JP2002361564A - 研磨シート及びその製造方法 - Google Patents

研磨シート及びその製造方法

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JP2002361564A
JP2002361564A JP2001208559A JP2001208559A JP2002361564A JP 2002361564 A JP2002361564 A JP 2002361564A JP 2001208559 A JP2001208559 A JP 2001208559A JP 2001208559 A JP2001208559 A JP 2001208559A JP 2002361564 A JP2002361564 A JP 2002361564A
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久智 多
Toshihiro Izumi
敏裕 泉
Toshihiro Kobayashi
俊裕 小林
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Nihon Micro Coating Co Ltd
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    • B24B37/00Lapping machines or devices; Accessories
    • B24B37/11Lapping tools
    • B24B37/20Lapping pads for working plane surfaces
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B24DTOOLS FOR GRINDING, BUFFING OR SHARPENING
    • B24D11/00Constructional features of flexible abrasive materials; Special features in the manufacture of such materials
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    • B24D3/02Physical features of abrasive bodies, or sheets, e.g. abrasive surfaces of special nature; Abrasive bodies or sheets characterised by their constituents the constituent being used as bonding agent
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Abstract

(57)【要約】 【課題】使用時間の経過とともに変形せず、高い研磨レ
ートで研磨対象物表面を均一に平坦化できる研磨シート
及び方法を提供することである。 【解決手段】1本の繊維13、複数本の繊維を束ねた繊
維束13、又は複数本の繊維を束ねた繊維束をさらに複
数束ねた繊維束13からなる織布シート12、及びこの
織布シートの繊維又は繊維13束同士を固定する樹脂1
4から構成される研磨シート10。本発明の研磨シート
10は、裏地シート15の表面に固定される。サテン数
は3〜15の範囲が好ましい

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、半導体ウェーハ、液晶
ガラス基板、磁気ハードディスク基板、磁気ヘッド基板
など、表面に高度の平坦性が要求される研磨対象物を研
磨するための研磨シート及び方法に関し、特に、化学的
機械的研磨に適した研磨シート及びその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術及び発明の解決しようとする課題】半導体
ウェーハ、液晶ガラス基板、磁気ハードディスク基板、
磁気ヘッド基板など、表面に高度の平坦性が要求される
