JP2007098695A - 熱転写シート - Google Patents

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Mitsuru Maeda
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Abstract

【課題】 昇華性染料を使用する熱転写方法において、鮮明性及び諸堅牢性に優れ、特に発色濃度及び耐光性に優れたフルカラー画像を与える熱転写シートを提供する。
【解決手段】 基材シート及び該基材シートの一方の面に形成された染料担持層からなり、該染料担持層が含有するマゼンタ染料が下記一般式(I):
【化1】
Figure 2007098695

(式中、R及びRはそれぞれ独立して炭素数2以上のアルキル基を表し、Rはアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で表されるアゾ化合物を含むことを特徴とする熱転写シート。

Description

本発明は、熱転写シートに関する。
従来、種々の熱転写記録方法が知られているが、それらの中でも、昇華転写用染料を適当なバインダーで担持させた染料層を基材シート上に有する熱転写シートから昇華染料で染着可能な被転写材からなる染料受容層を有する熱転写受像シート上に昇華染料を熱転写し、各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されている。この昇華転写による熱転写記録方式は、一般に、プリンターのサーマルヘッドを加熱手段とする加熱によって、3色又は4色の多数の加熱量が調整された色ドットを熱転写受像シートの染料受容層に転移させ、該多色の色ドットにより原稿のフルカラーを再現するものである。このように形成された画像は、使用する色材が染料であることから、非常に鮮明で、かつ透明性に優れているため、得られる画像は中間色の再現性や階調性に優れ、従来のオフセット印刷やグラビア印刷による画像と同様であり、かつフルカラー写真画像に匹敵する高品質画像の形成が可能である。
このような昇華転写による熱転写記録方式に関し、熱転写プリンターの印字速度の高速化が進むに従って、今までの熱転写シートでは充分な印字濃度が得られないという問題が生じてきた。また、熱転写による画像の印画物に対し、より高濃度で鮮明なものが要求されている。
アゾ化合物は、安定性のあるマゼンタ色染料として熱転写シートに従来より使用されているが、染料インキ中の溶剤への溶解度が低いので、更なる感度向上を目的として熱転写シートの染料層における染料/樹脂(Dye/Binder)比を大きくしようとした場合、常温で析出するので多量に添加できず、染料/樹脂比を上げにくい問題があった。
溶解性を改良したアゾ化合物も提案されているが(例えば、特許文献1参照。)、耐光性が不充分であり、また鮮明なマゼンタ色を発色しない問題があった。
特開平5−212978号公報(実施例17)
本発明の目的は、上記現状に鑑み、昇華性染料を使用する熱転写方法において、鮮明性及び諸堅牢性に優れ、特に発色濃度及び耐光性に優れたフルカラー画像を与える熱転写シートを低コストで提供することである。
本発明は、基材シート及び該基材シートの一方の面に形成された染料担持層からなり、該染料担持層が含有するマゼンタ染料が下記一般式(I):
Figure 2007098695
(式中、R及びRはそれぞれ独立して炭素数2以上のアルキル基を表し、Rはアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で表されるアゾ化合物を含むことを特徴とする熱転写シートである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の熱転写シートは、基材シート及び該基材シートの一方の面に形成された染料担持層からなるものである。
本発明の熱転写シートは、マゼンタ染料を含有する染料担持層を有し、且つ、該マゼンタ染料の少なくとも1種が上記一般式(I)で表わされるアゾ化合物であれば、それ以外の構成は従来公知の熱転写シートの構成と同様でよい。
上記染料担持層は、例えば、図1に示すように、基材シートの片面に単一の染料担持層を設けたもの(実施形態5)であってもよいし、同一基材シート上にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等、複数の染料担持層を面順次に繰り返し設けたもの(実施形態3)であってもよいし、1つ又は複数の染料担持層並びに転写性保護層積層体及び/又は熱溶融性インキ層を面順次に設けたもの(実施形態1,2及び4)であってもよい。
(染料担持層)
上記染料担持層は、染料をバインダーにより担持してなる層である。
本発明の熱転写シートは、同一基材シート上に複数の染料担持層を有する場合は上記染料担持層として、所望の染料を含有する層を1種のみ有するものであってもよいし、所望の染料を含有する層を2種以上有するものであってもよいが、上記一般式(I)で表されるアゾ化合物を含む層を少なくとも1つ有するものである。
