JP2009227774A - ピラゾロトリアゾール系アゾメチン誘導体およびそれを用いた感熱転写記録用色素 - Google Patents

ピラゾロトリアゾール系アゾメチン誘導体およびそれを用いた感熱転写記録用色素 Download PDF

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Abstract

【課題】安価でかつ耐光性にも優れる、新規なピラゾロトリアゾール系アゾメチン誘導体を提供する。
【解決手段】下記式(I)で表されるピラゾロトリアゾール系アゾメチン誘導体とする(式中、Rは、アルキル基またはアリール基を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、カルボニル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、カルバモイル基、アリールアミン基、アリールニトロ基、またはアリールアミド基を表し、Rは、水素原子またはアルキル基を表し、Y〜Yは、それぞれ独立して、窒素原子、またはCHもしくはRを置換した炭素原子を表すが、Y〜Yの少なくとも1つは窒素原子である。)。
【選択図】なし

Description

本発明は、感熱転写記録用色素に関し、より詳細には、安価でかつ耐光性にも優れる、新規なピラゾロトリアゾール系アゾメチン誘導体およびその製造方法に関する。
感熱昇華転写方式は、昇華性染料 をバインダー樹脂に溶解又は分散させた染料層を基材に担持した熱転写フィルムを使用し、この熱転写フィルムを受像フィルムに重ねてサーマルヘッド等の加熱デバイスに画像情報に応じたエネルギーを印加することにより、熱転写フィルム上の染料層中に含まれる昇華性染料を受像フィルムに移行させて画像を形成する方法である。
この感熱昇華転写方式は、熱転写フィルムに印加するエネルギー量によってドット単位で染料の移行量を制御できるため、階調性画像の形成に優れるとともに、文字や記号等の形成が簡便である等の利点を有している。
このような熱転写方式において得られる画像は銀塩写真と同様に高画質なものが形成可能となっており、それにつれて、画像の光・熱・湿度などの因子による画質劣化防止への要求が極めて高くなってきており、画像保存性を改良するための種々の昇華性染料の開発が行われている。
例えば、特開平6−106868号公報(特許文献1)には、マゼンタ色素であるピラゾロトリアゾール系アゾメチン色素として、色再現性に優れるとともに耐光性にも優れる、1H−ピラゾロ〔5,1−C〕〔1,2,4〕トリアゾール環をカプラーとしたアゾメチン色素が提案されている。
しかしながら、上記色素の原料となる1H−ピラゾロ〔5,1−C〕〔1,2,4〕トリアゾール環カプラー化合物が高価であるため、当該カプラーを用いたアゾメチン色素にはコスト上の問題があった。
一方、1H−ピラゾロ〔5,1−b〕〔1,2,4〕トリアゾール環とジエチルアニリンとがアゾメチン結合を介して結合した構造のピラゾロトリアゾール系アゾメチン色素が知られている(特許文献2:特許第2069761号公報)。この色素は、原料カプラーとして1H−ピラゾロ〔5,1−b〕〔1,2,4〕トリアゾール環化合物を用いるため比較的安価であるが、耐光性が不十分な場合があった。
特開平6−106868号公報 特許第2069761号公報
本発明者らは、比較的安価に入手可能な1H−ピラゾロ〔5,1−b〕〔1,2,4〕トリアゾール環カプラーとし、アゾメチン結合基に複素環基を含む特定構造の化合物を用いることにより、安価でかつ耐光性にも優れるピラゾロトリアゾール系アゾメチン色素を実現できる、との知見を得た。本発明は係る知見によるものである。
したがって、本発明の目的は、安価でかつ耐光性にも優れる、新規なピラゾロトリアゾール系アゾメチン誘導体を提供することである。
また、本発明の別の目的は、上記化合物を用いた感熱転写記録用色素を提供することである。
また、本発明の別の目的は、上記感熱転写記録用色素を用いた熱転写記録材料を提供することである。
本発明によるピラゾロトリアゾール系アゾメチン誘導体は、下記式Iで表されるものである。
Figure 2009227774
(式中、
は、アルキル基またはアリール基を表し、
は、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、カルボニル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、カルバモイル基、アリールアミン基、アリールニトロ基、またはアリールアミド基を表し、
