JP2009226578A - 積層研磨パッド、およびその製造方法 - Google Patents

積層研磨パッド、およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】研磨時に繊維層の端面がほつれて研磨に支障を来たすようなことがない、簡便かつ形状精度の高くバリが生じていない研磨パッド、およびその形状加工方法を提供する。
【解決手段】基本的に高分子材料からなり、実質的に繊維のみからなる繊維層、および樹脂層を有する積層研磨パッドであって、該繊維層の繊維端面が局所的に加熱され、高温の状態にされることにより溶融裁断あるいは溶融処理されていることを特徴とする積層研磨パッド。
【選択図】なし

Description

本発明は、実質的に繊維のみからなる繊維層、および特定の合成高分子から構成される樹脂層、からなる積層研磨パッドにかかり、特に、半導体ウェハーの研磨など高度な平坦性が要求される研磨工程に使用される研磨パッドに関する。
ICやLSIなどの半導体集積回路を製造するためのシリコンウェハー、磁気ハードディスク基板、磁気ヘッド基板、ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク基板、光学レンズ、光導波路などの分野において、高度の表面平坦性が要求されている。特に、情報処理、情報記録を行う素子あるいはディスクは飛躍的に集積度の向上が求められており、これに伴って基板上に形成される回路などのパターンの微細化が進展し、そのためにより一層の高精度の表面仕上げが強く求められている。
シリコンウェハー等の基板を平滑にし、鏡面仕上げするための研磨は、回転可能な研磨定盤に研磨パッドを固定して回転させながら、研磨定盤に対峙して設置したウェハーを自公転運動させて相対的に移動させるとともに、研磨パッドとウェハーの間隙に研磨スラリーを加えることによって、ウェハー表面が研磨され、平坦化、平滑化が行われている。
近年、シリコンウェハーのサイズが大型化するとともに、1枚のウェハーからのチップの収率を高めるため、ウェハー外周部のふちだれを極力抑制し、被研磨物の平坦度を向上させ、エッジエクスクルージョン(研磨後のウェハーの面内均一性などを評価する場合に、考慮範囲外とするウェハーの外周部の幅のこと)を小さくすることが求められている。例えば、直径200mmあるいは300mmのシリコンウェハーではエッジエクスクルージョンを2mm以下に抑えることが求められている。
このような目的に対して、シリコンウェハーの粗研磨用のパッドとしては、ポリエステル不織布にウレタン樹脂を含浸させた連続発泡タイプ、および単一のウレタン樹脂を発泡させた独立発泡タイプなどが使用されている。また、積層構造パッドとして、合成繊維の織布からなる研磨シートを、研磨シートより軟質の弾性シート上に積層した研磨パッドが開示されている(特許文献1)。
円形の研磨パッドを得る方法としては、例えば所望の形状を有する金型を用いて金型成形する方法、シート状に成形し、これを所望のパッド形状に打ち抜く方法等を挙げることができる。上記の打ち抜き法として、切削刃やルーター刃により切断してから打ち抜く方法が挙げられる。
しかしながら、繊維のみからなる繊維層を有する研磨パッドでは、樹脂含浸などを行わず、繊維同士を固定しないので、切削刃などにより円形に切断すると、繊維層の端面がほつれ、研磨時にこのほつれが広がって、研磨に支障を来すという問題点があった。
一方、繊維あるいは布帛の加工方法として、レーザー照射による裁断や布帛端面の溶融処理が開示されているが(特許文献2、特許文献3)、研磨パッドの製造に適用した例はない。
特開昭55−90263号公報 特開平10−183464号公報 特開2005−308884号公報