研磨対象物の研磨には、化学的機械的研磨(CMP)法
が利用されている。
【0003】CMP法は、研磨対象物表面と化学的に反
応する成分を含んだ研磨液を使用して行われ、研磨対象
物表面を化学的にエッチングしたり、研磨対象物表面に
錯体や酸化物を生成したりしながら、研磨液中に含まれ
る遊離砥粒で機械的に削る研磨法であり、CMP法によ
ると、非常に微細な研磨がなされ、表面を高度に平坦化
できる、という利点がある。
【0004】例えば、半導体装置の分野では、デバイス
の大容量化のため、多層配線技術が重要なものとなって
いる。この多層配線技術では、下地に高度の平坦性が要
求される。これは、下地に凹凸があると、これにより段
差が生じ、この段差上に形成される配線が切れるという
不都合が生じ、所定の配線設計性能が得られなくなるか
らからである。このため、配線パターンと絶縁膜を形成
したウェーハの平坦化には、上記CMP法が利用され
る。
【0005】このようなCMP法を利用した半導体ウェ
ーハの平坦化は、ウェーハ表面に形成した膜(例えば、
酸化シリコン膜)と化学的に反応する成分(例えば、水
酸化カリウム水溶液)を含んだアルカリ性の研磨液を、
回転定盤に貼り付けた研磨パッド上に供給しながら、こ
の研磨パッド上にウェーハを押し付けて行われる(例え
ば、特開平8−3540号公報、特開平10−8811
1号公報を参照)。
【0006】従来、このような平坦化に使用される研磨
パッドとしては、表面に微細孔を多数有する発泡体ベー
スの研磨パッド(例えば、発泡ポリウレタンパッド、製
品番号:IC−1000、Rodel社)や、プラスチ
ック繊維からなるシート状の織布をゴム製シート等の弾
性シート上に固定した研磨パッド(例えば、特開昭55
−90263号公報を参照)が使用されている。これ
は、発泡体ベースの研磨パッドでは、研磨中、表面の微
細孔によって保持された遊離砥粒が研磨対象物表面に弾
力的に作用し、研磨対象物表面を高度に平坦化できると
考えられ、また、織布を弾性シート上に固定した研磨パ
ッドでは、織布を弾性シート上に固定することで、研磨
中、織布を構成する繊維間の隙間によって保持された遊
離砥粒が研磨対象物表面に弾力的に作用し、研磨対象物
表面を高度に平坦化できると考えられていたからであ
る。
【0007】しかし、このような従来の発泡体ベースの
研磨パッドは、少なくとも二種類以上の樹脂の混合物を
発泡させて発泡体ブロックを成形し、このブロックを所
定の厚さにスライスしたものであるが、ブロックの発泡
度をブロック内部にわたって均一にすることが困難であ
るため、製品化した研磨パッドごとに単位面積当たりの
微細孔数や弾力性にバラツキが生じ、また製品化した一
枚の研磨パッドにさえも、局所的に微細孔数や弾力性に
バラツキが生じる、という問題がある。
【0008】また、上述したような従来の発泡体ベース
の研磨パッドを使用すると、使用時間の経過とともに、
パッド表面が局所的又は全体的に摩耗して研磨パッドの
表面部分が変形し、研磨対象物表面を均一に研磨できな
くなるだけでなく、パッド表面の微細孔に砥粒や研磨ク
ズがたまり、目詰まりし、研磨レート(単位時間当たり
の研磨量)が低下する。このことから、パッド表面の平
坦化と目詰まり解消のため、ダイヤモンド等の硬質粒子
を固定したサンドプレート等のドレス工具でパッド表面
のドレスを都度に行っているのが現状であり、このドレ
ス作業に時間と手間がかかるだけでなく、ドレス後に、
ドレス工具から脱粒したダイヤモンド等の硬質粒子がパ
ッド表面に付着し、この硬質粒子によって研磨対象物表
面に不要のスクラッチが形成される、という問題があ
る。
【0009】さらに、上述したような従来の織布を弾性
シート上に固定した研磨パッドを使用すると、使用時間
の経過とともに、パッド表面の織布の繊維がずれて研磨
パッドの表面部分が変形し、研磨対象物表面を均一に研
磨できなくなるだけでなく、パッド表面に遊離砥粒が保
持されにくくなり、研磨レートが低下する、という問題
がある。
【0010】したがって、本発明の目的は、使用時間の
経過とともに変形せず、高い研磨レートで研磨対象物表