は、水素原子またはアルキル基を表し、
〜Yは、それぞれ独立して、窒素原子、またはCHもしくはRを置換した炭素原子を表すが、Y〜Yの少なくとも1つは窒素原子である。)。
本発明においては、前記式IのRがアルキル基、アリールニトロ基、またはアリールアミド基であることが好ましい。
また、本発明においては、前記式IのRが分枝鎖を有するアルキル基であることが好ましい。
さらに、本発明においては、前記式IのRがメチル基であることが好ましい。
また、本発明の別の態様においては、上記ピラゾロトリアゾール系アゾメチン誘導体を製造する方法であって、下記式IIで表される化合物と下記式IIIで表される化合物とを、過硫酸ナトリウムの存在化で反応させることを含んでなるものである。
Figure 2009227774
Figure 2009227774
(式中、R〜RおよびY〜Yは、上記の定義と同じである。)
さらに、本発明の別の態様において、上記ピラゾロトリアゾール系アゾメチン誘導体を含んでなる、感熱転写記録用色素も提供される。
また、本発明の別の態様において、基材と、その基材の一方の面に、色素とバインダー樹脂とを含んでなる熱転写性色材層とを備えた熱転写シートであって、
前記色素が、上記ピラゾロトリアゾール系アゾメチン誘導体を含んでなる、熱転写シートも提供される。
本発明によれば、安価でかつ耐光性にも優れる、ピラゾロトリアゾール系アゾメチン誘導体を実現できる。また、本発明の製造方法によれば、簡易かつ安価な方法によりピラゾロトリアゾール系アゾメチン誘導体を製造することができる。
以下、本発明によるピラゾロトリアゾール系アゾメチン誘導体を説明する。
本発明によるピラゾロトリアゾール系アゾメチン誘導体は、下記式Iで表されるものである。
Figure 2009227774
式中、Rは、アルキル基またはアリール基を表す。アルキル基としては、分岐鎖を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、アリール基は置換基を有していてもよい。
また、これらの中でも、Rがアルキル基の場合は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、特にRが分基鎖を有するt−ブチル基が好ましい。
は、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、カルボニル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、カルバモイル基、アリールアミン基、アリールニトロ基、またはアリールアミド基を表す。またこれらの基はさらに置換基を有していてもよい。好ましい態様としては、Rはアルキル基、アリールニトロ基、またはアリールアミド基であり、これらの中でも、製造コストの観点からは、Rはメチル基であることがより好ましく、また、製造の簡便性の観点からは、N置換アリール基であることがより好ましい。
は、水素原子またはアルキル基を表し、アルキル基としては炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。これらの中でも、メチル基がより好ましい。
〜Yは、それぞれ独立して、窒素原子、またはCHもしくはRを置換した炭素原子を表すが、Y〜Yの少なくとも1つは窒素原子である。すなわち、1H−ピラゾロ〔5,1−b〕〔1,2,4〕トリアゾール環化合物へのアゾメチン結合基として、ピリジル基(Y〜Yのいずれか一つが窒素原子であり、それ以外は全て炭素原子)、ピラジニル基(Y〜Yのいずれか二つが窒素原子であり、それ以外は全て炭素原子)、トリアジニル基(Y〜Yのいずれか三つが窒素原子であり、Y〜Yのいずれか一つが炭素原子)、テトラジニル基(Y〜Yの全てが窒素原子)が挙げられるが、これらの中でもピリジル基であることが好ましい。本発明においては、1H−ピラゾロ〔5,1−b〕〔1,2,4〕トリアゾール環化合物へのアゾメチン結合基として、アリール基ではなく、含窒素環状置換基とすることにより、優れた耐光性と安価な製造コストを両立させたものである。
本発明によるピラゾロトリアゾール系アゾメチン誘導体は、下記の合成スキームに示されるように、下記式IIで表される1H−ピラゾロ〔5,1−b〕〔1,2,4〕トリアゾールカプラーと、式IIIの化合物とを、過硫酸ナトリウムの存在化で酸化カップリング反応させることにより得ることができる。
Figure 2009227774
カプラーである1H−ピラゾロ〔5,1−b〕〔1,2,4〕トリアゾールは、特開昭64−6274号公報や特開平8−109181号公報に記載の方法により容易に得ることができる。