本発明は、繊維層を有する研磨パッドの製造時における問題点に鑑みなされたものであり、簡便かつ精度の高い形状加工がなされた積層研磨パッド、およびその形状加工方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明の研磨パッド、およびその形状加工方法は、以下の構成からなる。
(1)実質的に繊維のみからなる繊維層、および樹脂層を有する積層研磨パッドであって、該繊維層の繊維端面が溶融処理されていることを特徴とする積層研磨パッド。
(2)該繊維層の繊維端面が該樹脂層と一体となって溶融処理されている(1)記載の積層研磨パッド。
(3)バリが生じてない(1)記載の積層研磨パッド。
(4)実質的に繊維のみからなる繊維層、および樹脂層を有する積層研磨パッドの製造方法であって、繊維シートと樹脂シートを貼り合わせて積層シートを形成する工程、積層シートを裁断する工程、積層シートの裁断面を溶融処理する工程を含むことを特徴とする積層研磨パッドの製造方法。
(5)積層シートを裁断する工程と積層シートの裁断面を溶融処理する工程が実質的に同時に行われる(4)に記載の積層研磨パッドの製造方法。
(6)積層シートを裁断する工程と積層シートの裁断面を溶融処理する工程が、レーザー照射によるものである(5)に記載の積層研磨パッドの製造方法。
(7)溶融処理する工程において、発生するガスを吸引、除去する(4)〜(6)のいずれかに記載の積層研磨パッドの製造方法。
本発明により、生産性が高く、形状加工精度に優れ、耐久性の高い研磨パッド、およびその製造方法が得られる。
本発明の溶融裁断、繊維層の繊維端面の溶融処理は、基本的に高分子材料からなる研磨パッドにおいて、実質的に繊維のみからなる繊維層を有する積層研磨パッドを局所的に加熱し、高温の状態にすることにより、溶融裁断あるいは溶融処理を行うことを言う。溶融とは、繊維の表面および/または内部が熔解して複数の繊維と一体化することを言う。局所的な加熱の方法は特に限定されないが、金属製の裁断刃や鏝、ワイヤーなどを加熱、通電、振動させることにより、あるいはレーザーのような活性光線により、所定の部位に熱付与を行って、繊維層や高分子材料を溶融させて、裁断・処理する。この場合、所定の部位を加圧することも好ましい。
本発明において、研磨パッドの溶融裁断、繊維層の繊維端面の溶融処理としては、好ましい少なくとも2つの態様がある。
1つの好ましい態様は、裁断刃への熱付与を行う態様である。具体的には、裁断刃の温度を上げた状態で研磨パッドを、研磨面側から、あるいは裏面側から押し切ることにより、溶融裁断とともに、剪断される繊維層の繊維端面を溶融処理することができる。この場合、繊維層の繊維端面が樹脂層と一体となって溶融処理する、あるいは繊維層の繊維端面が接着層と一体となって溶融処理するという観点から、研磨面側から押し切ることがより好ましい。
他の好ましい態様は、レーザー照射による方法である。具体的には、研磨パッドを貫通する方向に、研磨面側から、あるいは裏面側からレーザー照射を行って、研磨パッドを溶融裁断するとともに、繊維層の繊維端面を溶融処理することができる。レーザー照射による方法は、バリが生じにくく、溶融処理部の形体が保持されるので好ましい。この場合、繊維層の繊維端面が樹脂層と一体となって溶融処理する、あるいは繊維層の繊維端面が接着層と一体となって溶融処理するという観点から、研磨面側からレーザー照射することが好ましい。
レーザーの波長としては、10.6μmまたは9.3μm(炭酸ガスレーザー)、1.064μmまたは0.355μm(YAGレーザー)、0.633μm(HeNeレーザー)、0.308μm(XeClエキシマレーザー)、0.248μm(KrFエキシマレーザー)、0.193μm(ArFエキシマレーザー)などを用いることができる。比較的汎用の装置で、高出力のものが得られる炭酸ガスレーザーや半導体レーザーが好ましく用いられる。レーザーの出力は特に限定されないが、必要な出力の目安としては、1.0〜200W程度が適切である。また、レーザー光線のスポット径は、0.1〜10mmφが適切である。