面を均一に平坦化できる研磨シート及びその製造方法を
提供すること、及びこの研磨シートを用いた研磨方法を
提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決する本発
明の研磨シートは、1本の繊維、複数本の繊維を束ねた
繊維束、又は複数本の繊維を束ねた繊維束をさらに複数
束ねた繊維束からなる織布シート、及びこの織布シート
の繊維又は繊維束同士を固定した樹脂から構成される。
好適に、本発明の研磨シートは、ウレタン系、ポリエス
テル系、アクリル系等の既知の樹脂接着剤を使用して、
プラスチック、織布、不織布、発泡体等からなる裏地シ
ートの表面に固定される。
【0012】織布シートとして、サテン織りしたものが
使用される。サテン数を大きくすると、研磨対象物の表
面粗さが小さくなるだけでなく、研磨レートが高くな
る。サテン数は1〜15の範囲にあることが好ましく、
3〜15の範囲にあることがより好ましい。
【0013】織布シートを構成する繊維として、研磨用
途に限らず一般的に広く使用さている既知の繊維材料か
らなる繊維が使用され、研磨対象物の表面粗さを小さく
し、研磨レートを高くするため、太さ0.1デニール以
下の繊維が使用される。好適に、太0.1デニール以下
のポリエステル繊維が使用される。
【0014】織布シートの繊維又は繊維束同士を固定す
るための樹脂として、ウレタン系、ポリエステル系、ア
クリル系等の既知の樹脂が使用され、好適にウレタン系
樹脂が使用される。樹脂溶液中の樹脂濃度は、好適に、
0.1%〜30%の範囲にある。樹脂溶液は、水、又は
アルコールや有機溶剤を含む水ベースの溶媒に上記樹脂
を溶解したものである。
【0015】上記本発明の研磨シートは、上記織布シー
トに樹脂溶液を含浸させ、この樹脂溶液を含んだ織布シ
ートを乾燥させて製造される。
【0016】研磨対象物の研磨は、本発明の研磨シート
からなる研磨パッド又は研磨テープと、研磨対象物表面
との間に研磨液を介在させ、研磨パッド又は研磨テープ
と研磨対象物とを相対的に移動させて行われる。研磨液
としては、好適に、研磨対象物表面と化学的に反応する
成分を含んだものが使用され、化学的機械的研磨が行わ
れる。ここで、研磨液に砥粒を含むか、又は含まないか
は任意である。
【0018】
【発明の実施の形態】<研磨シート> 図1に示すよう
に、本発明の研磨シート10は、1本の繊維13、複数
本の繊維を束ねた繊維束13、又は複数本の繊維を束ね
た繊維束をさらに複数束ねた繊維束13からなる織布シ
ート12、及びこの織布シート12の繊維又は繊維束1
3同士を固定する樹脂14から構成される。好適に、本
発明の研磨シート10は、図示のように、研磨中の横ズ
レを防止するため、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、アクリル系樹脂等の既知の接着剤16を介して、裏
地シート15の表面に固定される。裏地シート15とし
て、高引張強度を有し、耐薬品性に優れたポリエステ
ル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の
プラスチック材料からなるシート、織布シート、不織布
シート、発泡ウレタン等の発泡体からなる発泡体シート
が使用される。
【0019】織布シート12として、繊維又は繊維束1
3をサテン織りしたものが使用される。ここで、サテン
数を小さくすると、研磨レートが小さくなり、研磨後の
研磨対象物の表面粗度が大きくなる。一方、サテン数を
大きくすると、研磨レートが大きくなり、研磨後の研磨
対象物の表面粗さが小さくなるが、サテン数が大きすぎ
ると、研磨シートが変形し易くなるので、サテン数は、
15以下であることが好ましく、3〜15の範囲にある
ことがより好ましい。図示の例では、サテン数は5であ
る。
【0020】織布シート12を構成する繊維13とし
て、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポ
リ塩化ビニル、ポリエチレン、ビニリデン、ポリウレタ
ン、ポリクラール、レーヨン、ポリノジック、キュプ
ラ、アセテート、トリアセテート、プロミックス等の合
