JP2009227316A - インモールドラベル方式プラスチック容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】
軽量かつ肉薄化した容器であっても機械的強度に優れ、さらに成形性に優れるインモールドラベル方式のプラスチック容器を提供する。
【解決手段】
プラスチック容器の成形と同時にラベルを容器側面と一体化することにより製造されるインモールドラベル方式のプラスチック容器であって、金型の樹脂注入口から樹脂を注入する際の樹脂流動長さLと容器側面の厚みTとの比L/Tが180以上である肉薄かつ軽量化された容器であって、メルトフローレート(MFR)が45〜120g/10分であって、かつ曲げ弾性率が1300〜2000MPaであり、さらに高速面衝撃吸収エネルギーの全エネルギーが12J以上、かつ、延伸エネルギーが0.65J以上の熱可塑性樹脂より成形され、少なくとも容器の上部から2/5〜4/5の間のラベル合わせ目形状が非直線状、又は容器の上辺および底辺に対して垂直とならない直線状であることに特徴を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、プラスチック容器に関し、具体的には、プラスチック容器の成形と同時にラベルを容器側面と一体化することにより製造されるインモールドラベル方式プラスチック容器であって、軽量かつ肉薄化した容器であっても機械的強度に優れ、さらに成形性に優れることを特徴とするインモールドラベル方式プラスチック容器に関する。
プラスチック容器の側面にラベルを付ける方法としては、射出成形機の金型内にラベルを挿入して、樹脂を射出成形し、プラスチック容器の成形と同時に容器とラベルとを一体成形するインモールドラベル方式が頻繁に用いられている。このインモールドラベル方式により作製されたプラスチック容器は、糊や接着剤が使用されていないので、高温高湿の状況下においてもラベルが剥離することがない。したがって、風呂、トイレ等の湿気の多い場所で用いるプラスチック容器や、シャンプーや洗剤等の容器のように水と共に用いる内容物のためのプラスチック容器として非常に需要が高い。
さらに、インモールドラベル方式の容器は、ラベルと容器との段差を極めて小さくすることが可能であるため、容器全体として優れた意匠性を発揮することができ、ジュースやコーヒー、ヨーグルト等の飲食物用のプラスチック容器としても多く用いられている。
従来、図1(a)に示すように、ラベル2の合わせ目を重ね合わせることなく、数ミリ程度の直線形状の隙間をあけて形成することが行われている(特許文献1)。ラベルの合わせ目3を重ね合わせると、その部分からラベルが剥離してしまう場合があり、また容器全体としての意匠性を損なう場合があるため、ラベル合わせ目に隙間を設ける必要がある。
しかし、ラベルの合わせ目3における数ミリ程度の直線形状の隙間は、その他の部分と比べて強度、特にその合わせ目部分に対して垂直方向に加わる力(図1(a)矢印X)に対する耐圧強度が低く、容器を落としたり、何らかの衝撃が加わった場合には、合わせ目3部分が割れて内容物が漏れてしまうおそれがあった。これは、容器に対して横から力が加わった場合に、加わった力が直線形状のラベル合わせ目3に集中することに起因すると考えられる。
そこで、このようなインモールドラベル方式の容器について、横方向から力が加わった場合にラベル合わせ目3に沿って容器が割れにくくするため、図1(c)に示すように、ラベル合わせ目3の形状を非直線形状とし、耐圧強度を向上させる工夫がされている(特許文献2)。
特開2003−312678 特開2007−76315
昨今、環境問題や原料単価の上昇に対応(二酸化炭素排出量・樹脂の使用量削減)するため、上記のような従来のプラスチック容器よりも肉厚を薄くし、軽量化、およびコストダウンを図るといった対策が行われている。しかし、肉薄化した容器は従来の厚みを持った容器と比較すると機械的強度に劣り、加工時や搬送時に破損するといった問題が生じる。
さらに、容器を軽量化するためには、射出成形機の金型に流し込む樹脂量を減らして容器を肉薄化することにより成形するが、成形性を良好にするためには金型内での樹脂の流動性を高める必要があり、メルトフローレート(MFR)が大きい低粘度の樹脂を使用しなければならない。しかしながら、低粘度の樹脂は高粘度の樹脂に比べ、一般的に樹脂の分子量が小さいため、低粘度樹脂を用いた容器は機械的強度に劣るという問題があった。さらに、金型の樹脂注入口から樹脂を射出する際、樹脂が金型の隙間を流れる間に冷えて流動性が低下し、金型の隙間末端に流入しにくく、容器フランジ部などの末端形状が悪くなるといった問題があった。
また、容器に衝撃が加えられた際に、射出成形時の樹脂の流動方向(樹脂配向方向)、及び容器の変形方向と、ラベル合わせ目方向が平行となっているため、ラベル合わせ目をきっかけとして容器が割れやすいことや、図1(b)に示すように、フランジ4においては、ラベル2の末端部で割れが生じるという問題があった。また、特許文献2において、図1(c)に示すように、ラベル合わせ目3の形状を波形等の非直線形状とした場合も、その形状の一辺の長さや周期によってはラベル合わせ目がほぼ直線状となり、射出成形時の樹脂の流動方向(樹脂配向方向)、及び容器の変形方向と、ラベル合わせ目方向がほぼ平行となるため、容器に衝撃が加えられた際に、ラベル合わせ目3部分をきっかけとして容器が割れやすい。
本発明は、上記問題を解決するために創意工夫されたものであり、プラスチック容器の成形と同時にラベルを容器側面と一体化することにより製造されるインモールドラベル方式プラスチック容器であって、軽量かつ肉薄化した容器であっても機械的強度に優れ、さらに成形性に優れるインモールドラベル方式のプラスチック容器を提供するものである。
