JP2009227039A - ハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置 - Google Patents

ハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】例えばEHC等の電熱ヒータ付き触媒を備えるハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置において、回生電力を有効に利用しつつ、EHCの過剰な加熱を防止する。
【解決手段】触媒暖機制御装置は、内燃機関(10)、電動機(13,16)、及び内燃機関の排気通路に配置されており通電により加熱される通電加熱触媒(21)を備えるバイブリッド自動車(100)において、通電過熱触媒の暖機を制御する。触媒暖機制御装置は、通電加熱触媒の温度を特定する第1温度特定手段(22)と、通電の最中において特定された温度が所定の第1温度閾値より高い場合に、内燃機関で燃焼を伴わないモータリングが電動機により行われるように、内燃機関及び電動機を制御する温度制御手段(30)とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばEHC(Electric Heating Catalyst)等の電熱ヒータ付き触媒を備えるハイブリッド自動車において触媒の暖機を制御する触媒暖機制御装置の技術分野に関する。
この種の触媒暖機制御装置として、例えばハイブリッド自動車において、エンジンの停止中であってバッテリの充電量が一定値以下である場合に、モータによる回生電力をEHCに供給することで、エンジンの始動に先だって触媒の暖機を行い、触媒を活性化させるものがある(特許文献1参照)。
また、例えばハイブリッド自動車において、電動機により車両が走行している際(言い換えれば、エンジンの停止中)に、EHCに電力を供給してEHCを加熱することで、エンジンの始動時において、加熱された触媒により十分な排気ガス低減を図る触媒暖機制御装置がある(特許文献2参照)。
また、例えばハイブリッド自動車において、バッテリの充電量が低下し、内燃機関の始動が必要になった場合に、内燃機関の始動に先立ってEHCへの通電を行い、触媒を加熱することで、エミッションの排出を抑える触媒暖機制御装置がある(特許文献3参照)。
特開平6−178401号公報 特開平8−338235号公報 特開平10−288028号公報
しかしながら、特許文献1から3の触媒暖機制御装置によれば、EHCに対して電力が長時間供給(言い換えれば、電流が通電)されると、EHCが過剰に加熱されて損傷してしまいかねないという技術的問題点がある。その一方で、EHCの過剰な加熱を防止するための制御(即ち、OT(Over Temperature)或いはOH(Over Heat)防止制御)として、EHCへの電力供給が停止されると、回生時に回生電力が利用されずに無駄になってしまうという技術的問題点もある。
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、例えば回生電力を有効に利用しつつ、EHCの過剰な加熱を防止可能なハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置を提供することを課題とする。
本発明に係るハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置は上記課題を解決するために、内燃機関、電動機、及び前記内燃機関の排気通路に配置されており通電により加熱される通電加熱触媒を備えるバイブリッド自動車において、前記通電過熱触媒の暖機を制御する触媒暖機制御装置であって、前記通電加熱触媒の温度を特定する第1温度特定手段と、前記通電の最中において前記特定された温度が所定の第1温度閾値より高い場合に、前記内燃機関で燃焼を伴わないモータリングが前記電動機により行われるように、前記内燃機関及び前記電動機を制御する温度制御手段とを備える。
本発明のハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置によれば、その制御対象となるハイブリッド自動車は、内燃機関及び電動機の他に、典型的には、発電機、動力分配機構及び蓄電器を備える。ここに「内燃機関」は、典型的にはシリンダ内をピストンが往復運動する内燃機関であるが、他のロータ等を有する型でもよい。「電動機」は、ジェネレータから独立したモータ又はモータジェネレータ(電動発電機)を備えて構成され、例えば、モータ及びジェネレータが、動力分配機構を介して配置されている。回生時に、発電機又は電動発電機で発電された電力(回生電流)は、典型的には、蓄電器に充電される。例えば力行時に、充電器に充電された電力(即ち力行電流)で、モータが回ることで、車輪が駆動される。本発明のハイブリッド自動車は特に、排気系に通電加熱触媒を備える。「通電加熱触媒」は、例えば電熱ヒータ等付きの触媒(即ち、EHC)であって、例えば、電熱ヒータへの通電により触媒が加熱(即ち、暖機)されることで、排気を効率よく浄化する活性状態となる。
ここで本願発明者によれば、回生電力を有効利用しようとして、むやみに通電加熱触媒に対して長時間通電を行うと、触媒が過剰に加熱されてしまう、即ち通電加熱触媒でオーバーヒートが発生してしまう、即ち熱で通電加熱触媒が一時的若しくは恒久的に劣化してしまう或いは機能不全に陥ってしまうことが判明している。
そこで本発明では先ず、このように構成されたハイブリッド車両の走行時や停車時に、第1温度特定手段によって、通電により加熱されている通電加熱触媒の温度が、定期的に又は不定期に特定される。本発明に係る温度についての「特定」とは、例えば温度を直接又は間接的に検出、測定、推定、算出等すればよく、何らかの形で温度を特定又は取得できればよい趣旨である。