成繊維、炭素繊維、絹、羊毛、綿、麻等の天然繊維、か
ら選択される1種又は2種以上の繊維が使用され、研磨
対象物の表面粗さを小さくし、研磨レートが高くするた
め、太さ0.1デニール以下の繊維が使用される。好適
に、太さ0.1デニール以下のポリエステル繊維が使用
される。
【0021】織布シート12に含浸させる樹脂溶液は、
ウレタン系、ポリエステル系の既知の樹脂を水に溶解し
たものであり、樹脂溶液中の樹脂濃度は0.1%〜30
%の範囲にある。好適に、ウレタン樹脂溶液が使用さ
れ、織布シート12の繊維又は繊維束13同士が、ウレ
タン樹脂14によって固定される。
【0022】<製造方法> 図1に示すような本発明の
研磨シート10は、織布シート12に樹脂溶液を含浸さ
せ、この樹脂溶液を含んだ織布シート12を乾燥させ
て、この織布シート12の繊維又は繊維束13同士を樹
脂14で固定することによって製造される。好適に、接
着剤16を介して裏地シート15の表面に固定される。
ここで、樹脂溶液は、スプレーを使用したり、樹脂溶液
槽の中をくぐらせることによって織布シート12に含浸
させることができる。また、本発明の裏地シート15の
表面への固定は、上述したように接着剤16を介して行
えるが、樹脂溶液を含んだ織布シート12を裏地シート
15の表面に押し付けてから、乾燥させても行える。こ
こで、接着剤16に代えて、既知の両面粘着テープ(図
示せず)を使用して、裏地シート15の表面に固定して
もよい。
【0023】<研磨方法> 研磨対象物の研磨は、図1
に示すような本発明の研磨シート10からなる研磨パッ
ド又は研磨テープと、研磨対象物表面との間に研磨液を
介在させ、研磨パッド又は研磨テープと研磨対象物とを
相対的に移動させて行われる。
【0024】以下、本発明の研磨方法を実施する代表的
な研磨方式について簡単に説明する。
【0025】1.回転定盤式研磨 回転定盤式研磨は、図2に示すようように、本発明の研
磨シートからなる研磨パッド10を定盤Dに貼り付け、
半導体ウェーハ等の研磨対象物11をヘッドHに吸着
し、定盤DとヘッドHとをそれぞれ矢印の方向に回転さ
せながら、定盤D上の研磨パッド10の表面にノズルN
を通じて研磨液を供給し、ヘッドHに吸着させた研磨対
象物11を定盤D上の研磨パッド10に押し付けて行わ
れる。
【0026】2.回転ヘッド式研磨 回転ヘッド式研磨は、図3に示すように、液晶ガラス板
等の研磨対象物11を枠等の保持手段Sで定盤D上に保
持し、この研磨対象物11の表面に、ノズルNを通じて
研磨液を供給しながら、本発明の研磨シートからなる研
磨パッド10を取り付けた回転ヘッドHを押し付け、回
転ヘッドHを研磨対象物11表面上で水平蛇行運動させ
て行われる。
【0027】3.ベルト式研磨 ベルト式研磨は、図4に示すように、ヘッドHに半導体
ウェーハ等の研磨対象物11を吸着し、ヘッドHを回転
させるとともに、本発明の研磨シートからなるベルト状
の研磨パッド10を矢印の方向に走行させ、研磨パッド
10の表面にノズルNを通じて研磨液を供給し、表面に
弾性材(図示せず)を固定したプラテンP上を走行する
研磨パッド10上に、ヘッドHに吸着させた研磨対象物
11を押し付けて行われる。
【0028】4.ドラム式研磨 ドラム式研磨は、図5に示すように、半導体ウェーハ等
の研磨対象物11をヘッドHに吸着し、ヘッドHを矢印
の方向に回転させるとともに、本発明の研磨シートから
なる研磨パッド10を周囲に貼り付けたドラムCを矢印
の方向に回転させ、ドラムCの周囲に貼り付けた研磨パ
ッド10の表面に、ノズルNを通じて研磨液を供給し、
ヘッドHに吸着させた研磨対象物11を押し付けて行わ
れる。
【0029】5.テープ式研磨 テープ式研磨は、図6に示すように、半導体ウェーハ等
の研磨対象物11をヘッドHに吸着し、ヘッドHを矢印
の方向に回転させながら、供給ローラR1から矢印の方
向に送り出された本発明の研磨シートからなる研磨テー
プ10上にノズルNを通じて研磨液を供給し、表面に弾
性材(図示せず)を固定したプラテンP上に位置した研
磨パッド10上に、ヘッドHに吸着させた研磨対象物1
1を押し付けて行われ、研磨テープ10は、順次、巻取