上記一般式(I)において、R及びRは、それぞれ独立して炭素数2以上のアルキル基である。
上記アルキル基の例としては、エチル基、n−プロビル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の直鎖アルキル基;iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、3−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、3,2−ジメチルブチル基、3,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,1−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2,1−トリメチルプロピル基、2,1,1−トリメチルプロピル基等の分岐アルキル基;等が挙げられる。
上記R及びRとしては、それぞれ炭素数2〜8の直鎖又は分岐アルキル基が好ましく、炭素数3〜5の直鎖又は分岐アルキル基、とりわけ炭素数3〜5の分岐アルキル基が特に好ましい。
上記一般式(I)において、Rはアルキル基を表す。
上記Rのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の直鎖アルキル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、3−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、3,2−ジメチルブチル基、3,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,1−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2,1−トリメチルプロピル基、2,1,1−トリメチルプロピル基等の分岐アルキル基が挙げられる。
上記Rとしては、炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖又は分岐アルキル基が特に好ましい。
上記一般式(I)において、Xはハロゲン原子を表す。
上記Xのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
上記Xとしては、塩素原子又は臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
本発明の熱転写シートにおいて、上記一般式(I)で表されるアゾ化合物は、R及びRが炭素数2〜8のアルキル基であり、Rが炭素数1〜5のアルキル基であり、Xが塩素原子又は臭素原子であることが好ましい。
上記一般式(I)で表されるアゾ化合物の製造方法の例を下記に説明する。
はじめに、下記一般式(II):
Figure 2007098695
(式中、Xは、上記定義に同じ。)
で示されるアニリン類を酸溶媒に溶解した後、ニトロシル硫酸を滴下し、ジアゾ化を行い、ジアゾ液を得る。
上記酸溶媒としては、硫酸、リン酸、塩酸、酢酸、プロピオン酸又はこれらの酸の混合物等を使用することができる。
上記酸溶媒の使用量は、上記アニリン類の重量に対し同量〜10倍重量、好ましくは同量〜5倍重量である。
上記ニトロシル硫酸の使用量は、上記一般式(II)で示されるアニリン類のモル量に対し0.8〜1.2倍モル、好ましくは0.95〜1.1倍モルである。
上記アニリン類のジアゾ化において、滴下温度及び反応温度は、一般に−10〜30℃、好ましくは−5〜10℃であり、反応時間は、一般に0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間である。
次に、得られたジアゾ液を下記一般式(III)
Figure 2007098695
(式中、R、R及びRは、上記定義に同じ。)
で示される化合物とカップリング反応させる。
上記カップリング反応は通常、酸性条件下、水性溶媒中で行われる。
上記カップリング反応は、例えば、硫酸、リン酸、塩酸、酢酸、プロピオン酸又はこれらの酸の混合物等を含有する水性溶媒中、上記一般式(III)で示される化合物を溶解又は分散し、上記ジアゾ液を混合することにより実施される。
上記一般式(III)で示される化合物の使用量は、上記一般式(II)で示されるアニリン類のモル量に対し一般に0.9〜1.3倍モル、好ましくは1.0〜1.2倍モルである。
上記カップリング反応において、上記ジアゾ液の滴下温度及び反応温度は、一般に−10〜30℃、好ましくは−5〜10℃であり、反応時間は0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間である。
更に、得られたカップリング反応液にアルカリ水溶液、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液を加え、析出物を濾取、水洗、乾燥し、下記一般式(IV)
Figure 2007098695
(式中、R、R、R及びXは、上記定義に同じ。)