続いて、このように特定された温度が所定の第1温度閾値より高い場合に、例えば内燃機関ECU(Engine Controlling Unit)、モータECU、及びハイブリッドECUの一部から構成される温度制御手段によって、内燃機関で燃焼を伴わないモータリングが電動機により行われるように、内燃機関及び電動機が制御される。即ち、温度制御手段による制御下で、内燃機関では、燃焼室内で点火プラグや圧縮等による点火が行われず、或いはこれに加えて燃焼室内へ燃料が供給されない。これと並行して或いは相前後して、電動機によって内燃機関でのモータリングが行われる。ここに「モータリング」とは、内燃機関内での燃焼を伴うことなく、内燃機関が電動機の電動機能により連れ回されることを意味する。典型的な内燃機関では、燃焼を伴うことなくピストンがシリンダ内で往復運動される。
本発明に係る「第1温度閾値」は、例えば、通電加熱触媒において、オーバーヒートを判定するための温度閾値であり、その具体的な値は、通電加熱触媒が実際にオーバーヒートとなる際の温度に多少のマージンを加味した値として、実験的、経験的或いはシミュレーションにより設定可能である。
或いは、「第1温度閾値」は、例えば、通電加熱触媒において、活性状態を判定するための温度閾値であり、その具体的な値は、温度を変化させた場合における通電加熱触媒の活性度を実験的、経験的或いはシミュレーションにより特定することで、所望の活性状態が得られるようになる温度として設定可能である。
尚、上記いずれの場合にも、特定された温度が第1温度閾値と等しい場合に、同様にモータリングが行われてもよいし、行われなくてもよい。
従って、「第1温度閾値」をオーバーヒート判定用の温度閾値として設定した場合であれば、通電加熱触媒でオーバーヒートが発生する前に、モータリングによって、吸気系、燃焼室及び排気系を介して未燃焼の空気、即ち冷気を送風することによって、排気系に設けられた通電加熱触媒を、冷却できる。言い換えれば、モータリングの際に、燃焼室内を往復運動するピストン、燃焼室内を回転するロータ等を、排気通路に空気を送る“送風ポンプ”として機能させることで、通電加熱触媒のオーバーヒートを未然防止できる。
或いは、「第1温度閾値」を活性状態判定用の温度閾値として設定した場合であれば、通電加熱触媒で活性状態を確立しつつ、モータリングによって、排気系において通電加熱触媒の後段或いは下流側に配置された部位(例えば、後述の気体暖機触媒)に対して、通電加熱触媒で暖めた空気或いは排気を送り込むことが可能となる。即ち、通電加熱触媒の活性状態を崩すことなく、モータリングによって通電加熱触媒の下流側の暖機を行える。
しかも、上記いずれの場合にも、回生電力を一旦蓄電器に蓄えた後に通電する型式のみならず、回生電力の一層の有効利用に繋がる、回生電力を直接通電する型式でも、モータリングによる通電加熱触媒のオーバーヒートの防止や、モータリングによる通電加熱触媒の下流側の暖機は、実行可能である。
以上の結果、回生電力を有効に利用しつつモータリングを適宜行うことによって、通電加熱触媒の過剰な加熱を防止でき、或いは、これに加えて又は代えて、通電加熱触媒の下流側を暖機できる。
本発明に係るハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置の一態様では、前記ハイブリッド自動車は、前記排気通路における前記通電過熱触媒より下流に配置されており前記通電加熱触媒を経由して来る排気により暖機される気体暖機触媒を更に備える。
この態様によれば、モータリングによる空気は、通電加熱触媒を通過する際に、触媒加熱媒体を冷却する反作用として、通電加熱触媒の熱を吸熱して暖められる。この暖められた空気が、その下流に配置されている気体暖機触媒を通過することによって、気体暖機触媒を暖めることができる。即ち、通電加熱触媒における過剰な加熱の防止と、気体暖機触媒の暖機とを同一機会として実行でき、全体としてのエネルギ効率を顕著に高めることが可能となる。
この態様では、前記気体暖機触媒の温度を特定する第2温度特定手段を更に備え、前記温度制御手段は、前記通電の最中において前記第2温度特定手段により特定された前記温度が所定の第2温度閾値より低い場合に、前記モータリングが行われるように前記内燃機関及び前記電動機を制御するように構成してもよい。
このように構成すれば、その動作時に、上述の第1温度特定手段による温度の特定と並行して或いは相前後して、第2温度特定手段により、気体暖機触媒の温度が、定期的に又は不定期に特定される。続いて、このように特定された温度が所定の第2温度閾値より低い場合に、温度制御手段によって、モータリングが行われるように、内燃機関及び電動機が制御される。ここで「第2温度閾値」を気体暖機触媒における活性状態を判定するための温度閾値として設定することで、気体暖機触媒を活性状態とするように暖機すべき場合に、モータリングによって通電加熱触媒で暖められた空気或いは排気を、気体暖機触媒にまで送り込むことで、気体暖機触媒の暖機を行うことが可能となる。「第2温度閾値」の具体的な値は、例えば、温度を変化させた場合における気体暖機触媒の活性度を実験的、経験的或いはシミュレーションにより特定することで、所望の活性状態となる際の最低或いは下限付近の温度として設定可能である。尚、特定された温度が第2温度閾値と等しい場合に、同様にモータリングを行ってもよいし、行わなくてもよい。
このように、モータリングを適宜行うことによって、通電加熱触媒の下流側をその必要に応じて暖機できる。
この態様では、前記温度制御手段は、前記第2温度特定手段により特定された前記温度が前記第2温度閾値より高い第3温度閾値に達した場合に、前記モータリングを停止するように前記内燃機関及び前記電動機を制御してもよい。