ローラR2へ巻き取られる。ここで、研磨テープ10の
送出巻取動作は、連続的に行われてもよいし、又、研磨
対象物11を研磨テープ10の表面に押し付けていると
きはこの送出巻取動作を中断するように間欠的に行われ
てもよい。
【0030】<研磨液> 本発明では、研磨液として、
遊離砥粒式研磨に使用される既知の研磨液を使用できる
が、研磨対象物表面と化学的に反応する成分を含んだも
のを使用することが望ましい。これは、上述したよう
に、CMP法を利用すると、高度の平坦化が行える、と
いう利点があるからである。CMP法を利用して金属や
ガラスを研磨するときは、研磨液として、酸性の溶液、
及び酸化剤を含む溶液、キレート剤を含む溶液、又は水
酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液等を含んだア
ルカリ性の溶液を含むものが使用できる。
【0031】研磨液中に分散される砥粒としては、シリ
カ、酸化セリウム、アルミナ、ジルコニア、ダイヤモン
ド等の既知の砥粒が使用できる。
【0032】ここで、CMP法を利用する場合、砥粒の
使用、不使用は任意である。砥粒を含む研磨液を使用す
ると、発泡体ベースの研磨パッドを使用した場合と比較
して研磨レートが増大する。一方、砥粒を含まない研磨
液を使用すると、発泡体ベースの研磨パッドを使用した
場合と同等の研磨レートが得られる。
【0033】<実施例1> 太さ0.06デニールのポ
リエステル繊維を70本束ねた繊維束をさらに12本束
ねた繊維束を横糸として「サテン数8」で織り込んだ織
布シートに、ウレタン樹脂(10%濃度)を水に溶解し
た樹脂溶液を含浸させ、この樹脂溶液を含んだ織布シー
トを乾燥し、これをポリエチレンテレフタレート(PE
T)シートの表面にアクリル系樹脂接着剤で接着固定し
て本発明の研磨シートを製造し、この研磨シートを裁断
加工して実施例1の研磨パッドを製造した。
【0034】<実施例2> 太さ0.06デニールのポ
リエステル繊維を70本束ねた繊維束をさらに12本束
ねた繊維束を縦糸及び横糸として「サテン数5」で織り
込んだ織布シートに、上記実施例1の樹脂溶液を含浸さ
せ、この樹脂溶液を含んだ織布シートを乾燥し、これを
PETシートの表面にアクリル系両面粘着テープで接着
固定して本発明の研磨シートを製造し、この研磨シート
を裁断加工して実施例2の研磨パッドを製造した。
【0035】<実施例3> 太さ0.06デニールのポ
リエステル繊維を70本束ねた繊維束をさらに12本束
ねた繊維束を縦糸及び横糸として「サテン数1」で織り
込んだ織布シート(平織り)に、上記実施例1の樹脂溶
液を含浸させ、この樹脂溶液を含んだ織布シートを乾燥
し、これをPETシートの表面にアクリル系両面粘着テ
ープで接着固定して研磨シートを製造し、この研磨シー
トを裁断加工して実施例3の研磨パッドを製造した。
【0036】<実施例4> 太さ0.06デニールのポ
リエステル繊維を70本束ねた繊維束をさらに12本束
ねた繊維束を縦糸及び横糸として「サテン数3」で織り
込んだ織布シートに、上記実施例1の樹脂溶液を含浸さ
せ、この樹脂溶液を含んだ織布シートを乾燥し、これを
PETシートの表面にアクリル系両面粘着テープで接着
固定して研磨シートを製造し、この研磨シートを裁断加
工して実施例4の研磨パッドを製造した。
【0037】<比較例1> 太さ0.06デニールのポ
リエステル繊維を70本束ねた繊維束をさらに12本束
ねた繊維束を縦糸及び横糸として「サテン数3」で織り
込んだ織布シートをPETシートの表面にアクリル系両
面粘着テープで接着固定して研磨シートを製造し、この
研磨シートを裁断加工して比較例1の研磨パッドを製造
した。
【0038】<比較例2> 比較例2の研磨パッドは、
市販の発泡ポリウレタンパッド(製品番号:IC−10
00、Rodel社)である。
【0039】<比較例3> 太さ1.18デニールのポ
リエステル繊維を34本束ねた繊維束を縦糸及び横糸と
して「サテン数1」で織り込んだ織布シート(平織り)
に、上記実施例1の樹脂溶液を含浸させ、この樹脂溶液
を含んだ織布シートを乾燥し、これをPETシートの表