で示されるアゾ化合物を得る。
最後に、上記一般式(IV)のアゾ化合物の臭素原子をシアノ化することにより、目的とする一般式(I)のアゾ化合物を得ることができる。
上記シアノ化反応は、極性溶媒中、シアン化銅(I)を反応させて行う。
上記極性溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、スルホラン等が使用できる。
上記シアン化銅(I)の使用量は、一般に、上記一般式(IV)で示されるアゾ化合物のモル量に対し2.0〜2.5倍モルである。
上記シアノ化反応において、反応温度は一般に50〜150℃、好ましくは70〜90℃であり、反応時間は、一般に1〜5時間である。
更に、上記シアノ化反応液を水中に排出し、析出物を濾取、水洗した後、トルエン等の有機溶媒で抽出後、抽出液を濾過することにより金属分を除き、有機層を濃縮し、n−へプタン等の脂肪族炭化水素類で分散処理することにより、目的の上記一般式(I)で表されるアゾ化合物を精製、回収することができる。
上記一般式(I)で表されるアゾ化合物の具体例を表1に示す。これらの具体例は本願の範囲を限定するものではない。
Figure 2007098695
Figure 2007098695
本発明において、上記一般式(I)のアゾで表される化合物を含有する染料担持層は、染料として上記一般式(I)のアゾ化合物を1種のみ含むものであってもよいし、2種以上含むものであってもよいし、上記アゾ化合物に加え、上記一般式(I)以外の構造を有する染料化合物を含むものであってもよい。
上記一般式(I)以外の構造を有する化合物からなる染料は、従来公知の昇華転写型熱転写シートに使用可能な染料であって、熱により昇華移行するものであれば特に限定されず、色相、印画感度、耐光性、保存性、バインダーへの溶解性等を考慮して適宜選択することができる。
上記一般式(I)以外の構造を有する染料としては、例えば、ジアリールメタン系色素;トリアリールメタン系色素;チアゾール系色素;メロシアニン系色素;ピラゾロンメチン等のメチン系色素;インドアニリン系色素;アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系色素;キサンテン系色素;オキサジン系色素;ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノスチレン系色素;チアジン系色素;アジン系色素;アクリジン系色素;ベンゼンアゾ系色素;ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等の上記一般式(I)以外のアゾ系色素;スピロピラン系色素;インドリノスピロピラン系色素;フルオラン系色素;ローダミンラクタム系色素;ナフトキノン系色素;アントラキノン系色素;キノフタロン系色素;等が挙げられる。
上記染料担持層におけるバインダー樹脂としては、従来公知のバインダー樹脂のいずれも使用でき、好ましいものを例示すれば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。これらの中で、耐熱性、染料の移行性等の観点から、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリエステル系樹脂及びフェノキシ樹脂等が特に好ましい。
本発明では、上述のバインダー樹脂に加え、次のような離型性グラフトコポリマーを離型剤又はバインダーとして用いることができる。
上記離型性グラフトコポリマーは、一般に、ポリシロキサンセグメント、フッ化炭素セグメント、フッ化炭化水素セグメント及び長鎖アルキルセグメントからなる群より選択された少なくとも1種の離型性セグメントを上述のバインダー樹脂のポリマー主鎖にグラフト重合させてなるものである。
これらのうち、特に好ましいのはポリビニルアセタール樹脂からなるポリマー主鎖にポリシロキサンセグメントをグラフトさせて得られたグラフトコポリマーである。
本発明において、上記染料担持層は、上記染料、バインダーと、その他必要に応じて従来公知の各種添加剤を加えてもよい。
該添加剤として、例えば、受像シートとの離型性やインキの塗工適性を向上させるために添加するポリエチレンワックス等の有機微粒子、無機微粒子、燐酸エステル、シリコーンオイル等の離型剤が挙げられる。
本発明において、上記染料担持層は、通常、適当な溶剤中に上記染料、バインダーと、必要に応じて添加剤を加えて、各成分を溶解又は分散させて塗工液を調製し、その後、この塗工液を基材シートの上に塗布、乾燥させて形成することができる。
上記一般式(I)のアゾ化合物は、トルエン、メチルエチルケトン、乳酸メチル等、染料担持層塗工液に汎用される有機溶剤の種類を問わず溶解性が高いので、熱転写シートの染料として使用する場合、高い染料/樹脂比の染料担持層にすることができる。この点、本発明の熱転写シートは、上記一般式(I)のアゾ化合物を染料として用いることにより、染料/樹脂比が高い染料担持層を有するので、転写時の感度が良く、発色濃度にも優れている。
上記塗工液は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用いて塗工することができる。