このように構成すれば、その動作時に、第2温度特定手段により特定された温度が所定の第3温度閾値に達した場合に、温度制御手段によって、モータリングが停止されように、内燃機関及び電動機が制御される。ここで「第3温度閾値」を、気体暖機触媒が十分に暖機された際の或いはそれ以上暖めると劣化が生じる温度閾値として設定することで、気体暖機触媒をそれ以上暖める必要がない場合に或いはそれ以上暖めると却って劣化という弊害が生じる場合に、モータリングによる気体暖機触媒の暖機を停止することが可能となる。「第3温度閾値」の具体的な値は、例えば温度を変化させた場合における気体暖機触媒の活性度を実験的、経験的或いはシミュレーションにより特定することで、所望の活性状態となる際の最高或いは上限付近の温度として設定可能である。尚、第3温度閾値に「達した場合」とは、「以上である場合」でも「より大きい」のいずれの意味であっても同様の効果が得られる。
このように、気体暖機触媒を必要に応じて暖機しつつ、無駄なモータリングを行わなくて済み、或いは、気体暖機触媒を過加熱せずに済む。
本発明に係るハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置の他の態様では、前記通電を行う又は停止する通電制御手段を更に備える。
この態様によれば、例えば温度制御手段と同一又は異なる内燃機関ECU、モータECU、及びハイブリッドECUの一部から構成される通電制御手段によって、各種条件に応じて適宜、通電加熱触媒への通電を行ったり、停止したりすることが可能となる。基本的には、通電加熱触媒自体を暖機すべき又は通電加熱触媒での発熱を利用して後段の部位を暖機すべき場合に、通電を実行可能となる。逆に、通電加熱触媒を加熱すべきでない場合又は通電加熱触媒での発熱により後段の部位を暖機すべきでない場合に、通電を停止可能となる。
この態様では、前記ハイブリッド自動車は、蓄電器及び発電機を更に備え、前記通電制御手段は、前記通電を選択的に、前記蓄電器又は前記発電機から行う。
このように構成すれば、通電制御手段によって、各種条件に応じて適宜、蓄電器から通電を行ったり、発電機から通電を行ったりが可能となる。ここに「蓄電器」は、典型的には、バッテリであるが、例えば大型コンデンサ等の蓄電可能な機器であれば任意である。また「発電機から行う」は、例えば発電機或いは電動発電機から直接行う、即ち、発電機による回生電力を通電加熱触媒に直接供給することである。尚、発電機による回生電力を一旦蓄電器に蓄電し、これを後に蓄電器から通電加熱触媒に供給する、即ち、蓄電器を経由して供給してもよい。或いは、蓄電器は、(発電機によるだけでなく、或いは発電機によるのでなく)部分的に又は専ら家庭用電源や電気ステーションのコンセントを経由して蓄電されてもよい。
従って例えば、通電加熱触媒への通電を、蓄電器の充電量に応じて、蓄電器又は発電機から実行可能となる。これにより、例えば蓄電器への充電が必要な場合(例えば、充電量が一定量より少ない場合)等に、回生電力を無駄にすることがない。
この通電を選択的に行う態様では、前記通電制御手段は、前記蓄電器の充電量が所定の充電量閾値より高い場合に、前記通電を前記発電機から行ってもよい。
このように構成すれば、充電量が充電量閾値より高い場合に、例えば充電器が既に十分な電力を充電しているとして、発電機による回生電力を直接通電に使用する。このため、回生電力を一旦蓄電器に充電するための変換処理が不要となり、回生電力を効率よく使用することができる。
この通電を選択的に行う態様では、前記通電制御手段は、前記充電量が前記充電量閾値より低い場合に、前記通電を前記蓄電器から行ってもよい。
このように構成すれば、充電量が充電量閾値より低い場合に、例えば充電器には未だ十分な充電量が充電されていないとして、発電機による回生電力を一旦蓄電器に充電し、この蓄電器に充電されている回生電力を通電に使用する。このため、通電加熱触媒の通電が停止された場合に、回生電力を無駄にすることがない。尚、充電量が充電量閾値より低い場合であっても、状況によっては、通電を発電機から行ってもよい。
上述の通電制御手段を更に備える態様では、前記通電制御手段は、前記第1温度特定手段により特定された前記温度が、前記第1温度閾値より高い第4温度閾値に達した場合に、前記通電を停止するように構成されてもよい。
このように構成すれば、その動作時に、第1温度特定手段により特定された温度が所定の第4温度閾値に達した場合に、通電制御手段によって、通電が停止される。ここで「第4温度閾値」を、それ以上暖めると通電加熱触媒に劣化が生じる温度閾値として設定することで、それ以上暖めると劣化が生じる場合に、通電による暖機を停止することが可能となる。即ち、通電し過ぎて、通電加熱触媒がオーバーヒートすることを確実に回避できる。「第4温度閾値」の具体的な値は、例えば温度を変化させた場合における通電加熱触媒の活性度を実験的、経験的或いはシミュレーションにより特定することで、所望の活性状態となる際の最高或いは上限付近の温度として設定可能である。この場合に、「第1温度閾値」は、前述した通電加熱触媒における活性状態判定用の温度閾値である。尚、第4温度閾値に「達した場合」とは、「以上である場合」でも「より大きい」のいずれの意味であっても同様の効果が得られる。
上述の通電制御手段を更に備える態様では、前記通電制御手段は、前記モータリングが停止されるのに応じて、前記通電を停止するように構成されてもよい。
このように構成すれば、モータリングが停止された後に、通電加熱媒体の温度が上昇することがなく、通電加熱触媒の過剰な加熱を未然防止できる。
上述の通電制御手段を更に備える態様では、前記通電制御手段は、前記モータリングが停止された場合に、前記通電を所定の期間行った後に前記通電を停止するように構成してもよい。
このように構成すれば、通電加熱触媒の通電停止後にもモータリングを所定時間だけ続けることで、排気通路に沿って空気或いは排気が流れるのに要する時間に応じた、通電加熱触及び気体暖機触媒間における熱の出入に係るタイムラグによる影響を吸収することが可能となる。これにより、目標とする気体暖機触媒の暖機状態等をより確実に実現できる。ここに「所定の期間」とは、モータリング停止後に、排気通路内の空気或いは排気により熱が運ばれ続ける期間に対応しており、その値は、排気通路の構成や排気通路上の通電加熱触媒及び気体暖機触媒の配置などが決まれば、計算や実験等により決められる。所定の期間は、例えば、コンマ数秒から数秒程度という比較的短時間であるので、多少大きめに設定しても実用上の不都合は殆どない。