これら本発明において用いるカプラーは、1H−ピラゾロ〔5,1−C〕〔1,2,4〕トリアゾールカプラーと比較して、非常に安価に合成または入手できるものである。そのため、上記の合成スキームに従い、安価かつ簡易に式Iで表されるピラゾロトリアゾール系アゾメチン色素を合成することができる。
(熱転写シート)
次に、本発明による熱転写シートについて説明する。
本発明による熱転写シートは、基材と、その基材の一方の面に、色素とバインダー樹脂とを含んでなる熱転写性色材層とを備え、色素として、上記した新規のピラゾロトリアゾール系アゾメチン誘導体を含んでなるものである。
基材は、従来の熱転写シートに使用されている物と同様の基材を用いることができ、特に限定されるものではない。好ましい基材の具体例としては、グラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙等の薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等のプラスチックの延伸もしくは未延伸フィルムや、これらの材料を積層したものなどが挙げられる。
基材の厚さは、強度、熱伝導性、耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。基材は、この表面に形成する熱転写性色材層との密着が乏しい場合には、その表面にプライマー処理(プライマー層の形成)や、コロナ処理を施すことが好ましい。
本発明において、基材の一方の面に設ける熱転写性色材層に含有させる感熱転写記録用色素として上記した色素を用いが、他の公知の色素を含有していてもよい。他の色素としては、従来公知の昇華性または熱拡散性の色素であれば任意のものを適宜使用できる。
昇華性または熱拡散性の色素として、具体的には、例えばアゾ系、アントラキノン系、ニトロ系、スチリル系、ナフトキノン系、キノフタロン系、アゾメチン系、クマリン系、縮合多環系化合物等の、各種非イオン性の色素が挙げられる。
熱転写性色材層に用いられるバインダー樹脂は、セルロース系、ポリアクリル酸系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系等の水溶性ポリマー、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、エチルセルロース、ニトロセルロース等の有機溶媒に可溶のポリマーが挙げられる。これらの樹脂の中でも、保存性の優れたポリビニルブチラール、ポリビニルアセタールあるいはセルロース系樹脂が好ましい。有機溶剤に可溶のポリマーを用いる場合、1種又は2種以上を有機溶媒に溶解して用いるだけでなく、ラテックス分散の形で使用してもよい。バインダー樹脂の使用量としては、基材1mあたり0.1g〜50gが好ましい。
受像層との離型性を向上させるために、離型剤を添加したり、あるいは離型層を設けてもよい。離型剤としては、反応硬化型シリコーン、燐酸エステル系界面活性剤、フッ素化合物等を用いることが出来る。離型剤の使用量は、含有させる層の固形分に対し、0.5〜40質量%が好ましい。又、離型層を設ける場合、バインダーは上記色素供与層に用いられるものと同様のものが使用可能である。
熱転写性色材層は、例えば色素とバインダー樹脂とを溶剤に溶解混合又は分散処理させて熱転写性色材層形成用インクを調整し、これをベースフィルムに塗布・乾燥して得られる。
このインクに使用される溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;イソプロパノール、ブタノール、メチルセロソルブなどのアルコール系溶剤;ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;ジメチルホルムアミド、N‐メチルピロリドン等のアミド系溶剤;が挙げられる。またインクには、必要に応じて、従来公知の各種添加剤を含有させてもよい。
基材上に形成する熱転写性色材層の厚みは、乾燥後膜厚が通常0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上、10μm以下、好ましくは5μm以下である。また、熱転写性色材層中の色素含有量は、熱転写性色材層の全固形分(熱転写性色材層用インクから溶剤を除いた成分)中において5重量%以上、好ましくは20重量%以上、70重量%以下、好ましくは60重量%以下である。