本発明において、上記染料担持層は、乾燥後塗布量を一般に0.2〜6.0g/m、好ましくは0.3〜3.0g/m程度とすることができる。
(基材シート)
本発明の熱転写シートにおける基材シートとしては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであれば何れのものでもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。
上記基材シートは、一般に0.5〜50μm、好ましくは1〜10μm程度の厚みを有する。
上記基材シートにおいて、例えば図2(a)に示すように、染料担持層を形成する面に接着処理を施していてもよい。
上記基材シートにおけるプラスチックフィルムは、その上に染料担持層を塗布して形成する場合、塗工液の濡れ性、接着性等が不足しやすいので、接着処理を施すことが好ましい。
上記接着処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等、公知の樹脂表面改質技術をそのまま適用することができる。また、それらの処理を二種以上併用することもできる。
更に、上記基材シートの接着処理として、基材シート作製後、基材シート上に接着層を塗工して形成することも可能である。
上記接着層は、例えば、以下の有機材料及び無機材料から形成することができる。上記有機材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン及びその変性体等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。
上記無機材料としては、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナあるいはアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、疑ベークマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等のコロイド状無機顔料超微粒子等が挙げられる。
上記接着処理は、基材シート作製時プラスチックフィルムを延伸処理して使用する際、未延伸フィルムにプライマー液を塗布し、その後に延伸処理をすることで作製することもできる。
(耐熱滑性層)
本発明の熱転写シートは、例えば図2(b)に示すように、基材シートの染料担持層と反対側の面にサーマルヘッドの熱によるステッキングや印字しわ等の悪影響を防止するため、耐熱滑性層を設けることができる。
上記耐熱滑性層は、一般に、耐熱性樹脂からなるものである。
上記耐熱滑性層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリオール高分子化合物、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
耐熱活性層の耐熱性を高めるために架橋剤としてポリイソシアネート化合物等を併用し架橋樹脂層とすることが望ましい。
上記耐熱滑性層は、上記耐熱性樹脂に加え、滑り性付与剤をも含有するものであってもよい。
上記滑り性付与剤としては、リン酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げられる。上記滑り性付与剤は、上記耐熱性樹脂に配合せずに耐熱滑性層に上塗りしてもよい。
上記耐熱滑性層は、更に固形あるいは液状の充填剤を添加することがより好ましい。
上記耐熱滑性層としては、耐熱性樹脂としてポリアルコール高分子化合物を含有し、上記滑り性付与剤として及びリン酸エステル系化合物を含有する層が好ましい。
耐熱滑性層は、基材シートの上に、上記耐熱性樹脂、滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤に溶解又は分散させて、耐熱滑性層塗工液を調製し、これを、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗工し、乾燥して形成することができる。耐熱滑性層は、乾燥後塗布量が0.1〜3.0g/mであることが好ましい。
本発明の熱転写シートは、上記一般式(I)で表わされるアゾ化合物を染料担持層に含有してなるものであるので、低コストで作成することができ、鮮明性及び諸堅牢性に優れ、特に発色濃度及び耐光性に優れたフルカラー画像を得ることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。尚、文中、部又は%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
実施例1〜2
厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム〔PET〕に下記耐熱滑性層塗工液を乾燥後塗布量が1.0g/mとなるよう塗布し乾燥させて耐熱滑性層を形成し、該PETの耐熱滑性層と反対側の面に、下記組成の染料担持層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥後塗布量が0.7g/mになるように塗布し、80℃で2分間乾燥して染料担持層を形成した。