この態様では、前記通電制御手段は、前記期間として、前記モータリングが停止されてから、前記内燃機関の回転数又は前記排気通路を流れる空気の流量が零となるまでの期間、前記通電を継続して行ってもよい。
このように構成すれば、モータリングの停止後に移動する空気或いは排気の影響をまでも考慮した上で、より過不足なく通電加熱触媒の冷却及び気体暖機触媒の加熱等を行うことが可能となる。
この態様では、前記通電制御手段は、モータリングの停止後、内燃機関の回転数又は排気通路を流れる空気の流量が減少するのに応じて、通電に係る通電量が減少されつつ通電が継続され、内燃機関の回転数又は排気通路を流れる空気の流量がゼロになるのに応じて、通電量もゼロとされる。この際、例えば回転数が低くなる程、排気通路における空気の流量が少なくなり、該空気により通電加熱触媒の熱が吸熱され難くなる。このため、通電制御手段は、例えば内燃機関の回転数が低くなるに連れて、通電加熱触媒への通電量を低減する。従って、モータリングの停止後に移動する空気或いは排気の影響をより厳格に考慮した上で、より一層過不足なく通電加熱触媒の冷却及び気体暖機触媒の加熱等を行うことが可能となる。
発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
先ず、第1実施形態に係るハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置の構成について図1を参照して説明する。ここに図1は、第1実施形態に係るハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置の概要を示すブロック図である。
(ハイブリッド自動車の構成)
図1において、本実施形態に係るハイブリッド自動車100は、動力系として、エンジン(内燃機関)10、動力分配機構11、駆動輪12、ジェネレータ13、インバータ14、バッテリ15、モータ16、及び減速機17を、排気系として、EHC21、及び三元触媒23を、制御系として、ハイブリッドECU30、エンジンECU31、及びモータECU32を備える。
エンジン10は、不図示の動弁系、吸気系、燃料系、点火系、及び排気系を備えており、エンジンECU31の制御により燃焼行程を実行し、出力軸を回転させる。エンジン10には、排気通路20が接続されている。本実施形態では、エンジン10は、EHC21の温度に応じて、点火プラグ及び燃料噴射弁を停止させた状態で、動弁系におけるピストンを往復運動させる、即ち、燃焼を伴わない本発明にかかる「モータリング」の一例を行う。このモータリングにより、不図示の燃焼室内から排気通路20に押し出された空気(吸気)が、EHC21を冷却すると共に、EHC21より下流にある三元触媒23を暖機する。
動力分配機構11は、不図示の遊星歯車を備えており、エンジン10の出力軸の回転により、駆動輪12及びジェネレータ13を駆動する。エンジン10の回転力は、エンジン駆動時に、減速機17を介して駆動輪12に伝達される。
ジェネレータ12は、本発明に係る「発電機或いは電動発電機」の一例として、動力分配機構11により駆動され、発電する。この発電による電力は、インバータ14を介してバッテリ15に充電される。
インバータ14は、ジェネレータ13又はモータ16からの交流電流を直流電流に変換し、バッテリ15に電力を充電する。
バッテリ15は、本発明に係る「蓄電器」の一例として、ジェネレータ13による発電電力、及びモータ16による回生電力を充電する。バッテリ15は、ハイブリッドECU30の制御により、蓄えている電力を、インバータ14を介して、モータ16及びEHC21に供給する。
モータ16は、本発明に係る「電動機或いは電動発電機」の一例として、モータECU32の制御により、ジェネレータ13若しくはバッテリ15、又はジェネレータ14及びバッテリ13から電力を供給され、駆動される。モータ16の駆動力は、モータ駆動時、及びエンジン10の始動前を含むエンジン駆動時に、減速機17を介して駆動輪12に伝達される。本実施形態では特に、モータ16の駆動力は、エンジン10をアシストするために用いられたり、ジェネレータ13で充電するために用いられるが、本実施形態では特に、EHC21の温度に応じて選択的にモータリングを行う際に、エンジン10の駆動軸に伝達される。即ち、モータリングの際には、モータ16の駆動力がカムシャフト等を介してピストンに伝えられ、燃焼せずともピストンがシリンダ内を往復運動される。
EHC21は、本発明に係る「通電加熱触媒」の一例として、不図示の電熱ヒータ付きの三元触媒である。EHC21は、ハイブリッドECU30の制御により、バッテリ15に充電されているバッテリ電力、又はモータ16による回生電力で通電される。この通電により、EHC21における三元触媒の暖機が行われる。EHC21は、EHC温度センサ22を備える。EHC温度センサ22は、本発明に係る「第1温度特定手段」の一例として、EHC21の三元触媒の温度(以下、単に「EHC21の温度」と言う)を取得し、該温度を示す信号をエンジンECU31に送信する。
三元触媒23は、本発明に係る「気体暖機触媒」の一例として、排気通路20におけるEHC21より下流に配置されている。三元触媒23は、EHC21が通電により加熱されるのと異なり、上流に配置されているEHC21を経由する排気により加熱(暖機)される。本実施形態では、三元触媒23は、該排気の他に、モータリングによりEHC21を経由して送られる空気により暖機される。三元触媒23は、三元触媒温度センサ24を備える。三元触媒温度センサ24は、本発明に係る「第2温度特定手段」の一例として、三元触媒23の温度を取得し、該温度を示す信号をエンジンECU31に送信する。
(ハイブリッド自動車の制御)