なお、レーザーの発振方式は、パルス発振でも連続発振でもよいが連続発振の方が好ましい。レーザー光線が照射された箇所は局部的に高温になり、被照射物が熱分解などにより、ガス状、微粉末状の有機物が生成する。この有機物が、繊維層上に付着、残存していると、研磨時に欠陥を生じる可能性があるので、レーザー照射時に生成するガス状あるいは微粉末状の有機物を研磨布表層部から除去する必要がある。本発明では、そのために窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスをレーザー光線照射部に吹き付け、発生した有機物を研磨布から速やかに除去することが好ましい。
パッドを所望の形状に裁断するため、レーザー光線を照射するノズルを移動させるか、あるいは研磨布を載せたステージを左右、前後に移動させて、研磨布を適当な軌跡をもって移動させるかいずれかの手段により所望の形状に裁断する。
本発明の積層研磨パッドは、研磨層であり研磨パッドの表層を構成する、実質的に繊維からなる繊維層、および樹脂層の少なくとも2層から構成される。
本発明の積層研磨パッドにおいて、実質的に繊維からなる繊維層のマイクロゴムA硬度が樹脂層のマイクロゴムA硬度よりも3以上小さいことが好ましい。本発明において、実質的に繊維からなる繊維層のマイクロゴムA硬度は90未満であることが好ましい。ここで、研磨層のマイクロゴムA硬度とは、研磨層(表層)のみのマイクロゴムA硬度をいう。研磨層が、例えば0.1mmと非常に薄い場合であっても、厚み1mmのステンレス板の上に置かれた試料をマイクロゴムA硬度計で測定した値をいう。また、樹脂層のマイクロゴムA硬度とは、樹脂層のみの状態で測定をしたマイクロゴムA硬度をいう。研磨層(表層)または樹脂層のマイクロゴムA硬度は、研磨層(表層)または樹脂層のみを測定した値を言う。したがって、研磨層(表層)または樹脂層を固定する裏面テープや中間層がない状態で測定した値を言う。
本発明の実質的に繊維からなる繊維層は、研磨パッドの研磨層である表層を構成し、シリコンウェハーなどの被加工物を研磨する際に、スラリーを介して研磨層と被加工物を加重下において相対運動させて、被加工物の表層を削り取り、平坦化、平滑化するために、積層研磨パッドの表層に配置される。
繊維層の繊維の単糸繊度は3デシテックス(dtex)以下が好ましく、1デシテックス以下がさらに好ましく、0.3デシテックス以下が特に好ましい。異なる単糸繊度の繊維を併用することも好ましい。ここで、1デシテックスとは、繊維10,000m当たりのグラム数をいう。繊維層としては、繊維からなる布帛であることが好ましい。布帛としては、織布、不織布、フェルトなどを挙げることができ、特に織布として、織物または編物であることが格別に好ましい。
一般に、繊維は、天然繊維(綿、麻、羊毛、獣毛、絹など)、化学繊維に分類され、さらに化学繊維は再生繊維(レーヨン、キュプラ、リヨセルなど)、半合成繊維(アセテート、トリアセテートなど)、合成繊維に分類される。本発明において、繊維としては特に限定されるものではないが、細径のものから太径のものまで一定の断面形状で、強度や弾性率などの機械特性が安定した繊維が得られる点で、合成繊維が好ましく用いられる。合成繊維としては、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリフェニレンスルフィド、などを挙げることができるが、ポリエステル、ナイロンが特に好ましく用いられる。 また、実質的に繊維からなる繊維層(表層)の厚さが0.1mm以上であることが好ましい。
樹脂層の材質は特に限定されないが、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、アクリル樹脂、ABS樹脂、塩化ビニルなどの合成樹脂やエラストマーに加えて、天然ゴム、ブタジエン系ゴム、イソプレンゴム、ネオプレン(登録商標)ゴム、ニトリルゴム、スチレン系共重合体ゴム、オレフィン系ゴム、シリコンゴムなどを挙げることができる。このうち、ポリウレタンが生産性、加工性、耐久性などの点から好ましい。これらポリマーの発泡シート、無発泡シートのいずれも使用することができるが、硬度が比較的高く、吸水性が小さく、圧縮歪み量が小さく、耐久性に優れる点から無発泡シートが好ましい。