面にアクリル系両面粘着テープで接着固定して研磨シー
トを製造し、この研磨シートを裁断加工して比較例3の
研磨パッドを製造した。
【0040】<研磨試験1> 繊維束を樹脂で固定した
サテン織りの織布シートを裏地シート表面に固定した本
発明の研磨シートにおいて、織布シートのサテン数を変
えて、研磨レートと研磨後の研磨対象物表面の粗さにつ
いて試験した。
【0041】この研磨試験1は、実施例1(サテン数
8)、実施例2(サテン数5)及び実施例3(サテン数
1)のそれぞれの研磨パッドを使用して行われた。
【0042】研磨対象物として、表面にCu膜(800
0Å)をスパッタリングによりシリコンウェーハ(8イ
ンチ)上に成膜したものを使用した。
【0043】このCu膜付きウェーハの研磨は、研磨液
として、砥粒として平均粒径0.1μmのアルミナを含
む下記の表2に示す組成の「研磨液(A)」を使用し、
図2に示すような回転定盤式の研磨装置(製品番号:M
echpol E550、Presi社)を使用し、下
記の表1に示す研磨条件で行った。
【表1】
【表2】
【0044】研磨レート(単位:Å/分)は、4探針接
触式抵抗率測定器(膜厚計)を使用して単位時間当たり
に削られた膜厚を測定し、表面粗さ(単位:Å)は、白
色干渉式表面粗さ測定器(製品名:NEW VIEW、
zygo社)を使用して行った。
【0045】<試験結果1> 上記研磨試験1の結果を
下記の表3に示す。表3に示す結果から、本発明の研磨
シートにおいて、サテン数を大きくすると、研磨レート
が大きくなり、研磨後の研磨対象物の表面粗さが小さく
なることがわかる。
【表3】
【0046】<研磨試験2> 上記実施例4、比較例1
及び比較例2の研磨パッドを使用して、上記研磨試験1
で使用したウェーハと同一のCu膜付きウェーハの研磨
を行った。研磨試験2は、研磨液として、砥粒として平
均粒径0.1μmのアルミナを含む上記表2に示す組成
の「研磨液(A)」と、砥粒を含まない下記の表4に示
す組成の「研磨液(B)」を使用して行われ、研磨レー
トと研磨後の研磨対象物の表面の状態について調べた。
この「研磨液(B)」は、「研磨液(A)」と同様に、
Cu膜(金属)と化学的に反応し、Cu膜表面に錯体を
生成する成分を含むものである。研磨レート(単位:Å
/分)は、上記研磨試験1と同様に、4探針接触式抵抗
率測定器(膜厚計)を使用して単位時間当たりに削られ
た膜厚を測定した。研磨試験2は、上記研磨試験1で使
用した回転定盤式の研磨装置を使用し、上記表1に示す
研磨条件で行った。
【表4】
【0047】<試験結果2> 上記研磨試験2の結果を
下記の表5に示す。表5に示す結果から、上記実施例4
の研磨パッドを使用すると、砥粒を含む「研磨液
(A)」を使用した場合と、砥粒を含まない「研磨液
(B)」を使用した場合の両方の場合における研磨レー
トが、上記比較例1及び2の研磨パッドを使用した場合
よりも大きいことがわかる。また、研磨後のCu膜付き
ウェーハ表面の状態について、上記実施例4の研磨パッ
ドを使用した場合の表面粗度も、上記比較例1及び2の
研磨パッドを使用した場合の表面粗度も同様に良好(約
3.0Å〜約4.0Å)であったが、上記研磨試験1で
使用した白色干渉式表面粗さ測定器を用いて、研磨後の
Cu膜付きウェーハのほぼ全面の表面粗度を詳しく調べ
ると、実施例4の研磨パッドを使用した場合、上記比較
例1及び2の研磨パッドを使用した場合よりも、Cu膜
付きウェーハ表面の全体が均一に平坦化されていること
が観察された。
【表5】
【0048】<研磨試験3> 上記実施例3(繊維太さ
0.06デニール)及び比較例3(繊維太さ1.18デ
ニール)の研磨パッドを使用して、上記研磨試験1で使
用したウェーハと同一のCu膜付きウェーハの研磨を行
った。研磨試験3は、研磨液として、砥粒として平均粒
径0.1μmのアルミナを含む上記表2に示す組成の
「研磨液(A)」を使用して行われ、上記実施例1と同
様に、研磨レートと研磨後の研磨対象物の表面粗さにつ
いて調べた。研磨試験3は、上記研磨試験1で使用した
回転定盤式の研磨装置を使用し、上記表1に示す研磨条
件で行った。
【0049】<試験結果3> 上記研磨試験3の結果を