ハイブリッドECU30は、本発明に係る「温度制御手段」及び「通電制御手段」の一例として、CPU、ROM、RAM及びA/D変換器等を含んで構成され、ハイブリッド自動車100の各部を総括的に制御する。ハイブリッドECU30は、エンジンECU31における触媒の温度に基づく判定結果に応じて、エンジンECU31及びモータECU32を介して、エンジン10及びモータ16を制御して、モータリングを開始又は停止する。また、ハイブリッドECU30は、モータECU32を介してモータ16を制御して、EHC21への通電を開始又は停止する。
ハイブリッドECU30は、バッテリ15の充電量SOC(Storage Of Charge)を検出し、該充電量SOC1が充電量閾値SOC0より高いか否かを判定する。充電量閾値SOC0は、例えばモータ16を駆動するために必要とされる充電残量を示す。ハイブリッドECU30は、充電量SOC1が充電量閾値SOC0より高い場合に、バッテリ15にモータ16を駆動するための十分な充電残量があるとして、モータECU32を介してモータ16を制御して、モータ16による回生電力を直接にEHC21に通電する。
エンジンECU31は、本発明に係る「温度制御手段」の一例として、図示しないCPU、ROM、RAM及びA/D変換器等を含んで構成される。エンジンECU31は、EHC温度センサ22によるEHC21の温度Ca1が活性温度Ca01以上であるか否かを判定する。活性温度Ca01は、本発明に係る「第1温度閾値」の一例として、EHC21における三元触媒が活性状態となる温度を示す。また、エンジンECU31は、三元触媒温度センサ24による三元触媒23の温度Cb1が活性温度Cb01以上であるか否かを判定する。活性温度Cb01は、本発明に係る「第2温度閾値」の一例として、三元触媒24が活性状態となる温度を示す。エンジンECU31は、これらの判定結果をハイブリッドECU30に送信する。
モータECU32は、本発明に係る「温度制御手段」の一例として、図示しないCPU、ROM、RAM及びA/D変換器等を含んで構成される。モータECU32は、モータ16が回生発電を行っている最中であるか否かを判定する。モータECU32は、この判定結果をハイブリッドECU30に送信する。
次に、本発明の温度制御手段及び通電制御手段による触媒暖機制御処理について図を参照しつつ説明する。
(第1触媒暖機制御処理)
本実施形態に係る第1触媒暖機制御処理について図2を参照して説明する。ここで図2は、本実施形態に係る第1触媒暖機制御処理を示すフローチャートである。
図2において、先ずモータECU32により、モータ16が回生発電中か否かが判定される(ステップS51)。この判定の結果、回生発電中でない場合に(ステップS51:NO)、ハイブリッドECU30により、バッテリ15への回生電力の充電が停止される(ステップS52)。
一方、ステップS51の判定結果により、モータ16が回生発電中である場合に(ステップS51:YES)、ハイブリッドECU30により、バッテリの充電量SOC1が充電量閾値SOC0以上であるか否かが判定される(ステップS53)。この判定の結果、充電量閾値SOC0より少ない場合に(ステップS53:NO)、回生電力がバッテリ15に充電される(ステップS54)。
一方、ステップS53の判定結果により、充電量SOC1が充電量閾値SOC0以上である場合に(ステップS53:YES)、ハイブリッドECU30により、EHC21への通電が開始される(ステップS55)。この際に、モータ16による回生電力が直接にEHC21に通電される。続いて、エンジンECU31により、EHC21の温度Ca1が活性温度Ca01以上であるか否かが判定される(ステップS56)。この判定の結果、活性温度Ca01より低い場合に(ステップS56:NO)、通電が継続され(ステップS57)、この後、再びステップS51の処理が行われる。
一方、ステップS56の判定結果により、EHC21の温度Ca1が活性温度Ca01以上である場合に(ステップS56:YES)、ハイブリッドECU30により、モータリングが開始される(ステップS58)。続いて、エンジンECU31により、三元触媒24の温度Cb1が活性温度Cb01以上であるか否かが判定される(ステップS59)。この判定の結果、活性温度Cb01より低い場合に(ステップS59:NO)、再びステップS51の処理が行われる。
一方、ステップS59の判定結果により、三元触媒24の触媒温度Cb1が三元触媒の活性温度Cb01以上である場合に(ステップS59:YES)、ハイブリッドECU30により、モータリング及びEHC21への通電が停止され(ステップS60)、一連の第1触媒暖機制御処理が終了される。尚、一連の第1触媒暖機制御処理の途中であって、バッテリ15への充電の最中に、回生発電が停止された場合に、その充電が停止され、再びステップS51の処理が行われる。また、EHC21への通電及びモータリングの最中に、回生発電が停止された場合に、その通電及びモータリングが停止され、再びステップS51の処理が行われる。
このように、EHC21が活性状態と判定される場合に、排気通路20に空気を送ることで、EHC21への通電を継続しながらもEHC21を冷却して、EHC21の過加熱を防止すると共に、EHC21からの廃熱を有効に利用して三元触媒23を暖機することができる。また、バッテリ15が既に十分な電力を充電していると判定される場合に、回生発電を直接に通電に使用することで、回生電力を効率よく使用することができる。
尚、第1触媒暖機制御処理では、ステップS56によりモータリングの開始を判定するための閾値として、活性温度Ca01を設定しているが、活性温度Ca01より高いオーバーヒート温度Ca02を設定してもよい。オーバーヒート温度Ca02は、本発明に係る「第4温度閾値」の一例として、EHC21がオーバーヒート状態となる温度を示す。
(第2触媒暖機制御処理)
本実施形態に係る第2触媒暖機制御処理について図3を参照して説明する。ここで図3は、本実施形態に係る第2触媒暖機制御処理を示すフローチャートである。図3において、図2と同様のステップには同様のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。第2触媒暖機制御処理では、モータリングの開始を判定するための閾値として、オーバーヒート温度Ca02が設定されている。