請求項1の発明は、プラスチック容器の成形と同時にラベルを容器側面と一体化することにより製造されるインモールドラベル方式のプラスチック容器であって、金型の樹脂注入口から樹脂を注入する際の樹脂流動長さLと容器側面の厚みTとの比L/Tが180以上である肉薄かつ軽量化された容器であって、メルトフローレート(MFR)が45〜120g/10分であって、かつ曲げ弾性率が1300〜2000MPaであり、さらに高速面衝撃吸収エネルギーの全エネルギーが12J以上、かつ、延伸エネルギーが0.65J以上の熱可塑性樹脂より成形され、少なくとも容器の上部から2/5〜4/5の間のラベル合わせ目形状が非直線状、又は容器の上辺および底辺に対して垂直とならない直線状であることに特徴を有する。
この発明によれば、側面の肉厚が薄い容器を成形する際に、金型の樹脂を流し込む隙間を狭くした場合でも、樹脂の流動性が良好であり、成形性に優れ、さらに肉薄な容器であっても機械的強度に優れるプラスチック容器を作製することができる。また、容器に衝撃が加わった場合、樹脂の流動方向(樹脂の配向方向)、及びラベル合わせ目方向に沿って容器が割れやすいが、ラベルの合わせ目方向が樹脂流動方向と平行とならないため、ラベルの合わせ目部分に沿って容器が割れてしまうことを防止することができ、機械的強度が向上する。
請求項2の発明は、前記インモールドラベル方式プラスチック容器が、容器全高が90〜120mm、容器側面の厚みが0.50〜0.65mm、フランジ厚みが0.80〜1.0mmであることを特徴とする。
この発明によれば、インモールドラベル方式により容器を成形する際に、金型の隙間末端まで樹脂が流入し、容器フランジ部などの末端形状が良好となる。また、十分な厚みにすることにより強度が向上し、フランジ部のラベル末端部で亀裂が生じるのを防ぐことができる。
請求項3の発明は、前記熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン樹脂からなることを特徴とする。
この発明によれば、側面の肉厚が薄い容器を成形する際に金型の樹脂を流し込む隙間を狭くした場合でも、樹脂の流動性が良好であり、成形性に優れ、さらに肉薄な容器であっても機械的強度に優れるインモールドラベル方式プラスチック容器を作製することができる。
本発明は、プラスチック容器の成形と同時にラベルを容器側面と一体化することにより製造されるインモールドラベル方式のプラスチック容器であって、軽量かつ肉薄化した容器であっても機械的強度に優れ、さらに成形性に優れるインモールドラベル方式のプラスチック容器を提供することができる。
以下に、本発明のインモールドラベル方式プラスチック容器について図面を用いて具体的に説明する。
本発明のインモールドラベル方式プラスチック容器の基本構成は、インモールドラベル方式のプラスチック容器本体と、容器側面に設けられているラベルと、側面部の下端内側に設けられた底部とから少なくとも構成されている。
本発明において、金型の樹脂注入口から樹脂を注入する際の樹脂流動長さをL、容器側面の厚みをTとすると、L/T(樹脂流動長さに対する成形品肉厚)が大きいほど肉薄な容器となる。本発明のインモールドラベル方式プラスチック容器では、L/Tが180以上であり、肉薄化かつ軽量化されたプラスチック容器である。容器の肉厚を薄くすることで環境問題へ対応(二酸化炭素排出量・樹脂の使用量削減)し、さらにコストダウンが可能となる。
容器の形状は、特に限定はされず、円筒状のほか、例えば横断面が正方形状、長方形状などの四角形状、或いはそれ以上の多角形状となる角筒状など自由に設計することができる。
本発明の態様としては、図2に示すように、下方に糸尻部7を有する側面部6と、この側面部6の糸尻部上端内側に設けられた底部5とを有する截頭錐体形の容器であり、側面部6の上端外側にフランジ4が設けられていることが好ましい。
本発明のインモールドラベル方式プラスチック容器の形状としては、容器全高が90〜120mm、容器側面の肉厚が0.50〜0.65mmが好ましい。容器側面の肉厚が0.50mm以下であると機械的強度が弱く、流通時に破損する等の問題が生じる可能性がある。さらに手で持ったときに容器が変形しやすく、不安定なものとなるなどの不都合が生じる。また、本発明のプラスチック容器上部にフランジを設ける場合は、フランジの肉厚が0.80〜1.0mmが好ましい。インモールドラベル方式により容器を成形する際に、金型の隙間末端まで樹脂が流入し、容器フランジ部などの末端形状が良好となる。また、十分な厚みにすることにより強度が向上し、フランジ部のラベル末端部で割れが生じるのを防ぐことができる。0.80mm以下の場合は耐衝撃性が低くなり、1.0mm以上の場合は、インモールド方式にて金型の樹脂注入口から樹脂を射出する際、樹脂が金型の隙間を流れる間に冷えて流動性が低下し、金型の隙間末端に流入しにくくなるために、1.0mm以上の厚みをもつフランジ部分へは十分に樹脂が充填できず、成形性が悪くなる。また、必要以上に使用する樹脂量が増加することになる。フランジの肉厚が容器側面の肉厚の1.4倍以上となる場合は、フランジ部分の成形性を向上するために、容器側面部に、例えば、厚さ0.2mm、幅2〜10mmの樹脂流路を、適度な長さで設けることができる。
底部5は、図2(a)に示すように、その断面全体が、糸尻部7方向(図2(a)中の下方)に突出する凸形状を有している。このように、底部5が容器下方に突出する凸形状を有しているため、底部5の下方向(重力方向)に働く力は、容器側面部6の内側方向に分散され、歪みの発生が抑制される。また、側面部内側方向の力により、側面部6ないし糸尻部7が底部5に押しつけられることとなるため、落下時の衝撃によっても、側面部6と底部5との交点部分8が破損することがない。