また基材の他方の面(熱転写性色材層を設けた面の反対面)には、耐熱滑性相を設けてもよい。耐熱滑性層の厚さは通常、0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上、10μm以下、好ましくは5μm以下である。
耐熱滑性層は、通常、バインダー樹脂、微粒子および滑剤等の添加剤を含むものである。バインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂、又は熱可塑性樹脂等からなるバインダー樹脂が用いられる。
熱硬化性樹脂としては、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などの活性水素を有する樹脂とイソシアネートなどの架橋体などが挙げられる。光硬化性樹脂としては、ポリエステルアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリオールアクリレート樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂としてはガラス転移温度が50℃以上の熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的にはアクリル樹脂、塩化ビニル共重合体、アクリロニトリル‐スチレン共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアセタール樹脂などが挙げられる。
微粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化チタンなどの無機粒子や、シリコーン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機微粒子などが挙げられる。
滑剤としては、各種変性シリコーンオイルや燐酸エステル系、脂肪酸金属塩系界面活性剤等が用いられる。また耐熱滑性層には、必要に応じて有機または無機の非昇華性粒子、分散剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、消泡剤、酸化防止剤、粘度調節剤などの添加剤を添加することができる。
更には、熱転写記録にレーザー光線等のエネルギー線を用いる場合には、熱転写性色材層中に光熱変換材を含有させるか、または熱転写性色材層とベースフィルム間に光熱変換材含有層を設ければよい。光熱変換材としては赤外線吸収剤やカーボンブラック等が挙げられる。
これら基材上に設ける熱転写性色材層や耐熱滑性層等の各層の形成方法は任意であり、またその形成は逐次または同時に行ってもよい。一般的には、熱転写性色材層や耐熱滑性層の組成物を塗布・乾燥して形成する。この塗布方法としては例えば、グラビアコーター、リバースコーター、エアドクターコーター等、従来公知の任意の方法を用いることが出来る。
(熱転写記録方法、被記録材)
本発明の熱転写シートは、従来公知の熱転写記録方法に供して、熱転写記録を行うことができる。熱転写性色材層中の色素を被記録材上へ移行させるための熱源としては、ライン型サーマルヘッドやレーザー光線が使用できる。
本発明による熱転写シートは、従来公知の任意の熱転写記録用被記録材上に画像を形成できる。被記録材は通常、基材の少なくとも一方の面に受像層が設けられている。基材は通常、合成紙、セルロース紙、キャストコート紙、フィルム、セルロース紙の両側に合成紙を貼り合わせたものが用いられている。色材層との密着性が高い方が記録時の色素の転写が均一に行われることから、その表面は平滑であることが好ましく、できればベック平滑度で10000秒以上の基材を用いることが好ましい。この点から合成紙やフィルムを使用した基材が好ましい。
受像層は樹脂を主体とした層で、色素を受容して画像を形成する役目を持つ。樹脂としては色素の染まりやすい樹脂が好ましく。例えば、酢ビ樹脂、塩酢ビ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル‐スチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等が挙げられる。これらは併用して用いることが可能である。ガラス転移点の低すぎる樹脂を使用すると画像が保存時に滲む場合があるので、ガラス転移点が35℃以上の樹脂を用いることが好ましい。
受像層には樹脂の他に、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、樹脂を硬化させるためのイソシアネート等の硬化剤、熱転写時の色材層との融着防止の為に添加されるシリコーンなどの剥離剤、耐光性を上げるための紫外線吸収剤、耐候性向上の為の酸化防止剤等を挙げることができる