図3において、図2に示したステップS51〜S57と同様の処理が行われる。
ここでは特に、ステップS56の判定で、EHC21の温度Ca1が活性温度Ca01以上である場合に(ステップS56:YES)、エンジンECU31により、EHC21の温度Ca2がオーバーヒート温度Ca02以上であるか否かが判定される(ステップS70)。この判定の結果、オーバーヒート温度Ca02より低い場合に(ステップS70:NO)、通電が継続され(ステップS57)、この後、再びステップS51の処理が行われる。
一方、EHC21の温度Ca2がオーバーヒート温度Ca02以上である場合に(ステップS70:YES)、図2に示したステップS58〜S60と同様の処理が行われる。一方、三元触媒24の触媒温度Cb1が三元触媒の活性温度Cb01以上である場合に(ステップS59:YES)、モータリング及びEHC21への通電が停止され(ステップS60)、一連の第2触媒暖機制御処理が終了される。
このように、EHC21の温度Ca2がオーバーヒート温度Ca02以上である場合にモータリングを開始するので、モータリングによる冷却作用で、EHC21におけるオーバーヒートを回避できる。また、図2に示した第1触媒暖機制御処理の場合と比較して、排気通路20に送られる空気の温度を高めることで、三元触媒23を短時間で暖機することができる。
尚、第1及び第2触媒暖機制御処理では、ステップS60によりモータリング及びEHC21への通電を同時に停止するが、これらの停止を段階的に行ってもよい。
(第3触媒暖機制御処理)
本実施形態に係る第3触媒暖機制御処理について図4を参照して説明する。ここで図4は、本実施形態に係る第3触媒暖機制御処理を示すフローチャートである。図3において、図2又は図3と同様のステップには同様のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。第3触媒暖機制御処理では、EHC21への通電が停止された場合に、モータリングが所定期間行われた後に停止される。
図4において、図2及び図3に示したステップS51、S53〜S57と同様の処理が行われる。
ここでは特に、ステップS58のモータリングに続いて、エンジンECU31により、EHC21の温度Ca2がオーバーヒート温度Ca02以上であるか、又は三元触媒24の温度Cb2がオーバーヒート温度Cb02以上であるか否かが判定される(ステップS72)。この判定の結果、EHC21の温度Ca2がオーバーヒート温度Ca02より低く、且つ三元触媒24の温度Cb2がオーバーヒート温度Cb02より低い場合に(ステップS72:NO)、再びステップS51の処理が行われる。
一方、ステップS72の判定結果により、EHC21の温度Ca2がオーバーヒート温度Ca02以上である場合に(ステップS72:YES)、ハイブリッドECU30により、EHC21への通電が停止される(ステップS73)。続いて、三元触媒24の温度Cb3が未だ上昇しているか否かが判定される(ステップS74)。この判定の結果、三元触媒24の温度Cb3が未だ上昇している場合に(ステップS74:YES)、ハイブリッドECU30により、モータリングが継続される(ステップS75)。
一方、ステップS75の判定結果により、三元触媒24の温度Cb3の上昇が終わった場合に(ステップS74:NO)、モータリングが停止され(ステップS76)、一連の第3触媒暖機制御処理が終了される。尚、一連の第3触媒暖機制御処理の途中であって、EHC21への通電及びモータリングの最中に、回生発電が停止された場合に、その通電及びモータリングが停止され、再びステップS51の処理が行われる。
このように、EHC21又は三元触媒23がオーバーヒート温度Ca02又はCb02に達した場合に、モータリングの停止に先立ってEHC21への通電を停止するので、EHC21又は三元触媒23の過加熱を防止することができる。また、三元触媒23の温度上昇が終わるまでモータリングを継続して、通電の停止後にも排気通路に空気を送ることで、三元触媒23を確実に暖機することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置の構成について図5を参照して説明する。ここに図5は、第2実施形態に係るハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置の概要を示すブロック図である。尚、第2実施形態について、図1に示した第1実施形態との相違のみを説明し、第1実施形態の場合と同様に機能する要素について、同一の記号を付す。
図5において、本実施形態に係るハイブリッド自動車200は、図1に示したハイブリッド自動車100と比較して、流量センサ25を備え、排気通路20の流量に基づいてEHC21への通電停止の判定を行う点が異なる。
流量センサ25は、排気通路20における三元触媒23より下流に配置されている。流量センサ25は、排気通路20の流量を取得し、該流量を示す記号をエンジンECU31に送信する。
エンジンECU131は、流量センサ25による排気通路20の流量F1が零である(即ち、モータリングにより燃焼室から押し出される空気の流れがなくなる)か否かを判定する。エンジンECU131は、この判定結果をハイブリッドECU30に送信する。
(第4触媒暖機制御処理)
本実施形態に係る第4触媒暖機制御処理について図6を参照して説明する。ここで図6は、本実施形態に係る第4触媒暖機制御処理を示すフローチャートである。図6において、図2から図4と同様のステップには同様のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。図4に示した第3触媒暖機制御処理では、EHC21への通電が停止された後に、モータリングが停止されるが、第4触媒暖機制御処理では、モータリングが停止された後に、EHC21への通電が停止される。