容器底部5の形状は、図2(b)に示すように、その両側に位置するとともに前記糸尻部7方向に突出する一対の凸形状と、該一対の凸形状の間に位置し、前記糸尻部7方向に対して引っ込む凹形状とを有することが好ましい。図2(b)に示すように、凸部9と凹部10とが連続的に形成されていることにより、底部5の表面積が、図2(a)に示すような凸部のみの場合と比較して大きくなり、容器を落下させた際の側面部6と底部5との交点8部分に発生する歪みをより抑制できる。その結果、容器の落下強度が向上する。 底部5の厚みは0.8〜1.0mmが好ましく、酸素バリア性が必要とされる場合は厚くするのが好ましい。
側面部6と底部5との交点部分8において、側面部6の断面と底部5の断面とのなす角θが鈍角となるように、底部5が形成されている。底部5の周縁(側面部6との交点部分8)に容器下向きの曲率を持たせるように底部5を凸形状とすることにより、容器底部5に働く重力方向の応力が、容器側面部6の内側方向に分散されて歪みの発生が抑制される。
また、糸尻部が、下端が薄く底部方向に向かって徐々に厚くなるようにテーパー形成されてなることが好ましい。このように、糸尻部をテーパー形状とすることにより、容器下向きの曲率を持たせるように底部を凸形状としつつ、金型離型性を向上させることができる。すなわち、糸尻部がテーパー形状となっていないと、容器成形時に金型から容器を離型する際に、金型に糸尻部が引っ掛かってしまう場合がある。テーパーは、糸尻部の容器内側の側面の傾斜γが1〜2°となる程度が好ましい。また、糸尻部は、高さが2.0〜5.0mm、厚みが0.6〜0.8mmとすることが好ましい。
本発明のインモールドラベル方式プラスチック容器は、側面部が、側面部の上方が薄く、糸尻部方向に向かって徐々に厚くなるようにテーパー形成することが好ましい。このように側面部の上方(容器上側)を薄く、糸尻部方向に向かって徐々に厚くなるようにテーパー形成することにより、容器の落下強度がより一層向上するばかりでなく、射出成型時の樹脂の流動性が良好となるため、成形性が向上する。
さらに、本発明は、前記容器の側部が傾斜を有し、且つ、側部下方の内周面に、内側に凸状となる水平方向のスタックリブを設けてもよい。このような構成を採ることにより、前記の発明の作用効果に加えて、容器の強度面で重要な側部下方が水平方向のスタックリブで補強されているので、胴膨れなどを確実に防止できると共に、手で容器胴部を持った時、多少強く握っても容器が凹んで内容物をこぼすようなことがなく安全にすることができる。また、スタックリブは、側部下方の内周面に凸状となる水平方向に設けられているので、側部に傾斜を有するカップ状容器の空容器を積み重ねた時、容器の脚部(糸尻部)をスタックリブで受け止めることができ、きつく嵌まり込むことがないので、所謂スタッキング離れがよく、充填機適性をよくすることができる。
従って、前記のような構成を採ることにより、耐衝撃性に一層優れると共に、成形性や耐熱性、耐水性、更には食品に対する安全性の面でも一層優れた透明インモールドラベル方式のプラスチック容器を生産性よく且つ経済性よく提供することができる。
本発明のインモールドラベル方式プラスチック容器に用いる樹脂は、成形性の点から、そのメルトフローレート(MFR)(JIS K7210に準拠した試験方法により、測定した値を意味する)は、45〜120g/10分の範囲であることが好ましい。本発明のプラスチック容器においては、このような溶融時粘度の低い樹脂を使用することにより、肉薄の容器を容易に射出成形できる。MFRが45g/10分未満の場合は、容器を肉薄化するために隙間を狭くした射出成形機の金型に流し込む際、熱流動性が低いため成形適性に劣り、射出成形の際、所謂ショートを発生しやすくなるため好ましくない。また、MFRが120g/10分を超える場合は、低粘度の樹脂は高粘度の樹脂に比べ、一般的に樹脂の分子量が小さいため、低粘度樹脂を用いた容器は機械的強度に劣る。また、熱流動性が高く、射出成形の際、例えばフランジ部などにバリが発生しやすくなるため好ましくない。
また、樹脂の曲げ弾性率(JIS K7171に準拠した試験方法により、測定した値を意味する)は、1300〜2000MPaの範囲が好ましく、1300MPa未満の場合は、落下などの際、容器に亀裂や割れが発生しやすくなるため好ましくなく、また、2000MPaを超える場合は、容器を成形した際に硬くなりすぎ、逆に耐衝撃性が低下する。
本発明のプラスチック容器に用いる熱可塑性樹脂材料の高速面衝撃吸収エネルギーの評価では、プラスチックの板状サンプルに高速かつ等速で衝撃を与え、発生する力と変形量を図3のように衝撃波形としてとらえる。衝撃波形から破壊形態(脆性破壊、延性破壊)が示され、衝撃強度から材料の持つ耐衝撃性、衝撃エネルギーから材料の持つタフネス(靭性)が評価できる。通常、試験片に応力を加えていくと変形するが、弾性領域を超えると(降伏点)、塑性変形を起こして更に変形が進行する。いわゆる降伏点に達するまでに伸びを伴いながら破壊するのを延性破壊と呼び、その事象を伴わないのを脆性破壊と呼ぶ。
本発明のプラスチック容器に用いる熱可塑性樹脂材料について高速面衝撃吸収エネルギーの評価を行う際は、全エネルギーと延伸エネルギーを測定する。全エネルギー(靭性)とは、材料に応力をかけた場合に、破断に至るまでの応力を示す。すなわち、その材料の強度(硬さ、降伏点、耐力など)と延性(伸び、絞りなど)を示す。延伸エネルギーとは、降伏点を超えて、試験片が延性破壊するまでの応力を示す。例えば、硬いけれど、脆くてすぐに割れてしまう試験片と、軟らかいけれど延性が高く、なかなか割れない試験片では耐衝撃性やタフネス(靭性)が異なるため、全エネルギーと延伸エネルギーの両方から評価を行う必要がある。