下記の表6に示す。表6に示す結果から、繊維の太さを
小さくすると、表面粗さと研磨レートが向上し、より平
坦な表面に短時間で研磨することができることがわか
る。
【表6】
【0050】
【発明の効果】本発明が以上のように構成されるので、
研磨シートの形状が安定し、容易に変形しないので、使
用時間の経過とともに変形せず、高い研磨レートで研磨
対象物表面を均一に平坦化できる。
【0051】また、CMP法を利用した研磨において、
砥粒を使用せずに、高い研磨レートで研磨対象物表面を
均一に平坦化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の研磨シートの断面図で
あり、図1(b)は、本発明の研磨シート表面の走査型
電子顕微鏡写真である。
【図2】図2は、回転定盤式研磨に用いる研磨装置の側
面図である。
【図3】図3は、回転ヘッド式研磨に用いる研磨装置の
側面図である。
【図4】図4は、ベルト式研磨に用いる研磨装置の側面
図である。
【図5】図5は、ドラム式研磨に用いる研磨装置の側面
図である。
【図6】図6は、テープ式研磨に用いる研磨装置の側面
図である。
【符号の説明】
10・・・研磨パッド又は研磨テープ 11・・・研磨対象物 12・・・織布シート 13・・・繊維又は繊維束 14・・・樹脂 15・・・裏地シート 16・・・接着剤 H ・・・ヘッド D ・・・定盤 S ・・・保持手段(枠) P ・・・プラテン C ・・・ドラム N ・・・ノズル R1・・・供給ローラ R2・・・巻取ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 俊裕 東京都昭島市武蔵野三丁目4番1号日本ミ クロコーティング株式会社内 Fターム(参考) 3C058 AA05 AA09 AC04 CA01 CA04 CA06 CB02 CB03 CB10 DA16 DA17 3C063 AA03 AB07 BB11 BC03 BG08 BH03 EE01 EE10 EE26 FF18 FF23 4L048 AA20 AA35 BA01 BA02 DA00 EB00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1本の繊維、複数本の繊維を束ねた繊維
    束、又は複数本の繊維を束ねた繊維束をさらに複数束ね
    た繊維束からなる織布シート、この織布シートの前記繊
    維又は繊維束同士を固定する樹脂、から成る研磨シー
    ト。
  2. 【請求項2】前記織布シートがサテン織りされたもので
    あり、サテン数が1〜15の範囲にある、請求項1の研
    磨シート。
  3. 【請求項3】前記織布シートがサテン織りされたもので
    あり、サテン数が3〜15の範囲にある、請求項1の研
    磨シート。
  4. 【請求項4】前記繊維の太さが、0.1デニール以下で
    ある、請求項1の研磨シート。
  5. 【請求項5】当該研磨シートを表面に固定するための裏
    地シート、からさらに成る請求項1の研磨シート。
  6. 【請求項6】1本の繊維、複数本の繊維を束ねた繊維
    束、又は複数本の繊維を束ねた繊維束をさらに複数束ね
    た繊維束からなる織布シートに樹脂溶液を含浸させ、こ
    の樹脂溶液を含んだ前記織布シートを乾燥させて、前記
    織布シートの前記繊維又は繊維束同士を樹脂で固定す
    る、研磨シートの製造方法。
  7. 【請求項7】前記研磨シートを裏地シートの表面に固定
    することをさらに含む請求項6の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜5のいずれか1に記載の研磨シ
    ートからなる研磨パッド又は研磨テープと、研磨対象物
    表面との間に、前記研磨対象物表面と化学的に反応する
    成分を含む研磨液を介在させ、前記研磨パッド又は研磨
    テープと前記研磨対象物とを相対的に移動させる研磨方
    法。
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