<耐熱滑性層塗工液>
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製) 13.6部
ポリイソシアネート硬化剤(タケネートD218 武田薬品工業(株)製) 0.6部
リン酸エステル(プライサーフA208S 第一工業製薬(株)製) 0.8部
メチルエチルケトン〔MEK〕 2.5部
トルエン 2.5部
<染料担持層塗工液>
表2記載の染料 3.0部
ポリビニルアセタール樹脂(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製) 3.5部
MEK .75部
トルエン 46.75部
比較例1〜3
染料担持層塗工液における染料の種類を後述の表2のものに代える以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
試験例
各実施例及び各比較例に使用した染料並びに各実施例及び各比較例から得られた熱転写シートについて、以下の試験を行った。
染料溶解性
トルエン/MEK=1/1(質量比)に各染料を3w/v%にて添加し、50℃にて加熱攪拌して、各染料を完全に溶解させた。得られた液を25℃にて60時間放置した後、染料析出の有無を目視で判断し、溶解性を決定した。
(判断基準)
○;析出無し
×;析出有
熱転写記録テスト
被転写体としてオリンパス(株)製、デジタルカラープリンタ P−400専用A4サイズスタンダードペーパーを用いた。
各熱転写シートの染料担持層と染料受容面とを対向させて重ね合せ熱転写シートの裏面からヘッド引加エネルギー0.2mJ/dotの条件でサーマルヘッドにて熱転写記録を行い、更に保護層としてオリンパス(株)製、デジタルカラープリンタ P−400専用インクリボンパックの保護層を0.15mJ/dotにて転写し、後述の濃度色相と同条件にて発色濃度を測定した。
(評価基準)
○:発色濃度が2.0以下、1.5超
△:発色濃度が1.5以下、1.0超
×:発色濃度が1.0以下
耐光性テスト
上記熱転写記録テストで得られた印画物をキセノンウェザオメター(アトラス社製、Ci4000:ブラックパネル温度45℃、フィルターCIRA,ソーダライム)にて96時間照射を行い、照射前後の色相変化(照射前OD=1のΔE*ab=((照射後L*−照射前L*)+(照射後a*−照射前a*)+(照射後b*−照射前b*)1/2;式中L*,a*,b*はCIE1976L*a*b*表色系(JISZ8729−(1980))に基づく)。
(評価基準)
◎:ΔE*abが4以下
○:ΔE*abが4以上、7未満
△:ΔE*abが7以上、10未満
×:ΔE*abが10以上
濃度色相の測定
上記濃度、色相の測定にはグレタグマクベス社製分光測定器SpectroLinoを用いて測定した(測定条件、濃度:ANSI Status A、色相:光源D65、視野角2°)。
各試験の結果を表2に示す。
Figure 2007098695
実施例1〜2に使用した染料は、上述の一般式(I)で表わされるアゾ化合物であるが、比較例1及び3に使用した染料と同様に溶剤溶解性に優れていることが分かった。更に、実施例1〜2の熱転写シートは、発色濃度及び耐光性の何れにも優れているが、比較例1の熱転写シートは耐光性に劣り、比較例2及び3の熱転写シートは発色濃度に劣ることが分かった。以上より、上記一般式(I)で表わされるアゾ化合物を使用する熱転写シートは、溶剤溶解性に優れた染料を使用しているので、発色濃度及び耐光性の何れにも優れることが分かった。
本発明の熱転写シートは、上記構成からなるものであるので、低コストであり、鮮明性及び諸堅牢性に優れ、特に発色濃度及び耐光性に優れたフルカラー画像を得ることができる。
本発明における染料担持層の実施形態を表す図である。 本発明の熱転写シートの実施形態を表す図である。

Claims (2)

  1. 基材シート及び該基材シートの一方の面に形成された染料担持層からなり、
    該染料担持層が含有するマゼンタ染料が下記一般式(I):
    Figure 2007098695
    (式中、R及びRはそれぞれ独立して炭素数2以上のアルキル基を表し、Rはアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で表されるアゾ化合物を含む
    ことを特徴とする熱転写シート。
  2. 一般式(I)で示されるアゾ化合物は、R及びRが炭素数2〜8のアルキル基であり、Rが炭素数1〜5のアルキル基であり、Xが塩素原子又は臭素原子であるものである請求項1記載の熱転写シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5172345B2 (ja) * 2005-09-30 2013-03-27 山本化成株式会社 新規アゾ化合物

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