具体的な試験方法としては、測定器として、島津ハイドロショット高速パンクチャー衝撃試験機HITS−P10(島津製作所製、ロードセル10kN)を用い、試験時の受け台(固定クランプ)の直径を3インチとし、肉厚2mm、100mm×100mmの試験片(射出成形角板)に対して、先端が1/2インチΦの球状のシャフトを3m/secの速度で衝突させて、プレートを打ち抜くのに要した全エネルギーと延伸エネルギーを測定する。測定雰囲気温度は0℃、5℃で測定し、試験片の調湿状態は絶乾とする。全エネルギー値と延伸エネルギー値は、各5回試験した結果の平均値で示す。
本発明のインモールドラベル方式プラスチック容器に用いる樹脂は、高速面衝撃吸収エネルギーが、全エネルギーが12J以上、かつ、延伸エネルギーが0.65J以上であることが好ましい。全エネルギーが12J未満、または/および延伸エネルギーが0.65J未満の場合は耐衝撃性が不十分となる。
本発明においては、肉薄化した際の金型に対して流動性が良好であり、成形性に優れ、さらに機械的強度に優れる樹脂として、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、などのオレフィン系樹脂や、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂を好適に使用することができ、これらの中から容器に収納される内容物や、収納、密封後の加熱処理の有無など使用条件に応じて適するものを適宜選択して使用することができる。これらの中でも、ポリプロピレンからなる樹脂を用いることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独のポリマーの他、例えばプロピレンとエチレンもしくはエチレンとブテン−1とのランダム共重合体や、エチレンをブロック状に共重合させたプロピレン−エチレンのブロック共重合体、更には、ポリプロピレンに他のポリマーやエラストマーなどをブレンドしたポリプロピレン系ブレンド樹脂などを使用することができる。
ポリプロピレン系樹脂は、その曲げ弾性率を前記の範囲内に調整することも比較的容易であり、また、メルトフローレート(MFR)を45〜120g/10分の範囲とすることも容易である。このようなポリプロピレン系樹脂には、必要な場合、ソルビトール系などの透明核剤を添加して透明性を向上させることもできる。
また、上記ポリプロピレン系樹脂は、剛性、耐熱性、耐水性などにも優れており、内容物が各種飲料、その他デザート食品などの場合でも、これらの食品に対する安全性の面でも優れている。且つ低温時の耐衝撃性も共重合などにより改質できることから各種の内容物や使用条件に対して汎用することができる。
本発明に用いる樹脂は、射出成形が可能な樹脂であれば特に限定はされず、例えば、ポロプロピレン樹脂として、プライムポリマー(株)のJ709VM(ブロック系ポリプロピレン、メルトフローレート(MFR)58g/10分、曲げ弾性率1660MPa、高速面衝撃エネルギー(全エネルギー/延伸エネルギー)15J/0.7J(0℃)、16J/0.8J(5℃)、熱変形温度115度)等を好適に使用できる。
本発明のインモールドラベル方式プラスチック容器は、側面部に対応したラベルを備え、前記ラベルがインモールドラベル成形されたものであることが好ましい。ここで、インモールドラベル成形とは、ブローまたは射出成形時に金型に予めヒートシール層をもつラベルをセットしておき、成形時の樹脂のもつ熱でラベルのヒートシール層を成形品上面に融着させることにより、成形と同時にラベリングを行う成形方法である。このような成形方法によりラベルを容器に貼着することで、容器を成形した後に後加工によりラベルを貼着する場合と比較して生産性に優れ、安価な容器を提供することができる。また、ラベルとして、バリアー性のフィルムを使用すると、インモールドラベル成形された容器はバリアー性を有する。
インモールドラベル方式のプラスチック容器の製造方法は、従来からのインモールドラベル方式の製造方法をそのまま用いることができ、射出成形法、ブロー成形法、押出し成形法等を用いたインモールドラベル方式で製造することができる。本発明においては、上述した方法の中でも射出成形法を用いてインモールドラベル方式プラスチック容器を成形すると同時にラベルを容器の側面に一体成形するのが特に好ましい。
図4は、射出成形法により、インモールドラベル方式プラスチック容器を製造する方法を説明するための説明図である。
図4(a)に示すように、射出成形法によりインモールドラベル方式プラスチック容器を形成する場合には、所望の形状からなる雌型11と雄型12とが用いられる。そして、当該雌型11と雄型12とで形成される隙間13には、当該容器側面に一体化されるラベル2が設置されている。
そして、図4(c)に示すように、前記雌型11と雄型12とで形成される隙間13にインモールドラベル方式プラスチック容器の原料となる樹脂をゲート穴14から射出成形する。 このとき、金型内の隙間13では、図4(d)に示す矢印18の向きに沿って樹脂が流動する。金型の樹脂注入口であるゲート穴14から樹脂を注入する際の樹脂流動長さをL、容器側面の厚みをTとすると、L/T(樹脂流動長さに対する成形品肉厚)が大きいほど肉薄な容器となる。本発明のインモールドラベル方式プラスチック容器では、L/Tが180以上であることが好ましく、肉薄化かつ軽量化されたプラスチック容器となる。容器の肉厚を薄くすることで環境問題へ対応(二酸化炭素排出量・樹脂の使用量削減)し、さらにコストダウンが可能となる。
そして、射出成形した後、雌型11と雄型12と分離することにより、本発明のインモールドラベル方式プラスチック容器を得ることができる。