本発明の積層研磨パッドは、実質的に繊維からなる繊維層と樹脂層の間に繊維層と樹脂層を接着・固定させる中間接着層を設けてもよい。また、樹脂層の裏面側に研磨定盤に固定させるための裏面接着層を設けてもよい。裏面接着層は、通常、プラスチックフイルムまたは剥離紙上に接着層を設けてあり、研磨時、パッドを定盤に貼り付ける際に、プラスチックフイルムまたは剥離紙を剥がしてパッドを定盤に押し付け、定盤にパッドを固定する役割を担う。中間接着層および裏面接着層は、0.02mm以上であることが好ましく、0.02〜0.3mmの厚さであることがさらに好ましく、0.05〜0.15mmの厚さであることが特に好ましい。
本発明の積層研磨パッドは特に製造方法が限定されるものではないが、代表的なものとして、実質的に繊維からなる繊維層と樹脂層をそれぞれ作製し、接着層を介して両者を貼り合わせて積層研磨パッドとする方法が最も生産性・装置などの点で好ましい。ただし、例えば、接着層を設けず、研磨層と下地層を直接接合させる方法であってもよい。なお、本発明において、「積層」とは、実質的に繊維からなる繊維層、樹脂層、および/またはそれ以外の層のうち、隣接する層が物理的あるいは化学的に固定された状態をいう。
本発明におけるマイクロゴムA硬度は、高分子計器(株)(所在地:京都市上京区下立売室町西入)製マイクロゴム硬度計MD−1で測定した値をいう。マイクロゴム硬度計MD−1は、従来の硬度計では測定が困難であった薄物・小物の硬さ測定を可能にするもので、スプリング式ゴム硬度計(デュロメータ)A型の約1/5の縮小モデルとして、設計・製作されているため、スプリング式ゴム硬度計A型の硬度と一致した測定値が得られる。マイクロゴム硬度計MD−1は、直径0.16mmの円柱形で、高さが0.5mmの押針を使用する。通常の研磨パッドはその厚みが5mmよりも小さいので、スプリング式ゴム硬度計A型では測定できず、マイクロゴム硬度計MD−1で測定した値を採用する。
本発明の積層研磨パッドは、シリコンウェハー、化合物半導体ウェハー、これらウェハー上に設けられた絶縁体膜やメタル膜、ハードディスク基板、磁気ヘッドなどの電子材料の研磨の用途に使用できる。特に、化学機械的研磨(CMP;Chemical Mechanical Polishing)技術による半導体ウェハーの平坦化の目的で被研磨物である半導体ウェハーの研磨処理を行う研磨パッドとして使用できる。CMP工程において、研磨剤と薬液からなる研磨スラリーを用いて、半導体ウェハーと研磨パッドを相対運動させることにより、半導体ウェハー面を研磨して、半導体ウェハー面を平坦化、平滑化する目的で研磨パッドが使用される。研磨スラリーとしては、シリカ、アルミナ、セリアなどの無機粒子、アクリルなどの有機粒子、または無機粒子と有機粒子の混合物や複合粒子を含むものを用いることができる。
また、特に限定しないが、CMP工程において、パッド表面の目立ておよび研磨屑除去を目的としてドレッシングすることも好ましい。ドレッシング方法は、高圧水を用いる方法、ブッラシングする方法、金属ディスクドレッサーを用いる方法などが挙げられる。中でも、高圧水によるドレッシング方法は、研磨パッド内部へのダメージが小さく、パッド表面の微細孔をクリーニングすることができるため、、好ましい。
高圧水を用いる方法としては、特に限定しないが、例えば、旭サナック(株)製の高圧マイクロジェット・コンディショニング装置が挙げられる。噴射ノズルからの水圧は3〜30MPaが好ましく、ノズル移動速度は10〜1000cm/minで好ましく用いられる。ノズルタイプは、特に限定されないが、例えば円環スプレーノズル、円形全面スプレーノズル、扇状スプレーノズルが好ましく用いられる。噴射される洗浄液は、特に限定しないが純水、もしくは洗浄剤を含む洗浄水が好ましい。また、ドレッシングの際に接触式センサーまたは接触式変位計などにより、研磨パッドの凹凸を検出しながらドレッシングすることも好ましい。