実施例1
(色素の合成)
下記化合物A−1を、特開昭64−6274号公報に記載の方法によって製造した。また、下記化合物B−1としてPYCD(P.I.Industries社)を用いた。
化合物A−1を1.78g(0.01mol)と化合物B−1を3.03g(0.12mol)とを、メタノール50ml中に溶解させ、この溶液に、苛性ソーダ2.79g(0.07mol)の水溶液10ml、および過硫酸ナトリウム5.95g(0.025mol)の水溶液80mlを滴下し、室温で1時間攪拌した。攪拌後、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を、水250ml中で懸濁させた。その後、THF溶液40ml中に溶解させ、メタノール溶液280ml中に移すことにより、目的とする化合物1を2.53g(収率72%)得た。
Figure 2009227774
得られた化合物について、1H−NMRおよびマススペクトル測定を行い、得られた化合物が化合物1の構造であることを確認した。NMRの測定結果(CDCl)は以下の通りであった。δ(ppm):9.23(2H,d),6.63(2H,d),3.67(4H,m),2.68(3H,s),2.51(3H,s),1.55(9H,s),1.32(6H,t)
(熱転写シートの作製)
熱転写性色材層インキ組成物として、上記で得られた色素2.5重量部、ポリビニルアセタール樹脂3.5重量部、トルエン47重量部、メチルエチルケトン47重量部を混合攪拌して得られたインクを、厚さ4μmの基材(4WF597、東レ製)上にバーコーターを用いて、塗布量が0.5g/mとなるように塗布し乾燥させて熱転写シートを作製した。
(受像紙の作製)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(ソルバインC、日信化学工業製)20部と、エポキシ変性シリコーン(X−22−3000T、信越化学工業製)2部と、トルエン/メチルエチルケトン(1:1混合物)78部とを混合攪拌して得られた組成物を、厚み150μmのポリプロピレン製合成紙(商品名:ユポFPG150、ユポ・コーポレーション製)にバーコーターを用いて、乾燥後の膜厚が5μmになるよう、塗布、乾燥し、さらにオーブン中で80℃12時間処理して受像紙を得た。
(印字条件)
作製した熱転写シートを用いて、熱転写プリンタ(CP740、キャノン製)により、受像紙に印字を行った。
(耐光性評価試験)
印字された印字物に、キセノンフェードメーター(CI4000、アトラス製)を用いて、200kJ(420nm積算値)で24時間照射を行った。なお、フィルターとしてCIRAのソーダライムを用いた。
光照射前後の印字物について、分光測色計(Spectrolino、GretagMacbeth製)を用いて光学濃度を測定し、以下の式により濃度残存率を算出した。
濃度残存率=(照射後の光学濃度)/(照射前の光学濃度)×100
結果は下記の表1に示される通りであった。
実施例2
化合物A−1に代えて、下記の化合物A−2を用いた以外は、実施例1と同様にして化合物2を3.72g(収率69%)得た。
化合物A−2は、特開平8−109181号公報に記載の方法により製造した。
1H−NMRおよびマススペクトル測定を行い、得られた化合物が化合物2の構造であることを確認した。
Figure 2009227774
得られた化合物2を用いて、実施例1と同様にして耐光性評価試験を行った。得られた結果は以下の表1に示される通りであった。
実施例3
化合物A−1に代えて、下記の化合物A−3を用いた以外は、実施例1と同様にして化合物3を2.84g(収率53%)得た。
化合物A−3は、特開平8−109181号公報に記載の方法により製造した。
1H−NMRおよびマススペクトル測定を行い、得られた化合物が化合物3の構造であることを確認した。
Figure 2009227774
得られた化合物3を用いて、実施例1と同様にして耐光性評価試験を行った。得られた結果は以下の表1に示される通りであった。
実施例4
化合物A−1に代えて、下記の化合物A−4を用いた以外は、実施例1と同様にして化合物4を2.15g(収率47%)得た。
化合物A−4は、特開平8−109181号公報に記載の方法により製造した。
1H−NMRおよびマススペクトル測定を行い、得られた化合物が化合物4の構造であることを確認した。
Figure 2009227774
得られた化合物4を用いて、実施例1と同様にして耐光性評価試験を行った。得られた結果は以下の表1に示される通りであった。