この際、射出成形時の樹脂の流動方向18(樹脂配向方向)は、容器を成形した際に、容器の上辺および底辺に対して垂直な直線とほぼ平行方向となる。
図4(b)は、本発明のインモールドラベル方式プラスチック容器を製造するために用いられるラベル2の展開図である。矢印18は容器を成形した際に、容器上辺および底辺に対して垂直な直線に平行となる方向を示す。このように、ラベル2は、その両端部分が少なくとも容器の上部から2/5〜4/5の間のラベル合わせ目形状が非直線状、又は容器の上辺および底辺に対して垂直とならない直線状となっていることに特徴を有している。このようなラベルを丸めて、雄型12に沿って設置することにより、図5のように、少なくとも容器の上部から2/5〜4/5の間のラベル合わせ目形状3が非直線状、又は容器の上辺および底辺に対して垂直とならない直線状のラベル合わせ目3部分を形成することができる。なお、ラベル2の両端部分の具体的な形状については、インモールドラベル方式のプラスチック容器として製造された際に現れるラベル合わせ目部分に合わせて任意に決定することができる。
この方法によれば、ラベルの両端は、容器を射出成形した際の樹脂流動方向(樹脂配向方向)に平行とならない形状となり、製造された容器の合わせ目に形成されるラベル合わせ目部分を樹脂流動方向(樹脂配向方向)に平行とならない形状とすることができる。その結果、容器に対して横方向からの力によってもラベル合わせ目部分に沿って容器が割れることがない。
そして、本発明のインモールドラベル方式プラスチック容器は、前記ラベルのラベル合わせ目形状の広がり幅間において、容器の上辺および底辺に対して垂直な直線をどの位置で引いた場合であっても、直線上に重なるラベル部分の長さの合計が、ラベル合わせ目部分の長さの合計よりも大きくなることに特徴を有している。
ラベル合わせ目形状の広がり幅間とは、図6に示すように、例えば、ラベル合わせ目3が波形の場合において、容器上辺19および底辺20に垂直な直線21を引く。さらに、一方の波の頂点に接して容器上辺および底辺に垂直な直線と、他方側の波の頂点に接して容器上辺および底辺に垂直な直線を引く。この2本の直線の間をラベル合わせ目形状の広がり幅間22とする。なお、ラベル合わせ目3とは、図6に示すようにラベル2の両端部分により形成される隙間部分のことであり、換言すれば、本発明のインモールドラベル方式プラスチック容器の側面において、ラベルが付いていない部分のことである。
前記ラベル合わせ目形状の広がり幅間22において、容器の上辺19および底辺20に対して垂直な直線21をどの位置で引いた場合であっても、直線21上に重なるラベル部分の長さの合計が、ラベル合わせ目部分の長さの合計よりも大きくなるとは、具体的には、図6の波形のラベルの合わせ目において、容器の上辺および底辺に対して垂直な直線を引いた際に、直線上に重なるラベルの合わせ目3部分の長さをそれぞれa1、a2、a3、…、anとし、ラベル2部分の長さをそれぞれA1、A2、A3、…、Anとすると、ラベル2部分の長さの合計(A1+A2+A3+…An)>ラベル合わせ目3部分の長さの合計(a1+a2+a3+…+an)となることが望ましい。この関係がラベル合わせ目形状の広がり幅間22において、いずれの位置においても成り立つことが好ましい。これにより、容器に衝撃が加わった場合において、樹脂の流動方向18(樹脂配向方向)、及び容器の変形方向となる容器の上辺19および底辺20に対して垂直な直線21上に、ラベル2部分が多く重なり、容器に衝撃が加わった場合であっても、その応力を分散することができる。また、容器の変形方向とラベルの合わせ目方向が同一方向ではないためにその応力を分散することができ、ラベル合わせ目3に応力が集中するのを防ぐことができる。その結果、ラベルの合わせ目3に沿って容器が割れてしまうことを防止することができ、機械的強度が向上する。
ラベル2部分の長さの合計(A1+A2+A3+…An)がラベル合わせ目3部分の長さの合計(a1+a2+a3+…+an)よりも小さい、もしくは等しい場合は、容器に衝撃が加わった際に、樹脂流動方向18(樹脂配向方向)、及び容器の変形方向と平行な直線21上に重なるラベル合わせ目領域が多くなり、容易にラベル合わせ目3部分から容器が割れやすくなる。
本発明において、ラベル合わせ目の形状は、少なくとも容器の上部から2/5〜4/5の間のラベル合わせ目形状が非直線状、又は容器の上辺および底辺に対して垂直とならない直線状であればいかなる形状であってもよく、容器に対し横方向からの力(矢印X)を分散することができる形状であれば特に限定されるものではない。ラベル合わせ目の形状としては、図6のような波形、又は、山形、雲形としてもよい。また、衝撃が加わった際は、容器縦方向の中央付近が最も変形率が大きくなり、中央付近から容器が割れやすい。そのため、図5のように、例えば、容器の縦方向の上部から約2/5〜4/5間のみのラベル合わせ目形状を非直線状、又は、容器の上辺および底辺に対して垂直とならない直線状が好ましい。ラベル合わせ目をこのような形状とすることにより容器に対し横方向からの力(矢印X)を分散することができる。しかも、それらの形状は、複雑な形状でないためラベルを形抜きして形成する際に煩雑となることがないという利点もある。また、ラベル合わせ目の形状によりインモールドラベル方式のプラスチック容器に新たな意匠性を付与することもできる。
ラベル合わせ目に形成されるラベル隙間の幅としては、0.3〜1.2mmが好ましい。1.2mm以上であると意匠性が悪くなり、0.3mm以下であるとプラスチック容器成形時にラベルの両端が重なってしまう可能性がある。