本発明の積層研磨パッドは、液晶ディスプレイ用ガラス基板、光学レンズ、フォトマスク基板、光学プリズム、光学フィルタ、光導波路などの光学部材の研磨にも使用できる。研磨対象となる光学部材の素材としては、ガラス、石英、水晶、サファイア、透明樹脂、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどが挙げられる。
また、その他の用途として、フェライト、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、セラミックス、合金、樹脂などを研磨対象として研磨する用途に使用できる。
以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。なお、評価方法は以下のようにして行った。
積層研磨パッドのマイクロゴムA硬度の測定は、積層研磨パッドから30mm×30mmの大きさに打ち抜いた試料の裏面の離型紙または離型フイルムを剥がして、裏面テープで貼り付けた状態で測定した。すなわち、研磨時に研磨定盤に貼着した状態と同じ状態で測定した。研磨層(表層)、樹脂層のマイクロゴムA硬度は、接着層や裏面テープのない状態で測定したものである。
(1)マイクロゴムA硬度
高分子計器(株)製マイクロゴム硬度計MD−1で測定した。30×30mmの試料で異なる箇所を3回測定し、平均値を硬度の値とした。
(2)研磨評価A
420mmφの研磨定盤を有する片面研磨機LP−15F(ラップマスターSFT社製)に研磨パッドを貼着し、セリアスラリー(セリア砥粒濃度5重量%)を25mL/分の割合で研磨パッド上に流しながら、定盤回転数40rpm、研磨圧力10kPaで74mm×74mm×1mm厚の光学ガラス板BK−7を10分間研磨した。研磨後、光学ガラス板を交換し、継続して研磨加工を行った。
(3)研磨評価B
420mmφの研磨定盤を有する片面研磨機LP−15F(ラップマスターSFT社製)に研磨パッドを貼着し、コロイダルシリカスラリーGLANZOX−1302(フジミ・インコーポレーティッド社製)を25mL/分の割合で研磨パッド上に流しながら、定盤回転数40rpm、研磨圧力13.4kPaで5インチの単結晶シリコンウェハーを20分間研磨した。研磨後、単結晶シリコンウェハーを交換し、継続して研磨加工を行った。
(4)研磨加工能率
研磨前後の重量変化を電子天秤で測定した。研磨評価Aにおいては、光学ガラスBK−7の密度(2.51g/cm)、ガラス板の面積、および研磨時間で割りかえして、研磨加工能率(μm/分)を算出した。また、研磨評価Bにおいては、単結晶シリコンの密度(2.329g/cm)、ウェハーの面積、研磨時間で割りかえして、研磨加工能率(μm/分)を算出した。研磨前、研磨後ともに、PVAスポンジ(ポリビニルホルマール樹脂製)を用いてイオン交換水で洗浄し、乾燥後に重量測定を行った。
実施例1
研磨層として、縦糸、横糸ともに海島型ポリエステル超極細繊維(繊維径約2μm)を用いた平織り構造の布帛である52628TR(東レ(株)製)を使用した。布帛のみのマイクロゴムA硬度は87、布帛厚さは0.17mmであった。樹脂層として、厚さ1.0mmの熱硬化性ポリウレタンシートを使用した。樹脂層のみの物性値は、マイクロゴムA硬度は91であった。研磨層と樹脂層は厚さ約70μmの接着層を介して貼り合わせた。次に、樹脂層の裏面に離型フイルム付き両面テープ(ポリエチレンテレフタレート製フイルムの両面に接着層を設けた両面テープで、厚さ約110μm)を貼り合わせた。積層研磨パッドのマイクロゴムA硬度は72であった。その後、半田ごてを押し付けて、直径420mmの円形に打ち抜いた。研磨層の繊維端面が接着層と一体となって固定されていた。離型フイルムを剥がして研磨定盤に貼着し、研磨評価Aを行った。研磨開始後24時間を越えても安定した研磨加工能率が得られ、長時間研磨パッドが使用可能であった。