実施例5
化合物A−1に代えて、下記の化合物A−5を用いた以外は、実施例1と同様にして化合物5を1.72g(収率32%)得た。
化合物A−5は、特開平8−109181号公報に記載の方法により製造した。
1H−NMRおよびマススペクトル測定を行い、得られた化合物が化合物5の構造であることを確認した。
Figure 2009227774
得られた化合物5を用いて、実施例1と同様にして耐光性評価試験を行った。得られた結果は以下の表1に示される通りであった。
実施例6
化合物A−1に代えて、下記化合物A−6を用いた以外は、実施例1と同様にして化合物6を2.27g(収率43%)得た。
化合物A−6は、特開平8−109181号公報に記載の方法により製造した。
1H−NMRおよびマススペクトル測定を行い、得られた化合物が化合物6の構造であることを確認した。
Figure 2009227774
得られた化合物6を用いて、実施例1と同様にして耐光性評価試験を行った。得られた結果は以下の表1に示される通りであった。
実施例7
化合物A−1に代えて、下記の化合物A−7を用いた以外は、実施例1と同様にして化合物7を1.23g(収率33%)得た。
化合物A−7は、特開平8−109181号公報に記載の方法に準じて、下記の反応により化合物7を得た。
1H−NMRおよびマススペクトル測定を行い、得られた化合物が化合物7の構造であることを確認した。
Figure 2009227774
得られた化合物7を用いて、実施例1と同様にして耐光性評価試験を行った。得られた結果は以下の表1に示される通りであった。
比較例1
色素として、下記式で表されるマゼンタ色素(特許第3013137号公報の実施例に記載のD−9の色素)を用いた以外は、実施例1と同様にして耐光性評価試験を行った。得られた結果は下記の表1に示される通りであった。
Figure 2009227774
比較例2
色素として、下記式で表されるマゼンタ色素(特許第3013137号公報の実施例に記載の方法に準じて合成した色素)を用い、光照射強度を200kJ(420nm積算値)に変更した以外は、実施例1と同様にして耐光性評価試験を行った。得られた結果は下記の表1に示される通りであった。
Figure 2009227774
Figure 2009227774

Claims (7)

  1. 下記式Iで表されるピラゾロトリアゾール系アゾメチン誘導体:
    Figure 2009227774
    (式中、
    は、アルキル基またはアリール基を表し、
    は、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、カルボニル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、カルバモイル基、アリールアミン基、アリールニトロ基、またはアリールアミド基を表し、
    は、水素原子またはアルキル基を表し、
    〜Yは、それぞれ独立して、窒素原子、またはCHもしくはRを置換した炭素原子を表すが、Y〜Yの少なくとも1つは窒素原子である。)。
  2. 前記式IのRが、アルキル基、アリールニトロ基、またはアリールアミド基である、請求項1に記載の誘導体。
  3. 前記式IのRが分枝鎖を有するアルキル基である、請求項1または2に記載の誘導体。
  4. 前記式IのRがメチル基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の誘導体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の誘導体を製造する方法であって、下記式IIで表される化合物と下記式IIIで表される化合物とを、過硫酸ナトリウムの存在化で反応させることを含んでなる、方法。
    Figure 2009227774
    Figure 2009227774
    (式中、R〜RおよびY〜Yは、上記の定義と同じである。)
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のピラゾロトリアゾール系アゾメチン誘導体を含んでなる、感熱転写記録用色素。
  7. 基材と、その基材の一方の面に、色素とバインダー樹脂とを含んでなる熱転写性色材層とを備えた熱転写シートであって、
    前記色素が、請求項1〜4のいずれか一項に記載のピラゾロトリアゾール系アゾメチン誘導体を含んでなる、熱転写シート。
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