プラスチック容器の側面部に貼着されるインモールドラベルとしては、特に限定されるものではないが、一般に、印刷基材層と接着層の2層から構成されるラベルを好適に使用できる。また、必要であれば、ガスバリヤー層を設けることができる。これら各層は、それぞれ独立して製膜し接着剤を介して貼合(ドライラミネーション)するか、または、その一部もしくは全層を溶融押出(EC、共押出)することで形成することもできる。また、用途・目的に応じて印刷基材層を省略することもできる。
一般にラベル材を所定の形状に打ち抜いた後にラベル材を雄型の側面に配置する場合、ラベル材のカールの大小が射出成形の歩留りに影響する。すなわち、ラベル材のカールは、小さい方が歩留りが良好となる。
またラベル材のカールを軽減するためには、ラベル材の層構成を中央の層を中心とした対称型の層構成とすることが好ましい。
容器本体となる射出樹脂の材料としてポリプロピレンを用いるとともに、ラベル材として、例えば、最外側から最内側へ向けて順に、以下の層構成からなるフィルムを用いることができる。
(1)延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/アルミ箔(7μm)/ヒートシール層を有する延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)、
(2)延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/酸化珪素蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/ヒートシール層を有する延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)、
(3) 延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/酸化アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/ヒートシール層を有する延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)、
(4)延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)/酸化珪素蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/ヒートシール層を有する延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)、
(5) 延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)/酸化アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/ヒートシール層を有する延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)、
(6) 延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)/アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/ヒートシール層を有する延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)、
(7)延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)/アルミ箔(7μm)/ヒートシール層を有する延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)、
(8)延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)/ヒートシール層を有する延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)。
従来の肉厚容器では、(1)、(2)のように4層のフィルムを貼りあわせたラベルを使用していたが、容器の肉薄化、および軽量化に伴い、(8)のような2層または(2)〜(7)のような3層の層構成となるラベルを使用するのが好ましい。
また、上記(2)〜(7)の層構成を有するラベル材において、ポリエチレンテレフタレートフィルム、酸化珪素蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム、酸化アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムを一つのポリエチレンテレフタレートフィルムと考えると中央の層を中心として対称型の層構成となる。このため打ち抜き時においてラベル材のカールを軽減することができる。
印刷基材としてのフィルムは、一般に印刷可能なものであれば特に限定されず、例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ナイロンフィルム等が適宜使用できる。
ガスバリヤー層としては、アルミ箔(7〜25μm)、または、金属もしくは金属酸化物を蒸着等によりプラスチックフィルム等に積層した、たとえば酸化珪素蒸着プラスチックフィルム、酸化アルミ蒸着プラスチックフィルム、アルミ蒸着プラスチックフィルムや、その他、ポリアクリロニトリル系樹脂、EVOH(エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)フィルム、 PVDCコート二軸延伸プラスチックフィルム等が挙げられ、所望の性能に応じて適宜選択され得る。