実施例2
研磨層として、布帛表面が海島型ポリエステル超極細繊維(繊維径約2μm)で覆われた丸編構造の布帛である73001TR(東レ(株)製)を使用した。布帛のみのマイクロゴムA硬度は60、布帛厚さは0.47mmであった。樹脂層として、実施例1で用いたものと同じ熱硬化性ポリウレタンシートを使用した。研磨層と樹脂層は厚さ約70μmの接着シートを介して貼り合わせた。次に、樹脂層の裏面に離型フイルム付き両面テープ(ポリエチレンテレフタレート製フイルムの両面に接着層を設けた両面テープで、厚さ約110μm)を貼り合わせた。積層研磨パッドのマイクロゴムA硬度は59であった。その後、ユニバーサルレーザーシステムズ社製レーザー加工機を用いて、出力10W、30mm/秒の条件にて、直径420mmの円形に打ち抜いた。研磨層の繊維端面、接着層、樹脂層が一体となって固定されていた。離型フイルムを剥がして研磨定盤に貼着し、研磨評価Bを行った。研磨開始後24時間を越えても研磨初期と同レベルの安定した研磨加工能率が得られ、長時間研磨パッドが使用可能であった。
実施例3
実施例2と同様に研磨パッドを作製し、研磨評価Bを行った。この際、単結晶シリコンウェハーを交換する毎に、研磨パッド表面をウォーターヘッドから高圧水を噴射させてドレッシングしたところ、研磨パッド上の研磨屑が減少し、研磨開始後36時間を越えても安定した研磨加工能率が得られた。
比較例1
実施例1において、繊維層側を上にして、NTカッターを用いて直径420mmの円形に加工したことを除いては、実施例1と同様にして、研磨パッドを作製し、研磨評価を行ったところ、研磨開始後、約4時間で繊維層の端面にほつれが見られ、約5時間後に繊維層が剥がれ始めて研磨加工が継続できなくなった。
比較例2
繊維層、接着層、樹脂層を、それぞれ予め直径420mmの円形に加工してから、貼り合わせを行った。すなわち、繊維層については、繊維層のみを半田ごてで直径420mmの円形に加工した。接着層、樹脂層については、NTカッターを用いて直径420mmの円形に加工した。これら部材を順次貼り合わせて、積層構造の直径420mmの円形のパッドとした。前記の点を除いては実施例1と同様にして研磨パッドを作製し、研磨評価を行ったところ、研磨開始後約8時間で繊維層の端面にほつれが見られ、約10時間後に繊維層が剥がれ始めて研磨加工が継続できなくなった。

Claims (7)

  1. 実質的に繊維のみからなる繊維層、および樹脂層を有する積層研磨パッドであって、該繊維層の繊維端面が溶融処理されていることを特徴とする積層研磨パッド。
  2. 該繊維層の繊維端面が該樹脂層と一体となって溶融処理されている請求項1記載の積層研磨パッド。
  3. バリが生じてない請求項1記載の積層研磨パッド。
  4. 実質的に繊維のみからなる繊維層、および樹脂層を有する積層研磨パッドの製造方法であって、繊維シートと樹脂シートを貼り合わせて積層シートを形成する工程、積層シートを裁断する工程、積層シートの裁断面を溶融処理する工程を含むことを特徴とする積層研磨パッドの製造方法。
  5. 積層シートを裁断する工程と積層シートの裁断面を溶融処理する工程が実質的に同時に行われる請求項4に記載の積層研磨パッドの製造方法。
  6. 積層シートを裁断する工程と積層シートの裁断面を溶融処理する工程が、レーザー照射によるものである請求項5に記載の積層研磨パッドの製造方法。
  7. 溶融処理する工程において、発生するガスを吸引、除去する請求項4〜6のいずれかに記載の積層研磨パッドの製造方法。
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