図6において、図1に示したステップS51、S53〜S59と同様の処理が行われる。
ここで特にステップS59において、三元触媒24の触媒温度Cb1が三元触媒の活性温度Cb01以上である場合に(ステップS59:YES)、ハイブリッドECU30により、モータリングが停止される(ステップS81)。続いて、エンジンECU131により、排気通路20の流量F1が零であるか否かが判定される(ステップS82)。この判定の結果、流量F1が零でない場合に(ステップS82:NO)、流量F1が零となるまで待機状態となる。
一方、ステップS82の判定結果により、排気通路20の流量F1が零である場合に(ステップS82:YES)、ハイブリッドECU30により、EHC21への通電が停止され(ステップS83)、一連の第4触媒暖機制御処理が終了される。尚、一連の第4触媒暖機制御処理の途中であって、EHC21への通電及びモータリングの最中に、回生発電が停止された場合に、先ずモータリングが停止される。この後に、排気通路20の流量F1が零の場合に、EHC21への通電が停止され、再びステップS51の処理が行われる。
このように、モータリングが停止された後に、モータリングによる空気の流れがなくなるまでEHC21への通電を継続することで、モータリングにより送られた空気により、EHC21及び/又は三元触媒23が冷却され、EHC21及び/又は三元触媒23の温度が低下するのを防止することができる。
尚、第4触媒暖機制御処理では、ステップS82により、EHC21への通電停止を、排気通路20の流量F1に基づいて判定するが、エンジン10の回転数に基づいて判定してもよい。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係るハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置の構成について図7を参照して説明する。ここに図7は、第3実施形態に係るハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置の概要を示すブロック図である。尚、第3実施形態について、図5に示した第2実施形態との相違のみを説明し、第2実施形態の場合と同様に機能する要素について、同一の記号を付す。
図7において、本実施形態に係るハイブリッド自動車300は、図5に示したハイブリッド自動車200と比較して、通電コントローラ18を備え、エンジン10の回転数に応じてEHC21への通電量を増減する点が異なる。
通電コントローラ18は、インバータ14とEHC21との間に配置されており、エンジンECU231の制御により、EHC21に供給される電力(即ち、EHC21への通電に係る通電量)を増減する。本実施形態では、この通電量は、エンジン10の回転数NE1に対応される。
エンジンECU231は、エンジン10の回転数NE1を検出すると共に、この検出された回転数NE1に基づいて、EHC21への通電に係る通電量を算出する。
次に、本実施形態に係る通電制御手段における通電量の算出について図8を参照して説明する。ここに図8は、本実施形態に係る内燃機関の回転数及び通電加熱触媒への通電に係る通電量の関係を示す。
図8に示した関数は、横軸にエンジン10の回転数NE1を、縦軸に通電量を示す。図8において、回転数NE1が低くなる程、通電量が零に近付く。本実施形態では、エンジンECU231は、回転数NE1が低い(即ち、排気通路20における空気の流量が少ない)程、EHC21が冷却され難くなるとして、通電量を低減する。この通電量の低減により、EHC21が適度に加熱される。
(第5触媒暖機制御処理)
本実施形態に係る第5触媒暖機制御処理について図9を参照して説明する。ここで図9は、本実施形態に係る第5触媒暖機制御処理を示すフローチャートである。図9において、図2から図4又は図6と同様のステップには同様のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。第5触媒暖機制御処理では、EHC21への通電の際に、その通電量が制御される。
図9において、図6に示したステップS51、S53〜S59、及びS81と同様の処理が行われる。
ここでステップS81のモータリングの停止に続いて、エンジンECU231により、エンジン10の回転数NE1が検出され(ステップS91)、回転数NE1に基づいてEHC21への通電に係る通電量が算出される。すると、通電コントローラ18により、この算出された通電量が設定される(ステップS92)。この設定により、EHC21に対する通電量が、回転数NE1に対応される。
続いて、エンジンECU231により、エンジン10の回転数NE1が零であるか否かが判定される(ステップS93)。この判定の結果、回転数NE1が零でない場合に(ステップS93:NO)、再びステップS91の処理が行われる。
一方、ステップS93の判定結果により、エンジン10の回転数NE1が零である場合に(ステップS93:YES)、ハイブリッドECU30により、EHC21への通電が停止され(ステップS94)、一連の第5触媒暖機制御処理が終了される。尚、一連の第5触媒暖機制御処理の途中であって、EHC21への通電及びモータリングの最中に、回生発電が停止された場合に、先ずモータリングが停止される。この後に、ステップS91の処理が行われる。
このように、エンジン10の回転数NE1が低くなるに連れて、EHC21への通電に係る通電量を低減することで、EHC21が過剰に加熱されることを防止し、EHC21及び/又は三元触媒23を常時適温に維持することができる。
尚、第5触媒暖機制御処理では、ステップS93により、EHC21への通電停止を、エンジン10の回転数NEに基づいて判定するが、排気通路20の流量に基づいて判定してもよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能である。