透明性を有するガスバリヤー層としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などのガスバリヤー性樹脂を製膜 したフィルムや、ポリ塩化ビニリデンの塗布液を透明な基材フィルムに塗布して塗膜層を形成したポリ塩化ビニリデンコートフィルム、そして、アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ITOなどの無機酸化物を透明な基材フィルムに蒸着した無機酸化物の蒸着フィルムなどを使用することができる。
不透明なガスバリヤー層としては、アルミニウムなどの金属箔や、アルミニウムなどの金属を基材フィルムに蒸着した金属蒸着フィルムを使用することができる。
また、容器 のガスバリヤー性を更に向上させるためには、容器の側面部だけではなく、容器の底部にもガスバリヤー層を設けた底部用ラベルを別に用意してインモールド成形することができ、それにより一層ガスバリヤー性を向上させることができる。
接着層としては、射出樹脂と接着するものであれば特に限定されないが、通常、射出樹脂と同材質のプラスチックや、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)を含有するポリエチレン等接着性を有する樹脂、又はそれら樹脂が共押し出し加工、あるいは、コーティング加工されたプラスチックフィルム等が好適に使用できる。
なお、上記各層は常法に従い、ドライラミネーション法、押出ラミネーション法、押出コーティング法その他のコーティング法によって形成される。
(実施例1)
インモールドラベル方式のプラスチック容器本体用の樹脂としてポリプロピレン(MFR58g/10分、曲げ弾性率1660MPa、高速面衝撃エネルギー(全エネルギー/延伸エネルギー)15J/0.7J(0℃)、16J/0.8J(5℃)、熱変形温度115度)を用い、この樹脂と下記の構成からなるラベルとを射出成形法により一体成形し、インモールドラベル方式のプラスチック容器を製造した。得られた容器形状は、円形の截頭錐体形にフランジ部、糸尻部、スタックリブを設け、底面は、両側に位置するとともに糸尻部方向に突出する一対の凸形状と、該一対の凸形状の間に位置し、前記糸尻部方向に対して引っ込む凹形状とを有するものとした。寸法は以下の通りであった。実施例1におけるラベルは、インモールドラベル方式のプラスチック容器として製造された際のラベル合わせ目が1.0mm幅、ラベル合わせ目形状が、ラベル上辺および底辺に対する傾き角度:80°の斜め直線形となるようなラベルを使用した。
・全高:110mm
・容器フランジ外径/肉厚:71mmΦ/0.90mm
・底面外径/肉厚:49mmΦ/0.9mm
・糸尻部高さ/肉厚:4mm/0.7mm
・スタックリブ高さ/肉厚:7.7mm/1.7mm
・容器側面の肉厚:0.5mm
・重量:12.5g
・ラベル構成:延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)/酸化アルミ蒸着ポリエチレ ンテレフタレートフィルム(12μm)/ヒートシール層を有する延伸ポリプロピレ ンフィルム(30μm)
(実施例2)
実施例1と同様にしてインモールドラベル方式のプラスチック容器を製造した。実施例2におけるラベルは、インモールドラベル方式のプラスチック容器として製造された際のラベル合わせ目が1.0mm幅、レベル合わせ目形状が、容器中央(容器上部から55mm)の位置で頂点となる山形、山部頂点から谷部の広がり幅が5.0mmとなるようなラベルを使用した。
(実施例3)
実施例1と同様にしてインモールドラベル方式のプラスチック容器を製造した。実施例3におけるラベルは、インモールドラベル方式のプラスチック容器として製造された際のラベル合わせ目が1.0mm幅、ラベル合わせ目形状が、山部の周期が60.0mm、山部頂点から谷部の広がり幅が5.0mmの波形となるようなラベルを使用した。
(実施例4)
実施例1と同様にしてインモールドラベル方式のプラスチック容器を製造した。ここで、実施例4におけるラベルは、インモールドラベル方式のプラスチック容器として製造された際のラベル合わせ目が1.0mm幅、ラベル合わせ目形状が、容器の上部から2/5〜4/5の部分のみ、山部の周期が44.0mm、山部頂点から谷部の広がり幅が5.0mmの波形となるようなラベルを使用した。
(比較例1)
インモールドラベル方式のプラスチック容器本体用の樹脂としてポリプロピレン(MFR58g/10分、曲げ弾性率1660MPa、高速面衝撃エネルギー(全エネルギー/延伸エネルギー)15J/0.7J(0℃)、16J/0.8J(5℃)、熱変形温度115度)を用い、容器側面の肉厚を0.77mmとし、それ以外は実施例1と同様にして、樹脂とラベルとを射出成形法により一体成形し、インモールドラベル方式のプラスチック容器を製造した。比較例1におけるラベルは、ラベル合わせ目が1.0mm幅であり、ラベル合わせ目形状が、容器上辺と底辺に対して垂直な直線形状となるようなラベルを使用した。
(比較例2)
容器側面の肉厚を0.64mmとし、それ以外は実施例1と同様にしてインモールドラベル方式のプラスチック容器を製造した。比較例2におけるラベルは、比較例1のラベル形状と同様であり、インモールドラベル方式のプラスチック容器として製造された際のラベル合わせ目が1.0mm幅であり、ラベル合わせ目形状が、容器上辺と底辺に対して垂直な直線形状となるようなラベルを使用した。
(比較例3)
実施例1と同様にしてインモールドラベル方式のプラスチック容器を製造した。比較例3におけるラベルは、インモールドラベル方式のプラスチック容器として製造された際のラベル合わせ目が1.0mm幅、ラベル合わせ目形状が、山部の周期が5mm、山部頂点から谷部の広がり幅が5.0mmの波形となるようなラベルを使用した。
