを測定したところ、エチリデン基は消失していたところから、100%の変換率でヒドロキシル化されたことを確認した。このp2をテトラヒドロフランに溶解させ、上記の手法と同様に過剰のピリジンと無水酢酸を用いて、アセチル化し、P1を得た。HNMR測定で、比較例1と同様に、組成比率をもとめたところ、p2由来のユニットとエチレン由来のユニットのモル分率は55/45であった。Mw、Mn、Tgの測定、フィルムの作成評価を上記のように行い、結果を表1に示した。上記反応スキームを下記に示す。
Figure 2009227810
(実施例2:P2の合成)
5−エチリデン−2−ノルボルネン(東京化成社製を単蒸留した)120gとして、実施例1と同様に、重合を行い、そのあと、ヒドロキシル化、アセチル化を行い、P2を得た。HNMR測定で組成比率をもとめたところ、p2由来のユニットとエチレン由来のユニットのモル分率は63/37であった。Mw、Mn、Tgの測定、フィルムの作成評価を上記のように行い、結果を表1に示した。
(実施例3:P3の合成)
5−エチリデン−2−ノルボルネン(東京化成社製を単蒸留した)135gとして、実施例1と同様に、重合を行い、そのあと、ヒドロキシル化、アセチル化を行い、P3を得た。HNMR測定で組成比率をもとめたところ、p2由来のユニットとエチレン由来のユニットのモル分率は75/25であった。Mw、Mn、Tgの測定、フィルムの作成評価を上記のように行い、結果を表1に示した。
(実施例4:P4の合成)
テトラヘドロンケターズ1986年27巻4945ページを参考に、下記モノマーM5を合成した。
Figure 2009227810
M5 141.8gとノルボルネンカルボン酸メチル(比較例3と同じロット)106.5gを反応容器に仕込み、トルエン50mLに溶解したパラジウムアセチルアセトナート(東京化成社製)609mgとトリシクロヘキシルフォスフィン(ストレム社製)617mg、塩化メチレン50mLに溶解したジメチルアニリニウム・テトラキスペンタフルオロフェニルボレート(ストレム社製)3205mgを反応容器に投入した。トルエン1000mLを加え、加熱を開始し90℃で6時間300rpmで攪拌した。得られた反応溶液にトルエン1400mLを添加し、これにメタノール4Lを2時間かけて滴下した。沈殿をろ過し、メタノールで洗浄した。得られた重合体を110℃で6時間真空乾燥した。p3の白色固体182gを得た。
このp3をマクロモレキュールス1995年28巻5396ページを参考に、逆ディールスアルダー反応を行い、p4を得た。HNMRを測定したところ、エチルエステル基が消失し、5〜6ppmにオレフィンピークが出現していたことから、p4の構造を確認した。
このp4 50gをトルエン500mLに溶かし、水添触媒RuHCl(CO)P(Cをp4に対して、50mg仕込み、水素ガス圧10MPaとして、165℃で3時間反応した。反応終了後、過剰のメタノール中に沈殿させ、得られた白色固体を120℃で4時間真空乾燥した。P4を得た。HNMR測定でオレフィンのピークは全て消失していた。組成比率をもとめたところ、ノルボルネンカルボン酸メチル由来のユニットとエチレン由来のユニットのモル分率は65/35であった。Mw、Mn、Tgの測定、フィルムの作成評価を上記のように行い、結果を表1に示した。上記反応スキームを下記に示す。
Figure 2009227810
Figure 2009227810
上記結果から、従来の手法による、エチレン/極性基含有ノルボルネン共重合体は、その極性基含有ノルボルネンユニットは50モル%以下の導入率であり、その結果に得られる重合体のTgはせいぜい120℃程度までである。これ以上の極性基含有ノルボルネンの導入はみこまれないことから、これ以上の大幅なTg向上は見込まれないことが予想できる。一方、ノルボルネン付加重合体では、Tgが高すぎる。
上記の結果から明らかなように、本発明のシクロオレフィンコポリマーのTgは光学材料にとって好ましい領域であり、そのフィルムの剥ぎ取り性は良好で、フィルム面状も優れる。一方、比較例の重合体は、Tgが光学材料にとって好ましい範囲になく、そのフィルムの剥ぎ取り性は劣り、フィルム面状も良好とはいえない。

Claims (6)

  1. エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィン化合物から選ばれる少なくとも1種の非シクロオレフィンモノマー(A)と、下記一般式(1)で表される少なくとも1種のノルボルネン系化合物(B)との付加共重合により得られるシクロオレフィンコポリマーであって、数平均分子量が50000〜1000000であり、かつノルボルネン系化合物(B)に由来する繰り返し単位が前記コポリマー中の55〜80モル%であるシクロオレフィンコポリマー。
    Figure 2009227810
    (一般式(1)中、R、R、R、Rは、それぞれ独立に水素原子または−L−OC(O)−R’’、−L−C(O)OR’’、−L−OR’’、−L−OC(O)OR’’、−L−C(O)R’’、−L−O−L−O−R’’および−L−CNよりなる群から選ばれる官能性置換基であり、ここでLは単結合または2価の連結基であり、R’’は水素原子または直鎖状または分岐鎖状の炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、RとRはそれらが結合している環員炭素原子と一緒になって無水物またはジカルボキシイミド基を形成することができる。ただし、R〜Rの少なくとも1つは前記官能性置換基である。)
  2. 前記一般式(1)において、官能性置換基が−L−OC(O)−R’’または−L−C(O)OR’’である請求項1記載のシクロオレフィンコポリマー。
  3. 前記Lが単結合または置換もしくは無置換メチレンである請求項1または2記載のシクロオレフィンコポリマー。
  4. 前記R’’がCHである請求項1〜3のいずれかに記載のシクロオレフィンコポリマー。
  5. 前記非シクロオレフィンモノマー(A)がエチレンである請求項1〜4のいずれかに記載のシクロオレフィンコポリマー。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のシクロオレフィンコポリマーからなるフィルム。
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