第1実施形態に係るハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置を示す概要的なブロック図である。 第1実施形態における第1触媒暖機制御処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における第2触媒暖機制御処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における第3触媒暖機制御処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置を示す概要的なブロック図である。 第2実施形態における第4触媒暖機制御処理を示すフローチャートである。 第3実施形態に係るハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置を示す概要的なブロック図である。 本発明に係る内燃機関の回転数対通電加熱触媒への通電に係る通電量の関係を示すグラフである。 第3実施形態における第5触媒暖機制御処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10…内燃機関、13…ジェネレータ、16…モータ、21…EHC、22…EHC温度センサ、30…ハイブリッドECU、31…エンジンECU、32…モータECU、100…ハイブリッド自動車

Claims (13)

  1. 内燃機関、電動機、及び前記内燃機関の排気通路に配置されており通電により加熱される通電加熱触媒を備えるバイブリッド自動車において、前記通電過熱触媒の暖機を制御する触媒暖機制御装置であって、
    前記通電加熱触媒の温度を特定する第1温度特定手段と、
    前記通電の最中において前記特定された温度が所定の第1温度閾値より高い場合に、前記内燃機関で燃焼を伴わないモータリングが前記電動機により行われるように、前記内燃機関及び前記電動機を制御する温度制御手段と
    を備えることを特徴とするハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置。
  2. 前記ハイブリッド自動車は、前記排気通路における前記通電過熱触媒より下流に配置されており前記通電加熱触媒を経由して来る排気により暖機される気体暖機触媒を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置。
  3. 前記気体暖機触媒の温度を特定する第2温度特定手段を更に備え、
    前記温度制御手段は、前記通電の最中において前記第2温度特定手段により特定された前記温度が所定の第2温度閾値より低い場合に、前記モータリングが行われるように前記内燃機関及び前記電動機を制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置。
  4. 前記温度制御手段は、前記第2温度特定手段により特定された前記温度が前記第2温度閾値より高い第3温度閾値に達した場合に、前記モータリングを停止するように前記内燃機関及び前記電動機を制御する
    ことを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置。
  5. 前記通電を行う又は停止する通電制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置。
  6. 前記ハイブリッド自動車は、蓄電器及び発電機を更に備え、
    前記通電制御手段は、前記通電を選択的に、前記蓄電器又は前記発電機から行うことを特徴とする請求項5に記載のハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置。
  7. 前記通電制御手段は、前記蓄電器の充電量が所定の充電量閾値より高い場合に、前記通電を前記発電機から行うことを特徴とする請求項6に記載のハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置。
  8. 前記通電制御手段は、前記充電量が前記充電量閾値より低い場合に、前記通電を前記蓄電器から行うことを特徴とする請求項6又は7に記載のハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置。
  9. 前記通電制御手段は、前記第1温度特定手段により特定された前記温度が、前記第1温度閾値より高い第4温度閾値に達した場合に、前記通電を停止することを特徴とする請求項5から8のいずれか一項に記載のハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置。
  10. 前記通電制御手段は、前記モータリングが停止されるのに応じて、前記通電を停止することを特徴とする請求項5から9のいずれか一項に記載のハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置。
  11. 前記通電制御手段は、前記モータリングが停止された場合に、前記通電を所定の期間行った後に前記通電を停止することを特徴とする請求項10に記載のハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置。
  12. 前記通電制御手段は、前記期間として、前記モータリングが停止されてから、前記内燃機関の回転数又は前記排気通路を流れる空気の流量が零となるまでの期間、前記通電を継続して行うことを特徴とする請求項11に記載のハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置。
  13. 前記通電制御手段は、前記期間に、前記内燃機関の回転数又は前記排気通路を流れる空気の流量の減少に応じて前記通電に係る通電量を減少させることを特徴とする請求項12に記載のハイブリッド自動車の触媒暖機制御装置。
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