(比較例4)
容器フランジ外径/肉厚を71mmΦ/1.50mmとし、それ以外は実施例1と同様に、樹脂とラベルとを射出成形法により一体成形し、インモールドラベル方式のプラスチック容器を製造した。
(比較例5)
インモールドラベル方式のプラスチック容器本体用の樹脂としてポリプロピレン(MFR50g/10分、曲げ弾性率1000MPa、高速面衝撃エネルギー(全エネルギー/延伸エネルギー)<0.5J/<0.5J(0℃)、0.5J/0.1J(5℃)、熱変形温度92度)を用い、それ以外は実施例1と同様に、樹脂とラベルとを射出成形法により一体成形し、インモールドラベル方式のプラスチック容器を製造した。
(比較例6)
インモールドラベル方式のプラスチック容器本体用の樹脂としてポリプロピレン(MFR65g/10分、曲げ弾性率1630MPa、高速面衝撃エネルギー(全エネルギー/延伸エネルギー)10J/0.5J(0℃)、10J/0.5J(5℃)、熱変形温度118度)を用い、それ以外は実施例1と同様に、樹脂とラベルとを射出成形法により一体成形し、インモールドラベル方式のプラスチック容器を製造した。
(比較例7)
インモールドラベル方式のプラスチック容器本体用の樹脂としてポリプロピレン(MFR30g/10分、曲げ弾性率1550MPa、高速面衝撃エネルギー(全エネルギー/延伸エネルギー)11J/3J(0℃)、12J/5J(5℃)、熱変形温度118度)を用い、それ以外は実施例1と同様に、樹脂とラベルとを射出成形法により一体成形し、インモールドラベル方式のプラスチック容器を製造した。
(耐圧強度実験)
実施例1〜4、及び比較例1〜7にて製造したインモールドラベル方式のプラスチック容器の各容器5個ずつを用いて、以下の手順にて容器側面の強度評価を行った。
1)図7に示すように、インモールドラベル方式のプラスチック容器を倒した状態で、ラ ベルの合わせ目が測定者側正面に向くように、テンシロン型圧縮試験機の測定冶具に 、容器を設置した。
2)このインモールドラベル方式のプラスチック容器の鉛直方向から直径28mmの円形冶具を用いて、圧縮速度300mm/minで容器側面を圧縮し、インモールドラベル方式のプラスチック容器が割れた時の強度を耐圧強度として測定した。
評価結果を以下の表1に示す。
Figure 2009227316
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜4で製造されたインモールドラベル方式のプラスチック容器は、肉薄化した場合であっても、十分な耐圧強度を示すことがわかる。
以上のように、本発明によれば、軽量かつ肉薄化したプラスチック容器であっても、容器を落としたり、何らかの衝撃が加わった場合にラベル合わせ目部分から割れるのを防ぐことができ、機械的強度に優れるプラスチック容器を提供することができる。
(a)従来からのプラスチック容器の正面図である。(b)従来からのプラスチック容器のフランジ部である。(c)従来からのプラスチック容器の正面図である。 (a)本発明のプラスチック容器の一例を示す断面図である。(b)本発明のプラスチック容器の一例を示す断面図である。 本発明のプラスチック容器に用いる樹脂材料の高速面衝撃吸収エネルギー評価時の衝撃波形の一例の図であって、全エネルギーと延伸エネルギーを説明する図である。 本発明のプラスチック容器を製造する工程を示す図である。 本発明のプラスチック容器の一例を示す正面図である。 本発明のプラスチック容器の一例を示す正面図であって、容器の側部外周面に一体的に成形されたラベルの合わせ目部を説明する図である。 本発明のプラスチック容器の耐圧強度実験方法について説明する図である。
符号の説明
1.プラスチック容器
2.ラベル
3.ラベル合わせ目
4.フランジ
5.底部
6.側面部
7.糸尻部
8.交点
9.凸部
10.凹部
11.雌型
12.雄型
13.隙間
14.ゲート穴
15.ラベル上辺
16.ラベル底辺
17.ラベル両端
18.樹脂流動方向
19.容器上辺
20.容器底辺
21.容器の上辺および底辺に対して垂直な直線
22.ラベル合わせ目形状の広がり幅間
23.円形治具

Claims (3)

  1. プラスチック容器の成形と同時にラベルを容器側面と一体化することにより製造されるインモールドラベル方式のプラスチック容器であって、金型の樹脂注入口から樹脂を注入する際の樹脂流動長さLと容器側面の厚みTとの比L/Tが180以上である肉薄かつ軽量化された容器であって、メルトフローレート(MFR)が45〜120g/10分であって、かつ曲げ弾性率が1300〜2000MPaであり、さらに高速面衝撃吸収エネルギーの全エネルギーが12J以上、かつ、延伸エネルギーが0.65J以上の熱可塑性樹脂より成形され、少なくとも容器の上部から2/5〜4/5の間のラベル合わせ目形状が非直線状、又は容器の上辺および底辺に対して垂直とならない直線状となることを特徴とするプラスチック容器。
  2. 前記インモールドラベル方式プラスチック容器が、容器全高が90〜120mm、容器側面の厚みが0.50〜0.65mm、フランジ厚みが0.80〜1.0mmであることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック容器。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン樹脂からなることを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック容器。
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